JP2007314629A - タイヤインナーライナー用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】低発熱性でかつ耐空気透過性に優れ空気入りタイヤのインナーライナーとして使用するのに適したゴム組成物の提供。
【解決手段】ブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴムの少なくとも1種を50重量部以上含むジエン系ゴム100重量部、カーボンブラック10〜70重量部及び珪酸カルシウムを20重量部より多く100重量部以下含んでなるタイヤインナーライナー用ゴム組成物並びにそれをインナーライナーに用いた空気入りタイヤ。
【選択図】なし
【解決手段】ブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴムの少なくとも1種を50重量部以上含むジエン系ゴム100重量部、カーボンブラック10〜70重量部及び珪酸カルシウムを20重量部より多く100重量部以下含んでなるタイヤインナーライナー用ゴム組成物並びにそれをインナーライナーに用いた空気入りタイヤ。
【選択図】なし
Description
本発明はタイヤインナーライナー用ゴム組成物に関し、更に詳しくは低発熱性で耐空気透過性に優れた空気入りタイヤのインナーライナー用ゴム組成物に関する。
タイヤのインナーライナーに要求される最も重要な性能は気体透過性が低いことである。そこで空気透過性の低下を狙い、クレー等のフィラーを添加する技術が多数提案されている(特許文献1)。しかしながら、これらの技術ではフィラーの添加量が増加するに従ってゴム組成物の気体透過性は低減されるものの、同時に発熱が上昇する傾向にある。フィルムの気体透過性は一般に温度に依存して低下するので、ゴムの発熱が上昇することで気体透過度が上昇し望ましくない。
従って、本発明の目的はフィラーとして珪酸カルシウムを使用することで、低発熱かつ通気特性に優れたインナーライナー用ゴム組成物を提供する。
本発明に従えば、ブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴムの少なくとも1種を50重量部以上含むジエン系ゴム100重量部、カーボンブラック10〜70重量部及び珪酸カルシウムを20重量部より多く100重量部以下含んでなるタイヤインナーライナー用ゴム組成物並びにそれを空気入りタイヤのインナーライナーに用いた空気入りタイヤが提供される。
本発明に従えば、フィラーとして珪酸カルシウムを使用することにより、低発熱性でかつ耐空気透過性に優れたインナーライナー用ゴム組成物を得ることができる。
本発明者らは前記課題を解決すべく研究を進めた結果、珪酸カルシウム(例えばウォラストナイトとして市販されている)をフィラーとしてブチルゴム及び/又はハロゲン化ブチルゴムに配合することにより、従来のクレーと同等の耐空気透過性で発熱性が低いゴム組成物を得ることに成功した。
本発明において使用するブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴムは公知の材料であり、特に空気入りタイヤのインナーライナー用などとして汎用されている。ハロゲン化ブチルゴムとしては、臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴムなどを挙げることができる。具体的には例えばExxon ChemicalよりBROMOBUTYL 2255,LANXESSよりBROMOBUTYL X2などとして市販されており、本発明においてもこれらの市販品を用いることができる。
本発明のタイヤインナーライナー用ゴム組成物は、ゴム成分として前記ブチルゴム及び/又はハロゲン化ブチルゴムを50重量%以上、好ましくは80重量%以上使用する。他のゴム成分としてはタイヤ用として使用することができる任意のジエン系ゴム、具体的には天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)などをあげることができ、これらは単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
本発明のタイヤインナーライナー用ゴム組成物には、前記ジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラックを10〜70重量部、好ましくは30〜50重量部及び珪酸カルシウムを20重量部超〜100重量部、好ましくは25〜80重量部配合する。
本発明において使用する珪酸カルシウムは、例えばウォラストナイトを用いることができる。ウォラストナイトは石灰石と花崗岩の接触部周辺から天然に産出される鉱石で、結晶形態は針状、塊状をなしている。市販のウォラストナイトは鉱石を適度な粒径にまで粉砕したもので、例えば巴工業株式会社からは粒径の異なる各種グレードが市販されている。本発明においては、市販品のうち用途に応じて適切なグレードを選択して使用することができる。
珪酸カルシウムの配合量が少ないと所望の効果が得られず、逆に多すぎると破断特性などが低下するおそれがあるので望ましくない。
本発明に係るゴム組成物には、前記した成分に加えて、シリカなどのその他の補強剤(フィラー)、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用、その他のゴム組成物用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
標準例1、実施例1〜5及び比較例1〜5
サンプルの調製
表Iに示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.5リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、160℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
サンプルの調製
表Iに示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.5リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、160℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
得られたゴム組成物を金型中で160℃で20分間加硫して加硫ゴムシートを調製し、以下に示す試験法で引張り試験、粘弾性測定(tanδ)を行った。また、160℃で20分間加硫して径9cm×0.05cm厚のゴムシートサンプルを調製し、通気度の測定に用いた。結果は表Iに示す。
ゴム物性評価試験法
通気度(80℃):東洋精機製作所製ガス透過率測定装置MT−C3を使用し、初期圧力100kPa、測定時間1時間で、透過係数を測定した。この値が低い方が耐空気透過性に優れる。
tanδ(60℃):東洋精機製作所製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪10%、振幅±2%、周波数20Hzで測定した。この値が低い方が発熱が低い。
破断伸び:JIS K6251に準拠して測定した。この値が高い方が抗破断性に優れる。
通気度(80℃):東洋精機製作所製ガス透過率測定装置MT−C3を使用し、初期圧力100kPa、測定時間1時間で、透過係数を測定した。この値が低い方が耐空気透過性に優れる。
tanδ(60℃):東洋精機製作所製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪10%、振幅±2%、周波数20Hzで測定した。この値が低い方が発熱が低い。
破断伸び:JIS K6251に準拠して測定した。この値が高い方が抗破断性に優れる。
表I脚注
*1:LANXESS製BROMOBUTYL X2
*2:三菱化学製ダイアブラックG
*3:武田薬品工業製SILKALIGHT
*4:巴工業製NYAD1250
*5:昭和シェル製123
*6:三井化学製G−100X
*7:Air Water Chem.製FR−120
*8:鶴見化学工業製金華印油入微粉硫黄
*9:大内新興化学工業製DM−PO
*10:正同化学工業製酸化亜鉛3種
*1:LANXESS製BROMOBUTYL X2
*2:三菱化学製ダイアブラックG
*3:武田薬品工業製SILKALIGHT
*4:巴工業製NYAD1250
*5:昭和シェル製123
*6:三井化学製G−100X
*7:Air Water Chem.製FR−120
*8:鶴見化学工業製金華印油入微粉硫黄
*9:大内新興化学工業製DM−PO
*10:正同化学工業製酸化亜鉛3種
本発明によれば、フィラーとして珪酸カルシウムを使用することで、低発熱性でかつ通気特性に優れたゴム組成物が得られるので、例えば空気入りタイヤのインナーライナー用として使用するのに好適であり、その他タイヤ用チューブなどにも使用できる。
Claims (2)
- ブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴムの少なくとも1種を50重量部以上含むジエン系ゴム100重量部、カーボンブラック10〜70重量部及び珪酸カルシウムを20重量部より多く100重量部以下含んでなるタイヤインナーライナー用ゴム組成物。
- 請求項1に記載のゴム組成物をインナーライナーに用いた空気入りタイヤ。
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2006
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