JP6515335B2 - 含鉄原料の転炉溶解方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融鉄浴の存在する溶解転炉に対して固体含鉄原料と炭素含有燃料とを供給し、酸素の吹き込みを行って固体含鉄原料を溶解する、含鉄原料の転炉溶解方法に関するものである。
粒銑、型銑、製鉄所発生スクラップ等の固体含鉄原料を原料とする転炉製鋼法として、従来、溶融鉄浴(種湯ともいう。)の存在する溶解転炉に対し、固体含鉄原料、炭素含有燃料(炭材ともいう。)、酸素を供給して、溶解転炉での所要種湯量と別の精錬転炉での所要精錬量の合計量の高炭素溶鉄を得、この高炭素溶鉄を原料として精錬転炉で酸素精錬することにより所要成分の溶鋼を得る転炉製鋼法が知られている(例えば、以下の特許文献1を参照。)。かかる転炉製鋼法によれば、供給した炭材を酸素で燃焼させて固体含鉄原料を加熱するとともに、供給した炭材によって溶鉄の炭素含有量が増大して溶鉄の溶融温度が低下し、この2つの効果があいまって固体含鉄原料を熔解することができる。この際、できるだけ短時間で所要量の固体含鉄原料を溶解することが要求されているため、供給した炭材供給量あたりの供給熱量を増大することが重要である。
転炉で発生するダストは、酸化鉄を主成分とする。このようなダストをはじめとする酸化鉄源を、上記溶解転炉での固体含鉄原料の一部とすれば、鉄歩留まりを向上することができるので好ましい。一方、転炉内で酸化鉄を還元しようとすると、大きな熱量を必要とする。以下の特許文献2には、溶解転炉及び精錬転炉で発生するダストに炭材を内装させて塊成化し、予備還元炉で高温加熱して内装炭材を還元材として予備還元後、高温状態で含鉄冷材の一部として種湯の存在する溶解転炉に供給し再使用するダスト利用方法が開示されている。この方法によって溶解に要する熱量を低減することができるが、予備還元後であっても未還元酸化鉄を含んでおり、かかる未還元酸化鉄を溶解するには、多くの熱量を供給する必要がある。
上記のような溶解転炉において、できるだけ少ない炭素含有原料(炭素源)と酸素供給量とで必要な熱量を供給するには、上から吹き込んだ酸素による二次燃焼率を上げることで、単位炭素あたりの燃焼発熱総量を向上させ、入熱量を上げることが有効である。一方で、上から吹きこむ酸素は、歩留低下要因であるダスト発生にも大きく寄与するため、ダスト発生量を抑制するように供給することが求められる。
転炉での二次燃焼率を増加する方法として、以下の方法が知られている。順次説明する。第1に、上吹きランス先端と湯面との距離(以下、「ランス高さ」と称する。)を上昇させる方法が知られている。以下の特許文献3では、溶解転炉での上吹きランスとスラグ面との間の距離を2.0〜3.0mとすることにより、二次燃焼率と着熱効率とのバランスを最適化し、溶銑入熱速度を最も高い値とすることができるとしている。第2に、上吹きランスの酸素ノズルを多孔にして、酸素ガスジェットを分散させることが知られている。第3に、以下の特許文献4に記載のように、二次燃焼用の副孔ノズルを設ける方法が知られている。第4に、酸素ノズルの形状を非円形にする(例えば、以下の特許文献5を参照。)、ラバールノズルの断面積拡大部の径や長さを変化させて高二次燃焼率を得る(例えば、以下の特許文献6を参照。)、旋回用ガス供給孔を設けて旋回流を付与する(例えば、以下の特許文献7を参照。)、又は、主流ガスに副孔ガスを供給して噴流を乱すことにより、酸素ガスジェット流速の減衰を促進する方法が知られている。
特公平4−11603号公報 特開2000−45012号公報 特開2007−77452号公報 特開2008−138271公報 特開平7−3318号公報 特開2000−54016号公報 特開2001−220617号公報
しかしながら、ランス高さを上昇する第1の方法、多孔化する第2の方法、副孔ノズルを設ける第3の方法では、酸素噴流位置(二次燃焼サイト)が炉壁に近づき、炉壁損耗速度が増大するという問題がある。また、第4の方法のうち、複雑形状のランスを用いる場合には、適切な冷却構造をとることが困難であり、噴流の減衰を促進する方法では、噴流の減衰がすぐに促進することで噴流同士の合体が発生して、二次燃焼を促進することができない。そして、これらの方法では、二次燃焼率を増加することができても、ダスト発生量の低減との両立を図ることができない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、溶融鉄浴の存在する溶解転炉に固体含鉄原料と炭素含有燃料を供給し酸素の吹き込みを行って固体含鉄原料を溶解する含鉄原料の転炉溶解方法において、二次燃焼率を増加させ、ダスト発生量を低減することが可能な、含鉄原料の転炉溶解方法を提供することにある。
上記課題を解決するために完成された本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
[1]溶融鉄浴の存在する溶解転炉に固体含鉄原料と炭素含有燃料とを供給し、酸素の吹き込みを行って固体含鉄原料を溶解する含鉄原料の転炉溶解方法において、酸素の吹き込みに用いられる上吹きランスの側面に、二次燃焼用の酸素供給孔を設け、かつ、前記上吹きランスの底面において、同円周上に等角度間隔かつ同一傾斜角で配置されるラバールノズルからなる2以上の主孔ノズルが、同一の主孔ノズルスロート径を有しており、前記主孔ノズルスロート径、主孔ノズル数、及び、酸素供給孔ランス−溶銑面間距離のいずれか一つ以上を制御して、下記の関係式(1)及び関係式(2)から導出されるL/Dの値を、0.60〜1.20の範囲とする、含鉄原料の転炉溶解方法。
d・v・cosθ=0.73L0.5(L+H)・・・(1)
D=H×tanα×2・・・(2)
ここで、上記関係式(1)において、
d:主孔ノズルスロート径(mm)
:出口ガス線流速(m/s)
θ:傾斜角(deg)
L:主孔から吐出する酸素ジェットによる溶銑の凹み深さ(mm)
H:ランス高さ(mm)
であり、上記関係式(2)において、
D:噴流径(m)
α:自由噴流の拡がり角度(deg)
である。

以上説明したように本発明によれば、溶融鉄浴の存在する溶解転炉に対して、固体含鉄原料と炭素含有燃料とを供給し、酸素の吹き込みを行って固体含鉄原料を溶解するに際し、転炉の酸素上吹きランスの側面に、二次燃焼用の酸素供給孔を設け、かつ、上吹きランスの底面に配置される主孔ノズル径、主孔ノズル数及び酸素供給孔ランス−溶銑面間距離のいずれか一つ以上を制御して、上記関係式(1)及び関係式(2)から導出されるL/Dの値を0.60〜1.20の範囲とすることにより、二次燃焼率を増加させ、ダスト発生量を低減することが可能となる。
還元溶解炉における炉内状況の概略を示す模式図である。 本発明に係る含鉄原料の転炉溶解方法におけるL/Dの概念を示す模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
《還元溶解炉における反応メカニズムについて》
図1に示す還元溶解炉1においては、炉上から還元鉄が装入され、炉底から炭材が吹込まれる。酸素吹き込みランス2から吹き込まれた酸素ジェットが溶鉄面に衝突することで、溶鉄面では火点3を形成するとともに、下記の表1に示すように、(1)スラグ層4中では炭材の燃焼(COガス生成)、酸化鉄の還元(COガス生成)及びCOガスの燃焼(CO生成)が行われ、(2)酸素吹き込みランス2の周囲の炉内空間では、火点3中やスラグ層4中で生成したCOガスが酸素ジェットに巻き込まれることによるCOガスの燃焼(COの生成)や、炉内に飛散した炭材によるCOガスの還元(ソリューションロス)が起きる。
含鉄原料(酸化鉄含有鉄原料)の溶解に必要なエネルギーを高効率で得るためには、炉底から吹き込まれた炭材の系外への飛散を最小限に抑えつつ炭材を燃焼させるとともに、酸素吹込みランスの周囲ではCOガスをさらに燃焼させることでCOガスを生成すること、すなわち、高い二次燃焼率を得ることが必要である。そのためには、酸素ジェットを炉内に多数形成することで溶鉄面及びスラグ面に広く衝突させること、並びに、酸素ジェット周囲から酸素ジェットへのCOガスの巻き込み量を多くすること、が必要である。
Figure 0006515335
《酸素吹き込みランス2について》
還元溶解炉における酸素吹き込みランス2のランスノズルは、ガス圧を有効に流速へと変換して溶鉄に酸素を供給するために、ラバールノズルという形状をとることが好ましい。かかるノズルにおいて、断面積が最小の部分をスロート部と呼び、その径をスロート径と呼ぶ。また、ノズル出口の最大径を、出口径と呼ぶ。ノズルの最小断面積の部分での流れの速度が音速に等しくなったスロート部(マッハ数=1)で、質量流量は最大となる。更に流量を増加させたい場合は、スロート部から出口に向かうにつれて断面積を拡大することで、超音速(マッハ数>1)となり、最大の質量流量を供給することができる。この超音速ジェットのノズル出口での圧力と、超音速ジェットが噴出していく場の雰囲気圧と、が等しい場合の膨張挙動のことを、適正膨張という。適正膨張の場合、超音速ジェットはそのまま雰囲気場にスムーズに流れていき、衝撃波の発生といった大きな変化は生じない。
酸素ジェットへのCOガス巻込み量を多くするためには、ジェットの側面積を多くする必要があり、即ち、多数のノズルから噴流を吐出することが最も有効である。一方、酸素吹き込みランスは、内部を流れる冷却水の流路を確保するようにランスノズルを配置しなければならず、ランス底面に集中して多数のノズルを配置することは、冷却水の流路を阻害するために限界がある。そこで、本発明者らは、酸素吹き込みランスの側面に、二次燃焼用の酸素供給孔(以下、「副孔」と呼ぶ。)を配置することが、二次燃焼率を飛躍的に増加させる方法であることに想到した。
図2に示すランス先端部の概念図において、酸素吹き込みランス2の側面に設けられた酸素供給孔である副孔6のノズル数は、ランス底面に配置される主孔5のノズル数以上であり、かつ、主孔5と同様に均等配置することが望ましい。これは、主孔5から吐出した酸素ジェットでは、溶銑と衝突する領域(火点)は分散しており、この火点よりCOガスが発生するため、全ての火点からのCOガスを、効率良く副孔6からの酸素ジェットで巻込み、燃焼させるためである。
また、副孔6のノズルは、適正膨張させるように設計されたラバールノズルであることが望ましい。これは、酸素ジェットの燃焼による副孔6のノズルの損耗を防ぐために、ジェットコア領域を長くし、ノズル近傍での燃焼を防ぐためである。
また、本実施形態に係る含鉄原料の転炉溶解方法では、酸素吹き込みランス2の底面に配置される主孔ノズル径(換言すれば、上記スロート径)、主孔ノズル数及び酸素供給孔ランス−溶銑面間距離のいずれか一つ以上を制御して、下記(1)、(2)で表わされる関係式から導出されるL/Dの値を、0.60以上とする。これにより、本実施形態に係る含鉄原料の転炉溶解方法では、ダスト発生量を低減することが可能となる。ここで、下記関係式(1)及び関係式(2)から導出されるL/Dの値が0.60未満である場合には、酸素ジェットが溶銑に衝突することによって形成される凹みの形状が適切な形状とならず、二次燃焼率を増加させ、かつ、ダスト発生量を低減することができない。
d・v・cosθ=0.73L0.5(L+H)・・・(1)
D=H×tanα×2・・・(2)
ここで、上記関係式(1)において、
d:ノズル径(mm)
:出口ガス線流速(m/s)
θ:傾斜角(deg)
L:主孔から吐出する酸素ジェットによる溶銑の凹み深さ(mm)
H:ランス高さ(mm)
であり、傾斜角θは、ランス中心軸とノズルの中心軸とのなす角として定義される。
また、上記関係式(2)において、
D:噴流径(m)
α:自由噴流の拡がり角度(deg)
であり、拡がり角度αは、ノズルの中心軸と自由噴流の表面とのなす角として定義される。
L/Dは、図2に示すように、酸素吹き込みノズル2からの上吹きによる酸素ジェットが溶銑に衝突することによって形成される、凹みの縦横比である。この酸素ジェットの動圧が大きく、L/Dが大きくなることでダスト発生量が小さくなることは、凹み形状が従来よりも狭く深くなることで、凹みで発生するダストが溶銑によってカバーされて、排ガスと共に吹き抜けることを防いでいると考える。また、ランス高さを低下させることで、凹みの断面積が小さくなることは、高温火点での蒸発によるダスト発生の抑制にも効果的であると考える。自由噴流の拡がり角度αは、一般的に知られているおおよその値である12°を採用した。
また、上記関係式(1)及び関係式(2)から導出されるL/Dの値が1.20超過である場合には、副孔6による二次燃焼率増加では補うことができないほど、主孔5での二次燃焼率が低下してしまい、全体の二次燃焼率が低下するため、好ましくない。従って、本実施形態に係る含鉄原料の転炉溶解方法では、上記関係式(1)及び関係式(2)から導出されるL/Dの値を、1.20以下とする。なお、上記L/Dの値は、0.70〜0.90とすることが、より好ましい。
以上のような構成とされた本実施形態に係る含鉄原料の溶解方法によれば、副孔によってCOガスを効率よく燃焼させて、溶銑に着熱することで二次燃焼率を増加させ、かつ、発生するダストを飛躍的に低減することができる。
ここで、本発明に係る酸素吹き込みランス2が有する酸素ノズルは、主に溶解の酸素吹き込みに寄与する主孔の他に、ランス中央部への粒鉄付着を防止する目的で、ランス中央に配置する副孔を有していても良い。
また、本発明を適用する、固体含鉄原料を溶解する含鉄原料の転炉溶解方法において、固体含鉄原料の一部又は全部は、酸化鉄と炭素含有物質とを含有した酸化鉄含有鉄原料を加熱還元処理してなることとすると好ましい。酸化鉄含有鉄原料は、未還元酸化鉄を溶解するために、固体含鉄原料と比較して多量の熱を必要とし、また溶解時間も比較的長く耐火物への影響が大きい。そのため、転炉炉壁を損耗させることなく二次燃焼率を増加させることのできる本方法の効果が大きい。
以下に、本発明の効果を確認すべく、実施した実験結果について説明する。なお、以下に示す実験結果は、あくまでも本発明に係る含鉄原料の転炉溶解方法の一例にすぎず、本発明に係る含鉄原料の転炉溶解方法が下記の実験結果に限定されるものではない。
100トン規模の溶解転炉1を用い、溶解転炉中には溶融鉄浴(種湯)110トンが存在し、その中に、固体含鉄原料と炭素含有燃料とを供給し、酸素の吹き込みを行って固体含鉄原料を溶解し、160トンの溶銑を製造した。このうちの50トンの溶銑を出銑口から払い出して、次工程での精錬を行うこととした。溶銑払い出し後は炉内に110トンの溶融鉄浴が残るので、次チャージの含鉄原料を装入して溶解を行う。溶解転炉に装入する固体含鉄原料として、酸化鉄と炭素含有物質とを含有した酸化鉄含有鉄原料を加熱還元処理して製造したもの、及び、スクラップを、毎回同一重量比率で用いた。含鉄原料は、金属化率80〜85質量%であり、装入時の含鉄原料の温度は、室温であり、処理後の溶融鉄浴温度は、1400℃であった。
酸素吹き込みランス2からの平均送酸速度を23000Nm3/hrとし、約40分の溶解処理を行った。溶解処理中に投入する炭素含有燃料としては、炭素含有量が80質量%である無煙炭を用い、底吹き羽口から窒素ガスをキャリアガスとして平均500kg/minの速度で吹き込んだ。
以下に示す実験例において、酸素吹き込みランス2の酸素ノズルとして、ランス底面の同円周上に等角度間隔でノズル5(主孔)が配置された、ラバールノズルを用いた。主孔ノズルの傾斜角θは、すべて同一でθ=12°とし、ノズル数nはn=6とし、スロート径は30mmとした。ランス高さHについては、L/Dの値が0.35〜2.30となる範囲で変化させ、吹錬中は一定のL/Dの値となるように吹錬を行った。
以下に示す実験例において、酸素吹き込みノズル2に対して副孔6を設ける場合には、酸素吹き込みランス2の側面に対し、同円周上に等角度間隔でノズル6(副孔)を配置し、副孔6のノズル形状は、ラバールノズルとした。副孔ノズルの傾斜角θは、すべて同一でθ=30°とし、ノズル数nはすべて同一でn=6とした。
以下に示す実験例において、主孔のスロート径は変化させず、副孔スロート径は、15mmとした。また、以下に示す実験例において、全送酸速度に対する副孔酸素比率は20%とした。また、副孔6を付与した場合であっても、全送酸速度は23000Nm/hrとした。
以下に示す実験例において、下記式に基づいて二次燃焼率を計算し、吹錬全時間での平均値で評価した。ここで、下記式において、CO、COはいずれも排ガス中成分(mol%)を意味する。
二次燃焼率(%)={CO/(CO+CO)}×100
また、溶銑温度1400℃の溶銑を50トン製造するために供給した送酸量から、現状の操業である比較例5に対する酸素原単位を求め、酸素原単位指数として着熱効率を評価した。
ダストについては、排ガスをOG方式で湿式集塵して回収する際、1次集塵器からシックナーまでの流路で定期的に集塵水を採取し、そのSS濃度によって発生量を求め、比較例5に対する発生量をダスト指数として、ダスト発生量を評価した。
総合評価は、比較例5より酸素原単位が改善し、かつダスト発生量がダスト指数として10%以上改善した場合を○とし、それ以外を×とした。
実施例の処理条件及び評価結果を、以下の表2に示す。なお、以下の表2において、火点径が、上記関係式(1)及び関係式(2)における噴流径Dに対応している。
Figure 0006515335



比較例1〜4は、比較例5に対し、ランス高さを低下させていくに従ってL/Dが増加しダストが低減する一方で、二次燃焼率が低下した。また、副孔を付与した比較例10は、比較例5に対して二次燃焼率が12%増加した。他の副孔がある条件についても、副孔を付与していない同ランス高さ条件に対して平均11%二次燃焼率が増加した。しかしながら、総送酸速度一定のため、比較例10はダスト指数が増加した。
これに対して、副孔を付与し、かつ、L/Dの値が0.60〜1.20である実施例1〜5は、比較例5に対して、二次燃焼率が1%以上増加し、それに伴い、酸素原単位が1%以上低減して、溶解効率が向上することが明らかとなった。また、ダスト指数は、2割以上低下した。L/Dを0.60以上にしたことで、溶銑が上吹き送酸によってけん濁し、火点からダストが吹き抜けることを急激に抑制し、ダスト発生量が大きく低減したものと推定する。
以上の結果に基づいて、溶融鉄浴の存在する溶解転炉に固体含鉄原料と炭素含有燃料とを供給し、酸素の吹き込みを行って固体含鉄原料を溶解するに際し、本発明に係る含鉄原料の転炉溶解方法においては、上吹き酸素ランスの側面に二次燃焼用の副孔を付与しつつ、上記関係式(1)及び(2)で定義するL/Dの値を0.60〜1.20を満たすこととした。これにより、二次燃焼率を現状より増加させることで熱効率を増加させ、ダスト発生を低減させることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 還元溶解炉
2 酸素吹き込みランス
3 火点
4 スラグ層
5 主孔ノズル
6 副孔ノズル
L 溶鉄の凹み深さ
D 溶鉄の凹み直径

Claims (1)

  1. 溶融鉄浴の存在する溶解転炉に固体含鉄原料と炭素含有燃料とを供給し、酸素の吹き込みを行って固体含鉄原料を溶解する含鉄原料の転炉溶解方法において、
    酸素の吹き込みに用いられる酸素吹き込みランスの側面に、二次燃焼用の酸素供給孔を設け、かつ、
    前記酸素吹き込みランスの底面において、同円周上に等角度間隔かつ同一傾斜角で配置されるラバールノズルからなる2以上の主孔ノズルが、同一の主孔ノズルスロート径を有しており、
    前記主孔ノズルスロート径、主孔ノズル数、及び、酸素供給孔ランス−溶銑面間距離のいずれか一つ以上を制御して、下記の関係式(1)及び関係式(2)から導出されるL/Dの値を、0.60〜1.20の範囲とする、含鉄原料の転炉溶解方法。

    d・v0・cosθ=0.73L0.5(L+H)・・・(1)
    D=H×tanα×2・・・(2)

    ここで、上記関係式(1)において、
    d:主孔ノズルスロート径(mm)
    v0:出口ガス線流速(m/s)
    θ:傾斜角(deg)
    L:主孔から吐出する酸素ジェットによる溶銑の凹み深さ(mm)
    H:ランス高さ(mm)
    であり、上記関係式(2)において、
    D:噴流径(m)
    α:自由噴流の拡がり角度(deg)
    である。
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