JP4778697B2 - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、重荷重用空気入りラジアルタイヤ、より詳細には、トラック及びバス等の重車両用のタイヤに関し、特に、軽量化のためにベルトを3層のゴム被覆コード層から構成したタイヤの該ゴム被覆コード層のコード被覆ゴムの劣化を抑制することで、ベルトの耐久性を高めた長寿命な重荷重用空気入りラジアルタイヤに関するものである。
一般に、トラック及びバス等の重車両に使用する重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいては、トレッド部のベルトは4層のゴム被覆コード層からなり、カーカスに最も近く位置する第一コード層のコードをトレッド部の円周を含む平面(即ち、タイヤ赤道面と平行な平面)に対して比較的大きな傾斜角度で配列し、第二コード層及び第三コード層のコードを上記平面を挟んで交差する配列とし(この為、第二コード層及び第三コードはコード交差層と呼ばれる)、更に、第四コード層のコードを第三コード層のコードと同じ向きの配列とし且つ傾斜角度も第三コード層のコードとほぼ同じ傾斜角度としている。
上記4層のゴム被覆コード層からなるベルトを備えたタイヤが、悪路、例えば、砕石や小岩石等が散在する悪路を荷重負荷の下で転動すると、トレッド部が砕石や小岩石等の鋭い角縁部を踏みつけ、往々にしてベルトに達するカット傷を受けることがある。そのため、カットによるベルト損傷が致命傷となるのを少しでも回避することを目的として、ベルトのカット受傷を最外コード層である第四コード層で止めるように、第四コード層の主たる役割を保護層とする構成が提案されている。
一方、乗用車用空気入りラジアルタイヤ等と同様に、重荷重用空気入りラジアルタイヤにも軽量化の要請が強まり、タイヤ重量の中で大きな割合を占めるベルトを4層のコード層から3層のコード層とすることが提案されている。例えば、特開2000−85312号公報(特許文献1)に記載の3層コード層からなるベルトは、カーカスに最も遠い第三コード層(最外コード層)のコードをタイヤ赤道面に対し比較的大きな傾斜角度で配列し、カーカスに最も近い第一コード層(最内コード層)と第二コード層(中間コード層)とをコード交差層とし、該コード交差層の各コードをタイヤ赤道面に対し比較的小さな傾斜角度で配列するものであり、該ベルトをタイヤに適用することで、タイヤを軽量化した上で、ベルトの耐セパレーション性、コーナリング性能等を4層ベルトの従来タイヤと同等以上にしつつ、悪路走行におけるベルトの耐カット性及び最外コード層コードの耐疲労性を大幅に改善できるとしている。
特開2000−85312号公報
しかしながら、上記3層のコード層からなるベルトを備えたタイヤについて実際に検証したところ、従来の4層のコード層からなるベルトを備えたタイヤよりもコード交差層がタイヤの内側(カーカス側)に位置するため、充填空気中の酸素がより速くコード交差層に到達してコード被覆ゴムの劣化を促進し、ベルト故障に対する耐久性が低下することが確認された。更に、コード層が1層減少することで、走行後のタイヤ周長が増大し、ベルト端部の歪入力が増大して、亀裂伸展が速くなることが分った。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、ベルトを3層のコード層で構成して軽量化することを前提とし、ベルトのコード被覆ゴムの劣化を抑制すると共に、タイヤの走行成長を抑制して、ベルトの耐久性を大幅に向上させた、長寿命な重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、3層のコード層からなるベルトを備えた重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、該コード層のコード被覆ゴムに特定の配合のゴム組成物を適用することで、ベルトの耐久性が向上して、重荷重用空気入りラジアルタイヤの寿命を大幅に改善できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤは、一対のビード部内にそれぞれ埋設したビードコア相互間にわたり一対のサイドウォール部とトレッド部とを補強するラジアルカーカスと、該カーカスの外周でトレッド部を強化するベルトとを備え、該ベルトが3層のゴム被覆コード層を有し、これらコード層のうち最内コード層及び中間コード層は、各層のコードがトレッド部円周を含む平面を挟み互いに交差するコード交差層になる重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記最内コード層及び中間コード層の各コードが、前記平面に対し10〜25°の範囲内の傾斜角度を有し、前記最外コード層のコードが、中間コード層のコードの前記平面からの傾斜角度を測る向きと同じ向きに測って前記平面に対し45〜115°の範囲内の傾斜角度を有し、前記ゴム被覆コード層のコードがスチールコードであって、前記ゴム被覆コード層のコード被覆ゴムに、天然ゴム及びポリイソプレンゴムの少なくとも一方を合計50〜100質量%含み、トランスポリブタジエンゴムを除くゴム成分100質量部に対して、トランス結合含有量が82〜98モル%であり且つ重量平均分子量が30,000〜200,000であるトランスポリブタジエンゴム1.0〜5.0質量部と、0.3〜3.0質量部の1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物と、0.3〜1.5質量部のN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミドとを配合してなり、加硫後の100%伸長時の引張応力が4.5 MPa以上で且つ25℃における2%歪時の損失正接(tanδ)が0.26以下であるゴム組成物を適用したことを特徴とする。
本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤの好適例においては、前記コード被覆ゴムに適用するゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して、0.3〜2.5質量部の接着促進剤と4.0〜6.5質量部の硫黄とを含有する。この場合、コード被覆ゴムが過加硫となるのを防止しつつ、コード被覆ゴムの老化特性を十分に確保した上で、コード被覆ゴムとスチールコードとの接着性を向上させることができる。
本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤの他の好適例においては、前記コード被覆ゴムに適用するゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積(N2SA)が70〜90m2/gで且つジブチルフタレート(DBP)吸油量が70〜110mL/100gであるカーボンブラック40〜80質量部を含有する。この場合、コード被覆ゴムの補強性、発熱性及び抗破壊性を改善することができる。
本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤの他の好適例においては、前記コード被覆ゴムに適用するゴム組成物のゴム成分中の天然ゴム及びポリイソプレンゴムの総含有率が95〜100質量%である。
本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記トランスポリブタジエンゴムは、トランス結合含有量が82〜98モル%であり、且つ重量平均分子量が30,000〜200,000である。この場合、天然ゴム及びイソプレンゴムの伸張結晶性の促進効果が充分に得られる上、ゴム組成物の未加硫時の加工性と加硫時の物性とのバランスがよい。なお、トランス結合含有量が98モル%を超えるトランスポリブタジエンゴムは、合成上困難である。
また、本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいては、前記コード被覆ゴムに適用するゴム組成物は、加硫後の100%伸長時の引張応力が4.5 MPa以上であり、且つ25℃における2%歪時の損失正接(tanδ)が0.26以下である。この場合、コード被覆ゴムの剛性が高く、タイヤが径方向に拡大するのを充分に抑制することができる上、コード被覆ゴムの発熱量が少なく、コード被覆ゴムの耐発熱性が十分に高い。
更に、本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記コード被覆ゴムに適用するゴム組成物は、145℃における90%加硫時間が12〜25分であることが好ましい。この場合、コード被覆ゴムが過加硫となるのを防止して、コード被覆ゴムの抗破壊性や発熱性が低下するのを抑制できる上、加硫時間を長くする必要がないため、コード被覆ゴムの耐劣化性が低下するのを防止することができる。
本発明によれば、ベルトを3層のコード層で構成してタイヤを軽量化した上で、該コード層のコード被覆ゴムに特定の配合のゴム組成物を適用することで、ベルトのコード被覆ゴムの劣化を抑制すると共に、タイヤの走行成長を抑制して、ベルトの耐久性を大幅に向上させた、長寿命な重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することができる。
以下に、本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤを図を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に従う重荷重用空気入りラジアルタイヤのトレッド部の一部を取り出し、トレッドゴムの一部を切り取り、ベルト及びカーカスを露出させた斜視図であり、図2は、図1に示すタイヤのトレッド部の一部の正面展開を示し、トレッドゴムを切り取りステップダウンカットを施したベルト展開図と、トレッドパターン展開図とを合わせ示す説明図である。
図1において、重荷重用空気入りラジアルタイヤ1は、一対のビード部(図示省略)及び一対のサイドウォール部(図示省略)と、両サイドウォール部に連なるトレッド部2とを有し、トレッド部2は踏面側にトレッドゴム3を備える。また、タイヤ1は、一対のビード部内に埋設したビードコア(図示省略)相互間に渡り一対のビード部、一対のサイドウォール部及びトレッド部2を補強する1プライ以上(図示例では、1プライ)のゴム被覆ラジアル配列コードからなるラジアルカーカス4と、該カーカス4の外周でトレッド部2を強化するベルト5とを備える。
図1及び図2において、ベルト5は、3層のゴム被覆コード層6,7,8からなり、カーカス4に最も近い最内コード層6及び中間コード層7の各コード6a,7aをトレッド部2の円周を含む平面P(図示例では、タイヤ赤道面)を挟み互いに交差する配列とし、該最内コード層6と中間コード層7とがコード交差層9を形成する。最内コード層6のコード6aと中間コード層7のコード7aとは、平面Pに対し10〜25°の範囲内、好ましくは15〜22°の範囲内の傾斜配列とする。コード6aの平面Pに対する傾斜角度δの測定方向を矢印で示し、コード7aの平面Pに対する傾斜角度αの測定方向を矢印で示す。なお、図1及び図2に示す平面Pはタイヤ赤道面上に存在するが、平面Pはトレッド部2のいずれに位置してもよい。
図2の下方図において、最外コード層8のコード8aは、中間コード層7のコード7aの平面Pからの傾斜角度αを測る向き(図の矢印の向き)と同じ向き(図の矢印の向き)に測って、平面Pに対し45〜115°の範囲内、好ましくは50〜100°の範囲内の傾斜角度βを有するものとする。
図2の上方に示すトレッドパターンの展開図において、このタイヤのトレッドパターンは、トレッドゴム3(図1参照)に形成した周方向に直状に延びる4本の周方向溝10,11と、互いに隣り合う周方向溝10,10及び周方向溝10,11相互間にわたり各周方向溝に開口する多数本の横方向溝12,13,14とにより区画形成されたブロック15,16,17の各ブロック列をトレッド部2の中央領域に備え、トレッド部の両側領域には、周方向溝11とこれに開口する多数本の横方向溝18とにより区画形成されたブロック19のブロック列を備える。
なお、図2に示す例は、トレッド部2の全領域がブロックで形成されたブロックパターンの例であるが、中央領域をブロック以外のリブ等の陸部とし、トレッド部2の両側領域も同様のリブとしてもよく、即ち、トレッド部2を総てリブパターンとしたり、リブとブロックとの組み合わせパターンとすることもできる。
本発明のタイヤにおいては、最内コード層6のコード6aと、中間コード層7のコード7aとを、平面Pに対し10〜25°の範囲内、好ましくは15〜22°の範囲内の傾斜配列とする一方、最外コード層8のコード8aを、中間コード層7のコード7aの平面Pからの傾斜角度αを測る向きと同じ向きに測って平面Pに対し45〜115°の範囲内、好ましくは50〜100°の範囲内の傾斜角度βとすることにより、図2の下方に矢印Fxで示すような、タイヤ1に内圧を充填した際にベルト5に生じるトレッド部2の周方向張力Fxを、平面Pに対し傾斜角度が小さなコード交差層9を形成する最内コード層6及び中間コード層7のコード6a及びコード7aが主として負担し、最外コード層8が負担すべき張力を大幅に減少させることができる。そのため、荷重負荷の下で転動するタイヤ1のトレッド部2が鋭利な角縁を有する砕石や小岩石等の異物に乗り上げ、角縁がトレッドゴム3を貫通してベルト5に達した場合でも、最外コード層8のコード8aが切れ難くなり、耐カット性に基づくタイヤ1の耐久性が向上する。
また、図2において、ベルト5は、タイヤ1に内圧を充填した際にベルト5に生じる張力Fxにより、タイヤ1の放射方向に張り出す傾向を有し、その結果、ベルト5が全体として幅方向内側に収縮し、ベルト5の各層6,7,8のコード6a,7a,8aが、それぞれ傾斜角度δ,α,βが減少する方向へ変化しようとする。しかしながら、このベルト5の構成下では、最外コード層8のコード8aは、傾斜角度βが最内コード層6及び中間コード層7のそれぞれのコード6a,7aの傾斜角度δ,αに比べ著しく大きいため、傾斜角度の減少度合いがコード6a,7aに比べて極めて少なく、その結果、最外コード層8は、幅方向へ収縮し難い。このため、最外コード層8のコード8aがコード交差層9に対し、所謂、つっかえ棒のような作用を及ぼし、最外コード層8がコード交差層9の幅方向収縮を抑制するように働く。幅方向収縮が抑制されたコード交差層9は、トレッド部2の周方向剛性が増大し、その結果、3層構成のベルト5を備えるタイヤ1でもコーナリングパワー(以下CPという)が向上して、従来の4層構成のベルトを備えるタイヤと同等以上のコーナリング性能を発揮することができる。更に、コード交差層9の周方向剛性増大は、タイヤ1への内圧充填時のタイヤの径成長を抑制することに大きく貢献する。
なお、最内コード層6及び中間コード層7の各コード6a,7aの平面Pに対する傾斜角度δ,αは、コード6a,7aに均等に張力を負担させる観点から、互いにほぼ等しくすることが好ましい。なお、コード6a,7aの傾斜角度δ,αを10〜25°の範囲内としたのは、傾斜角度δ,αが10°未満では、最内コード層6と中間コード層7との端部に生じる層間せん断ひずみが大きくなり過ぎ、該端部にセパレーション故障が発生し易くなる一方、傾斜角度δ,αが25°を超えると、内圧充填タイヤ1においてベルト5に作用する張力Fxにより、最外コード層8の幅方向収縮抑制効果が十分に発揮されなくなり、コード交差層9の周方向剛性が著しく低下して、CP特性が劣化すると共に、タイヤの径成長を十分に抑制することができなくなるからである。更に、最外コード層8のコード8aの傾斜角度βを45〜115°の範囲内としたのは、傾斜角度βが45°未満でも、傾斜角度βが115°を超えても、従来タイヤよりCP特性が低下するためである。
また、最外コード層8のコード8aの被覆ゴム8bは、200kgf/cm2以上の圧縮弾性率を有することが好ましい。ここで、圧縮弾性率は、直径dが14mm、高さhが28mmの円柱状の空洞部をもつ金属製、例えばスチール製の治具の空洞部にゴム試験片を隙間無く充填し、この治具を圧縮試験機にセットし、ゴム試験片の上下面に対し速度0.6mm/分で荷重wを負荷させ、このときのゴム試験片の変位量をレーザー変位計で測定し、荷重wと変位との関係から算出した値である。比較的大きな砕石や岩石等の異物が散在する路面上をタイヤ1が転動し、これら大きな異物に乗り上げたとき、ベルト5の最外コード層8は、大きな曲率での曲げ変形が強いられる結果、局所的に大きな圧縮力が作用し、最外コード層8のコード8aに座屈が生じるところ、最外コード層8のコード8aの被覆ゴム8bに圧縮弾性率が200kgf/cm2以上のゴムを適用することにより、コード被覆ゴム8bの圧縮抵抗力を増大させ、最外コード層8のコード8aの座屈変形を阻止することが可能となる。その結果、タイヤ1が比較的大きな砕石や岩石等の異物にしばしば乗り上げても、最外コード層8のコード8aの座屈疲労によるコード切れの発生を防止することができる。なお、コード被覆ゴム8bの圧縮弾性率が200kgf/cm2未満では、この効果が不十分である。
本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいては、上記ベルト5を構成するゴム被覆コード層6,7,8のコード6a,7a,8aがスチールコードであって、ゴム被覆コード層6,7,8のコード被覆ゴム6b,7b,8bに、天然ゴム及びポリイソプレンゴムの少なくとも一方を合計50〜100質量%含むゴム成分100質量部に対して、1.0〜5.0質量部のトランスポリブタジエンゴムと、0.3〜3.0質量部の1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物(HTS)と、0.3〜1.5質量部のN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド又は1.0質量部を超え且つ2.5質量部以下のN,N'-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミドとを配合してなるゴム組成物を適用する。
上記コード被覆ゴム用ゴム組成物は、従来のコード被覆ゴム用ゴム組成物に比べ、加硫促進剤の配合量が多いため、或いは、加硫促進作用のよい強い加硫促進剤を用いているため、90%加硫時間が短いものの、スチールコードとの接着性が充分高い。この理由としては、該ゴム組成物に含まれるHTSが架橋剤であり、ゴム成分等のポリマーと反応する一方、スチールコードのメッキ中の銅とも反応するため、コード被覆ゴム6b,7b,8bとスチールコードとの接着性の向上に有効に作用したこと等が考えられる。なお、この接着性の向上効果は、ゴム組成物が上記加硫促進剤を本発明で規定する量含有する場合に発現される。
また、上記コード被覆ゴム用ゴム組成物は、90%加硫時間が短い、即ち、加硫速度が速いため、短時間の加硫でも充分高弾性になる一方、加硫時間を短くすることで、耐劣化性が著しく向上する。更に、該ゴム組成物は、HTSとトランスポリブタジエンゴムとを夫々特定量含むため、耐クリープ性も向上している。
上記コード被覆ゴム用ゴム組成物に用いるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)の他、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、トランスポリブタジエンゴム(trans-BR)以外のポリブタジエンゴム(BR)等が挙げられる。ここで、該ゴム成分は、天然ゴム及びポリイソプレンゴムを合計で50〜100質量%、好ましくは95〜100質量%含む。ゴム成分中の天然ゴム及びポリイソプレンゴムの総含有率が50質量%未満では、ゴム組成物の抗破壊性が低下してくる。
上記コード被覆ゴム用ゴム組成物は、上記トランスポリブタジエンゴムを除くゴム成分100質量部に対してトランスポリブタジエンゴムを1.0〜5.0質量部含む。トランスポリブタジエンゴムの配合量が1.0質量部未満では、スチールコードとの接着性及び耐クリープ性が低下し、5.0質量部を超えると、スチールコードとの接着性及び耐クリープ性を向上させる効果が飽和に達し、更に向上させることができない。
上記トランスポリブタジエンゴムは、トランス結合含有量が82〜98モル%であり、86〜98モル%であることが好ましい。トランスポリブタジエンゴムのトランス結合含有量が高いほど、天然ゴム及びイソプレンゴムの伸張結晶性を促進する効果が高くなる傾向がある。ここで、トランスポリブタジエンゴムのトランス結合含有量が82モル%未満では、天然ゴム及びイソプレンゴムの伸張結晶性の促進効果が充分得られない。一方、トランス結合含有量が98モル%を超えるトランスポリブタジエンゴムは、合成上困難である。
また、上記トランスポリブタジエンゴムは、重量平均分子量(Mw)が3×104〜20×104 であり、5×104〜15×104であることが好ましい。重量平均分子量がこの範囲にあると、ゴム組成物の未加硫時の加工性と加硫時の物性とのバランスがよい。ここで、トランスポリブタジエンゴムの重量平均分子量が3×104未満では、加硫後のゴム組成物の弾性率が低下する傾向があり、20×104を超えると、未加硫時の作業性が低下する傾向がある。
上記コード被覆ゴム用ゴム組成物は、下記式(I):
NaO3S−S−(CH2)6−S−SO3Na・2H2O ・・・ (I)
で表される1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物(HTS)を上記ゴム成分100質量部に対して0.3〜3.0質量部含有する。上記HTSの配合量が0.3質量部未満では、ゴム成分及びスチールコードのメッキ中の銅との反応が充分進まず、コード被覆ゴム6b,7b,8bとスチールコードとの接着性を向上させる効果が小さい上、タイヤの耐クリープ性を充分に向上させることができない。一方、HTSの配合量が3.0質量部を超えると、スチールコードとの接着性及び耐クリープ性を向上させる効果が飽和に達し、更に向上させることができない。
上記コード被覆ゴム用ゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対して、加硫促進剤としてN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(以下、加硫促進剤CZと略記することがある)を0.3〜1.5質量部含む。従来のコード被覆ゴム用ゴム組成物においては、遅延性の加硫促進剤DZを1.0質量部以下配合し、90%加硫時間を25分以上にして、スチールコードとの接着性を確保していたが、本発明の重荷重用タイヤのベルトのコード被覆ゴム6b,7b,8bに用いるゴム組成物は、上述のトランスポリブタジエンゴム及びHTSを所定量含むことでスチールコードとの接着性が充分に確保されている。そのため、上記コード被覆ゴム用ゴム組成物においては加硫促進剤DZに代えて、加硫促進剤CZを用いて、加硫速度を上げることできる。ゴム組成物の加硫速度を上昇させることで、短時間の加硫でも充分な弾性率を確保することができ、また、加硫時間を短くすることで、コード被覆ゴム6b,7b,8bの耐劣化性を向上させることができる。なお、加硫促進剤CZの配合量が0.3質量部未満では、加硫速度を充分に上昇させることができない上、前述のHTSによるコード-ゴム接着性の向上効果が充分に発現されない。一方、加硫促進剤CZの配合量が1.5質量部を超えた場合、ゴム組成物の抗破壊性が低下してくる上に、スチールコードとの接着性も低下する。
本発明の重荷重用タイヤのベルト5のコード被覆ゴム6b,7b,8bに用いるゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対して、0.3〜2.5質量部の接着促進剤と4.0〜6.5質量部の硫黄とを含有することが好ましい。接着促進剤の配合量が0.3質量部未満では、スチールコードとの接着性が低下し、2.5質量部を超えると、ゴム組成物の老化特性が悪化し過ぎる。また、硫黄の配合量が4.0質量部未満では、スチールコードとの接着性が不充分であり、6.5質量部を超えると、ゴム組成物が過加硫となりスチールコードとの接着性が低下する。ここで、上記接着促進剤としては、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト等が挙げられる。該接着促進剤は、有機酸の一部をホウ酸等で置き換えた複合塩でもよい。
上記コード被覆ゴム用ゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積(N2SA)が70〜90m2/gで且つジブチルフタレート(DBP)吸油量が70〜110mL/100gであるカーボンブラックを40〜80質量部含有することが好ましい。カーボンブラックのN2SAが70m2/g未満では、ゴム組成物の補強性が低下し、90m2/gを超えると、ゴム組成物の発熱性が低下してくる。また、カーボンブラックのDBP吸油量が70mL/100g未満では、ゴム組成物の補強性が低下し、110mL/100gを超えると、カーボンブラックの分散が悪く、ゴム組成物の抗破壊性が低下してくる。更に、かかる物性を有するカーボンブラックの配合量が40質量部未満では、ゴム組成物の補強性が不足し、80質量部を超えると、ゴム組成物の発熱性が低下してくる。
上記コード被覆ゴム用ゴム組成物は、加硫後の100%伸長時の引張応力が4.5 MPa以上であり、且つ25℃における2%歪時の損失正接(tanδ)が0.26以下である。加硫後の物性として、100%伸長時の引張応力が4.5 MPa未満では、ゴムの弾性が低く、タイヤが径方向に拡大するのを充分に抑制することができず、タイヤの形状を充分に確保できない。また、加硫後の物性として、25℃における2%歪時のtanδが0.26を超えると、発熱量が多くなり、コード被覆ゴム6b,7b,8bの耐発熱性が低下する。
上記コード被覆ゴム用ゴム組成物は、145℃における90%加硫時間が12〜25分であることが好ましい。ここで、90%加硫時間は、加硫曲線におけるトルクの最大値をFmax、最小値をFminとしたとき、{(Fmax−Fmin)×0.9+Fmin}のトルクに達するまでの時間(分)を指し、加硫速度の指標として一般に使用されるものである。145℃における90%加硫時間が12分未満では、タイヤ加硫において過加硫となり、タイヤ中のゴムの抗破壊性や発熱性が低下してくる一方、25分を超えると、加硫ゴムの弾性と耐クリープ性を充分高くするために、加硫時間を長くする必要があり、その結果、加硫ゴムの耐劣化性が低下する。
上記コード被覆ゴム用ゴム組成物には、上述のゴム成分、トランスポリブタジエンゴム、HTS、加硫促進剤、硫黄、接着促進剤、カーボンブラックの他、上記以外の充填剤、加硫剤及び加硫促進剤、更には、老化防止剤、スコーチ防止剤、軟化剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、シランカップリング剤等のゴム業界で通常使用される配合剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択し配合することができる。これら配合剤は、市販品を好適に使用することができる。なお、上記ゴム組成物は、ゴム成分に、トランスポリブタジエンゴム、HTS及び加硫促進剤、並びに必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、上記ゴム被覆コード層6,7,8のコード6a,7a,8aは、スチールコードであるが、該スチールコードは、コード被覆ゴム6b,7b,8bとの接着性を良好にするために黄銅、亜鉛或いはこれらにニッケルやコバルトを含有する金属でメッキ処理されていることが好ましく、黄銅メッキ処理されていることが特に好ましい。また、該コードのサイズ、撚り数、撚り条件等は、タイヤの要求性能に応じて適宜選択される。
本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤは、上記三層構造のベルト5を用いて通常の方法によって製造される。なお、本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
表1に示す各配合成分を混練混合して未加硫ゴム組成物を調製し、下記の方法で引張応力及び耐劣化性、損失正接、耐クリープ性、並びに接着耐久性を評価した。これらの結果を表1に示す。
(1)引張応力及び耐劣化性
各ゴム組成物について、145℃×45分間の条件で加硫したサンプルを作製し、JIS K 6301-1995に準拠して引張試験を行い、100%伸長時の引張応力(100%Mod)を測定した。また、JIS K 6301-1995に準拠して、上記サンプルの切断時伸び(EB)と、加硫後に80℃×24時間熱劣化させたサンプルの切断時伸びとを測定し、その比を算出して、従来例を100として指数表示し、耐劣化性の指標とした。指数値が大きい程、耐劣化性が良好であることを示す。
(2)損失正接(tanδ)
東洋精機社製粘弾性測定機を用い、145℃×45分間の条件で加硫した試験片(長さ4.9mm×幅1.0mm×厚さ1.0mm)を静的に4.5%伸長させた状態で、動的歪2.0%、周波数52Hz、測定温度25℃の条件で、損失正接(tanδ)を測定した。tanδが小さい程、良好であることを示す。
(3)耐クリープ性
島津製作所製動的クリープ試験機を用い、145℃×45分間の条件で加硫した試験片(長さ4.9mm×幅1.0mm×厚さ1.0mm)の定応力振幅歪入力時のクリープ量を測定し、従来例のクリープ量を100として指数表示した。指数値が大きい程、クリープ量が小さく、良好であることを示す。
(4)接着耐久性
黄銅(Cu:63質量%、Zn:37質量%)メッキしたスチールコード(1×5構造、素線径0.25mm)を上記未加硫ゴム組成物で被覆してコード-ゴム複合体を作製し、該複合体を145℃×45分間の条件で加硫した後、80℃×80%RHで10日間劣化させた。劣化後のコード-ゴム複合体からスチールコードを引き抜き、スチールコードのゴム被覆率を測定し、従来例のゴム組成物を用いたコード-ゴム複合体のゴム被覆率を100として指数表示した。指数値が大きい程、ゴム被覆率が高く、スチールコードとコード被覆ゴムとの接着性が高いことを示す。
次に、上記ゴム組成物をベルト5の各ゴム被覆コード層のコード被覆ゴム6b,7b,8bに用い、図1〜図2に示す構造で、サイズが11R22.5のトラック及びバス用ラジアルタイヤを試作した。表中、コード傾斜角度は、カーカス4側から順に符号1B、2B、3B、4Bを付したコード層のコード傾斜角度として示した(但し、従来例以外は、4Bは存在しない)。なお、傾斜角度の数値の前に付した符号Rはコードが右上がり配列を表し、符号Lはコードが左上がり配列を表す。各コード層のコードはいずれも1×0.34+6×0.34のスチールコードであり、コード打込数は18.0本/50mmである。また、カーカス4は1プライであり、該プライは(3+9+15)×0.175のスチールコードのラジアル配列をゴム被覆したものである。その他の構成は慣例に従うものとした。次に、得られた供試タイヤに対し、下記の方法で、耐久性試験、劣化後のコード交差層間のコード被覆ゴムの切断時伸び測定、走行成長試験を行った。結果を表1に示す。
(5)耐久性試験
供試タイヤに対し、内圧700kPa、荷重28.6kN、速度60km/h、温度40℃の環境下でドラム試験を行い、タイヤが故障に至るまでの走行距離を測定し、従来例のタイヤの走行距離を100として指数表示した。指数値が大きい程、故障に至るまでの走行距離が長く、耐久性に優れることを示す。
(6)劣化後のコード交差層間のコード被覆ゴムの切断時伸び測定
供試タイヤを酸素800kPa充填、40℃、30日の条件で劣化させた後、タイヤを解剖してコード交差層9間(最内コード層6と中間コード層7の間)のコード被覆ゴムを取り出し、JIS K 6301-1995に準拠して切断時伸び(EB)を測定し、従来例のタイヤの切断時伸びを100として指数表示した。指数値が大きい程、コード被覆ゴムの切断時伸びが大きく、コード被覆ゴムの劣化が小さく、良好であることを示す。
(7)走行成長試験
内圧800kPaを充填した供試タイヤに対し、荷重28.6kN、速度60km/h、温度40℃の条件で48時間ドラム試験を行い、試験前及び試験後のタイヤ半径から、半径成長比率(%)を算出し、従来例のタイヤの半径成長比率を100として指数表示した。指数値が小さい程、走行後の径成長が小さく、良好であることを示す。
Figure 0004778697
*1 特開2002−362107号の実施例に記載の方法に従って合成したトランスポリブタジエンゴムを用いた。即ち、乾燥し、窒素置換された800mLの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3-ブタジエン50g、ランタントリス(ノニルフェノキシド) 0.3mmolを加え、続いてn-ブチルリチウム0.9mmolを加えた後、50℃で2時間重合を行った。重合反応終了後、重合系に2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾールのイソプロパノール5質量%溶液0.5mLを加えて反応を停止させ、更に常法により乾燥してトランスポリブタジエンゴムを得た。得られたトランスポリブタジエンゴムは、1,4-トランス結合含有量が92モル%で、1,2-ビニル結合含有量が5モル%で、重量平均分子量(Mw)が6.4×104で、分子量分布(Mw/Mn)が1.3であった。
*2 N326.
*3 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン, 大内新興化学工業製「ノクラック6C」.
*4 マノボンド, ローディア社製.
*5 N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド, 大内新興化学工業製「ノクセラーCZ」.
比較例1から明らかなように、ベルトを4層構造から3層構造とするだけでは、走行によるタイヤの径成長を抑制することができず、従来例のタイヤに比べ耐久性が大幅に低下する。また、比較例2から明らかなように、ベルトを3層構造とし、各層中のコードの角度を本発明で規定する角度としても、走行によるタイヤの径成長を十分に抑制することができず、従来例のタイヤに比べ耐久性が低下する。
これに対し、実施例の結果から明らかなように、ベルトを3層構造とし、各層中のコードの角度を本発明で規定する角度とした上で、各層のコード被覆ゴムに本発明で規定する配合のゴム組成物を適用することで、コード被覆ゴムの劣化を抑制できると共に、走行によるタイヤの径成長を抑制することができ、その結果として、タイヤの耐久性を大幅に改善できる。
一方、比較例3〜5のタイヤは、コード被覆ゴムに適用したゴム組成物がHTSを含まないため、コード被覆ゴムとスチールコードとの接着耐久性が低く、走行によるタイヤの径成長を抑制することができず、実施例のタイヤに比べて耐久性が低かった。
また、HTSの配合量が3.0質量部を超えるゴム組成物をコード被覆ゴムに適用した比較例6のタイヤは、実施例3のタイヤに比べて耐久性の向上幅が小さく、この結果から、HTSの配合量は3.0質量部以下で充分であることが分る。
本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤの一例のトレッド部の一部の斜視図である。 図1に示すタイヤのトレッド部の一部の正面を展開した説明図である。
符号の説明
1 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
2 トレッド部
3 トレッドゴム
4 カーカス
5 ベルト
6 最内コード層
6a 最内コード層のコード
6b 最内コード層のコード被覆ゴム
7 中間コード層
7a 中間コード層のコード
7b 中間コード層のコード被覆ゴム
8 最外コード層
8a 最外コード層のコード
8b 最外コード層のコード被覆ゴム
9 コード交差層
10,11 周方向溝
12,13,14,18 横方向溝
15,16,17,19 ブロック
P トレッド部円周を含む平面
δ 最内コード層のコード傾斜角度
α 中間コード層のコード傾斜角度
β 最外コード層のコード傾斜角度
Fx 張力

Claims (5)

  1. 一対のビード部内にそれぞれ埋設したビードコア相互間にわたり一対のサイドウォール部とトレッド部とを補強するラジアルカーカスと、該カーカスの外周でトレッド部を強化するベルトとを備え、該ベルトが3層のゴム被覆コード層を有し、これらコード層のうち最内コード層及び中間コード層は、各層のコードがトレッド部円周を含む平面を挟み互いに交差するコード交差層になる重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記最内コード層及び中間コード層の各コードが、前記平面に対し10〜25°の範囲内の傾斜角度を有し、前記最外コード層のコードが、中間コード層のコードの前記平面からの傾斜角度を測る向きと同じ向きに測って前記平面に対し45〜115°の範囲内の傾斜角度を有し、
    前記ゴム被覆コード層のコードがスチールコードであって、
    前記ゴム被覆コード層のコード被覆ゴムに、天然ゴム及びポリイソプレンゴムの少なくとも一方を合計50〜100質量%含み、トランスポリブタジエンゴムを除くゴム成分100質量部に対して、トランス結合含有量が82〜98モル%であり且つ重量平均分子量が30,000〜200,000であるトランスポリブタジエンゴム1.0〜5.0質量部と、0.3〜3.0質量部の1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物と、0.3〜1.5質量部のN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミドとを配合してなり、加硫後の100%伸長時の引張応力が4.5 MPa以上で且つ25℃における2%歪時の損失正接(tanδ)が0.26以下であるゴム組成物を適用したことを特徴とする重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記コード被覆ゴムに適用するゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して、0.3〜2.5質量部の接着促進剤と4.0〜6.5質量部の硫黄とを含有することを特徴とする請求項1に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記コード被覆ゴムに適用するゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積(N2SA)が70〜90 m2/gで且つジブチルフタレート(DBP)吸油量が70〜110 mL/100gであるカーボンブラック40〜80質量部を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記コード被覆ゴムに適用するゴム組成物において、前記ゴム成分中の天然ゴム及びポリイソプレンゴムの総含有率が95〜100質量%であることを特徴とする請求項1に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記コード被覆ゴムに適用するゴム組成物は、145℃における90%加硫時間が12〜25分であることを特徴とする請求項1に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
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