JP2013006896A - ビードフィラー用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

ビードフィラー用ゴム組成物および空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】低発熱性を維持しつつ、耐破壊特性、耐疲労特性および耐カット性がバランス良く改良されたビードフィラー用ゴム組成物および空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】少なくともゴム成分および無機充填材を含有するビードフィラー用ゴム組成物であって、無機充填材は、その安息角が40度以上、モース硬度が2.0以下、BET比表面積(BET5)(m/g)が10m/g以上、かつジブチルフタレート(DBP)吸収量(ml/100g)とBET比表面積(BET5)(m/g)との比(DBP)/(BET5)が2.0以上であり、ゴム成分100質量部に対する無機充填材の含有量が、3〜30質量部であることを特徴とするビードフィラー用ゴム組成物。
【選択図】 図1

Description

本発明は、少なくともゴム成分および無機充填材を含有し、加硫後のゴム硬度が80°以上であるビードフィラー用ゴム組成物および空気入りタイヤであって、低発熱性を維持しつつ、耐破壊特性および弾性率がバランス良く改良され、耐久性に優れたビードフィラー用ゴム組成物および空気入りタイヤに関する。
図2に示すとおり、タイヤ走行時にビードフィラー102に対して大きな荷重が作用する重荷重用空気入りタイヤでは、ビードフィラー102が、上側ビードフィラー102aと、ビードフィラー102aよりも高硬度である下側ビードフィラー102bとの2層構造により構成され、ビードフィラー102全体の変形を抑制し、耐久性を向上するために、特に下側ビードフィラー102bの高弾性化が行われている。
ビードフィラー用ゴム組成物の加硫ゴムを高弾性化する方法として、例えばノボラック型フェノール樹脂をゴム組成物中に配合する方法や、ノボラック樹脂に加えて、さらに短繊維をゴム組成物中に配合する方法が挙げられる。これらの方法は、常温での加硫ゴムの弾性率向上には有効であるが、高温時(タイヤ走行時)の弾性率向上には効果がなく、逆に高温時には加硫ゴムの弾性率が低下する傾向がある。加えて、ノボラック樹脂(必要に応じて、さらに短繊維)をゴム組成物中に配合する方法では、高温時のゴムへたりが大きく、ビード部の変形の抑制が困難であり、かつ発熱性が高いため、ビードフィラーとして使用した場合に耐久性が悪化する傾向がある。
加硫ゴムの高弾性化の方法として、他にゴム組成物中のカーボンブラックの配合量を増加する方法がある。高温時の弾性率およびゴムへたり(セット性)を考慮した場合、かかる方法は有用であるが、例えばビードフィラーとした場合に、周辺ゴムやビードワイヤーなどに使用されるスチールコードとの接着性が低下する傾向がある。このため、ビードフィラーと他の部材とのセパレーションが発生し易く、耐久性の面で改良の余地がある。さらに、ゴム組成物中のカーボンブラックの配合量を増加する方法では、発熱性が高いため、ビードフィラーとして使用した場合に耐久性が悪化する傾向がある。
下記特許文献1では、タイヤのインナーライナー用ゴム組成物の加硫ゴムにおいて、良好な気密性を維持しつつ、引裂強度および耐疲労性を向上することを目的として、該ゴム組成物中に、所定のカーボンブラックと共に、扁平度合いの高いタルクを配合する手法が記載されている。しかしながら、かかる手法では、気密性は向上するが、耐破壊特性、耐疲労特性および耐カット性の向上が不十分であり、この点でさらなる改良の余地があった。
特表2008−528739号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低発熱性を維持しつつ、耐破壊特性および弾性率がバランス良く改良され、耐久性に優れたビードフィラー用ゴム組成物および空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。即ち、本発明に係るビードフィラー用ゴム組成物は、少なくともゴム成分および無機充填材を含有し、加硫後のゴム硬度が80°以上であるビードフィラー用ゴム組成物であって、前記無機充填材は、その安息角が40度以上、モース硬度が2.0以下、BET比表面積(BET5)(m/g)が10m/g以上、かつジブチルフタレート(DBP)吸収量(ml/100g)とBET比表面積(BET5)(m/g)との比(DBP)/(BET5)が2.0以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記無機充填材の含有量が、3〜30質量部であることを特徴とする。
上記ゴム組成物によれば、特定の扁平度合い(安息角)、特定の比表面積(BET5)、特定のストラクチャーの発達度合い((DBP)/(BET5))、および特定のモース硬度を有する無機充填材を3〜30質量部含有するため、その加硫ゴムの低発熱性を維持しつつ、耐破壊特性および弾性率がバランス良く改良され、耐久性が向上する。
上記ゴム組成物において、前記無機充填材がタルクであることが好ましい。かかる構成によれば、加硫ゴムの低発熱性、耐破壊特性、弾性率および耐久性がよりバランス良く向上する。また、タルクは天然鉱物であり、かつ低コストであることから、環境面およびコスト面の両方から好ましい。
上記ゴム組成物において、さらに、カーボンブラックおよびシリカの少なくとも1種からなる補強用充填材を含有し、前記ゴム成分100質量部に対する前記補強用充填材の含有量が、55〜90質量部であることが好ましい。特定の扁平度合い、特定のDBP吸収量、特定の比表面積、および特定のモース硬度を有する無機充填材と共に、カーボンブラックおよびシリカの少なくとも1種からなる補強用充填材をゴム組成物中に含有する場合、無機充填材の影響により、補強用充填材単独で含有する場合に比べて、ゴム組成物中での補強用充填材の分散性が向上する。このため、加硫ゴムの低発熱性、耐破壊特性、弾性率および耐久性が特にバランス良く向上する。無機充填材と併用した場合に、補強用充填材の分散性が向上する原因については明らかではないが、無機充填材および補強用充填材をゴム成分と共に混練する際、無機充填材がゴム成分のポリマー中で滑るため、ポリマー内での補強用充填材の分散を補助する機能を果たすことが考えられる。
また、上記ビードフィラー用ゴム組成物において、前記ゴム成分100質量部に対して、硫黄を硫黄分換算で5〜10質量部含有することが好ましい。硫黄の配合量を上記範囲内とした場合、耐破壊特性および弾性率と低発熱性とを特にバランス良く向上することができる。さらに、接着性向上のためには、上記ビードフィラー用ゴム組成物において、前記ゴム成分100質量部に対して、有機酸金属塩を金属分換算で0.03〜0.40質量部含有することが好ましい。
また、本発明は前記いずれかに記載のビードフィラー用ゴム組成物をビードフィラーに用いた空気入りタイヤに関する。上述のとおり、本発明に係るビードフィラー用ゴム組成物の加硫ゴムは、低発熱性、耐破壊特性、弾性率および耐久性とがバランス良く改良されたものである。したがって、かかるゴム組成物を原料として製造されたビードフィラー、特に2層構造により構成されたビードフィラーのうち、上側ビードフィラーよりも高硬度であって、ビードワイヤーに当接する下側ビードフィラーを備える空気入りタイヤは、耐久性に優れる。
上記空気入りタイヤにおいて、23℃における前記ビードフィラーの複素弾性率E(23℃)が20〜50MPaであることが好ましく、前記ビードフィラーの複素弾性率(Ef)と、ビードワイヤーを束ね、一体化するために前記ビードワイヤーを被覆するビードカバーゴムの複素弾性率(Ec)との関係が、0.7≦(Ef)/(Ec)≦4であることがより好ましい。ビードフィラーの複素弾性率E(23℃)およびビードフィラーの複素弾性率(Ef)と、ビードワイヤーを束ね、一体化するためにビードワイヤーを被覆するビードカバーゴムの複素弾性率(Ec)との関係を上記範囲内とすることにより、空気入りタイヤの耐久性が特に向上する。
無機充填材の安息角および高さ(H)を測定する器具および方法について示す側面図 本発明に係る空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図
本発明に係るゴム組成物は、少なくともゴム成分および無機充填材を含有する。本発明においては、ゴム成分としてジエン系ゴムを含有することが好ましい。
ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを含有するブタジエンゴム(SPB)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上のブレンドとして用いることができる。これら例示したジエン系ゴムとしては、必要に応じて、末端を変性したもの(例えば、末端変性BRや、末端変性SBRなど)、あるいは所望の特性を付与すべく改質したもの(例えば、改質NR)も使用可能である。なお、ポリブタジエンゴム(BR)については、コバルト(Co)触媒、ネオジム(Nd)触媒、ニッケル(Ni)触媒、チタン(Ti)触媒、リチウム(Li)触媒を用いて合成したものに加えて、WO2007−129670に記載のメタロセン錯体を含む重合触媒組成物を用いて合成したものも使用可能である。加硫ゴムの耐破壊特性および弾性率と低発熱性とをバランス良く向上するためには、前記ジエン系ゴムの中でも、天然ゴムを主成分として使用することが好ましい。具体的には、ゴム成分の全量を100質量部としたとき、天然ゴムを70質量部以上含有することが好ましく、90質量部以上含有することがより好ましく、実質的にゴム成分中、天然ゴムが100質量部であることが特に好ましい。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分に加えて、安息角が40度以上、モース硬度が2.0以下、BET比表面積(BET5)が10m/g以上、かつジブチルフタレート(DBP)吸収量(ml/100g)とBET比表面積(BET5)(m/g)との比(DBP)/(BET5)が2.0以上である無機充填材を含有する。無機充填材の安息角が40度未満であると、扁平率が高すぎる、あるいは粒子径が大きすぎるため、加硫ゴムの耐破壊特性、耐疲労特性および耐カット性が低下する。また、無機充填材のモース硬度が2を超えると、ゴム中での分散性の低下や応力集中の原因となり、耐破壊特性、耐疲労特性、耐カット性、および低発熱性が悪化する。さらに、(DBP)/(BET5)が2未満であると、十分な補強効果が得られず、弾性率が低下する。加硫ゴムの耐破壊特性、耐疲労特性、耐カット性、および低発熱性をバランス良く向上するためには、安息角を42度以上、モース硬度を1以下、BET5を10m/g以上、および/または(DBP)/(BET5)を3.0以上とすることが好ましい。なお、安息角の上限については50度以下、BET5の上限については30m/g以下、および/または(DBP)/(BET5)の上限については10以下が例示される。
無機充填材の安息角は、以下の方法により測定可能である。
(無機充填材の安息角および高さ(H)を測定する器具および方法)
図1に示すように、10gの粉末試料1、強化ガラス製の漏斗2(口径45mm、脚内径5mm、全長90mm、脚長さ45mm)、漏斗2を支持して固定する漏斗架台3、及び、漏斗2の脚の下端の排出口21を塞(ふさ)ぐためのゴム栓を用いる。漏斗架台3の高さ調整により、水平台板4から、漏斗2の排出口21までの高さが4cmとなるようにする。漏斗2の排出口21をゴム栓で塞いだ状態で10gの粉末試料をガラス製漏斗中に注いだ後、静かにゴム栓を抜く。粉末試料1が水平台板4上に、ほぼ正確な円錐形状の山をなしたことを確認した上で、この円錐形状の山の高さ(H)及び径(D)を測定する。また、この測定に基づき、下記式(1):
tan(安息角)=H/(D/2) (1)
から「安息角」(度)を求める。
本発明において使用する無機充填材は、前記の方法により測定した安息角が小さいほど、扁平度合いが高い(高扁平)。高扁平である無機充填材をゴム組成物中に配合した場合、特に耐破壊特性、耐疲労特性および耐カット性が悪化する。同様に、前記の方法により測定した高さ(H)が低いほど、無機充填材の扁平度合いが高くなる(高扁平となる)。このため、前記の方法により測定した高さ(H)が30mm以上となる、低扁平の無機充填材をゴム組成物中に配合した場合、特に加硫ゴムの耐破壊特性、耐疲労特性および耐カット性が向上するため好ましい。
本発明に係るゴム組成物中の無機充填材の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、3〜30質量部に設定する。無機充填材の含有量をかかる範囲内に設定することにより、加硫ゴムの弾性率、耐引裂強度、耐疲労性および低発熱性をバランス良く向上することができる。加硫ゴムの前記物性をよりバランス良く向上するためには、ゴム成分100質量部に対する無機充填材の含有量を3〜15質量部とすることが好ましい。
無機充填材としては、例えばタルクが挙げられる。無機充填材としてタルクを使用した場合、加硫ゴムの耐破壊特性、耐引裂強度および低発熱性がバランス良く向上する。
タルクは、天然滑石という鉱石を微粉砕して得られる無機粉末であって、含水珪酸マグネシウム[MgSi10(OH)]を主成分とする。本発明においては、市販品のタルクも好適に使用可能であり、例えば日本ミストロン社製の「MISTRON VAPOR RE」(安息角44度、モース硬度1、(BET5)13.4m/g、(DBP)/(BET5)3.7)、日本タルク社製の「P−6」(安息角44度、モース硬度1、(BET5)10.5m/g、(DBP)/(BET5)4.3)などを好適に使用できる。
補強用充填材として、本発明においてはカーボンブラックおよびシリカの少なくとも1種を使用する。カーボンブラックとしては、例えばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなど、通常のゴム工業で使用されるカーボンブラックの他、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラックを使用することができる。シリカとしては、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられ、特に含水珪酸を主成分とする湿式シリカを用いることが好ましい。ゴム組成物の加工性を維持しつつ、加硫ゴムの耐破壊特性、耐引裂強度および低発熱性をバランス良く向上するためには、無機充填材の含有量が補強用充填材の含有量よりも少ないことが好ましく、さらには補強用充填材の含有量が、ゴム成分100質量部に対して55〜90質量部であることがより好ましく、60〜80質量部であることが特に好ましい。
本発明に係るビードフィラー用ゴム組成物では、ビードフィラーとビードワイヤーなどに使用されるスチールコードとの接着性を向上するために、ゴム組成物中に有機酸金属塩を配合しても良い。有機酸金属塩としては、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ホウ酸コバルト、オレイン酸コバルト、マレイン酸コバルト、ホウ酸三ネオデカン酸コバルトなどが挙げられる。
上記有機酸金属塩の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、金属分換算で0.03〜0.40質量部であることが好ましく、0.05〜0.2質量部であることがより好ましい。金属分換算で、有機酸金属塩の配合量が0.03質量部未満であると、スチールコードとの初期接着性が不十分となり、また0.40質量部を超えてもそれ以上の接着向上の効果は得難く、コストが高くなる。
本発明に係るゴム組成物では、ビードフィラーとビードワイヤーなどに使用されるスチールコードとの接着性向上のために、メチレン受容体とメチレン供与体とを配合しても良い。メチレン受容体の水酸基とメチレン供与体のメチレン基とが硬化反応することで、ビードワイヤーとの接着性を高めることができる。
メチレン受容体としては、フェノール類化合物、またはフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂が用いられる。かかるフェノール類化合物としては、フェノール、レゾルシンまたはこれらのアルキル誘導体が含まれる。アルキル誘導体には、クレゾール、キシレノールなどのメチル基誘導体、ノニルフェノール、オクチルフェノールなどの長鎖アルキル基による誘導体が含まれる。フェノール類化合物は、アセチル基などのアシル基を置換基に含むものであってもよい。
また、フェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂には、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂(フェノール−ホルムアルデヒド樹脂)、クレゾール樹脂(クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂)など、さらには複数のフェノール類化合物からなるホルムアルデヒド樹脂などが含まれる。これらは、未硬化の樹脂であって、液状または熱流動性を有するものが用いられる。
これらの中でも、ゴム成分や他の成分との相溶性、硬化後の樹脂の緻密さ、さらには信頼性の見地から、メチレン受容体としてはレゾルシンまたはレゾルシン誘導体が好ましく、特には、レゾルシン、またはレゾルシン−アルキルフェノール−ホルマリン樹脂が好ましい。これらフェノール類化合物またはフェノール系樹脂の配合量としては、ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
上記メチレン供与体としては、ヘキサメチレンテトラミンまたはメラミン誘導体が用いられる。かかるメラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、メチロールメラミンの部分エーテル化物、メラミンとホルムアルデヒドとメタノールの縮合物などが用いられ、その中でもヘキサメトキシメチルメラミンが特に好ましい。ヘキサメチレンテトラミンまたはメラミン誘導体の配合量としては、ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
本発明に係るゴム組成物は、上記ゴム成分、無機充填材、補強用充填材、有機酸金属塩とともに、硫黄、シラン系カップリング剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、老化防止剤、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などの通常ゴム工業で使用される配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲において適宜配合し用いることができる。
硫黄は通常のゴム用硫黄であればよく、例えば粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを用いることができる。加硫後のゴム物性や耐久性などを考慮した場合、ゴム成分100質量部に対する硫黄の配合量は、硫黄分換算で5〜10質量部が好ましく、6〜9質量部がより好ましい。
加硫促進剤としては、ゴム加硫用として通常用いられる、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などの加硫促進剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。加硫後のゴム物性や耐久性などを考慮した場合、ゴム成分100質量部に対する加硫促進剤の配合量は、0.1〜5質量部が好ましい。
老化防止剤としては、ゴム用として通常用いられる、芳香族アミン系老化防止剤、アミン−ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などの老化防止剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。ゴム物性や耐久性などを考慮した場合、ゴム成分100質量部に対する老化防止剤の配合量は、0.1〜5質量部が好ましい。
本発明に係るゴム組成物は、上記ゴム成分、無機充填材、補強用充填材、有機酸金属塩、必要に応じて硫黄、シラン系カップリング剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、老化防止剤、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などの通常ゴム工業で使用される配合剤を、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどの通常のゴム工業において使用される混練機を用いて混練りすることにより得られる。
また、上記各成分の配合方法は特に限定されず、硫黄および加硫促進剤などの加硫系成分以外の配合成分を予め混練してマスターバッチとし、残りの成分を添加してさらに混練する方法、ゴム成分およびカーボンブラックのみを予め混練マスターバッチとし、残りの成分を添加してさらに混練する方法、各成分を任意の順序で添加し混練する方法、全成分を同時に添加して混練する方法などのいずれでもよい。なお、ゴム成分およびカーボンブラックを予めマスターバッチとする場合、ゴムラテックスにカーボンブラックを混入して得られるウエットマスターバッチを使用してもよい。
図2に示すとおり、本発明に係る空気入りタイヤは、一対のビードワイヤー101と、該ビードワイヤー101のタイヤ径方向外側に配されたビードフィラー102と、ビードワイヤー101およびビードフィラー102から各々タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール103と、サイドウォール103の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド104と、一対のビードワイヤー101で端部側がタイヤ幅方向内側から外側に巻き上げられたカーカスプライ105と、カーカスプライ105の外周側(タイヤ径方向外側)に配された複数のベルトプライからなるベルト106と、を備える。図2に示す例では、ビードフィラー102は上側ビードフィラー102aと、ビードフィラー102aよりも高硬度である下側ビードフィラー102bとの2層構造により構成されている。本発明に係るゴム組成物は、空気入りタイヤのビードフィラー、特に2層構造により構成されたビードフィラーのうち、上側ビードフィラーよりも高硬度であって、ビードワイヤーに当接する下側ビードフィラーの原料として有用である。
ビードワイヤー101およびビードフィラー102のタイヤ径方向内側には、カーカスプライ105を介して、チェーハー107およびリムストリップ108が配され、リムストリップ108がタイヤリム(図示せず)に接するように着座する。ビードフィラー102のタイヤ径方向外側には、チェーハー107を挟み込むようにチェーハーパッド109が配される。一方、カーカスプライ105の内周側には、空気圧保持のためのインナーライナー110が配されている。また、ベルト106の端部側であって、タイヤ径方向内側にはショルダーパッド111が配され、複数のベルトプライ端部の間にはベルトエッジフィラー112が配される。
本発明に係るゴム組成物を用いて、ゴム用押出機などの公知の設備により、前記下側ビードフィラー102bを製造し、これらを備える未加硫タイヤを成型した後、公知の方法に従い加硫することで、低発熱性を維持しつつ、耐破壊特性および弾性率がバランス良く改良されたビードフィラー(2層構造のうち、下側ビードフィラー)を備える空気入りタイヤを製造することができる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例などについて説明する。なお、実施例などにおける評価項目は、各ゴム組成物を150℃にて30分間加熱、加硫して得られたゴムサンプルを下記の評価条件に基づいて評価を行った。
(1)ゴム硬度
JIS K6253に準拠し、23℃でのゴム硬度(デュロメータAタイプ)にて評価を行った。
(2)破断強度(耐破壊特性)
JIS K6251に準拠し、ダンベル3号を用いてサンプルを作製して引張試験を行い、サンプル破断時の破断強度を測定した。比較例1の測定値を100として指数評価で表示し、数値が大きいほど耐破壊特性が良好であることを意味する。
(3)初期接着性(%)
所定の金型を使用して形成したゴム組成物とビードワイヤーとの未加硫複合体を150℃−30分間加硫することにより、下側ビードフィラー+ビードワイヤー複合体サンプルを作製した。かかるサンプルを、島津製作所(株)製オートグラフ「DCS500」を用いて、ビードフィラーとビードワイヤーとの間の剥離試験を行い、剥離後のビードワイヤーのゴム被覆率を目視にて観察し、初期接着性を0〜100%で評価した。数値が大きいほど初期接着性に優れることを意味する。
(4)低発熱性(tanδ)
UBM社製粘弾性スペクトロメータを用いて、初期歪み15%、動的歪み±2.5%、周波数10Hz、温度60℃で測定したtanδ値に基づいて評価を行った。比較例1の測定値を100として指数評価で表示し、数値が小さいほど低発熱性に優れることを意味する。
(5)複素弾性率
UBM社製粘弾性スペクトロメータを用いて、初期歪み5%、動的歪み±2%、周波数10Hz、温度23℃で測定した。
(ゴム組成物の調製)
表1および表2の配合処方に従い、実施例1〜7および比較例1〜8のゴム組成物を配合し、通常のバンバリーミキサーを用いて混練し、ゴム組成物を調整した。表1および表2に記載の各配合剤を以下に示す(表1および表2において、各配合剤の配合量を、ゴム成分100質量部に対する質量部数で示す)。なお、下記無機充填材(A)〜(F)の安息角、高さ(H)(前記「無機充填材の安息角および高さ(H)を測定する方法」により測定された高さ(H))、比表面積(BET5)、ストラクチャーの発達度合い((DBP)/(BET5))、およびモース硬度については、表3に示す。
a)ゴム成分
天然ゴム(NR) 「RSS#3」
スチレンブタジエンゴム(SBR) 「SBR1502」、JSR社製
b)カーボンブラック(HAF−LS) 「シースト300」、東海カーボン社製
c)シリカ 「ニップシールAQ」、日本シリカ工業社製
d)無機充填材
無機充填材(A) 「MISTRON VAPOR RE」、日本ミストロン社製
無機充填材(B) 「P−6」、日本タルク社製
無機充填材(C) 「SW」、日本タルク社製
無機充填材(D) 「HAR」、日本ミストロン社製
無機充填材(E) 「白艶華CC」、白石工業社製
無機充填材(F) 「ハードクレー」、白石工業社製
e)亜鉛華 「亜鉛華3号」、三井金属鉱業社製
f)老化防止剤 「アンチゲン6C」、住友化学社製
g)加硫促進剤 「ノクセラーNS−P」、大内新興化学工業社製
h)不溶性硫黄 「ミュークロン HS OT−20」、フレキシス社製
i)ステアリン酸 「ビーズステアリン酸」、日油社製
j)レゾルシン−アルキルフェノール−ホルマリン樹脂 「スミカノール620」、住友化学社製
k)ヘキサメトキシメチルメラミン 「サイレッツ963L」、三井サイテック社製
l)有機酸金属塩
ステアリン酸コバルト(コバルト分9.5%)、ジャパンエナジー社製
ホウ酸三ネオデカン酸コバルト(コバルト分22.5%)、OMG社製
表1の結果から、実施例1〜7に係るゴム組成物の加硫ゴムでは、低発熱性、耐破壊特性、弾性率および耐久性がバランス良く向上することがわかる。一方、表2の結果から、比較例2に係るゴム組成物では、カーボンブラックを増量するのみであるため、低発熱性および接着性が悪化した。また、比較例3に係るゴム組成物の加硫ゴムでは、タルクの配合量が少なすぎるため、低発熱性、耐破壊特性、弾性率および耐久性のいずれにおいても改良効果が見られなかった。また、比較例4に係るゴム組成物の加硫ゴムでは、タルクの配合量が多すぎるため、低発熱性および接着性が悪化した。さらに、比較例5に係るゴム組成物の加硫ゴムでは、BET5が小さく、大粒径タルクを使用するため、耐破壊特性が悪化し、高扁平タルクを使用する比較例6に係るゴム組成物の加硫ゴムでも、耐破壊特性が悪化することがわかる。また、比較例7に係るゴム組成物の加硫ゴムでは、モース硬度が高い炭酸カルシウムを使用するため、ゴム中での分散性の低下や応力集中の原因となり、耐破壊特性、接着性および低発熱性が悪化し、比較例8に係るゴム組成物の加硫ゴムでは、高扁平のクレーを使用するため、耐破壊特性が悪化することがわかる。

Claims (8)

  1. 少なくともゴム成分および無機充填材を含有し、加硫後のゴム硬度が80°以上であるビードフィラー用ゴム組成物であって、
    前記無機充填材は、その安息角が40度以上、モース硬度が2.0以下、BET比表面積(BET5)(m/g)が10m/g以上、かつジブチルフタレート(DBP)吸収量(ml/100g)とBET比表面積(BET5)(m/g)との比(DBP)/(BET5)が2.0以上であり、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記無機充填材の含有量が、3〜30質量部であることを特徴とするビードフィラー用ゴム組成物。
  2. 前記無機充填材がタルクである請求項1に記載のビードフィラー用ゴム組成物。
  3. さらに、カーボンブラックおよびシリカの少なくとも1種からなる補強用充填材を含有し、前記ゴム成分100質量部に対する前記補強用充填材の含有量が、55〜90質量部である請求項1または2に記載のビードフィラー用ゴム組成物。
  4. 前記ゴム成分100質量部に対して、硫黄を硫黄分換算で5〜10質量部含有する請求項1〜3のいずれかに記載のビードフィラー用ゴム組成物。
  5. 前記ゴム成分100質量部に対して、有機酸金属塩を金属分換算で0.03〜0.40質量部含有する請求項1〜4のいずれかに記載のビードフィラー用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のビードフィラー用ゴム組成物をビードフィラーに用いた空気入りタイヤ。
  7. 23℃における前記ビードフィラーの複素弾性率E(23℃)が20〜50MPaである請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記ビードフィラーの複素弾性率(Ef)と、ビードワイヤーを束ね、一体化するために前記ビードワイヤーを被覆するビードカバーゴムの複素弾性率(Ec)との関係が、0.7≦(Ef)/(Ec)≦4である請求項6または7に記載の空気入りタイヤ。
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