JP6561771B2 - 鞍乗型車両 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン、およびエンジンを冷却する水冷式の冷却装置を備えた鞍乗型車両に関する。
自動二輪車等の鞍乗型車両は、エンジン、およびエンジンを冷却する冷却装置を備えている。エンジンの冷却方式が水冷式である場合、鞍乗型車両には、冷却装置を構成する冷却系部品として次に述べるような多数の部品が設けられている。
すなわち、鞍乗型車両には、冷却水を吐出するウォータポンプと、冷却水をエンジンのシリンダおよびシリンダヘッドの周囲を流通させてシリンダおよびシリンダヘッドを冷却するウォータジャケットと、シリンダおよびシリンダヘッドを冷却して温度が上昇した冷却水を走行風により冷却するラジエータとが設けられている。さらに、鞍乗型車両には、ウォータポンプから吐出され、ウォータジャケットを流通した後、ラジエータを流通せずにウォータポンプに戻る冷却水の循環経路と、ウォータポンプから吐出され、ウォータジャケットを流通し、さらにラジエータを流通してウォータポンプに戻る冷却水の循環経路とを切り換えるサーモスタットが設けられている。
また、上記2通りの循環経路を形成するために、ウォータポンプの吐出口とウォータジャケットの流入口との間にはウォータポンプからウォータジャケットへ冷却水を供給する配管が設けられ、ウォータジャケットの流出口とラジエータの流入口との間にはウォータジャケットからラジエータへ冷却水を送り出す配管が設けられ、ラジエータの流出口とウォータポンプの吸込口との間にはラジエータからウォータポンプへ冷却水を戻す配管が設けられている。さらに、ウォータジャケットの流出口とウォータポンプの吸込口との間には、ウォータジャケットからウォータポンプへラジエータを流通させずに冷却水を戻すバイパス配管が設けられている。
例えば、特許文献1に記載された自動二輪車において、上述した冷却系部品は次のように配置されている。すなわち、前、後、左、右、上および下の方向を自動二輪車のシートに座した運転者を基準に述べるものとすると、特許文献1の図2ないし図5に示すように、ウォータポンプはエンジンの左側の後部下側に取り付けられている。また、ウォータジャケットにおいて、冷却水の流入口はエンジンの前部に配置され、冷却水の流出口はエンジンの後部に配置されている。また、ラジエータはエンジンの前方に配置され、ラジエータにおいて、冷却水の流入口はラジエータの右部に配置され、冷却水の流出口はラジエータの左部に配置されている。また、当該自動二輪車に採用されているラジエータはいわゆる横流れ式であり、ラジエータ内において冷却水を左右方向(この例では右から左)に流通させることにより冷却水を冷却する。また、サーモスタットはエンジンの後部に配置され、ウォータジャケットにおける冷却水の流出口に直接接続されている。
さらに、特許文献1に記載された自動二輪車において、ウォータポンプの吐出口とウォータジャケットの流入口との間を接続する配管(シリンダインレットホース)は、エンジンの左側の後部下側からエンジンの前部にかけて伸長している。また、ウォータジャケットの流出口に直接接続されサーモスタットとラジエータの流入口との間を接続する配管(ラジエータインレットホース)は、エンジンの後部からエンジンの右方を通過してエンジンの前方へ伸長している。また、ラジエータの流出口とウォータポンプの吸込口との間を接続する配管(ラジエータアウトレットホース)は、ラジエータの左部からエンジンの左側の後部下側へ伸長している。また、ラジエータの左部には、冷却水の流出口の上方に別の流入口が形成されており、当該流入口は、ラジエータコアを介さずにラジエータの流出口に連通している。そして、当該流入口と、ウォータジャケットの流出口に直接接続されサーモスタットとの間には、バイパス配管(バイパスホース)が接続され、この配管は、エンジンの後部からエンジンの左方を通過してエンジンの前方へ伸長している。
特開2007−85264号公報
ところで、従来の鞍乗型車両には、ウォータポンプ、ウォータジャケットおよびラジエータ等の冷却系部品間を接続する配管がエンジンの側方を横切るものがある。例えば特許文献1に記載の自動二輪車では、ラジエータインレットホースがシリンダの右方を横切り、バイパスホースがシリンダヘッドの左方を横切っている。
鞍乗型車両のデザイン性を高めるに当たり、側面視におけるエンジンの外観は重要である。配管がエンジンのシリンダまたはシリンダヘッドの側方を横切ることにより、側面視におけるエンジンの外観が悪化し、鞍乗型車両のデザイン性が低下することがある。
また、鞍乗型車両(主に自動二輪車の場合)の軽快なハンドリング性を実現するためには、鞍乗型車両の車幅を小さくすることが望ましい。配管がエンジンの側方を横切る構成の場合、鞍乗型車両の車幅を小さくすることが困難になる。
また、配管がエンジンの側方を横切る構成の場合、エンジンに走行風が当たりにくくなり、エンジンの冷却性能が低下することがある。
また、配管がエンジンの側方を横切る場合、または、配管がエンジンの左方と右方に分散して配置されている場合、エンジンに係る他の部品をエンジンに配置するスペースを確保することが困難になる。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、鞍乗型車両のデザイン性、鞍乗型車両のハンドリング性、またはエンジンの冷却性能を高めることができ、また、エンジンに設ける部品の配置スペースを容易に確保することができる鞍乗型車両を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の鞍乗型車両は、クランクケースの上方にシリンダおよびシリンダヘッドが設けられ、前記シリンダヘッドの上方にシリンダヘッドカバーが設けられたエンジンと、冷却水を吐出するウォータポンプと、前記エンジンに設けられ、前記ウォータポンプから吐出された冷却水により前記エンジンを冷却するウォータジャケットと、前記エンジンの前方に配置され、前記エンジンを冷却した後の冷却水を冷却するラジエータと、前記エンジンを冷却した後の冷却水を前記ウォータジャケットから前記ラジエータへ流通させる第1の通路、前記ラジエータを流通した後の冷却水を前記ラジエータから前記ウォータポンプへ流通させる第2の通路、前記第1の通路と前記第2の通路とを連通させるバイパス通路、および前記ラジエータを流通する冷却水の流量を制御するサーモスタットを有する冷却水流制御ユニットと、前記ウォータジャケットの流出口と前記冷却水流制御ユニットの第1の通路の流入口との間を接続するエンジンアウトレット配管と、前記冷却水流制御ユニットの第1の通路の流出口と前記ラジエータの流入口との間を接続するラジエータインレット配管と、前記ラジエータの流出口と前記冷却水流制御ユニットの第2の通路の流入口との間を接続するラジエータアウトレット配管と、前記冷却水流制御ユニットの第2の通路の流出口と前記ウォータポンプの吸込口との間を接続するウォータポンプインレット配管とを備え、前記ウォータポンプは、前記クランクケースの側部であって、前記エンジンのクランクシャフトよりも前に配置され、前記冷却水流制御ユニットは、前記シリンダヘッドカバーの上方に配置され、前記ラジエータインレット配管、前記ラジエータアウトレット配管および前記ウォータポンプインレット配管は前記エンジンと前記ラジエータとの間に配置されていることを特徴とする。
本発明のこの態様によれば、ラジエータインレット配管、ラジエータアウトレット配管およびウォータポンプインレット配管をエンジンとラジエータとの間に集約することができる。したがって、ラジエータインレット配管、ラジエータアウトレット配管またはウォータポンプインレット配管がエンジンの側方を横切ることを防止することができる。したがって、鞍乗型車両のデザイン性を高めることができる。また、車幅を小さくして鞍乗型車両のハンドリング性を高めることができる。また、冷却風がエンジンの側面に当たり易くなり、エンジンの冷却性能を高めることができる。また、エンジンに設ける部品の配置スペースを容易に確保することが可能になる。
また、上述した本発明の鞍乗型車両において、前記冷却水流制御ユニットは、前記シリンダヘッドカバーの上面における前側縁部の上方に配置されていることが好ましい。
本発明のこの態様によれば、冷却水流制御ユニットをエンジンの前側に配置することができ、これにより、ラジエータインレット配管、ラジエータアウトレット配管およびウォータポンプインレット配管をエンジンとラジエータとの間に集約して配管することが容易になる。
また、上述した本発明の鞍乗型車両において、前記冷却水流制御ユニットは、前記エンジンの側面視において前記シリンダの軸線よりも前に配置されている構成としてもよい。
本発明のこの態様によっても、冷却水流制御ユニットをエンジンの前側に配置することができ、これにより、ラジエータインレット配管、ラジエータアウトレット配管およびウォータポンプインレット配管をエンジンとラジエータとの間に集約して配管することが容易になる。
また、上述した本発明の鞍乗型車両において、前記ウォータポンプは、前記エンジンの側面視において前記シリンダの軸線よりも前に配置されていることが好ましい。
本発明のこの態様によれば、ウォータポンプをエンジンの前側に配置することができ、これにより、ウォータポンプインレット配管をエンジンとラジエータとの間に配管することが容易になる。
また、上述した本発明の鞍乗型車両において、前記ウォータポンプおよび前記冷却水流制御ユニットはいずれも、前記エンジンの左右方向において中心よりも一方の側に配置されていることが好ましい。
本発明のこの態様によれば、ウォータポンプおよび冷却水流制御ユニットをエンジンの左右方向一側に配置することにより、ウォータポンプインレット配管の全部をエンジンの左右方向一側に配置することができ、ラジエータインレット配管およびラジエータアウトレット配管のうちの一方の全部をエンジンの左右方向一側に配置することができ、ラジエータインレット配管およびラジエータアウトレット配管のうちの他方の一部をエンジンの左右方向一側に配置することができ、さらに、エンジンアウトレット配管の全部または一部をエンジンの左右方向一側に配置することができる。以上の結果、ラジエータインレット配管、ラジエータアウトレット配管、ウォータポンプインレット配管およびエンジンアウトレット配管をエンジンの左右方向一側に集約することができる。したがって、エンジンの左右方向他側において大きな空きスペースを形成することができ、エンジンに設ける部品の配置スペースを容易に確保することが可能になる。
また、上述した本発明の鞍乗型車両において、前記エンジンの前方には過給機またはオイルクーラが設けられ、前記ウォータポンプの吐出口と前記過給機または前記オイルクーラにおける冷却水の流入口との間はインレット枝配管により接続され、前記過給機または前記オイルクーラにおける冷却水の流出口と前記冷却水流制御ユニットの第1の通路の流入口との間はアウトレット枝配管により接続され、前記インレット枝配管および前記アウトレット枝配管は、前記エンジンと前記ラジエータとの間に配置されている構成としてもよい。
本発明のこの態様によれば、オイルクーラに冷却水を流通させるインレット枝配管およびアウトレット枝配管、または、エンジンに過給機を設ける場合には、過給機に冷却水を流通させるインレット枝配管およびアウトレット枝配管をエンジンとラジエータとの間に配置することにより、これらの配管がエンジンの側方を横切るのを防止することができると共に、これらの配管を、ラジエータインレット配管、ラジエータアウトレット配管およびウォータポンプインレット配管と共に、エンジンとラジエータとの間に集約することができる。
本発明によれば、鞍乗型車両のデザイン性、鞍乗型車両のハンドリング性、またはエンジンの冷却性能を高めることができ、また、エンジンに設ける部品の配置スペースを容易に確保することができる。
本発明の鞍乗型車両の実施形態である過給機付き自動二輪車を示す説明図である。 本発明の鞍乗型車両の実施形態である過給機付き自動二輪車のエンジンユニットの正面図である。 図2中のエンジンユニットの左側面図である。 図2中のエンジンユニットの右側面図である。 図2中のエンジンユニットの平面図である。 図2中のエンジンユニットにおいてラジエータを取り除いた状態を示す正面図である。 図5中のエンジンユニットにおいてエアクリーナ、インタークーラおよびサージタンク等を取り除いた状態を示す平面図である。 本発明の鞍乗型車両の実施形態である過給機付き自動二輪車における冷却水流制御ユニットを示す説明図である。 図8中の冷却水流制御ユニットの内部の構成および動作を示す説明図である。 本発明の鞍乗型車両の実施形態である過給機付き自動二輪車のエンジンユニットの正面において、ウォータポンプ、冷却水流制御ユニットおよび各冷却水配管の配置を示す説明図である。 本発明の鞍乗型車両の実施形態である過給機付き自動二輪車のエンジンユニットの右側面において、ウォータポンプ、冷却水流制御ユニットおよび各冷却水配管の配置を示す説明図である。 図8中の冷却水流制御ユニットの動作を示す説明図である。 図8中の冷却水流制御ユニットの動作を示す説明図である。
(過給機付き自動二輪車)
図1は本発明の鞍乗型車両の実施形態である過給機付き自動二輪車を示している。なお、図1では、説明の便宜上、過給機付き自動二輪車の車体フレームおよびエンジンユニット以外の部分を二点鎖線で示している。また、以下の実施形態の説明において、前、後、左、右、上および下の方向は、過給機付き自動二輪車のシートに座した運転者を基準とする。
図1において、本発明の鞍乗型車両の実施形態である過給機付き自動二輪車1の車体フレーム211は、例えば複数の鋼鉄製パイプを接合することにより形成されている。具体的には、車体フレーム211は、自動二輪車1の前部上側に配置されたヘッドパイプ212と、自動二輪車1の左部および右部にそれぞれ配置され、前端部がヘッドパイプ212の上部に接続され、後端側が下方に傾斜しつつ後方へ伸長する一対のメインフレーム213と、自動二輪車1の左部および右部にそれぞれ配置され、前端部がヘッドパイプ212の下部に接続され、後端側がメインフレーム213よりも大きく下方に傾斜しつつ後方へ伸長する一対のダウンチューブ214と、自動二輪車1の左部および右部にそれぞれ配置され、前端部がダウンチューブ214の中間部にそれぞれ接続され、後端側が後方へ伸長する一対のサイドフレーム215と、メインフレーム213の後端側にそれぞれ接合された一対のピボットフレーム216とを備えている。また、メインフレーム213、ダウンチューブ214およびサイドフレーム215間には補強フレーム217が設けられている。
また、ヘッドパイプ212には、ステアリングシャフト(図示せず)が挿入され、ステアリングシャフトの上端部および下端部にはそれぞれステアリングブラケット225が設けられている。また、上側のステアリングブラケット225にはハンドル226が設けられている。また、上側および下側のステアリングブラケット225には左右一対のフロントフォーク227の上部がそれぞれ支持され、これらフロントフォーク227の下端側には前輪228が支持されている。
また、左右一対のピボットフレーム216間にはピボット軸231を介してスイングアーム232の前端側が支持され、スイングアーム232の後端側には後輪233が支持されている。また、後輪233の車軸にはドリブンスプロケット234が設けられ、ドリブンスプロケット234には、後述するエンジン12の動力を伝達するチェーン235が巻回されている。
また、自動二輪車1の前輪228と後輪233との間にはエンジンユニット11が設けられている。エンジンユニット11は、主に、左側のメインフレーム213および左側のダウンチューブ214と、右側のメインフレーム213および右側のダウンチューブ214との間に配置され、これらのフレームに支持されている。また、エンジンユニット11の上方には燃料タンク241が設けられ、燃料タンク241の後方にはシート242が設けられている。また、自動二輪車1の左側であってエンジンユニット11の下部後方にはサイドスタンド243が設けられている。また、自動二輪車1の前部上側にはアッパーカウル244が設けられている。さらに、自動二輪車1には、エンジンユニット11の主に前部下側を覆うアンダーカウル245が設けられている。
(エンジンユニット)
図2ないし図5はエンジンユニット11の正面図、左側面図、右側面図および平面図であり、図4においてはシリンダの一部を破断して示している。また、図6はエンジンユニット11からラジエータ33を取り除いた状態を示す正面図であり、図7はエンジンユニット11からエアクリーナ111、インタークーラ117およびサージタンク119を取り除いた状態を示す平面図である。
図3に示すように、エンジンユニット11は、エンジン12と、エンジン12の動力を後輪233へ伝達する一次減速機構、クラッチ、トランスミッション等の駆動系の一部と、エンジン12の可動部を潤滑する潤滑系と、空気と燃料の混合気をエンジン12へ供給する吸気系(過給機113を含む)と、混合気の燃焼により発生する排気ガスをエンジン12から排出する排気系の一部と、エンジン12等を冷却する冷却系と、クランクシャフトの回転を利用して発電するACジェネレータ等を備えている。
エンジン12は、本実施形態においては水冷式並列2気筒の4サイクルガソリンエンジンである。エンジン12には、クランクシャフトを収容するクランクケース13が設けられ、クランクケース13の上方にはシリンダ14が設けられ、シリンダ14の上方にはシリンダヘッド15が設けられ、シリンダヘッド15の上方にはシリンダヘッドカバー16が設けられている。また、クランクケース13の下方にはオイルパン17が設けられている。また、エンジン12のシリンダ軸線は上側が下側よりも前に位置するように傾斜している。また、エンジン12には、ピストンの運動により生じる振動を軽減するバランスシャフトが設けられている。バランスシャフトはクランクシャフトの前方に配置されている。具体的には、エンジン12のクランクケース13の前部にはバランサ室18が一体形成されている。バランサ室18はクランクケース13の一部を前方に拡張することにより形成され、バランサ室18の前部はクランクケース13の前壁部から前方に突出している。バランスシャフトはこのバランサ室18内に設けられている。また、クランクケース13の左部にはマグネト室19が設けられ、マグネト室19にはACジェネレータが収容されている。
また、図4に示すように、一次減速機構、クラッチ、トランスミッション等の駆動系の一部は、エンジンユニット11の後部に配置されている。すなわち、クランクケース13およびシリンダ14の後ろ側にはトランスミッションケース21が一体形成され、トランスミッションケース21内には一次減速機構およびトランスミッションが収容されている。また、トランスミッションケース21の右部にはクラッチカバー22が取り付けられ、トランスミッションの右方に配置されたクラッチはクラッチカバー22により覆われている。また、図3に示すように、トランスミッションケース21の左部にはスプロケットカバー23が設けられ、トランスミッションの左方に配置されたドライブスプロケットはスプロケットカバー23により覆われている。また、ドライブスプロケットには、図1に示すように、エンジン12の動力を後輪233へ伝達するチェーン235が巻回されている。
また、図6に示すように、潤滑系は、エンジン12のオイルパン17内に貯留されたエンジンオイルを汲み上げてエンジン12の各所へ供給するオイルポンプ、エンジンオイルを濾過するオイルフィルタ25、およびエンジンオイルを冷却する水冷式のオイルクーラ26を備えている。オイルフィルタ25およびオイルクーラ26はエンジン12の前部下側に取り付けられている。
また、図3または図6に示すように、吸気系は、エアクリーナ111、過給機113、インタークーラ117、排風ダクト118、サージタンク119、電子制御スロットル装置120、およびインジェクタ123を備えている。エアクリーナ111は、外部から取り込まれた空気を濾過する装置であり、その内部にはエアフィルタが設けられている。過給機113は、タービン部114、コンプレッサ部115およびベアリング部116を備えており、エンジン12からの排気ガスによりタービン部114を駆動し、この動力によりコンプレッサ部115を駆動し、エアクリーナ111を介して供給された空気をコンプレッサ部115により圧縮する装置である。なお、ベアリング部116はタービン部114内に設けられたタービンホイールおよびコンプレッサ部115内に設けられたコンプレッサインペラを回転可能に支持するベアリングを収容する部分である。インタークーラ117は、過給機113のコンプレッサ部115の圧縮により高温となった空気を冷却する装置である。図5に示すように、インタークーラ117の近傍には、インタークーラ117に当てた冷却風を外部へ排出する排風ダクト118が設けられている。サージタンク119は、インタークーラ117により冷却された空気の流れを整流する装置である。図3に示す電子制御スロットル装置120は、インタークーラ117を通過してエンジン12の吸気ポートへ供給される空気の量を調整する装置である。電子制御スロットル装置120は、スロットルボディ121と、スロットルボディ121の内部に設けられ、スロットルボディ121内に形成された吸気通路を開閉するスロットルバルブと、スロットルバルブを駆動する駆動モータ122を備えている。インジェクタ123は、エンジン12の吸気ポートへ燃料を噴射する装置であり、インジェクタ123には、燃料タンク241からインジェクタ123へ燃料を供給するデリバリパイプ124が接続されている。
これら吸気系を構成する各部の配置および接続は次の通りである。すなわち、図6に示すように、エアクリーナ111はエンジン12の上方左側に配置されている。過給機113はエンジン12の前方、具体的にはシリンダ14およびシリンダヘッド15の前方に配置されている。エアクリーナ111と過給機113のコンプレッサ部115との間はエアインテークパイプ125により接続され、エアインテークパイプ125はエンジン12の前方左側に配置されている。また、インタークーラ117はエンジン12の上方右側に配置されている。過給機113のコンプレッサ部115とインタークーラ117との間はエアアウトレットパイプ126により接続され、エアアウトレットパイプ126は、エンジン12の前方左側であって、エアインテークパイプ125の右方に配置されている。また、図5に示すように、サージタンク119はエンジン12の上方後ろ側に配置されている。インタークーラ117とサージタンク119との間はコネクティングパイプ127により接続されている。コネクティングパイプ127はエンジン12の上方の右後ろ側に配置されている。また、図3に示すように、電子制御スロットル装置120のスロットルボディ121は、エンジン12の後方上側においてサージタンク119とエンジン12の吸気ポートとの間に配置されている。
外部から取り込まれた空気は、通常、エアクリーナ111、エアインテークパイプ125、過給機113のコンプレッサ部115、エアアウトレットパイプ126、インタークーラ117、コネクティングパイプ127、サージタンク119、および電子制御スロットル装置120のスロットルボディ121を順次通り、エンジン12の吸気ポートに供給される。
また、図3に示すように、過給機113のコンプレッサ部115の近傍には、過給機113のコンプレッサ部115を介さずにエアインテークパイプ125とエアアウトレットパイプ126との間を接続するエアバイパス通路128が設けられ、エアバイパス通路128の途中には、エアバイパス通路128を連通、遮断を切り換えるエアバイパスバルブ129が設けられている。
なお、図3または図5においてエアクリーナ111の吸入口112を二点鎖線により模式的に示しているが、この吸入口112の位置は適宜設定することができる。また、吸入口112には外部の空気を吸入口112に導くエアダクトが設けられているが、エアダクトについては図示を省略している。
また、図6に示すように、排気系は、エンジン12の排気ポートと過給機113のタービン部114との間を接続するエキゾーストパイプ131、過給機113のタービン部114とマフラ側とを接続するマフラージョイントパイプ132、およびマフラ(図示せず)等を備えている。これらのうち、エキゾーストパイプ131はエンジンユニット11の一部を構成する。エキゾーストパイプ131は、エンジン12の前方であって排気ポートと過給機113のタービン部114との間に配置されている。本実施形態においては、エキゾーストパイプ131は、過給機113のタービン部114のハウジングと一体形成されている。具体的には、並列2気筒のエンジン12の2つの排気ポートには2本のエキゾーストパイプ131の一端側がそれぞれ接続されているが、これらエキゾーストパイプ131の他端側は互いに結合して1本となり、さらに、この結合して1本となったエキゾーストパイプ131の他端部は過給機113のタービン部114のハウジングと一体化している。なお、エキゾーストパイプ131とタービン部114のハウジングとをそれぞれ別体として形成し、両者を接続する構成としてもよい。一方、マフラージョイントパイプ132は、その一端側が過給機113のタービン部114に接続され、他端側はエンジン12の下方右側を通過し、マフラに向かって後方へ伸長している。また、マフラはエンジン12の後方下側に配置されている。各排気ポートから排出された排気ガスはエキゾーストパイプ131を介して過給機113のタービン部114のハウジング内へ供給される。この排気ガスによりタービン部114のタービンホイールが回転する。続いて、タービン部114から排出された排気ガスはマフラージョイントパイプ132を介してマフラへ供給され、マフラから外部へ排出される。
また、過給機113のタービン部114にはウェイストゲートバルブ133が設けられている。すなわち、タービン部114の内部には、エキゾーストパイプ131を介して供給される排気ガスの一部をタービンホイール側へ供給せずにマフラージョイントパイプ132側へ流すゲートが形成されており、ウェイストゲートバルブ133は、このゲートの開閉を行うことによりタービンホイール側への排気ガスの流入量を調整する。
(冷却系の構造)
また、図4または図7に示すように、冷却系は、ウォータポンプ29、ウォータジャケット32、ラジエータ33、および冷却水流制御ユニット41を備えている。
ウォータポンプ29は、クランクシャフトの回転を利用して動作し、ウォータジャケット32へ冷却水を吐出する装置である。
ウォータジャケット32は、シリンダ14およびシリンダヘッド15に設けられ、シリンダ14およびシリンダヘッド15を冷却水により冷却する機構である。ウォータジャケット32は、シリンダ14のシリンダボアの周囲や、シリンダヘッド15における吸気ポートおよび排気ポートの近傍等に形成されている。
ラジエータ33は、走行風を受け、またはラジエータファン40を駆動し、冷却水の熱を大気に放出することによって冷却水を冷却する装置である。ラジエータ33はエンジン12の前方に配置されている。また、ラジエータ33はいわゆる横流れ式であり、ラジエータ33内において冷却水を左右方向(本実施形態では左から右)に流通させることにより冷却水を冷却する。また、ラジエータ33は、図2に示すように、上ラジエータ34および下ラジエータ35を備えている。上ラジエータ34と下ラジエータ35との間は一対のコネクティングホース36を介して接続されている。図7に示すように、冷却水流制御ユニット41から送り出され、上ラジエータ34の後面の左上側に設けられたラジエータ流入口37へ流入した冷却水の一部は上ラジエータ34により冷却され、上ラジエータ34の後面の右上側に設けられたラジエータ流出口38から冷却水流制御ユニット41へ戻る。また、上ラジエータ34のラジエータ流入口37へ流入した冷却水の残部は一方のコネクティングホース36を介して下ラジエータ35へ供給され、下ラジエータ35により冷却され、他方のコネクティングホース36および上ラジエータ34のラジエータ流出口38を順次通過して冷却水流制御ユニット41へ戻る。また、ラジエータファン40は上ラジエータ34の後面に取り付けられている。
冷却水流制御ユニット41は、冷却水の温度に応じてラジエータ33を流通させる冷却水量を調整し、冷却水の温度を適温に保つ機能を有している。すなわち、エンジンユニット11には、ウォータポンプ29から吐出され、ウォータジャケット32内を流通し、ラジエータ33を流通せずにウォータポンプ29に戻る冷却水の第1の循環経路と、ウォータポンプ29から吐出され、ウォータジャケット32内を流通し、ラジエータ33を流通してウォータポンプ29に戻る冷却水の第2の循環経路とが形成されている。冷却水流制御ユニット41は、これら第1の循環経路と第2の循環経路とを冷却水の温度に応じて切り換える。
図8は冷却水流制御ユニット41の外観を示し、図9は冷却水流制御ユニット41の内部を示している。図9に示すように、冷却水流制御ユニット41は、サーモスタットハウジング42およびサーモスタット43を備えている。サーモスタットハウジング42は、例えば耐熱性を有する樹脂材料または金属材料により形成されている。サーモスタットハウジング42は、図8に示すように、円筒状に形成されたハウジング本体42Aと、ハウジング本体42Aの右側にボルト等を用いて固定され、ハウジング本体42Aの右側を閉塞するキャップ部42Bと、ハウジング本体42Aの左側に形成されたジョイント部42Cとを備えている。ジョイント部42Cは、ハウジング本体42Aの軸線に対して垂直な軸線を有する円筒状に形成されている。また、図9に示すように、ハウジング本体42Aとジョイント部42Cとは連結部42Dを介して連結されており、両者は一体化している。例えば、ハウジング本体42およびジョイント部42Cは、両者が一体化した形状が形作られた金型を用いて成形により一体形成される。なお、ハウジング本体42とジョイント部42Cとをそれぞれ別部材として形成し、両者を嵌め合わせて結合してもよい。
また、サーモスタットハウジング42には、エンジン12を冷却した後の冷却水をウォータジャケット32からラジエータ33へ流通させる第1の通路P1と、ラジエータ33により冷却された後の冷却水をラジエータ33からウォータポンプ29へ流通させる第2の通路P2とが形成されている。
すなわち、サーモスタットハウジング42の左部内部、すなわち、ジョイント部42Cの内部には第1の室としての左室R1が形成されている。サーモスタットハウジング42の左部後ろ側には、エンジン12を冷却した後にウォータジャケット32から流出した冷却水を左室R1に流入させる第1の冷却水流入口44が形成されている。具体的には、ジョイント部42Cの後ろ側開口部が第1の冷却水流入口44である。また、サーモスタットハウジング42の左部前側には、左室R1に流入した冷却水をラジエータ33に送り出す冷却水送出口46が形成されている。具体的には、ジョイント部42Cの前側開口部が冷却水送出口46である。これら第1の冷却水流入口44、左室R1および冷却水送出口46からなる通路が第1の通路P1である。
また、サーモスタットハウジング42の右部内部、すなわち、ハウジング本体42Aおよびキャップ部42Bの内部には第2の室としての右室R2が形成されている。また、サーモスタットハウジング42の右部前側には、ラジエータ33により冷却された後にラジエータ33から流出した冷却水を右室R2に流入させる冷却水戻り口47が形成されている。具体的には、キャップ部42Bの略円錐状の周壁部の一部には前方に突出する管状の配管取付部42Eが形成され、配管取付部42Eの前側開口部が冷却水戻り口47となっている。また、サーモスタットハウジング42の右部後ろ側には、右室R2に流入した冷却水をウォータポンプ29へ戻す冷却水流出口48が形成されている。具体的には、ハウジング本体42Aの周壁部の一部には後方に突出する管状の配管取付部42Fが形成され、配管取付部42Fの後ろ側開口部が冷却水流出口48となっている。これら冷却水戻り口47、右室R2および冷却水流出口48からなる通路が第2の通路P2である。
第1の通路P1と第2の通路P2とはいずれもエンジン12の上方に配置された単一のサーモスタットハウジング42に一体形成されており、それゆえ両者は互いに隣接している。
また、第1の通路P1と第2の通路P2とは互いに平行である。すなわち、ジョイント部42Cは直線状に伸長しており、それゆえ、第1の通路P1は直線状に伸長している。また、キャップ部42Bに形成された配管取付部42Eの伸長方向(軸方向)とハウジング本体42Aに形成された配管取付部42Fの伸長方向(軸方向)とは互いに平行であり、かつ配管取付部42Eおよび配管取付部42Fは互いに接近しているので、第2の通路P2も実質的に見て直線状に伸長しているといえる。また、第1の冷却水流入口44の開口方向および冷却水流出口48の開口方向は互いに同一であり、また、冷却水送出口46の開口方向および冷却水戻り口47の開口方向は互いに同一であり、それゆえ、第1の通路P1の伸長方向と第2の通路P2の伸長方向は同一である。
一方、サーモスタットハウジング42には、過給機113およびエンジンオイルを冷却水により冷却するために、過給機113またはオイルクーラ26を流通した後の冷却水を第1の通路P1に流入させる第3の通路P3が形成されている。具体的には、サーモスタットハウジング42の左部左側には、オイルクーラ26または過給機113を流通した冷却水を左室R1に流入させる第2の冷却水流入口45が形成されている。すなわち、ジョイント部42Cの周壁部には、左方に突出する管状の配管取付部42Gが形成され、配管取付部42Gの左側開口部が第2の冷却水流入口45となっている。第2の冷却水流入口45から左室R1へ至る通路が第3の通路P3である。
また、サーモスタットハウジング42において、第1の通路P1と第2の通路P2との間には、第1の通路P1と第2の通路P2とを連通させる冷却水バイパス通路Pbが形成されている。具体的には、サーモスタットハウジング42内において左室R1と右室R2との間に位置する連結部42Dの内部には、左室R1と右室R2とを連通させる孔49が形成されている。この孔49が冷却水バイパス通路Pbである。
また、サーモスタットハウジング42の右室R2には、サーモスタット43が収容されている。サーモスタット43は、冷却水の温度に応じてラジエータ33を流通させる冷却水の流量を制御する。具体的には、サーモスタット43は、上述した第1の循環経路と第2の循環経路とを冷却水の温度に応じて切り換える。すなわち、サーモスタット43は、右室R2を流通する冷却水の温度に応じ、第2の通路P2において第2の通路P2と冷却水バイパス通路Pbとの接続部分Cよりも上流側の位置する部分(以下、この部分を「第2の通路P2の上流部」という。)で第2の通路P2を開閉する。また、サーモスタット43は、右室R2を流通する冷却水の温度に応じ、冷却水バイパス通路Pbを開閉する。
サーモスタット43は、図9に示すように、弁座43A、主弁体43B、およびサーモエレメント43Cを備えている。主弁体43Bは第2の通路P2の上流部を開閉する。サーモエレメント43Cは、右室R2を流通する冷却水の温度に応じて主弁体43Bを弁座43Aに対して移動させ、主弁体43Bを弁座43Aに対して離着座させる。具体的には、サーモエレメント43Cは、ペレット内に封入されたワックスの熱膨張を利用してスピンドルを作動させ、主弁体43Bを弁座43Aに着座させる方向に付勢しているスプリングの付勢力に抗して主弁体43Bを弁座43Aから離間させる。
さらに、サーモスタット43には副弁体43Dが設けられている。副弁体43Dは冷却水バイパス通路Pbを開閉する。具体的には、副弁体43Dはサーモエレメント43Cの左部(ペレットの底部)に固定されており、主弁体43Bと共に主弁体43Bと同方向に移動する。副弁体43Dは、冷却水バイパス通路Pbがサーモスタットハウジング42の右室R2に開口している部分に離着座する。
他方、サーモスタットハウジング42のジョイント部42Cには、第1の通路P1を流通する冷却水の温度を検出する水温センサ51が取り付けられている。
これら冷却系を構成する各部の配置および接続は次の通りである。すなわち、図10および図11は、エンジンユニット11におけるウォータポンプ29、冷却水流制御ユニット41、および冷却水配管の配置を示している。図10および図11では、ウォータポンプ29、冷却水流制御ユニット41、および冷却水配管の配置を明確に示すために、これらを太い実線で示し、これら以外の部品を細い破線で示している。すなわち、図11に示すように、ウォータポンプ29は、クランクケース13の右側に取り付けられている。また、ウォータポンプ29は、クランクシャフトよりも前に位置しており、具体的には、クランクシャフトの前方に位置するバランスシャフトに対応する位置に配置されている。なお、図11において、X1はクランクシャフトの軸心を示し、X2はバランスシャフトの軸心を示している。また、ウォータポンプ29(少なくともインペラの軸部を含むウォータポンプの基幹部分)は、エンジン12の側面視においてシリンダ14の軸線X3よりも前に配置されている。
また、ウォータポンプ29とウォータジャケット32との間には、ウォータポンプ29からウォータジャケット32へ冷却水を供給する経路(図示せず)が形成されている。この経路はクランクケース13の内部等に形成されている。
また、冷却水流制御ユニット41は、シリンダヘッドカバー16の上方に配置されている。また、冷却水流制御ユニット41(少なくとも右室R2およびサーモスタット43を含む冷却水流制御ユニット41の基幹部分)は、エンジン12の側面視においてシリンダ14の軸線X3よりも前に配置されている。具体的には、冷却水流制御ユニット41は、シリンダヘッドカバー16の上面における前側縁部の上方に配置されている。なお、図11中の位置Qはシリンダヘッドカバー16の上面における前側縁部の位置を示している。また、冷却水流制御ユニット41の前端部分は、シリンダヘッドカバー16の上面における前側縁部よりも前に位置している。なお、図11中の直線Lは、シリンダヘッドカバー16の上面における前側縁部の前後方向における位置を示している。また、図7または図10に示すように、冷却水流制御ユニット41は、エンジン12の左右方向において中心よりも右側、すなわちウォータポンプ29が配置されている側と同じ側に配置されている。なお、図示していないが、冷却水流制御ユニット41は、例えば、車体フレーム211の一部(具体的にはメインフレーム213)に取り付けられている。
また、図7に示すように、ウォータジャケット32の流出口32Aと冷却水流制御ユニット41の第1の冷却水流入口44との間は、エンジンアウトレット配管としてのシリンダアウトレットホース52により接続されている。シリンダアウトレットホース52は、エンジン12の周囲の右側の領域を、エンジン12の後部から、上方へ伸長した後、前方へ伸長している。具体的には、シリンダアウトレットホース52の一端側は、シリンダヘッド15の後部であって、シリンダヘッド15の左右方向における中心部よりも若干右寄りの位置に配置されたウォータジャケット32の流出口32Aに接続されている。また、シリンダアウトレットホース52の他端側は、ウォータジャケット32の流出口32Aが配置された位置からシリンダヘッド15の後方を右方に伸長し、その後、シリンダヘッド15の右面を超えた箇所で図11に示すように湾曲して上方へ伸長し、その後、シリンダヘッドカバー16の上面を超えた箇所で湾曲し、その後、図7に示すようにシリンダヘッドカバー16の上方を左方へ伸長し、その後、シリンダヘッドカバー16の上方であって、シリンダヘッドカバー16の左右方向における中心部よりも若干右寄りの位置において湾曲して前方へ伸長し、その後、冷却水流制御ユニット41の第1の冷却水流入口44に到達し、当該第1の冷却水流入口44に接続されている。
また、冷却水流制御ユニット41の冷却水送出口46と上ラジエータ34のラジエータ流入口37との間はラジエータインレット配管としてのラジエータインレットホース53により接続されている。ラジエータインレットホース53は、エンジン12の周囲の右側から左側にかけて領域において、エンジン12とラジエータ33との間の空間の上部を左前方へ伸長している。具体的には、図7に示すように、ラジエータインレットホース53の一端側は、シリンダヘッドカバー16の上方であって、シリンダヘッドカバー16の左右方向における中心部よりも若干右寄りの位置に配置された冷却水送出口46に接続されている。また、ラジエータインレットホース53の他端側は、冷却水送出口46が配置された位置から前方に伸長し、その後、上ラジエータ34に達する前に湾曲し、その後、左方に伸長し、その後、図10に示すように上ラジエータ34の左端部に接近してから湾曲し、その後、下方に伸長し、その後、図7に示すように上ラジエータ34の左端部に位置するラジエータ流入口37に到達し、当該ラジエータ流入口37に接続されている。
また、上ラジエータ34のラジエータ流出口38と冷却水流制御ユニット41の冷却水戻り口47との間はラジエータアウトレット配管としてのラジエータアウトレットホース54により接続されている。ラジエータアウトレットホース54は、エンジン12の周囲の右側の領域において、エンジン12とラジエータ33との間の空間の上部を後方へ伸長している。具体的には、図7に示すように、ラジエータアウトレットホース54の一端側は、上ラジエータ34の右端部に位置するラジエータ流出口38に接続されている。また、ラジエータアウトレットホース54の他端側は、図11に示すようにラジエータ流出口38が配置された位置から上方へ伸長し、その後、図7に示すように湾曲して左方へ短い距離伸長し、その後、湾曲して後方へ短い距離伸長して、シリンダヘッドカバー16の上方右側に配置された冷却水戻り口47に到達し、当該冷却水戻り口47に接続されている。
また、冷却水流制御ユニット41の冷却水流出口48とウォータポンプ29の冷却水吸込口30との間はウォータポンプインレット配管としてのウォータポンプインレットホース55により接続されている。ウォータポンプインレットホース55は、エンジン12の周囲の右側の領域において、エンジン12とラジエータ33との間を下方へ伸長している。具体的には、図7に示すように、ウォータポンプインレットホース55の一端側は、シリンダヘッドカバー16の上方右側に配置された冷却水流出口48に接続されている。また、ウォータポンプインレットホース55の他端側は、冷却水流出口48が配置された位置から、後方に短い距離伸長した後、右方向におよそ180度湾曲し、その後、図11に示すように前方へ伸長し、その後、僅かに湾曲し、シリンダヘッドカバー16と上ラジエータ34との間を前下方向へ伸長し、その後、僅かに湾曲し、シリンダヘッド15と上ラジエータ34との間を後ろ下方向(傾斜したシリンダ軸線に沿った方向)に伸長し、その後、さらに僅かに湾曲し、後ろ下方向に伸長してウォータポンプ29の冷却水吸込口30に到達し、当該冷却水吸込口30に接続されている。
また、図11に示すように、上ラジエータ34の後面の右下側には冷却水供給口39が形成され、冷却水供給口39には、上下方向に伸長する注水ホース56の下端部が接続され、注水ホース56の上端部には冷却水注水口57を有する冷却水注水部58が設けられている。また、下ラジエータ35の後方には冷却水を貯えるリザーバタンク59が設けられており、リザーバタンク59はオーバーフロー管路(図示せず)を介して例えば上ラジエータ34に接続されている。
また、エンジンユニット11の冷却系は、オイルクーラ26および過給機113へ冷却水を供給し、オイルクーラ26においてエンジンオイルを冷却し、かつ過給機113におけるベアリング部116を冷却する構成を備えている。具体的には、図11に示すように、ウォータポンプ29は冷却水をウォータジャケット32へ供給する冷却水吐出口(図示せず)の他に、冷却水をエンジン12の外部へ供給する冷却水吐出口31を備えている。冷却水吐出口31には共通インレット配管61の一端側が接続され、共通インレット配管61の他端側には、1つの流入口と2つの流出口を有する継ぎ手を介し、過給機インレット配管62の一端側およびオイルクーラインレット配管63の一端側がそれぞれ接続されている。また、図10に示すように、過給機インレット配管62の他端側は、過給機113のベアリング部116に設けられた冷却水の流入口に接続されている。また、オイルクーラインレット配管63の他端側は、オイルクーラ26に設けられた冷却水の流入口に接続されている。また、過給機113のベアリング部116に設けられた冷却水の流出口には過給機アウトレット配管64の一端側が接続され、オイルクーラ26に設けられた冷却水の流出口にはオイルクーラアウトレット配管65の一端側が接続されている。また、過給機アウトレット配管64の他端側およびオイルクーラアウトレット配管65の他端側は、2つの流入口と1つの流出口を有する継ぎ手を介し、共通アウトレット配管66の一端側に接続されている。そして、共通アウトレット配管66の他端側は、図7に示すように、冷却水流制御ユニット41の第2の冷却水流入口45に接続されている。図11に示すように、共通インレット配管61、過給機インレット配管62、オイルクーラインレット配管63、過給機アウトレット配管64、オイルクーラアウトレット配管65、および共通アウトレット配管66はいずれもエンジン12とラジエータ33との間に配置されている。なお、共通インレット配管61、過給機インレット配管62およびオイルクーラインレット配管63はインレット枝管路の具体例であり、過給機アウトレット配管64、オイルクーラアウトレット配管65および共通アウトレット配管66はアウトレット枝配管の具体例である。
このような構成を有するエンジン12の冷却系において、冷却水の温度に応じた冷却水の流通経路につき、図9、図12および図13を用いて説明する。図12は冷却水流制御ユニット41の右室R2を流通する冷却水の温度が所定の基準温度T1以下のときの冷却水の流通経路を示し、図9は、右室R2を流通する冷却水の温度が基準温度T1よりも高く所定の基準温度T2(T2>T1)以下のときの冷却水の流通経路を示し、図13は右室R2を流通する冷却水の温度が基準温度T2よりも高いときの冷却水の流通経路を示している。
図12において、エンジン12が稼働を開始し、ウォータポンプ29が駆動を開始すると、ウォータポンプ29からウォータジャケット32へ冷却水が供給される。ウォータジャケット32内を流通してエンジン12を冷却した後の冷却水は、シリンダアウトレットホース52を介して冷却水流制御ユニット41の第1の冷却水流入口44から左室R1へ流入し、さらに、冷却水バイパス通路Pbを介して右室R2へ流入する。サーモスタット43は、右室R2を流通する冷却水の温度が基準温度T1以下のときには、第2の通路P2の上流部を全閉すると共に、冷却水バイパス通路Pbを全開する。これにより、第1の冷却水流入口44から左室R1に流入した冷却水は、左室R1から、冷却水バイパス通路Pb、右室R2、および冷却水流出口48を順次流通し、ウォータポンプインレットホース55を介してウォータポンプ29へ戻る。このとき、冷却水はラジエータ33を流通しない(ラジエータ流出口38から流出した冷却水が第2の通路P2を流通しない)ので、冷却水はラジエータ33により冷却されない。エンジン12の暖気運転時等にはこのような冷却水の循環経路が形成される。このように、ラジエータ33で冷却されていない冷却水のみを循環させることで、暖気運転時にエンジン12を短時間で暖めることができる。
一方、図9に示すように、右室R2を流通する冷却水の温度が基準温度T1よりも高く、基準温度T2以下のときには、サーモスタット43は、第2の通路P2の上流部および冷却水バイパス通路Pbの双方を開く。そして、サーモスタット43は、右室R2を流通する冷却水の温度が上昇するのに従って第2の通路P2の上流部の流路面積を増加させると共に、冷却水バイパス通路Pbの流路面積を減少させる。これにより、第1の冷却水流入口44から左室R1に流入した冷却水は、左室R1において、冷却水バイパス通路Pbを流通して右室R2へ流入する冷却水と、冷却水送出口46、ラジエータインレットホース53、ラジエータ33、ラジエータアウトレットホース54、および冷却水戻り口47を順次流通して右室R2へ流入する冷却水に分かれる。そして、ラジエータ33を流通した冷却水はラジエータ33により冷却される。さらに、これら2つの経路を流通した冷却水は右室R2で合流し、冷却水流出口48からウォータポンプインレットホース55を介してウォータポンプ29へ戻る。また、この場合、右室R2を流通する冷却水の温度が上昇するのに従って、冷却水バイパス通路Pbを流通する冷却水量に対する、ラジエータ33を流通する冷却水量が増加する。このように、ラジエータ33で冷却されていない冷却水とラジエータ33で冷却された冷却水とが混ざったものを循環させることで、冷却水の温度の急変を抑えることができ、エンジン12の冷却を安定して行うことができる。
他方、図13に示すように、右室R2を流通する冷却水の温度が基準温度T2よりも高いときには、サーモスタット43は、第2の通路P2の上流部を全開すると共に、冷却水バイパス通路Pbを全閉する。これにより、第1の冷却水流入口44から左室R1に流入した冷却水は、左室R1から、冷却水送出口46、ラジエータインレットホース53、ラジエータ33、ラジエータアウトレットホース54、冷却水戻り口47、右室R2、および冷却水流出口48を順次流通し、ウォータポンプインレットホース55を介してウォータポンプ29へ戻る。エンジン12および冷却水が高温となった場合には、このような冷却水の循環経路が形成される。このように、ラジエータ33により冷却された冷却水のみを循環させることで、エンジン12の温度を迅速に下げることができる。
また、ウォータポンプ29の駆動により、冷却水は、ウォータポンプ29の冷却水吐出口31から、共通インレット配管61、過給機インレット配管62、オイルクーラインレット配管63を介して過給機113およびオイルクーラ26にそれぞれ供給される。そして、過給機113およびエンジンオイルを冷却した冷却水は、過給機113およびオイルクーラ26から過給機アウトレット配管64、オイルクーラアウトレット配管65、共通アウトレット配管66を介して冷却水流制御ユニット41の第2の冷却水流入口45から左室R1へ流入し、ウォータジャケット32から第1の冷却水流入口44を介して左室R1へ流入した冷却水と合流する。
以上説明した通り、本発明の鞍乗型車両の実施形態である自動二輪車1によれば、ウォータポンプ29がクランクシャフトよりも前に配置され、冷却水流制御ユニット41がシリンダヘッドカバー16の上方に配置されているので、ラジエータインレットホース53およびラジエータアウトレットホース54の略すべての部分をエンジン12とラジエータ33との間に容易に配置することができる。また、シリンダヘッドカバー16の上方に配置された冷却水流制御ユニット41から、クランクケース13の右前側に配置されたウォータポンプ29へウォータインレットホース55を上下方向に伸長させることにより、ウォータインレットホース55の大部分、すなわち、ウォータポンプインレットホース55において両端部分を除く部分をエンジン12とラジエータ33との間に容易に配置することができる。したがって、ラジエータインレットホース53、ラジエータアウトレットホース54、およびウォータポンプインレットホース55をエンジン12の前方、すなわち、エンジン12とラジエータ33との間の空間に集約することができる。それゆえ、ラジエータインレットホース53、ラジエータアウトレットホース54またはウォータポンプインレットホース55がエンジン12の側方を横切ることを防止することができる。よって、エンジン12の側面の広い範囲を外部に露出させることができ、自動二輪車1のデザイン性を高めることができる。
また、ラジエータインレットホース53、ラジエータアウトレットホース54、およびウォータポンプインレットホース55をエンジン12とラジエータ33との間の空間に集約することで、これらのホースをラジエータカバー等で容易に隠すことができ、自動二輪車1の外観を良くすることができる。
また、ラジエータインレットホース53、ラジエータアウトレットホース54、およびウォータポンプインレットホース55をエンジン12とラジエータ33との間の空間に集約することで、自動二輪車1の車幅を小さくすることができ、自動二輪車1のハンドリング性を高めることができる。また、冷却風がエンジン12の側面によく当たるようになるので、エンジン12の冷却性能を高めることができる。また、エンジン12の側方において大きな空きスペースを形成することができ、エンジン12に設ける部品の配置スペースを容易に確保することが可能になる。
また、自動二輪車1によれば、冷却水流制御ユニット41がエンジン12の側面視においてシリンダ軸線X3よりも前に配置され、具体的には、冷却水流制御ユニット41がシリンダヘッドカバー16の前側縁部の上方に配置されている。これにより、冷却水流制御ユニット41をエンジン12とラジエータ33との間に接近させることができる。したがって、ラジエータインレットホース53、ラジエータアウトレットホース54およびウォータポンプインレットホース55をエンジン12とラジエータ33との間に容易に集約することができ、その集約の度合いを高めることができる。また、ラジエータインレットホース53、ラジエータアウトレットホース54およびウォータインレットホース55を短くすることができる。
また、ウォータポンプ29がエンジン12の側面視においてシリンダ軸線X3よりも前に配置されているので、ウォータインレットホース55の下流端側においてクランクケース13の右方にはみ出す部分を、クランクケース13の前方の僅かな部分のみに制限することができる。また、ウォータインレットホース55をエンジン12とラジエータ33との間に配置し易くすることができ、また、ラジエータインレットホース55を短くすることができる。
また、ウォータポンプ29および冷却水流制御ユニット41はいずれもエンジン12の左右方向において中心よりも右側に配置されているので、シリンダアウトレットホース52、ラジエータアウトレットホース54、およびウォータポンプインレットホース55を、エンジン12の周囲の右側の領域に集約することができる。これにより、エンジン12の周囲の左側の領域に大きな空きスペースを形成することができ、エンジン12に設ける部品の配置スペースを容易に確保することが可能になる。例えば、過給機113を導入することで必要となったエアインテークパイプ125、エアアウトレットパイプ126等の吸気系の部品をエンジン12の左側の領域に集約して配置することが可能になる。
また、ウォータポンプ29がクランクシャフトよりも前に配置され、冷却水流制御ユニット41がシリンダヘッドカバー16の上方に配置されているので、過給機113およびエンジンオイルを冷却するための共通インレット配管61、過給機インレット配管62、オイルクーラインレット配管63、過給機アウトレット配管64、オイルクーラアウトレット配管65、および共通アウトレット配管66をエンジン12とラジエータ33との間に容易に配置することができ、これらの配管をラジエータインレットホース53、ラジエータアウトレットホース54およびウォータインレットホース55と共に集約することができる。さらに、ウォータポンプ29および冷却水流制御ユニット41がエンジン12の側面視においてシリンダ軸線X3よりも前に配置されているので、過給機113およびエンジンオイルを冷却するため上記配管の集約の度合いを高めることができる。
また、図9に示すように、冷却水流制御ユニット41において、サーモスタット43に副弁体43Dを設け、冷却水の温度が基準温度T2よりも高いときには冷却水バイパス通路Pbを副弁体43Dにより全閉する構成とした。これにより、エンジン12がこのように高温となったときには、ラジエータ33により冷却された冷却水のみをウォータジャケット等に流通させることができ、エンジン12の温度を迅速に下げることができる。また、冷却水バイパス通路Pbの通路径を大きくし、または通路長を短くしても、冷却水の温度が基準温度T2よりも高くなったときには冷却水バイパス通路Pbを全閉してしまうので、エンジン12の高温時にエンジン12の冷却効果が低下することがない。したがって、冷却水バイパス通路Pbの通路径を大きくし、または通路長を短くして、冷却水バイパス通路の通路抵抗を小さくすることができ、エンジン12の低温時、すなわち冷却水バイパス通路Pbが全開である間におけるエンジン12の暖気性能を高めることができる。
もっとも、冷却水流制御ユニット41において、副弁体を有していないサーモスタットを採用してもよい。この場合、冷却水バイパス通路Pbは常時全開の状態となり、エンジン12の高温時に、ラジエータ33により冷却された冷却水のみをウォータジャケット32等に流通させることができないが、副弁体を有していないサーモスタットを採用することにより、製造コストを下げることができ、また、冷却水流制御ユニット41の構造を簡単化することができる。
なお、上述した実施形態では、ウォータポンプ29および冷却水流制御ユニット41の双方をエンジン12の右側に配置したが、ウォータポンプ29および冷却水流制御ユニット41の双方をエンジン12の左側に配置してもよい。この場合、エアクリーナ111、過給機113、インタークーラ117等の配置を左右反対にすることが好ましい。
また、本発明は過給機を有していない鞍乗型車両にも適用することができる。また、本発明の鞍乗型車両のエンジンは、実施形態で述べたような並列2気筒の4サイクルガソリンエンジンに限定されない。また、本発明は、上ラジエータおよび下ラジエータに分割されていない、単一化された一般的なラジエータを備えた鞍乗型車両にも適用することができる。また、本発明の鞍乗型車両は自動二輪車に限定されず、エンジンを搭載した三輪車やバギー車等の種々の鞍乗型車両に適用することができる。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う鞍乗型車両もまた本発明の技術思想に含まれる。
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
11 エンジンユニット
12 エンジン
26 オイルクーラ
29 ウォータポンプ
31 冷却水吸込口(吸込口)
32 ウォータジャケット
33 ラジエータ
37 ラジエータ流入口
38 ラジエータ流出口
41 冷却水流制御ユニット
42 サーモスタットハウジング
43 サーモスタット
44 第1の冷却水流入口
45 第2の冷却水流入口
46 冷却水送出口
47 冷却水戻り口
48 冷却水流出口
49 孔
52 シリンダアウトレットホース(エンジンアウトレット配管)
53 ラジエータインレットホース(ラジエータインレット配管)
54 ラジエータアウトレットホース(ラジエータアウトレット配管)
55 ウォータポンプインレットホース(ウォータポンプインレット配管)
61 共通インレット配管(インレット枝配管)
62 過給機インレット配管(インレット枝配管)
63 オイルクーラインレット配管(インレット枝配管)
64 過給機アウトレット配管(アウトレット枝配管)
65 オイルクーラアウトレット配管(アウトレット枝配管)
66 共通アウトレット配管(アウトレット枝配管)
113 過給機
P1 第1の通路
P2 第2の通路
Pb 冷却水バイパス通路(バイパス通路)

Claims (6)

  1. クランクケースの上方にシリンダおよびシリンダヘッドが設けられ、前記シリンダヘッドの上方にシリンダヘッドカバーが設けられたエンジンと、
    冷却水を吐出するウォータポンプと、
    前記エンジンに設けられ、前記ウォータポンプから吐出された冷却水により前記エンジンを冷却するウォータジャケットと、
    前記エンジンの前方に配置され、前記エンジンを冷却した後の冷却水を冷却するラジエータと、
    前記エンジンを冷却した後の冷却水を前記ウォータジャケットから前記ラジエータへ流通させる第1の通路、前記ラジエータを流通した後の冷却水を前記ラジエータから前記ウォータポンプへ流通させる第2の通路、前記第1の通路と前記第2の通路とを連通させるバイパス通路、および前記ラジエータを流通する冷却水の流量を制御するサーモスタットを有する冷却水流制御ユニットと、
    前記ウォータジャケットの流出口と前記冷却水流制御ユニットの第1の通路の流入口との間を接続するエンジンアウトレット配管と、
    前記冷却水流制御ユニットの第1の通路の流出口と前記ラジエータの流入口との間を接続するラジエータインレット配管と、
    前記ラジエータの流出口と前記冷却水流制御ユニットの第2の通路の流入口との間を接続するラジエータアウトレット配管と、
    前記冷却水流制御ユニットの第2の通路の流出口と前記ウォータポンプの吸込口との間を接続するウォータポンプインレット配管とを備え、
    前記ウォータポンプは、前記クランクケースの側部であって、前記エンジンのクランクシャフトよりも前に配置され、
    前記冷却水流制御ユニットは、前記シリンダヘッドカバーの上方に配置され、
    前記ラジエータインレット配管、前記ラジエータアウトレット配管および前記ウォータポンプインレット配管は前記エンジンと前記ラジエータとの間に配置されていることを特徴とする鞍乗型車両。
  2. 前記冷却水流制御ユニットは、前記シリンダヘッドカバーの上面における前側縁部の上方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
  3. 前記冷却水流制御ユニットは、前記エンジンの側面視において前記シリンダの軸線よりも前に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗型車両。
  4. 前記ウォータポンプは、前記エンジンの側面視において前記シリンダの軸線よりも前に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  5. 前記ウォータポンプおよび前記冷却水流制御ユニットはいずれも、前記エンジンの左右方向において中心よりも一方の側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  6. 前記エンジンの前方には過給機またはオイルクーラが設けられ、前記ウォータポンプの吐出口と前記過給機または前記オイルクーラにおける冷却水の流入口との間はインレット枝配管により接続され、前記過給機または前記オイルクーラにおける冷却水の流出口と前記冷却水流制御ユニットの第1の通路の流入口との間はアウトレット枝配管により接続され、前記インレット枝配管および前記アウトレット枝配管は、前記エンジンと前記ラジエータとの間に配置されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の鞍乗型車両。
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