JP6532736B2 - ゴム組成物の製造方法、ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物の製造方法、ゴム組成物および空気入りタイヤ Download PDF

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本発明は、ゴム組成物の製造方法、ゴム組成物および空気入りタイヤに関する。
シリカを配合する技術に関して、例えば、充填剤としてシランカップリング剤によりあらかじめ処理されたシリカ(以下、「疎水化シリカ」という)を使用する方法が知られている。
また、シリカと変性SBRを混練することで、シリカの分散を向上する技術が知られている(例えば、特許文献1〜3)
特開2014−80521号公報 特開2014−105295号公報 特開2012−172020号公報
しかしながら、本発明者が鋭意検討したところ、疎水化シリカを使用する方法では、ムーニー粘度が上昇し、スコーチしやすいことが明らかとなった。
さらに、低燃費性、湿潤路面における制動性(以下、「湿潤路面性」という)を両立して向上することは困難である。高価な薬品を配合することにより、低燃費性、湿潤路面性を向上することは可能であるが、低燃費性、湿潤路面性を向上する他の技術が望まれる。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ムーニー粘度の上昇とスコーチを抑制することが可能で、低燃費性、湿潤路面性に優れた加硫ゴムの原料となるゴム組成物およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者が鋭意検討したところ、疎水化シリカを使用する方法では、混練する前、具体的には流通段階で疎水化シリカが凝集することにより、ムーニー粘度が上昇し、スコーチしやすいと推測した。本発明者はかかる推測のもと、シリカおよびシランカップリング剤を優先的に混練することにより、シリカの凝集を効果的に防止することが可能で、シリカを効果的に分散できることなどを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、変性溶液重合SBRおよび残余ゴムを含むゴム組成物の製造方法に関する。本発明に係るゴム組成物の製造方法は、混練機でシリカおよびシランカップリング剤を混練するステップ、ならびに混練機に残余ゴムを投入し、残余ゴム、シリカおよびシランカップリング剤を混練するステップを含む第1工程と、第1工程により得られた混合物、変性溶液重合SBR、亜鉛華および老化防止剤を混練する第2工程とを含む。
シリカおよびシランカップリング剤を優先的に混練することにより、シリカの凝集を効果的に防止できる。次いで、変性溶液重合SBR、亜鉛華および老化防止剤と比べシリカに対する相溶性が低い残余ゴムを投入し混練することにより、残余ゴム中にシリカを効果的に分散させることできる。その後、混合物、変性溶液重合SBR、亜鉛華および老化防止剤を混練することにより、変性溶液重合SBR中にシリカを分散させることができる。したがって、ムーニー粘度の上昇とスコーチを抑制することが可能で、低燃費性、湿潤路面性に優れた加硫ゴムの原料となるゴム組成物を得ることができる。
シリカおよびシランカップリング剤を混練するステップは、シリカおよびシランカップリング剤を5〜30秒混練するステップであることが好ましい。5秒未満であると、低燃費性、湿潤路面性の向上効果が低下する傾向がある。30秒を超えると、低燃費性、湿潤路面性の向上効果が低下する傾向がある。
残余ゴム、シリカおよびシランカップリング剤を混練するステップは、残余ゴム、シリカ、シランカップリング剤、ステアリン酸およびカーボンブラックを混練するステップであることが好ましい。
第2工程は、混練機で混合物、変性溶液重合SBR、亜鉛華および老化防止剤を混練する工程であることが好ましい。第2工程は、混練機にシリカおよびシランカップリング剤を投入するステップを含まないことが好ましい。
本発明はまた、かかる製造方法により得られたゴム組成物に関する。
本発明に係るゴム組成物は、空気入りタイヤに好適に使用できる。トレッドに特に好適に使用できる。本発明はまた、かかるゴム組成物を用いて得られたトレッドを含む空気入りタイヤに関する。
本発明に係るゴム組成物の製造方法により、ゴム成分を含むゴム組成物を得る。ゴム成分は、変性溶液重合SBRおよび残余ゴムを含む。
変性溶液重合SBRは、ヘテロ原子を含む官能基を含む。ヘテロ原子を含む官能基は、ポリマー鎖の末端に導入されてもよく、ポリマー鎖中に導入されてもよいが、好ましくは末端に導入されることである。ヘテロ原子を含む官能基としては、アミノ基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン基などが挙げられる。変性溶液重合SBRは、例示した官能基のうち少なくとも1種を含むことができる。アミノ基としては、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基などが挙げられる。アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。ハロゲン基としては、塩素、臭素などが挙げられる。例示した官能基は、シリカのシラノール基(Si−OH)と相互作用する。ここで、相互作用とは、たとえば、シリカのシラノール基との間で化学反応による化学結合または水素結合することを意味する。
残余ゴムとしては、たとえば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリスチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)などが挙げられる。また、ポリブタジエンゴム(BR)については、コバルト(Co)触媒、ネオジム(Nd)触媒、ニッケル(Ni)触媒、チタン(Ti)触媒、リチウム(Li)触媒を用いて合成したものに加えて、WO2007−129670に記載のメタロセン錯体を含む重合触媒組成物を用いて合成したもの、あるいはシンジオタクティック結晶を含むポリブタジエンゴムも使用可能である。残余ゴムは、例示したゴムのうち1種以上を含むことができる。なお、残余ゴムは、シリカのシラノール基と相互作用する官能基を含まないことが好ましい。たとえば、残余ゴムは、アミノ基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン基を含まないことが好ましい。
ゴム成分100質量%中の変性溶液重合SBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上である。一方、ゴム成分100質量%中の変性溶液重合SBRの含有量は、好ましくは90質量%以下、好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。
本発明に係るゴム組成物の製造方法は、混練機でシリカおよびシランカップリング剤を混練するステップ、ならびに混練機に残余ゴムを投入し、残余ゴム、シリカおよびシランカップリング剤を混練するステップを含む第1工程と、第1工程により得られた混合物、変性溶液重合SBR、亜鉛華および老化防止剤を混練する第2工程とを含む。本発明に係るゴム組成物の製造方法は、第2工程により得られた混練物、硫黄系加硫剤および加硫促進剤を混練する最終工程をさらに含むことができる。
第1工程
第1工程は、混練機でシリカおよびシランカップリング剤を混練するステップ、ならびにシリカおよびシランカップリング剤を混練するステップの後に、混練機に残余ゴムを投入し、残余ゴム、シリカおよびシランカップリング剤を混練するステップを含む。
残余ゴム、シリカおよびシランカップリング剤を混練するステップは、たとえば残余ゴム、シリカ、シランカップリング剤、ステアリン酸およびカーボンブラックを混練するステップであり、好ましくは残余ゴム、シリカ、シランカップリング剤、ステアリン酸、カーボンブラックおよびオイルを混練するステップである。
混練機としては、密閉式混練機を好適に使用できる。密閉式混練機としては、バンバリーミキサー、ニーダーなどが挙げられる。
シリカとしては、たとえば、湿式シリカ、乾式シリカを用いることができる。なかでも、含水ケイ酸を主成分とする湿式シリカを用いることが好ましい。
シリカの量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは2質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上である。シリカの量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、さらに好ましくは70質量部以下である。
シリカおよびシランカップリング剤を混練するステップにおけるシリカの量は、第1工程、第2工程および最終工程で混練機に投入するシリカの合計量100質量部に対して、好ましくは100質量部である。
シランカップリング剤としては、たとえば、ゴム成分に対し反応活性を有するシランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤としては、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(たとえば、デグサ社製「Si69」)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(たとえば、デグサ社製「Si75」)、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエキトシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィドなどのスルフィドシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプトシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−プロピオニルチオプロピルトリメトキシシランなどの保護化メルカプトシランが挙げられる。
シランカップリング剤の量は、シリカ100質量部に対し、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。一方、シランカップリング剤の量は、シリカ100質量部に対し、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。
シリカおよびシランカップリング剤を混練するステップにおけるシランカップリング剤の量は、第1工程、第2工程および最終工程で混練機に投入するシランカップリング剤の合計量100質量部に対して、好ましくは100質量部である。
カーボンブラックは、例えばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなど、通常のゴム工業で使用されるカーボンブラックの他、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラックを使用することができる。
カーボンブラックの量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは1質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。カーボンブラックの量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。
ステアリン酸の量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。ステアリン酸の量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
オイルの量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。オイルの量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは40質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。
シリカおよびシランカップリング剤を混練するステップにおける混練時間は、好ましくは5〜30秒である。5秒未満であると、低燃費性、湿潤路面性の向上効果が低下する傾向がある。30秒を超えると、低燃費性、湿潤路面性の向上効果が低下する傾向がある。
残余ゴム、シリカおよびシランカップリング剤を混練するステップにおいて、排出温度は、好ましくは130〜170℃である。ローター回転数は、好ましくは60〜120rpmである。
第2工程
第2工程は、混練機で、第1工程により得られた混合物、変性溶液重合SBR、亜鉛華および老化防止剤を混練する工程である。なお、第2工程は、混練機にシリカおよびシランカップリング剤を投入するステップを含まないことが好ましい。
亜鉛華の量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。亜鉛華の量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
老化防止剤としては、例えば、アミン系老化防止剤などを好適に使用できる。なお、アミン系老化防止剤は、シリカに対する相溶性が比較的高い。
老化防止剤の量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。老化防止剤の量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
第2工程における排出温度は、好ましくは130〜170℃である。ローター回転数は、好ましくは60〜120rpmである。
最終工程
最終工程は、第2工程により得られた混練物、硫黄系加硫剤および加硫促進剤を混練する工程である。
硫黄系加硫剤としての硫黄は通常のゴム用硫黄であればよく、例えば粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを用いることができる。
硫黄の量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。0.3質量部未満であると、加硫ゴムのゴム強度などが低下する傾向がある。一方、硫黄の量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4.5質量部以下である。6質量部をこえると、耐熱性および耐久性が悪化する傾向がある。
加硫促進剤としては、ゴム加硫用として通常用いられる、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などの加硫促進剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。
加硫促進剤の量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは1質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上である。加硫促進剤の量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。
最終工程における排出温度は、好ましくは90〜110℃である。ローター回転数は、好ましくは40〜80rpmである。
以上の方法により得られたゴム組成物は、空気入りタイヤに好適に使用できる。具体的には、空気入りタイヤのタイヤ部材の原料として好適に使用できる。より具体的には、トレッドなどの原料として好適に使用できる。
本発明に係る空気入りタイヤは、かかるゴム組成物を用いて得られたトレッドを含む。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例などについて説明する。
表1において、各配合剤の配合量を、ゴム成分100質量部に対する質量部数で示す。表1に記載の配合剤を以下に示す。
SBR JSR社製「SBR1502」
変性S−SBR JSR社製「HPR350」
シリカ 東ソー社製「ニプシールAQ」
シランカップリング剤 デグッサ社製「Si69」
疎水化シリカ デグッサ社製「Cupsil8113」(Si69で表面処理されたシリカ)
ステアリン酸 花王社製「ルナックS−20」
カーボンブラック 東海カーボン社製「N339シーストKH」
アロマオイル ジャパンエナジー社製「プロセスNC140」
亜鉛華 三井金属鉱業社製「亜鉛華1号」
老化防止剤 住友化学社製「アンチゲン6C」
硫黄 鶴見化学工業社製「5%油処理硫黄」
加硫促進剤1 三新化学工業社製「サンセラーDM−G」
加硫促進剤2 住友化学社製「ソクシノールCZ」
[未加硫ゴム組成物の調製]
実施例1および実施例2
表1の配合処方に従い、未加硫ゴム組成物を得た。具体的には、バンバリーミキサーにシリカおよびシランカップリング剤を投入し、表1の条件で混練した。バンバリーミキサーに、SBR、ステアリン酸、カーボンブラックおよびアロマオイルをさらに投入し、表1の条件で混練し、160℃で排出することにより第1混合物を得た。バンバリーミキサーで、第1混合物、変性S−SBR、亜鉛華および老化防止剤を表1の条件で混練し、160℃で排出することにより第2混合物を得た。バンバリーミキサーで、第2混合物、硫黄、加硫促進剤1および加硫促進剤2を表1の条件で混練し、100℃で排出することにより未加硫ゴム組成物を得た。
比較例1
バンバリーミキサーで、SBR、変性S−SBR、シリカ、シランカップリング剤、亜鉛華、老化防止剤、ステアリン酸、カーボンブラックおよびアロマオイルを表1の条件で混練し、160℃で排出することにより混合物を得た。バンバリーミキサーで、混合物、硫黄、加硫促進剤1および加硫促進剤2を表1の条件で混練し、100℃で排出することにより未加硫ゴム組成物を得た。
比較例2
バンバリーミキサーにシリカおよびシランカップリング剤を投入し、表1の条件で混練した。バンバリーミキサーに、変性S−SBR、ステアリン酸、カーボンブラックおよびアロマオイルをさらに投入し、表1の条件で混練し、160℃で排出することにより第1混合物を得た。バンバリーミキサーで、第1混合物、SBR、亜鉛華および老化防止剤を表1の条件で混練し、160℃で排出することにより第2混合物を得た。バンバリーミキサーで、第2混合物、硫黄、加硫促進剤1および加硫促進剤2を表1の条件で混練し、100℃で排出することにより未加硫ゴム組成物を得た。
比較例3
バンバリーミキサーにシリカおよびシランカップリング剤を投入し、表1の条件で混練した。バンバリーミキサーに、SBR、亜鉛華、老化防止剤、ステアリン酸、カーボンブラックおよびアロマオイルをさらに投入し、表1の条件で混練し、160℃で排出することにより第1混合物を得た。バンバリーミキサーで、第1混合物、変性S−SBRを表1の条件で混練し、160℃で排出することにより第2混合物を得た。バンバリーミキサーで、第2混合物、硫黄、加硫促進剤1および加硫促進剤2を表1の条件で混練し、100℃で排出することにより未加硫ゴム組成物を得た。
比較例4
バンバリーミキサーにシリカおよびシランカップリング剤を投入し、表1の条件で混練した。バンバリーミキサーに、SBR、変性S−SBR、亜鉛華、老化防止剤、ステアリン酸、カーボンブラックおよびアロマオイルをさらに投入し、表1の条件で混練し、160℃で排出することにより混合物を得た。バンバリーミキサーで、混合物、硫黄、加硫促進剤1および加硫促進剤2を表1の条件で混練し、100℃で排出することにより未加硫ゴム組成物を得た。
比較例5
バンバリーミキサーで、SBR、シリカ、シランカップリング剤、ステアリン酸、カーボンブラックおよびアロマオイルを表1の条件で混練し、160℃で排出することにより第1混合物を得た。バンバリーミキサーで、第1混合物、変性S−SBR、亜鉛華および老化防止剤を表1の条件で混練し、160℃で排出することにより第2混合物を得た。バンバリーミキサーで、第2混合物、硫黄、加硫促進剤1および加硫促進剤2を表1の条件で混練し、100℃で排出することにより未加硫ゴム組成物を得た。
比較例6
バンバリーミキサーで、SBR、疎水化シリカ、ステアリン酸、カーボンブラックおよびアロマオイルを表1の条件で混練し、160℃で排出することにより第1混合物を得た。バンバリーミキサーで、第1混合物、変性S−SBR、亜鉛華および老化防止剤を表1の条件で混練し、160℃で排出することにより第2混合物を得た。バンバリーミキサーで、第2混合物、硫黄、加硫促進剤1および加硫促進剤2を表1の条件で混練し、100℃で排出することにより未加硫ゴム組成物を得た。
[評価1]
未加硫ゴム組成物について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
ムーニー粘度
JIS K6300に準じて、100℃でのムーニー粘度ML(1+4)を測定し、比較例1を100とした指数で表示した。指数が小さいほど粘度が低く、加工性に優れることを示す。
スコーチ
JIS K6300に準じて、125℃でのスコーチタイムを測定し、比較例1を100とした指数で表示した。指数が大きいほどスコーチが長く、加工性に優れることを示す。
[評価2]
未加硫ゴム組成物を150℃、30分間の条件で加硫することにより、加硫ゴムを得た。加硫ゴムについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
湿潤路面制動性
リュプケ式反発弾性試験機を使用し、23℃の条件でJIS K6255に準じて、反発弾性(%)を測定した。反発弾性の逆数を求め、比較例1を100とした指数で表示した。指数が大きいほど湿潤路面性に優れることを示す。105以上を良とする。
低燃費性
動的粘弾性測定装置(上島製作所社製)を使用し、JIS K6394に準じて、周波数50Hz、動歪み1.0%、温度50℃の条件で損失係数tanδを測定した。比較例1を100とした指数で表示した。指数が小さいほどtanδが低く燃費性が良好であることを示す。95以下を良とする。
Figure 0006532736
実施例1〜2は、疎水化シリカを配合した比較例6と比べ、ムーニー粘度の上昇とスコーチが抑制された。さらに、実施例1および実施例2の低燃費性、湿潤路面性は比較例1〜6と比べ、優れていた。

Claims (5)

  1. アミノ基、アルコキシル基、ヒドロキシル基およびカルボキシル基からなる群より選ばれた少なくとも一つを有する変性溶液重合SBR残余ゴムを含むゴム組成物の製造方法であって、
    混練機でシリカおよびシランカップリング剤を混練するステップ、ならびに前記混練機に前記残余ゴムを投入し、前記残余ゴム、前記シリカおよび前記シランカップリング剤を混練するステップを含む第1工程と、
    前記第1工程により得られた混合物、前記変性溶液重合SBR、亜鉛華および老化防止剤を混練する第2工程と
    を含むゴム組成物の製造方法。
  2. 前記シリカおよび前記シランカップリング剤を混練する前記ステップは、前記シリカおよび前記シランカップリング剤を5〜30秒混練するステップである請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
  3. 前記残余ゴム、前記シリカおよび前記シランカップリング剤を混練する前記ステップは、前記残余ゴム、前記シリカ、前記シランカップリング剤、ステアリン酸およびカーボンブラックを混練するステップである請求項1または2に記載のゴム組成物の製造方法。
  4. 前記第2工程は、前記混練機で前記混合物、前記変性溶液重合SBR、前記亜鉛華および前記老化防止剤を混練する工程であり、前記混練機に前記シリカおよび前記シランカップリング剤を投入するステップを含まない請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法でゴム組成物を作製する工程と、
    前記ゴム組成物を用いてトレッドを作製する工程とを含む、
    空気入りタイヤの製造方法。
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