JP5084234B2 - 重荷重用ラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、重荷重用ラジアルタイヤ、特にタイヤ耐久性を維持しつつ、転がり抵抗を低減した重荷重用ラジアルタイヤに関するものである。
昨今、地球環境問題から、車両の低燃費性を向上させることが求められている。この要求に対して、タイヤの転がり抵抗を低減することは、車両の低燃費化に効果的である。
従来、タイヤの転がり抵抗を低減する手法としては、トレッドゴムのヒステリシスロスを低減する手法が採用されてきた。例えば、特開2006−152211号公報(特許文献1)には、変性ジエン系合成ゴムと変性天然ゴムを用いたゴム組成物を重荷重用タイヤのトレッドゴムに用いることで、重荷重用タイヤの転がり抵抗を低減できることが開示されている。
しかしながら、トレッドゴムのヒステリシスロスを低減してタイヤの転がり抵抗を低減した場合、同時にトレッドゴムの耐摩耗性が低下してしまう問題がある。また、一般に更生して使用される重荷重用ラジアルタイヤにおいては、タイヤの使用生涯を考えた場合、トレッドゴムの低燃費化よりも、タイヤのケース部材の低燃費化(ヒステリシスロス化)が重要である。
これに対して、従来、タイヤのケース部材のヒステリシスロス化は、ケース部材に使用するゴム組成物中のカーボンブラックの種類を低グレード化したり、該カーボンブラックの配合量を低減する等して行われている。
特開2006−152211号公報
しかしながら、低級グレードのカーボンブラックを使用したり、カーボンブラックの配合量を低減したゴム組成物をタイヤのケース部材に使用した場合、タイヤの耐久性が低下してしまう問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、タイヤ耐久性を維持しつつ、転がり抵抗を低減した重荷重用ラジアルタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、交錯層と最外層とからなるベルトを具える重荷重用ラジアルタイヤにおいて、最外層のコーティングゴムの損失正接(tanδ)と交錯層のコーティングゴムの平均損失正接(tanδ)の比率を特定の範囲とした上で、交錯層のコーティングゴムの100%伸長時の引張応力(M100)を一定以上とすることで、タイヤの耐久性を維持しつつ、タイヤの転がり抵抗を低減できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の重荷重用ラジアルタイヤは、ラジアルカーカスと、該ラジアルカーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置され、スチールコードをコーディングゴムで被覆したベルト層の少なくとも3層からなるベルトとを具え、
前記ベルトが、少なくとも2層のベルト層からなり該ベルト層を構成するスチールコードがタイヤ赤道面を挟んで互いに交差する交錯層と、該交錯層のタイヤ半径方向外側に配置された最外層とからなり、
前記最外層のコーティングゴムの損失正接(tanδ)/前記交錯層のコーティングゴムの平均損失正接(tanδ)が0.85以下であって、
且つ前記交錯層のコーティングゴムの100%伸長時の引張応力(M100)が4.0MPa以上であることを特徴とする。ここで、損失正接(tanδ)は、温度25℃、歪2%、周波数50Hzの条件で測定した値である。
本発明の重荷重用ラジアルタイヤの好適例においては、前記最外層のコーティングゴムに変性天然ゴムを含むゴム組成物を用い、前記交錯層のコーティングゴムに変性天然ゴムを含まないゴム組成物を用いる。この場合、タイヤ耐久性の確保と転がり抵抗の低減とを、より高いレベルで両立することができる。ここで、前記変性天然ゴムとしては、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体を添加し、該極性基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子にグラフト重合させ、更に凝固及び乾燥して得た変性天然ゴムが好ましい。
本発明によれば、交錯層と最外層とからなるベルトを具え、最外層のコーティングゴムの損失正接(tanδ)/交錯層のコーティングゴムの平均損失正接(tanδ)が0.85以下で、交錯層のコーティングゴムの100%伸長時の引張応力(M100)が4.0MPa以上であり、タイヤ耐久性を維持しつつ、転がり抵抗を低減した重荷重用ラジアルタイヤを提供することができる。
以下に、本発明の重荷重用ラジアルタイヤを、図を参照しながら詳細に説明する。図1に示す重荷重用ラジアルタイヤは、一対のビード部1と、一対のサイド部2と、トレッド部3と、ビード部1に各々埋設されたビードコア4間にトロイド状に延在させたラジアルカーカス5と、該ラジアルカーカス5のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置した少なくとも3層のベルト層からなるベルト6とを具える。該ベルト6を構成するベルト層は、スチールコードをコーディングゴムで被覆してなり、各ベルト層において、スチールコードはほぼ平行に配列されている。
上記ベルト6は、少なくとも2層のベルト層からなる交錯層7と、該交錯層のタイヤ半径方向外側に配置された最外層8とからなる。ここで、交錯層7においては、該交錯層7を構成する各ベルト層7a,7b中のスチールコードがタイヤ赤道面を挟んで互いに交差している。なお、図示例のタイヤにおいては、二枚のベルト層7a,7bが、該ベルト層を構成するスチールコードが互いにタイヤ赤道面を挟んで交差するように積層されて交錯層7を構成しているが、交錯層7を構成するベルト層の層数は3層以上であってもよい。本発明の重荷重用ラジアルタイヤにおいて、交錯層7は、ラジアルカーカス5のクラウン部のタイヤ半径方向外側において、タガ締め効果を発揮し、タイヤの耐久性を確保する上で、大きな役割を果たす。
一方、上記ベルト6の最外層8の構造は、特に限定されず、例えば、スチールコードがタイヤ周方向にほぼ平行となるように配列された構造を採用することができる。なお、該最外層8は、上記交錯層7を保護する役割を果たす。
本発明の重荷重用ラジアルタイヤにおいては、上記最外層8のコーティングゴムの損失正接(tanδ)/上記交錯層7のコーティングゴムの平均損失正接(tanδ)が0.85以下で、且つ上記交錯層7のコーティングゴムの100%伸長時の引張応力(M100)が4.0MPa以上である。最外層8のコーティングゴムの損失正接(tanδ)/交錯層7のコーティングゴムの平均損失正接(tanδ)を0.85以下として、最外層8のコーティングゴムのみを低ヒステリシスロス化することで、タイヤの耐久性に大きな役割を果たす交錯層7の耐久性を確保しつつ、タイヤの転がり抵抗を低減することができる。また、タイヤの耐久性に大きな役割を果たす交錯層7のコーティングゴムは、100%伸長時の引張応力(M100)が4.0MPa以上であり、十分な耐久性を有するため、本発明の重荷重用ラジアルタイヤにおいては、耐久性を十分に確保することができる。
なお、上記最外層8のコーティングゴムの損失正接(tanδ)/上記交錯層7のコーティングゴムの平均損失正接(tanδ)が0.85を超えると、タイヤの耐久性を確保しつつ、タイヤの転がり抵抗を低減することができない。また、上記交錯層7のコーティングゴムの100%伸長時の引張応力(M100)が4.0MPa未満では、コーティングゴムの剛性が不足して、タイヤの耐久性を十分に確保することができない。
本発明の重荷重用ラジアルタイヤにおいて、最外層8のコーティングゴムを低ヒステリシスロス化する手法としては、該最外層8のコーティングゴム用ゴム組成物に配合するカーボンブラックの種類を低グレード化したり、該カーボンブラックの配合量を低減する手法が挙げられる。
また、変性天然ゴムを含むゴム組成物を、最外層8のコーティングゴムに用いることでも、最外層8のコーティングゴムを低ヒステリシスロス化することができる。この場合、より高いレベルで、タイヤの耐久性と低転がり抵抗性とを両立することができる。
上記変性天然ゴムとしては、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体を添加し、該極性基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子にグラフト重合させ、更に凝固及び乾燥して得た変性天然ゴムが好ましい。該変性天然ゴムの製造に用いる天然ゴムラテックスとしては、特に限定されず、例えば、フィールドラテックス、アンモニア処理ラテックス、遠心分離濃縮ラテックス、界面活性剤や酵素で処理した脱タンパク質ラテックス、及びこれらを組み合せたもの等を用いることができる。
上記天然ゴムラテックスに添加される極性基含有単量体は、分子内に少なくとも一つの極性基を有し、天然ゴム分子とグラフト重合できる限り特に制限されるものでない。ここで、該極性基含有単量体は、天然ゴム分子とグラフト重合するために、分子内に炭素−炭素二重結合を有することが好ましく、極性基含有ビニル系単量体であることが好ましい。上記極性基の具体例としては、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基及びスズ含有基等を好適に挙げることができる。これら極性基を含有する単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合せて用いてもよい。
上記アミノ基を含有する単量体としては、1分子中に第1級、第2級及び第3級アミノ基から選ばれる少なくとも1つのアミノ基を含有する重合性単量体が挙げられ、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジオクチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-メチル-N-エチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のN,N-ジ置換アミノアルキル(メタ)アクリレートや、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジオクチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のN,N-ジ置換アミノアルキル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
上記ニトリル基を含有する単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデン等が挙げられる。
上記ヒドロキシル基を含有する単量体としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数は、例えば、2〜23である)のモノ(メタ)アクリレート類;N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有不飽和アミド類;o-ヒドロキシスチレン、m-ヒドロキシスチレン、p-ヒドロキシスチレン、o-ヒドロキシ-α-メチルスチレン、m-ヒドロキシ-α-メチルスチレン、p-ヒドロキシ-α-メチルスチレン、p-ビニルベンジルアルコール等のヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物類等が挙げられる。
上記カルボキシル基を含有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラコン酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸類;フタル酸、コハク酸、アジピン酸等の非重合性多価カルボン酸と、(メタ)アリルアルコール、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和化合物とのモノエステルのような遊離カルボキシル基含有エステル類及びその塩等が挙げられる。これらの中でも、不飽和カルボン酸類が特に好ましい。
上記エポキシ基を含有する単量体としては、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-オキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記含窒素複素環基を含有する単量体において、該含窒素複素環としては、ピロール、ヒスチジン、イミダゾール、トリアゾリジン、トリアゾール、トリアジン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、キノリン、プリン、フェナジン、プテリジン、メラミン等が挙げられる。なお、該含窒素複素環は、他のヘテロ原子を環中に含んでいてもよい。ここで、含窒素複素環基としてピリジル基を含有する単量体としては、2-ビニルピリジン、3-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、5-メチル-2-ビニルピリジン、5-エチル-2-ビニルピリジン等のピリジル基含有ビニル化合物等が挙げられ、これらの中でも、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン等が特に好ましい。
上記スズ含有基を有する単量体としては、アリルトリ-n-ブチルスズ、アリルトリメチルスズ、アリルトリフェニルスズ、アリルトリ-n-オクチルスズ、(メタ)アクリルオキシ-n-ブチルスズ、(メタ)アクリルオキシトリメチルスズ、(メタ)アクリルオキシトリフェニルスズ、(メタ)アクリルオキシ-n-オクチルスズ、ビニルトリ-n-ブチルスズ、ビニルトリメチルスズ、ビニルトリフェニルスズ、ビニルトリ-n-オクチルスズ等のスズ含有単量体を挙げることができる。
上記極性基含有単量体の天然ゴム分子へのグラフト重合は、乳化重合で行われることが好ましい。ここで、該乳化重合においては、一般的に、天然ゴムラテックスに水及び必要に応じて乳化剤を加えた溶液中に、上記極性基含有単量体を加え、更に重合開始剤を加えて、所定の温度で撹拌して極性基含有単量体を重合させることが好ましい。なお、上記極性基含有単量体の天然ゴムラテックスへの添加においては、予め天然ゴムラテックス中に乳化剤を加えてもよいし、極性基含有単量体を乳化剤で乳化した後に天然ゴムラテックス中に加えてもよい。なお、天然ゴムラテックス及び/又は極性基含有単量体の乳化に使用できる乳化剤としては、特に限定されず、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のノニオン系の界面活性剤が挙げられる。
上記重合開始剤としては、特に制限はなく、種々の乳化重合用の重合開始剤を用いることができ、その添加方法についても特に制限はない。一般に用いられる重合開始剤の例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、2,2-アゾビスイソブチロニトリル、2,2-アゾビス(2-ジアミノプロパン)ヒドロクロライド、2,2-アゾビス(2-ジアミノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。なお、重合温度を低下させるためには、レドックス系の重合開始剤を用いることが好ましい。かかるレドックス系重合開始剤において、過酸化物と組み合せる還元剤としては、例えば、テトラエチレンペンタミン、メルカプタン類、酸性亜硫酸ナトリウム、還元性金属イオン、アスコルビン酸等が挙げられる。レドックス系重合開始剤における過酸化物と還元剤との好ましい組み合せとしては、tert-ブチルハイドロパーオキサイドとテトラエチレンペンタミンとの組み合せ等が挙げられる。上記変性天然ゴムにカーボンブラック等を配合して、ゴム組成物の加工性を低下させることなく、ヒステリシスロスを低下させるには、各天然ゴム分子に上記極性基含有単量体が少量且つ均一に導入されることが重要であるため、上記重合開始剤の添加量は、上記極性基含有単量体に対し1〜100mol%の範囲が好ましく、10〜100mol%の範囲が更に好ましい。
上述した各成分を反応容器に仕込み、30〜80℃で10分〜7時間反応させることで、天然ゴム分子に上記極性基含有単量体がグラフト共重合した変性天然ゴムラテックスが得られる。また、該変性天然ゴムラテックスを凝固させ、洗浄後、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー等の乾燥機を用いて乾燥することで変性天然ゴムが得られる。ここで、変性天然ゴムラテックスを凝固するのに用いる凝固剤としては、特に限定されるものではないが、ギ酸、硫酸等の酸や、塩化ナトリウム等の塩が挙げられる。
上記変性天然ゴムにおいて、上記極性基含有単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.01〜5.0質量%の範囲が好ましく、0.1〜3.0質量%の範囲が更に好ましく、0.2〜1.0質量%の範囲がより一層好ましい。極性基含有単量体のグラフト量が0.01質量%未満では、ゴム組成物の低ヒステリシスロス性を十分に改良できないことがある。また、極性基含有単量体のグラフト量が5.0質量%を超えると、粘弾性、S−S特性(引張試験機における応力−歪曲線)等の天然ゴム本来の物理特性を大きく変えてしまい、天然ゴム本来の優れた物理特性が損なわれると共に、ゴム組成物の加工性が大幅に悪化するおそれがある。
上記最外層8及び交錯層7のコーティングゴムは、天然ゴム(NR)等のゴム成分に、カーボンブラック等の充填剤と、必要に応じて選択した各種配合剤とを配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。なお、上記最外層8のコーティングゴムには、上記変性天然ゴムを含むゴム組成物を用いることが好ましく、上記交錯層7のコーティングゴムには、上記変性天然ゴムを含まないゴム組成物を用いることが好ましい。上記のようにして調製したコーティングゴム用ゴム組成物でスチールコードを被覆することで、各ベルト層に用いるコード−ゴム複合体を作製することができる。なお、各ベルト層において、使用するスチールコードの構造は特に限定されない。
本発明の重荷重用ラジアルタイヤにおいて、上記ベルト6以外の部材は、特に限定されず、公知の部材を使用することができる。また、本発明の重荷重用ラジアルタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<変性NRの製造例>
(天然ゴムラテックスの変性反応工程)
フィールドラテックスをラテックスセパレーター[斎藤遠心工業製]を用いて回転数7500rpmで遠心分離して、乾燥ゴム濃度60%の濃縮ラテックスを得た。この濃縮ラテックス1000gを、撹拌機及び温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、予め10mLの水と90mgの乳化剤[エマルゲン1108,花王株式会社製]をN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート 3.0gに加えて乳化したものを990mLの水と共に添加し、これらを窒素置換しながら常温で30分間撹拌した。次に、重合開始剤としてtert-ブチルハイドロパーオキサイド 1.2gとテトラエチレンペンタミン 1.2gとを加え、40℃で30分間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスを得た。
(凝固及び乾燥工程)
上記変性天然ゴムラテックスにギ酸を加えpHを4.7に調整し、変性天然ゴムラテックスを凝固させた。このようにして得られた固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化した後、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥して変性天然ゴム(変性NR)を得た。このようにして得られた変性NRの質量から、単量体として加えたN,N-ジエチルアミノエチルメタクリレートの転化率が100%であることが確認された。また、該変性NRを石油エーテルで抽出し、更にアセトンとメタノールの2:1混合溶媒で抽出することによりホモポリマーの分離を試みたが、抽出物を分析したところホモポリマーは検出されず、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることが確認された。従って、得られた変性NRにおける単量体のグラフト量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分に対して0.5質量%である。
<ゴム組成物の作製及び評価>
次に、表1に示す配合のゴム組成物を常法に従って調製し、該ゴム組成物の100%伸長時の引張応力(M100)及び損失正接(tanδ)を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
(1)引張応力(M100
上記ゴム組成物を145℃で30分間加硫して得た加硫ゴムに対して、JIS K6301に従って、室温にて引張試験を行い、100%伸長時の引張応力(M100)を測定した。
(2)損失正接(tanδ)
上記ゴム組成物を145℃で30分間加硫して得た加硫ゴムに対して、レオメトリック社製の粘弾性測定装置を使用し、温度25℃、歪2%、周波数50Hzの条件で損失正接(tanδ)を測定した。尚、交錯層のコーティングゴム質が異なる場合は、各々のコーティングゴム質の損失正接の算術平均値を平均損失正接と称する。交錯層のコーティングゴム質が同一の場合は、そのコーティングゴム質の損失正接と平均損失正接は一致する。
<タイヤの作製及び評価>
次に、スチールコードを上記ゴム組成物で被覆してベルト層を作製した。また、該ベルト層を表2及び表3に示す組み合わせで、ベルト6の交錯層7及び最外層8に用いて、図1に示す構造を有し、平均接地圧が8kgf/cm2で使用されるサイズ11R22.5の重荷重用ラジアルタイヤを試作した。次に、得られたタイヤに対して、下記の方法で転がり抵抗及びタイヤ耐久性を評価した。結果を表2及び3に示す。
(3)転がり抵抗
80km/時で走行時のタイヤ接地面に発生する進行方向に対する抵抗を測定し、従来例1のタイヤの抵抗の値を100として、指数で表示した。指数値が小さい程、転がり抵抗が小さく、良好であることを示す。
(4)タイヤ耐久性
JATMA等で規定されるQCドラムによるWS値を測定し、従来例1のタイヤのWS値を100として、指数で表示した。指数値が大きい程、タイヤ耐久性が高く、良好であることを示す。
表2の実施例1及び2並びに表3の実施例4及び5の結果から、交錯層のコーティングゴムの100%伸長時の引張応力(M100)を4.0MPa以上としつつ、最外層のコーティングゴムの損失正接(tanδ)/交錯層のコーティングゴムの平均損失正接(tanδ)を0.85以下とすることで、従来例1のタイヤと比較して、タイヤ耐久性を維持しつつ、転がり抵抗を低減できることが分かる。
また、表2の実施例3並びに表3の実施例6の結果から、交錯層のコーティングゴムの100%伸長時の引張応力(M100)を4.0MPa以上としつつ、最外層のコーティングゴムの損失正接(tanδ)/交錯層のコーティングゴムの平均損失正接(tanδ)を0.85以下とすることで、従来例2のタイヤと比較して、タイヤ耐久性を維持しつつ、転がり抵抗を低減できることが分かる。
一方、比較例1及び2のタイヤのように、交錯層のコーティングゴム及び最外層のコーティングゴムの両方を低ヒステリシスロス化した場合、ベルトの耐久性が低下して、タイヤ耐久性が悪化することが分かる。
また、比較例3及び4のタイヤのように、最外層のコーティングゴムの損失正接(tanδ)/交錯層のコーティングゴムの平均損失正接(tanδ)が0.85を超えると、転がり抵抗の低減効果が小さいことが分かる。
本発明の重荷重用ラジアルタイヤの一例の断面図である。
符号の説明
1 ビード部
2 サイド部
3 トレッド部
4 ビードコア
5 ラジアルカーカス
6 ベルト
7 交錯層
7a,7b 交錯層を構成するベルト層
8 最外層

Claims (3)

  1. ラジアルカーカスと、該ラジアルカーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置され、スチールコードをコーディングゴムで被覆した少なくとも3層のベルト層からなるベルトとを具える重荷重用ラジアルタイヤにおいて、
    前記ベルトが、少なくとも2層のベルト層からなり該ベルト層を構成するスチールコードがタイヤ赤道面を挟んで互いに交差する交錯層と、該交錯層のタイヤ半径方向外側に配置された最外層とからなり、
    前記最外層のコーティングゴムの損失正接(tanδ)/前記交錯層のコーティングゴムの平均損失正接(tanδ)が0.85以下であって、
    且つ前記交錯層のコーティングゴムの100%伸長時の引張応力(M100)が4.0MPa以上であることを特徴とする重荷重用ラジアルタイヤ。
  2. 前記最外層のコーティングゴムに変性天然ゴムを含むゴム組成物を用い、前記交錯層のコーティングゴムに変性天然ゴムを含まないゴム組成物を用いたことを特徴とする請求項1に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
  3. 前記変性天然ゴムが、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体を添加し、該極性基含有単量体を天然ゴムラテックス中の天然ゴム分子にグラフト重合させ、更に凝固及び乾燥して得た変性天然ゴムであることを特徴とする請求項1に記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
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