JPH10258603A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
空気入りラジアルタイヤInfo
- Publication number
- JPH10258603A JPH10258603A JP9066847A JP6684797A JPH10258603A JP H10258603 A JPH10258603 A JP H10258603A JP 9066847 A JP9066847 A JP 9066847A JP 6684797 A JP6684797 A JP 6684797A JP H10258603 A JPH10258603 A JP H10258603A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tire
- pneumatic radial
- less
- radial tire
- rubber component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Tires In General (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ベルト部にスチールコードを、カーカス部材
には有機繊維を使用する空気入りラジアルタイヤにおい
て、スチールコードの耐腐食疲労性及び耐接着性を向上
させることにより耐久性、特に高速耐久性に優れた空気
入りラジアルタイヤを提供する。 【解決手段】 ベルト部２にスチールコードを、カーカ
ス部材には有機繊維を使用する空気入りラジアルタイヤ
の充填気体として、酸素分圧が１４％以下であることを
特徴とする空気入りラジアルタイヤＡ。
には有機繊維を使用する空気入りラジアルタイヤにおい
て、スチールコードの耐腐食疲労性及び耐接着性を向上
させることにより耐久性、特に高速耐久性に優れた空気
入りラジアルタイヤを提供する。 【解決手段】 ベルト部２にスチールコードを、カーカ
ス部材には有機繊維を使用する空気入りラジアルタイヤ
の充填気体として、酸素分圧が１４％以下であることを
特徴とする空気入りラジアルタイヤＡ。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベルト部にスチー
ルコードを、カーカス部材には有機繊維を使用する空気
入りラジアルタイヤにおいて、スチールコードの耐腐食
疲労性及び耐接着性を向上させることにより耐久性、特
に高速耐久性に優れた空気入りラジアルタイヤに関す
る。
ルコードを、カーカス部材には有機繊維を使用する空気
入りラジアルタイヤにおいて、スチールコードの耐腐食
疲労性及び耐接着性を向上させることにより耐久性、特
に高速耐久性に優れた空気入りラジアルタイヤに関す
る。
【０００２】
【従来の技術】従来、乗用車用空気入りラジアルタイヤ
への充填気体としては、一般に通常の空気、即ち、約酸
素２０％、窒素８０％の混合気体を用いてきた。そのた
め、タイヤ部材にスチールコードを用いた場合、タイヤ
内部からの酸素及び酸素より生成される水分が、スチー
ルコードの腐食性、並びにスチールコード（ブラスメッ
キ）とゴムとの接着性に著しい悪影響を及ぼすという根
本的な問題があり、ベルト材にスチールコードを、カー
カスプライ材に有機繊維を使用する乗用車用タイヤにお
いても、ベルトの耐久性に悪影響を及ぼすため、乗用車
用タイヤの耐久性を向上させる上でのネックとなってい
るのが現状である。
への充填気体としては、一般に通常の空気、即ち、約酸
素２０％、窒素８０％の混合気体を用いてきた。そのた
め、タイヤ部材にスチールコードを用いた場合、タイヤ
内部からの酸素及び酸素より生成される水分が、スチー
ルコードの腐食性、並びにスチールコード（ブラスメッ
キ）とゴムとの接着性に著しい悪影響を及ぼすという根
本的な問題があり、ベルト材にスチールコードを、カー
カスプライ材に有機繊維を使用する乗用車用タイヤにお
いても、ベルトの耐久性に悪影響を及ぼすため、乗用車
用タイヤの耐久性を向上させる上でのネックとなってい
るのが現状である。
【０００３】この点を改良するため、スチールコード自
体の耐腐食性、並びにコードとゴム配合面からの接着性
の向上技術が工夫されてきてはいるが、根本的な解決に
は至っていない。また、タイヤ構造面からも工夫が加え
られ、タイヤの内層にブチルゴムを主成分とする薄い層
状のゴム部材（インナーライナー層）を用いて、気体透
過性を抑制させる技術も進歩してきている。
体の耐腐食性、並びにコードとゴム配合面からの接着性
の向上技術が工夫されてきてはいるが、根本的な解決に
は至っていない。また、タイヤ構造面からも工夫が加え
られ、タイヤの内層にブチルゴムを主成分とする薄い層
状のゴム部材（インナーライナー層）を用いて、気体透
過性を抑制させる技術も進歩してきている。
【０００４】しかしながら、このインナーライナー層
は、ブチルゴムという特殊なゴムを主成分としているた
め、コストが高いのみならず、作業性も悪く、かつ、ゴ
ム自体の発熱量も大きくなり、タイヤとしての発熱が問
題となり、特に高速耐久性の低下を招く点に課題があ
る。
は、ブチルゴムという特殊なゴムを主成分としているた
め、コストが高いのみならず、作業性も悪く、かつ、ゴ
ム自体の発熱量も大きくなり、タイヤとしての発熱が問
題となり、特に高速耐久性の低下を招く点に課題があ
る。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
従来技術の課題に鑑み、これを解消しようとするもので
あり、根本的な対策として、タイヤ内の充填空気中の酸
素に着目して、その酸素分圧を予め限定することで、酸
素のタイヤへの悪影響、特にベルトコードへの悪影響を
大幅に低減しつつ、一方で、インナーライナー層のブチ
ルゴム比率を限定して、たとえ気体透過性はアップして
も、酸素の影響を低減させながら、併せてインナーライ
ナー層自体の発熱量を低減させ、タイヤとしての高速耐
久性を向上させることができる空気入りラジアルタイヤ
を提供することを目的とする。
従来技術の課題に鑑み、これを解消しようとするもので
あり、根本的な対策として、タイヤ内の充填空気中の酸
素に着目して、その酸素分圧を予め限定することで、酸
素のタイヤへの悪影響、特にベルトコードへの悪影響を
大幅に低減しつつ、一方で、インナーライナー層のブチ
ルゴム比率を限定して、たとえ気体透過性はアップして
も、酸素の影響を低減させながら、併せてインナーライ
ナー層自体の発熱量を低減させ、タイヤとしての高速耐
久性を向上させることができる空気入りラジアルタイヤ
を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の課題について鋭意研究した結果、ベルト部にスチー
ルコードを、カーカス部材には有機繊維を使用する空気
入りラジアルタイヤにおいて、タイヤ内部からの酸素の
侵入を防ぐために内圧充填材の酸素分圧（％）を限定す
ると共に、インナーライナー層のブチルゴム比率を限定
することにより、目的の空気入りラジアルタイヤを得る
ことに成功し、本発明を完成するに至ったのである。
術の課題について鋭意研究した結果、ベルト部にスチー
ルコードを、カーカス部材には有機繊維を使用する空気
入りラジアルタイヤにおいて、タイヤ内部からの酸素の
侵入を防ぐために内圧充填材の酸素分圧（％）を限定す
ると共に、インナーライナー層のブチルゴム比率を限定
することにより、目的の空気入りラジアルタイヤを得る
ことに成功し、本発明を完成するに至ったのである。
【０００７】すなわち、本発明の空気入りラジアルタイ
ヤは、下記(1)〜(5)に存する。 (1) ベルト部にスチールコードを、カーカス部材には有
機繊維を使用する空気入りラジアルタイヤの充填気体と
して、酸素分圧が１４％以下であることを特徴とする空
気入りラジアルタイヤ。 (2) 空気入りラジアルタイヤの内面に備わるインナーラ
イナー層のゴムとして、ブチルゴム成分と天然ゴム成分
との比が６０／４０以下からなる上記(1)記載の空気入
りラジアルタイヤ。 (3) ブチルゴム成分として、ブチルゴム、ハロゲン化ブ
チルゴム又はイソモノオレフィンとｐ−メチルスチレン
とからなる共重合体を臭素化してなるブチルゴムの少な
くとも一つである上記(2)記載の空気入りラジアルタイ
ヤ。 (4) 充填気体の酸素分圧が５％以下の場合、インナーラ
イナー層を構成するゴムとして、ブチルゴム成分と天然
ゴム成分との比が５０／５０以下からなる上記(2)又は
(3)記載の空気入りラジアルタイヤ。 (5) 充填気体の酸素分圧が２％以下の場合、インナーラ
イナー層を構成するゴムとして、ブチルゴム成分と天然
ゴム成分との比が３０／７０以下からなる上記(2)又は
(3)記載の空気入りラジアルタイヤ。
ヤは、下記(1)〜(5)に存する。 (1) ベルト部にスチールコードを、カーカス部材には有
機繊維を使用する空気入りラジアルタイヤの充填気体と
して、酸素分圧が１４％以下であることを特徴とする空
気入りラジアルタイヤ。 (2) 空気入りラジアルタイヤの内面に備わるインナーラ
イナー層のゴムとして、ブチルゴム成分と天然ゴム成分
との比が６０／４０以下からなる上記(1)記載の空気入
りラジアルタイヤ。 (3) ブチルゴム成分として、ブチルゴム、ハロゲン化ブ
チルゴム又はイソモノオレフィンとｐ−メチルスチレン
とからなる共重合体を臭素化してなるブチルゴムの少な
くとも一つである上記(2)記載の空気入りラジアルタイ
ヤ。 (4) 充填気体の酸素分圧が５％以下の場合、インナーラ
イナー層を構成するゴムとして、ブチルゴム成分と天然
ゴム成分との比が５０／５０以下からなる上記(2)又は
(3)記載の空気入りラジアルタイヤ。 (5) 充填気体の酸素分圧が２％以下の場合、インナーラ
イナー層を構成するゴムとして、ブチルゴム成分と天然
ゴム成分との比が３０／７０以下からなる上記(2)又は
(3)記載の空気入りラジアルタイヤ。
【０００８】以下に、本発明の実施形態について詳しく
説明する。本発明の空気入りラジアルタイヤは、ベルト
部にスチールコードを、カーカス部材には有機繊維を使
用する空気入りラジアルタイヤの充填気体として、酸素
分圧（％）が１４％以下であることを特徴とするもので
ある。図１は、本発明の空気入りラジアルタイヤの一例
を示すものであり、この空気入りラジアルタイヤＡは、
カーカス部１、該カーカス部１のクラウン部を覆うベル
ト部２、このベルト部２上に配置したトレット部３、ビ
ード部４、空気入りラジアルタイヤの内面に備わるイン
ナーライナー層５から構成されている。
説明する。本発明の空気入りラジアルタイヤは、ベルト
部にスチールコードを、カーカス部材には有機繊維を使
用する空気入りラジアルタイヤの充填気体として、酸素
分圧（％）が１４％以下であることを特徴とするもので
ある。図１は、本発明の空気入りラジアルタイヤの一例
を示すものであり、この空気入りラジアルタイヤＡは、
カーカス部１、該カーカス部１のクラウン部を覆うベル
ト部２、このベルト部２上に配置したトレット部３、ビ
ード部４、空気入りラジアルタイヤの内面に備わるイン
ナーライナー層５から構成されている。
【０００９】上記ベルト部にスチールコードを、カーカ
ス部材には有機繊維を使用する空気入りラジアルタイヤ
の充填気体として、酸素分圧を１４％以下とすることに
より、ベルト部におけるスチールコードの耐腐食疲労性
及び耐接着性が大幅に向上して耐久性、特に高速耐久性
に優れた空気入りラジアルタイヤが得られることとな
る。また、上記酸素分圧が１４％以下となる酸素ガス以
外の充填気体（混合ガス）としては、スチールコードに
悪影響を及ぼさず、かつ、目的の空気入りラジアルタイ
ヤを得る観点から窒素ガスなどの不活性ガスが好まし
い。窒素ガスは、一般の不活性ガスに較べコスト的にも
有利であり、安全面も保証されるていることから本発明
の空気入りラジアルタイヤの充填気体として望ましいも
のである。更に、上記ベルト部に用いるスチールコード
構造は、特に限定されるものでなく、種々のスチールコ
ード構造が適用される。
ス部材には有機繊維を使用する空気入りラジアルタイヤ
の充填気体として、酸素分圧を１４％以下とすることに
より、ベルト部におけるスチールコードの耐腐食疲労性
及び耐接着性が大幅に向上して耐久性、特に高速耐久性
に優れた空気入りラジアルタイヤが得られることとな
る。また、上記酸素分圧が１４％以下となる酸素ガス以
外の充填気体（混合ガス）としては、スチールコードに
悪影響を及ぼさず、かつ、目的の空気入りラジアルタイ
ヤを得る観点から窒素ガスなどの不活性ガスが好まし
い。窒素ガスは、一般の不活性ガスに較べコスト的にも
有利であり、安全面も保証されるていることから本発明
の空気入りラジアルタイヤの充填気体として望ましいも
のである。更に、上記ベルト部に用いるスチールコード
構造は、特に限定されるものでなく、種々のスチールコ
ード構造が適用される。
【００１０】この空気入りラジアルタイヤにおけるイン
ナーライナー層の酸素透過性を遮断するゴムとしては、
ブチルゴム成分と天然ゴム成分との比（以下、単に「ブ
チルゴム成分の比」という）が６０／４０以下からなる
ことが好ましい。ブチルゴム成分として、例えば、ブチ
ルゴム、ハロゲン化ブチルゴム又はイソモノオレフィン
とｐ−メチルスチレンとからなる共重合体を臭素化して
なるブチルゴムの少なくとも一つが使用できる。
ナーライナー層の酸素透過性を遮断するゴムとしては、
ブチルゴム成分と天然ゴム成分との比（以下、単に「ブ
チルゴム成分の比」という）が６０／４０以下からなる
ことが好ましい。ブチルゴム成分として、例えば、ブチ
ルゴム、ハロゲン化ブチルゴム又はイソモノオレフィン
とｐ−メチルスチレンとからなる共重合体を臭素化して
なるブチルゴムの少なくとも一つが使用できる。
【００１１】充填気体として酸素分圧を１４％以下と制
限することで、インナーライナー層の酸素透過性抑制の
ために配合しているブチルゴム成分の比を６０／４０
（ブチルゴム成分を６０重量％）以下にしても、十分酸
素のタイヤへの悪影響を抑制する効果があり、さらに、
インナーライナーゴム自体の発熱性も抑えられ、タイヤ
としての高速耐久性を向上させることができることとな
る。なお、酸素分圧が１４％を越えると、酸素限定の効
果が急速になくなり、ベルト部のスチールコードの耐腐
食疲労性及び耐接着性への改善効果はほとんど見られな
くなる。一方、インナーライナー層のブチルゴム成分の
比が、６０／４０（ブチルゴム成分が６０重量％）を越
えた場合には、インナーライナーの発熱量が増加し、タ
イヤの高速耐久性が低下することとなる。
限することで、インナーライナー層の酸素透過性抑制の
ために配合しているブチルゴム成分の比を６０／４０
（ブチルゴム成分を６０重量％）以下にしても、十分酸
素のタイヤへの悪影響を抑制する効果があり、さらに、
インナーライナーゴム自体の発熱性も抑えられ、タイヤ
としての高速耐久性を向上させることができることとな
る。なお、酸素分圧が１４％を越えると、酸素限定の効
果が急速になくなり、ベルト部のスチールコードの耐腐
食疲労性及び耐接着性への改善効果はほとんど見られな
くなる。一方、インナーライナー層のブチルゴム成分の
比が、６０／４０（ブチルゴム成分が６０重量％）を越
えた場合には、インナーライナーの発熱量が増加し、タ
イヤの高速耐久性が低下することとなる。
【００１２】充填気体の酸素分圧が５％以下の場合に
は、インナーライナー層の酸素透過性抑制のために配合
しているブチルゴム成分の比を５０／５０（ブチルゴム
成分を５０重量％）以下にしても、ベルト部のスチール
コードの耐腐食疲労性や耐接着性が明らかに向上し、か
つインナーライナーの発熱量も十分に抑えられ、タイヤ
の高速耐久性が大きく向上することとなる。更に、充填
気体の酸素分圧が２％以下の場合には、インナーライナ
ー層の酸素透過性抑制のために配合しているブチルゴム
成分の比を３０／７０（ブチルゴム成分を３０重量％）
以下にしても、上記性能の全てが著しい飛躍的な改善効
果が見られることとなる。本発明では、充填気体の酸素
分圧を上述の如く順次低くすれば、インナーライナー層
を構成するブチルゴム成分の量を順次少なくすることが
できるため、発熱性の高いブチルゴム成分の量が減り、
タイヤとしての耐久性、特に高速耐久性が更に改善され
ることとなる。
は、インナーライナー層の酸素透過性抑制のために配合
しているブチルゴム成分の比を５０／５０（ブチルゴム
成分を５０重量％）以下にしても、ベルト部のスチール
コードの耐腐食疲労性や耐接着性が明らかに向上し、か
つインナーライナーの発熱量も十分に抑えられ、タイヤ
の高速耐久性が大きく向上することとなる。更に、充填
気体の酸素分圧が２％以下の場合には、インナーライナ
ー層の酸素透過性抑制のために配合しているブチルゴム
成分の比を３０／７０（ブチルゴム成分を３０重量％）
以下にしても、上記性能の全てが著しい飛躍的な改善効
果が見られることとなる。本発明では、充填気体の酸素
分圧を上述の如く順次低くすれば、インナーライナー層
を構成するブチルゴム成分の量を順次少なくすることが
できるため、発熱性の高いブチルゴム成分の量が減り、
タイヤとしての耐久性、特に高速耐久性が更に改善され
ることとなる。
【００１３】次に、実施例、比較例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【００１４】（実施例１〜５及び比較例１〜３）下記表
１に示されるインナーライナー層のゴム成分以外の配合
内容及び表２に示されるゴム成分の配合内容により配合
したインナーライナー層（厚さ１．２ｍｍ）を貼った１
８５ ＳＲ １４乗用車用タイヤを試作した。ベルト部
のスチールコード構造は、１×３×０．３０とし、ま
た、カーカス部材の有機繊維構造は、ポリエステルの１
５００デニールの２本撚りとした。次に、これらの試作
タイヤについて、下記に示す試験方法にて、コードの耐
腐食疲労性（指数）、ベルトコード／ゴムの耐接着性
（指数）、ドラムテストにおける高速耐久性（指数）を
評価した。これらの結果を下記表１及び表２に示す。
１に示されるインナーライナー層のゴム成分以外の配合
内容及び表２に示されるゴム成分の配合内容により配合
したインナーライナー層（厚さ１．２ｍｍ）を貼った１
８５ ＳＲ １４乗用車用タイヤを試作した。ベルト部
のスチールコード構造は、１×３×０．３０とし、ま
た、カーカス部材の有機繊維構造は、ポリエステルの１
５００デニールの２本撚りとした。次に、これらの試作
タイヤについて、下記に示す試験方法にて、コードの耐
腐食疲労性（指数）、ベルトコード／ゴムの耐接着性
（指数）、ドラムテストにおける高速耐久性（指数）を
評価した。これらの結果を下記表１及び表２に示す。
【００１５】（耐腐食疲労性）実施例１〜５及び比較例
１〜３の各試作タイヤに内圧が２kgf／cm2になるように
下記表１に示した酸素分圧の気体（他の充填気体は窒素
ガス）を充填し、ＪＩＳ１００％荷重の下に速度６０km
／ｈで５万kmまで走行させた。実地走行後、図２に示す
ように、上記条件下の走行後のタイヤから取り出したゴ
ム付きコード１０を、直径４０mmのプーリー１１の３個
に掛け、固定プーリー１２を介して新品コード破断荷重
の１０％に相当する重り１４に引張荷重を掛け、プーリ
ー１２を左右に繰り返し２０cm移動させたコードに繰り
返し曲げ歪を与えてコードを疲労破断させ、コード破断
に至る繰り返し回数を１０本のコードの平均破断回数と
して求めた。そして、下記表１に示す耐腐食疲労性は、
前記の値を比較例１のコントロールタイヤを１００とし
て指数値で示したものであり、値が大きいほど耐腐食疲
労性が良好なことを示す。
１〜３の各試作タイヤに内圧が２kgf／cm2になるように
下記表１に示した酸素分圧の気体（他の充填気体は窒素
ガス）を充填し、ＪＩＳ１００％荷重の下に速度６０km
／ｈで５万kmまで走行させた。実地走行後、図２に示す
ように、上記条件下の走行後のタイヤから取り出したゴ
ム付きコード１０を、直径４０mmのプーリー１１の３個
に掛け、固定プーリー１２を介して新品コード破断荷重
の１０％に相当する重り１４に引張荷重を掛け、プーリ
ー１２を左右に繰り返し２０cm移動させたコードに繰り
返し曲げ歪を与えてコードを疲労破断させ、コード破断
に至る繰り返し回数を１０本のコードの平均破断回数と
して求めた。そして、下記表１に示す耐腐食疲労性は、
前記の値を比較例１のコントロールタイヤを１００とし
て指数値で示したものであり、値が大きいほど耐腐食疲
労性が良好なことを示す。
【００１６】（耐接着性）耐接着性に関しては、上記実
地走行後、室温下にてベルトコード４本をゴムから剥離
してコード上に残っているゴム付き量を最もゴム付きの
激しい部分で、コントロールタイヤ（比較例１）のもの
と比較して指数にて表示した。値が大きい程、耐接着性
が良好なことを示す。
地走行後、室温下にてベルトコード４本をゴムから剥離
してコード上に残っているゴム付き量を最もゴム付きの
激しい部分で、コントロールタイヤ（比較例１）のもの
と比較して指数にて表示した。値が大きい程、耐接着性
が良好なことを示す。
【００１７】（高速耐久性）高速耐久性に関しては、上
記と同一サイズのタイヤにて、ドラム試験ＦＭＶＳＳ
No１０９に準拠して、以下のように行った。内圧２．１
kg／cm2、荷重はＪＩＳ荷重、リムサイズ５1/2 ＪＪ×
１４として８１km／ｈの速度にて１２０分ならし走行
後、３時間放冷し、その後１２１km／ｈより各３０分ず
つ約８km／ｈステップで段階的に上昇させ、故障した時
の速度ステップと走行時間で評価して、コントロールタ
イヤ（比較例１）のものと比較して指数にて表示した。
値が大きいほど、高速耐久性が良好なことを示す。
記と同一サイズのタイヤにて、ドラム試験ＦＭＶＳＳ
No１０９に準拠して、以下のように行った。内圧２．１
kg／cm2、荷重はＪＩＳ荷重、リムサイズ５1/2 ＪＪ×
１４として８１km／ｈの速度にて１２０分ならし走行
後、３時間放冷し、その後１２１km／ｈより各３０分ず
つ約８km／ｈステップで段階的に上昇させ、故障した時
の速度ステップと走行時間で評価して、コントロールタ
イヤ（比較例１）のものと比較して指数にて表示した。
値が大きいほど、高速耐久性が良好なことを示す。
【００１８】
【表１】
【００１９】
【表２】
【００２０】（表１及び表２の考察）表１及び表２から
明らかなように、本発明範囲となる実施例１〜５は、本
発明範囲外となる比較例１〜３に較べ、耐腐食疲労性、
耐接着性及び高速耐久性に優れたタイヤが得られること
が判明した。個別的にみると、実施例１は比較例１に対
し、酸素分圧（％）を１４％に減少することで、実地走
行後のスチールコードの残存耐腐食疲労性、並びに接着
性が向上することが判明した。実施例２では、更に酸素
分圧を下げる効果により上記２つの実地走行後の性質が
更に向上するばかりか、高速耐久性をも合わせて向上で
きることが判明した。また更に実施例４、５では酸素分
圧を２％以下にした場合には、インナーライナー層のブ
チルゴムの割合を３０phr以下にすると、全ての性能を
一段と向上できることが判った。更にまた、実施例３、
５のようにブチルゴムを用いない場合には、耐腐食疲労
性、耐接着性及び高速耐久性に優れたタイヤが得られる
と共に、大幅なるコストダウンになるばかりか、作業性
も大幅に向上することが判明した。
明らかなように、本発明範囲となる実施例１〜５は、本
発明範囲外となる比較例１〜３に較べ、耐腐食疲労性、
耐接着性及び高速耐久性に優れたタイヤが得られること
が判明した。個別的にみると、実施例１は比較例１に対
し、酸素分圧（％）を１４％に減少することで、実地走
行後のスチールコードの残存耐腐食疲労性、並びに接着
性が向上することが判明した。実施例２では、更に酸素
分圧を下げる効果により上記２つの実地走行後の性質が
更に向上するばかりか、高速耐久性をも合わせて向上で
きることが判明した。また更に実施例４、５では酸素分
圧を２％以下にした場合には、インナーライナー層のブ
チルゴムの割合を３０phr以下にすると、全ての性能を
一段と向上できることが判った。更にまた、実施例３、
５のようにブチルゴムを用いない場合には、耐腐食疲労
性、耐接着性及び高速耐久性に優れたタイヤが得られる
と共に、大幅なるコストダウンになるばかりか、作業性
も大幅に向上することが判明した。
【００２１】
【発明の効果】請求項１の発明によれば、スチールコー
ドの耐腐食疲労性及び耐接着性が大幅に向上して耐久
性、特に高速耐久性に優れた空気入りラジアルタイヤが
提供される。請求項２〜５の発明によれば、インナーラ
イナー層に使用される発熱性の高いブチルゴム成分の量
が減り、タイヤとしての高速耐久性が更に改善されるこ
ととなる。
ドの耐腐食疲労性及び耐接着性が大幅に向上して耐久
性、特に高速耐久性に優れた空気入りラジアルタイヤが
提供される。請求項２〜５の発明によれば、インナーラ
イナー層に使用される発熱性の高いブチルゴム成分の量
が減り、タイヤとしての高速耐久性が更に改善されるこ
ととなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態の一例を示す空気入りラジア
ルタイヤの断面図である。
ルタイヤの断面図である。
【図２】実施例及び比較例で作製した各試作タイヤの耐
腐食疲労性を評価するための説明図である。
腐食疲労性を評価するための説明図である。
Ａ 空気入りラジアル １ カーカス部 ２ ベルト部 ５ インナーライナー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｃ０８Ｌ 7/00 Ｃ０８Ｌ 7/00 23/22 23/22 23/28 23/28
Claims (5)
- 【請求項１】 ベルト部にスチールコードを、カーカス
部材には有機繊維を使用する空気入りラジアルタイヤの
充填気体として、酸素分圧が１４％以下であることを特
徴とする空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項２】 空気入りラジアルタイヤの内面に備わる
インナーライナー層のゴムとして、ブチルゴム成分と天
然ゴム成分との比が６０／４０以下からなる請求項１記
載の空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項３】 ブチルゴム成分として、ブチルゴム、ハ
ロゲン化ブチルゴム又はイソモノオレフィンとｐ−メチ
ルスチレンとからなる共重合体を臭素化してなるブチル
ゴムの少なくとも一つである請求項２記載の空気入りラ
ジアルタイヤ。 - 【請求項４】 充填気体の酸素分圧が５％以下の場合、
インナーライナーＡ層を構成するゴムとして、ブチルゴ
ム成分と天然ゴム成分との比が５０／５０以下からなる
請求項２又は３記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項５】 充填気体の酸素分圧が２％以下の場合、
インナーライナーＡ層を構成するゴムとして、ブチルゴ
ム成分と天然ゴム成分との比が３０／７０以下からなる
請求項２又は３記載の空気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9066847A JPH10258603A (ja) | 1997-03-19 | 1997-03-19 | 空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9066847A JPH10258603A (ja) | 1997-03-19 | 1997-03-19 | 空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10258603A true JPH10258603A (ja) | 1998-09-29 |
Family
ID=13327659
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9066847A Pending JPH10258603A (ja) | 1997-03-19 | 1997-03-19 | 空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10258603A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007314629A (ja) * | 2006-05-24 | 2007-12-06 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | タイヤインナーライナー用ゴム組成物 |
| JP2015193385A (ja) * | 2011-06-22 | 2015-11-05 | 株式会社ブリヂストン | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ、該タイヤの使用方法及び、該タイヤを備えるタイヤ・リム組立体 |
-
1997
- 1997-03-19 JP JP9066847A patent/JPH10258603A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007314629A (ja) * | 2006-05-24 | 2007-12-06 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | タイヤインナーライナー用ゴム組成物 |
| JP2015193385A (ja) * | 2011-06-22 | 2015-11-05 | 株式会社ブリヂストン | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ、該タイヤの使用方法及び、該タイヤを備えるタイヤ・リム組立体 |
| JP2018008694A (ja) * | 2011-06-22 | 2018-01-18 | 株式会社ブリヂストン | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ、該タイヤの使用方法及び、該タイヤを備えるタイヤ・リム組立体 |
| US10226966B2 (en) | 2011-06-22 | 2019-03-12 | Bridgestone Corporation | Pneumatic radial tire for passenger vehicle, method for using the tire, and tire-rim assembly including the tire |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US5046542A (en) | Radial tires for construction vehicles including tread cap and divided tread base | |
| WO2021024951A1 (ja) | 空気入りタイヤ | |
| JP2002103925A (ja) | 空気入りランフラットラジアルタイヤ | |
| US4140166A (en) | Pneumatic radial tire | |
| JP2021024509A (ja) | 空気入りタイヤ | |
| JP2003237316A (ja) | 空気入りタイヤ | |
| JP4778697B2 (ja) | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ | |
| JP4462586B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
| EP1491363B1 (en) | Pneumatic tire for heavy load | |
| JPH10258603A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
| US3762458A (en) | Pneumatic tire having a glass cord breaker layer | |
| US7255146B2 (en) | Apparatus and method of enhancing run-flat travel for pneumatic tires | |
| JPH10258606A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
| JP4428098B2 (ja) | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ | |
| JPH10193910A (ja) | 空気入りタイヤ | |
| JPH1160819A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
| JPH10258604A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
| JPH10258605A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
| JP2906054B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
| JP2002347411A (ja) | 空気入りタイヤ | |
| JP2007182146A (ja) | 空気入りタイヤの製造方法 | |
| JP2001261886A (ja) | ゴム組成物及び空気入りタイヤ | |
| JP2002002213A (ja) | 空気入りラジアルタイヤとリムの組み立て体 | |
| JPH08157648A (ja) | インナーライナーが不要なチューブレス空気入りタイヤ | |
| JP4285799B2 (ja) | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ |