JP6038012B2 - 脱りん効率及び鉄歩留りに優れた溶銑の脱りん方法 - Google Patents
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特許文献1の脱りん処理では、粒径が150〜500μmの重量比が45%以下の副原料粉体を酸素上吹きランス又は/及び粉体供給専用ランスからキャリアガスに同伴させて供給することとし、塩基性の造滓材は全て酸素ガスに同伴させて酸素ガス噴出用ノズルから供給し、酸化鉄源及びマンガン源は全て上記とは別のノズルから非酸化性ガスに同伴させて供給している。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、上底吹きの転炉型の反応容器を用いて溶銑の脱りん処理を行うに際して、CaOを主成分とする脱りん材を供給すると共に、一の供給系統から気体酸素源を供給し、他の供給系統から固体酸素源を吐出口での吐出速度が50Nm/s以上となる搬送用ガスを用いて供給することとし、前記固体酸素源の吹き込みに関して、吹き込み高さは1〜3.3mとし、吹き込み位置は式(1)を満たし、吹き込み速度は式(2)を満たすことを特徴とする。なお、転炉型の反応容器に挿入される1本の上吹きランスの内部には、気体酸素源を供給する第1供給路が形成されると共に、固体酸素源を供給する第2供給路が形成されており、前記第2供給路の吐出角度が前記反応容器の外方に向かうものとされている。
図1及び図2は、脱りん効率及び鉄歩留りに優れた溶銑の脱りん方法を実施する反応容器を示している。
図1及び図2に示すように、脱りん処理に用いる反応容器1A、1Bは、上方から酸素を吹き込むと共に底部から不活性ガス等を吹き込む上底吹きの転炉型の容器としている。説明の便宜上、転炉型の容器1A、1Bのことを転炉という。本発明の脱りん方法では、後述するように、溶銑を強く攪拌しながら処理を進めるため、体積に余裕がある転炉を採用している。
詳しくは、転炉1Aの上吹きランス3Aの内部には、気体酸素源を供給する第1供給路5が形成されると共に、固体酸素源を供給する第2供給路6が形成されている。一方、転炉1Bの上吹きランス3Bは、気体酸素源を供給する第1供給体7と、固体酸素源を供給する第2供給体8とで構成され、第1供給体7と、第2供給体8とは離れた位置に設置されている。即ち、転炉1A、1Bでは、気体酸素源を供給する系統と、固体酸素源を供給する系統とは別々となっている。なお、図1及び図2の範囲Aは、転炉1A、1Bの内部を平面視した状態における固体酸素源の吹き込み位置を示している。固体酸素源の吹き込み位置については後述する。
固体酸素源を搬送する搬送用ガスに関して、吐出口での吐出速度が50Nm/s以上となるように、搬送用ガスの供給速度を設定している。即ち、上吹きランス3Aの場合は、第2供給路6に設けられた吐出口の吐出速度が50Nm/s以上となるように搬送用ガスを流し、上吹きランス3Bの場合は、第2供給体8に形成された吐出口の吐出速度が50Nm/s以上となるように搬送用ガスを流す。なお、吐出口での吐出速度は、「吐出速度=搬送用ガス流量÷吐出口孔断面積(ノズル孔断面積)で求めることができる。
また、本発明の脱りん処理では、脱りん効率を向上させると共に鉄歩留りも向上させるために、固体酸素源の吹き込みに関して、吹き込み高さHP、吹き込み位置、吹き込み速度FPを規定している。
体の分散性が低下して、反応に寄与しない固体酸素源(粉体)が多くなってしまう。一方、吹き込み高さHPが3.3mを超える場合、脱りん処理に伴う排ガス(炉内を上昇する排ガス)の影響によって、固体酸素源(粉体)が溶銑やスラグに到達し難い。それゆえ、吹き込み高さHPは1〜3.3mとしている。なお、吹き込み高さHPは、ガスを溶銑に向けて吹き込んでいない状態(溶銑が静止している)で、吐出口から溶銑の静止湯面までの距離である。また、上吹きランスの先端、即ち、吐出口から静止湯面までの距離(吹き込み高さ)は、処理開始前にマイクロ波を湯面に照射させて、測定装置から静止湯面までの距離を求め、この距離を用いて吹き込み高さを求めればよい。
また、溶銑温度Tm、溶銑重量Wmは、脱りん処理中に刻々と変化するものであるが、この実施形態では、溶銑の装入前に測定した値を用いた。また、溶銑深さ(底吹きガス吹き込み深さ)Hmは、転炉内の耐火物の損耗状況により変化するが、溶銑重量Wmの平均値265tonと、転炉の容量とを用いて、一律2mとした。転炉の容量は、当該転炉内の耐火物を施工したときの状態を基準とした。底吹きガスによる攪拌動力密度は、「森一美, 佐野正道: 「インジェクション冶金の動力学」, 鉄と鋼, vol.67 (1981) No.6, p.687.」に開示されているものである。
転炉に装入した溶銑(処理前の溶銑)は、高炉で出銑して高炉鋳床で脱珪処理を行うか、或いは、高炉で出銑して高炉鋳床では脱珪処理を行わなかったものを使用した。処理前の溶銑について、溶銑重量Wm、iは、264.9〜265.3tonとし、溶銑温度Tm、iは、1553〜1622Kとした。この溶銑温度は、溶銑搬送用容器から転炉装入用溶銑鍋に払い出した直後の温度である。
0.38質量%、P濃度である[P]i=0.110〜0.129質量%とした。溶銑の成分は、高炉の操業状況により変動するが比較的等しいものをピックアップした。この溶銑の成分の測定は、溶銑搬送用容器から転炉装入用溶銑鍋に払い出した直後に行った。溶銑の深さHmは2mとした。
気体酸素源の流量(酸素流量)Qtは、脱珪期(処理開始後2.5min、或いは、3.5minまで)には、400Nm3/min、脱りん期(処理開始後2.5min、或いは、3.5min以降)には、200Nm3/minとした。脱珪期には脱珪反応を促進するために酸素供給速度(酸素流量)を大きくし、脱りん期にはスラグ中のFeOの濃度を高位に維持するために酸素供給速度(酸素流量)を小さくした。処理時間τは8.9〜12.8minとした。
処理後の溶銑の成分について、[C]f=3.41〜3.91質量%、[Si]f=0.01質量%、[Mn]f=0.02〜0.18質量%、[P]f=0.003〜0.076質量%となった。溶銑の成分は、処理直後に転炉内にある溶銑を化学分析した値である。
即ち、脱りん石灰効率(η(P)CaO)及び鉄歩留り(ηFe)が高いと、[P]の酸化反応及び酸化鉄の還元反応が促進されている。なお、η(P)CaOは、投入したCaOのうち、3CaO・P2O5として脱りん反応に寄与したCaOの割合を示したものである。
式(b)において、その他の装入した鉄分とは、屑鉄、冷銑等、溶銑以外の鉄原料や、
リサイクルスラグ、焼結鉱、集塵ダスト等である。例えば、ミルスケール、鉄鉱石以外の副原料を装入した場合は、そこに含まれる鉄分を加える。
ているため、脱りん石灰効率及び鉄分歩留りを向上させることができた。
図3〜8は、実施例及び比較例をまとめた図である。
図3は、実施例1〜3及び比較例31〜33のデータであり、図4は、実施例2、28及び比較例32、46のデータであり、図5は、実施例2、4〜7及び比較例35、36のデータである。また、図6は、実施例2、8〜12及び比較例37、38のデータであり、図7は、実施例2、13〜17及び比較例39〜41のデータであり、図8は、実施例3、21〜23及び比較例31、42、43のデータである。
図6に示すように、吹き込み高さを1m以上3.3m以下とした実施例では、脱りん石灰効率及び鉄分歩留りを向上することができた。一方、吹き込み高さが3.3mを超える比較例では脱りん石灰効率及び鉄分歩留りが急激に低下した。なお、吹き込み高さが1.0m未満である場合、上吹きランスへの地金付着等により操業障害が発生することがあるため、吹き込み高さの下限値は1.0m以上としている。
図8に示すように、吹き込み速度が式(2)[(0<FP・CO/100/εb≦0.4)]を満たす実施例では、脱りん石灰効率及び鉄分歩留りを向上することができた。一方、「FP・CO/100/εb=0」、或いは、「FP・CO/100/εb>0.4」の比較例では、脱りん石灰効率及び鉄分歩留りが急激に低下した。
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1B 反応容器(転炉)
2 容器本体(炉体)
3A 上吹きランス
3B 上吹きランス
4 羽口
5 第1供給路
6 第2供給路
7 第1供給体
8 第2供給体
10 炉口
S スラグ
Claims (1)
- 上底吹きの転炉型の反応容器を用いて溶銑の脱りん処理を行うに際して、
CaOを主成分とする脱りん材を供給すると共に、一の供給系統から気体酸素源を供給し、他の供給系統から固体酸素源を吐出口での吐出速度が50Nm/s以上となる搬送用ガスを用いて供給することとし、
前記固体酸素源の吹き込みに関して、吹き込み高さは1〜3.3mとし、吹き込み位置は式(1)を満たし、吹き込み速度は式(2)を満たす
ことを特徴とする脱りん効率及び鉄歩留りに優れた溶銑の脱りん方法。
なお、転炉型の反応容器に挿入される1本の上吹きランスの内部には、気体酸素源を供給する第1供給路が形成されると共に、固体酸素源を供給する第2供給路が形成されており、前記第2供給路の吐出角度が前記反応容器の外方に向かうものとされている。
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