JP6592311B2 - タイヤ用ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
従来において、タイヤの転がり抵抗を減少する手法として、タイヤ構造を最適化する手法も検討されてきたが、タイヤに適用するゴム組成物としてより発熱性の低い、所謂低ロス化のゴム組成物を用いることが、現在、最も一般的な手法として行われている。
しかしながら、無機充填材配合ゴム組成物において、シリカ等の無機充填材を配合する際には、無機充填材、特にシリカはゴム組成物中で凝集してしまうため(シリカ表面の水酸基が原因で凝集してしまうため)、凝集を防止するためにシランカップリング剤が用いられている。
従って、シランカップリング剤を配合して上記問題を好適に解決するために、シランカップリング剤のカップリング機能の活性を更に高める目的で種々の試みがなされている。
しかしながら、上記特許文献1の技術は、転がり抵抗の低減効果を発揮するものであるが、加工性の改善が求められている。
このタイヤトレッド用ゴム組成物では、上記脂肪族アミンがシリカ表面に吸着してシリカ凝集を防止し、低発熱性及びウェットグリップ性を改善せしめ、また、シリカが脂肪族アミンでシールディングされるため加硫促進剤と反応して消費されることなく、かつチアジアゾール/トリアジンによる加硫促進効果により、シリカ配合で見られるような加硫遅延を防ぐ作用により加硫物性と生産性などを向上させるものである。
しかしながら、上記特許文献3及び4のチアジアゾール化合物は、本発明のチアジアゾール化合物に含まれないものであり、特許文献3はピリミジン系加硫促進剤と併用することで、低温域でチアジアゾール化合物とピリミジン系加硫促進剤が反応し、メルカプトベンゾジアゾールが生成することを防止するため早期ヤケを防止できるものであり、また、上記特許文献4は一次加硫促進剤として上記チアジアゾール化合物を用いて未加硫ゴムの流動特性改善を図るものであり、本発明のチアジアゾール化合物をゴム成分(ポリマー)、シリカ、シランカップリング剤の配合系に配合することにより、シランカップリング剤を活性化し、シラン−ポリマー反応を促進することにより、シリカの分散性を改善し、未加硫粘度の粘度上昇抑制効果(加工性改善)、低ロス化を発揮せしめ、かつ耐摩耗性が向上するものであり、上記特許文献2〜4とはその技術思想を含む作用機構などが相違するものである。
ジエン系ゴムを含むゴム成分と、シリカを有する無機充填材を含む充填材と、シランカップリング剤と、下記式(I)で示される化合物を少なくとも配合してなることを特徴とする。
前記ゴム成分には、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを40質量%以上含むことが好ましい。
前記ゴム成分には、天然ゴム を10〜100質量%含むことが好ましい。天然ゴムを10〜60質量%含むことがさらに好ましい。
前記式(I)中のR1がメルカプト基、R2が水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基であることが好ましい。
前記式(I)で示される化合物は1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−エチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−プロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−ブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオールであることが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法として、ジエン系ゴムを含むゴム成分、シリカを有する無機充填材を含む充填材、シランカップリング剤及び上記式(I)で示される化合物の全部又は一部を少なくとも含む第一混合物を調製し、該第一混合物を混練することによって予備組成物を調製する、A工程と、前記予備組成物に加硫剤を加えた第二混合物を調製し、該第二混合物を混練することによってゴム組成物を調製する、B工程と、を含むことにより製造されることが好ましい。
前記A工程における混練温度の最高温度を120〜190℃で行うことが好ましい。
また、ゴム成分として、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを40質量%以上含むこと、及び/又は天然ゴムを10〜100質量%含むことにより、上記効果と共に、更に耐摩耗性を向上させたタイヤ用ゴム組成物が提供される。
更に、上記式(I)で示される化合物として、式(I)中のR1がメルカプト基、R2が水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アミノ基となるものを用いることにより、上記効果と共に、更に、加工性改善、低ロス化を発揮せしめ、かつ耐摩耗性を更に向上させたタイヤ用ゴム組成物が提供される。
更にまた、タイヤ用ゴム組成物の製造方法として、ジエン系ゴムを含むゴム成分、シリカを有する無機充填材を含む充填材、シランカップリング剤及び上記式(I)で示される化合物の全部又は一部を少なくとも含む第一混合物を調製し、該第一混合物を混練することによって予備組成物を調製する、A工程と、前記予備組成物に加硫剤を加えた第二混合物を調製し、該第二混合物を混練することによってゴム組成物を調製する、B工程と、を含む製造方法では、より効率的にシリカの分散性を改善し、未加硫粘度の粘度上昇抑制効果(加工性改善)、低ロス化を発揮せしめ、かつ耐摩耗性を向上させたタイヤ用ゴム組成物の製造方法が提供される。
前記製造方法においてA工程における混練温度の最高温度を120〜190℃で行うことにより、上記製造方法の効果と共に、更にシリカの分散性を改善し、未加硫粘度の粘度上昇抑制効果(加工性改善)を大幅に向上させることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴムを含むゴム成分と、シリカを有する無機充填材を含む充填材と、シランカップリング剤と、下記式(I)で示される化合物を少なくとも配合してなることを特徴とするものである。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に用いるゴム成分としては、ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ここで、ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、及びこれらの変性ポリマーなどが挙げられる。
これらのゴム成分は、一種単独で用いても、二種以上をブレンドして用いてもよい。
これらの中でも、天然ゴム(NR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)の少なくとも1種の使用が好ましい。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合により製造される乳化重合SBR(E−SBR)、溶液重合により製造される溶液重合SBR(S−SBR)、並びに、これらのSBRを変性した変性SBR(変性E−SBR、変性S−SBR)などが挙げられる。
これらのSBRを用いる場合は、作業性、加工性、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、ゴム成分に対して、40質量%以上含むことが好ましい。
また、天然ゴムを用いる場合は、作業性、加工性、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、ゴム成分に対して、10〜100質量%含むことが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に用いられる無機充填材は、シリカ及び下記一般式(II)で表される無機化合物を用いることができる。
aM1・xSiOy・zH2O ………(II)
ここで、一般式(II)中、M1は、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム、及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり、a、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。
なお、一般式(II)において、x、zがともに0である場合には、該無機化合物はアルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの金属、金属酸化物又は金属水酸化物となる。
更に、シリカについては、BET比表面積は40〜350m2/g、CTAB比表面積(セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積)は40〜300m2/gであることが好ましい。BET表面積やCTAB比表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性とゴム成分中への分散性とを両立できるという利点がある。この観点から、BET表面積が80〜350m2/gの範囲、並びに、CTAB比表面積が40〜300m2/gの範囲にあるシリカが更に好ましく、BET表面積が120〜350m2/gの範囲、CTAB比表面積が40〜300m2/gの範囲にあるシリカが特に好ましい。上記BET比表面積(40〜350m2/g)、CTAB比表面積(40〜300m2/g)範囲内となるシリカとしては、例えば、東ソーシリカ社製、商品名「ニプシルAQ」、「ニプシルKQ」、デグッサ社製商品名「ウルトラジルVN3」、Solvay社製商品名「Zeosil Premium 200 MP」などが挙げられる。
一般式(II)で表されるこれらの無機化合物は、単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。これらの無機化合物の平均粒径は、混練作業性、耐摩耗性及びウェットグリップ性能のバランスなどの観点から、0.01〜10μmの範囲が好ましく、0.05〜5μmの範囲がより好ましい。
本発明における無機充填材は、シリカ単独で使用しても良いし、シリカと上記一般式(II)で表される無機化合物の1種以上とを併用しても良い。
このカーボンブラックとしては、特に制限はなく、例えば高、中又は低ストラクチャーのSAF、ISAF、IISAF、HAF、FEF、GPF、SRFグレードのカーボンブラック、特にSAF、ISAF、IISAF、HAF、FEFグレードのカーボンブラックを用いるのが好ましい。窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)が30〜250m2/gであることが好ましい。このカーボンブラックは1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。本発明において、カーボンブラックは上記無機充填材に含まれない。
また、本発明に係るタイヤ用ゴム組成物の充填材は、ゴム成分100質量部に対して、20〜150質量部使用することが好ましい。20質量部以上であれば、ゴム組成物の補強性向上の観点から好ましく、150質量部以下であれば、低発熱性向上の観点から好ましい。
前記充填材中、無機充填材が40質量%以上であることがウェット性能と低発熱性の両立の観点から好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に用いられるシランカップリング剤は、特に制限はなく、汎用の各種シランカップリング剤が使用でき、好ましくは、下記一般式(III)及び(VI)で表わされる化合物からなる群から1種以上選択される化合物であることが望ましい。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、このようなシランカップリング剤を用いることにより、ゴム加工時の作業性に更に優れると共に、より耐摩耗性の良好なタイヤ用ゴム組成物が得られることとなる。
以下、下記一般式(III)及び(VI)を順に説明する。
(−S−R8−S−)、(−R9−Sm1−R10−)及び(−R11−Sm2−R12−Sm3−R13−)のいずれかの二価の基(R8〜R13は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜20の二価の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の二価の脂環式炭化水素基、二価の芳香族基又は硫黄及び酸素以外のヘテロ元素を含む二価の有機基であり、m1、m2、m3は同一でも異なっていても良く、各々平均値として1以上4未満である。)であり、kは同一でも異なっていても良く、各々平均値として1〜6であり、s及びtは同一でも異なっていても良く、各々平均値として0〜3、但しs及びtの双方が3であることはない。〕
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH2)3−S2−(CH2)6−S2−(CH2)3−Si(OCH2CH3)3、
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH2)3−S2−(CH2)10−S2−(CH2)3−Si(OCH2CH3)3、
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH2)3−S3−(CH2)6−S3−(CH2)3−Si(OCH2CH3)3、
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH2)3−S4−(CH2)6−S4−(CH2)3−Si(OCH2CH3)3、
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH2)3−S−(CH2)6−S2−(CH2)6−S−(CH2)3−Si(OCH2CH3)3、
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH2)3−S−(CH2)6−S2.5−(CH2)6−S−(CH2)3−Si(OCH2CH3)3、
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH2)3−S−(CH2)6−S3−(CH2)6−S−(CH2)3−Si(OCH2CH3)3、
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH2)3−S−(CH2)6−S4−(CH2)6−S−(CH2)3−Si(OCH2CH3)3、
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH2)3−S−(CH2)10−S2−(CH2)10−S−(CH2)3−Si(OCH2CH3)3、
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH2)3−S4−(CH2)6−S4−(CH2)6−S4−(CH2)3−Si(OCH2CH3)3、
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH2)3−S2−(CH2)6−S2−(CH2)6−S2−(CH2)3−Si(OCH2CH3)3、
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH2)3−S−(CH2)6−S2−(CH2)6−S2−(CH2)6−S−(CH2)3−Si(OCH2CH3)3等で表される化合物が好適に挙げられる。
本発明においては、シランカップリング剤は一種を単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に用いられる化合物としては、下記式(I)で示される化合物を少なくとも含むものが挙げられる。
好ましくは、上記式(I)中、R1は、メルカプト基で、R2は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基であるものが望ましい。
前記式(I)で示される化合物としては、例えば、1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−エチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−プロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−ブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオールが挙げられる。
上記式(I)で表されるチアジアゾール化合物の配合効果を更に効果的に発揮せしめるために、好ましくは、式(I)中、R1は、メルカプト基、R2は、メチル基、エチル基の何れかのもの、すなわち、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−エチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオールが望ましく、特に好ましくは、R1は、メルカプト基、R2は、メチル基である、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオールが望ましい。
本発明に用いる加硫剤としては、硫黄、不溶性硫黄などの硫黄等が挙げられ、その配合量は、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1〜10.0質量部が好ましく、更に好ましくは1.0〜5.0質量部である。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物では、通常、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、ステアリン酸、亜鉛華、オイル、ワックス、加硫促進助剤等を、本発明の目的を阻害しない範囲内で、各種配合剤を、必要に応じて、適宜量配合することができる。
用いることができる加硫促進剤としては、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、チオウレア類、ジチオカルバミン酸類、キサントゲン酸類などから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
グアニジン類としては、例えば、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン及び1−o−トリルビグアニドなどが挙げられ、
スルフェンアミド類としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドなどが挙げられ、
チアゾール類としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール(M)、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(DM)などが挙げられ、
チウラム類としては、例えば、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィドなどが挙げられ、
チオウレア類としては、例えば、チオ尿素(チオウレア)、N,N’−ジエチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素及びN,N’−ジメチルチオ尿素などが挙げられ、
ジチオカルバミン酸塩類としては、例えば、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛及びジメチルジチオカルバミン酸銅などが挙げられ、
キサントゲン酸塩類としては、例えば、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛などが挙げられる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、少なくとも、ジエン系ゴムを含むゴム成分と、シリカを有する無機充填材を含む充填材と、シランカップリング剤と、上記式(I)で示される化合物を少なくとも配合することにより、シランカップリング剤を活性化し、シリカの分散性を改善し、未加硫粘度の粘度上昇抑制効果(加工性改善)、低ロス化を発揮せしめ、かつ耐摩耗性が向上するものである。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、少なくとも、ジエン系ゴムを含むゴム成分と、シリカを有する無機充填材を含む充填材と、シランカップリング剤と、下記式(I)で示される化合物を常法により、例えば、ジエン系ゴムを含むゴム成分と、シリカを有する無機充填材を含む充填材と、シランカップリング剤と、ステアリン酸、老化防止剤、オイル等のゴム用配合剤を混練後に、加硫剤、上記式(I)で示される化合物を添加して混練することにより製造することができる。
好ましくは、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、ジエン系ゴムを含むゴム成分と、シリカを有する無機充填材を含む充填材と、シランカップリング剤及び上記式(I)で示される化合物の全部又は一部を少なくとも含む第一混合物を調製し、該第一混合物を混練することによって予備組成物を調製する、A工程と、前記予備組成物に加硫剤を加えた第二混合物を調製し、該第二混合物を混練することによってゴム組成物を調製する、B工程と、を含むことにより製造されることが望ましい。
好ましくは、上記式(I)で示される化合物の含有量は、上述の如く、ゴム成分100質量部に対して、0.05〜6質量部、更に好ましくは、0.5〜6質量部であり、特に好ましくは、0.5〜3質量部であることが望ましい。
なお、式(I)で示される化合物は、最初の第1工程で全部を配合しなくともよく、第1工程混練の最終段階となるB工程においても所望により適量(一部)を配合しても良い。
混練のA工程で、該ゴム成分、シリカを有する無機充填材を含む充填材、及び該シランカップリング剤を加えた後、該A工程の途中で該式(I)で示される化合物を加えるまでの時間を10〜180秒とすることがより好ましい。この時間の下限値は、30秒以上であることが更に好ましく、上限値は、150秒以下であることが更に好ましく、120秒以下であることが特に好ましい。この時間が10秒以上であれば(B)と(C)の反応を十分に進行させることができる。この時間が180秒を超えても(B)と(C)の反応は既に十分に進行しているので、更なる効果は享受しにくく、上限値を180秒とすることが好ましい。
このA工程における混練温度の最高温度を120〜190℃で行うことにより、更にシリカの分散性を改善し、未加硫粘度の粘度上昇抑制効果(加工性改善)を大幅に向上させることができる。
本発明における混練装置として、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー等が用いられる。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上記工程で混練し、熱入れ、押出等することにより得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部分等のタイヤのタイヤ部材の用途に好適に用いることができる。
下記表1〜5に示す配合処方で下記方法により、タイヤ用ゴム組成物を調製した。
実施例1,2,4,5,6,8,9,11,12,14,15及び比較例1〜12では、混練のA工程におけるゴム組成物の最高温度がいずれも170℃以上になるように表1〜5の混練のA工程の欄の各成分を調整してバンバリーミキサーで混練し、各タイヤ用ゴム組成物を調製した。タイヤ用ゴム組成物の混練のA工程において、ゴム成分〔E−SBR、NR〕、シリカを含む無機充填剤を含む充填材〔カーボンブラック、シリカ〕、シランカップリング剤、上記式(I)で示される化合物〔5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール〕等を含む第一混合物を混練(混練時間3分間)することによって予備組成物を調製した後に、60秒間経過した後、B工程として、前記予備組成物に加硫剤である硫黄などを加えた第二混合物を混練することによってタイヤ用ゴム組成物を調製した。
得られた各タイヤトレッド用ゴム組成物の未加硫ゴム粘度、tanδ(指数:転がり抵抗性能)、耐摩耗性(指数)及び総合評価を下記の各方法により算出して評価した。
これらの結果を下記表1〜表5に示す。
未加硫ゴム粘度は、JIS K 6300−1:2001(ムーニー粘度、ムーニースコーチタイム)に準拠して行った。
比較例1,4,7,10,13の各粘度を100として、指数表示し、その逆数を実施例の表に物性値として表示した。この値が大きいほど加工性(作業性)が良好であることを示す。
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度60℃、動歪5%、周波数15Hzでtanδを測定した。比較例1,4,7,10,13の各tanδを100として、下記式にて指数表示した。
発熱性指数=
{(比較例1,4,7,10,13の加硫ゴム組成物のtanδ)}/(供試加硫ゴム組成物のtanδ)×100
指数値が高いほど、転がり抵抗が低く、転がり抵抗性能(低ロス化)が優れることを示す。
JIS K 6264−2:2005に準拠し、ランボーン摩耗試験機を使用して23℃で摩耗量を測定し、比較例1、4,7,10、13の摩耗量の逆数を100として、下記式にて指数表示した。
耐摩耗性指数={(比較例1,4,7,10,13の加硫ゴム組成物の摩耗量)/(供試加硫ゴム組成物の摩耗量)}×100
指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性が良好であることを示す。
上記未加硫ゴム粘度、tanδ指数(転がり抵抗性能)、〔耐摩耗性(指数)〕の指数表示の合計値(評価物性の評価指数表示の合計)を下記表1〜表5に示す。この合計値300がコントロールとなるものであり、この合計値が300を超えて大きいほど、本発明の効果を高度に両立することを示すものである。なお、この合計値が300を超えて大きくとも、上記三つの評価特性のうち、少なくとも1つが極端に悪い場合は、本発明の効果を発揮するものではない。
*1)JSR社製、乳化重合SBR、「JSR 1500」
*2)東ソーシリカ社製、「ニプシールAQ」、BET表面積205m2/g
*3)旭カーボン社製、「#80」
*4)ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(平均硫黄鎖長:2.35)、Evonik社製、「Si75」
*5)マイクロクリスタリンワックス、日本精蝋社製、「オゾエース0701」
*6)N−(1,3−ジメチルブチル)―N′−フェニルーp−フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製、「ノクラック6C」
*7)1,3−ジフェニルグアニジン、三新化学工業社製、「サンセラーD」
*8)ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、三新化学工業社製、「サンセラーDM」
*9)N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、三新化学工業社製、「サンセラーNS」
*10)RSS#3
*11)Zeosil Premium 200 MP、Solvay社製
実施例をみると、実施例1,2,4,5,6,8,9,11,12,14,15は、本発明の好ましい製造方法により製造したものであり、実施例3,7,10,13、16の最終段階で上記式(I)で示される化合物を配合した製造に較べ、加工性(未加硫ゴム粘度)、転がり抵抗性能(tanδ指数)、耐摩耗性(指数)も良好となるものであり、また、上記実施例3,7,10,13、16は、本発明の範囲外となる比較例1〜16に較べて、加工性(未加硫ゴム粘度)、転がり抵抗性能(tanδ指数)、耐摩耗性(指数)が良好となることが確認できる。
一方、比較例を見ると、比較例1,4,7,10,13は、コントロールであり、比較例2,14のチオウレアを配合したもの、比較例3、5、8、11,15の従来の5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール(DMTD)を配合したもの、比較例6、9、12,16の特許文献2に準拠のDMTDのアミン塩を配合したものでは、本発明の効果を発揮できないことが判った。
これらを総合すると、本発明をサポートする実施例1〜16では、加工性(未加硫ゴム粘度)、転がり抵抗性能(tanδ指数)、耐摩耗性(指数)を高度に両立することが判明した。
Claims (8)
- 前記ゴム成分には、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを40質量%以上含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記ゴム成分には、天然ゴムを10〜100質量%含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記ゴム成分には、天然ゴムを10〜60質量%含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記式(I)中のR1がメルカプト基、R2が水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の何れかであることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記式(I)で示される化合物が1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−エチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−プロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−ブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオールであることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記A工程の混練温度の最高温度を120〜190℃で行うことを特徴とする、請求項
7に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
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