JP6572025B2 - 放射線撮像装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、放射線撮像装置及びその制御方法に関する。
放射線撮像装置は、例えば、複数の行および複数の列を形成するように配列された複数のセンサと、各センサを行単位で駆動する駆動部と、該駆動された各センサから信号を読み出す読出部とを備える。
特許文献1には、放射線撮像装置において、複数のセンサのうちの一部からの信号に基づいて放射線の照射の開始を検知し、また、該一部からの信号に基づいて放射線の照射の終了を検知することが記載されている。特許文献1によると、放射線の照射の開始の検知精度を向上させるため、読出部の動作モードを信号増幅率が大きいモードに維持しながら上記一部のセンサから信号を読み出す。そして、放射線の照射の開始が検知された後、読出部の動作モードを信号増幅率が小さいモードに変更し、上記一部のセンサから読み出される信号が飽和するのを防止する。
放射線撮像装置のなかには、放射線の照射量をモニタして該照射量が目標値に達した場合に放射線の照射を終了させる(例えば、放射線の照射を停止させるための信号を放射線源に対して出力する)ものがある。この動作は、自動露光制御(Automatic Exposure Control(AEC))と称され、これによって例えば放射線の過剰照射を防ぐことができる。
特許文献2には、一部のセンサを放射線の照射量をモニタするためのモニタ用センサとして用い、放射線の照射が開始された後、モニタ用センサの信号をモニタし、そのモニタ結果に基づいて放射線の照射を終了させることが記載されている。また、特許文献2には、モニタ用センサの信号のモニタを2回以上行い、それらのタイミングおよびそれらのモニタ結果に基づいて、放射線の照射の終了のタイミングを決定することが記載されている。
一般に、放射線の強度が比較的大きい(又は、小さい)場合には、放射線の照射量が目標値に達するまでの時間は短くなる(又は、長くなる)と考えられ、任意の強度の放射線に対するAECが放射線撮像装置において適切に為されることが求められうる。しかしながら、放射線の強度が想定値よりも大きい場合や読出部の信号増幅率が適切に設定されていない場合には、読出部の出力値が飽和してしまう可能性がある(出力ダイナミックレンジを超えてしまう可能性がある。)。
特許文献2のAECの方法によると、読出部の出力値(モニタ結果)が飽和した場合には放射線の照射を適切に終了させることができず、又は、該終了のタイミングを適切に決定することができず、その結果、AECの精度が低下してしまう。また、AECを行っている間に、特許文献1の方法にしたがって読出部の信号増幅率を変更すると、該変更によって読出部の出力値が変わってしまう。そのため、特許文献1の方法によっても、放射線の照射を適切に終了させることができず、又は、該終了のタイミングを適切に決定することができず、その結果、AECの精度が低下してしまう。
本願発明は、発明者による上記課題の認識を契機として為されたものであり、AECを高精度化するのに有利な技術を提供することを例示的目的とする。
本発明の一つの側面は放射線撮像装置にかかり、前記放射線撮像装置は、基板上に配列された複数のセンサと、駆動部と、読出部と、制御部とを備える放射線撮像装置であって、前記制御部は、前記複数のセンサに対する放射線の照射が開始された後、前記複数のセンサのうちの一部を前記駆動部により駆動しながら該駆動された前記一部のセンサから前記読出部により信号を読み出す第1制御と、前記第1制御での前記読出部の出力に基づいて算出された演算値が基準値に達したことに応じて、前記放射線の照射を終了させるための制御信号を出力する第2制御と、を行い、前記読出部は、信号増幅率が互いに異なる複数のモードを動作モードとして含み、前記制御部は、前記第1制御では、前記読出部の出力の値が飽和しないように前記読出部の動作モードを変更しながら前記一部のセンサから信号を読み出し、前記第2制御では、前記読出部の出力を前記読出部の前記信号増幅率を考慮しながら積算することにより、放射線の照射量を示す値として前記演算値を算出することを特徴とする。
本発明によれば、AECを高精度化することができる。
図1は、放射線撮影を行うための撮像システムSYSの構成例を示している。撮像システムSYSは、例えば、放射線撮像装置100と、プロセッサ200と、放射線制御部300と、放射線源400とを具備する。プロセッサ200は、例えば、端末210を介してユーザにより入力された撮影条件に基づいて、放射線撮像装置100および放射線制御部300を制御する。放射線制御部300は、プロセッサ200からの信号に基づいて放射線源400を駆動し、該駆動された放射線源400は放射線(X線、α線、β線等)を発生する。放射線は、不図示の被検体を透過し、該被検体の情報を含む放射線は放射線撮像装置100により検出される。放射線撮像装置100は、該検出された放射線に基づいて画像データを生成し、該画像データをプロセッサ200に出力する。プロセッサ200は、該画像データに基づく放射線画像をディスプレイ等の表示部220に出力する。
放射線撮像装置100は、例えば、センサアレイ110と、駆動部120と、読出部130と、処理部140と、保持部150と、通信部160と、制御部170と、電力供給部180とを備える。
センサアレイ110は、基板上に複数の行および複数の列を形成するように配列された複数のセンサを含む。センサは、放射線を検出するための検出素子を含み、例えば、ガラス基板等の絶縁性の基板の上にアモルファスシリコンで形成された光電変換素子(PINフォトダイオード、MISセンサ等)を含みうる。この場合、センサアレイ110の放射線の照射面の側には、放射線を光に変換するシンチレータが配されうる。
駆動部120は、センサアレイ110の各センサを行単位で駆動する。駆動部120は、例えばシフトレジスタ等を用いて構成された走査回路を含み、各行のセンサを順番に選択しながら駆動する。読出部130は、駆動部120により駆動された複数のセンサのそれぞれから信号を読み出す。該信号の値は、対応センサで検出された放射線量に従い、本例ではシンチレータから対応センサに入射した光量に従う。
処理部140は、例えば、ASIC等の集積回路で構成され、読出部130により読み出された信号に基づいて画像データを生成し、また、該画像データに対して例えば補正処理等のデータ処理を行う。保持部150は、画像データを保持するためのメモリであり、例えば、DRAM等の揮発性メモリが用いられるが、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、その他の公知の記憶手段が用いられてもよい。通信部160は、プロセッサ200との間で信号ないしデータの授受を行うための外部インターフェースであり、有線の通信手段が用いられてもよいし、無線の通信手段が用いられてもよい。通信部160は、不図示の他のユニットとの間で信号ないしデータの授受を行ってもよい。
制御部170は、放射線撮影が適切に為されるように、放射線撮像装置100を構成する上記各ユニットの動作を制御し、例えばクロック信号等の基準信号を用いて上記各ユニットの同期制御を行う。電力供給部180は、上記各ユニットが適切に動作するための電力を上記各ユニットにそれぞれ供給する。例えば、電力供給部180は、外部電力に基づいて1以上の電圧を生成し、該生成された電圧を対応ユニットに供給する。
放射線撮像装置100は、放射線の照射の開始を検知して放射線撮影を開始する。例えば、放射線制御部300には曝射スイッチ(不図示)が接続されており、ユーザが該曝射スイッチを押したことに応じて、放射線の照射の開始を示す信号が放射線撮像装置100に供給される。放射線撮像装置100は、該照射の開始を示す信号を受けて、所定の動作を行った後に該照射の開始許可ないし開始要求を示す曝射許可信号を放射線制御部300に出力する。放射線制御部300は、該曝射許可信号を受けて放射線源400を駆動する。なお、放射線の照射の開始の放射線撮像装置100における検知方法は、上述の例に限られるものではない。例えば、該照射の開始を検知するための専用センサが放射線撮像装置100に設けられてもよいし、又は、放射線撮像装置100はそれ自身で該照射の開始を検知するための他の公知の構成をとってもよい。
撮像システムSYSの構成および放射線撮像装置100の構成は、上述の例に限られるものではなく、上記各ユニットの構成は、適宜、変更されてもよい。例えば、あるユニットの一部の機能は他のユニットによって達成されてもよいし、2以上のユニットの各機能は1つのユニットによって達成されてもよい。例えば、処理部140の一部の機能は、プロセッサ200により実現されてもよいし、処理部140およびプロセッサ200は単一のユニットで構成されてもよい。
図2は、センサアレイ110および読出部130の構成例を示している。センサアレイ110は、本例では、M行およびN列を形成するように配列された複数のセンサPX(PX_11、PX_12、・・・、PX_MN)を含む。センサPXは「画素」と称されてもよい。
例えば、第1行かつ第1列に位置するセンサPX_11は、光電変換素子Sと薄膜トランジスタWとを含む。例えば、光電変換素子Sの一方の端子は、薄膜トランジスタWに接続され、光電変換素子Sの他方の端子は、電力供給部180から受けた基準電圧VSを伝搬する電源線に接続される。薄膜トランジスタWは、駆動部120から信号線G1を介して受けた信号に応答して、導通状態又は非導通状態になる。薄膜トランジスタWが非導通状態の間、光電変換素子Sでは電荷が蓄積され、薄膜トランジスタWが導通状態になると、該蓄積された電荷の量に応じた信号が、対応する列信号線L1を介して読出部130に転送される。他のセンサPX_12、・・・、PX_MNについても同様である。
読出部130は、例えば、信号増幅部131と、サンプリング部132と、走査回路133と、出力部134とを含む。信号増幅部131は、各列に対応するように配され、対応するセンサPXからの信号を増幅する。信号増幅部131は、例えば、積分増幅器、可変増幅器、その他の公知の信号増幅回路を含みうる。サンプリング部132は、各列に対応するように配され、対応する信号増幅部131からの信号をサンプリングする。サンプリング部132は、例えば、スイッチ素子と容量とを含み、また、該サンプリングされた信号を増幅するためのバッファアンプをさらに含んでもよい。走査回路133は、例えばシフトレジスタ等を用いて構成され、各列に対応するサンプリング部132に制御信号を供給する。サンプリング部132は、走査回路133からの制御信号に応答して、該サンプリングされた信号を出力部134に転送する。出力部134は、該サンプリングされた信号を外部ユニット(例えば処理部140)に出力するための出力回路を含み、例えば、バッファアンプ、アナログデジタルコンバータ等を含みうる。
このようにして読出部130により読み出された複数のセンサPXのそれぞれから信号は、例えば、処理部140により1フレーム分の画像データとして処理される。即ち、複数のセンサPXのそれぞれからの1回の信号読出により、1フレーム分の画像データが得られる。
ここで、図3を参照しながら放射線撮像装置100におけるAEC(自動露光制御)の参考例を述べる。図3は、AECのタイミングチャートを示している。図中の横軸は時間軸を示す。図中の縦軸には、曝射スイッチ、動作、曝射許可信号、放射線の強度、V_G1等(V_G1、V_G2、・・・、V_GM)、ADC_CLK、モニタ値a、および、演算値Daを示す。
図中の「曝射スイッチ」は、放射線制御部300に接続された曝射スイッチ(不図示)からの信号を示す。図中において、Lレベルは曝射スイッチが押されていないことを示し、Hレベルは曝射スイッチが押されたことを示す。
図中の「動作」は、放射線撮影を行う際に放射線撮像装置100において為される各動作を示し、放射線撮像装置100の動作モード又は状態に対応する。詳細は後述するが、まず、初期化動作OP1が為されており、曝射スイッチが押されたことに応答して初期化動作OP1が中止され、オフセット信号取得動作OP2が為される。次に、放射線の照射の開始と共に蓄積/モニタ動作OP3が為され、その後、該放射線の照射の終了に応じて蓄積/モニタ動作OP3が中止され、読出動作OP4が為される。
図中の「曝射許可信号」は、放射線撮像装置100から放射線制御部300に出力される信号であって、放射線の照射の開始許可ないし開始要求を示す信号である。放射線制御部300は、放射線撮像装置100から曝射許可信号を受けて、放射線源400を駆動して放射線の照射を開始させる。図中において、Lレベルは放射線の照射の開始を許可(要求)していない状態を示し、Hレベルは該照射の開始を許可している状態を示す。
図中の「放射線の強度」は、放射線の照射強度または照射レートを示す。即ち、放射線の強度は、単位時間あたりの放射線の照射量を示しており、放射線の強度を時間積分した結果が放射線の照射量となる。図中において、Lレベルは放射線が照射されていない状態を示し、Hレベル(及び、LレベルからHレベルになる途中のレベル)は放射線が照射されている状態を示す。
図中の「V_G1」は、信号線G1(図2参照)を伝搬する制御信号であり、信号V_G1が活性化されると、第1行のセンサPX_11〜PX_1Nのそれぞれは駆動される。即ち、信号V_G1がHレベルになると、第1行のセンサPX_11〜PX_1Nにおいて、トランジスタWが導通状態になり、光電変換素子Sの信号が列信号線L1等を介して読出部130に転送される。他の信号V_G2〜V_GMについても同様である。
図中の「ADC_CLK」は、各センサPXからの信号のアナログデジタル変換に用いられるクロック信号を示す。クロック信号ADC_CLKは、例えば、出力部134に含まれるアナログデジタルコンバータに供給される。図中の「モニタ値a」は、蓄積/モニタ動作OP3における読出部130の出力を示し、本例では、上記アナログデジタル変換されたデジタル値に対応する数値をモニタ値aとして示す。なお、モニタ値aは、初期化動作OP1及び読出動作OP4における読出部130の出力を含まない。図中の「演算値Da」は、モニタ値aを累積加算することにより得られた値であり、「積算値」、「積分値」等と称されてもよい。
まず、放射線の照射の開始前かつ曝射スイッチが押される前において、初期化動作OP1が為される。初期化動作OP1は、例えば、列信号線L1〜LNが定電位に固定された状態で信号V_G1、V_G2、・・・、V_GMをこの順に活性化し(薄膜トランジスタWを導通状態にし)、該活性化を繰り返し行うことによって為されうる。これにより、基板の暗電流に起因する電荷が各光電変換素子Sから除去され、各光電変換素子Sの電位が初期化される。なお、初期化の方法ないし初期化するための構成は上述の例に限られるものではなく、各センサPXにリセットトランジスタが設けられてもよいし、他の公知の初期化手段が用いられてもよい。
次に、曝射スイッチが押されたことに応答して、初期化動作OP1が終了され、オフセット信号取得動作OP2が開始される。オフセット信号取得動作OP2は、センサアレイ110に対して放射線が照射されていない状態の下で、複数のセンサPXのうちの一部から信号を読み出すことによって為される。具体的には、mを1からMまでの任意の整数として、信号V_Gmを活性化して第m行のセンサPX_m1〜PX_mNのそれぞれを駆動する。これにより第m行のセンサPX_m1〜PX_mNのそれぞれから読出部130により読み出された信号は、後述の蓄積/モニタ動作OP3で読み出されるモニタ値aに対してオフセット補正を行う際に用いられうる。
オフセット信号取得動作OP2の終了後、放射線制御部300に曝射許可信号が出力されると共に、蓄積/モニタ動作OP3が開始される。蓄積/モニタ動作OP3では、複数のセンサPXにおいて電荷が蓄積されると共に、複数のセンサPXのうちの一部から所定周期で信号を読み出すことによって該一部での蓄積電荷量がモニタされる。具体的には、信号V_Gmを所定周期で活性化して第m行のセンサPX_m1〜PX_mNのそれぞれを駆動する。該駆動された第m行のセンサPX_m1〜PX_mNのそれぞれからの信号は、読出部130により、上記モニタ値aとして読み出される。
即ち、第m行のセンサPX_m1〜PX_mNのそれぞれは、蓄積/モニタ動作OP3では、放射線の照射量またはその経時的変化をモニタするためのモニタ用センサとして機能すると表現してもよい。なお、上記モニタ値aは、本構成例では、該モニタ用センサの信号が、信号増幅部131により増幅され、サンプリング部132によりサンプリングされ、出力部134により出力されたものであるが、該モニタ用センサの信号の値に対応するものであればよい。
その後、モニタ値aの累積加算値である演算値Daが基準値DTH(ここで、基準値DTHは、放射線の照射量の目標値、許容値、上限値等に対応する値であり、例えば、ユーザにより予め設定されればよい。)に達したことに応じて、前述の曝射許可信号を、放射線の照射を終了させる論理レベルにする。このようにしてAECが為され、放射線の照射が停止される。
また、演算値Daが基準値DTHに達したことに応じて、蓄積/モニタ動作OP3が終了され、読出動作OP4が開始される。読出動作OP4では、信号V_G1、V_G2、・・・、V_GMをこの順に活性化し(薄膜トランジスタWを導通状態にし)、読出部130により複数のセンサPXから信号を読み出す。処理部140は、該読み出された信号に基づいて画像データを生成する。
なお、信号V_G1等について、初期化動作OP1でのパルス幅と、蓄積/モニタ動作OP3でのパルス幅と、読出動作OP4でのパルス幅とは、互いに異なっていてもよいが、互いに等しくてもよく、又は、それらの一部が互いに等しくてもよい。
読出動作OP4で第m行のセンサPX_m1〜PX_mNのそれぞれから読み出された信号は、蓄積/モニタ動作OP3においてモニタ値aとして信号が読み出されたことにより、信号成分の一部を失っていることになる。そこで、読出動作OP4で第m行のセンサPX_m1〜PX_mNのそれぞれから読み出された信号に、モニタ値aの累積加算値である演算値Daが加算されるとよい。他の例では、第m行のセンサPX_m1〜PX_mNのそれぞれから読み出された信号は、隣接行(第(m−1)行及び/又は第(m+1)行)のセンサPXから読み出された信号に基づいて補正されてもよい。更に他の例では、第m行のセンサPX_m1〜PX_mNのそれぞれから読み出された信号は、該隣接行のセンサPXから読み出された信号により補完されてもよい。
ところで、蓄積/モニタ動作OP3においてモニタ用センサである第m行のセンサPX_m1〜PX_mNのそれぞれから信号を読み出す際、それ以外の行の各センサPX(以下、「モニタ対象外のセンサ」という。)の薄膜トランジスタWが非導通状態であるにも関わらず、該モニタ対象外のセンサPXからのノイズが列信号線L1等に混入しうる。即ち、モニタ対象外のセンサPXでは薄膜トランジスタWは非導通状態であるため、該モニタ対象外のセンサPXの蓄積電荷量に応じた信号は、直接的には、対応する列信号線L1等に転送されない。しかし、該モニタ対象外のセンサPXでの電荷の蓄積に伴う光電変換素子Sの電位の変化が、該光電変換素子Sの電極と、対応する列信号線L1等との間に形成される容量性カップリングを介して、該対応する列信号線L1等にノイズとして伝搬してしまう。
上記ノイズは、「クロストーク」とも称されうる。一般に、上記モニタ対象外のセンサの数はモニタ用センサの数(モニタ対象となるセンサの数)に比べて多いため、モニタ用センサから信号を読み出す際、該信号には相当量のクロストークが混入しうる。特に、放射線の強度が大きくなると光電変換素子Sの電位の変化量も大きくなるため、放射線の強度が大きいほどクロストークは大きくなる。
図4は、モニタ用センサから読み出した信号に含まれるクロストーク成分を説明するための図である。横軸は、放射線の照射時間[msec]を示し、縦軸は、モニタ値または信号値を示す。
ここでは、放射線の照射量を一定値(例えば、15000[LSB])に固定した場合を考える。例えば、照射時間1[msec]については放射線の強度を15000[LSB/msec]とする。例えば、照射時間10[msec]については放射線の強度を1500[LSB/msec]とする。例えば、照射時間100[msec]については放射線の強度を150[LSB/msec]とする。図中において、読出動作OP4において単位センサPXから読み出された信号値SSは、いずれの照射時間においても、15000[LSB]相当の値を示す。
上記条件における単位列あたりのモニタ値(蓄積/モニタ動作OP3において1つの列信号線を介して読み出された信号値)を「モニタ値S0」としたとき、図中のクロストーク成分SCは、該モニタ値S0に含まれるクロストーク成分を示す。図中の信号成分SAは、該モニタ値S0からクロストーク成分SCを差し引いた成分を示す(即ち、SA=S0−SCである。)。また、図中の出力飽和値SSATは、読出部130の出力飽和値(具体的には、例えば、信号増幅部131、サンプリング部132または出力部134の出力値の上限)を示す。出力飽和値SSATは約40000[LSB]相当とする。
図4によると、照射時間を短くすると(放射線の強度を大きくすると)信号成分SAは大きくなり、照射時間を長くすると(放射線の強度を小さくすると)信号成分SAは小さくなる。また、信号成分SA同様、照射時間を短くすると(放射線の強度を大きくすると)クロストーク成分SCは大きくなり、照射時間を長くすると(放射線の強度を小さくすると)クロストーク成分SCは小さくなる。図4によると、信号成分SAは、クロストーク成分SCに比べて2桁も小さい。
信号成分SAは、モニタ値S0からクロストーク成分SCを減算することにより得られる。クロストーク成分SCは、例えば前述の参考例(図3参照)では、蓄積/モニタ動作OP3において、モニタ値aの各読み出しの間における読出部130の出力から得られうる。即ち、あるタイミングで為されたモニタ値aの読み出しと、その次のタイミングで為されたモニタ値aの読み出しとの間(モニタ用センサの薄膜トランジスタWが非導通状態になっている間)における読出部130の出力を、クロストーク成分SCとすればよい。これにより、該読出部130の出力を、列信号線L1等に混入したクロストーク成分が少なくとも消失していない状態で、クロストーク成分SCとして取得することができる。好適には、モニタ値aの読み出しの実質的に直後における読出部130の出力を、クロストーク成分SCとするとよい。これにより、該読出部130の出力を、列信号線L1等にクロストーク成分が混入した直後の状態と略等しい状態または少なくともそれに近い状態で、クロストーク成分SCとして取得することができる。そのため、信号成分SAを高い精度で算出することができる。クロストーク成分SCは、上述の方法により測定されてもよいが、撮影条件ごとに(例えば、照射時間ごとに又は放射線の強度ごとに)予め取得されてもよいし、センサアレイ110の回路構成ないしその構造に基づいて算出されてもよい。
ここで、例えば、照射時間が図中のT1より短い場合、即ち、モニタ値S0=SA+SCが出力飽和値SSATよりも大きくなる場合、出力飽和値SSATを超えた量に相当する信号(S0−SSAT)が失われてしまう。そのため、この場合、上述の方法により信号成分SAを適切に算出することができなくなるため、AECの精度が低下してしまう。以下、図5〜7を参照しながら、AECの高精度化に有利なAECの例を述べる。
図5は、読出部130における信号増幅部131、サンプリング部132および出力部134のそれぞれの具体的な構成例を説明するための図である。
信号増幅部131は、例えば、差動増幅器A1、フィードバック容量C_FB1〜C_FB3、並びに、スイッチ素子SW_FB1〜SW_FB3及びSW_RESを含む。差動増幅器A1の非反転入力端子(図中の「+」端子)には、例えば、定電圧VREF(基準電圧ないし参照電圧)が供給される。フィードバック容量C_FB1およびスイッチ素子SW_FB1は、差動増幅器A1の反転入力端子(図中の「−」端子)と出力端子とを接続する第1経路に直列に配される。フィードバック容量C_FB2およびスイッチ素子SW_FB2は、差動増幅器A1の反転入力端子と出力端子とを接続する第2経路に直列に配される。フィードバック容量C_FB3およびスイッチ素子SW_FB3は、差動増幅器A1の反転入力端子と出力端子とを接続する第3経路に直列に配される。また、スイッチ素子SW_RESは、差動増幅器A1の反転入力端子と出力端子とを接続する第4経路に直列に配される。なお、上記第1経路から第4経路は互いに並列の関係である。
信号増幅部131は、信号増幅率(ゲイン)が互いに異なる複数の動作モードを含んでおり、スイッチ素子SW_FB1〜SW_FB3を制御することによって信号増幅率を変更することができる。例えば、スイッチ素子SW_FB1〜SW_FB3のうち、スイッチ素子SW_FB1を導通状態にした場合、スイッチ素子SW_FB2を導通状態にした場合、スイッチ素子SW_FB3を導通状態にした場合の順に、信号増幅部131の信号増幅率が大きくなる。また、スイッチ素子SW_RESを導通状態にすることにより信号増幅部131を初期化することができる。
なお、ここでは、3つの信号増幅率のうちの1つを選択する例を示したが、選択することができる信号増幅率の数は2でもよいし4以上でもよい。また、スイッチ素子SW_FB1〜SW_FB3のうちの2以上を選択的に導通状態にすることにより他の信号増幅率が設定されてもよい。
サンプリング部132は、例えば、抵抗素子R0、サンプリング用のスイッチ素子SW_SH1及びSW_SH2、サンプリング容量C_SH1及びC_SH2、並びに、マルチプレクサMUXを含む。抵抗素子R0は、高周波数成分の信号(ノイズ)を遮断するためのローパスフィルタの一部を形成する。スイッチ素子SW_SH1は、抵抗素子R0とサンプリング容量C_SH1とを接続している。スイッチ素子SW_SH1及び容量C_SH1は、信号増幅部131からの信号(信号成分に相当する信号(S信号))をサンプリングする。具体的には、スイッチ素子SW_SH1が導通状態になることによって信号増幅部131からの信号に応じた電圧がサンプリング容量C_SH1に充電される。そして、その後、スイッチ素子SW_SH1が非導通状態になることによって該電圧がサンプリング容量C_SH1に固定される。スイッチ素子SW_SH2及び容量C_SH2は、スイッチ素子SW_SH1及び容量C_SH1と同様の動作を行い、信号増幅部131からの信号(ノイズ成分に相当する信号(N信号))をサンプリングする。マルチプレクサMUXは、走査回路133からの制御信号に基づいて、上記サンプリングされた信号を出力部134に転送する。
出力部134は、差動増幅器A2およびアナログデジタルコンバータADCを含む。差動増幅器A2は、マルチプレクサMUXにより転送されたS信号とN信号との差分を増幅する。アナログデジタルコンバータADCは、差動増幅器A2からの信号を、前述のクロック信号ADC_CLKに基づいてアナログデジタル変換する。
図6は、蓄積/モニタ動作OP3におけるAECのフローチャートの一例を示している。ステップS100(以下、単に「S100」と示す。他のステップについても同様である。)では、放射線の照射の開始を要求し、即ち、放射線制御部300に出力する曝射許可信号をHレベルにする。
S110では、モニタ値aが基準値A1に達しているか否かを判定し、a≧A1であればS115に進み、a<A1であればS120に進む。基準値A1は、図4を参照しながら述べた出力飽和値SSATに対応する。S115では、図5を参照しながら述べたスイッチ素子SW_FB1〜SW_FB3を制御することにより、信号増幅部131の信号増幅率を1段階下げ、S110に戻る。S115では、更に、モニタ値aが飽和したことをユーザに対して通知してもよい。S110及びS115の工程により、モニタ値aが飽和しないようにする。
信号増幅部131の信号増幅率を変更する際、モニタ値aの累積加算値である演算値Daは、該変更された信号増幅率に基づいて補正されうる。信号増幅率を変更すると、その後、それまでとは異なる信号増幅率で増幅された信号値が、それまでに得られた演算値Daに累積加算されることになる。そこで、信号増幅率の変更前までに得られた演算値Daは、例えば、変更前の信号増幅率と変更後の信号増幅率との比に基づいて補正されてもよい。このことは、後述の他のステップで信号増幅部131の信号増幅率が変更される際においても同様である。
S120では、モニタ値aが基準値A2(<A1)に達しているか否かを判定し、a≧A2であればS125に進み、a<A2であればS130に進む。基準値A2は、モニタ値aが飽和する可能性がある第1の警告レベルを示す。S125では、スイッチ素子SW_FB1〜SW_FB3を制御することにより、信号増幅部131の信号増幅率を1段階下げ、S120に戻る。S120及びS125の工程により、モニタ値aが飽和する可能性を低減する。
例えば放射線の強度が比較的大きい場合、放射線の照射が開始されてから比較的短い時間で放射線の照射量がその目標値に達すると考えられるが、その一方で、該比較的短い時間においてモニタ値aが飽和してしまう可能性がある。そのため、上記S110〜S125の工程により、放射線の照射を開始した直後およびその後の相当の期間にわたって信号増幅部131の信号増幅率は低く設定されるとよい。
S130では、放射線の強度が安定したか否か(定常状態になったか否か)を判定し、安定した場合にはS140に進み、安定していない場合にはS120に戻る。該判定は、モニタ値aの変化量(具体的には、あるタイミングで為されたモニタによるモニタ値aと、その次のタイミングで為されたモニタによるモニタ値aとの差)が所定量よりも小さくなったか否かに基づいて為されてもよい。
S140では、スイッチ素子SW_FB1〜SW_FB3を制御することにより、信号増幅部131の信号増幅率を1段階上げて、S150に進む。図4を参照しながら述べたとおり、信号成分SAはクロストーク成分SCに比べてかなり小さい。そのため、本工程により、信号増幅率を上げて信号成分SAの検出精度を高くしてもよい。
S150では、モニタ値aが基準値A3(<A2)よりも低いか否かを判定し、a≧A3であればS160に進み、a<A3であればS155に進む。基準値A3は、例えば、モニタ値aがノイズ成分よりも小さくなる可能性がある第2の警告レベルを示す。S155では、スイッチ素子SW_FB1〜SW_FB3を制御することにより、信号増幅部131の信号増幅率を1段階上げ、S150に戻る。S150及びS155の工程により、ノイズ成分によってモニタ値aが適切に得られないことを防ぎ、これによりAECの精度が低下することを防ぐ。
S160では、演算値Daが基準値DTHに達したか否かを判定し、Da≧DTHであればS170に進み、Da<DTHであればS150に戻る。本例において、基準値DTHは、例えば上述のS115、S125、S140及びS155で信号増幅部131の信号増幅率が変更された場合には、該変更された信号増幅率に基づいて変更され、又は、該変更された信号増幅率に応じた値に設定される。S170では、放射線の照射の終了ないし停止を要求し、即ち、放射線制御部300に出力する曝射許可信号をLレベルにする。
なお、本発明に係るAECは、上述のフローチャートの例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でその一部が変更されてもよく、例えば、上述のステップの一部が省略されてもよいし、又は、必要に応じて他のステップが追加されてもよい。
図7は、本発明に係るAECのタイミングチャートの一例を示している。本例は、信号増幅部131の信号増幅率をモニタ値aが飽和しないように変更しながら蓄積/モニタ動作OP3を行う点で、参考例(図3参照)と異なる。
図中の「CNT_GAIN1」〜「CNT_GAIN3」は、スイッチ素子SW_FB1〜SW_FB3の制御信号にそれぞれ対応する。例えば、制御信号CNT_GAIN1がHレベルのときスイッチ素子SW_FB1は導通状態となり、本例において信号増幅率が最も小さい第1の信号増幅率が設定される。制御信号CNT_GAIN2がHレベルのときには、上記第1の信号増幅率よりも大きい第2の信号増幅率が設定され、また、制御信号CNT_GAIN3がHレベルのときには、本例において信号増幅率が最も大きい第3の信号増幅率が設定される。図7によると、時刻t70〜t71では、制御信号CNT_GAIN1をHレベルにし、第1の信号増幅率が設定されている。時刻t71〜t72では、制御信号CNT_GAIN2をHレベルにし、第2の信号増幅率が設定されている。また、時刻t72〜t73では、制御信号CNT_GAIN3をHレベルにし、第3の信号増幅率が設定されている。図7の例では、放射線の照射が開始された後、信号増幅率を徐々に大きくする態様が示されたが、図6のフローチャートの例に従って、必要に応じて信号増幅率は下げられてもよい。
信号増幅率が変更されたタイミングである時刻t71および時刻72では、図7に示されるように、演算値Daは該変更された信号増幅率に基づいて補正されうる。このことは、前述のとおり、信号増幅率を変更すると、その後、それまでとは異なる信号増幅率で増幅された信号値が、それまでに得られた演算値Daに累積加算されることになるからである。
本例によると、信号増幅部131の信号増幅率をモニタ値aが飽和しないように変更しながら蓄積/モニタ動作OP3を行う。信号増幅率を変更した際には、演算値Daは該変更された信号増幅率に基づいて補正される。そのため、本例によると、演算値Daと基準値DTHとの比較を適切に行うことができ、Da≧DTHになったことに応じて放射線の照射を適切に終了させることができる。よって、本例によるとAECの高精度化に有利である。
以上では、モニタ値aの累積加算値である演算値Daとして用いてAECを行う態様を考えたが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でその一部が変更されてもよく、例えば、モニタ値aの一部のみを累積加算した結果を用いてAECを行ってもよい。具体的には、第m行のセンサPXのうちの一部のみをモニタ用センサとして機能させてもよく、即ち、第m行のセンサPXからの信号のうちの一部のみをモニタ値aとして採用してもよい。他の例では、第m行と他の行とを含む2行分以上のセンサPXをモニタ用センサとして機能させてAECを行ってもよい。また、他の例では、センサアレイ110上の領域のうち放射線が被検体を通過しないで入射する部分(又はその可能性が高い部分)、ユーザが関心を有する特定の部分等に対応する一部のセンサPXのみをモニタ用センサとして機能させてAECを行ってもよい。更に他の例では、モニタ値aのうち信号成分SAに相当する成分を算出し、該算出された成分を累積加算した結果を用いてAECを行ってもよい。或いは、これらの例を組み合わせてAECを行ってもよい。
また、以上では、蓄積/モニタ動作OP3におけるクロストークに着目したが、本発明は、その他の原因によって生じうる読出部130の出力の飽和を防ぎ、AECを高精度化させることに適用されてもよい。
また、以上では、前述の参考例との比較のため、モニタ値aの累積加算値である演算値Daを用いて本発明の実施例を述べたが、より一般化された態様で実施されてもよい。即ち、演算値Daは、放射線の照射量の目標値またはそれに対応する値と直接的に比較することが可能な値に換算されて算出されてもよい。この場合、演算値Daは、モニタ値aを信号増幅部131の信号増幅率に基づいて加重加算(重み付け加算)することにより得られ、該信号増幅率を考慮しながらモニタ値aを積算することにより得られる。また、この場合、基準値DTHは、信号増幅率に関わらず所定値(放射線の照射量の目標値またはそれに対応する固定値)とされてもよい。
本発明は、以上で例示された幾つかの例およびそれらの変形例に限られるものではなく、本発明の趣旨に逸脱しない範囲でその一部が変更されてもよい。例えば、以上の各例では、放射線をシンチレータにより光に変換して該光をセンサにより電気信号に変換する所謂「間接変換型」の構成を参照したが、本発明は、放射線を直接的に電気信号に変換する所謂「直接変換型」の構成に適用されてもよい。
また、本発明は、上述の各例における1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、該システム又は装置のコンピュータにおける1以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理により実現されてもよい。例えば、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によって実現されてもよい。
100:放射線撮像装置、110:センサアレイ、PX:センサ、120:駆動部、L1〜LN:列信号線、130:読出部、170:制御部。
Claims (11)
- 基板上に配列された複数のセンサと、駆動部と、読出部と、制御部とを備える放射線撮像装置であって、
前記制御部は、
前記複数のセンサに対する放射線の照射が開始された後、前記複数のセンサのうちの一部を前記駆動部により駆動しながら該駆動された前記一部のセンサから前記読出部により信号を読み出す第1制御と、
前記第1制御での前記読出部の出力に基づいて算出された演算値が基準値に達したことに応じて、前記放射線の照射を終了させるための制御信号を出力する第2制御と、
を行い、
前記読出部は、信号増幅率が互いに異なる複数のモードを動作モードとして含み、
前記制御部は、
前記第1制御では、前記読出部の出力の値が飽和しないように前記読出部の動作モードを変更しながら前記一部のセンサから信号を読み出し、
前記第2制御では、前記読出部の出力を前記読出部の前記信号増幅率を考慮しながら積算することにより、放射線の照射量を示す値として前記演算値を算出する
ことを特徴とする放射線撮像装置。 - 前記制御部は、前記第2制御により前記放射線の照射が終了された後、前記複数のセンサから前記読出部により信号を読み出す第3制御を更に行う
ことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。 - 前記制御部は、前記第1制御において、
前記読出部の出力の値が第1基準値より大きいとき、そのときの前記読出部の信号増幅率よりも小さい信号増幅率になるように前記読出部の動作モードを変更し、
前記読出部の出力の値が、前記第1基準値よりも小さい基準値である第2基準値より小さいとき、そのときの前記読出部の信号増幅率よりも大きい信号増幅率になるように前記読出部の動作モードを変更する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線撮像装置。 - 前記制御部は、前記第1制御において、前記読出部の出力が定常状態になったとき、そのときの前記読出部の信号増幅率よりも大きい信号増幅率になるように前記読出部の動作モードを変更する
ことを特徴とする請求項3に記載の放射線撮像装置。 - 前記制御部は、前記第1制御において、前記読出部の出力の変化量が所定量よりも小さくなったとき、そのときの前記読出部の信号増幅率よりも大きい信号増幅率になるように前記読出部の動作モードを変更する
ことを特徴とする請求項4に記載の放射線撮像装置。 - 前記基準値は、前記放射線の照射量の目標値に対応する値である
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。 - 前記複数のセンサは、複数の行および複数の列を形成するように配列されており、
前記放射線撮像装置は、前記複数の列に対応する複数の列信号線をさらに備え、
各列の各センサは、放射線を検出するための検出素子と、前記検出素子と該列に対応する列信号線とを接続するトランジスタとを含んでおり、
前記駆動部は、前記複数のセンサを、それらのそれぞれに対応する前記トランジスタを導通状態にすることによって行単位で駆動する
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。 - 前記制御部は、前記放射線の照射が開始された後、前記第1制御を、前記複数の行のうちの一部に配された各センサの前記トランジスタを所定周期で導通状態にすることによって行う
ことを特徴とする請求項7に記載の放射線撮像装置。 - 前記読出部は、差動増幅器、前記差動増幅器の出力端子と一方の入力端子とを接続する第1経路に直列に配された第1容量および第1スイッチ素子、並びに、前記差動増幅器の前記出力端子と前記一方の入力端子とを接続する第2経路であって前記第1経路とは異なる第2経路に直列に配された第2容量および第2スイッチ素子を含んでおり、
前記制御部は、前記第1スイッチ素子および前記第2スイッチ素子を制御して前記読出部の動作モードを変更する
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。 - 前記制御部は、ユーザにより曝射スイッチが押されたことに応答して、前記放射線の照射を開始させるための第2制御信号を出力し、
前記制御部は、
前記曝射スイッチが押された後かつ前記第2制御信号を出力する前に、前記複数のセンサに放射線が照射されていない状態で、前記読出部により、前記一部のセンサから信号をオフセット信号として読み出し、
前記第1制御では、前記一部のセンサから読み出された信号に対して前記オフセット信号を用いてオフセット補正を行う
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。 - 基板上に配列された複数のセンサと、駆動部と、読出部とを備える放射線撮像装置の制御方法であって、
前記複数のセンサに対する放射線の照射が開始された後、前記複数のセンサのうちの一部を前記駆動部により駆動しながら該駆動された前記一部のセンサから前記読出部により信号を読み出す第1工程と、
前記第1工程での前記読出部の出力に基づいて算出された演算値が基準値に達したことに応じて、前記放射線の照射を終了させるための制御信号を出力する第2工程と、
を含み、
前記読出部は、信号増幅率が互いに異なる複数のモードを動作モードとして含み、
前記第1工程では、前記読出部の出力の値が飽和しないように前記読出部の動作モードを変更しながら前記一部のセンサから信号を読み出し、
前記第2工程では、前記読出部の出力を前記読出部の前記信号増幅率を考慮しながら積算することにより、放射線の照射量を示す値として前記演算値を算出する
ことを特徴とする放射線撮像装置の制御方法。
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