JP2013018816A - スキージー用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低発熱性を維持しつつ、耐破壊特性および耐引裂強度がバランス良く向上したスキージーの原料となるスキージー用ゴム組成物および空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】少なくともゴム成分および無機充填材を含有するスキージー用ゴム組成物であって、前記無機充填材は、その安息角が40度以上、モース硬度が2.0以下、BET比表面積(BET5)(m/g)が10m/g以上、かつジブチルフタレート(DBP)吸収量(ml/100g)とBET比表面積(BET5)(m/g)との比(DBP)/(BET5)が2.0以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記無機充填材の含有量が、0.5〜35.0質量部であることを特徴とするスキージー用ゴム組成物。
【選択図】 図1

Description

本発明は、少なくともゴム成分および無機充填材を含有するスキージー用ゴム組成物および空気入りタイヤであって、低発熱性を維持しつつ、耐破壊特性および耐引裂強度がバランス良く向上したスキージーの原料となるスキージー用ゴム組成物および空気入りタイヤに関する。
図2に示すとおり、一般に空気入りタイヤは、一対のビードワイヤー101と、該ビードワイヤー101のタイヤ径方向外側に配されたビードフィラー102と、ビードワイヤー101およびビードフィラー102から各々タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール103と、サイドウォール103の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド104と、一対のビードワイヤー101で端部側がタイヤ幅方向内側から外側に巻き上げられたカーカスプライ105と、カーカスプライ105の外周側(タイヤ径方向外側)に配された複数のベルトプライからなるベルト106と、を備える。また、カーカスプライ105の内周側には、空気圧保持のためのインナーライナー110が配されている。
インナーライナーは、空気圧保持のために、通常、気体透過性の小さいハロゲン化ブチルゴムなどを原料として形成されるが、タイヤ成型時および加硫時に、外周側に位置するカーカスプライのプライコードが、インナーライナー側に露出する場合がある。インナーライナー側にプライコードが露出すると、インナーライナーとプライコードとのゴム厚が薄くなり、タイヤの空気圧を長期間保持できなくなるばかりか、タイヤの転動時に露出したプライコード部分に応力の集中が発生し、タイヤの耐久性が悪化する場合がある。
インナーライナー側へのプライコードの露出を防止する方法として、図2に示すとおり、インナーライナー110とカーカスプライ105との間に、スキージー(図2中では113)と呼ばれるゴムシートを介在させる方法がある。かかるスキージーに対しては、低発熱性を維持しつつ、耐破壊特性および耐引裂強度をバランス良く向上することが要求される。その一方で、スキージーの原料となるゴム組成物のグリーンモジュラスが低いと、加硫の過程でゴム組成物が必要以上に流れてしまい、スキージーのゴム厚を十分に確保できなくなることに起因して、インナーライナー側へのプライコードの露出の原因となる場合がある。したがって、スキージーの原料となるゴム組成物のグリーンモジュラスを高くする必要がある。
ゴム組成物のグリーンモジュラスを高くする方法として、ゴム組成物中のカーボンブラックの含有量を増量する方法が挙げられる。しかしながら、カーボンブラックの含有量を増量すると、加硫後のスキージーの低発熱性が悪化する傾向がある。したがって、低発熱性を維持しつつ、耐破壊特性および耐引裂強度をバランス良く向上し、かつゴム組成物のグリーンモジュラスを高めることは困難であるのが実情であった。
下記特許文献1では、タイヤのインナーライナー用ゴム組成物の加硫ゴムにおいて、良好な気密性を維持しつつ、引裂強度および耐疲労性を向上することを目的として、該ゴム組成物中に、所定のカーボンブラックと共に、扁平度合いの高いタルクを配合する手法が記載されている。しかしながら、かかる手法では、気密性は向上するが、耐破壊特性および耐引裂強度の向上が不十分であり、この点でさらなる改良の余地があった。
特表2008−528739号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低発熱性を維持しつつ、耐破壊特性および耐引裂強度がバランス良く向上したスキージーの原料となるスキージー用ゴム組成物および空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。即ち、本発明に係るスキージー用ゴム組成物は、少なくともゴム成分および無機充填材を含有するスキージー用ゴム組成物であって、前記無機充填材は、その安息角が40度以上、モース硬度が2.0以下、BET比表面積(BET5)(m/g)が10m/g以上、かつジブチルフタレート(DBP)吸収量(ml/100g)とBET比表面積(BET5)(m/g)との比(DBP)/(BET5)が2.0以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記無機充填材の含有量が、0.5〜35.0質量部であることを特徴とする。
上記スキージー用ゴム組成物によれば、特定の扁平度合い(安息角)、特定の比表面積(BET5)、特定のストラクチャーの発達度合い((DBP)/(BET5))、および特定のモース硬度を有する無機充填材を0.5〜35.0質量部含有するため、その加硫ゴムのゴム物性が良好に維持されつつ、耐破壊特性および耐引裂強度がバランス良く向上し、かつ低発熱性が向上する。
上記スキージー用ゴム組成物において、前記無機充填材がタルクであり、その含有量が前記ゴム成分100質量部に対して3〜30質量部であることが好ましい。かかる構成によれば、加硫ゴムの耐破壊特性、耐引裂強度および低発熱性がよりバランス良く向上する。また、タルクは天然鉱物であり、かつ低コストであることから、環境面およびコスト面の両方から好ましい。
上記スキージー用ゴム組成物において、さらに、カーボンブラックおよびシリカの少なくとも1種からなる補強用充填材を含有し、前記無機充填材の含有量が前記補強用充填材の含有量よりも少ないことが好ましい。特定の扁平度合い、特定のDBP吸収量、特定の比表面積、および特定のモース硬度を有する無機充填材と共に、カーボンブラックおよびシリカの少なくとも1種からなる補強用充填材をゴム組成物中に含有する場合、無機充填材の影響により、補強用充填材単独で含有する場合に比べて、ゴム組成物中での補強用充填材の分散性が向上する。このため、加硫ゴムの耐破壊特性、耐引裂強度および低発熱性が特にバランス良く向上する。無機充填材と併用した場合に、補強用充填材の分散性が向上する原因については明らかではないが、無機充填材および補強用充填材をゴム成分と共に混練する際、無機充填材がゴム成分のポリマー中で滑るため、ポリマー内での補強用充填材の分散を補助する機能を果たすことが考えられる。スキージー用ゴム組成物の加工性を維持しつつ、加硫ゴムの耐破壊特性、耐引裂強度および低発熱性をバランス良く向上するためには、前記補強用充填材の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して20〜70質量部であることが好ましい。
本発明は、前記いずれかに記載のゴム組成物をスキージーに用いた空気入りタイヤに関する。かかる空気入りタイヤは、ゴム物性、耐破壊特性、耐引裂強度および低発熱性がバランス良く向上する。
無機充填材の安息角および高さ(H)を測定する器具および方法について示す側面図 本発明に係る空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図
本発明に係るスキージー用ゴム組成物は、少なくともゴム成分および無機充填材を含有する。本発明においては、ゴム成分としてジエン系ゴムを含有することが好ましい。
ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを含有するブタジエンゴム(SPB)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上のブレンドとして用いることができる。これら例示したジエン系ゴムとしては、必要に応じて、末端を変性したもの(例えば、末端変性BRや、末端変性SBRなど)、あるいは所望の特性を付与すべく改質したもの(例えば、改質NR)も使用可能である。なお、ポリブタジエンゴム(BR)については、コバルト(Co)触媒、ネオジム(Nd)触媒、ニッケル(Ni)触媒、チタン(Ti)触媒、リチウム(Li)触媒を用いて合成したものに加えて、WO2007−129670に記載のメタロセン錯体を含む重合触媒組成物を用いて合成したものも使用可能である。
本発明に係るスキージー用ゴム組成物は、ゴム成分に加えて、安息角が40度以上、モース硬度が2.0以下、BET比表面積(BET5)が10m/g以上、かつジブチルフタレート(DBP)吸収量(ml/100g)とBET比表面積(BET5)(m/g)との比(DBP)/(BET5)が2.0以上である無機充填材を含有する。無機充填材の安息角が40度未満であると、扁平率が高すぎる、あるいは粒子径が大きすぎるため、加硫ゴムの耐破壊特性および耐引裂強度が低下する。また、無機充填材のモース硬度が2を超えると、ゴム中での分散性の低下や応力集中の原因となり、耐破壊特性、耐引裂強度および低発熱性が悪化する。さらに、(DBP)/(BET5)が2未満であると、十分な補強効果が得られず、弾性率が低下する。加硫ゴムの耐破壊特性および耐引裂強度をバランス良く向上し、かつ低発熱性を向上するためには、安息角を42度以上、モース硬度を1以下、BET5を10m/g以上、および/または(DBP)/(BET5)を3.0以上とすることが好ましい。なお、安息角の上限については50度以下、BET5の上限については30m/g以下、および/または(DBP)/(BET5)の上限については10以下が例示される。
無機充填材の安息角は、以下の方法により測定可能である。
(無機充填材の安息角および高さ(H)を測定する器具および方法)
図1に示すように、10gの粉末試料1、強化ガラス製の漏斗2(口径45mm、脚内径5mm、全長90mm、脚長さ45mm)、漏斗2を支持して固定する漏斗架台3、及び、漏斗2の脚の下端の排出口21を塞(ふさ)ぐためのゴム栓を用いる。漏斗架台3の高さ調整により、水平台板4から、漏斗2の排出口21までの高さが4cmとなるようにする。漏斗2の排出口21をゴム栓で塞いだ状態で10gの粉末試料をガラス製漏斗中に注いだ後、静かにゴム栓を抜く。粉末試料1が水平台板4上に、ほぼ正確な円錐形状の山をなしたことを確認した上で、この円錐形状の山の高さ(H)及び径(D)を測定する。また、この測定に基づき、下記式(1):
tan(安息角)=H/(D/2) (1)
から「安息角」(度)を求める。
本発明において使用する無機充填材は、前記の方法により測定した安息角が小さいほど、扁平度合いが高い(高扁平)。高扁平である無機充填材をゴム組成物中に配合した場合、特に耐破壊特性および耐引裂強度が悪化する。同様に、前記の方法により測定した高さ(H)が低いほど、無機充填材の扁平度合いが高くなる(高扁平となる)。このため、前記の方法により測定した高さ(H)が30mm以上となる、低扁平の無機充填材をゴム組成物中に配合した場合、特に加硫ゴムの耐破壊特性および耐引裂強度が向上するため好ましい。
本発明に係るスキージー用ゴム組成物中の無機充填材の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5〜35.0質量部に設定する。無機充填材の含有量をかかる範囲内に設定することにより、加硫ゴムの弾性率、耐引裂強度、耐疲労性および低発熱性をバランス良く向上することができる。加硫ゴムの前記物性をよりバランス良く向上するためには、ゴム成分100質量部に対する無機充填材の含有量を1.0〜25.0質量部とすることが好ましい。
無機充填材としては、例えばタルクが挙げられる。無機充填材としてタルクを使用した場合、加硫ゴムの耐破壊特性、耐引裂強度および低発熱性がバランス良く向上する。
タルクは、天然滑石という鉱石を微粉砕して得られる無機粉末であって、含水珪酸マグネシウム[MgSi10(OH)]を主成分とする。本発明においては、市販品のタルクも好適に使用可能であり、例えば日本ミストロン社製の「MISTRON VAPOR RE」(安息角44度、モース硬度1、(BET5)13.4m/g、(DBP)/(BET5)3.7)、日本タルク社製の「P−6」(安息角44度、モース硬度1、(BET5)10.5m/g、(DBP)/(BET5)4.3)などを好適に使用できる。
補強用充填材として、本発明においてはカーボンブラックおよびシリカの少なくとも1種を使用する。カーボンブラックとしては、例えばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなど、通常のゴム工業で使用されるカーボンブラックの他、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラックを使用することができる。シリカとしては、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられ、特に含水珪酸を主成分とする湿式シリカを用いることが好ましい。ゴム組成物の加工性を維持しつつ、加硫ゴムの耐破壊特性、耐引裂強度および低発熱性をバランス良く向上するためには、無機充填材の含有量が補強用充填材の含有量よりも少ないことが好ましく、さらには補強用充填材の含有量が、ゴム成分100質量部に対して30〜65質量部であることがより好ましく、40〜60質量部であることが特に好ましい。
硫黄は通常のゴム用硫黄であればよく、例えば粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを用いることができる。加硫後のゴム物性や耐久性などを考慮した場合、ゴム成分100質量部に対する硫黄の配合量は、硫黄分換算で1〜10質量部が好ましく、3〜8質量部がより好ましい。
加硫促進剤としては、ゴム加硫用として通常用いられる、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などの加硫促進剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。加硫後のゴム物性や耐久性などを考慮した場合、ゴム成分100質量部に対する加硫促進剤の配合量は、0.2〜3.0質量部が好ましい。
老化防止剤としては、ゴム用として通常用いられる、芳香族アミン系老化防止剤、アミン−ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などの老化防止剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。ゴム物性や耐久性などを考慮した場合、ゴム成分100質量部に対する老化防止剤の配合量は、1〜5質量部が好ましい。
本発明に係るゴム組成物は、上記ゴム成分、無機充填材、補強用充填材、必要に応じて硫黄、シラン系カップリング剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、老化防止剤、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などの通常ゴム工業で使用される配合剤を、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどの通常のゴム工業において使用される混練機を用いて混練りすることにより得られる。
また、上記各成分の配合方法は特に限定されず、硫黄および加硫促進剤などの加硫系成分以外の配合成分を予め混練してマスターバッチとし、残りの成分を添加してさらに混練する方法、ゴム成分およびカーボンブラックのみを予め混練マスターバッチとし、残りの成分を添加してさらに混練する方法、各成分を任意の順序で添加し混練する方法、全成分を同時に添加して混練する方法などのいずれでもよい。なお、ゴム成分およびカーボンブラックを予めマスターバッチとする場合、ゴムラテックスにカーボンブラックを混入して得られるウエットマスターバッチを使用してもよい。
図2に示すとおり、本発明に係る空気入りタイヤは、一対のビードワイヤー101と、該ビードワイヤー101のタイヤ径方向外側に配されたビードフィラー102と、ビードワイヤー101およびビードフィラー102から各々タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール103と、サイドウォール103の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド104と、一対のビードワイヤー101で端部側がタイヤ幅方向内側から外側に巻き上げられたカーカスプライ105と、カーカスプライ105の外周側(タイヤ径方向外側)に配された複数のベルトプライからなるベルト106と、を備える。トレッド104は、単一のゴム部で構成してもよく、あるいは接地面側のキャップトレッドとタイヤ径方向内側のベーストレッドとの2層で構成してもよい。
ビードワイヤー101およびビードフィラー102のタイヤ径方向内側には、カーカスプライ105を介して、チェーハー107およびリムストリップ108が配され、リムストリップ108がタイヤリム(図示せず)に接するように着座する。ビードフィラー102のタイヤ径方向外側には、チェーハー107を挟み込むようにチェーハーパッド109が配される。一方、カーカスプライ105の内周側には、空気圧保持のためのインナーライナー110が配されている。また、インナーライナー110とカーカスプライ105との間には、スキージー113が配される。さらに、ベルト106の端部側であって、タイヤ径方向内側にはショルダーパッド111が配され、複数のベルトプライ端部の間にはベルトエッジフィラー112が配される。
本発明に係るスキージー用ゴム組成物を原料として製造されたスキージー113をインナーライナー110とカーカスプライ105との間に設けた未加硫タイヤを成型した後、公知の方法に従い加硫することで、低発熱性を維持しつつ、耐破壊特性および耐引裂強度がバランス良く向上したスキージーを備える空気入りタイヤを製造することができる。未加硫時におけるスキージー用ゴム組成物のゴム流れを防止するためには、グリーンモジュラス(100%変形時の引張り応力;M100)を0.30MPa以上とすることが好ましい。一方、グリーンモジュラスが高すぎると、タイヤ成型時に拡張した際、ジョイントで割れる場合があるため、0.40MPa未満とすることが好ましい。なお、スキージーの厚みは、空気入りタイヤのサイズに応じて適宜選択可能であるが、例えば0.3〜2.0mm程度が例示される。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例などについて説明する。なお、実施例などにおける評価項目は、各ゴム組成物を150℃にて30分間加熱、加硫して得られたゴムサンプルを下記の評価条件に基づいて評価を行った。
(1)プライコードの露出(コード出)の有無
スキージーをインナーライナーとカーカスプライとの間に設けた未加硫タイヤを成型した後、公知の方法に従い加硫し、加硫後にプライコードがタイヤ内面に露出(コード出)しているか否かを目視により確認した。コード出が発生した場合を「有り」、コード出が発生しない場合を「無し」と評価した。
(2)破断強度(耐破壊特性)
JIS K6251に準拠し、ダンベル3号を用いてサンプルを作製して引張試験を行い、サンプル破断時の破断強度(MPa)を測定した。数値が大きいほど耐破壊特性に優れることを意味する。
(3)耐引裂強度
JIS K6252に準拠して引裂強さ(耐引裂強度)(N/mm)を評価した。数値が大きいほど耐引裂強度に優れることを意味する。
(4)低発熱性(tanδ)
UBM社製粘弾性スペクトロメータを用いて、初期歪み10%、動的歪み2%、周波数50Hz、温度60℃でのtanδ値を測定した。数値が小さいほど低発熱性に優れることを意味する。
(5)ゴム組成物のグリーンモジュラス
未加硫のゴム組成物をロールでシート状に成型し、JIS K6251(3号ダンベル)に準拠して、室温で引張試験を行い、100%変形時の引張応力を測定した。数値が大きいほど、加硫時のゴムの流れが発生し難く、成型性が良好であることを意味する。
(ゴム組成物の調製)
表1の配合処方に従い、実施例1〜4および比較例1〜8のゴム組成物を配合し、通常のバンバリーミキサーを用いて混練し、ゴム組成物を調整した。表1に記載の各配合剤を以下に示す(表1において、各配合剤の配合量を、ゴム成分100質量部に対する質量部数で示す)。なお、下記無機充填材(A)〜(F)の安息角、高さ(H)(前記「無機充填材の安息角および高さ(H)を測定する方法」により測定された高さ(H))、比表面積(BET5)、ストラクチャーの発達度合い((DBP)/(BET5))、およびモース硬度については、表2に示す。
a)ゴム成分 天然ゴム(NR) 「RSS#3」
b)カーボンブラック(HAF−LS) 「シースト300」、東海カーボン社製
c)シリカ 「ニップシールAQ」、(日本シリカ工業社製)
d)無機充填材
無機充填材(A) 「MISTRON VAPOR RE」、日本ミストロン社製
無機充填材(B) 「P−6」、日本タルク社製
無機充填材(C) 「SW」、日本タルク社製
無機充填材(D) 「HAR」、日本ミストロン社製
無機充填材(E) 「白艶華CC」、白石工業社製
無機充填材(F) 「ハードクレー」、白石工業社製
e)亜鉛華 「亜鉛華3号」、(三井金属鉱業社製)
f)老化防止剤 「サントフレックス6PPD」、(フレキシス社製)
g)加硫促進剤 「ノクセラーDZ−G」、(大内新興化学工業社製)
h)不溶性硫黄 「ミュークロン HS OT−20」、(フレキシス社製)
表1の結果から、実施例1〜4に係るスキージー用ゴム組成物の加硫ゴムでは、耐破壊特性、耐引裂強度および低発熱性がバランス良く向上することがわかる。一方、比較例2に係るスキージー用ゴム組成物の加硫ゴムでは、シリカを追加配合するのみであるため、低発熱性が悪化し、比較例3に係るスキージー用ゴム組成物では、カーボンブラックを減量するのみであるため、グリーンモジュラスが低下し、コード出が発生した。また、比較例4に係るスキージー用ゴム組成物の加硫ゴムでは、タルクの配合量が多すぎるため、低発熱性が悪化した。さらに、比較例5に係るスキージー用ゴム組成物の加硫ゴムでは、BET5が小さく、大粒径タルクを使用するため、耐引裂強度が悪化し、高扁平タルクを使用する比較例6に係るスキージー用ゴム組成物の加硫ゴムでも、耐破壊特性および耐引裂強度が悪化することがわかる。また、比較例7に係るスキージー用ゴム組成物の加硫ゴムでは、モース硬度が高い炭酸カルシウムを使用するため、ゴム中での分散性の低下や応力集中の原因となり、耐破壊特性、耐引裂強度および低発熱性が悪化し、比較例8に係るスキージー用ゴム組成物の加硫ゴムでは、高扁平のクレーを使用するため、耐破壊特性および耐引裂強度が悪化することがわかる。

Claims (4)

  1. 少なくともゴム成分および無機充填材を含有するスキージー用ゴム組成物であって、
    前記無機充填材は、その安息角が40度以上、モース硬度が2.0以下、BET比表面積(BET5)(m/g)が10m/g以上、かつジブチルフタレート(DBP)吸収量(ml/100g)とBET比表面積(BET5)(m/g)との比(DBP)/(BET5)が2.0以上であり、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記無機充填材の含有量が、0.5〜35.0質量部であることを特徴とするスキージー用ゴム組成物。
  2. 前記無機充填材がタルクであり、その含有量が前記ゴム成分100質量部に対して3〜30質量部である請求項1に記載のスキージー用ゴム組成物。
  3. さらに、カーボンブラックおよびシリカの少なくとも1種からなる補強用充填材を含有し、前記無機充填材の含有量が前記補強用充填材の含有量よりも少ない請求項1または2に記載のスキージー用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物をスキージーに用いた空気入りタイヤ。
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