JP2013209746A - 転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法 - Google Patents

転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 溶銑の精錬と同時に溶銑へ熱付与を行うことのできる、転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法を提供する。
【解決手段】 本発明の溶銑の精錬方法は、先端に精錬用主孔ノズルが配置され、先端から隔てた上方位置に副孔ノズルが配置された上吹きランス3を使用し、転炉型精錬炉2に収容された溶銑21を酸化精錬するに際し、炉内での二次燃焼率の制御指標(A)を下記の(1)式で定義し、且つ、二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標(B)を下記の(2)式で定義したとき、積(A×B)が(3)式を満足するように、精錬用主孔ノズルから供給する酸素ガス流量に対する副孔ノズルから供給する酸素ガス流量の比率R1、スラグの塩基度Sba、底吹き羽口7から吹き込む攪拌用ガス流量Fbのうちの何れか1種または2種以上を調整する。 A=(30+R1×150−6×Sba)…(1) B=(400×Fb−20)…(2) A×B≧650…(3)
【選択図】 図1

Description

本発明は、上吹きランスから精錬用酸素ガスと二次燃焼用酸素ガスとを転炉型精錬炉内に供給し、精錬用酸素ガスと転炉型精錬炉内の溶銑中炭素との反応によって発生するCOガスを二次燃焼用酸素ガスで二次燃焼しながら転炉型精錬炉に収容された溶銑を精錬用酸素ガスで酸化精錬する方法に関し、詳しくは、転炉型精錬炉内の溶銑に二次燃焼熱を効率的に付与することのできる、転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法に関する。
近年、転炉型精錬炉での溶銑の脱炭精錬(「脱炭処理」ともいう)におけるスラグ発生量の削減、CaOを主とする脱燐用の媒溶剤使用量の削減、Mn鉱石の歩留り向上などを目的として、転炉型精錬炉における脱炭精錬の前に、溶銑に対して予備処理として脱燐処理(「予備脱燐処理」ともいう)を施すことが広く行われている。この溶銑の脱燐処理は、脱燐平衡に有利な1300〜1400℃程度の比較的低温度領域の溶銑に対して行うことが特徴であるが、転炉型精錬炉を使用して行う溶銑の脱燐処理では、溶銑温度が比較的低いので、脱燐処理中に溶銑が転炉型精錬炉の内壁や炉口に付着・固化して地金が堆積し、溶銑の歩留り低下を招くという問題点があった。
また、溶銑原料の価格高騰やCO2ガス発生量の削減が求められる状況においては、溶銑の脱燐処理においても、溶銑とともに多量の鉄スクラップを転炉型精錬炉内に装入し、この鉄スクラップを脱燐処理中に溶解することが求められている。但し、転炉型精錬炉を使用した溶銑の脱燐処理は、溶銑の転炉型精錬炉への装入及び精錬後の溶銑の転炉型精錬炉からの出湯に伴う熱ロスが発生することから、鉄スクラップの溶解には基本的に不利である。そこで、鉄スクラップ溶解のための熱を溶銑に確保するべく、上述した溶銑の脱燐処理によるメリットを放棄し、転炉型精錬炉を使用した溶銑の脱燐処理を行うことなく、転炉型精錬炉において溶銑の脱炭精錬を行う場合もあった。この場合には、スラグ発生量の増加や製造コストの上昇などの問題が発生する。
これらの問題を解決するために、様々な手段が提案されている。鉄スクラップの溶解を促進させるべく脱燐処理中の溶銑に熱を付与する方法としては、例えば特許文献1に、転炉型精錬炉を用いた溶銑の脱燐処理において、脱燐処理中の二次燃焼率を12%以上の範囲とする方法が提案されている。特許文献1は、二次燃焼熱の利用により鉄スクラップ配合比の増加が得られるとしているが、二次燃焼熱をどのようにして溶銑に着熱させるかが開示されておらず、溶銑に効率的に二次燃焼熱を付与しているとはいいがたい。尚、二次燃焼とは、脱燐処理時、溶銑中の炭素と脱燐用酸素源との反応によって発生するCOガスを酸素源によって炉内でCO2ガスに燃焼させることである。
特許文献2には、溶銑を脱燐処理する際に、珪素含有量が0.2質量%以下の溶銑を用い、中心孔から粉状のCaO系脱燐用精錬剤と酸素ガス、周囲孔からプロパンガスなどの燃料を供給する4重管構造の上吹きランスを用い、この上吹きランス先端に火炎を形成させ、この火炎で加熱または加熱・溶融させた粉状のCaO系脱燐用精錬剤を、酸素ガスとともに溶銑に吹き付けて脱燐処理する方法が提案されている。この方法は、溶銑温度を高める上で有効な手法であるが、上吹きランスを粉体吹込み可能とする構造に改造する必要があり、一般的な上吹きランスの設置された設備には適用することができない。
また、転炉型精錬炉の内壁や炉口への地金の付着を防止する方法及び付着した地金を溶解する方法としては、例えば特許文献3に、上吹きランス先端に、円周上に外向き傾斜角θ1の内側ノズルと、該内側ノズルと同方位に外向き傾斜角θ2の外側ノズルとを、θ2がθ1よりも大きくなるようにして設け、内側ノズルの酸素ジェットと外側ノズルの酸素ジェットとによるキャビティ(溶銑への噴射面)の重なり面積が、内側ノズルの酸素ジェットによるキャビティの面積の50%以下となるように制御する精錬方法が開示されている。特許文献3は、ランス先端に設けた各ノズルからの酸素ジェットの重なりを抑えることで、酸素ジェットの溶銑表面への衝突力を低下させ、スピッティング(地金の飛散)を低減するという技術である。しかしながら、この方法では、スピッティングを減少させる効果はそれなりにあると思われるが、溶銑表面へ酸素ジェットを吹き付ける限り、スピッティングをゼロにすることは困難であり、また、炉内や炉口に地金が付着してしまった場合には、その地金を除去することは不可能である。
特許文献4には、上吹きランス先端に、精錬用のラバールノズルからなる主ノズルと二次燃焼促進用のストレート型副ノズルとを交互に配置するとともに、ランス先端より所定の間隔を有した上方位置側面に、水平を基準として−45°〜+70°の角度を付けて直径が1〜15mmの地金溶解用の補助ノズルを備えた上吹きランスが開示されている。特許文献4は、この上吹きランスを用いることで、転炉型精錬炉内全域に付着した地金を除去することができるとしているが、ランス先端に精錬用のラバールノズルと二次燃焼促進用の副ノズルとを配置しているので、二次燃焼促進用の副ノズルからの酸素ジェットが、精錬用ラバールノズルからの酸素ジェットに影響を及ぼす可能性があり、精錬能の低下が懸念される。また、精錬炉内壁に付着している地金が少ない場合には、補助ノズルから内壁に向かって吹き付けられる酸素ガスにより耐火物の溶損が促進することが懸念される。
特開2002−167614号公報 特開2005−336586号公報 特開平11−36009号公報 特開平10−219329号公報
このように、従来提案されている、脱燐処理での鉄スクラップ溶解促進のための溶銑への熱付与技術、並びに、転炉型精錬炉内壁への地金付着防止技術及び付着地金の溶解技術は、いまだ十分にその効果を発揮しておらず、改善すべき点が多々あるのが実情である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上吹きランスから酸素ガスを供給して転炉型精錬炉に収容された溶銑を酸化精錬するにあたり、溶銑の精錬と同時に溶銑へ熱付与を行うことのできる、転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法を提供することであり、更には、溶銑への熱付与と同時に、転炉型精錬炉の内壁に付着した地金を効率良く溶解することのできる、転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]上吹きランスの先端に鉛直下向き方向または斜め下向き方向の精錬用主孔ノズルが配置され、且つ、上吹きランスの先端から間隔を隔てた上方位置の上吹きランス側面に水平方向または斜め下向き方向の副孔ノズルが配置された上吹きランスを使用し、前記精錬用主孔ノズル及び前記副孔ノズルから転炉型精錬炉内に酸素ガスを供給するとともに、転炉型精錬炉の炉底部に設置された底吹き羽口から攪拌用ガスを溶銑に吹き込んで転炉型精錬炉に収容された溶銑を酸化精錬するに際し、炉内での二次燃焼率の制御指標(A)を下記の(1)式で定義し、且つ、二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標(B)を下記の(2)式で定義したとき、炉内での二次燃焼率の制御指標(A)と二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標(B)との積(A×B)が下記の(3)式の関係を満足するように、精錬用主孔ノズルから供給する酸素ガス流量に対する副孔ノズルから供給する酸素ガス流量の比率、炉内に存在するスラグの塩基度((質量%CaO)/(質量%SiO2))、底吹き羽口から吹き込む溶銑1トンあたりの攪拌用ガス流量のうちの何れか1種または2種以上を調整することを特徴とする、転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法。
A=(30+R1×150−6×Sba)…(1)
B=(400×Fb−20)…(2)
A×B≧650…(3)
但し、(1)式〜(3)式において、Aは、炉内での二次燃焼率の制御指標、Bは、二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標、R1は、精錬用主孔ノズルから供給する酸素ガス流量(Fm、単位:Nm3/min)に対する副孔ノズルから供給する酸素ガス流量(Fs、単位:Nm3/min)の比率(Fs/Fm)、Sbaは炉内に存在するスラグの塩基度、Fbは、底吹き羽口から吹き込む溶銑1トンあたりの攪拌用ガス流量(Nm3/(min・t))であり、Fbは0.07〜0.25Nm3/(min・t)の範囲内である。
[2]二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標(B’)を、二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標(B)に基づいて下記の(4)式で定義したとき、炉内での二次燃焼率の制御指標(A)と二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標(B’)との積(A×B’)が下記の(5)式を満足するように、更に、精錬用主孔ノズルから供給する酸素ガス流量に対する副孔ノズルから供給する酸素ガス流量の比率、炉内に存在するスラグの塩基度((質量%CaO)/(質量%SiO2))、底吹き羽口から吹き込む溶銑1トンあたりの攪拌用ガス流量のうちの何れか1種または2種以上を調整することを特徴とする、上記[1]に記載の転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法。
B’=(100−B)=(120−400×Fb)…(4)
A×B’≧1000…(5)
但し、(4)式、(5)式において、B’は二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標である。
[3]炉内での二次燃焼率の制御指標(A)と二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標(B’)との積(A×B’)が更に下記の(6)式を満足するように、更に、精錬用主孔ノズルから供給する酸素ガス流量に対する副孔ノズルから供給する酸素ガス流量の比率、炉内に存在するスラグの塩基度((質量%CaO)/(質量%SiO2))、底吹き羽口から吹き込む溶銑1トンあたりの攪拌用ガス流量のうちの何れか1種または2種以上を調整することを特徴とする、上記[2]に記載の転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法。
3000≧A×B’…(6)
[4]前記酸化精錬は、予備処理として溶銑に対して行う脱燐処理であることを特徴とする、上記[1]ないし上記[3]の何れか1項に記載の転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法。
[5]炉内での二次燃焼率の制御指標(A)と二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標(B’)との積(A×B’)が更に下記の(7)式を満足するように、更に、精錬用主孔ノズルから供給する酸素ガス流量に対する副孔ノズルから供給する酸素ガス流量の比率、炉内に存在するスラグの塩基度((質量%CaO)/(質量%SiO2))、底吹き羽口から吹き込む溶銑1トンあたりの攪拌用ガス流量のうちの何れか1種または2種以上を調整することを特徴とする、上記[4]に記載の転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法。
2500≧A×B’…(7)
本発明によれば、二次燃焼率の制御指標と二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標との積(A×B)が650以上になるように、二次燃焼率の制御指標及び二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標に直接影響する操業条件のうちの少なくとも1種を調整するので、常に所定量以上の二次燃焼熱が溶銑に着熱され、転炉型精錬炉を使用した脱燐処理などの溶銑の酸化精錬において、鉄スクラップなどの冷鉄源の溶解のための熱付与を溶銑に対して効率的に行うことが実現される。更に、二次燃焼率の制御指標と二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標との積(A×B’)を1000以上に制御した場合には、転炉型精錬炉の内壁に付着した地金を効率良く溶解することが可能となる。
即ち、本発明では、鉄スクラップなどの冷鉄源の溶解用の熱源、並びに、転炉型精錬炉の内壁に付着した地金除去の熱源として、二次燃焼熱を積極的に利用するので、鉄スクラップなどの冷鉄源の増装入においてもフェロシリコンや金属Alなどの高価な熱源の使用は不要であり、且つ、精錬時間外での炉体付着地金の除去作業が軽減され、その結果、転炉型精錬炉の生産性向上及び溶銑の歩留向上などの工業上有益な効果がもたらされる。
本発明を実施する際に用いた転炉型精錬設備の1例を示す概略断面図である。 図1に示す上吹きランスの概略拡大縦断面図である。 副孔ノズルからの酸素ガス供給を停止した状態で行う脱燐処理時の転炉型精錬炉の断面概念図である。 副孔ノズルから酸素ガスを供給した状態で行う脱燐処理時の転炉型精錬炉の断面概念図である。 比率R1と二次燃焼率との関係を示す図である。 スラグ塩基度と二次燃焼率との関係を示す図である。 攪拌用ガス流量と二次燃焼熱の溶銑への着熱率との関係を示す図である。 積(A×B)と溶銑温度上昇量(ΔT)との関係を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、鉄スクラップなどの冷鉄源を溶解するための熱源として二次燃焼熱を溶銑に着実に着熱させること、更には、二次燃焼熱で転炉型精錬炉の内壁に付着した地金を効率良く溶解することを目的として、転炉型精錬炉における溶銑の脱燐処理において、操業条件を種々変更した条件下で試験を行った。使用した転炉型精錬炉は、上吹きランスの先端に鉛直下向き方向または斜め下向き方向の精錬用主孔ノズルが配置され、且つ、上吹きランスの先端から間隔を隔てた上方位置の上吹きランス側面に水平方向または斜め下向き方向の副孔ノズルが配置された上吹きランスを備えた転炉型精錬炉である。この転炉型精錬炉を使用し、前記精錬用主孔ノズルから溶銑に向けて酸素ガスを供給するとともに、前記副孔ノズルから主に二次燃焼を担う酸素ガスを供給しながら溶銑を脱燐処理し、その際に、二次燃焼率、二次燃焼熱の溶銑への着熱率、溶銑への二次燃焼熱の着熱量、溶銑以外への二次燃焼熱の着熱量などを調査した。
先ず、本発明で使用した転炉型精錬設備を説明する。図1は、本発明を実施する際に用いた転炉型精錬設備の1例を示す概略断面図、図2は、図1に示す上吹きランス3の概略拡大縦断面図である。
図1に示すように、本発明で使用する転炉型精錬設備1は、その外殻を鉄皮4で構成され、鉄皮4の内側に耐火物5が施行された転炉型精錬炉2と、この転炉型精錬炉2の内部に挿入され、上下方向に移動可能な上吹きランス3とを備えている。転炉型精錬炉2の上部には、脱燐処理終了後の溶銑21を出湯するための出湯口6が設けられ、また、転炉型精錬炉2の炉底部には、攪拌用ガス23を吹き込むための複数の底吹き羽口7が設けられている。この底吹き羽口7はガス導入管8と接続されている。また、転炉型精錬炉2の上方には、転炉型精錬炉2から発生する排ガスを集塵するための煙道11が設けられ、煙道11の途中には、排ガス中のCOガス濃度(体積%)及びCO2ガス濃度(体積%)を分析するための排ガス分析計12が設置されている。分析された排ガス中のCOガス濃度及びCO2ガス濃度から、二次燃焼率が求められる。二次燃焼率は、下記の(8)式で定義される。
PC=VCO2×100/(VCO2+VCO)…(8)
但し、(8)式において、APCは二次燃焼率(%)、VCO2は排ガス中のCO2ガス濃度(体積%)、VCOは排ガス中のCOガス濃度(体積%)である。
上吹きランス3には、精錬用主孔ノズルから噴射される精錬用酸素ガスを供給するための精錬用酸素ガス供給管9と、副孔ノズルから噴射される酸素ガスを供給するための副孔用酸素ガス供給管10と、上吹きランス3を冷却するための冷却水を供給・排出するための冷却水給水管(図示せず)及び排水管(図示せず)とが、接続されている。
上吹きランス3は、図2に示すように、円筒状のランス本体13と、このランス本体13の下端に溶接などにより接続された銅鋳物製のランスチップ14とで構成されており、ランス本体13は、外管15、中管16、内管17、仕切管18の同心円形状の4種の鋼管、即ち4重管で構成されている。但し、仕切管18はランスチップ14の位置まで配置されておらず、副孔ノズル20の設置位置の直下で閉塞されている。
精錬用酸素ガス供給管9が仕切管18に連通し、副孔用酸素ガス供給管10が内管17に連通し、冷却水の給水管及び排水管(図示せず)は、それぞれ外管15または中管16の何れか一方に連通している。つまり、精錬用主孔ノズル19から噴射される精錬用酸素ガスが仕切管18の内部を通り、副孔ノズル20から噴射される酸素ガスが内管17と仕切管18との間隙を通り、外管15と中管16との間隙及び中管16と内管17との間隙は、冷却水の給水流路または排水流路となっている。外管15と中管16との間隙及び中管16と内管17との間隙のうちの一方が給水流路で、他方が排水流路であり、どちらを給水流路としても構わない。冷却水は、ランスチップ14の位置で反転するように構成されている。尚、仕切管18が途切れた以降は、精錬用酸素ガス供給管9から供給される精錬用酸素ガスは内管17の内部を通るように構成されている。
ランスチップ14の先端には、先端面の円周方向にほぼ等間隔で複数の精錬用主孔ノズル19が配置されており、仕切管18の内部を通り、仕切管18の途切れた以降は内管17の内部を通ってきた酸素ガスが精錬用主孔ノズル19から酸素ガスジェットとして噴射される。精錬用主孔ノズル19は、その断面が縮小する部分と拡大する部分の2つの円錐体で構成されるラバールノズルの形状を採っており、精錬用酸素ガスは、精錬用主孔ノズル19から音速、超音速または亜音速で噴射される。尚、図2では、精錬用主孔ノズル19は斜め下向き方向を向いているが、鉛直下向き方向としても構わず、また、複数設置することは必須ではなく、1個のみ配置しても構わない。
また、ランス本体13には、上吹きランス3の先端から間隔を隔てた上方位置に、ランス本体13の側面に開口する斜め下向き方向の副孔ノズル20が、ランス本体13の円周方向にほぼ等間隔で複数個設置されており、内管17と仕切管18との間隙を通ってきた酸素ガスが、副孔ノズル20から噴射されるように構成されている。副孔ノズル20の円周方向の設置数は、炉内に均等に酸素ガスを噴射させる観点から、4個以上とすること、望ましくは6個以上をすることが好ましい。上吹きランス3の先端から副孔ノズル20の設置位置(副孔ノズル20の開口部下端)までの距離は、特に規定する必要はなく、0.5〜5.0mの範囲の任意の距離とすればよい。副孔ノズル20は、横断面が円形でノズル軸方向の横断面積が一定であるストレート形状ノズルである。
尚、図1及び図2に示す上吹きランス3は、精錬用主孔ノズル19と副孔ノズル20とで、独立して酸素ガス流量を制御できるように構成されているが、仕切管18の設置を省略して、1つの流路で酸素ガスを供給するようにしても構わない。但し、この場合には、精錬用主孔ノズル19から供給される酸素ガス流量(Fm)と副孔ノズル20から供給される酸素ガス流量(Fs)との比率R1(=Fs/Fm)は、それぞれのノズルの断面積に応じた一定の値となり、精錬中に比率R1を任意に変化させることはできない。本発明では、後述するように、精錬中に比率R1を変更することを1つの有効な手段としており、本発明を容易に達成するという観点からは、図2に示すように、精錬用主孔ノズル19と副孔ノズル20とで、独立して酸素ガス流量を制御できるように構成することが好ましい。また、図2では、副孔ノズル20が斜め下向き方向であるが、その向きを水平方向としても構わない。
この構成の転炉型精錬設備1において、転炉型精錬炉2に溶銑21を装入し、更に、CaO系脱燐用精錬剤として生石灰を装入し、底吹き羽口7から窒素ガスまたはArガスを攪拌用ガスとして吹き込みながら、上吹きランス3の精錬用主孔ノズル19から溶銑21に向けて脱燐剤として酸素ガスを吹き付け、且つ、上吹きランス3の副孔ノズル20から炉内空間に二次燃焼用の酸素ガスを噴射し、溶銑21の脱燐処理を実施する。炉内に添加された生石灰は、精錬用主孔ノズル19から供給される酸素ガスによって溶銑21が酸化されて生成する酸化鉄(FeO)と反応して滓化し、脱燐能に優れたスラグ22が形成される。溶銑中の燐(P)は、上吹きランス3から供給される酸素ガス或いはスラグ中に形成される酸化鉄によって酸化され、燐酸化物(P25)となり、この燐酸化物がスラグ22に吸収されて、溶銑21の脱燐反応が進行する。下記の(9)式に溶銑21の脱燐反応を示す。
2P+5FeO+3CaO→3CaO・P25+Fe…(9)
この脱燐反応に伴って、精錬用主孔ノズル19から供給された酸素ガスと溶銑中の炭素とが反応する脱炭反応(C+O→CO)も起こり、炉内でCOガスが発生する。このCOガスの一部は、副孔ノズル20から噴射される酸素ガスや精錬用主孔ノズル19から供給される酸素ガスによって酸化(燃焼)され、CO2ガスとなる。このCOガスがCO2ガスに酸化される現象を「二次燃焼」と称す。二次燃焼率は、前述したように、(8)式で定義される。
本発明者らは、この脱燐処理において、溶銑21に二次燃焼熱を付与することを検討した。その結果、精錬用主孔ノズル19から供給する酸素ガス流量(Fm、単位:Nm3/min)に対する副孔ノズル20から供給する酸素ガス流量(Fs、単位:Nm3/min)の比率R1(=Fs/Fm)を変更すること、並びに、スラグ22の塩基度((質量%CaO)/(質量%SiO2))を変更することで、炉内における二次燃焼率を制御できることを見出した。
即ち、副孔ノズル20から供給する酸素ガスは、主として、精錬用主孔ノズル19から供給される酸素ガスと溶銑中の炭素とが反応して生成されるCOガスとの二次燃焼反応を起こし、CO2ガスを生成する。従って、比率R1(=Fs/Fm)が高くなると、COガスの生成量に対して燃焼するCOガス量が多くなるので、二次燃焼率が高くなる。
スラグ22の塩基度と二次燃焼率との関係については、以下のとおりである。
副孔ノズル20を具備していない一般的な上吹きランスの場合には、精錬用主孔ノズル19から供給される酸素ガスによる二次燃焼率は、スラグ22の塩基度が低下するほど減少する傾向であることが知られている。これは、図3の転炉型精錬炉の断面概念図に示すように、精錬用主孔ノズル19から供給される酸素ガスによる二次燃焼は、精錬用主孔ノズル19からの酸素ガスジェット24に炉内のCOガスが巻き込まれることで起こると考えられており、このために、スラグ22の塩基度が低い場合には、炉内のスラグ22の粘性が高く、図3(A)に示すように、COガス気泡がスラグ22に多量に保持されることによってスラグ22がフォーミングした状態(泡立ち状態)になり、精錬用主孔ノズル19からの酸素ガスジェット24への炉内COガスの巻き込みが阻害されることから、スラグ22の塩基度の低下に伴って二次燃焼率が低下すると考えられている。尚、図3中の符号Mxは、炉内COガスの酸素ガスジェット24への巻き込みを示している。
一方、スラグ22の塩基度が高い場合には、スラグ22の粘性が低く、図3(B)に示すように、スラグ22のフォーミングが抑制され、精錬用主孔ノズル19からの酸素ガスジェット24への炉内COガスの巻き込みが阻害されず、酸素ガスジェット24による二次燃焼が進むと考えられている。尚、図3は、副孔ノズル20からの酸素ガス供給を停止した状態で行う脱燐処理時の転炉型精錬炉の断面概念図であり、図3(A)はスラグの塩基度が相対的に低くフォーミングが激しい場合を示し、図3(B)はスラグの塩基度が相対的に高くフォーミングが軽微の場合を示している。
しかしながら、副孔ノズル20が配置された上吹きランス3を用い、副孔ノズル20から酸素ガスを供給する場合には、副孔ノズル20から供給された酸素ガスによって、溶銑21の湯面上及びスラグ22の内部で二次燃焼反応が起こっていると考えられ、スラグ22の塩基度の低下によりスラグ22のフォーミングが激しい場合には、図4(A)に示すように、フォーミングしたスラグ22によって副孔ノズル20からの酸素ガス噴流25の流速が減衰されて、二次燃焼反応帯26が溶銑湯面から離れた位置に形成され、副孔ノズル20から供給される酸素ガスとスラグ中の粒鉄27とが直接反応して起こる脱炭反応が減少し、これによって二次燃焼率が高まると考えられる。
一方、スラグ22の塩基度が相対的に高い場合には、図4(B)に示すように、スラグ22のフォーミングが抑えられ、二次燃焼反応帯26が溶銑湯面に近づき、副孔ノズル20から供給される酸素ガスとスラグ中の粒鉄27とが直接反応して起こる脱炭反応が増加し、これによって二次燃焼率が低下すると考えられる。尚、図4は、副孔ノズル20から酸素ガスを供給した状態で行う脱燐処理時の転炉型精錬炉の断面概念図であり、図4(A)はスラグの塩基度が相対的に低くフォーミングが激しい場合を示し、図4(B)はスラグの塩基度が相対的に高くフォーミングが軽微の場合を示している。
精錬用主孔ノズル19から供給する酸素ガス流量(Fm、「主孔酸素流量」とも記す)に対する副孔ノズル20から供給する酸素ガス流量(Fs、「副孔酸素流量」とも記す)の比率R1(=Fs/Fm)の二次燃焼率に及ぼす影響、並びに、スラグ22の塩基度の二次燃焼率に及ぼす影響を定量的に把握するべく、溶銑条件及び吹錬条件を同一として比率R1またはスラグ塩基度のみを変化させて調査した。その結果、比率R1と二次燃焼率との関係は図5に示す依存性が認められ、また、スラグ塩基度と二次燃焼率との関係は図6に示す依存性が認められた。これらの結果から、二次燃焼率は、比率R1及びスラグ塩基度の塩基度に対して下記の(1’)式のように近似できることが見出された。
PC≒(30+R1×150−6×Sba)…(1’)
但し、(1’)式において、APCは、炉内での二次燃焼率(%)、Sbaは炉内に存在するスラグ22の塩基度((質量%CaO)/(質量%SiO2))である。
この結果から、(1’)式の右辺を、炉内での二次燃焼率の制御指標として利用できることが見出された。炉内での二次燃焼率の制御指標をAとすると、炉内での二次燃焼率の制御指標(A)は下記の(1)式に示される。
A=(30+R1×150−6×Sba)…(1)
また、この値を調整することにより、炉内での二次燃焼率を制御できる可能性があることが見出された。
また、本発明者らは、二次燃焼熱の溶銑21への着熱は、溶銑21と二次燃焼後の高温ガスとの接触及び高温ガスに加熱されたスラグ22や炉壁との接触に影響されると考え、溶銑21の攪拌を担う底吹き羽口7からの攪拌用ガス流量と二次燃焼熱の溶銑21への着熱率との関係を調査した。その結果、底吹き羽口7から吹き込む溶銑1トンあたりの攪拌用ガス流量が0.07〜0.25Nm3/(min・t)の範囲内において、図7に示すように、二次燃焼熱の溶銑21への着熱率は、底吹き羽口から吹き込む溶銑1トンあたりの攪拌用ガス流量を用いて下記の(2’)式のように近似できることが見出された。
PC≒(400×Fb−20)…(2’)
但し、(2’)式において、BPCは、二次燃焼熱の溶銑への着熱率(%)、Fbは、底吹き羽口から吹き込む溶銑1トンあたりの攪拌用ガス流量(Nm3/(min・t))である。
この結果から、(2’)式の右辺を、二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標として利用できることが見出された。二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標をBとすると、二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標(B)は下記の(2)式に示される。
B=(400×Fb−20)…(2)
また、この値を調整することにより、二次燃焼熱の溶銑への着熱率を制御できる可能性があることが見出された。
尚、底吹き羽口7から吹き込む攪拌用ガス流量Fbの変更による二次燃焼熱の着熱率の変化範囲は、図7に示すように10〜80%程度であり、攪拌用ガス流量Fbの操作のみでは、この範囲を超えることはできない。従って、(2)式の適用範囲は、上記のFbが0.07〜0.25Nm3/(min・t)の範囲内であり、二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標(B)の適用範囲は8〜80の範囲となる。
更に、本発明者らは、鉄スクラップなどの冷鉄源の溶解を可能とするためには、どの程度の二次燃焼熱を溶銑21に付与することが必要であるかを検討した。
二次燃焼によって溶銑21へ付与される熱量は、炉内での二次燃焼率(APC)と二次燃焼熱の溶銑への着熱率(BPC)との積(APC×BPC)で表されることから、炉内での二次燃焼率の制御指標(A)と二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標(B)との積(A×B)を変更し、脱燐処理後の溶銑21の温度に及ぼす積(A×B)の影響を調査した。脱燐処理後の溶銑温度は、副孔ノズル20を具備していない一般的な上吹きランスを使用した溶銑の脱燐処理での溶銑温度を基準とし、一般的な上吹きランスを使用した溶銑の脱燐処理後の溶銑温度との差で評価した。
調査結果を図8に示す。図8に示すように、積(A×B)と溶銑温度上昇量(ΔT)とには、「A×B=27×ΔT+575」なる相関関係が認められ、積(A×B)が575の条件で、溶銑温度は従来の一般的な上吹きランスを使用した脱燐処理と同等であり、積(A×B)が575を超えると従来の脱燐処理に比較して溶銑温度は上昇し、逆に、積(A×B)が575よりも小さくなると溶銑温度は従来の脱燐処理よりも低下することがわかった。
鉄スクラップなどの冷鉄源の溶解を可能とするには、溶銑温度を一般的な上吹きランスを使用した従来の脱燐処理よりも少なくとも3℃以上高めることが望ましく、これらの結果から、鉄スクラップなどの冷鉄源の溶解を可能とするには、炉内での二次燃焼率の制御指標(A)と二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標(B)との積(A×B)を、下記の(3)式の範囲に制御する必要のあることが見出された。
A×B≧650…(3)
二次燃焼率の制御指標(A)は、比率R1及びスラグ塩基度Sbaの関数であり((1)式を参照)、また、二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標(B)は、底吹き羽口7からの攪拌用ガス流量Fbの関数であり((2)式を参照)、従って、精錬用主孔ノズル19から供給する酸素ガス流量に対する副孔ノズル20から供給する酸素ガス流量の比率R1、炉内に存在するスラグ22の塩基度Sba((質量%CaO)/(質量%SiO2))、底吹き羽口7から吹き込む溶銑1トンあたりの攪拌用ガス流量Fbのうちの何れか1種または2種以上を調整して、二次燃焼率の制御指標(A)と二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標(B)との積(A×B)を650以上とすることで、冷鉄源の溶解を可能とするに十分な熱量を、二次燃焼によって溶銑21に着熱できることがわかった。
即ち、本発明は、炉内での二次燃焼率の制御指標(A)と二次燃焼熱の溶銑21への着熱率の制御指標(B)との積(A×B)が上記の(3)式の関係を満足するように、精錬用主孔ノズル19から供給する酸素ガス流量に対する副孔ノズル20から供給する酸素ガス流量の比率R1、炉内に存在するスラグの塩基度Sba、底吹き羽口から吹き込む溶銑1トンあたりの攪拌用ガス流量Fbのうちの何れか1種または2種以上を調整することを必須とする。
但し、スラグ22の塩基度Sbaは脱燐挙動にも影響を及ぼし、脱燐反応のためには、塩基度Sbaを1.5以上に確保すること、望ましくは2.0以上とすることが好ましく、従って、二次燃焼によって溶銑21の熱補償を行う際には、塩基度Sbaを1.5以上とした状態で、比率R1または攪拌用ガス流量Fbの調整、或いは、これらの双方の調整によって、積(A×B)が(3)式を満たすように制御することが好ましい。尚、二次燃焼熱の溶銑21への着熱率の制御指標(A)の適用範囲は80までであるので、積(A×B)は最大でも8000となる。
更に、本発明者らは、二次燃焼熱で転炉型精錬炉2の内壁に付着した地金を効率良く溶解することを検討した。
スラグ22の温度、排ガス温度及び耐火物5の温度の上昇に寄与する二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率は、下記の(4’)式のように近似できる。
PC’=(100−BPC)≒(120−400×Fb)…(4’)
但し、(4’)式において、BPC’は二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率(%)である。
従って、(4’)の右辺を、二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標として利用できることが見出された。二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標をB’とすると、二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標(B’)は下記の(4)式に示される。
B’=(100−B)=(120−400×Fb)…(4)
また、この値を調整することにより、二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率を制御できる可能性があることが見出された。
転炉型精錬炉2の内壁に付着した地金の溶解には、炉内での二次燃焼率(APC)と二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率(BPC’)との積(APC×BPC’)が影響すると考えられることから、炉内での二次燃焼率の制御指標(A)と二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率(B’)との積(A×B’)の値がどの程度になれば地金が溶解するかを調査した。その結果、積(A×B’)が下記の(5)式を満たす場合には、つまり、積(A×B’)が1000以上となれば、転炉型精錬炉の内壁に付着した地金が溶解することを確認した(後述の実施例を参照)。
A×B’≧1000…(5)
前述したように、二次燃焼率の制御指標(A)は、比率R1及びスラグ塩基度Sbaの関数であり、また、二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標(B’)は、底吹き羽口7からの攪拌用ガス流量Fbの関数であり、従って、精錬用主孔ノズル19から供給する酸素ガス流量に対する副孔ノズル20から供給する酸素ガス流量の比率R1、炉内に存在するスラグ22の塩基度Sba((質量%CaO)/(質量%SiO2))、底吹き羽口7から吹き込む溶銑1トンあたりの攪拌用ガス流量Fbのうちの何れか1種または2種以上を調整して、二次燃焼率の制御指標(A)と二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標(B’)との積(A×B’)を1000以上とすることで、二次燃焼熱によって転炉型精錬炉2の内壁に付着した地金の溶解が実現できることが見出された。この場合、積(A×B)が650以上となる範囲内で、比率R1、スラグ塩基度Sba、攪拌用ガス流量Fbを調整する。
積(A×B’)が1000を下回る場合は、転炉型精錬炉2の内壁に付着した地金溶解のための熱量が少なくなり、地金が炉内に付着して、生産性に影響を与えることになる。
一方、積(A×B’)が過大になると、耐火物5の損傷が懸念される。積(A×B’)を変更した試験から、積(A×B’)が3000を超える場合には、転炉型精錬炉2の内壁に付着した地金溶解だけでなく、耐火物5の溶損促進もやや悪化する傾向が見られた。従って、積(A×B’)が下記の(6)式を満たす場合には、つまり、積(A×B’)が3000以下であれば、耐火物5の溶損促進を防止できることが確認できた(後述の実施例を参照)。
3000≧A×B’…(6)
特に、転炉型精錬炉2の内壁で地金付着が局所的にでも少ない部分が在る場合には、耐火物5の溶損促進を回避して生産性への悪影響を避けるために、積(A×B’)が3000を超えないように調整することが好ましい。
また、転炉型精錬炉2における溶銑の脱燐処理では、積(A×B’)は脱燐効率にも影響する。
積(A×B’)を変更した試験から、積(A×B’)が1000以上の場合、転炉型精錬炉2に投入されたCaO系脱燐用精錬剤が速やかに溶解し、(9)式に示す脱燐反応に寄与する。しかしながら、積(A×B’)が2500を超える場合には、CaO系脱燐用精錬剤の溶融量の増大による脱燐効率の向上よりも、炉内に存在するスラグ22が高温になることで、発熱反応である(9)式に示す脱燐反応が抑制される影響が大きく、脱燐効率が低下する。従って、積(A×B’)が下記の(7)式を満たす場合には、脱燐効率を高位に保つことができることが確認できた(後述の実施例を参照)。
2500≧A×B’…(7)
つまり、効率的な脱燐反応のためには、積(A×B’)は2500以下であることが好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、二次燃焼率の制御指標(A)と二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標(B)との積(A×B)が650以上になるように、比率R1、スラグ塩基度Sba、攪拌用ガス流量Fbのうちの少なくとも1種を制御するので、常に所定量以上の二次燃焼熱が溶銑21に着熱され、転炉型精錬炉2を使用した脱燐処理などの溶銑21の酸化精錬において、鉄スクラップなどの冷鉄源の溶解のための熱付与を溶銑21に対して効率的に行うことが実現される。更に、二次燃焼率の制御指標と二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標との積(A×B’)を1000以上に制御した場合には、転炉型精錬炉2の内壁に付着した地金を効率良く溶解することが可能となる。
尚、上記説明は、転炉型精錬炉2における溶銑の脱燐処理に本発明を適用した例で説明したが、転炉型精錬炉2における溶銑の脱炭精錬においても、上記に沿って溶銑を酸化精錬することで、本発明を適用することができる。
図1に示す300トン/ヒートの転炉型精錬炉を用いて溶銑を脱燐処理する際に、本発明を適用して脱燐処理試験を行った例(本発明例)並びに本発明を適用しないで脱燐処理試験を行った例(比較例)を説明する。
用いた溶銑としては、試験結果を容易に理解できるようにするために、脱硫処理が施された溶銑であって、溶銑温度:1300℃、溶銑Si濃度:0.25質量%、溶銑Mn濃度:0.40質量%の同一温度及び同一組成の溶銑を使用したが、用いる溶銑としてはどのような組成であっても本発明を適用することができる。
転炉型精錬炉への溶銑の装入後、更に、所定量の生石灰からなるCaO系脱燐用精錬剤を装入し、底吹き羽口から種々の流量の窒素ガスを撹拌用ガスとして吹き込みながら、上吹きランスから酸素ガスを供給した。ランス先端と溶銑静止湯面間との距離(「ランス高さ」という)、及び、精錬用主孔ノズルからの精錬用酸素ガス供給量は、全ての試験で同一条件とした。上吹きランス先端の精錬用主孔ノズルから供給される酸素ガスによって溶銑の脱燐反応及び脱炭反応が生じ、この脱炭反応によってCOガスが発生し、発生したCOガスは炉内を上昇する過程で副孔ノズルから供給される酸素ガスと反応し、二次燃焼反応が発生した。
表1に、本発明例及び比較例として実施した実験条件とその結果の一覧を示す。尚、表中の「A×B実績値」、「A×B’実績値」は、それぞれ脱燐処理前後の熱収支、炭素収支、酸素収支から計算される実績を示す。つまり、二次燃焼熱の溶銑への着熱量(積(APC×BPC))、二次燃焼熱の溶銑以外への着熱量(積(APC×BPC’))の実測値である。溶銑温度上昇量は、副孔ノズルを有していない一般的な上吹きランスを使用した脱燐処理での処理終了時の溶銑温度と、副孔ノズルを有する上吹きランスを使用し、副孔ノズルから酸素ガスを供給して行う脱燐処理での処理終了時の溶銑温度との温度差を示している。溶銑温度上昇量が大きいほど、二次燃焼熱の溶銑への着熱量が多いこと、つまり、二次燃焼熱による熱補償が大きいことを示している。
Figure 2013209746
試験No.1〜14では、精錬用主孔ノズルからの酸素ガス流量(Fm)に対する副孔ノズルからの酸素ガス流量(Fs)の比率R1(=Fs/Fm)、スラグ塩基度Sba、底吹き攪拌用ガス流量Fbをそれぞれ変更して脱燐処理を行った。
試験No.8、11、14に示すように、積(A×B)の値が650を下回ると、副孔ノズルを持たない一般的な上吹きランスでの一般的な脱燐処理と比較して溶銑温度が低下することがわかった。つまり、熱補償効果が得られないことがわかった。試験No.11は、更に、積(A×B’)の値が3000を上回っており、炉体耐火物の溶損がやや増進する結果となっていた。
これに対して、積(A×B)の値が650以上である試験No.1〜7、9、10、12、13では、脱燐処理後の溶銑温度は副孔ノズルを持たない一般的な上吹きランスでの脱燐処理よりも高く、二次燃焼熱による熱補償効果が発現していることがわかった。
但し、積(A×B’)の値が1000を下回る試験No.9、10、12では、転炉型精錬炉内壁への地金量が増加する結果となっており、逆に、積(A×B’)の値が3000を上回る試験No.13では、地金は溶解されるものの、炉体耐火物の溶損がやや増進する結果となっていた。積(A×B)の値が650以上で且つ積(A×B’)の値が1000以上3000以下である試験No.1〜7では、二次燃焼熱による熱補償の進行と同時に、炉内地金の溶解が行われつつ、炉体耐火物の溶損も見られなかった。
図1に示す300トン/ヒートの転炉型精錬炉を用い、本発明を適用して溶銑の脱燐処理を行った試験を説明する。
用いた溶銑としては、試験結果を容易に理解できるようにするために、脱硫処理が施された溶銑であって、溶銑温度:1300℃、溶銑Si濃度:0.25質量%、溶銑Mn濃度:0.40質量%の同一温度及び同一組成の溶銑を使用した。
転炉型精錬炉への溶銑の装入後、更に、4トンの生石灰からなるCaO系脱燐用精錬剤を装入し、底吹き羽口から種々の流量の窒素ガスを撹拌用ガスとして吹き込みながら、上吹きランスから酸素ガスを供給した。ランス先端と溶銑静止湯面間との距離(「ランス高さ」という)、及び、精錬用主孔ノズルからの精錬用酸素ガス供給量は、全ての試験で同一条件とした。4トンの生石灰の添加により、スラグの計算塩基度(生石灰中のCaO量と溶銑中の珪素が燃焼して生じるSiO2量との質量比)は2.5となる。
また、処理終了時の溶銑温度が副孔ノズルを有していない一般的な上吹きランスを使用した脱燐処理での処理終了時の溶銑温度と同等となるように、冷材として鉄鉱石を所定量投入した。
表2に、各試験の実験条件とその結果の一覧を示す。尚、表2に示す滓化率(%)とは、実際のスラグ塩基度Sbaと計算塩基度(本実施例の全ての試験で2.5)との比であり、その値が大きいほど、装入したCaO系脱燐用精錬剤に対して脱燐反応に寄与できるCaO源が大きいという指標になる。
また、表2に示す燐分配Lp増大率(%)とは、副孔ノズルを有していない一般的な上吹きランスを使用して、酸素ガス吹き込み比以外の操業条件を各試験No.の操業条件と同一として脱燐処理を行った際の平均的な燐分配(=Lp(1):スラグ中燐濃度(質量%)/溶銑中燐濃度(質量%))に対する、副孔ノズルを有する上吹きランスを使用した脱燐処理における燐分配(=Lp(2))の増加率である。燐分配Lp増大率の値が大きいほど、脱燐処理が効率的に行われることを示す。下記の(10)式に、燐分配Lp増大率(%)を示す。
燐分配Lp増大率(%)=[(Lp(2)−Lp(1))/Lp(1)]×100…(10)
Figure 2013209746
試験No.15〜24では、精錬用主孔ノズルからの酸素ガス流量(Fm)に対する副孔ノズルからの酸素ガス流量(Fs)の比率R1(=Fs/Fm)、及び、底吹き攪拌用ガス流量Fbをそれぞれ変更して脱燐処理を行った。尚、前述したように全試験において装入する生石灰量は一定である。
試験No.15〜17、21〜24に示すように、積(A×B’)の値が1000を上回り且つ2500を下回る範囲の試験では、副孔ノズルを持たない一般的な上吹きランスでの脱燐処理と比較して燐分配Lp増大率が正の値となっており、脱燐反応が促進されていることがわかった。
これに対して、試験No.18〜20に示すように、積(A×B’)の値が1000を下回る範囲の試験では、脱燐反応の促進効果が得られず、また、積(A×B’)の値が2500を上回る範囲の試験では、副孔ノズルを持たない一般的な上吹きランスでの脱燐処理と比較して燐分配Lp増大率が負の値となっており、脱燐反応が阻害されていることがわかった。
滓化率を評価すると、積(A×B’)の値が1800までは滓化率が増大し、1800以上では変化していないことがわかった。この結果から、積(A×B’)の値が1000を下回る範囲では、スラグ温度を十分に上昇させることができず、未溶解のままで、脱燐反応に寄与しないCaO源が多くなり、脱燐反応の促進効果が得られなかったと考えられる。
一方、積(A×B’)の値が1800以上では脱燐反応に寄与するCaO源はほぼ同量であるにも拘わらず、積(A×B’)の値が2500以上になると脱燐反応の促進効果が得られなくなることがわかった。これは、積(A×B’)の値が2500以上になると、滓化率増大による脱燐反応促進効果よりも、スラグ温度が高くなることによる脱燐反応阻害の効果が大きくなり、燐分配Lp増大率が低下すると考えられる。
1 転炉型精錬設備
2 転炉型精錬炉
3 上吹きランス
4 鉄皮
5 耐火物
6 出湯口
7 底吹き羽口
8 ガス導入管
9 精錬用酸素ガス供給管
10 副孔用酸素ガス供給管
11 煙道
12 排ガス分析計
13 ランス本体
14 ランスチップ
15 外管
16 中管
17 内管
18 仕切管
19 精錬用主孔ノズル
20 副孔ノズル
21 溶銑
22 スラグ
23 攪拌用ガス
24 酸素ガスジェット
25 酸素ガス噴流
26 二次燃焼反応帯
27 粒鉄

Claims (5)

  1. 上吹きランスの先端に鉛直下向き方向または斜め下向き方向の精錬用主孔ノズルが配置され、且つ、上吹きランスの先端から間隔を隔てた上方位置の上吹きランス側面に水平方向または斜め下向き方向の副孔ノズルが配置された上吹きランスを使用し、前記精錬用主孔ノズル及び前記副孔ノズルから転炉型精錬炉内に酸素ガスを供給するとともに、転炉型精錬炉の炉底部に設置された底吹き羽口から攪拌用ガスを溶銑に吹き込んで転炉型精錬炉に収容された溶銑を酸化精錬するに際し、
    炉内での二次燃焼率の制御指標(A)を下記の(1)式で定義し、且つ、二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標(B)を下記の(2)式で定義したとき、炉内での二次燃焼率の制御指標(A)と二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標(B)との積(A×B)が下記の(3)式の関係を満足するように、精錬用主孔ノズルから供給する酸素ガス流量に対する副孔ノズルから供給する酸素ガス流量の比率、炉内に存在するスラグの塩基度((質量%CaO)/(質量%SiO2))、底吹き羽口から吹き込む溶銑1トンあたりの攪拌用ガス流量のうちの何れか1種または2種以上を調整することを特徴とする、転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法。
    A=(30+R1×150−6×Sba)…(1)
    B=(400×Fb−20)…(2)
    A×B≧650…(3)
    但し、(1)式〜(3)式において、Aは、炉内での二次燃焼率の制御指標、Bは、二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標、R1は、精錬用主孔ノズルから供給する酸素ガス流量(Fm、単位:Nm3/min)に対する副孔ノズルから供給する酸素ガス流量(Fs、単位:Nm3/min)の比率(Fs/Fm)、Sbaは炉内に存在するスラグの塩基度、Fbは、底吹き羽口から吹き込む溶銑1トンあたりの攪拌用ガス流量(Nm3/(min・t))であり、Fbは0.07〜0.25Nm3/(min・t)の範囲内である。
  2. 二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標(B’)を、二次燃焼熱の溶銑への着熱率の制御指標(B)に基づいて下記の(4)式で定義したとき、炉内での二次燃焼率の制御指標(A)と二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標(B’)との積(A×B’)が下記の(5)式を満足するように、更に、精錬用主孔ノズルから供給する酸素ガス流量に対する副孔ノズルから供給する酸素ガス流量の比率、炉内に存在するスラグの塩基度((質量%CaO)/(質量%SiO2))、底吹き羽口から吹き込む溶銑1トンあたりの攪拌用ガス流量のうちの何れか1種または2種以上を調整することを特徴とする、請求項1に記載の転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法。
    B’=(100−B)=(120−400×Fb)…(4)
    A×B’≧1000…(5)
    但し、(4)式、(5)式において、B’は二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標である。
  3. 炉内での二次燃焼率の制御指標(A)と二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標(B’)との積(A×B’)が更に下記の(6)式を満足するように、更に、精錬用主孔ノズルから供給する酸素ガス流量に対する副孔ノズルから供給する酸素ガス流量の比率、炉内に存在するスラグの塩基度((質量%CaO)/(質量%SiO2))、底吹き羽口から吹き込む溶銑1トンあたりの攪拌用ガス流量のうちの何れか1種または2種以上を調整することを特徴とする、請求項2に記載の転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法。
    3000≧A×B’…(6)
  4. 前記酸化精錬は、予備処理として溶銑に対して行う脱燐処理であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法。
  5. 炉内での二次燃焼率の制御指標(A)と二次燃焼熱の溶銑以外への着熱率の制御指標(B’)との積(A×B’)が更に下記の(7)式を満足するように、更に、精錬用主孔ノズルから供給する酸素ガス流量に対する副孔ノズルから供給する酸素ガス流量の比率、炉内に存在するスラグの塩基度((質量%CaO)/(質量%SiO2))、底吹き羽口から吹き込む溶銑1トンあたりの攪拌用ガス流量のうちの何れか1種または2種以上を調整することを特徴とする、請求項4に記載の転炉型精錬炉における溶銑の精錬方法。
    2500≧A×B’…(7)
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