JP2017101293A - 溶銑の脱りん処理における固体酸素源の供給方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の固体酸素源の供給方法は、溶銑が装入された転炉型の溶銑処理容器1内に、精錬用の上吹きランスとして第1ランス3と第2ランス4とを水平方向に距離を離して挿入し、第1ランス3からは気体酸素を供給し、第2ランス4からは搬送用ガスとともに固体酸素源を供給するものとし、第1ランス3と第2ランス4との水平方向距離をs、第2ランス4の静止湯面からの吹込み高さをh2、溶銑処理容器1の炉口6の径をDとしたとき、第1ランス3及び第2ランス4の配置が所望の関係を満たすことを特徴としている。
【選択図】図1
Description
このような溶銑予備処理工程での脱りん処理では、造滓材に石灰(CaO)を使用するのが一般的であり、その場合の脱りん反応は便宜上、以下の式で表される。ゆえに、反応を促進するためには(式を右側に進める)、(1)難溶解性であるCaOの滓化を早める、(2)FeO濃度を高位に保つことが要求される。また、CaOはスラグ中のFeOの存在により、滓化が促進されるため、酸素ポテンシャルを高め、FeO濃度を高位に保つことは脱りん反応の効率を高めるために必要不可欠である。
なお、脱りん処理は従来は混銑車・鍋などの搬送容器内で実施されることが多かったが、これらの搬送容器はフリーボードが小さく、酸素の供給速度を小さくしなければ成らず、処理に時間を要していた。そこで、現在はフリーボードが大きく、酸素の供給速度を大きくできる転炉型脱りんが広く普及している。
つまり、上述した特許文献1〜5では、固体酸素源をスラグではなく溶銑に直接吹き込む構成となっていて、固体酸素源をスラグ表面あるいはスラグ中に供給してスラグの酸素ポテンシャルを高位に維持することは全く考慮されておらず、固体酸素源の反応促進を高める最適な処理条件とはなっていない。
また、特許文献1〜5で用いられる固体酸素源は、粒径が比較的大きなもの(例えば、特許文献1では、粒径500μm以上のものなど)を含んでおり、排ガスによる散逸をそれほど心配しなくても良いものである。しかし、溶銑の脱りん処理で使用する固体酸素源は微細である方が、スラグへの溶解が速いため、スラグ中FeOを迅速に高めることができ、かつにそれにより石灰源の滓化も早まる為、効率が良く、結果として精錬時間を大幅に短縮することができる。ところが、微細な固体酸素源、例えば集塵ダストといったものは、微細であるがために、集塵ガス流れとともに炉外に排出され、発塵の問題や投入歩留が悪い。そのため、上述した特許文献1〜特許文献5ではこれらの微細な固体酸素源を積極的には利用することはできなかった。
即ち、本発明の溶銑の脱りん処理における固体酸素源の供給方法は、溶銑が装入された転炉型の溶銑処理容器内に、精錬用の上吹きランスとして第1ランスと第2ランスとを水平方向に距離を離して挿入し、前記第1ランスからは気体酸素を供給し、前記第2ランスからは搬送用ガスとともに固体酸素源を供給するものとし、前記第1ランスと第2ランスとの水平方向距離をs(m)、前記第2ランスの静止湯面からの吹込み高さをh2(m)、前記溶銑処理容器の炉口の径をD(m)としたとき、前記第1ランス及び第2ランスの配置が式(1)及び式(2)を満たすことを特徴とする。
まず、本発明の固体酸素源の供給方法が行われる「溶銑Mの脱りん処理」について簡単に説明する。
一般的に、高炉から出銑した溶銑Mには、りん、硫黄などの不純物が含まれている。このような溶銑Mに対しては、転炉での脱炭の前にりんや硫黄などの不純物を除去する溶銑予備処理が行われる。次に、溶銑予備処理された溶銑Mに対して、転炉で脱炭を行った後、さらに、最終成分調整のために二次精錬が行われる。このようにして、溶銑予備処理〜二次精錬を通して成分調整することで所望とされる成分の鋼が製造されている。
次に、本発明の溶銑の脱りん処理で用いられる溶銑処理容器1、第1ランス3についてまず説明する。
227頁〜229頁、あるいは特願平3−90915号公報等を参照)。また、第1ランス3のノズル7には、超音速のガスジェットを得るために、絞りを設けたラバールノズル7を用いても良い。なお、本実施形態の第1ランス3には、鉛直方向に対して10°〜20°の傾角となるように形成されると共にノズル孔が3個〜7個のノズル7が用いられている。
すなわち、第1ランス3から溶銑M内に吹き付けられた気体酸素の酸素ガスと溶銑中のFeが反応するか、上方より投入した固体酸素源が溶解してスラグ中にFeOが形成される。そして、形成されたFeOが溶銑中のPと次の式(3)で示す反応式に従って反応して、溶銑中のりん(P)がりん酸化物に変化する。このようにして形成されたりん酸化物をスラグと一緒に排滓することで、溶銑M中のりんが取り除かれる。
さらに、脱りん処理の初期段階では溶銑中の珪素(Si)の酸化による脱珪反応が優先して起こるため、本発明の固体酸素源の供給方法は脱珪反応を含めた広い意味での脱りん反応を対象とする。つまり、本発明の固体酸素源の供給方法は、脱珪反応が主となるような脱りん処理の初期段階に固体酸素源を供給する場合も含むものとなっている。
また、固体酸素源には、集塵ダストのような微細なものも含まれるので、集塵ガス流れとともに炉外に排出されることを抑制できるように、上述した第2ランス4は第1ランス3とは異なる位置に設けられるのが好ましい。
次に、本発明の脱りん装置の特徴である第2ランス4と、この第2ランス4から供給される固体酸素源について説明する。
すなわち、第2ランス4が取り付けられる位置は第1ランス3の側方であり、第2ランス4は第1ランス3から水平方向に距離s(m)をあけて配備されている。また、第2ランス4は、溶銑処理容器1の静止湯面からの吹込み高さがh2(m)となるように配備されている。そして、溶銑処理容器1の炉口6の径をDとしたとき、第2ランス4が次の式
(1)及び式(2)を満たすように第2ランス4を配備するのが好ましい。
上述した式(1)や式(2)の関係は、次のような考え方から導かれる。
また、上述した式(1)の関係はノズル7の孔数や角度に影響を殆ど受けない。つまり、通常使用されている範囲内でノズル7の孔数や角度が変化しても、第1ランス3からの間隔sが1.0mより大きくなるような位置に第2ランス4を設ける限りは、固体酸素源が火点Sに噴射される問題は起きないことを出願人は確認している。
上述した固体酸素源の供給方法によれば、溶銑の脱りん処理の際に、従来は転炉容器での脱りん処理で使用することが困難であったダストなどの微粒な固体酸素源をスラグの表面あるいはスラグ中に直接供給することが可能となり、スラグ中の酸素ポテンシャルを高位に保つことができ、また溶銑とスラグのりん分配を増加させて脱りん能を向上させることも可能となる。
実施例及び比較例は、250tの容積を有する転炉型の溶銑処理容器1において、以降に示すような位置に第1ランス3及び第2ランス4を配備して脱りん処理を行った場合に、「火点内投射率:X」や「粉体供給歩留:R」がどのように変化するかをシミュレーションにより解析したものである。
なお、この「火点内投射率:X」は、「火点S」の領域内に投射された粒子数を全投射粒子数で除した値、言い換えれば式(4)に定義されたものである。また、この「火点S」は、図2に示すように、ジェット断面方向(第2ランス4の軸心を基準とする径方向)に沿った搬送用ガスの流速分布をとり、流速分布の中で流速≧10m/sの領域、言い換えれば第2ランス4の軸心から半径rの領域を火点領域と定義している。
3 第1ランス
4 第2ランス
5 胴体部
6 炉口
7 ノズル
M 溶銑
S 火点
Claims (1)
- 溶銑が装入された転炉型の溶銑処理容器内に、精錬用の上吹きランスとして第1ランスと第2ランスとを水平方向に距離を離して挿入し、
前記第1ランスからは気体酸素を供給し、前記第2ランスからは搬送用ガスとともに固体酸素源を供給するものとし、
前記第1ランスと第2ランスとの水平方向距離をs(m)、前記第2ランスの静止湯面からの吹込み高さをh2(m)、前記溶銑処理容器の炉口の径をD(m)としたとき、前記第1ランス及び第2ランスの配置が式(1)及び式(2)を満たす
ことを特徴とする固体酸素源の供給方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015235738A JP2017101293A (ja) | 2015-12-02 | 2015-12-02 | 溶銑の脱りん処理における固体酸素源の供給方法 |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013057131A (ja) * | 2012-11-22 | 2013-03-28 | Jfe Steel Corp | 溶銑の脱燐処理方法 |
JP2015113482A (ja) * | 2013-12-10 | 2015-06-22 | 株式会社神戸製鋼所 | 脱りん効率及び鉄歩留りに優れた溶銑の脱りん方法 |
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- 2015-12-02 JP JP2015235738A patent/JP2017101293A/ja active Pending
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JP2015113482A (ja) * | 2013-12-10 | 2015-06-22 | 株式会社神戸製鋼所 | 脱りん効率及び鉄歩留りに優れた溶銑の脱りん方法 |
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