JP2017075265A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】低燃費性能に優れ、同時に加工性および強靭性も優れるタイヤを得ることができるゴム組成物の提供。
【解決手段】天然ゴムおよび/または合成ポリイソプレンを50質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜150m2/gであるカーボンブラックを5〜60質量部、酸化アンチモン化合物を1〜25質量部含み、さらに硫黄含有シランカップリング剤を、前記酸化アンチモン化合物の含有量に対する比率で3〜20質量%含み、引張試験を行った場合に破断伸びが300%以上となる、タイヤ用ゴム組成物。
【選択図】図1
【解決手段】天然ゴムおよび/または合成ポリイソプレンを50質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜150m2/gであるカーボンブラックを5〜60質量部、酸化アンチモン化合物を1〜25質量部含み、さらに硫黄含有シランカップリング剤を、前記酸化アンチモン化合物の含有量に対する比率で3〜20質量%含み、引張試験を行った場合に破断伸びが300%以上となる、タイヤ用ゴム組成物。
【選択図】図1
Description
本発明はタイヤ用ゴム組成物に関する。
近年、空気入りタイヤにはラベリング(表示方法)制度が施行され、より高度な低燃費化技術が求められている。
従来、シリカを配合することでタイヤの低転がり抵抗性を改善する手法が提案されているが、同時に粘度が上昇して加工性が悪化し、加えて強靭性も悪化する傾向があった。
従来、シリカを配合することでタイヤの低転がり抵抗性を改善する手法が提案されているが、同時に粘度が上昇して加工性が悪化し、加えて強靭性も悪化する傾向があった。
一方、タイヤ用ゴム組成物に関連する従来法として、例えば特許文献1に記載のものが提案されている。
特許文献1には、共役ジエン化合物由来部分の含有量が40mol%以上である共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)と、共役ジエン系重合体(B)と、エチレン−プロピレン−ジエンゴムを含有する非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)とを含むことを特徴とするゴム組成物が記載されており、共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)は、三塩化アンチモン、五塩化アンチモンを含む特定の化合物を重合触媒組成物として用いて、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとを重合させることが記載されている。
特許文献1には、共役ジエン化合物由来部分の含有量が40mol%以上である共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)と、共役ジエン系重合体(B)と、エチレン−プロピレン−ジエンゴムを含有する非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)とを含むことを特徴とするゴム組成物が記載されており、共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)は、三塩化アンチモン、五塩化アンチモンを含む特定の化合物を重合触媒組成物として用いて、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとを重合させることが記載されている。
上記のように、低燃費性能に優れ、同時に加工性および強靭性にも優れるタイヤを得ることができるゴム組成物は、従来、提案されていなかった。
本発明の目的は、低燃費性能に優れ、同時に加工性および強靭性も優れるタイヤを得ることができるゴム組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するための鋭意検討を重ね、特定の比率で、特定のジエン系ゴム、カーボンブラック、酸化アンチモン化合物、硫黄含有シランカップリング剤を含む、特定の物性を備えるゴム組成物が、上記の目的を達成することを見出し、本発明を完成させた。
なお、特許文献1に記載のゴム組成物では、その製造過程において、触媒として、三塩化アンチモンまたは五塩化アンチモンを用い得ることが記載されているが、製造して最終的に得られるゴム組成物に、その製造過程において用いた触媒としての三塩化アンチモンまたは五塩化アンチモンは含まれない。
本発明は以下の(1)〜(4)である。
(1)天然ゴムおよび/または合成ポリイソプレンを50質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜150m2/gであるカーボンブラックを5〜60質量部、酸化アンチモン化合物を1〜25質量部含み、さらに硫黄含有シランカップリング剤を、前記酸化アンチモン化合物の含有量に対する比率で3〜20質量%含み、引張試験を行った場合に破断伸びが300%以上となる、タイヤ用ゴム組成物。
(2)さらに、前記ジエン系ゴム100質量部に対してシリカを10〜90質量部含み、前記硫黄含有シランカップリング剤を、前記シリカと前記酸化アンチモン化合物との合計量に対する比率で3〜20質量%含む、上記(1)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(3)前記酸化アンチモン化合物が、平均粒子径が20〜60nmの微粒子であることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム組成物をアンダートレッドに用いた空気入りタイヤ。
(1)天然ゴムおよび/または合成ポリイソプレンを50質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜150m2/gであるカーボンブラックを5〜60質量部、酸化アンチモン化合物を1〜25質量部含み、さらに硫黄含有シランカップリング剤を、前記酸化アンチモン化合物の含有量に対する比率で3〜20質量%含み、引張試験を行った場合に破断伸びが300%以上となる、タイヤ用ゴム組成物。
(2)さらに、前記ジエン系ゴム100質量部に対してシリカを10〜90質量部含み、前記硫黄含有シランカップリング剤を、前記シリカと前記酸化アンチモン化合物との合計量に対する比率で3〜20質量%含む、上記(1)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(3)前記酸化アンチモン化合物が、平均粒子径が20〜60nmの微粒子であることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム組成物をアンダートレッドに用いた空気入りタイヤ。
本発明によれば、低燃費性能に優れ、同時に加工性および強靭性も優れるタイヤを得ることができるゴム組成物を提供することができる。
本発明について説明する。
本発明は、天然ゴムおよび/または合成ポリイソプレンを50質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜150m2/gであるカーボンブラックを5〜60質量部、酸化アンチモン化合物を1〜25質量部含み、さらに硫黄含有シランカップリング剤を、前記酸化アンチモン化合物の含有量に対する比率で3〜20質量%含み、引張試験を行った場合に破断伸びが300%以上となる、タイヤ用ゴム組成物である。
このようなタイヤ用ゴム組成物を、以下では「本発明の組成物」ともいう。
本発明は、天然ゴムおよび/または合成ポリイソプレンを50質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜150m2/gであるカーボンブラックを5〜60質量部、酸化アンチモン化合物を1〜25質量部含み、さらに硫黄含有シランカップリング剤を、前記酸化アンチモン化合物の含有量に対する比率で3〜20質量%含み、引張試験を行った場合に破断伸びが300%以上となる、タイヤ用ゴム組成物である。
このようなタイヤ用ゴム組成物を、以下では「本発明の組成物」ともいう。
<ジエン系ゴム>
本発明の組成物が含有するジエン系ゴムは、天然ゴムおよび/または合成ポリイソプレンを50質量%以上含む。すなわち、前記ジエン系ゴムが含む天然ゴムと合成ポリイソプレンとの合計含有率は50質量%以上である。この合計含有率が低すぎると、破断物性が悪化する傾向がある。
本発明の組成物が含有するジエン系ゴムは、天然ゴムおよび/または合成ポリイソプレンを50質量%以上含む。すなわち、前記ジエン系ゴムが含む天然ゴムと合成ポリイソプレンとの合計含有率は50質量%以上である。この合計含有率が低すぎると、破断物性が悪化する傾向がある。
前記ジエン系ゴムが含んでもよい、天然ゴムおよび合成ポリイソプレン以外の成分は、主鎖に二重結合を有するジエン系ゴムであれば特に限定されない。具体例としては、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造は特に制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
ジエン系ゴムとして、ウェット性能と低燃費性能とのバランスが取れるという理由から、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)を用いるのが好ましく、これらを併用するのがより好ましい。
ジエン系ゴムとしてスチレン・ブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)を併用する場合には、ジエン系ゴム中、SBRが10〜50質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。この範囲内であると、加硫後のゴム組成物の一般的物性がより良好なものとなる。
ジエン系ゴムとしてスチレン・ブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)を併用する場合には、ジエン系ゴム中、SBRが10〜50質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。この範囲内であると、加硫後のゴム組成物の一般的物性がより良好なものとなる。
<カーボンブラック>
本発明の組成物が含有するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜150m2/gであり、30〜120m2/gであることが好ましく、35〜100m2/gであることがより好ましい。
なお、窒素吸着比表面積(N2SA)はJIS K6217−2に準拠して求めた値である。
本発明の組成物が含有するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜150m2/gであり、30〜120m2/gであることが好ましく、35〜100m2/gであることがより好ましい。
なお、窒素吸着比表面積(N2SA)はJIS K6217−2に準拠して求めた値である。
本発明の組成物が含有するカーボンブラックはDBP吸収量が70〜130cm3/100gであることが好ましく、80〜110cm3/100gであることがより好ましい。
なお、JIS K6217−4吸油量A法に準拠して求めた値である。
なお、JIS K6217−4吸油量A法に準拠して求めた値である。
上記のカーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)とDBP吸収量との差は大きい程好ましく、具体的に両者の差は150〜200の範囲であるのがよい。
本発明においては、前記カーボンブラックの含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して5〜60質量部であり、得られるゴムの強靭性と低燃費性能のバランスが良好となるため、10〜55質量部であることがより好ましく、15〜50質量部であることがさらに好ましい。
<酸化アンチモン化合物>
本発明の組成物が含有する酸化アンチモン化合物は特に限定されず、平均粒子径が20〜60nmの微粒子であることが好ましく、25〜50nmの微粒子であることがより好ましい。
本発明の組成物が含有する酸化アンチモン化合物は特に限定されず、平均粒子径が20〜60nmの微粒子であることが好ましく、25〜50nmの微粒子であることがより好ましい。
平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、酸化アンチモン化合物を倍率5000倍で写真撮影し、得られた写真から任意に500個を選び、ノギスを用いて各々の投影面積円相当径を測定して積算粒度分布(体積基準)を求め、それより平均粒子径(メジアン径)を算出して求める値とする。
酸化アンチモン化合物として、酸化アンチモンスズ、酸化アンチモン亜鉛、酸化アンチモンチタンが挙げられる。
また、酸化アンチモン化合物は、酸化アンチモンを含むものとする。
本発明の組成物が含む酸化アンチモン化合物は、酸化アンチモン−スズ系または酸化アンチモン−インジウム系であることが好ましい。スズまたはインジウム系化合物を配合することでゴムに導電性を付与することができるため、シリカ配合ゴムの帯電防止が可能となる。
また、酸化アンチモン化合物は、酸化アンチモンを含むものとする。
本発明の組成物が含む酸化アンチモン化合物は、酸化アンチモン−スズ系または酸化アンチモン−インジウム系であることが好ましい。スズまたはインジウム系化合物を配合することでゴムに導電性を付与することができるため、シリカ配合ゴムの帯電防止が可能となる。
本発明において前記酸化アンチモン化合物の含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して1〜25質量部であり、5〜25質量部であることがより好ましい。酸化アンチモン化合物の配合量が1質量部未満の場合、タイヤの低転がり性、強靭性および加工能が改善されず、25質量部より多くなると加工性、強靭性および破断伸びが低下する傾向がある。
<シリカ>
本発明の組成物はシリカを含有することが好ましい。
本発明の組成物がシリカを含有する場合、シリカは特に限定されず、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意のシリカを用いることができる。
本発明の組成物はシリカを含有することが好ましい。
本発明の組成物がシリカを含有する場合、シリカは特に限定されず、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意のシリカを用いることができる。
前記シリカとしては、具体的には、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、前記シリカの含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して1〜30質量部であることが好ましく、得られるゴムの強靭性と低燃費性能のバランスが良好となるため、5〜30質量部であることがより好ましく、5〜25質量部であることがさらに好ましい。
<硫黄含有シランカップリング剤>
本発明の組成物に含有する硫黄含有シランカップリング剤は特に限定されず、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意の硫黄を含有するシランカップリング剤を用いることができる。
本発明の組成物に含有する硫黄含有シランカップリング剤は特に限定されず、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意の硫黄を含有するシランカップリング剤を用いることができる。
前記硫黄含有シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリエトキシシリルプロピル−メタクリレート−モノスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、ビス−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]ジスルフィド、3−メルカプトプロピル−トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル−トリエトキシシラン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、前記硫黄含有シランカップリング剤の含有量は、前記シリカと前記酸化アンチモン化合物との合計量(シリカを含まない場合は酸化アンチモン化合物のみの含有量)に対する比率(硫黄含有シランカップリング剤の含有量/(シリカの含有量+酸化アンチモン化合物の含有量)×100)として3〜20質量%であり、5〜15質量%であることが好ましく、7〜10質量%であることがより好ましい。前記硫黄含有シランカップリング剤の配合量が前記シリカと前記酸化アンチモン化合物との合計量(シリカを含まない場合は酸化アンチモン化合物のみの含有量)に対する比率が3質量%未満の場合、タイヤの低燃費性能や加工性および強靭性が改善されずゴムの加工性も悪化する。一方、前記シリカと前記酸化アンチモン化合物との合計量に対する比率が20質量%より高くなると、強靭性が低下する傾向がある。
<その他の成分>
本発明の組成物には、上記の成分の他に、芳香族性テルペン樹脂、シリカおよびカーボンブラック以外のフィラー、上記の硫黄含有シランカップリング剤以外のシランカップリング剤、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤、酸化亜鉛、軟化剤(オイル)、老化防止剤、可塑剤等のタイヤ用ゴム組成物に一般的に用いられている各種のその他添加剤を配合することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明の組成物には、上記の成分の他に、芳香族性テルペン樹脂、シリカおよびカーボンブラック以外のフィラー、上記の硫黄含有シランカップリング剤以外のシランカップリング剤、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤、酸化亜鉛、軟化剤(オイル)、老化防止剤、可塑剤等のタイヤ用ゴム組成物に一般的に用いられている各種のその他添加剤を配合することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
例えば、加硫剤または架橋剤の含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して0.3〜3.0質量部であることが好ましく、0.5〜2.5質量部であることがより好ましい。
加硫促進剤または架橋促進剤の含有量は、一次促進剤単独もしくは二次とのブレンドで前記ジエン系ゴム100質量部に対して0.5〜4.0質量部であることが好ましく、1.0〜2.5質量部であることがより好ましい。
酸化亜鉛の含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して0.2〜10.0質量部であることが好ましく、0.4〜5.0質量部であることがより好ましい。
軟化剤(オイル)の含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して10〜60質量部であることが好ましく、15〜45質量部であることがより好ましい。
老化防止剤の含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜5.0質量部であることが好ましく、0.2〜4.0質量部であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂のような可塑剤の含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して0〜30質量部であることが好ましく、0〜20質量部であることがより好ましい。
加硫促進剤または架橋促進剤の含有量は、一次促進剤単独もしくは二次とのブレンドで前記ジエン系ゴム100質量部に対して0.5〜4.0質量部であることが好ましく、1.0〜2.5質量部であることがより好ましい。
酸化亜鉛の含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して0.2〜10.0質量部であることが好ましく、0.4〜5.0質量部であることがより好ましい。
軟化剤(オイル)の含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して10〜60質量部であることが好ましく、15〜45質量部であることがより好ましい。
老化防止剤の含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜5.0質量部であることが好ましく、0.2〜4.0質量部であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂のような可塑剤の含有量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対して0〜30質量部であることが好ましく、0〜20質量部であることがより好ましい。
<物性:破断伸び>
本発明の組成物は上記のような各成分を含み、引張試験を行った場合に破断伸びが300%以上となる。
すなわち、本発明の組成物(未加硫)を金型(15cm×15cm×0.2cm)中、160℃で20分間プレス加硫して加硫ゴムシートを作製し、JIS K6251:2010に準拠して、JIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、温度100℃、引張り速度500mm/分の条件で引張試験を行って測定される破断時の伸びが300%以上となる。
この破断伸びは300%以上であることが好ましく、350%以上であることがより好ましい。
本発明の組成物は上記のような各成分を含み、引張試験を行った場合に破断伸びが300%以上となる。
すなわち、本発明の組成物(未加硫)を金型(15cm×15cm×0.2cm)中、160℃で20分間プレス加硫して加硫ゴムシートを作製し、JIS K6251:2010に準拠して、JIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、温度100℃、引張り速度500mm/分の条件で引張試験を行って測定される破断時の伸びが300%以上となる。
この破断伸びは300%以上であることが好ましく、350%以上であることがより好ましい。
[製造方法]
本発明のゴム組成物は、上記の各成分を混合・混錬することによって製造することができる。
上記の成分のうち、加硫(架橋)剤および加硫(架橋)促進剤以外の成分を混合および混練してマスターバッチを作成し、このマスターバッチに加硫(架橋)剤および加硫(架橋)促進剤を混合し、オープンロール等を用いて混練してゴム組成物を製造することが好ましい。このように、加硫(架橋)剤および加硫(架橋)促進剤以外の成分からなるマスターバッチを作成し、そのマスターバッチに加硫(架橋)剤および加硫(架橋)促進剤を混合・混練すると、加硫(架橋)剤および加硫(架橋)促進剤を混合してからの混練時間を短くすることができ、不均一な加硫(架橋)が生じることによる加硫(架橋)ゴム組成物の物性低下を防止することができるうえ、加硫(架橋)の制御が容易となる。
本発明のゴム組成物は、上記の各成分を混合・混錬することによって製造することができる。
上記の成分のうち、加硫(架橋)剤および加硫(架橋)促進剤以外の成分を混合および混練してマスターバッチを作成し、このマスターバッチに加硫(架橋)剤および加硫(架橋)促進剤を混合し、オープンロール等を用いて混練してゴム組成物を製造することが好ましい。このように、加硫(架橋)剤および加硫(架橋)促進剤以外の成分からなるマスターバッチを作成し、そのマスターバッチに加硫(架橋)剤および加硫(架橋)促進剤を混合・混練すると、加硫(架橋)剤および加硫(架橋)促進剤を混合してからの混練時間を短くすることができ、不均一な加硫(架橋)が生じることによる加硫(架橋)ゴム組成物の物性低下を防止することができるうえ、加硫(架橋)の制御が容易となる。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造した空気入りタイヤである。なかでも、本発明の組成物をタイヤトレッド(アンダートレッド)に用いて製造した空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造した空気入りタイヤである。なかでも、本発明の組成物をタイヤトレッド(アンダートレッド)に用いて製造した空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明の空気入りタイヤは、例えば従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は実施例に限定されない。
[ゴム組成物の製造]
<標準例、実施例1〜8、比較例1〜5>
第1表および第2表の標準例の欄、実施例の欄および比較例の欄に示すとおり、標準例1、標準例2、実施例1〜8および比較例1〜5に係るゴム組成物は、第1表および第2表に示す各成分を、第1表および第2表に示す配合量で配合して製造した。
具体的には、まず、下記第1表および第2表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて5分間混合し、150±5℃に達したときに放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を混合し、ゴム組成物を得た。
<標準例、実施例1〜8、比較例1〜5>
第1表および第2表の標準例の欄、実施例の欄および比較例の欄に示すとおり、標準例1、標準例2、実施例1〜8および比較例1〜5に係るゴム組成物は、第1表および第2表に示す各成分を、第1表および第2表に示す配合量で配合して製造した。
具体的には、まず、下記第1表および第2表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて5分間混合し、150±5℃に達したときに放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を混合し、ゴム組成物を得た。
[評価用加硫ゴムシートの作製]
製造したゴム組成物(未加硫)を、金型(15cm×15cm×0.2cm)中、160℃で20分間プレス加硫して、加硫ゴムシートを作製した。
製造したゴム組成物(未加硫)を、金型(15cm×15cm×0.2cm)中、160℃で20分間プレス加硫して、加硫ゴムシートを作製した。
[試験評価方法]
<加工性>
JIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計にてL型ロータ(38.1mm径、5.5mm厚)を使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、100℃、2rpmの条件で測定した。
結果を第1表および第2表に示す。結果は標準例を100として指数で示した。この値が低いほど粘度が小さく加工性が優れる。
<加工性>
JIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計にてL型ロータ(38.1mm径、5.5mm厚)を使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、100℃、2rpmの条件で測定した。
結果を第1表および第2表に示す。結果は標準例を100として指数で示した。この値が低いほど粘度が小さく加工性が優れる。
<低燃費性能>
JIS K6394:2007に準じて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所社製)を用いて、伸張変形歪率10%±2%、振動数20Hz、温度60℃の条件で、tanδ(60℃)を測定した。
結果を第1表および第2表に示す。結果は標準例を100として指数で示した。この値が低いほど低燃費性能に優れる。
JIS K6394:2007に準じて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所社製)を用いて、伸張変形歪率10%±2%、振動数20Hz、温度60℃の条件で、tanδ(60℃)を測定した。
結果を第1表および第2表に示す。結果は標準例を100として指数で示した。この値が低いほど低燃費性能に優れる。
<強靭性、破断伸び>
上記のように作製した加硫ゴムシートについて、JIS K6251:2010に準拠し、JIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、温度100℃、引張り速度500mm/分の条件で100%モジュラス(M100:100%変形時の応力)、破断伸びおよび破断強度(EB:破断時の応力)を測定した。そして、M1000.75×EBを算出し、これを強靭性の指標とした。
結果を第1表および第2表に示す。
強靭性の測定結果は、標準例の値を100とし、指数表示した。数値が大きいほど強靭性に優れることを意味する。
破断伸びは実測値(%)の測定結果を示す。
上記のように作製した加硫ゴムシートについて、JIS K6251:2010に準拠し、JIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、温度100℃、引張り速度500mm/分の条件で100%モジュラス(M100:100%変形時の応力)、破断伸びおよび破断強度(EB:破断時の応力)を測定した。そして、M1000.75×EBを算出し、これを強靭性の指標とした。
結果を第1表および第2表に示す。
強靭性の測定結果は、標準例の値を100とし、指数表示した。数値が大きいほど強靭性に優れることを意味する。
破断伸びは実測値(%)の測定結果を示す。
[表中の各成分の具体的な説明]
表に示される各成分の詳細は以下のとおりである。
・NR:天然ゴム、TSR20
・SBR:NIPOL1502(スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製)
・BR:ブタジエンゴム、宇部興産 UBEPOL VCR412
・カーボンブラック:親日化カーボン(株)製ニテロン#300H、N2SA=115m2/g
・シリカ:ニプシルAQ、東ソーシリカ(株)製
・酸化アンチモンスズ1:Nanotechnology社製 Nano−D CEP 平均粒子径=30−40nm
・酸化アンチモンスズ2:Nyacol Nano Technology社製 NYACOL SN902SD 平均粒子径=7μm
・硫黄含有シランカップリング剤:ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド(TESPT)、Evonik社製Si69
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学工業社社製)
・ステアリン酸:YR(日油社製)
・老化防止剤:FLEXSYS株性 SANTOFLEX 6PPD
・硫黄:金華印油入微粉硫黄(硫黄の含有量95.24質量%、鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤:FLEXSYS社製SANTOCURE CBS
表に示される各成分の詳細は以下のとおりである。
・NR:天然ゴム、TSR20
・SBR:NIPOL1502(スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製)
・BR:ブタジエンゴム、宇部興産 UBEPOL VCR412
・カーボンブラック:親日化カーボン(株)製ニテロン#300H、N2SA=115m2/g
・シリカ:ニプシルAQ、東ソーシリカ(株)製
・酸化アンチモンスズ1:Nanotechnology社製 Nano−D CEP 平均粒子径=30−40nm
・酸化アンチモンスズ2:Nyacol Nano Technology社製 NYACOL SN902SD 平均粒子径=7μm
・硫黄含有シランカップリング剤:ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド(TESPT)、Evonik社製Si69
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学工業社社製)
・ステアリン酸:YR(日油社製)
・老化防止剤:FLEXSYS株性 SANTOFLEX 6PPD
・硫黄:金華印油入微粉硫黄(硫黄の含有量95.24質量%、鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤:FLEXSYS社製SANTOCURE CBS
[試験結果の説明]
<実施例1〜8>
実施例1〜8では低燃費性能、加工性および強靭性を改善することができた。
<実施例1〜8>
実施例1〜8では低燃費性能、加工性および強靭性を改善することができた。
<比較例1、3、4>
酸化アンチモン化合物を含まないか、その量が少ない態様である。この場合、加工性が改善されなかった。
酸化アンチモン化合物を含まないか、その量が少ない態様である。この場合、加工性が改善されなかった。
<比較例2、5>
酸化アンチモン化合物の量が多い態様である。この場合、加工性、破断伸びおよび強靭性が悪化した。
酸化アンチモン化合物の量が多い態様である。この場合、加工性、破断伸びおよび強靭性が悪化した。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション
Claims (4)
- 天然ゴムおよび/または合成ポリイソプレンを50質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜150m2/gであるカーボンブラックを5〜60質量部、酸化アンチモン化合物を1〜25質量部含み、さらに硫黄含有シランカップリング剤を、前記酸化アンチモン化合物の含有量に対する比率で3〜20質量%含み、引張試験を行った場合に破断伸びが300%以上となる、タイヤ用ゴム組成物。
- さらに、前記ジエン系ゴム100質量部に対してシリカを1〜30質量部含み、前記硫黄含有シランカップリング剤を、前記シリカと前記酸化アンチモン化合物との合計量に対する比率で3〜20質量%含む、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記酸化アンチモン化合物が、平均粒子径が20〜60nmの微粒子であることを特徴とする、請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物をアンダートレッドに用いた空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015204199A JP2017075265A (ja) | 2015-10-16 | 2015-10-16 | タイヤ用ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015204199A JP2017075265A (ja) | 2015-10-16 | 2015-10-16 | タイヤ用ゴム組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017075265A true JP2017075265A (ja) | 2017-04-20 |
Family
ID=58550861
Family Applications (1)
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JP2015204199A Pending JP2017075265A (ja) | 2015-10-16 | 2015-10-16 | タイヤ用ゴム組成物 |
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JP (1) | JP2017075265A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017082121A (ja) * | 2015-10-29 | 2017-05-18 | 横浜ゴム株式会社 | 重荷重用タイヤ用ゴム組成物 |
JP2019131649A (ja) * | 2018-01-29 | 2019-08-08 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ |
-
2015
- 2015-10-16 JP JP2015204199A patent/JP2017075265A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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