JPH08253804A - 生産性の高い溶銑脱燐方法 - Google Patents

生産性の高い溶銑脱燐方法

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JPH08253804A
JPH08253804A JP7392295A JP7392295A JPH08253804A JP H08253804 A JPH08253804 A JP H08253804A JP 7392295 A JP7392295 A JP 7392295A JP 7392295 A JP7392295 A JP 7392295A JP H08253804 A JPH08253804 A JP H08253804A
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lance
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oxygen
hot metal
gas
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JP7392295A
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Shinya Kitamura
信也 北村
Yuji Ogawa
雄司 小川
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明により、転炉での溶銑脱燐処理と脱炭
処理に関するもので、高速度での酸素供給下での、生産
性の高い溶銑の脱燐方法を提供するものである。 【構成】 上底吹き転炉における脱燐吹錬において、同
心多角形又は同心円の断面を有するスリット状の酸素供
給管を有し、前記酸素供給管の先端開口面の一部に2〜
10個の遮蔽板を配し、前記遮蔽板で分離された個々の
前記先端開口面の長辺長さB(mm)と短辺長さh(mm)
の比B/hが10〜225、ランス直径をR(mm)とし
た場合の(B×h)/Rが0.4〜4であるノズル
(N)を有する上吹きランスを用い、ランス中心点を含
むランス先端部をランス本体に対し上下方向に移動させ
ずに酸素供給速度F(Nm3 /(min・ton))を2〜4とし
た生産性の高い溶銑脱燐方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速度での酸素供給下で
の、生産性の高い溶銑の脱燐方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鋼トータルコストのミニマム化や低燐
鋼の安定溶製に関して、従来、溶銑の脱燐法として、
(1)トピードカー内の溶銑に対して脱燐用フラックス
(酸化鉄、生石灰等)をインジェクションして予備脱燐
を行う方法、(2)取鍋内の溶銑に対して脱燐用フラッ
クスをインジェクション、もしくは吹き付けを行い予備
脱燐を行う方法、あるいは、(3)2基の転炉を用い
て、一方で脱燐を行い、他方で脱炭を行う方法(例え
ば、特開昭63−195210号公報)が用いられてい
る。
【0003】しかしながら、(1),(2)の方法は、
(T・Fe)が低く(CaO/SiO2 )が高いスラグ
を用いるため脱燐と同時に脱硫反応が進行するという利
点があるものの、酸化剤として鉄鉱石やスケール粉に代
表される酸化鉄を用いているため、処理中に温度が低下
し、次工程である転炉でのスクラップ消費量が低下し溶
鋼生産量が低減するという問題がある。この方法で酸化
鉄の代わりに酸素ガスを用いる場合、酸素ガスをインジ
ェクションすると撹拌が過大となり(T・Fe)が極端
に低くなり脱燐が進行しなくなり、また、上方より単に
吹き付けた場合には、スラグの(T・Fe)が高くスラ
グがスロッピングするという問題があった。
【0004】一方、(3)の方法においては、酸化剤と
しては酸素ガスを用い、脱燐処理時の温度制御のために
スクラップを用いることができるため、スクラップ消費
量の低下はない。しかし、転炉を用いるため(T・F
e)を高くするには上吹き酸素の湯面到達流速を低くす
る(いわゆるソフトブロー)必要があり、送酸速度を小
さくするか、送酸速度を大きくする場合にはランスと湯
面間の距離を極端に大きくすることが必須であった。こ
れには、送酸速度を小さくした場合には精錬時間が長く
なるため生産性が著しく低下し、ランスと湯面間の距離
を極端に大きくした場合には、高温の酸素ジェットが炉
壁耐火物に接近するため炉材が著しく痛むという問題を
伴い実際には用いられてはいない。
【0005】一方、特公昭47−4770号公報には、
上吹きランスの円形酸素ノズルの先端出口部とスロート
部の間に、管路内で上下動しうる作動機構を有するスピ
ンドルを設けたランスが開示されている。この場合、酸
素は円形ノズルとスピンドルの間隙に生じるスリット部
を通して流れるが、間隙を通過した後の噴流は出口直後
に合体し、常にハードブローとなるため上記問題は解決
されない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おいて、スクラップ消費量の低下を防ぐために酸化剤と
して酸素ガスを上吹きで用いると、生産性が著しく低下
するか、又は炉材が著しく痛むという問題点が生ずるこ
とを解決しようとするものである。さらに、特公昭47
−4770号公報に開示された技術における、噴流が出
口直後に合体し、常にハードブローとなるという問題を
解決し、高い生産性を有する溶銑脱燐方法を提供するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ランスの
ノズル形状を円ではなく適正に「細長い」形状とした場
合に、ランスから吹き出された後の噴流の減衰が極めて
大きいことに着目し、この原理を、上吹きランスから酸
素を供給し、かつ、鋼浴をガス撹拌せしめる精錬装置に
おける溶銑脱燐処理に適用した場合、円形ノズルと比較
して、酸素の供給速度を増加させても、ランスと湯面間
の距離を極端に大きくすることなしに脱燐が可能である
ことを明らかにした。本発明はこの知見に基づきなされ
たものである。
【0008】その要旨とするところは、(1)上吹きラ
ンスから酸素を供給し、かつ、鋼浴をガス撹拌せしめる
精錬装置を用い、溶銑温度を1250〜1450℃、溶
銑中の炭素濃度を2.5〜4.5%、撹拌エネルギー密
度E(kW/ton)を1.5〜4とした条件での脱燐方法に
おいて、同心の3〜16角形の多角形又は同心円の断面
を有する1条のスリット状の酸素供給管を有し、前記酸
素供給管の先端開口面の一部に2〜10個の遮蔽板を配
し、前記遮蔽板で分離された個々の前記先端開口面の長
辺長さB(mm)と短辺長さh(mm)の比B/hが10〜22
5、ランス直径をR(mm)とした場合の(B×h)/Rが
0.4〜4であるノズル(N)を有する上吹きランスを
用い、ランス中心点を含むランス先端部をランス本体に
対し上下方向に移動させずに酸素供給速度F(Nm3 /(m
in・ton))を2〜4とすることを特徴とする生産性の高
い溶銑脱燐方法にある。
【0009】また、(2)前記(1)記載の溶銑脱燐方
法(工程1)に引き続き、炉を傾動させ生成した脱燐ス
ラグを排出する工程(工程2)、炉を直立させ、上吹き
ランスから酸素を供給して脱炭せしめる工程(工程
3)、脱炭時に生成した脱炭スラグを排出することなく
溶鋼のみを出鋼する工程(工程4)、および、脱炭スラ
グを炉内に残したままで次チャージの溶銑を受銑する工
程(工程5)を連続して実施することを特徴とする、生
産性の高い溶銑脱燐方法にある。
【0010】さらに、(3)前記(2)記載の溶銑脱燐
方法において、上吹きランスの先端開口面の一部に遮蔽
板を配した前記酸素供給管の開口面積Aに対して0.1
A〜0.5Aの断面積を有する1〜4個の円形ノズル
(C)を、該同心多角形又は同心円の中心点側に有し、
工程1においてはノズルNから酸素、ノズルCからはA
r,窒素,COのような非酸化性ガス、又はCO2 ガス
を供給し、工程3においては、ノズルN、ノズルCから
酸素ガスを供給することを特徴とする、生産性の高い溶
銑脱燐方法にある。
【0011】ここで、撹拌エネルギー密度E(kW/ton)
は、底吹きガス流量Q(Nm3 /s)、温度T(K)、溶鋼
量W(ton)、底吹き羽口位置の静圧P(Pa)、大気圧P
o(Pa)とすると次式で表される。 E={371/(1000・W)}×Q×T×{ln(P/Po)+
0.06(1−298/T)}
【0012】
【作用】図1は、本発明の実施形態を模式的に示したも
のである。溶銑脱燐工程(工程1)、炉1を傾動させ工
程1で生成したスラグ6を排出する工程(工程2)、炉
1を直立させ上吹きランスから酸素を供給して脱炭せし
める工程(工程3)、脱炭時に生成した脱炭スラグ4を
排出することなく溶鋼5のみを出鋼する工程(工程
4)、および、脱炭スラグ4を炉内に残したままで次チ
ャージの溶銑5を受銑する工程(工程5)とからなって
いる。
【0013】図2は本発明で用いる上吹きランスの代表
例を模式的に示したものであるが、図1のように各工程
を連続的に実施せず、溶銑脱燐処理のみを実施する場合
には、図2のノズル10は必要ない。
【0014】図2に示されたノズルのように、ランスの
ノズル形状が円ではなく適正に「細長い」形状とした場
合に、ランスから吐き出された後の噴流の減衰が極めて
大きい。この原理を溶鉄を転炉型反応器にて脱燐精錬す
る精錬方法に適用した場合、円形ノズルと比較して、容
易に噴流のスラグ面到達速度を遅くでき(いわゆるソフ
トブロー)るため、酸素の供給速度を増加させても、上
吹き酸素と溶鉄との接触を弱め、高温火点の形成による
脱炭反応を抑制し(T・Fe)を高く維持することがで
きることを見いだした。特に、円形ノズルの場合にはソ
フトブローするために操業変更(例えば、ノズルの大径
化、多孔化やランス湯面間距離の増大)をした場合に
は、必然的に空間でCOガスがCO2 へ燃焼する2次燃
焼率が上がるため排ガス温度が急激に上昇し転炉耐火物
が著しく損耗するのに対して、本発明で記載された適正
に長細いノズルの場合には、ソフトブローでありながら
2次燃焼率が上がらないという大きな特徴を有する。こ
れは、ノズルから出た噴流は減衰が激しくマッハ数が1
以上のジェットコアの長さが極端に短くなるため、噴流
の湯面到達流速が小さくなるソフトブロー効果を有する
のに対して、空間での雰囲気ガスの巻き込みや噴流から
雰囲気空間へのガスの飛散状態を支配し、その帰結とし
て2次燃焼率を支配する噴流の断面形状は、ノズル出口
に比較的近い位置で、すでに、細長い形状から円形へと
変換するためである。このように、ジェットコアの長さ
を短くし、かつ、噴流の断面形状を細長い形状から円形
へと変化させやすい状態を得るには、ノズル形状につい
ての本発明者らによる詳細な実験検討によれば、下記の
点が重要である。
【0015】(1)図2に示したように、遮蔽板11で
分離された個々のスリット状酸素供給管9の先端開口面
の長辺(B)と短辺(h)の比が大きい、いわゆる細長
い噴出孔とすること。これは、円形孔から出たガスに比
べて噴流断面の周長が長くなり、噴流外の気体との相互
作用を大きく受け、噴流がノズルを出た直後に大きな減
衰効果(ジェットコアの短縮によるソフトブロー効果)
が得られるためである。この効果は、B/hにして10
以上あれば得られ、図3に示すように2〜4Nm3 /(min
・ton)という高い送酸速度でも十分に高い脱燐率が得ら
れる。また、B/hが225よりも大きいものはランス
冷却水の配管が困難となり現実的ではない。
【0016】(2)細長い形状のノズルから出たガス
は、噴出された直後は大きく減衰するが、それ以後は、
ノズル先端からの距離の1/2乗でしか減衰しない特徴
を有する。これに対して、円形ノズルから出たガスは噴
出直後の減衰は小さいが、それ以後は、ノズル先端から
の距離の1乗で減衰する。したがって、噴出直後に大き
く減衰するという(1)の特性を生かしつつ、その後の
減衰を大きくするためには、ノズルから出た後、噴流を
細長い形状から円形断面形状へと変換させる必要があ
る。この条件は、ランス直径R(mm)とした場合の(B
×h)/Rが4以下とすることであり、これにより2次
燃焼率を適正範囲に抑制することができる。また、(B
×h)/Rが0.4よりも小さい場合には、ノズルの加
工精度を保つことが困難となり現実的ではない。
【0017】尚、ガス供給管の断面は同心多角形、又
は、同心円で囲まれたスリットであり、同心多角形は図
4(a)〜(c)に例を示した3〜16角形の範囲であ
る。これは、多角形としては2角形は存在せず、また、
16角形よりも角数を増した場合には加工が困難となる
ためである。遮蔽板の個数が2個よりも少ない場合には
Bが非常に大きくなり、10個よりも多い場合にはBが
非常に小さくなるために、いずれにおいてもB/hと
(B×h)/Rが適正範囲に入らず効果は得られない。
図4においても、図1のように各工程を連続的に実施せ
ず、溶銑脱燐処理のみを実施する場合にはノズル(C)
は必要ない。
【0018】また、本発明ではランス本体8とランス中
心点aを含むランス先端部は遮蔽板11を介して固着し
ており、中心点aはランス本体8に対して相対的に上下
方向に移動することは無い。このため、従来技術にある
中心点aを含むランス先端部を中子としてランス本体と
分割し、中子のみを上下に移動させる技術に伴った、複
雑な駆動機構を設ける必要が無く、簡単な構造でランス
が製作できる大きな利点を有している。
【0019】ところで、脱燐工程において、温度が12
50℃よりも低い場合や炭素濃度が2.5%よりも低い
場合には、引き続き実施される脱炭工程での発熱量が不
足するため補助熱源としてコークス等の高価な炭材が必
要となり、逆に、1450℃よりも高い場合には平衡関
係上、脱燐反応が進みにくく生石灰単位が増加する。ま
た、飽和炭素濃度から見て酸化精錬の場で炭素濃度が
4.5%よりも高くすることは非現実的である。撹拌エ
ネルギー密度Eが1.5(kW/ton)よりも小さい場合に
は脱燐反応速度が遅く実用的ではなく、4(kW/ton)よ
りも大きい場合には一旦生成した(T・Fe)が直ちに
溶銑中の炭素で還元されるため酸化力が維持できず脱燐
率が低下する。酸素供給速度Fが2Nm3 /(min・ton)よ
りも小さい場合には処理時間がかかるため生産性が低
く、4Nm3 /(min・ton)よりも大きい場合には本発明の
上吹きランスを用いたとしてもハードブローとなり脱燐
率が低下する。
【0020】ところで、上記の本発明である脱燐工程
(工程1)に引き続き、炉を傾動させ生成した脱燐スラ
グを排出する工程(工程2)、炉を直立させ、上吹きラ
ンスから酸素を供給して脱炭せしめる工程(工程3)、
脱炭時に生成した脱炭スラグを排出することなく溶鋼の
みを出鋼する工程(工程4)、および、脱炭スラグを炉
内に残したままで次チャージの溶銑を受銑する工程(工
程5)を連続して実施する方法へ適用した場合には、上
吹きランスとして、先端開口面の一部に遮蔽板を配した
前記酸素供給管の開口面積Aに対して0.1A〜0.5
Aの断面積を有する1〜4個の円形ノズル(C)を、該
同心多角形又は同心円の中心点側に有し、工程1におい
てはノズルNから酸素、ノズルCからは非酸化性ガス、
又はCO2ガスを供給し、工程3においては、ノズル
N、ノズルCから酸素ガスを供給するノズルとすると、
より優れた精錬特性が得られる。これは、工程1ではソ
フトブローによる(T・Fe)の確保と適度な2次燃焼
が必要なためノズルNからの吹酸が重要であるが、工程
3で効率的な脱炭をなし遂げるには、酸素の湯面到達流
速を大きくするハードブローが必要となる。そのため、
ノズルCを設け、工程1においてはノズルNから酸素、
ノズルCからはスプラッシュの侵入によるノズル詰まり
を防止するため非酸化性、又は弱酸化性ガスであるCO
2 ガスを供給し、工程3においては、ノズルN、ノズル
Cから酸素ガスを供給する方法が優れている。
【0021】ここで、工程3ではノズルNからの酸素噴
流にノズルCからの酸素噴流を合体させることでハード
ブローを可能とするもので、先端開口面の一部に遮蔽板
を配した前記酸素供給管(ノズルN)の開口面積Aに対
して、円形ノズル(C)の開口面積が0.1Aよりも小
さい場合には、ノズルCからのガス流量が少なく充分な
ハードブローが得られず、0.5Aよりも大きい場合に
はノズルNとCを合計したガス流量が大きくなりすぎダ
ストが多量に発生するという問題がある。また、円形ノ
ズルの個数が5個以上の場合には円形ノズルから噴出さ
れるガスの突出流速が低下するためハードブローになら
ない。さらに、円形ノズル(C)を、該同心多角形又は
同心円の中心点側に設けない場合には、ノズルNからの
噴流と充分に合体できずハードブローとならない。
【0022】工程1でノズルCから供給するガスを酸化
性ガスとした場合には、ノズルへのスプラッシュの侵入
を防止するのが目的であるにもかかわらず、ノズルNか
ら供給されるガスに巻き込まれ、酸素供給速度が目的と
する値よりも大きくなりソフトブローにならないために
用いることはできず、非酸化性ガス、又は弱酸化性ガス
であるCO2 に限定される。
【0023】
【実施例】実施例の工程は図1と同一である。実施例は
175トン上底吹き転炉を用いて行った。底吹きガスは
窒素ガス、もしくは、酸素ガスと羽口冷却用ガスを用
い、上吹きランスより酸素ガスを吹き付けた。生石灰原
単位は15〜20kg/tonであり、上方より塊状の生石灰
を蛍石とともに投入した。処理後温度はスクラップや鉄
鉱石を投入することで1250〜1450℃、(CaO
/SiO2 )は0.6〜2.5とした。ランスは図2に
示した形状で中心のノズル(C)のないものを用いた。
【0024】表1は、B=100mm、h=2mm、B/h
=50、(B×h)/R=1.2遮蔽板数4という条件
で、10分間の処理を実施した実験結果である。試験番
号1〜9は本発明の実施例であるが、いずれも高い脱燐
率を示している。これに対して試験番号10〜14は比
較例であるが、送酸速度、撹拌力、温度のいずれかが適
正でないと脱燐率が大幅に低下している。また、試験番
号15,16に示すように炭素濃度が低いか温度が低い
場合には、次工程で炭材が必要となっている。また、同
様な試験を図1の工程で実施した場合も同じ結果であっ
た。
【0025】表2は、送酸速度、撹拌力、温度、炭素濃
度を試験条件1とほぼ同一とした上で、上吹きランスの
B,h,R、遮蔽板数、および、ノズル形状を変化させ
た試験結果である。ノズル形状は図2に示した形状を基
本とし(タイプa)、図4の(a)に示した6角形の形
状(タイプb)で、いずれも中心のノズル(C)のない
ものを用い、10分間の処理を実施した。ここで、着熱
効率は次式で定義した。 着熱効率={1−(排ガスが浴温以上に加熱された分の
顕熱量)/(COからCO2 への燃焼による発熱量)}
×100
【0026】試験番号17〜24は本発明の実施例であ
るが、高速で吹酸しているにもかかわらず脱燐率は高
く、また、2次燃焼率も不必要に高くないため着熱効率
が良く耐火物溶損も少ない。これに対して、試験番号2
5〜30は比較例を示すが、遮蔽板の数、開口部のB/
h、(B×h)/Rのいずれかが本発明の範囲を外れる
と、脱燐率が低下するか、2次燃焼率が上がり着熱効率
が低下するという問題が発生している。また、試験番号
1と同一開口面積を持つ、4個の直径12mmの円形ノズ
ルを持った多孔ランスを用いた場合には、2次燃焼率が
20%程度であったが、ハードブローとなるため脱燐率
は61%にすぎなかった。この場合も、同様な試験を図
1の工程で実施した場合も同じ結果であった。
【0027】表3は、送酸速度、撹拌力、温度、炭素濃
度を試験条件1とほぼ同一とし、図1の工程で行った実
験結果である。上吹きランス条件は試験番号17と同一
とし、中心のノズル(C)のあるものを用いた。工程3
の吹き止め炭素濃度は0.05〜0.10%であり、送
酸速度は175〜225Nm3 /Hr・ton とし、工程1で
はノズル(N)から酸素を、ノズル(C)からは送酸速
度の5〜15%の流量の窒素を、工程3ではノズル
(N)から酸素を、ノズル(C)からは送酸速度の10
〜50%の酸素を供給した。
【0028】試験番号31〜35に適正条件での実験結
果を示すが、ハードブローの効果により吹き止め(T・
Fe)が低くダスト発生も多くない。これに対して、試
験番号36〜39に示した適正条件以外での実験では、
吹き止め(T・Fe)が高いかダスト発生が多い問題が
ある。尚、いずれの場合も他の工程では問題は生じなか
った。
【0029】なお、ここで、いずれの場合もランス中心
点を含むランス先端部はランス本体に対して上下方向に
移動しなかった。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【発明の効果】本発明により、高速度での酸素供給下で
の、生産性の高い溶銑の脱燐方法が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施工程を示した概念図。工程1は脱
燐工程を、工程2は中間排滓工程を、工程3は脱炭工程
を、工程4は出鋼工程を、工程5は溶銑の転炉への装入
工程を示す。
【図2】本発明で記載された上吹きランスの例((同心
円タイプ)。
【図3】高送酸速度下での脱燐率とB/hの関係を示し
た実験結果。
【図4】本発明で記載された上吹きランスの例(同心多
角形タイプ)であり、(a)は6角形、(b)は3角
形、(c)は16角形タイプを示す。
【符号の説明】
1 転炉 2 上吹きランス 3 底吹き羽口 4 前チャージの脱炭により生成したスラグ 5 溶銑あるいは溶鋼 6 脱燐スラグ 7 当該チャージの脱炭により生成したスラグ 8 ランス本体 9 スリット状酸素供給管N 10 円形ノズルC 11 遮蔽板 a 中心点 h 短辺長さ B 長辺長さ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上吹きランスから酸素を供給し、かつ、
    鋼浴をガス撹拌せしめる精錬装置を用い、溶銑温度を1
    250〜1450℃、溶銑中の炭素濃度を2.5〜4.
    5%、撹拌エネルギー密度E(kW/ton)を1.5〜4と
    した条件での脱燐方法において、同心の3〜16角形の
    多角形又は同心円の断面を有する1条のスリット状の酸
    素供給管を有し、前記酸素供給管の先端開口面の一部に
    2〜10個の遮蔽板を配し、前記遮蔽板で分離された個
    々の前記先端開口面の長辺長さB(mm)と短辺長さh
    (mm)の比B/hが10〜225、ランス直径をR(m
    m)とした場合の(B×h)/Rが0.4〜4であるノ
    ズル(N)を有する上吹きランスを用い、ランス中心点
    を含むランス先端部をランス本体に対し上下方向に移動
    させずに酸素供給速度F(Nm3 /(min・ton))を2〜4
    とすることを特徴とする生産性の高い溶銑脱燐方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の溶銑脱燐方法(工程1)
    に引き続き、炉を傾動させ生成した脱燐スラグを排出す
    る工程(工程2)、炉を直立させ、上吹きランスから酸
    素を供給して脱炭せしめる工程(工程3)、脱炭時に生
    成した脱炭スラグを排出することなく溶鋼のみを出鋼す
    る工程(工程4)、および、脱炭スラグを炉内に残した
    ままで次チャージの溶銑を受銑する工程(工程5)を連
    続して実施することを特徴とする、生産性の高い溶銑脱
    燐方法。
  3. 【請求項3】 上吹きランスの先端開口面の一部に遮蔽
    板を配した前記酸素供給管の開口面積Aに対して0.1
    A〜0.5Aの断面積を有する1〜4個の円形ノズル
    (C)を、該同心多角形又は同心円の中心点側に有し、
    工程1においてはノズルNから酸素、ノズルCからは非
    酸化性ガス、又はCO2 ガスを供給し、工程3において
    は、ノズルN、ノズルCから酸素ガスを供給することを
    特徴とする、請求項2記載の生産性の高い溶銑脱燐方
    法。
JP7392295A 1995-01-19 1995-03-30 生産性の高い溶銑脱燐方法 Withdrawn JPH08253804A (ja)

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JP7392295A Withdrawn JPH08253804A (ja) 1995-01-19 1995-03-30 生産性の高い溶銑脱燐方法

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JP (1) JPH08253804A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007270238A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Jfe Steel Kk 溶銑の脱燐処理方法
JP2011144415A (ja) * 2010-01-13 2011-07-28 Nippon Steel Corp 転炉精錬方法

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