JP2012153759A - タイヤ用ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012153759A
JP2012153759A JP2011012081A JP2011012081A JP2012153759A JP 2012153759 A JP2012153759 A JP 2012153759A JP 2011012081 A JP2011012081 A JP 2011012081A JP 2011012081 A JP2011012081 A JP 2011012081A JP 2012153759 A JP2012153759 A JP 2012153759A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
discharge temperature
amine
mixture
mixing step
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011012081A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5631761B2 (ja
Inventor
Kazuya Hirabayashi
和也 平林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2011012081A priority Critical patent/JP5631761B2/ja
Publication of JP2012153759A publication Critical patent/JP2012153759A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5631761B2 publication Critical patent/JP5631761B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】加硫ゴムの物性を損なうことなく、メルカプトシランを用いた場合の加工性を改善する。
【解決手段】ジエン系ゴムにフィラーとメルカプトシランを含む添加剤を添加し、かつアミン系老化防止剤、加硫剤及び加硫促進剤を添加せずに混練機で混合し、第1排出温度にて混合物を排出する第1混合工程と、得られた混合物に、アミン系老化防止剤、加硫剤及び加硫促進剤を添加し混合する最終混合段階と、を含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法である。好ましくは、第1混合工程で得られた混合物を混練機で練り、第2排出温度にて混合物を排出する再練り工程を更に含み、該第2排出温度を120〜140℃に設定する。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤに用いられるゴム組成物の製造方法に関するものである。
従来、タイヤ用ゴム組成物においては、フィラーとしてシリカを配合することにより、湿潤路面でのグリップ性能であるウェット性能と転がり抵抗性能とのバランスを改良できることが知られている。シリカは、それ単体ではカーボンブラックに比べて補強性に劣り、またゴム組成物中に均一に分散させることが困難であるため、シランカップリング剤が併用されている。
シランカップリング剤としては、スルフィドシランやメルカプトシランなどがあり、なかでもメルカプトシランは、転がり抵抗低減の面で有利である。しかしながら、メルカプトシランは、ゴム組成物の混練中や押し出し工程中にやけ(スコーチ)が発生し、良好な物性を持つ加硫ゴムが得られない可能性がある。
かかるメルカプトシランのスコーチ性能を改善するために、下記特許文献1では、メルカプトシランとともにイソシアネート化合物を配合することが開示されており、また、下記特許文献2では、酸化亜鉛を多量に配合することが開示されている。しかしながら、これらの手法のように、他の添加剤を加えたり、一部の添加剤を増量する手法では、加硫ゴムの物性に影響を与えるおそれがあり、そのため、配合はそのままで工程面からスコーチ性能を改善することが求められる。
特開2006−089698号公報 特開2007−217465号公報
本発明は、以上の点に鑑み、加硫ゴムの物性を損なうことなく、メルカプトシランを用いた場合の加工性を改善することを目的とする。
本発明者は、ジエン系ゴムに加硫系配合剤を除く添加剤を添加し混合する第1混合工程でアミン系老化防止剤を添加せずに、該アミン系老化防止剤を加硫系配合剤とともに最終混合工程で添加することにより、メルカプトシランの自己縮合反応を抑制して上記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、ジエン系ゴムにフィラーとメルカプトシランを含む添加剤を添加し、かつアミン系老化防止剤、加硫剤及び加硫促進剤を添加せずに混練機で混合し、第1排出温度にて混合物を排出する第1混合工程と、得られた混合物に、アミン系老化防止剤、加硫剤及び加硫促進剤を添加し混合する最終混合段階と、を含むものである。
本発明によれば、アミン系老化防止剤の添加を、通常の第1混合工程ではなく、最終混合工程にすることにより、加硫ゴムの物性を損なうことなく、メルカプトシランを用いた場合の加工性を改善することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴムと、フィラーと、メルカプトシランと、アミン系老化防止剤と、加硫剤と、加硫促進剤とを含有する。
該ゴム組成物においてゴム成分として用いられる上記ジエン系ゴムとしては、タイヤ用ゴム組成物において一般的に用いられる各種ジエン系ゴムを用いることができ、特に限定されない。具体的には、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。ジエン系ゴムとして、好ましくは、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、又はこれらの2種以上のブレンドである。
上記フィラーとしては、例えば、シリカ、カーボンブラック、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、クレー、タルクなどの各種無機フィラーを用いることができ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、シリカ単独、又はシリカとカーボンブラックとの併用であることが好ましい。シリカとしては、特に限定されないが、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられ、特に含水珪酸を主成分とする湿式シリカを用いることが好ましい。また、カーボンブラックとしても、特に限定されず、ゴム用補強剤として使用されているSAF、ISAF、HAF、FEF、GPF等の各種カーボンブラックを用いることができる。
上記フィラーの配合量は、特に限定されないが、ジエン系ゴム100質量部に対して20〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは30〜150質量部である。また、好ましい態様として、シリカを用いる場合、シリカの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対して10〜150質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜100質量部である。また、フィラーとしてシリカとカーボンブラックを併用する場合、両者の合計量がジエン系ゴム100質量部に対して20〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは30〜150質量部である。
上記メルカプトシランは、フィラーをジエン系ゴム中に分散、カップリングさせるためのシランカップリング剤として配合されるものであり、フィラー表面の水酸基と反応し得るアルコキシ基と、ジエン系ゴムと反応し得る官能基としてメルカプト基(−SH)を有するカップリング剤であれば特に限定されない。具体的には、下記一般式(1)で表されるものが好ましく用いられる。
(R(RSi−R−SH …(1)
式中、Rは、炭素数1〜3のアルコキシ基であり、より好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。Rは、炭素数1〜40のアルキル基、アルケニル基又はアルキルポリエーテル基であり、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルケニル基、又は、−O−(R−O)−R(ここで、Rは炭素数1〜4のアルキレン基、Rは炭素数1〜16のアルキル基、k=1〜20であることが好ましい。)で表されるアルキルポリエーテル基である。Rは、炭素数1〜16のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基である。m=1〜3、m+n=3である。なお、R,Rは、それぞれ1分子中に複数有する場合、それらは同一でも異なってもよい。
該一般式(1)で表されるメルカプトシランの具体例としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシラン、及びエボニック・デグサ社製「VP Si363」(R:OC、R:O(CO)−C1327、R:−(CH−、m=平均1、n=平均2、k=平均5)などが好ましいものとして挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
メルカプトシランの配合量は、特に限定されないが、上記フィラー100質量部(より好ましくはシリカ100質量部)に対して1〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは3〜15質量部である。
上記アミン系老化防止剤としては、例えば、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン(DNPD)、N−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンなどのp−フェニレンジアミン系老化防止剤;p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(CD)、オクチル化ジフェニルアミン(ODPA)、スチレン化ジフェニルアミンなどのジフェニルアミン系老化防止剤;N−フェニル−1−ナフチルアミン(PAN)、N−フェニル−2−ナフチルアミン(PBN)等のナフチルアミン系老化防止剤などの各種芳香族第二級アミン系老化防止剤が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤を用いることが耐候性の点から好ましい。アミン系老化防止剤の配合量は、特に限定されないが、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜5質量部である。
上記加硫剤としては、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄などの硫黄、塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィドなど硫黄化合物、過酸化物などが挙げられ、その中でも、特に、硫黄が好ましい。加硫剤の配合量は、特に限定されないが、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
上記加硫促進剤としては、その種類は特に制限されず用いることができる。例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(OBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DPBS)、N,N−ジシクロヘキル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)などのスルフェンアミド系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBZTD)などのチウラム系加硫促進剤;2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾールの塩(亜鉛塩(ZnMBT)、ナトリウム塩(NaMBT)、シクロヘキシルアミン塩(CMBT)など)、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールなどのチアゾール系加硫促進剤;1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)などのグアニジン系加硫促進剤;ヘキサメチレンテトラミン(H)などのアルデヒド−アミン系加硫促進剤などの各種加硫促進剤が挙げられる。これらの中でも、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤から選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、特に好ましくはスルフェンアミド系加硫促進剤を用いることである。加硫促進剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
実施形態に係るゴム組成物には、上記成分の他に、アミン系老化防止剤以外の老化防止剤、オイルなどの軟化剤、ステアリン酸、亜鉛華、ワックスなど、タイヤ用ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。
本実施形態に係るゴム組成物の製造方法は、ジエン系ゴムにフィラーとメルカプトシランを含む添加剤を添加し、かつアミン系老化防止剤と加硫剤と加硫促進剤を添加せずに混練機で混合する第1混合工程と、該第1混合工程で得られた混合物を混練機で練る再練り工程と、該再練り工程で得られた混合物にアミン系老化防止剤と加硫剤と加硫促進剤を添加し混合する最終混合工程とからなる。ここで、混練機としては、密閉式混練機であるバンバリーミキサーなどの公知の各種ゴム用混練機を用いることができる。
上記第1混合工程では、混練機に、ジエン系ゴムを投入するとともに、アミン系老化防止剤、加硫剤及び加硫促進剤を除く添加剤を投入して、混練りを行う。混練すると、剪断による発熱で温度が上昇するので、所定の第1排出温度にて混合物を混練機から排出する。第1排出温度としては、添加剤の分散性を向上するために、150℃以上に設定される。第1排出温度の上限は特に限定されないが、通常は200℃以下である。第1排出温度は、より好ましくは160〜180℃である。混練機から排出された混合物は、通常、常温下に放置することで冷却される。その際、混合物をシート状に引き伸ばしておくことにより、冷却効果を高めることができる。
このように本実施形態では、第1混合工程においてアミン系老化防止剤を添加しないことを特徴とする。すなわち、通常、この種の老化防止剤は、ジエン系ゴムへの分散性を高めるために、フィラー等の他の添加剤とともに第1混合工程で添加されるが、本実施形態では、かかる技術常識に反して、敢えてアミン系老化防止剤を第1混合工程では添加せず、最終混合工程において加硫系配合剤とともに添加する。その理由は次の通りである。すなわち、メルカプトシランは自己縮合反応により両末端にメルカプト基を有する構造に変化するので、これがジエン系ゴムのポリマー−ポリマー間で反応することにより加工性の悪化を招く。また、メルカプトシランはスルフィドシランに比べて酸性であり、塩基性であるアミン系老化防止剤が同居すると、混合ゴムが塩基性にシフトし、自己縮合反応が促進される。そのため、本実施形態では、このように自己縮合反応を促進するアミン系老化防止剤を最終混合工程で添加するようにしており、これによりメルカプトシランの自己縮合反応を抑制することができ、従って、他の物性を損なうことなく、加工性を改善することができる。
上記再練り工程では、第1混合工程で得られた冷却後の混合物を混練機に投入して、再練りを行う。再練り工程では、特に添加剤を添加せずに、混練りのみを行うことが好ましい。再練り工程でも、混練により温度が上昇するので、所定の第2排出温度にて混合物を混練機から排出する。
この再練り工程における排出温度(第2排出温度)は、第1混合工程での排出温度と同じ温度に設定することもできるが、120〜140℃に設定することが好ましい。すなわち、一般に再練り工程では第1混合工程と同じ排出温度に設定されるが、第1混合工程での排出温度よりも低い温度に設定することがより好ましい態様である。上記のようにメルカプトシランは自己縮合反応により加工性の悪化を招くが、再練り時の第2排出温度を上記のように120〜140℃に設定することにより、メルカプトシランの自己縮合反応を更に抑制することができ、従って、加工性を更に改善することができる。
再練り工程において、混練機から排出された混合物は、第1混合工程後と同様に、常温下で放置されることにより冷却された後、最終混合工程において、アミン系老化防止剤と加硫剤と加硫促進剤が混合される。詳細には、最終混合工程では、混練機に、再練り工程で得られた混合物を投入するとともに、アミン系老化防止剤、加硫剤及び加硫促進剤を投入して、混練りを行い、所定の排出温度で混合物を混練機から排出する。最終混合工程では、加硫剤及び加硫促進剤の反応を抑えるために、排出温度(第3排出温度)が、第1及び第2排出温度よりも低く設定されることが好ましく、すなわち、第3排出温度は120℃未満であることが好ましく、より好ましくは90〜110℃に設定される。
なお、上記実施形態では、第1混合工程で、アミン系老化防止剤と加硫剤と加硫促進剤以外の全ての添加剤を投入することにしたが、例えば、第1混合工程に先立つ予備混合工程において、ジエン系ゴムに添加剤の一部を添加し混合しておいてもよい。また、最終混合段階で、アミン系老化防止剤と加硫剤と加硫促進剤以外の添加剤を配合してもよい。
このようにして得られたゴム組成物は、その用途は特に制限されず、乗用車用、トラックやバスの大型タイヤなど各種用途、サイズの空気入りタイヤのトレッド部、サイドウォール部、ビード部、タイヤコード被覆用ゴムなどタイヤの各部位に適用することができる。すなわち、該ゴム組成物は、常法に従い、例えば、押出加工によって所定の形状に成形され、他の部品と組み合わせた後、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、空気入りタイヤを製造することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、実施例及び比較例の各ゴム組成物を調製した。詳細には、まず、第1ステップとしての第1混合工程(NP)で、硫黄と加硫促進剤を除く成分を添加混合し、第1排出温度(160℃)で混合物を排出した。該混合物をシート状に引き伸ばした後、常温下に放置して冷却した。次いで、第2ステップとしての再練り工程(リミル)で、該冷却した混合物を再練りし、第2排出温度で混合物を排出した後、得られた混合物をシート状に引き伸ばし、常温下に放置して冷却した。その後、第3ステップとしての最終混合工程(ファイナル)で、得られた混合物に硫黄と加硫促進剤を添加混合し、第3排出温度(100℃)で混合物を排出することで、各ゴム組成物を得た。但し、アミン系老化防止剤については、表1に示す各投入ステップで添加した。また、第2排出温度は、表1中に記載した通りとした。表1中の各成分の詳細は、以下の通りである。
・SBR1:ランクセス社製「VSL5025」
・SBR2:JSR(株)製「SBR1502」
・カーボンブラック:N339、東海カーボン(株)製「シーストKH」
・シリカ:東ソー・シリカ(株)「ニップシールAQ」
・メルカプトシラン1:エボニック・デグサ社製「VP Si363」
・メルカプトシラン2:エボニック・デグサ社製「VP Si263」(3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、(C2H5O)3Si(CH2)3-SH)
・ スルフィドシラン:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、エボニック・デグサ社製「Si75」
・オイル:(株)ジャパンエナジー製「プロセスNC140」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS20」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1種」
・アミン系老化防止剤:住友化学工業(株)製「アンチゲン6C」、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(6PPD)
・ワックス:大内新興化学工業(株)製「サンノックN」
・加硫促進剤:住友化学工業(株)製「ソクシノールCZ」、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」
各ゴム組成物について、ムーニー粘度、シート肌状態、引き裂き力、損失正接tanδを評価した。各評価方法は以下の通りである。
・ムーニー粘度:加工性の指標であり、JIS K6300に準拠して、未加硫ゴムを100℃で1分間余熱後、4分後のトルク値をムーニー単位で測定した値の逆数について、比較例1の値を100とした指数で表示した。数値大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを意味する。
・シート肌状態:最終混合工程で排出した未加硫ゴムを8インチロールにてシート状にし、表面及び両端部の状態を観察した。表面及び両端部が滑らかな状態にあるものを「○」、表面がごつごつし、両端部がギザギザ状のいずれか少なくとも一方に該当するものを加工性に劣るものとして「×」と表示した。
・引き裂き力:150℃×30分間で加硫したサンプルを、JIS K6252規定のクレセント形で打ち抜き、くぼみ中央に0.50±0.08mmの切れ込みを入れて試験用サンプルを作製し、該試験用サンプルについて、島津製作所製の引張り試験機によって500mm/分の引張り速度で引裂試験を行った。比較例1の値を100とした指数で表示し、数値が高いほど引き裂き力が高く、良好であることを意味する。
・tanδ:150℃×30分間で加硫したサンプルにつき、東洋精機(株)製の粘弾性試験機を使用し、周波数10Hz,静歪10%, 動歪1%, 温度60℃で損失係数tanδを測定し、tanδの逆数について比較例1の値を100とした指数で示した。数値大きいほど、発熱しにくく(低発熱性に優れる)、従ってタイヤの転がり抵抗が低いことを示す。
Figure 2012153759
結果は表1に示す通りであり、アミン系老化防止剤を第1ステップ(第1混合工程)で添加した比較例1では、混練中にやけが発生しシート肌状態が不良で加工性に劣っていた。アミン系老化防止剤を第2ステップ(再練り工程)で添加した比較例2についても、シート肌状態が依然として劣っていた。これに対し、アミン系老化防止剤を第3ステップ(最終混合工程)で添加した実施例1〜3であると、比較例1に対し、ムーニー粘度が低く、シート肌状態も良好で、加工性に優れるとともに、シリカの分散性が改善されたためか、引き裂き力も向上しており、低発熱性についても向上していた。特に、第2ステップ(再練り工程)での排出温度を120〜140℃に設定した実施例2,3であると、実施例1に対して、加工性(ムーニー粘度)、引き裂き力及び低発熱性の全てにおいて、更なる向上効果が認められた。また、メルカプトシランの種類を代えた場合についても、アミン系老化防止剤を第1ステップや第2ステップで添加した比較例4,5では加工性に劣っていたのに対し、アミン系老化防止剤を第3ステップで添加した実施例4〜6であると、比較例4に比べて、ムーニー粘度が低く、シート肌状態も良好で、加工性に優れるとともに、引き裂き力及び低発熱性においても向上効果が認められた。なお、スルフィドシランを用いた比較例3では、tanδが高く、メルカプトシランのような優れた低発熱効果は得られなかった。

Claims (3)

  1. ジエン系ゴムにフィラーとメルカプトシランを含む添加剤を添加し、かつアミン系老化防止剤、加硫剤及び加硫促進剤を添加せずに混練機で混合し、第1排出温度にて混合物を排出する第1混合工程と、
    得られた混合物に、アミン系老化防止剤、加硫剤及び加硫促進剤を添加し混合する最終混合段階と、
    を含むことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  2. 前記第1混合工程で得られた混合物を混練機で練り、第2排出温度にて混合物を排出する再練り工程を更に含み、該再練り工程で得られた混合物に前記最終混合工程を行うものであって、前記第2排出温度が120〜140℃の範囲内であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  3. 前記第1排出温度が150℃以上であることを特徴とする請求項2記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
JP2011012081A 2011-01-24 2011-01-24 タイヤ用ゴム組成物の製造方法 Active JP5631761B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011012081A JP5631761B2 (ja) 2011-01-24 2011-01-24 タイヤ用ゴム組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011012081A JP5631761B2 (ja) 2011-01-24 2011-01-24 タイヤ用ゴム組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012153759A true JP2012153759A (ja) 2012-08-16
JP5631761B2 JP5631761B2 (ja) 2014-11-26

Family

ID=46835843

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011012081A Active JP5631761B2 (ja) 2011-01-24 2011-01-24 タイヤ用ゴム組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5631761B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013047356A1 (ja) * 2011-09-30 2013-04-04 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤ
JP2015168751A (ja) * 2014-03-06 2015-09-28 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物の製造方法
TWI595035B (zh) * 2013-03-29 2017-08-11 Kuraray Co 橡膠組成物、加硫橡膠及輪胎
JP2018513265A (ja) * 2015-04-22 2018-05-24 華南理工大学 イオン液体をフィラーのシラン化反応のインサイチュ触媒とする高性能トレッドゴムの製造方法
JP2019206642A (ja) * 2018-05-29 2019-12-05 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物の製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001279028A (ja) * 2000-03-28 2001-10-10 Degussa Ag ゴム混合物、その製造法、その使用およびそれにより得られる成形体
JP2004511600A (ja) * 2000-10-13 2004-04-15 株式会社ブリヂストン メルカプトシランおよびアルキルアルコキシシランと共にコンパウンド化したシリカ補強ゴム
JP2005272630A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ゴム組成物
WO2008123306A1 (ja) * 2007-03-27 2008-10-16 Bridgestone Corporation タイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法
JP2010505999A (ja) * 2006-10-06 2010-02-25 モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド メルカプト官能性シランを含む弾性体組成物およびその作製のプロセス
JP2010514764A (ja) * 2006-12-28 2010-05-06 モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド ブロック化メルカプトシランカップリング剤、製造プロセス、およびラバー組成物における使用

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001279028A (ja) * 2000-03-28 2001-10-10 Degussa Ag ゴム混合物、その製造法、その使用およびそれにより得られる成形体
JP2004511600A (ja) * 2000-10-13 2004-04-15 株式会社ブリヂストン メルカプトシランおよびアルキルアルコキシシランと共にコンパウンド化したシリカ補強ゴム
JP2005272630A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ゴム組成物
JP2010505999A (ja) * 2006-10-06 2010-02-25 モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド メルカプト官能性シランを含む弾性体組成物およびその作製のプロセス
JP2010514764A (ja) * 2006-12-28 2010-05-06 モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド ブロック化メルカプトシランカップリング剤、製造プロセス、およびラバー組成物における使用
WO2008123306A1 (ja) * 2007-03-27 2008-10-16 Bridgestone Corporation タイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013047356A1 (ja) * 2011-09-30 2013-04-04 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤ
JP2013075977A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ用ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤ
TWI595035B (zh) * 2013-03-29 2017-08-11 Kuraray Co 橡膠組成物、加硫橡膠及輪胎
JP2015168751A (ja) * 2014-03-06 2015-09-28 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物の製造方法
JP2018513265A (ja) * 2015-04-22 2018-05-24 華南理工大学 イオン液体をフィラーのシラン化反応のインサイチュ触媒とする高性能トレッドゴムの製造方法
JP2019206642A (ja) * 2018-05-29 2019-12-05 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5631761B2 (ja) 2014-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5719823B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5719822B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2016191018A (ja) ゴム組成物の製造方法、ゴム組成物および空気入りタイヤ
EP3348600B1 (en) Method for producing rubber composition for tires, and method for producing tire
JP2008156446A (ja) 特定のタイヤ部材用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
JP2010285514A (ja) ランフラットタイヤ用ゴム組成物及びランフラットタイヤ
JP5631761B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物の製造方法
JP5269370B2 (ja) 競技用タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたトレッドを有する競技用タイヤ
JP2013147581A (ja) ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
JP5536419B2 (ja) キャップトレッド用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ
JP2012153758A (ja) タイヤ用ゴム組成物の製造方法
JP6420196B2 (ja) ゴム組成物の製造方法
JP2007177111A (ja) カーカスコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
JP2012180386A (ja) ビードエイペックス又はクリンチ用ゴム組成物、及び空気入りタイヤ
JP5437695B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5992792B2 (ja) トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2010254857A (ja) ウイング又はラバーチェーファー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2011038058A (ja) ベーストレッド用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ
JP5501812B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6326334B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6147594B2 (ja) タイヤサイドウォール用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6660713B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5082571B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP6196872B2 (ja) ゴム組成物の製造方法
JP5466434B2 (ja) サイドウォール用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130806

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140520

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140930

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141008

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5631761

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250