JP5689024B2 - ダストを使用した溶銑の脱りん方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、ダストを精錬剤に使用して溶銑の脱りん処理を行うダストを使用した溶銑の脱りん方法に関する。
従来より、製鋼工場で精錬中などに発生したダストを回収して当該ダストを溶銑の脱りん処理等に用いる技術として特許文献1〜特許文献4に示すものがある。
特許文献1は、AOD炉集塵ダストを溶銑脱燐、脱珪剤として取鍋内の溶銑に吹込み、ダスト中のCr、Ni等の有価金属を回収する技術であって、実施例には当該ダストを脱りん処理に用いることが開示されている。
特許文献2は、炭素含有量が5wt%以下の製鉄ダストを、溶融した純鉄(Fe)、又は鉄ー燐(Fe−P)合金と反応させて、該製鉄ダスト中の酸化亜鉛を還元・揮発させ、亜鉛を回収する技術であって、回収したものを処理に用いることが開示されている。
特許文献3は、混銑車内の溶銑中に浸漬したランスから酸化剤を吹込むことにより脱珪、脱燐する溶銑の予備処理方法において、混銑車内の溶銑中に、2本のメンイランスを相対する向きに挿入して浸漬させる技術であって、[0033]には固体酸素源として製鉄ダストを用いることが開示されている。
特許文献4は、製鉄関連設備から排出される酸化鉄含有集塵ダストを、溶銑脱珪、脱燐処理する酸化剤として利用する技術が開示されている。
この他に、精錬剤を用いて溶銑の脱りん処理をする技術として特許文献5〜特許文献10に示すものがある。
特開平05−320731号公報 特開平11−050166号公報 特開2005−248219号公報 特開2002−294320号公報 特公平02−055485号公報 特開2002−105520号公報 特公平05−014004号公報 特許3740894号公報 特開平07−188722号公報 特開2001−234224号公報
特許文献1〜特許文献4では、精錬剤の一部としてダストを用いて溶銑の脱りん処理等を行うことが開示されているものの、脱りん処理を初期、中期、末期に分けたときに各時期に対応してどのような精錬剤を用いるのか詳細に記載されていない。また、精錬剤においてダストと他の原料との配合比率をどのようにしているのか詳細に記載されていない。また、特許文献1〜特許文献4では、脱りん処理の際に発生しがちなスラグのフォーミングなどを防止するための精錬剤についての考察もされていいない。
特許文献5〜特許文献10に示すように、精錬剤を用いて脱りん処理を行う技術は数多く存在するものの、いずれの技術を見ても、精錬剤と脱りん処理の各時期との関係を明らかにしてスラグのフォーミングを防止するという技術は無い。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、ダストを精錬剤に使用して溶銑の脱りん処理を行うに際し、脱りん効率を損なうことなくスラグのフォーミングの発生を防止しながら溶銑の脱りん処理を行うダストを使用した溶銑の脱りん方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、精錬剤を溶銑に吹き込んで溶銑の脱りん処理を行うに際して、前記脱りん処理を初期、中期、末期に分けて精錬を行うとし、前記初期は、脱りん開始から溶銑の珪素濃度[Si]が0.10〜0.05質量%になるまでの期間、前記中期は、前記初期の終了から、脱りん処理において脱りん開始から脱りん終了するまでの全処理のうち50〜80%となる期間、前記末期は、残りの期間であって、前記初期に使用する初期精錬剤と中期に使用する中期精錬剤と末期に使用する末期精錬剤とには、高炉ダストを含む複数のダストを混合した混合ダストを使用することとし、前記初期精錬剤及び中期精錬剤に関しては、前記混合ダスト中のフリーC濃度を5.0質量%以下とし、且つ、前記混合ダストの精錬剤への配合比率を40質量%以下としており、前記末期精錬剤に関しては、前記混合ダスト中のフリーC濃度を2.0質量%以下とし、且つ、前記混合ダストの精錬剤への配合比率を10質量%未満としており、前記初期精錬剤、中期精錬剤及び末期精錬剤を使用して脱りん処理を行う点にある。
本発明の他の技術的手段は、精錬剤を溶銑に吹き込んで溶銑の脱りん処理を行うに際して、前記脱りん処理を初期、中期、末期に分けて精錬を行うとし、前記初期は、脱りん開始から溶銑の珪素濃度[Si]が0.10〜0.05質量%になるまでの期間、前記中期は、前記初期の終了から、脱りん処理において脱りん開始から脱りん終了するまでの全処理のうち50〜80%となる期間、前記末期は、残りの期間であって、前記初期に使用する初期精錬剤と中期に使用する中期精錬剤と末期に使用する末期精錬剤とには、高炉ダストを含む複数のダストを混合した混合ダストを使用することとし、前記初期精錬剤に関しては、前記混合ダスト中のフリーC濃度を5.0質量%以下とし、且つ、前記混合ダストの精錬剤への配合比率を30質量%以下としており、前記中期精錬剤に関しては、前記混合ダスト中のフリーC濃度を5.0質量%以下とし、且つ、前記混合ダストの精錬剤への配合比率を40質量%以下としており、前記末期精錬剤に関しては、前記混合ダスト中のフリーC濃度を2.0質量%以下とし、且つ、前記混合ダストの精錬剤への配合比率を10質量%未満としており、前記初期精錬剤、中期精錬剤及び末期精錬剤を使用して脱りん処理を行う点にある。
本発明によれば、ダストを精錬剤に使用して溶銑の脱りん処理を行うに際し、脱りん効率を損なうことなくスラグのフォーミングの発生を防止しながら溶銑の脱りん処理を行うことができる。
混銑車による溶銑の脱りん処理を示す図である。 混合ダスト中のフリーC濃度の求め方を示した図である。 精錬剤を製造する精錬剤製造装置を示した図である。 精錬剤の割り振り方を示すフローチャト図である。 脱りんに必要な酸素量と脱りん処理後の溶銑中の炭素濃度との関係を示した図である。 総酸素量と脱りん効率との関係を示した図である。 脱りん処理後の溶銑の炭素濃度[C]と脱りん処理後の地金付着量との関係を示した図である。 溶銑温度と地金付着との関係を示した図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、溶銑の脱りん処理を行っている状態を示す図である。
図1に示すように、本発明の溶銑の脱りん処理方法は、例えば、混銑車1に溶銑を装入して当該混銑車1にて処理を行うものを対象としています。詳しくは、まず、高炉から出銑した溶銑2を混銑車1の容器3に装入し、混銑車1にて脱りん処理を行うために当該混銑車を脱りんステーションに移動する。そして、脱りんステーションでは、混銑車1の容器3における開口部4に、気体酸素を溶銑2に吹くための吹付けランス5を挿入すると共に、精錬剤等を溶銑2に吹き込むための吹込みランス6を挿入する。その後、吹付けランス5を用いて溶銑2に向けて気体酸素を吹き込むと共に、溶銑2に向けて吹込みランス6を用いて精錬剤を吹き込むことによって溶銑2の脱りん処理を行う。なお、本発明の脱りん処理方法は、混銑車1による脱りん処理に限定されず、粉体吹き込みランス6を使用して精錬剤を吹き込む処理設備であれば処理容器は混銑車1に限定されず溶銑鍋や転炉等の処理容器であってもよい。
以下、脱りん方法について詳しく説明する。
本発明の溶銑の脱りん方法では、脱りん処理を初期、中期、末期の3段階に分けたうえで、各時期(初期、中期、末期)に精錬剤を適宜添加することとしている。なお、初期に使用する精錬剤のことを初期精錬剤、中期に使用する精錬剤のことを中期精錬剤、末期に使用する精錬剤のことを末期精錬剤という。 脱りん処理を3段階に分ける技術は、特公平5−14004号公報に記載されているように従来から存在するものである。また、特公平5−14004号公報や特公平5−12406号公報などに各時期の区切りが記載されているが、本発明では、溶銑の珪素濃度[Si]が0.10〜0.05質量%になるまでの期間を初期とし、脱りん処理における全処理時間(脱りん開始から脱りん終了するまでの期間)のうち50〜80%となる期間を中期とし、残りの期間を末期としている。
各時期に溶銑中に添加する精錬剤(初期精錬剤、中期精錬剤、末期精錬剤)は、数種類(複数)のダスト、石灰(焼石灰)、転炉スラグを配合したものである。精錬剤に配合するダストとして、高炉ダスト(高炉で発生したダスト)、製鋼ダスト(転炉にて精錬したときに発生するダスト)、予備処理ダスト(予備処理のときに発生するダスト)、焼結ダスト(原料を焼結したときに発生するダスト)があるが、本発明では、精錬剤中に必ず高炉ダストを配合するものとしている。なお、各ダストは、各工程で設置された集塵機で集塵した溜まったダストである。
さて、高炉ダストは、他のダスト、例えば、製鋼ダストに比べてFree−C濃度(遊離した炭素の濃度)が高くなる傾向にある。精錬剤中に多量の高炉ダストを用いて、精錬剤中のFree−C濃度(フリーC濃度という)を高くしてしまうと、脱りん処理の効率を低下させてしまう虞がある。そのため、高炉ダストを精錬剤として用いる場合であっても、脱りん効率に影響の与えない程度の量の高炉ダストを用いることが必要である。
詳しくは、脱りん処理の初期精錬剤と中期に使用する中期精錬剤とは同じ精錬剤であって、初期精錬剤や中期精錬剤に関して、混合した混合ダスト中のフリーC濃度が5.0質量%以下となるようにダストの種類や配合量を調整している。
脱りん処理の初期や中期では、主に脱珪反応が進む状況下であるが、初期及び中期であっても混合ダスト中のフリーC濃度が5.0質量%よりも大きいと、混合ダスト中(初期精錬剤や中期精錬剤中)のフリーCと吹き込まれた固体酸素などの酸素と反応したときのCOガスの発生量が多く、スラグのフォーミングが発生してしまうことになる。一方、混合ダスト中のフリーC濃度が5.0質量%以下であると、COガスの発生量は少なく、スラグのフォーミングを抑制することができる。
即ち、上述したように、高炉ダストを初期精錬剤や中期精錬剤に含有させることによってフリーC濃度を上昇させてしまうということになるものの、高炉ダストと他のダストとを混合して、混合ダスト中のフリーC濃度を5.0質量%以下にすることによって、有効に高炉ダストを使用することができる。
図2は、複数のダストを配合したときの混合ダスト中のフリーC濃度の求め方を示したものである。図2では、2種類の高炉ダスト(高炉ダストA、高炉ダストB)と、製鋼ダストAとをホッパ等にて混合した場合を例にとり説明する。
図2(a)に示すように、まず、各ダスト中のフリーC濃度(高炉ダストA:6.3質量%、高炉ダストB:5.7質量%、製鋼ダストA:1.8質量%)を予め測定しておく。そして、高炉ダストAの投入量(24ton)と高炉ダストBの投入量(16ton)、製鋼ダストAの投入量(15ton)とから混合ダストにおける合計ダスト量(55ton)を決定して、この混合ダストのフリーC濃度(4.9質量%)を求める。
図2(b)に示すように、混合ダストが残留した場合は、残留したダストの残留量と、新たな高炉ダストA、高炉ダストB及び製鋼ダストAの各投入量と、各高炉ダスト中のフリーC濃度とから、混合ダスト中のフリーC濃度を求める。なお、図2では、2種類の高炉ダストと製鋼ダストとを混合したときのフリーC濃度の求め方を説明しているが、その他のダストでも同じように計算することによって混合ダストのフリーC濃度を求めることができる。
さて、上述したように、初期精錬剤や中期精錬剤に関して、混合ダスト中のフリーC濃度を5.0質量%以下にしているが、これに加え、本発明では、混合ダストの配合比率を40質量%以下としている。この混合ダストの配合比率は、全材料に対する混合ダストの割合(精錬剤中の混合ダストの割合)であって、例えば、ダストとは異なる他の材料(石灰、転炉スラグなど)と混合ダスト(高炉ダスト、製鋼ダストなど)との合計に対する混合ダストの割合である。 脱りん処理の初期や中期では、主にCaOを多量に吹き込んでスラグの塩基度を上げ、スラグの粘性を低くしてスラグからCOガスを抜けやすくする必要がある。配合比率が40質量%よりも大きいと、供給するCaOの供給量が少なくスラグの塩基度が上がりにくいばかりか、混合ダスト中にはFeOが多いために多くのFeOを供給してしまうという状況下である。CaOの供給量が少なく、また、FeOの供給量が多いという状況であると、スラグのフォーミングが発生してしまう虞がある。
そこで、本発明では、初期精錬剤や中期精錬剤において、混合ダストの配合比率を40質量%以下にすることにより、CaOの供給量を確保すると共に、多量のFeOを供給することが防止し、これにより、スラグのフォーミングを抑制している。
以上、脱りん処理の初期や中期に用いる初期精錬剤や中期精錬剤においては、混合ダスト中のフリーC濃度を5.0質量%以下とし、且つ、混合ダストの配合比率を40質量%以下とし、当該初期精錬剤及び中期精錬剤を脱りん処理に用いることによって、スラグのフォーミングを抑制しつつ効率の良い脱りん処理を行うことができるようにしている。
さて、脱りん処理の末期に用いる末期精錬剤は、上述した初期精錬剤や中期精錬剤とは異なるものとしている。即ち、脱りん処理の末期では、脱りん反応を積極的に進めるという段階であり、このような状況下で混合ダスト中のフリーC濃度が高い精錬剤を用いると、精錬剤中の炭素と酸素とが優先して反応してしまい、脱りん効率が低下してしまう虞がある。
また、精錬剤中の炭素は溶銑と反応してCOガスが発生することになるが、脱りん処理の末期では、スラグ塩基度が十分高くなっていることもあり、スラグフォーミングが発生する可能性は低い。しかしながら、多くの炭素と溶銑とが激しく反応してしまうと、激しい炭素の燃焼によって火炎があがる虞がある。特に、脱りん末期の末期では、初期や中期に比べて、溶銑中のP、Mn、Si等の成分が低いため、溶銑中の炭素が優先的に燃焼され、炭素の燃焼による火炎が発生し易い状況にある。
そのため、末期精錬剤では、初期精錬剤や中期精錬剤に比べ混合ダスト中のフリーC濃度が低いものを用いることが良く、具体的には、混合ダスト中のフリーC濃度を2.0質量%以下とし、上述したような問題が発生し難いものとしている。
また、脱りん処理の末期では、脱りん反応を優先させなければならず、末期精錬剤(混合ダスト)中には、上述したように、フリーC濃度が少ないことが望ましい。このような観点から、末期精錬剤中のフリーC濃度が上がらないように、混合ダストとダストの配合比率を10質量%以下としている。
このように、本発明では、前記初期及び中期に使用する初期精錬剤や中期精錬剤と末期に使用する末期精錬剤とには、高炉ダストを含む複数のダストを使用することにしている。また、初期精錬剤や中期精錬剤に関しては、混合した混合ダスト中のフリーC濃度を5.0質量%以下とし、且つ、混合ダストの配合比率を40質量%以下としている。さらに、末期精錬剤に関しては、混合ダスト中のフリーC濃度を2.0質量%以下とし、且つ、混合ダストの配合比率を10質量%未満とし、初期精錬剤と中期精錬剤と末期精錬剤を使用して脱りん処理を行うこととしている。
なお、上述した実施形態では、初期精錬剤と中期精錬剤とを同じものとしているが、初期精錬剤と中期精錬剤とを別々のものとしてもよい。この場合、初期精錬剤においては、混合ダスト中のフリーC濃度を5.0質量%以下とし、且つ、混合ダストの配合比率を30質量%以下とすることが好ましい。ここで、初期精錬剤では混合比率を40%以下としているため上述したようにフォーミングを抑制することができるが、さらに、混合比率を30%以下にすると供給するFeOが少なくなり(初期精錬剤中に含まれる混合ダストが少なくなるので供給するFeOが少なくなる)、その結果、スッピッティングを防止することができる。
脱りん処理の初期では、スラグが滓化していく段階であり、溶銑の表面をスラグで十分に覆っていない状態にある。このように溶銑の表面を覆っていない状態で多量のFeOを吹き込んだ場合、特開2001−64713号公報に示すように、FeOの吹き込み(精錬剤の吹き込み)により飛散してしまう溶銑がスラグに補足されないため、スピッティングが発生してしまうことになる。ゆえに、混合比率を30%以下にして精錬剤中に含まれるFeOの量を抑えることにより、精錬剤の吹き込みによるスッピッティングを防止することができる。なお、スピッティングが発生すると、鉄歩留まりの低下したり、溶銑がランスに衝突するなどしてランスの寿命を縮めてしまう。そのため、スッピッティングは出来る限り発生させないことが好ましい。
このような初期精錬剤を用いた場合、その後に使用する中期精錬剤は、混合ダスト中のフリーC濃度が5.0質量%以下であり、配合比率が40質量%以下とすることが好ましい。
図3は、数種類のダスト、焼石灰、転炉スラグ等から精錬剤を製造する精錬剤製造装置10を示したものである。精錬剤製造装置10は、高炉ダストを投入する第1ダスト槽11と、高炉ダスト以外のダストを投入する第2ダスト槽12と、ダスト以外の原料(例えば、鉄鉱石、石灰、石灰石、転炉スラグ、焼結鉱等)を投入する複数の原料槽13とを備えている。第1ダスト槽11、第2ダスト槽12、各原料槽13は、材料をベルトコンベアなどの搬送手段14に向けて排出する速度(供給速度)を調整することができるようになっている。
また、精錬剤製造装置10は、第1ダスト槽11、第2ダスト槽12、複数の原料槽13の各材料を1つに収容するホッパ15と、ホッパ15から搬送された混合材料を粉砕する粉砕機16と、粉砕された混合材料を精錬剤の種類毎に保存する複数の保存槽17とを備えている。
この精錬剤製造装置10では、第1ダスト槽11、第2ダスト槽12、各原料槽13の各材料を搬送手段14によってホッパ15に搬送することができ、ホッパ15にて各材料を混合することができる。また、精錬剤製造装置10では、ホッパ15にて混合した混合材料を粉砕機16によって細かく粉砕することができ、精錬剤の種類に応じて製造した精錬剤を保存槽17に貯えることができるようになっている。
精錬剤製造装置10では、第1ダスト槽11、第2ダスト槽12、各原料槽13にあるそれぞれの材料をホッパ15及び粉砕機16へと供給することにより、上述した初期精錬剤、中期精錬剤、末期精錬剤を製造することができる。
脱りん処理を行うにあたって、初期、中期、末期における精錬剤の使用量は、例えば、特開昭62−161908号公報のように決定する。まず、脱りん処理では、処理後の溶銑の脱りん濃度や処理温度(溶銑温度)に基づいて、気体酸素(溶銑に吹き込む気体酸素)と固体酸素(溶銑に供給する固体酸素)との比率を決定する。また、脱りん処理を行うにあたって、スラグの塩基度も規定する。なお、特開昭62−161908号公報では、スラグの塩基度を5〜6に制御しているが、本発明では、スラグの融点などにより混銑車の上部にスラグが付着するという問題が発生する虞がある。そのため、スラグの塩基度は、2.2〜2.5になる事を目標にトータルのCaOを決定する。
例えば、特開昭62−161908号公報に示すように、脱珪素後〔Si〕濃度、混銑車内に残った残留脱Siスラグボリュームから、混銑車内のトータルSiO2を決定し、スラグの塩基度を考慮して、脱りん剤主剤(精錬剤)の原単位を決定する。次に、脱りん剤主剤(精錬剤)の原単位が決定すると、脱りん率から供給する供給酸素量を決定する。特開昭62−161908号公報の図2に示すように、S・O比〔固体酸素量/(固体酸素量+気体酸素量)〕に示すように、脱りん処理で吹き込む総酸素の比率が大きくなるとΔT(処理前溶銑温度-処理後溶銑温度)がマイナス側に大きくなるという関係がある。この関係を使用して、供給酸素原単位における固体酸素原単位と気体酸素原単位を決定する。特開昭62−161908号公報では、1種類の精錬剤を使用した場合を記載しているが、本発明では、初期、中期、末期によって用いる精錬剤が異なるため、表1のように、スラグの塩基度から必要なCaOの原単位と必要な固体酸素の原単位の総量が等しくなるように数種類の精錬剤に割り振るようにしてもよい。なお、表1で必要CaO原単位が16.9〜19.1(kg/tp)と幅があるのは、狙いの塩基度が2.2〜2.5の範囲としているためである。
Figure 0005689024
例えば、精錬剤製造装置10を用いて精錬剤1を初期精錬剤として製造し、精錬剤2を中期精錬剤として製造し、精錬剤3を末期精錬剤として製造した場合の各精錬剤の割り振り方は、次のようになる。
まず、図4に示すように、上述したように脱りん処理における気体酸素原単位、固体酸素原単位、CaO原単位を求める(ステップ1)。次に、ステップ2に示すように処理前の溶銑のSi濃度と、ステップ3に示すように精錬剤1中のCaO量、SiO量、固体酸素量とから、ステップ4に示すように、溶銑中のSi濃度を0.1〜0.05%(例えば、0.1%や0.05%にするための)にするための、精錬剤1の原単位を求める。つまり、脱りん処理の初期は、溶銑中Si濃度が0.1〜0.05%になるまでの期間であるため、これを達成するための精錬剤1の原単位を求める。
次に、ステップ5に示すように、精錬剤1の原単位を決定後に、中期、末期に必要なCaO量、固体酸素原単位を求める。ステップ6に示すように、精錬剤2及び精錬剤3中のCaO量、SiO量、固体酸素量、精錬剤2及び精錬剤3の吹き込み速度などから、ステップ7に示すように、i)脱りん処理後のスラグの塩基度が2.2〜2.5であり、ii)脱りん処理の中期に精錬剤2の切り替えができ、さらに、iii)計算脱りん時間が短くなるように(出来れば最短になるように)、精錬剤2及び精錬剤3のそれぞれの原単位を求める。
なお、精錬剤2と精錬剤3の量は目安値のため、実際の処理では、脱りん中期に精錬剤2が全脱りん時間の50%〜80%に切り替えることができれば、途中で、精錬剤2から精錬剤3への切り替えを変更させてもよい。また、溶銑中のSi濃度が0.1%なるまでに必要な酸素量は、例えば、式(1)により求めることができる。なお、式(1)のPiは、脱りん処理前の溶銑のりん濃度であり、pfは、脱りん処理後の溶銑のりん濃度である。O2は、脱りん処理にて使用する総酸素量(ただし、脱珪反応に使用される酸素を除く)である。
Figure 0005689024
図4に示すように、ステップ1〜ステップ7までの作業を行うことによって、例えば、表2に示すように、精錬剤1、精錬剤2、精錬剤3の割り振りを行うことができる。なお、表2に示す精錬剤の割り振りは、中期と末期とを合わせた処理時間を31.7分、中期の処理時間を20.0分、全脱りん処理時間に対する中期の処理時間の割合(中期の処理時間/全脱りん処理時間)を63%、処理後のスラグの塩基度を2.3、処理前の溶銑のSi濃度を0.20質量%、処理後の溶銑のSi濃度を0.01質量%としたときの結果である。表2に示す値は、精錬剤の割り振り方を例示として示したものであり、本発明はこれに限定されないのは当然のことである。
Figure 0005689024
表3は、実施条件をまとめたものである。
Figure 0005689024
初期精錬剤、中期精錬剤、末期精錬剤の供給速度は、表3に示す通りである。表3に示す各精錬剤中に含有するO2量(固体酸素)は、例えば、式(2)により求めることができる。 初期精錬剤、中期精錬剤、末期精錬剤の組成は表4に示す通りである。
Figure 0005689024
Figure 0005689024
Figure 0005689024
Figure 0005689024
Figure 0005689024
Figure 0005689024
Figure 0005689024
Figure 0005689024
表5〜表10は、表3に示した実施条件や表4に示した精錬剤に基づき、本発明の溶銑の脱りん方法にて脱りん処理を行った実施例と、本発明の溶銑の脱りん方法とは異なる方法にて脱りん処理を行った比較例とをまとめたものである。
実施例及び比較例では、脱りん処理中にスラグが発泡し、例えば、混銑車外へスラグが流出した場合をスラグのフォーミング有り「有」とし、スラグが流出しなかった場合をフォーミング無し「無」として評価した。なお、スラグのフォーミングについては、例えば、「鉄と鋼、vol.78 No2 (1992),p200-208,原茂太、萩野和巳著」に記載されている。
また、実施例及び比較例では、脱りん効率を式(1)の値が、0.14以上であれば最良「◎」、0.18以上であれば良好「○」、0.14未満であれば不良「×」とした。式(1)に示すように、脱りん処理に必要な総酸素量が多いということは脱りん効率が低下しているということを意味していて、別の言い方をすれば、脱りん効率が悪いと脱りん処理後の溶銑中の炭素濃度[C]が低くなる。
即ち、図5に示すように、脱りんに必要な酸素量(総酸素量、脱珪に必要な酸素は除く)と、脱りん処理後の溶銑中の炭素濃度との関係を見ると、総酸素量が多くなる(脱りん効率が悪くなる)につれて、脱りん処理後の溶銑中の[C]が減少することになる。
ここで、図6に示すように、総酸素量と脱りん効率との関係を見てみると、脱りん効率が0.14未満であり、総酸素量が11.5Nm3/ton大きいと、図5に示すように脱りん処理後の溶銑中の炭素濃度[C]は4.0質量%未満となる。脱りん処理後の溶銑の炭素濃度[C]が4.0質量%未満であると、混銑車などの容器に付着する地金・スラグ付着量を増加させてしまう傾向があるため、炭素濃度[C]は4.0質量%以上であることが好ましく、脱りん効率は0.14以上であることが必要である。
なお、図5に示した総酸素量は、処理前の溶銑のりん濃度を0.115%から0.023%まで低減させる平均的な脱りん処理での実績データを用いて総酸素量と脱りん効率との関係をまとめたものである。また、脱りん処理後の温度は脱りん処理後の目標温度である1285℃を使用した。さらに、図5中の1点は、脱りん処理を50〜70チャージ行ったときの平均値を示したものであり、上下線は±1σの値を示したものである。ここで、図5に示すように、脱りん効率が0.14以上であっても、脱りん処理時のバラツキを考慮すると、脱りん処理後の炭素濃度が4.0質量%未満を下回る場合があり、地金・スラグが付着するケースがある。しかしながら、バラツキを考慮しても炭素濃度が4.0質量%未満を下回るケースは、脱りん処理を通して行った場合の10〜20%に過ぎず、連続して混銑車等に地金が付着する確率は十分小さく、次の処理時に付着した地金が溶解する場合もあるため、操業には大きな悪影響を与えない。
また、脱りん効率が0.18以上であるときは、脱りん処理後の炭素濃度[C]が平均で4.1%となり、処理後の炭素濃度[C]が4.0を下回る確率は極めて小さい。このように、脱りん効率は、0.14以上であって、0.18以上であることが好ましい。
なお、脱りん効率が悪い場合、溶銑温度を下げれば、脱りん効率を向上させることができると考えられる。しかしながら、図8に示すように、溶銑温度を下げて、脱りん処理後の溶銑温度が1270℃未満にしてしまうと、溶銑を取鍋に装入した後(払い出した後)に取鍋に付着する地金付着量が増加する傾向にある。即ち、1270℃未満となる溶銑を取鍋内に払い出して取鍋を搬送した場合、取鍋を搬送中に放熱して溶銑の凝固温度に近づくために、取鍋に付着する地金が増加すると考えられることから、脱りん効率を上げるために、溶銑温度を下げることは好ましくない。
図7は、脱りん処理後の溶銑の炭素濃度[C]と、脱りん処理後の地金付着量(地金・スラグの付着量)との関係をまとめたものである。図7の1点は、脱りん処理を20〜70チャージ行ったときの平均値を示したものである。なお、このときの脱りん処理後の溶銑の温度は、1280〜1290℃の結果である。図7に示すように、炭素濃度[C]が4.0質量%となるところで急激に地金付着量が増加しており、この点から見ても、脱りん処理後の炭素濃度[C]が4.0質量%以上となるように脱りん処理を行う必要がある。
実施例及び比較例では、ランスによって酸素等を吹き込むことにより、溶銑が飛散してスピッティングが発生した場合をスッピッティング有り「有」とし、スッピッティングが発生しなかった場合をスッピッティング無し[無]として評価をした。スピッティングの有無は、目視もしくは、炉口に設置したカメラで判断する。スピッティングが混銑車の炉口より上部に発生する場合はスピッティング発生有りとし、スピッティングが混銑車の炉口まで到達しない場合はスピッティング無しとした。また、実施例及び比較例では、脱りん処理中に、例えば、混銑車の炉口から炎が上がった場合は、火炎が有り「有」とし、上がらなかった場合は火炎無し「無」として評価した。
さらに、実施例及び比較例では、地金・スラグの付着量について測定した。脱りん処理前と脱りん処理後の混銑車の空の重量(鉄皮+耐火物+付着物の総重量)をロードセルにて測定し、重量の増加量をスラグ、地金の付着量とした。混銑車の空の重量の測定は、脱りん処理後に溶銑を溶銑鍋に排出後、混銑車内に残ったスラグを排出した後に行った。脱りん処理1回当たりの地金・スラグの付着量が1.0ton/ch以下であれば、次のチャージ以降の処理や溶銑を払い出す際などで付着した地金が溶解するなどがあるため、大きな問題になる事は無い。しかしながら、脱りん処理1回当たりの地金・スラグの付着量が3.0ton/ch以上になる場合は、通常の操業では付着した地金・スラグを溶解する事は困難であり、処理容器の地金・スラグ付着の除去等が必要となる。この場合、耐火物も同時に除去される等の問題も発生するため、耐火物費用も大幅に増加する問題がある。また、脱りん処理1回当たりのスラグの付着量が3.0tonを超えて大きくなると、上部側に付着したスラグによって混銑車のバランスが不安定になったり、溶銑の積載量(装入量)が大幅に低下することにより生産性が低下する場合がある。
表5〜表10において、第1ダスト槽、第2ダスト槽は図3に示した精錬剤製造装置10と対応したものであって、第1ダスト槽の配合量は高炉ダストの配合量であって、第2ダスト槽の配合量は高炉ダスト以外のダストの配合量であり、ダスト以外の配合量は、原料槽13からの配合量(各原料槽13から排出した材料を合計した値)である。また、第1ダスト槽のフリーC濃度は、当該第1ダスト槽から排出した高炉ダストのフリーC濃度であって、第2ダスト槽のフリーC濃度は、当該第2ダスト槽から排出した他のダストのフリーC濃度である。
実施例1〜実施例12及び実施例i〜viiiでは、初期精錬剤や中期精錬剤に関し、混合ダスト中のフリーC濃度を5.0質量%以下(配合したダスト中のフリーC濃度の欄)とし、混合ダストの配合比率を40質量%以下(ダスト配合比率の欄)としている。また、末期精錬剤に関し、混合ダスト中のフリーC濃度を2.0質量%以下とし、且つ、配合比率を10質量%未満としている。
このようにすることによって、脱りん処理後の溶銑中の炭素濃度[C]が4.0質量%以上となり、脱りん効率も0.14以上にすることができ、スラグのフォーミングを防止することができた。加えて、脱りん処理後の温度を1270℃以上(処理後温度の欄)、スラグ・地金付着量も1.0ton/ch未満にすることができた。
比較例13〜比較例16では、精錬剤に高炉ダストを用いていないため、高炉ダストを廃棄処分をしなければならなかった(ダスト廃棄処分の欄)。
比較例17〜比較例19では、脱りん処理後の[P]を通常レベルまで低減させるために酸素の使用量が増加した結果、脱りん処理後の溶銑中の炭素濃度[C]が4.0質量%未満となった。また、脱りん効率も0.14未満となり、初期又は中期にスラグのフォーミングが発生した。
比較例20〜比較例22では、初期精錬剤又は中期精錬剤にて混合比率を40%よりも大きくしているため、脱りん処理後の溶銑中の炭素濃度[C]が4.0質量%未満となると共に、脱りん効率も0.14未満となり、フォーミングが発生した。
比較例23、24では、脱りん末期への精錬剤の切り替えのタイミングが、全酸素中の80%を超えていて(脱りん末期への切り替えのタイミングの欄)、中期に使用するはずの中期精錬剤を末期にも使用しているというような状態となっている。その結果、脱りん末期にフリー炭素濃度が高い剤を使用していたため、フリー炭素により脱りん反応を阻害し、脱りん効率が0.14未満となり、非常に効率の悪い脱りん処理となった。脱りん処理後の[P]を通常レベルまで低減させるために酸素の使用量が増加した結果、脱りん処理後の溶銑中の炭素濃度[C]が4.0質量%未満となった。また、脱りん末期にフリー炭素濃度が高い精錬剤を吹き込んだため、吹き込んだ炭素が酸素と反応して火焔が上がる虞が生じた。
比較例25、26では、脱りん末期への精錬剤の切り替えのタイミングが、全酸素中の50%未満であって、脱りん処理の中期に末期精錬剤を使用してしまうというような状態となっている。その結果、脱りん末期に以降するタイミングが早かったため、スラグの塩基度が十分にあがっていない状態で、精錬剤中の酸素量の高い剤を使用してしまった。その結果、スラグフォーミングが発生した。
比較例27、28では、末期精錬剤にて混合ダスト中のフリーC濃度を2.0質量%よりも大きくしているため、脱りん処理中に火焔が見受けられた。また、比較例27、28では、脱りん処理後の[P]を通常レベルまで低減させるために酸素の使用量が増加した結果、脱りん処理後の溶銑中の炭素濃度[C]が4.0質量%未満となると共に、脱りん効率も0.14未満となり、非常に効率の悪い脱りん処理となった。
比較例29、30では、脱りん処理後の[P]を通常レベルまで低減させるために酸素の使用量が増加した結果、脱りん処理後の溶銑中の炭素濃度[C]が4.0質量%未満となった。また、脱りん効率も0.14未満となり、非常に効率の悪い脱りん処理となった。
実施例31〜実施例35及び実施例ix〜xviでは、実施例1〜実施例12及び実施例i〜viiiに示した条件に加えて、初期精錬剤においては、配合比率を30質量%以下としているので、スッピッティングを防止することができた。なお、実施例36〜38では、初期精錬剤では、配合比率が30〜40質量%であるときは、スラグのフォーミングを防止することができるものの、スッピッティングが発生した。
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 混銑車
2 溶銑
3 容器
4 開口部
5 吹付けランス
6 吹込みランス
10 精錬剤製造装置
11 第1ダスト槽
12 第2ダスト槽
13 原料槽
14 搬送手段
15 ホッパ
16 粉砕機
17 保存槽

Claims (2)

  1. 精錬剤を溶銑に吹き込んで溶銑の脱りん処理を行うに際して、
    前記脱りん処理を初期、中期、末期に分けて精錬を行うとし、
    前記初期は、脱りん開始から溶銑の珪素濃度[Si]が0.10〜0.05質量%になるまでの期間、前記中期は、前記初期の終了から、脱りん処理において脱りん開始から脱りん終了するまでの全処理のうち50〜80%となる期間、前記末期は、残りの期間であって、
    前記初期に使用する初期精錬剤と中期に使用する中期精錬剤と末期に使用する末期精錬剤とには、高炉ダストを含む複数のダストを混合した混合ダストを使用することとし、
    前記初期精錬剤及び中期精錬剤に関しては、前記混合ダスト中のフリーC濃度を5.0質量%以下とし、且つ、前記混合ダストの精錬剤への配合比率を40質量%以下としており、
    前記末期精錬剤に関しては、前記混合ダスト中のフリーC濃度を2.0質量%以下とし、且つ、前記混合ダストの精錬剤への配合比率を10質量%未満としており、
    前記初期精錬剤、中期精錬剤及び末期精錬剤を使用して脱りん処理を行うことを特徴とするダストを使用した溶銑の脱りん方法。
  2. 精錬剤を溶銑に吹き込んで溶銑の脱りん処理を行うに際して、
    前記脱りん処理を初期、中期、末期に分けて精錬を行うとし、
    前記初期は、脱りん開始から溶銑の珪素濃度[Si]が0.10〜0.05質量%になるまでの期間、前記中期は、前記初期の終了から、脱りん処理において脱りん開始から脱りん終了するまでの全処理のうち50〜80%となる期間、前記末期は、残りの期間であって、
    前記初期に使用する初期精錬剤と中期に使用する中期精錬剤と末期に使用する末期精錬剤とには、高炉ダストを含む複数のダストを混合した混合ダストを使用することとし、
    前記初期精錬剤に関しては、前記混合ダスト中のフリーC濃度を5.0質量%以下とし、且つ、前記混合ダストの精錬剤への配合比率を30質量%以下としており、
    前記中期精錬剤に関しては、前記混合ダスト中のフリーC濃度を5.0質量%以下とし、且つ、前記混合ダストの精錬剤への配合比率を40質量%以下としており、
    前記末期精錬剤に関しては、前記混合ダスト中のフリーC濃度を2.0質量%以下とし
    、且つ、前記混合ダストの精錬剤への配合比率を10質量%未満としており、
    前記初期精錬剤、中期精錬剤及び末期精錬剤を使用して脱りん処理を行うことを特徴とするダストを使用した溶銑の脱りん方法。
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