JP6466733B2 - 溶銑の脱りん処理における固体酸素源の供給方法 - Google Patents
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Description
このような溶銑予備処理工程の一つとして溶銑の脱りん処理を行う際には、転炉型の溶銑処理容器内に上吹酸素ランスを差し込み、容器内に装入された溶銑に対して上吹酸素ランスの先端から気体酸素源(酸素ガス)を溶銑浴面に噴射して供給し、また、炉口上方から、焼石灰、酸化鉄源(FeO)を含む焼結鉱、ミルスケール、鉄鉱石等を供給することで、SiやPなどの不純物を酸化し、溶銑中からこれらの不純物をスラグとして除去する脱りん処理が行われる。
即ち、本発明の溶銑の脱りん処理における固体酸素源の供給方法は、転炉型の溶銑処理容器内に装入された溶銑に対して、上吹酸素ランスから気体酸素源を吹き込みつつ溶銑の脱りん処理を行うにおいては、前記上吹酸素ランスに、前記気体酸素源を供給する主系統のガス供給管と、固体酸素源を搬送用ガスと伴に供給すると共に前記主系統のガス供給管とは隔離状態で配備された副系統のガス供給管とを予め設けておき、前記上吹酸素ランスの中心軸に対して主系統のガス供給管に設けられる気体用ノズルの中心軸が為す角度αと、前記上吹酸素ランスの中心軸に対して副系統のガス供給管に設けられる固体酸素源供給用ノズルの中心軸が為す角度βが、前記上吹酸素ランスの中心軸に対して相互に真逆方向に傾くようにしておき、前記上吹酸素ランスから固体酸素源を供給するに際しては、前記主系統のガス供給管に設けられる気体用ノズルから吐出される前記気体酸素源の吐出速度V1、前記副系統のガス供給管に設けられる固体酸素源供給用ノズルから吐出される前記搬送用ガスの吐出速度V2、前記上吹酸素ランスの中心軸に対して主系統のガス供給管に設けられる気体用ノズルの中心軸が為す角度α、及び前記上吹酸素ランスの中心軸に対して副系統のガス供給管に設けられる固体酸素源供給用ノズルの中心軸が為す角度βが、式(1)の関係を満足することを特徴とする。
まず、本発明の固体酸素源の供給方法が行われる「溶銑の脱りん処理」について簡単に説明する。
一般的に、製鋼工程においては、高炉から出銑した溶銑1に対して、りんや硫黄などの不純物を酸化して除去する溶銑予備処理が行われる。次に、溶銑予備処理された溶銑に対して、転炉で脱炭を行った後、さらに、取鍋などで二次精錬が行われる。このようにして溶銑予備処理〜二次精錬を通して溶銑を成分調整することで、所望とされる成分の鋼が製造されている。このような溶銑の処理工程のうち、溶銑予備処理で行われる脱りん処理は、溶銑処理容器2に脱りん材として、焼石灰、酸化鉄(焼結鉱、ミルスケール、鉄鉱石等)を炉頂から供給すると共に酸素ガスを吹き込み、吹き込まれた酸素ガスと酸化鉄でりんを酸化させてスラグに移行させ、そのスラグを排出する。
上吹酸素ランス3から溶銑1内に吹き付けられた気体酸素源の酸素ガスと炉頂から供給された酸化鉄源により、次の式(2)で示す反応式に従って、溶銑1中のりん(P)が脱りん材の酸化カルシウム(CaO)と反応して、リンとカルシウムのりん酸化物が形成される。このようにして形成されたりん酸化物をスラグSと一緒に排滓することで、溶銑1中のりんが取り除かれる。
ところで、上述した式(2)において、りん酸化物の生成を効率的に行うためには、左辺の酸素濃度を上げる、つまり酸素ポテンシャルを高位にすることが必要となる。この式(2)の反応はスラグSと溶銑の界面で行われるものであるため、「酸素ポテンシャルを高位にする」とはスラグSと溶銑界面の酸化鉄(FeO)の濃度を高くすることに他ならない。
そのため、本発明の固体酸素源の供給方法は、上吹酸素ランス3に気体酸素源を供給する主系統のガス供給管6と、FeOなどの固体酸素源を搬送用ガスと伴に供給すると共に主系統のガス供給管6とは隔離状態で配備された副系統のガス供給管7とを予め設けておき、副系統のガス供給管7を通じて搬送された固体酸素源のFeOを上吹酸素ランス3から溶銑1中のスラグSに直接供給するものとなっている。
上述した溶銑1の脱りん処理で用いられる固体酸素源は、酸素を含む固体の化合物(酸化物)の微小な粉末である。具体的には、この固体酸素源には、平均粒径が0.1mm以下の粉塵ダスト(製鋼工程で生じる粉塵ダスト)が用いられている。
上述した固体酸素源及び搬送用ガスは、気体酸素源を供給するものと同じ上吹酸素ランス3から溶銑(浴面に浮かぶスラグS)に供給される。つまり、本発明の上吹酸素ランス3は、気体酸素源と固体酸素源とを1本のランスから異なる対象に向かって供給するものとなっている。
図2A及び図2Bに示すように、上吹酸素ランス3は、先端部は水冷銅、胴体部は耐火物で形成された筒状の部材であり、内部に設けられたそれぞれの供給管を通じて気体酸素源と固体酸素源とをそれぞれ供給できるようになっている。詳しくは、上吹酸素ランス3の内部には、気体酸素源を気体用ノズル8まで案内する主系統のガス供給管6と、固体酸素源を固体酸素源供給用ノズル4まで案内する副系統のガス供給管7と、がそれぞれ配備されている。
主系統のガス供給管6は、酸素ガスなどの気体酸素源を流通可能な管状の流路であり、上吹酸素ランス3の内部に上吹酸素ランス3の中心軸と略同じ方向に沿って形成されている。この主系統のガス供給管6の先端(下端)には、気体酸素源を溶銑1の浴面に向かって噴射する気体用ノズル8が配備されている。
さらに、上述した式(1)に用いられる気体酸素源の吐出速度は、気体用ノズル8を通過する気体酸素源のガス流量を、気体用ノズル8の断面積で除したものであり、標準状態に換算した値となっている。
また、上述した式(1)に用いられる固体酸素源の吐出速度は、上述した気体酸素源の吐出速度と同様に、固体酸素源供給用ノズル4を通過する搬送用ガスのガス流量を、固体酸素源供給用ノズル4の断面積で除したものであり、標準状態に換算した値となっている。
すなわち、上述した気体酸素源を上吹酸素ランス3から溶銑1の浴面に供給すると、浴面に衝突した酸素ガスの勢いで溶銑1に浮遊したスラグSが掻き分けられ、気体酸素ガスが溶銑1の浴面に直接衝突する。この箇所は一般に「火点」と言われる部分である。
実施例及び比較例は、250tの転炉を溶銑処理容器2として実際使用して、固体酸素源及び気体酸素源の吐出速度、気体用ノズル8及び固体酸素源供給用ノズル4の取り付け角度を変えつつ上述した溶銑処理容器2中で脱りん処理を行い、脱りん処理後のりん濃度を測定したものである。
さらにまた、固体酸素源として脱りん処理に用いた粉塵ダストは、上述したように平均粒径が0.1mm以下のものであり、表1に示すような組成を備えたものである。
図4Aを見ると、脱りん処理後のりん濃度が0.025mass%以下となる実施例の結果と、脱りん処理後のりん濃度が0.025mass%を超える比較例の結果とは、図4A上で2つの領域に分かれて存在している。つまり、比較例の結果は、図4Aの上側、言い換えれば搬送用ガスの吐出速度V2が同じでも気体酸素源の吐出速度V1が高くなるような領域にのみ存在しており、実施例の結果は、図4Aの下側、言い換えれば搬送用ガスの吐出速度V2が同じでも気体酸素源の吐出速度V1が低くなるような領域にのみ存在して、実施例の結果と比較例の結果とが2つの領域に明確に類別されている。
図4Bの結果を見ると、上述した実施例と比較例の結果は一つの曲線上に並ぶような傾向を示し、パラメータの数値が5.59→20.46と大きくなると、脱りん処理後のりん濃度は0.55mass%→0.012mass%と徐々に低下する傾向が見られる。そこで、脱りん処理後のりん濃度を0.025mass%以下とする境界値を算出すると、パラメータの境界値は式(1)の右辺に示すように「11.69」となる。
なお、式(1)の関係は、気体用ノズル8と固体酸素源供給用ノズル4の角度差が大きいほど、搬送用ガスの吐出速度が気体酸素源の吐出速度に比して大きいほど、スラグS中のFeOの濃度を高濃度に維持して、脱りん処理を効率的に促進できることを示していると考えることもできる。
2 溶銑処理容器
3 上吹酸素ランス
4 固体酸素源供給用ノズル
5 羽口
6 主系統のガス供給管
7 副系統のガス供給管
8 気体酸素供給用ノズル
S スラグ
Claims (1)
- 転炉型の溶銑処理容器内に装入された溶銑に対して、上吹酸素ランスから気体酸素源を吹き込みつつ溶銑の脱りん処理を行うにおいては、
前記上吹酸素ランスに、前記気体酸素源を供給する主系統のガス供給管と、固体酸素源を搬送用ガスと伴に供給すると共に前記主系統のガス供給管とは隔離状態で配備された副系統のガス供給管とを予め設けておき、
前記上吹酸素ランスの中心軸に対して主系統のガス供給管に設けられる気体用ノズルの中心軸が為す角度αと、前記上吹酸素ランスの中心軸に対して副系統のガス供給管に設けられる固体酸素源供給用ノズルの中心軸が為す角度βが、前記上吹酸素ランスの中心軸に対して相互に真逆方向に傾くようにしておき、
前記上吹酸素ランスから固体酸素源を供給するに際しては、
前記主系統のガス供給管に設けられる気体用ノズルから吐出される前記気体酸素源の吐出速度V1、前記副系統のガス供給管に設けられる固体酸素源供給用ノズルから吐出される前記搬送用ガスの吐出速度V2、前記上吹酸素ランスの中心軸に対して主系統のガス供給管に設けられる気体用ノズルの中心軸が為す角度α、及び前記上吹酸素ランスの中心軸に対して副系統のガス供給管に設けられる固体酸素源供給用ノズルの中心軸が為す角度βが、式(1)の関係を満足する
ことを特徴とする溶銑の脱りん処理における固体酸素源の供給方法。
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