JP2001220617A - ガス吹きランス - Google Patents
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Abstract
ノズルチップを長尺の筒体先端に取り付けて形成された
ガス吹きランスにおいて、転炉の上吹き酸素ガスジェッ
トをハードブローとソフトブローの双方を可能にし、高
い二次燃焼率および着熱効率を得つつ、ダスト発生量を
低減させる。 【解決手段】ガス噴出孔6の横断面を円形とし、ガス噴
出孔6から噴出するガスジェットに旋回流れを付与する
旋回用ガス供給孔3をガス噴出孔6の根元部に備えた。
Description
炉、鉄浴形溶融還元炉、転炉型スクラップ溶解炉等で溶
鉄を精錬する際に用いられる酸素ガス吹精用上吹きラン
スの構造に関する。
ロム鉱石あるいは鉄鉱石等の鉱石原料とコークス等の炭
材とを添加し、鉱石を直接溶融還元することによって、
鉱石中の有価金属を回収する技術が普及している。この
ような鉱石の溶融還元を実施するに際しては、通常、大
量の加熱・還元エネルギーが必要となる。また、溶融還
元に限らず、高炉溶銑を原料とした一般的な製鋼を行う
転炉操業においても、鉱石、スクラップを大量に転炉内
に供給し、加熱・還元、および溶解を行うことがある。
さらにステンレス鋼における転炉での脱炭吹錬では、メ
タル中のCrの酸化ロスを削減するために吹錬初期にお
いて、高温に昇熱しなければならない。そこで生産性を
高位に維持しつつ、こうした操業を行うためには、エネ
ルギー源としての炭材と、これを燃焼させる酸素ガスと
を可能な限り高速で供給する必要がある。
(以下、溶湯という)への酸素ガスの供給は、その大部
分の量を上吹きランスを用いて行うが、上述の要求に従
い酸素ガスの供給速度を増加させると、ダストの発生が
増大するという問題が生じる。このダストの発生速度の
増大は、製造する溶鋼の歩留まりの低下及びその後のダ
スト処理コストの増大等をきたし、特に溶融還元を高い
生産性下で行うには、ダスト発生速度の抑制が重要とな
っている。また、通常、上吹き酸素を高速で供給すると
二次燃焼率が低下し、溶銑あるいは溶鋼の昇熱効率が低
下するといった問題もある。
炭反応によって生じるCOガス気泡がはじけることに起
因するもの、あるいは溶湯から金属成分が直接蒸発する
ことに起因するものが主体と考えられるが、両者とも、
上吹きする酸素ガスジェットと溶湯との衝突程度や酸素
ガスの供給速度が増加するに従い増大する。このダスト
発生の抑制対策としては、溶湯上に存在する溶融スラグ
層で、上吹き酸素ガスジェットを溶湯表面から遮断する
ことが有効である。そのためには、上吹き酸素ガスジェ
ットが衝突することによって生じるスラグ層のくぼみ深
さを低減して、くぼみが溶湯表面に達しないようにする
ことが必要である。つまり、上吹き酸素ガスジェットを
いわゆるソフトブローにすることにより上記のダスト発
生速度抑制などの条件が達成される。
ブロー化は、二次燃焼率の向上をもたらすことが知られ
ており、ダスト発生速度を低減しつつ溶湯への熱エネル
ギー供給速度を増大させる方法として極めて有効であ
る。
領域での脱炭は上吹き酸素をハードブローにすることに
よって、脱炭酸素効率が向上することが知られている。
したがって、従来では一本のランスでは上記の上吹き酸
素のソフトブローとハードブローの選択はどちらか一方
を犠牲にしなければならない状況であった。
燃焼率を増大させるため、つまり熱供給能力を向上させ
るため、上吹き酸素ガスジェットをソフトブロー化する
際には、以下のような方法がとられている。
ンス高さと称する)を上昇させる。
上吹き酸素ガスジェットを分散させる。
にして上吹き酸素ガスジェットの流速の減衰を促進す
る。
回流にして上吹酸素ガスジェット流速の減衰を促進す
る。
れている。特開昭61−143507号公報には、CO
の二次燃焼増大効果を得るために長径軸と短径軸の比が
1.2以上の非円形開口よりなり、互いに同形のノズル
を少なくとも2つ以上有する転炉の二次燃焼促進用ラン
スが開示されており、ノズルが3孔または4孔の時、ラ
ンスの半径線上に各ノズルの長径を備えたものも示され
ている。このノズル孔は横断面が変化しない一様な孔で
ある。
ズルの周囲を取り巻く帯状断面の亜音速副ノズルを配置
してCOの二次燃焼熱の回収を図っている。
ガスを噴出せしめるノズルを2個以上20個以下有し、
ノズル形状が長方形、楕円形、円弧形、もしくはそれら
を組み合わせた形状のものを用いる転炉精錬技術を開示
している。この技術は高着熱効率、高二次燃焼率で、か
っダストが少なく鉄歩留まりが高い脱炭精錬に関するも
ので、長辺と短辺の比が大きい、いわゆる細長い噴出孔
から出たガスは円形孔から出たガスに比べて噴出直後に
ガスの流速の大きな減衰が起こることが記載されてい
る。そして実施例として、ノズル開口の配列が「二」の
字状、大半円と小半円が対向した形状、小半円の下に
「ハ」の字を配した形状、「二」の字状の周囲に断続円
弧が取り巻いた形状などのノズルを例示している。この
技術もノズル孔は横断面が変化しない一様な形状であ
る。
れている。特開平11−158528号公報では、単孔
の下拡がりの円錐台状の貫通孔の頂部に、酸素ガスが前
記貫通孔の円形断面の接線成分を有するように、該酸素
ガスを水平方向に導入する開口を設けたノズル・チップ
が開示されている。この技術は高着熱効率、高二次燃焼
率で、かつダストが少なく鉄歩留まりが高い脱炭精錬に
関するもので、ガスの主流を旋回させることにより、溶
鋼面に対しての流速を大幅に低減させることができる。
(1)のランス高さの上昇は、二次燃焼で発生した熱の
着熱効率が低く、結果として排ガス温度の上昇、炉内の
内張り耐火物の溶損の増大をもたらし、好ましくない。
また、上記(2)のノズルの多孔化は、孔の鉛直に対す
る傾斜角(以下、ノズル傾角と称する)をある程度大き
くしないと、多孔ノズルより分散させて供給した酸素ガ
スジェットが再集合してしまい、結果として充分なソフ
トブロー効果が得られない。一方、ノズル傾角を大きく
すると酸素ガスジェットが炉壁に直接衝突して、炉壁を
損傷するという問題が生じる。さらに(3)のノズルの
非円形化に関しては、単なる非円形化によるガスジェッ
トの流速の減衰効果は未だ十分とは言い難く、この効果
を大きくするためには極めて非円形度を大きくとらねば
ならず、ランス構造の複雑化やそれに伴う耐久性の劣化
を招く。さらに上記(4)の旋回流に関しては、ガスジ
ェットの流速の減速効果が大きく、ダスト低減および高
二次燃焼化への効果が大きい。しかしながら、旋回流の
みではガス流の拡がりが大きいため、高ランス高さ時で
は耐火物に直接酸素があたり、耐火物溶損が大きくな
る。また、ノズル直下近傍では、旋回流中心部に強い上
向きのガス流れが生じており、低ランス高さ時ではラン
ス孔内への地金やダストの飛び込みにより、ノズルの寿
命が短いことが問題となる。
耐火物の溶損を抑制しつつ、昇熱、スクラップ溶解時あ
るいは溶融還元時の炉内において高い二次燃焼率および
着熱効率を得つつ、炉内からのダスト発生量を低減させ
るソフトブローを実現し、かつ脱炭吹錬時にはハードブ
ローによる脱炭酸素効率の向上を図ることができるラン
スを開発し、一本のランスでありながらも、ソフトブロ
ーとハードブローを両立させるのに有効な酸素ガス吹精
用上吹きランスを提供することを目的としている。
り炉内で発生したCOガスを、炉内の上部空間でCO2
にまで燃焼させることを言い、二次燃焼率は転炉排ガス
組成の[(vol%CO2)/{(vol%CO)+
(vol%CO2)}]×100で表される。また、着
熱効率とは、二次燃焼で発生した熱が溶湯およびスラグ
の顕熱となったり、鉱石の還元等に寄与する効率をい
う。
め、発明者は鋭意検討、実験を重ねることにより、その
成果を本発明として完成させた。
個のガス噴出孔を有するノズルチップを長尺の筒体先端
に取り付けて形成されたガス吹きランスにおいて、前記
ガス噴出孔の少くともひとつは前記ランス内のガス流路
と連通すると共に円形横断面とし、かつ、ガス噴出孔か
ら噴出するガスジェットに旋回流れを付与する一個又は
複数個の旋回用ガス供給孔を前記ガス噴出孔の根元部に
備えたことを特徴とするガス吹きランスである。
炉内に保持した溶湯に上方から酸素ガスを吹き付けて精
錬を行う際に用いられるもので、長尺の筒体先端に1個
以上のガス噴出孔を有するノズルチップを取り付けて形
成されたガス上吹き用ランスである。本発明はこのよう
なランスのノズルに改善を加えたもので、長尺の筒体先
端に1個又は複数個のガス噴出孔を有するノズルチップ
を取り付けて形成されたガス上吹き用ランスである。本
発明では、ガス噴出孔を円形横断面とし、噴出する酸素
ガスジェットに旋回流れを付与する旋回用ガス供給孔を
ガス噴出孔の根元部に備える。なお、ここにガス噴出孔
の根元部とは、ランス本体のガス流路とノズルチップの
ガス噴出孔との接続部近傍をいう。
ると好適である。ラバール形は一旦流路が縮小する縮径
部、絞り部(スロート部ともいう)および末広がり部を
順に設けた形状であって、縮径部及び絞り部においてノ
ズル内ガス流を高速とし、ついで末広がり部で膨張させ
て好適なガスジェット流動状態を形成することができ
る。また、前記ガス噴出孔の形状を、前記ランス内のガ
ス流路に連通する部分から先端部分にかけて、小径の円
筒状絞り部、急拡大部、前記急拡大部の直径から次第に
直径を拡大する末広がり部を順次設けた形状(「急拡大
+末広がり形」と呼ぶ)としてもよく、さらに、前記ガ
ス噴出孔の形状を、前記ランス内のガス流路に連通する
部分から先端部分にかけて一定直径の円筒形部及び円筒
形部の直径から次第に直径を拡大する末広がり部を連設
した形状(「円柱形+末広がり形」)と呼ぶ)としても
よい。また、前記ガス噴出孔の形状を前記ランス内のガ
ス流路に連通する部分から先端部分まで同一の直径を有
する円筒形(「ストレート形」と呼ぶ)としてもよい。
を前記ランス内のガス流路に連通する部分から先端部分
にかけて、小径の円筒状絞り部、急拡大した円筒部を連
接した形状(「急拡大形」と呼ぶ)としてもよい。
量と前記旋回用ガス供給孔に供給するガスの流量をそれ
ぞれ独立に制御する手段を備えると旋回流に強弱を与え
た独立のガス流を任意に得ることができ、ソフトブロ
ー、ハードブローの調整を任意に行うことができ好まし
い。
回流れを付与した酸素ガスジェットが溶湯面に達する前
に下向き速度成分が効果的に減衰するため、溶湯表面に
形成されるくぼみ深さが浅くなり、いわゆるソフトブロ
ーが達成される。その結果、溶湯面上でのCOガスの酸
素ガスによる燃焼が充分に行われるようになり、ランス
高さの上昇、あるいはノズル傾角の拡大を行わなくて
も、上吹き酸素ガスジェットのソフトブロー化を達成で
き、高二次燃焼率、高着熱効率のもとでダスト発生の抑
制がもたらされる。
止し、貫通孔軸方向のガス流を増加することにより、ガ
スジェットによるハードブローが可能であり、脱炭吹錬
時の脱炭酸素効率向上が可能である。
ル形、ストレート形は旋回用ガスの流量を小さくしたり
停止した場合に、噴出ガスの直進性が高いので、脱炭効
率を優先する操業に適している。とくにラバール形の場
合は超音速のガス流れが得られるため、噴出孔内への地
金やスラグの飛び込みを防止することができるので好ま
しい。
がり形及び急拡大形は、旋回用ガスの流量を小さくした
り停止した場合でも、急拡大部あるいは末広がり部での
ガス流速の減衰があるために、ダスト低減や着熱効率を
優先する操業に特に適している。とくに急拡大部を有す
る形状ではガス流速の減衰効果が高いので一層この効果
が大きい。
スクラップ溶解時あるいは溶融還元時の炉内において高
い二次燃焼率及び着熱効率を得つつ、炉内からのダスト
発生量を低減させ、かつ脱炭吹錬時にはハードブローに
よる脱炭酸素効率の向上を一本のランスで実現すること
が可能である。
まじえ、本発明の実施の形態を説明する。先ず、発明者
は、上吹きランスを用いたソフトブロー化の効果を確認
するため、コールドモデル実験で上吹きガスジェットの
流速分布を測定した。ここで使用した上吹きランスのノ
ズルチップを図1〜図3に模式的に示した。図1はラバ
ール形の貫通孔6を6個備え、貫通孔軸成分を有する噴
出ガスに旋回成分を付与する旋回用ガス供給孔3を設け
たものである。図1(b)は縦断面図、図1(a)は図1
(b)のA−A矢視断面図である。旋回用ガス供給孔3は
旋回用ガス供給路2からガスを供給される。旋回用ガス
供給路2はランス内のガス流路と連通してもよく、別個
でもよい。図2に図1のラバール形の貫通孔6の近傍を
拡大したものを示す。図2(b)は縦断面図、図2(a)は
図2(b)のB−B矢視断面図である。ラバール形の貫通
孔6は縮径部7、絞り部(スロート部)8、末広がり部
9を連接してなるものである。また図3に旋回用ガス供
給孔3を有しないラバール形の貫通孔6を6個設けた従
来例を示した。
トは、ランス軸方向(鉛直下方)に噴出させた。ガスの
流量は9.0Nm3/minとし、ノズル先端から下方
600mmの位置で、ガスジェット流速の鉛直成分の流
速分布を測定した。結果を図4に示した。図4はノズル
先端から下方600mm位置のガスジェット流速の鉛直
成分の分布を示すものである。図1に示すノズルチップ
で噴出ガスに旋回成分と貫通孔軸成分を付与した場合、
曲線21で示すように噴流流速が小さくソフトブロー化
しており、旋回成分を付与しないと曲線22に示すよう
に、ハードブローとなった。曲線23は図3に示すノズ
ルチップの場合を示している。曲線22は曲線23と同
様に噴流流速が大きく、ハードブローとなっている。
では噴出ガスに旋回成分と貫通孔軸成分を付与したと
き、噴流流速が小さくソフトブロー化しており、ダスト
発生低減や二次燃焼向上に効果がある。また、噴出ガス
に貫通孔軸成分のみを付与し、旋回成分を付与しなかっ
た場合は曲線22に示すように、ハードブロー化されて
おり、高脱炭酸素効率が確保される。
を有するノズルチップを取り付けて形成されたガス上吹
き用ランスであって、前記貫通孔の形状をラバール形と
し、貫通孔の側面には、噴出する酸素ガスジェットに旋
回流れを付与する旋回用ガス供給孔を備えているガス上
吹き用ランスは、貫通孔成分と旋回流成分の流量を制御
することにより、一本のランスでハードブローとソフト
ブローの両方の機能を付与することが可能である。
部分横断面(図5(b)のC−C矢視断面図)、(b)部
分縦断面を示すものである。図5では貫通孔の形状は、
ラバール形でなく、ランス内のガス流路に連通する部分
から先端部分にかけて、小径の円筒状絞り部11、急拡
大部12、末広がり部13を順次連接した形状とし、貫
通孔の側面に噴出する酸素ガスジェットに旋回流れを付
与する旋回ガス供給孔3を備えたノズルである。すなわ
ち図2に示すラバール形の噴出孔の絞り部8に代り、軸
方向流路に小径の円筒状絞り部11を設け、この絞り部
11から急激に直径が拡大した急拡大部12を設け、そ
の下方に末広がり部13を設けたノズルである。このノ
ズルも図2に示すラバール形の噴出孔6を有するノズル
と同様の効果がある。
図6(b)は縦断面図、図6(a)はそのD−D矢視図であ
る。この例は貫通孔の形状を、ラバール形でなく、ラン
ス内のガス流路に連通する部分から先端部分にかけて一
定直径の円筒部14、及び末広がり部13を連接した形
状とし、貫通孔の側面に噴出する酸素ガスジェットに旋
回流れを付与する旋回ガス供給孔3を備えたノズルであ
る。すなわち、図2に示すラバール形の噴出孔の代りに
上流側が一定直径の円筒形部14とし、その下流に末広
がり部13を備えたノズルである。
ランス内のガス流路に連通する部分から先端部分まで同
一の直径を有する円筒状貫通孔15とし、貫通孔15の
側面に酸素ガスジェットに旋回流れを付与する旋回ガス
供給孔3を備えたノズルである。すなわち図2に示すラ
バール形の噴出孔に代えて円筒状貫通孔15を備えた例
を示したものである。以上の図5〜図7に示すノズルを
装着したガス吹きランスは旋回流を付与する旋回ガス供
給孔3を備えることにより、ソフトブローを達成するこ
とができ、図4に示したと同様のソフトブローとハード
ブローの両方の機能を有する。
ガス吹きランスの噴出孔に軸方向から供給するガス量と
旋回流を付与する旋回ガス供給孔へ供給するガス量とを
それぞれ独立に調整する手段を設けると、ガスジェット
流速の鉛直成分の流速分布を所望の値としたソフトブロ
ーからハードブローに至るガスジェット流を同一のノズ
ルで達成することができる。
で溶湯の昇熱吹錬と脱炭吹錬の操業を行い、昇熱速度及
び脱炭酸素効率を調査した。操業は以下の手順で行っ
た。表1に示す化学組成の溶銑を転炉に装入した後、ま
ず、底吹き羽口を介して窒素ガス5.0Nm 3/mi
n、及び上吹きランスを介して純酸素ガス20Nm3/
minを吹き込みつつ、炉上に設けたシューターから塊
コークスおよび造滓材としての生石灰、珪石を炉内に投
入して昇熱、造滓を行った。その際上吹き酸素を貫通孔
軸成分と旋回流れ成分の両方に付与した。
付与し、脱炭吹錬を実施した。なお、操業中、溶湯温度
の測定は、いわゆるサブランスを用いて行い、この測定
値に基づいて、昇熱速度を測定した。また、脱炭吹錬時
に適宜サンプリングを行い、溶湯の炭素濃度の変化から
脱炭酸素効率を求めた。
例、及び他の方式のランスを用いた比較例について、操
業時の昇熱速度の指数及び脱炭酸素効率の指数を示し
た。なお、用いたノズルチップは図1、図3を示したも
のとそれぞれ幾何学的に相似である。また、表2に示し
たランス高さは、溶湯表面から上吹きランス先端までの
距離であり、昇熱速度指数は、比較例1の昇熱速度を1
00として、相対的に比較して示したものである。ま
た、脱炭酸素効率の指数は、比較例1の値を1.0とし
て相対的に比較して示したものである。表2の実施例と
比較例とを比較すると、実施例においては、昇熱速度が
大幅に向上しかつ、脱炭吹錬時では脱炭酸素効率が比較
例と同等であることが確認された。
における昇熱・脱炭吹錬に関するものであるが、本発明
の技術は、クロム鉱石、鉄鉱石、マンガン鉱石、ニッケ
ル鉱石、又はその他の炭素還元可能な鉱石、及びその塊
状化鉱石、予備還元鉱石等についても効果的に適用する
ことができる。また転炉精錬におけるスクラップ等、冷
鉄源の使用量増大にも効果があることはいうまでもな
い。
転炉でクロム鉱石の溶融還元吹錬の操業を行い、ダスト
の発生速度及び炉壁耐火物の損耗量を調査した。
学組成の溶銑を転炉に装入した後、まず、底吹き羽口を
介して窒素ガス5.0Nm3/min、及び上吹きラン
スを介して純酸素ガス15Nm3/minを吹き込みつ
つ、炉上に設けたシューターから塊コークスおよび造滓
材としての生石灰、珪石を炉内に投入して昇熱、造滓を
行った。その際の吹錬期間は、溶湯温度が1550℃、
溶融スラグ量が100kg/tになるまでであり、約2
0分間である。そして、引き続き、炉上シューターから
塊コークスを19kg/min、塊状化したクロム鉱石
を、溶湯温度が1550℃±20℃となるように2kg
/min〜25kg/minの投入速度で添加、調整し
た。また、該炉上シューターからは、塊状の生石灰をス
ラグ塩基度が2.0となるように添加した。
なお、操業中、溶湯温度の測定は、いわゆるサブランス
を用いて行い、この測定値に基づいて前述のようにクロ
ム鉱石の投入速度を調整し、溶湯温度が1550℃±2
0℃となるようにしたものである。クロム鉱石の添加は
約60分間行い、この後にクロム鉱石を添加せずに、ス
ラグ中に残留したクロムを還元回収する仕上げ還元を、
溶湯温度1550℃〜1600℃で約10分間実施し
た。また、ダストの発生速度は、煙道で排気ガス中のダ
スト濃度を測定することにより求めた。
例、及び他の方式のランスを用いた比較例について、操
業時のダスト発生速度の指数、耐火物損耗指数、生産性
指数(単位時間当たりのクロム鉱石使用量の指数)、ノ
ズル孔内への地金およびダスト飛び込みの有無を示し
た。なお、用いたノズルチップは図9(実施例6、
7)、図10(比較例7、8)、図11(比較例6)と
それぞれ幾何学的に相似である。また、表5に示したラ
ンス高さは、溶湯表面から上吹きランス先端までの距離
であり、ダスト発生の速度指数は、比較例6のダスト発
生速度を100として、相対的に比較して示したもので
ある。また、耐火物損耗指数、および生産性指数は、比
較例6の値を1.0として相対的に比較して示したもの
である。
実施例6のガスジェットに旋回成分と鉛直下向き成分を
付与したランスを用いた場合、ダスト発生速度の低下お
よび生産性の向上効果が認められ、耐火物損耗指数は同
等であるが、クロム鉱石の使用量は増大し、ダスト発生
速度は減少している。更にランス高さを低くした実施例
7では比較例7、8と比べてノズル孔内への地金・ダス
トの堆積がない。つまり低ランス高さでもソフトブロー
が達成され、二次燃焼率や着熱効率が増大した結果、溶
湯への入熱量が増大し、クロム鉱石を多量に溶融還元で
きるようになった。しかも転炉耐火物の溶損を低減する
ことができ、ノズル内への地金・ダストの飛び込みを防
止することができる。
石の溶融還元に関するものであったが、本発明の技術
は、鉄鉱石、マンガン鉱石、ニッケル鉱石、又はその他
の炭素還元可能な鉱石、及びその塊状化鉱石、予備還元
鉱石等についても効果的に適用することができる。また
転炉精錬におけるスクラップ等、冷鉄源の使用量増大に
も効果があることはいうまでもない。
発明のノズルの中心軸流れを付与するための下向きガス
流れ孔を1個設けた例を示したが、ガス噴出孔根本部の
寸法が許容する範囲で、これを複数個設けても構わな
い。また、ガス噴出孔の形状も中心軸に垂直な横断面が
円形をなし、末広がり形状を有するものであればよく、
必ずしも上記の例のごとき円錐台形状(すなわち一定の
広がり角度でガス流路断面積が拡大する形状)に限定さ
れるものではない。たとえば出口に近づくほどガス流路
断面積の拡大率が増大するラッパ型の形状や、途中で拡
大率が変化する形状などであってもい。
ガス噴出ノズルの中心軸が鉛直方向に向くようにして使
用されることが多いが、転炉以外の精錬容器、たとえば
電気炉やトピードカー、取鍋精錬設備などの場合にはラ
ンスを傾斜して使用することもあり、このような場合に
は上記中心軸が正確に鉛直を向かない状態で使用される
ものであっても構わない。
熱、スクラップ溶解時あるいは溶融還元時の炉内におい
ては二次燃焼率や着熱効率を高位に維持しつつ、しかも
転炉の内張り耐火物損耗を増大させることなく、ダスト
の発生速度を大幅に低下させることができ、かつ脱炭吹
錬時にはハードブローによる脱炭酸素効率の向上を一本
のランスにおいて両立させることが可能となった。
図(図1(b)のA−A矢視図)、(b)は縦断面図であ
る。
(a)は(b)のB−B矢視横断面図である。
図、(b)は縦断面図である。
方600mmでの半径方向のガスジェット流速の鉛直方
向成分の分布を示すグラフである。
断面図(図5(b)のC−C矢視図)、(b)は縦断面図
である。
断面図(図6(b)のD−D矢視図)、(b)は縦断面図
である。
(a)は横断面図(図7(b)のE−E矢視図)、(b)
は縦断面図である。
(a)は横断面図(図8(b)のF−F矢視図)、(b)
は縦断面図である。
図(図9(b)のG−G矢視図)、(b)は縦断面図であ
る。
面図(図10(b)のH−H矢視図)、(b)は縦断面図
である。
図、(b)は縦断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 下向きの1個又は複数個のガス噴出孔を
有するノズルチップを長尺の筒体先端に取り付けて形成
されたガス吹きランスにおいて、前記ガス噴出孔の少な
くともひとつは前記ランス内のガス流路と連通すると共
に円形横断面とし、かつ、ガス噴出孔から噴出するガス
ジェットに旋回流れを付与する一個又は複数個の旋回用
ガス供給孔を前記ガス噴出孔の根元部に備えたことを特
徴とするガス吹きランス。 - 【請求項2】 前記ガス噴出孔の形状をラバール形とし
たことを特徴とする請求項1記載のガス吹きランス。 - 【請求項3】 前記ガス噴出孔の形状を前記ランス内の
ガス流路に連通する部分から先端部分にかけて、小径の
円筒状絞り部、急拡大部、末広がり部を順次連接した形
状としたことを特徴とする請求項1記載のガス吹きラン
ス。 - 【請求項4】 前記ガス噴出孔の形状を前記ランス内の
ガス流路に連通する部分から先端部分にかけて一定直径
の円筒部、及び末広がり部を連接した形状としたしたこ
とを特徴とする請求項1記載のガス吹きランス。 - 【請求項5】 前記ガス噴出孔の形状を前記ランス内の
ガス流路に連通する部分から先端部分まで同一の直径を
有する円筒部としたことを特徴とする請求項1記載のガ
ス吹きランス。 - 【請求項6】 前記ガス噴出孔の形状を前記ランス内の
ガス流路に連通する部分から先端部分にかけて、小径の
円筒状絞り部、急拡大した円筒部を連接した形状とした
ことを特徴とする請求項1記載のガス吹きランス。 - 【請求項7】 前記ガス噴出孔に供給するガスの流量と
前記旋回ガス供給孔に供給するガスの流量をそれぞれ独
立に調整する調整手段を備えたことを特徴とする請求項
1〜6の何れかに記載のガス吹きランス。
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JP11-339314 | 1999-11-30 | ||
JP2000302343A JP2001220617A (ja) | 1999-11-30 | 2000-10-02 | ガス吹きランス |
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