JP2013213167A - ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】乾燥路面でのグリップ性能を損なうことなく湿潤路面でのグリップ性能を向上させたゴム組成物を得ることが可能なゴム組成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)100質量部、無機充填材(B)100〜300質量部を含む充填材、シランカップリング剤(C)並びに加硫促進剤(D)を含むゴム組成物の製造方法であって、
該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填剤(B)の全部または一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部または一部を混練した後、該第一段階の途中で加硫促進剤(D)を加えて更に混練するか、又は該ゴム組成物を3段階以上の混練段階で混練し、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部又は一部を混練し、混練の第二段階以降でかつ最終段階より前の段階で該加硫促進剤(D)を加えて混練することを特徴とするゴム組成物の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤを構成するトレッドゴムの改良に関するものであり、更に詳しくは、自動二輪車、スポーツカー、競技用などの高性能タイヤに好適な、湿潤路面での高いグリップ性能を備えたタイヤ用ゴム組成物の製造方法、その製造方法を用いて得られるタイヤ用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、タイヤ用ゴム組成物に広く一般的に配合されているカーボンブラックに代え、シリカを配合することにより、粘着摩擦力を大きくして、湿潤路面でのグリップ性能が向上することが知られている。
しかしながらシリカを多く配合すると、湿潤路面でのグリップ性能には優れているが、路面が乾いていく状況及び、乾いた路面で安定したグリップ性能が得られない点に課題があり、湿潤路面、路面が乾いていく状況及び乾いた路面でも安定したグリップ性能が得られるタイヤ用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤが切望されているのが現状である。
特に、自動二輪車用タイヤやスポーツカー、競技用などの高性能タイヤのトレッドゴムには、湿潤路面及び乾燥路面でのグリップ性能が特に優れていることが要求されており、これらのトレッドゴムを形成するゴム組成物には、高部数の充填剤及び低軟化点のオイルを配合することで、湿潤路面及び乾燥路面のグリップ性能は向上することが特許文献1で知られている。しかしながら、湿潤路面及び乾燥路面でのグリップ性能をさらに向上することが要請されている。
特開2008−184505号公報
本発明者は、上記従来の課題及び現状等を鑑み、鋭意検討の結果、自動二輪車用タイヤやスポーツカー、競技用などの高性能タイヤのトレッド部分を構成するゴム組成物の製造方法を改良することによって、従来技術ではなしえなかった乾燥路面(路面が乾いていく状況および乾いた路面)でのグリップ性能を損なうことなく、湿潤路面でのグリップ性能を向上させることができるタイヤ用ゴム組成物の製造方法、その製造方法を用いて得られるタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明者は、
[1]天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)100質量部、無機充填材(B)100〜300質量部を含む充填材、シランカップリング剤(C)並びに加硫促進剤(D)を含むゴム組成物の製造方法であって、
該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填剤(B)の全部または一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部または一部を混練した後、該第一段階の途中で加硫促進剤(D)を加えて更に混練するか、又は該ゴム組成物を3段階以上の混練段階で混練し、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部又は一部を混練し、混練の第二段階以降でかつ最終段階より前の段階で該加硫促進剤(D)を加えて混練することを特徴とするゴム組成物の製造方法。
[2]上記[1]記載のゴム組成物の製造方法により得られたゴム組成物。
[3]上記[2]記載のゴム組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤ。
本発明によれば、路面が乾いていく状況および乾いた路面でのグリップ性能(以下、乾燥路面でのグリップ性能と称することもある)を損なうことなく、湿潤路面でのグリップ性能を向上させることができるタイヤ用ゴム組成物の製造方法、その製造方法を用いて得られるタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のゴム組成物の製造方法は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)100質量部、無機充填材(B)100〜300質量部を含む充填材、シランカップリング剤(C)並びに加硫促進剤(D)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填剤(B)の全部または一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部または一部を混練した後、該第一段階の途中で加硫促進剤(D)を加えて更に混練するか、又は該ゴム組成物を3段階以上の混練段階で混練し、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部又は一部を混練し、混練の第二段階以降でかつ最終段階より前の段階で該加硫促進剤(D)を加えて混練することを特徴とする。
本願発明ゴム組成物の製造方法は、加硫促進剤(D)を添加するのは、下記の(1)及び(2)の2つに大別することができる。
(1)複数段階での混練において、混練の第一段階の途中で加硫促進剤(D)を添加する方法。
(2)3段階以上の複数段階での混練において、混練の第二段階以降でかつ最終段階より前の段階で該加硫促進剤(D)を加えて混練する方法。
なお、本発明における混練の第一段階とは、ゴム成分(A)と無機充填材(B)とシランカップリング剤(C)とを混練する最初の段階をいい、最初の段階でゴム成分(A)と無機充填材(B)以外の充填材とを混練する場合やゴム成分(A)のみを予備練りする場合の段階は含まれない。
本発明において、第一段階、中間段階などの最終段階より前の混練段階とは、ゴム成分、無機充填材、シランカップリング剤などの、加硫系薬品(硫黄等の加硫剤)以外の原材料を配合し、混練する工程であり、無機充填材のゴム組成物への分散を行い、ゴム成分を補強する為の工程である。本発明では第一段階の途中又は最終段階より前の中間段階に加硫促進剤(D)を配合することにより無機充填剤のゴム組成物への分散をより良好にすることを特徴としたものである。なお、中間段階では、残余のゴム成分や充填剤等を配合し、混練してもよい。
本願発明の上記(1)の方法である混練の第一段階の途中で加硫促進剤(D)を添加する方法について説明する。
本発明において、混練の第一段階で、加硫促進剤(D)を加えて混練するのは、シランカップリング剤(C)のカップリング機能の活性を高めるためである。また、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)100質量部、該無機充填材(B)100〜300質量部の全部又は一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部又は一部を混練りした後、該第一段階の途中で該加硫促進剤(D)を加えて更に混練するのは、加硫促進剤(D)配合によるカップリング機能の活性向上効果をさらに高めるためである。即ち、無機充填材(B)とシランカップリング剤(C)との反応が十分に進行した後に、シランカップリング剤(C)とゴム成分(A)との反応を進行させることができるからである。
混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部又は一部を加えた後、該第一段階の途中で該加硫促進剤(D)を加えるまでの時間を10〜300秒とすることが好ましい。この時間の下限値は、30秒以上であることがより好ましく、上限値は、180秒以下であることがより好ましく、150秒以下であることが更に好ましく、120秒以下であることが特に好ましい。この時間が10秒以上であれば(B)と(C)の反応を十分に進行させることができる。この時間が300秒を超えても(B)と(C)の反応は既に十分に進行しているので、更なる効果は享受しにくい。
上記のシランカップリング剤(C)のカップリング機能の活性をより好適に高めるためには、混練の第一段階において、ゴム組成物の温度が130〜180℃に到達したときに加硫促進剤(D)を加えることが好ましい。
本願発明の上記(1)の方法において、混練の第一段階より後、かつ最終段階より前の中間段階を含む場合には、中間混練段階におけるゴム組成物の最高温度は120〜190℃であることが好ましく、130〜175℃であることがより好ましく、140〜170℃であることが特に好ましい。なお、混練時間は10秒から20分であることが好ましく、10秒から15分であることがより好ましく、10秒から10分であることが更に好ましく、30秒から10分であることが更により好ましく、30秒から5分であることがさらに好ましい。なお、中間段階を含む際には、第一段階の混練段階後、ゴム組成物の温度を第一段階の混練終了後の温度より10℃以上低下させてから次の段階へ進むことが好ましい。
また、混練の最終段階とは、加硫系薬品(加硫剤、加硫促進剤)を配合し、混練する工程をいう。この最終段階におけるゴム組成物の最高温度は60〜140℃であることが好ましく、80〜120℃であることがより好ましく、100〜120℃であることがさらに好ましい。なお、混練時間は10秒から20分であることが好ましく、10秒から10分であることがより好ましく、20秒から5分であることがさらに好ましい。
混練の第一段階、中間段階から最終段階に進む際には、ゴム組成物の温度を第一段階の混練終了後の温度より10℃以上低下させてから次の段階へ進むことが好ましい。
本願発明の上記(2)の方法である3段階以上の複数段階での混練において、混練の第二段階以降(混練の第二段階を含む)でかつ最終段階より前の段階で該加硫促進剤(D)を加えて混練する方法について説明する。
本発明において、3段階以上の混練段階で混練するのは、ゴム成分(A)が長時間での高温の混練により分子量低下するのを抑制するためである。即ち、混練の段階数を減らすため一段階での混練時間を長くすると、ゴム成分(A)を高温で長時間さらすこととなり、ゴム成分(A)の分子量低下を招くので、これを避けることは重要である。
また、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部又は一部を混練するのは、無機充填材(B)とシランカップリング剤(C)との反応を十分に進行させるためである。
本発明において、混練の第二段階以降(混練の第二段階を含む)でかつ最終段階より前の段階で加硫促進剤(D)を加えて混練するのは、無機充填材(B)とシランカップリング剤(C)との反応が十分に進行した後に、加硫促進剤(D)によりシランカップリング剤(C)のカップリング機能の活性を高めて、シランカップリング剤(C)とゴム成分(A)との反応をより好適に進行させることができるからである。
上記のシランカップリング剤(C)のカップリング機能の活性をより好適に高めて、シランカップリング剤(C)とゴム成分(A)との反応を更に好適に進行させるためには、混練の第二段階以降でかつ最終段階より前の段階での混練の段階におけるゴム組成物の最高温度が120〜190℃であることが好ましく、130〜175℃であることが更に好ましい。
また、無機充填材(B)とシランカップリング剤(C)との反応を十分に進行させるためには、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が140〜190℃であることが好ましく、150〜180℃であることが更に好ましい。
本発明の(2)の製造方法における混練段階は、少なくとも混練の第一段階、混練の第二段階以降(混練の第二段階を含む)でかつ最終段階より前の段階及び混練の最終段階を含むものであり、必要に応じ、他の混練の中間段階を含んでも良い。
(2)の製造方法における混練段階は、3段階以上であれば良く、特に上限はないが、生産性を考慮すれば、8段階以下が好ましく、6段階以下がより好ましく、4段階以下が更に好ましい。この(2)の製造方法では、第二段階以降(混練の第二段階を含む)でかつ最終段階より前の段階で、加硫促進剤(D)を添加するものであるが、シランカップリング剤とシリカの反応とシランカップリング剤とポリマーとの反応をそれぞれ確実に反応させるという理由で、混練の最終段階においても加硫促進剤(D)を添加する方法であってもよい。
本発明において、第一段階、中間段階などの最終段階より前の混練段階とは、ゴム成分、無機充填材、シランカップリング剤などの、加硫系薬品(硫黄等の加硫剤)以外の原材料を配合し、混練する工程であり、無機充填材のゴム組成物への分散を行い、ゴム成分を補強する為の工程である。本発明では第一段階の途中又は最終段階より前の中間段階に加硫促進剤(D)を配合することにより無機充填剤のゴム組成物への分散をより良好にすることを特徴としたものである。なお、中間段階では、残余のゴム成分や充填剤等を配合し、混練してもよい。
[シランカップリング剤(C)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるシランカップリング剤(C)は、下記一般式(I)〜(IV)で表わされる化合物からなる群から1種以上選択される化合物であることが好ましい。
本発明方法に係るゴム組成物は、このようなシランカップリング剤(C)を用いることにより、ゴム加工時の作業性に更に優れると共に、より耐摩耗性の良好な空気入りタイヤを与えることができる。
以下、下記一般式(I)〜(IV)を順に説明する。
Figure 2013213167
式中、R1は複数ある場合には同一でも異なっていてもよく、各々水素原子、炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基又は炭素数2〜8の直鎖もしくは分枝のアルコキシアルキル基であり、R2は複数ある場合には同一でも異なっていてもよく、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基であり、R3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、各々炭素数1〜8の直鎖もしくは分枝のアルキレン基であり、aは平均値として2〜6であり、p及びrは同一でも異なっていてもよく、各々平均値として0〜3である。但しp及びrの双方が3であることはない。
上記一般式(I)で表わされるシランカップリング剤(C)の具体例として、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)トリスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)ジスルフィド等が挙げられる。
Figure 2013213167
式中、R4は−Cl、−Br、R9O−、R9C(=O)O−、R910C=NO−、R910CNO−、R910N−及び−(OSiR910h(OSiR91011)から選択される一価の基(R9、R10及びR11はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基であり、hは平均値として1〜4である。)であり、R5はR4、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R6はR4、R5、水素原子又は−[O(R12O)j0.5−基(R12は炭素数1〜18のアルキレン基、jは1〜4の整数である。)、R7は炭素数1〜18の二価の炭化水素基、R8は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示す。x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たす数である。
上記一般式(II)において、R8、R9、R10及びR11は同一でも異なっていても良く、好ましくは各々炭素数1〜18の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、アルケニル基、アリール基及びアラルキル基からなる群から選択される基であることが好ましい。また、R5が炭素数1〜18の一価の炭化水素基である場合は、直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、アルケニル基、アリール基及びアラルキル基からなる群から選択される基であることが好ましい。R12は直鎖、環状又は分枝のアルキレン基であることが好ましく、特に直鎖状のものが好ましい。R7は例えば炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数2〜18のアルケニレン基、炭素数5〜18のシクロアルキレン基、炭素数6〜18のシクロアルキルアルキレン基、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数7〜18のアラルキレン基を挙げることができる。前記アルキレン基及びアルケニレン基は、直鎖状、枝分かれ状のいずれであっても良く、前記シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アリーレン基及びアラルキレン基は、環上に低級アルキル基等の置換基を有していても良い。このR7としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、特に直鎖状アルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基を好ましく挙げることができる。
上記一般式(II)におけるR5、R8、R9、R10及びR11の炭素数1〜18の一価の炭化水素基の具体例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,ビニル基,プロぺニル基,アリル基,ヘキセニル基,オクテニル基,シクロペンテニル基,シクロヘキセニル基,フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基,ベンジル基,フェネチル基,ナフチルメチル基等が挙げられる。
上記一般式(II)におけるR12の例としては、メチレン基,エチレン基,トリメチレン基,テトラメチレン基,ペンタメチレン基,ヘキサメチレン基,オクタメチレン基,デカメチレン基,ドデカメチレン基等が挙げられる。
前記一般式(II)で表されるシランカップリング剤(C)の具体例としては、3−ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリエトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらの内、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン(General Electric Silicones社製、商標:NXTシラン)が特に好ましい。
Figure 2013213167
式中、R13は複数ある場合には同一でも異なっていてもよく、各々水素原子、炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基又は炭素数2〜8の直鎖もしくは分枝のアルコキシアルキル基であり、R14は複数ある場合には同一でも異なっていてもよく、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基であり、R15は複数ある場合には同一でも異なっていてもよく、各々炭素数1〜8の直鎖もしくは分枝のアルキレン基である。R16は一般式(−S−R17−S−)、(−R18−Sm1−R19−)及び(−R20−Sm2−R21−Sm3−R22−)のいずれかの二価の基(R17〜R22は各々炭素数1〜20の二価の炭化水素基、二価の芳香族基、又は硫黄及び酸素以外のヘテロ元素を含む二価の有機基であり、m1、m2及びm3は各々平均値として1以上4未満である。)であり、複数あるkは同一でも異なっていてもよく、各々平均値として1〜6であり、s及びtは各々平均値として0〜3である。但しs及びtの双方が3であることはない。
上記一般式(III)で表わされるシランカップリング剤(C)の具体例として、
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S2−(CH26−S2−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S2−(CH210−S2−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S3−(CH26−S3−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S4−(CH26−S4−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S−(CH26−S2−(CH26−S−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S−(CH26−S2.5−(CH26−S−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S−(CH26−S3−(CH26−S−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S−(CH26−S4−(CH26−S−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S−(CH210−S2−(CH210−S−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S4−(CH26−S4−(CH26−S4−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S2−(CH26−S2−(CH26−S2−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S−(CH26−S2−(CH26−S2−(CH26−S−(CH23−Si(OCH2CH33等で表される化合物が好適に挙げられる
Figure 2013213167
式中、R23は炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、複数あるGは同一でも異なっていてもよく、各々炭素数1〜9のアルカンジイル基又はアルケンジイル基であり、複数あるZaは同一でも異なっていてもよく、各々二つの珪素原子と結合することのできる官能基であり、且つ [−0−]0.5、[−0−G−]0.5及び[−O−G−O−] 0.5から選ばれる官能基であり、複数あるZbは同一でも異なっていてもよく、各々二つの珪素原子と結合することのできる官能基であり、且つ [−O−G−O−] 0.5で表される官能基であり、複数あるZcは同一でも異なっていてもよく、各々−Cl、−Br、−ORj、RjC(=O)O−、RjkC=NO−、RjkN−、Rj−及びHO−G−O−(Gは上記表記と一致する。)から選ばれる官能基であり、Rj及びRkは各々炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基である。m、n、u、v及びwは、1≦m≦20、0≦n≦20、0≦u≦3、0≦v≦2、0≦w≦1であり、且つ(u/2)+v+2w=2又は3である。A部が複数である場合、複数のA部におけるZa u、Zb v及びZc wそれぞれにおいて、同一でも異なっていてもよく、B部が複数である場合、複数のB部におけるZa u、Zb v及びZc wそれぞれにおいて、同一でも異なってもよい。
上記一般式(IV)で表わされるシランカップリング剤(C)の具体例として、化学式(V)、化学式(VI)及び化学式(VII)が挙げられる。
Figure 2013213167
Figure 2013213167
Figure 2013213167
式中、Lはそれぞれ独立して炭素数1〜9のアルカンジイル基又はアルケンジイル基であり、x=m、y=nである。
化学式(V)で表されるシランカップリング剤としては、Momentive Performance Materials社製、商標「NXT Low−V Silane」、が市販品として入手できる。
また、化学式(VI)で表されるシランカップリング剤としては、Momentive Performance Materials社製、商標「NXT Ultra Low−V Silane」、が同様に市販品として入手することができる。
更に、化学式(VII)で表されるシランカップリング剤としては、Momentive Performance Materials社製、商標、「NXT−Z」として挙げることができる。
上記一般式(II)、化学式(V)及び化学式(VI)で得られるシランカップリング剤は、保護されたメルカプト基を有するので、加硫工程以前の工程での加工中に初期加硫(スコーチ)の発生を防止することができるため、加工性が良好となる。
また、化学式(V)、(VI)及び(VII)で得られるシランカップリング剤はアルコキシシラン炭素数が多いため、揮発性化合物VOC(特にアルコール)の発生が少なく、作業環境上好ましい。また、化学式(VII)のシランカップリング剤はタイヤ性能として低発熱性を得ることから更に好ましい。
本発明に係るシランカップリング剤(C)は、上記一般式(I)〜(IV)で表わされる化合物の内、上記一般式(I)で表わされる化合物が特に好ましい。加硫促進剤(D)はゴム成分(A)と反応するポリスルフィド結合部位の活性化を起こし易いからである。
本発明においては、シランカップリング剤(C)は一種を単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明に係るゴム組成物のシランカップリング剤(C)の配合量は、無機充填材の1〜20質量%であることが好ましい。1質量%未満ではゴム組成物の低発熱性向上の効果が発揮しにくくなり、20質量%を超えると、ゴム組成物のコストが過大となり、経済性が低下するからである。更には無機充填材の3〜20質量%であることがより好ましく、無機充填材の4〜10質量%であることが特に好ましい。
[加硫促進剤(D)]
本発明においては、加硫促進剤(D)が、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類から選ばれる少なくとも1種の加硫促進剤であることが好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる加硫促進剤(D)として好ましく挙げられるグアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類について詳述する。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるグアニジン類としては、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩、1,3−ジ−o−クメニルグアニジン、1,3−ジ−o−ビフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−クメニル−2−プロピオニルグアニジン等が挙げられ、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン及び1−o−トリルビグアニドは反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるスルフェンアミド類としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−メチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−エチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−プロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−2−エチルヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジメチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジエチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジオクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ−2−エチルヘキシルベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。これらの内、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドは、反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるチアゾール類としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、4−メチル−2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−(4−メチル−2−ベンゾチアゾリル)ジスルフィド、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム、2−メルカプト−6−ニトロベンゾチアゾール、2−メルカプト-ナフト[1,2−d]チアゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、6−アミノ−2−メルカプトベンゾチアゾール等が挙げられる。これらの内、2−メルカプトベンゾチアゾール、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド及びジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドは、反応性が高く好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるチウラム類としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラプロピルチウラムジスルフィド、テトライソプロピルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラペンチルチウラムジスルフィド、テトラヘキシルチウラムジスルフィド、テトラヘプチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラノニルチウラムジスルフィド、テトラデシルチウラムジスルフィド、テトラドデシルチウラムジスルフィド、テトラステアリルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラプロピルチウラムモノスルフィド、テトライソプロピルチウラムモノスルフィド、テトラブチルチウラムモノスルフィド、テトラペンチルチウラムモノスルフィド、テトラヘキシルチウラムモノスルフィド、テトラヘプチルチウラムモノスルフィド、テトラオクチルチウラムモノスルフィド、テトラノニルチウラムモノスルフィド、テトラデシルチウラムモノスルフィド、テトラドデシルチウラムモノスルフィド、テトラステアリルチウラムモノスルフィド、テトラベンジルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。これらの内、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド及びテトラベンジルチウラムジスルフィドは、反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるチオウレア類としては、N,N’−ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、N,N’−ジブチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、N,N’−ジイソプロピルチオ尿素、N,N’−ジシクロヘキシルチオ尿素、1,3−ジ(o−トリル)チオ尿素、1,3−ジ(p−トリル)チオ尿素、1,1−ジフェニル−2−チオ尿素、2,5−ジチオビ尿素、グアニルチオ尿素、1−(1−ナフチル)−2−チオ尿素、1−フェニル−2−チオ尿素、p−トリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素等が挙げられる。これらの内、N,N’−ジエチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素及びN,N’−ジメチルチオ尿素は、反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるジチオカルバミン酸塩類としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジイソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジペンチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘプチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸亜鉛、ジデシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジドデシルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジイソプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジペンチルジチオカルバミン酸銅、ジヘキシルジチオカルバミン酸銅、ジヘプチルジチオカルバミン酸銅、ジオクチルジチオカルバミン酸銅、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸銅、ジデシルジチオカルバミン酸銅、ジドデシルジチオカルバミン酸銅、N-ペンタメチレンジチオカルバミン酸銅、ジベンジルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジペンチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘプチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジオクチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジドデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸ナトリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジイソプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジブチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジペンチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘキシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘプチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジオクチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸第二鉄、ジデシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジドデシルジチオカルバミン酸第二鉄、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸第二鉄、ジベンジルジチオカルバミン酸第二鉄等が挙げられる。これらの内、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛及びジメチルジチオカルバミン酸銅は、反応性が高いため好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるキサントゲン酸塩類としては、メチルキサントゲン酸亜鉛、エチルキサントゲン酸亜鉛、プロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛、ペンチルキサントゲン酸亜鉛、ヘキシルキサントゲン酸亜鉛、ヘプチルキサントゲン酸亜鉛、オクチルキサントゲン酸亜鉛、2−エチルヘキシルキサントゲン酸亜鉛、デシルキサントゲン酸亜鉛、ドデシルキサントゲン酸亜鉛、メチルキサントゲン酸カリウム、エチルキサントゲン酸カリウム、プロピルキサントゲン酸カリウム、イソプロピルキサントゲン酸カリウム、ブチルキサントゲン酸カリウム、ペンチルキサントゲン酸カリウム、ヘキシルキサントゲン酸カリウム、ヘプチルキサントゲン酸カリウム、オクチルキサントゲン酸カリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸カリウム、デシルキサントゲン酸カリウム、ドデシルキサントゲン酸カリウム、メチルキサントゲン酸ナトリウム、エチルキサントゲン酸ナトリウム、プロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、ブチルキサントゲン酸ナトリウム、ペンチルキサントゲン酸ナトリウム、ヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、ヘプチルキサントゲン酸ナトリウム、オクチルキサントゲン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、デシルキサントゲン酸ナトリウム、ドデシルキサントゲン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの内、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛は、反応性が高いので好ましい。
本発明に使用されるゴム組成物中の加硫促進剤(D)の分子数(モル数)は、シランカップリング剤(C)の分子数(モル数)に対して0.1〜1.0倍であることが好ましい。0.1倍以上であればシランカップリング剤(C)の活性化が十分に起こり、1.0倍以下であれば加硫速度に大きな影響は与えないからである。更に好ましくは、加硫促進剤(D)の分子数(モル数)はシランカップリング剤(C)の分子数(モル数)の0.2〜0.6倍である。
なお、加硫促進剤(D)は、硫黄加硫の促進剤としても用いられるので、混練の最終段階においても所望により適量を配合しても良い。
[ゴム成分(A)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるゴム成分(A)の合成ジエン系ゴムとしては、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)等を用いることができ、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムは、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いても良い。
[無機充填材(B)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる無機充填材(B)は、シリカ及び下記一般式(VIII)で表される無機化合物を用いることができる。
dM1・xSiOy・zH2O ・・・(VIII)
ここで、一般式(VIII)中、M1は、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム、及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり、d、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。
尚、一般式(VIII)において、x、zがともに0である場合には、該無機化合物はアルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの金属、金属酸化物又は金属水酸化物となる。
本発明においては、上述の無機充填材(B)の内、低転がり性と耐摩耗性の両立の観点からシリカが好ましい。シリカとしては市販のあらゆるものが使用でき、なかでも湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカを用いるのが好ましく、湿式シリカを用いるのが特に好ましい。シリカのBET比表面積(ISO 5794/1に準拠して測定する)は40〜350m2/gであるのが好ましい。BET表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性とゴム成分中への分散性とを両立できるという利点がある。この観点から、BET表面積が80〜350m2/gの範囲にあるシリカが更に好ましく、BET表面積が120〜350m2/gの範囲にあるシリカが特に好ましい。このようなシリカとしては東ソーシリカ社製、商品名「ニプシルAQ」(BET比表面積 =220m2/g)、「ニプシルKQ」、デグッサ社製商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積 =175m2/g)等の市販品を用いることができる。
前記一般式(VIII)で表わされる無機化合物としては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al23)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al23・H2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、炭酸アルミニウム[Al2(CO32]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5 、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2・SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO32]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩などが使用できる。また、前記一般式(5)中のM3がアルミニウム金属、アルミニウムの酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はアルミニウムの炭酸塩から選ばれる少なくとも一つである場合が好ましい。
一般式(VIII)で表されるこれらの無機化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。これらの無機化合物の平均粒径は、混練作業性、耐摩耗性及びウェットグリップ性能のバランスなどの観点から、0.01〜10μmの範囲が好ましく、0.05〜5μmの範囲がより好ましい。
本発明における無機充填材(B)は、シリカ単独で使用しても良いし、シリカと一般式(VIII)で表される無機化合物の1種以上とを併用しても良い。シリカは、無機充填材(B)中に30質量%以上となるように添加することが好ましい。
本発明に係るゴム組成物の充填材は、所望により、上述の無機充填材(B)に加えてカーボンブラックを含有しても良い。カーボンブラックを含有することにより、電気抵抗を下げて帯電を抑止する効果を享受できる。このカーボンブラックとしては、特に制限はなく、例えば高、中又は低ストラクチャーのSAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEF、GPF、SRFグレードのカーボンブラック、特にSAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEFグレードのカーボンブラックを用いるのが好ましい。窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)が30〜250m2/gであることが好ましい。このカーボンブラックは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明において、カーボンブラックは無機充填材(B)に含まれない。
本発明に係るゴム組成物の無機充填材(B)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、100〜300質量部使用することを要す。無機充填材(B)が100質量部未満になると湿潤路面でのグリップ性能が低下し、また、300質量部を超えると得られたゴム組成物の混練が困難となったり、強度が低下したり、また、転がり抵抗性が大きくなりすぎて好ましくない。これらの点から無機充填材(B)は、好ましくは100〜200質量部、さらに好ましくは、100〜150質量部を用いることが望ましい。
[軟化剤(E)]
本発明に係るゴム組成物の製造方法においては、ゴム成分(A)と無機充填材(B)を含む充填材とを均一に混練するために軟化剤(E)を必要に応じて、各段階にて添加することができる。特に、混練の第一段階で軟化剤(E)を添加することにより、最終段階までの混練が容易となるので、混練の第一段階で軟化剤(E)を添加することが好ましい。
軟化剤(E)としては、プロセスオイル、可塑剤、樹脂等を挙げることができる。プロセスオイルとしては、パラフィンオイル、ナフテン系オイル、アロマオイル等が挙げられる。また、上記可塑剤としては、エステル系の可塑剤が好ましく、具体的には、フタル酸誘導体、長鎖脂肪酸誘導体、リン酸誘導体、セバシン酸誘導体及びアジピン酸誘導体が好ましい。
軟化剤として用いられる樹脂としては、軟化点が80〜200℃である樹脂を用いることが好ましく、具体的には、フェノール系樹脂及び/又はC9留分を(共)重合して得られる芳香族系石油樹脂が挙げられ、これらの中でも、フェノール系樹脂が好ましい。また、フェノール系樹脂の中でも、アルキル置換フェノール樹脂及び長鎖アルキル変性フェノール樹脂が好ましい。上記アルキル置換フェノール樹脂としては、pt-ブチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、p-t-ブチルフェノール・アセトアルデヒド樹脂、p-t-オクチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、スチレネーティッドフェノール・ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。また、上記アルキル変性フェノール樹脂としては、テルペン変性フェノール樹脂等が挙げられる。一方、上記C9留分を(共)重合して得られる芳香族系石油樹脂とは、一般にナフサの熱分解によって得られるビニルトルエン、インデンを主要なモノマーとする炭素数9の芳香族系留分を重合して得られる樹脂である。ここで、C9留分の他の例としては、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン等のスチレン同族体等が挙げられる。また、上記芳香族系石油樹脂は、クマロン単位等を含んでもよい。上記芳香族系石油樹脂の商品名としては、新日本石油化学製ネオポリマー等が挙げられる。
軟化剤(E)の添加量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、5質量部以上、好ましくは、20〜200質量部、更に好ましくは、30〜100質量部を添加することが好ましい。また、軟化剤(E)の添加に当たって、プロセスオイルと軟化点が80〜200℃である樹脂とを併用して用いることが、乾燥路面でのグリップ性能と湿潤路面でのグリップ性能を両立させる観点から好ましい。この場合、プロセスオイルと軟化点が80〜200℃である樹脂との使用比率は、プロセスオイルと軟化点が80〜200℃である樹脂の合計量100質量%に対して、プロセスオイルを40〜80質量%、軟化点が80〜200℃である樹脂を60〜20質量%とすることが好ましい。
[有機酸化合物]
本発明に係るゴム組成物の製造方法においては、下記に記載する有機酸化合物を混練りの複数段階の任意の段階で添加することができる。有機酸化合物は、特に混練りの複数段階のうちの最終段階で加硫促進剤(D)の残余を添加して混練する場合、加硫促進剤(D)配合によるカップリング機能の活性向上効果が低減するのを好適に抑制することができる。
本発明に係るゴム組成物に配合される有機酸化合物としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、カプリル酸、エナント酸、カプロン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ネルボン酸等の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸並びにロジン酸や変性ロジン酸等の樹脂酸などの有機酸、前記飽和脂肪酸及び前記不飽和脂肪酸並びに樹脂酸のエステルなどが挙げられる。
本発明においては、加硫促進助剤としての機能を十分に発揮する必要があることから有機酸化合物中の50モル%以上がステアリン酸であることが好ましい。
また、ゴム成分(A)の一部又は全部として乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体を用いる場合は、有機酸化合物中の50モル%以上が乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体に含まれるロジン酸(変性ロジン酸も包含される。)及び/又は脂肪酸であることが、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体を重合するのに必要な乳化剤の観点から好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法において、通常、ゴム組成物に配合される亜鉛華等の加硫活性剤、老化防止剤等の各種配合剤は、必要に応じ、混練の第一段階又は最終段階、あるいは第一段階と最終段階の中間段階において混練りされる。
本発明の製造方法における混練装置として、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー等が用いられる。その後、押出工程において押出し加工され、トレッド用部材として成形される。続いて、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。本発明のゴム組成物はタイヤ用として有用であり、特にトレッドに好適に用いられる。なお、本発明におけるトレッドとは、タイヤの接地部を構成するキャップトレッド及び/又はキャップトレッドの内側に配設されるベーストレッドをいう。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、湿潤路面でのグリップ性及び乾燥路面でのグリップ性については、下記の方法により評価した。
<湿潤路面でのグリップ性>
実施例および従来例のタイヤを市販の自動二輪車に適用して、湿潤路面で走行させ、走行時におけるテストドライバーのフィーリングを下記の基準にて評価した。なお、比較例1の結果を「0」として、下記の基準にて相対評価した。数値が正の値で大きくなる程、湿潤路面でのグリップ性に優れることを意味する。
+3・・・運転頻度の低い一般ドライバーが明確に差を認識できる程度
+2・・・運転頻度の高い一般ドライバーが差を認識できる程度
+1・・・プロのドライバーが差を認識できる程度
0・・・コントロール
−1・・・プロのドライバーが差を認識できる程度
−2・・・運転頻度の高い一般ドライバーが差を認識できる程度
−3・・・運転頻度の低い一般ドライバーが明確に差を認識できる程度
<乾燥路面でのグリップ性>
実施例および従来例のタイヤを市販の自動二輪車に適用して、乾燥路面で走行させ、走行時におけるテストドライバーのフィーリングを下記の基準にて評価した。なお、比較例1の結果を「0」として、下記の基準にて相対評価した。数値が正の値で大きくなる程、乾燥路面でのグリップ性に優れることを意味する。
+3・・・運転頻度の低い一般ドライバーが明確に差を認識できる程度
+2・・・運転頻度の高い一般ドライバーが差を認識できる程度
+1・・・プロのドライバーが差を認識できる程度
0・・・コントロール
−1・・・プロのドライバーが差を認識できる程度
−2・・・運転頻度の高い一般ドライバーが差を認識できる程度
−3・・・運転頻度の低い一般ドライバーが明確に差を認識できる程度
実施例1〜7及び比較例1〜6
第1表に示す配合処方及び混練方法により、バンバリーミキサーを用い混練の第一段階において、ゴム成分、カーボンブラック、シリカ及びシランカップリング剤を加えて混練し、加硫促進剤を混練の第一段階の途中又は混練の第二段階で添加した。混練の第一段階では、混練中のゴム組成物の最高温度が170℃となった時点で混練を中止し、混練の第一段階を終了させた。なお、混練の第一段階の途中で加硫促進剤を添加した実施例及び比較例では、第1表に示すように、ゴム組成物の混練温度が145℃のときに加硫促進剤を添加し、シリカ及びシランカップリング剤を添加した後に加硫促進剤を添加するまでの時間は90秒であった。
また、混練の第二段階で加硫促進剤を添加した実施例及び比較例では、混練の第二段階でのゴム組成物の最高温度は、いずれも170℃であった。
このようにして得られたゴム組成物をタイヤトレッド用ゴム組成物として用い、タイヤサイズ190/650R16.5(リア)および125/600R16.5(フロント)のタイヤを試作した。各タイヤのトレッドに用いたゴム組成物について、乾燥路面グリップ性、湿潤路面グリップ性を以下のようにして評価した。その結果を表1に示した。
Figure 2013213167
[注]
*1: 旭化成株式会社製、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、商品名「タフデン3835:スチレン−ブタジエン共重合体ゴム100質量部に37.5質量部のゴム伸展油を含む。」
*2: 東海カーボン株式会社製、商品名「シースト7HM」
*3: 東ソー・シリカ株式会社製、ニップシールAQ、 BET表面積205m2/g
*4: 三共油化工業株式会社製プロセスオイル、商品名「A/Oミックス」
*5: JX日鉱日石エネルギー株式会社製、商品名「日石ネオポリマー140」
*6: ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)ジスルフィド(平均硫黄鎖長:2.35)、Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si75」(登録商標)
*7: N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
*8: 1,3−ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーD」
*9: ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーDM−P」
*10:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーCZ−G」
第1表から明らかなように、実施例1〜5の製造方法で得られたゴム組成物をタイヤのトレッドゴムとして使用したタイヤは、乾燥路面でのグリップ性能を損なうことなく、湿潤路面でのグリップ性能が向上している。
本発明のゴム組成物の製造方法により得られるゴム組成物は、乾燥路面でのグリップ性能を損なうことなく、湿潤路面でのグリップ性能を向上させることができるものであり、自動二輪車用タイヤやスポーツカー、競技用などの高性能タイヤのトレッド部分を構成するゴム組成物及びそのゴム組成物を用いた空気入りタイヤとして好適に用いられる。

Claims (15)

  1. 天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)100質量部、無機充填材(B)100〜300質量部を含む充填材、シランカップリング剤(C)並びに加硫促進剤(D)を含むゴム組成物の製造方法であって、
    該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填剤(B)の全部または一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部または一部を混練した後、該第一段階の途中で加硫促進剤(D)を加えて更に混練するか、又は該ゴム組成物を3段階以上の混練段階で混練し、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部又は一部を混練し、混練の第二段階以降でかつ最終段階より前の段階で該加硫促進剤(D)を加えて混練することを特徴とするゴム組成物の製造方法。
  2. 前記加硫促進剤(D)が、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類から選ばれる少なくとも1種の加硫促進剤である請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
  3. 前記第一段階において、前記ゴム組成物の温度が130〜180℃に到達したときに前記加硫促進剤(D)を加える請求項1又は2に記載のゴム組成物の製造方法。
  4. 前記第一段階において、該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部又は一部を加えた後、該第一段階の途中で該加硫促進剤(D)を加えるまでの時間が10〜300秒である請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  5. 前記混練の第二段階以降でかつ最終段階より前の段階で該加硫促進剤(D)を加えて混練する段階におけるゴム組成物の最高温度が120〜190℃である請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  6. さらに、軟化剤(E)を混練の第一段階で添加する請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  7. 前記軟化剤(E)が、ゴム成分(A)100質量部に対して、5質量部以上である請求項6に記載のゴム組成物の製造方法。
  8. 軟化剤(E)が、プロセスオイルおよび/又は軟化点が80〜200℃の樹脂である請求項6又は7に記載のゴム組成物の製造方法。
  9. 前記無機充填材(B)がシリカを含む請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  10. 前記無機充填材(B)中のシリカが30質量%以上である請求項9に記載のゴム組成物の製造方法。
  11. ステアリン酸を前記複数段階の最終段階で添加する請求項1〜10のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  12. 前記ゴム組成物の製造方法がタイヤ用ゴム組成物の製造方法である請求項1〜11のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  13. 前記請求項1〜11のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法により得られたゴム組成物。
  14. 前記ゴム組成物がタイヤ用ゴム組成物である請求項13に記載のゴム組成物。
  15. 前記請求項13又は14に記載のゴム組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤ。
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