JP6523764B2 - 洗濯機および洗濯機の制御方法 - Google Patents
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Description
また、排水弁を開いた状態で洗濯兼脱水槽を回転させながらシャワーを供給する回転シャワーをおこなって、散布した水を洗濯物に浸透させ、その後、排水弁を開いた状態のままシャワーの供給を停止して洗濯兼脱水槽を所定の回転速度で所定時間回転させて、浸透すすぎ運転を行うことで、少ない水でもすすぎ性能を向上させた洗濯機が提案されている(特許文献2参照)。
図1は、本発明の実施例の洗濯機の外観斜視図である。なお、図1は、外蓋3を開けた状態を示している。
洗濯機100は、外郭が鋼板と樹脂成型品とを組み合わせて構成された筐体1を備えている。筐体1の上部には、樹脂製のトップカバー2が設けられている。トップカバー2には、洗濯槽の上部を開閉する外蓋3が設けられている。
循環ポンプ16は、筐体1の底部(外槽10の下方)に設けられ、外槽10の底部に溜められた洗濯水やすすぎ水を、内槽9内に汲み上げる。
図2に示すように、洗濯機100は、筐体1内に、内槽9、外槽10、脈動翼盤11(回転翼盤)、流体バランサ12、洗濯水循環機構50などを含んで構成されている。
また、循環パイプ17には、循環ポンプ16の上流側に異物トラップ(不図示)が設けられ、異物トラップ(不図示)の上流側には、排水弁15を備えた排水ホース24が分岐して接続されている。
図3に示すように、外槽カバー14は、手前側に略台形状の洗濯物投入口14a(投入口)が形成されている。また、外槽カバー14には、洗濯物投入口14aを開閉する内蓋(不図示)が設けられている。内蓋は、洗濯物投入口14aの後端に設けられたヒンジ機構(不図示)を介して洗濯物投入口14aの全体を閉塞するように構成されている。
図4に示すように、洗濯物投入口14aは、径方向の中心Oよりも後方に位置するとともに左右方向(幅方向)に延在する直線部14a1と、中心Oよりも前方に位置するとともに左右方向に延在する直線部14a2と、直線部14a1の一端(左端)と直線部14a2の一端(左端)とをつなぐ円弧部14a3と、直線部14a1の他端(右端)と直線部14a2の他端(右端)とをつなぐ円弧部14a4と、を有している。なお、洗濯物投入口14aの平面視における形状は、図4の形状に限定されるものではなく、例えば、直線部14a2が円弧形状であって、全体として略半径状に形成されていてもよい。また、外槽カバー14の洗濯物投入口14aの外周部分は、流体バランサ12と対向するようになっている。
マイコン40は、運転パターンデータベース111と、工程制御部112と、回転速度算出部113と、洗濯物重量算出部114と、水質測定部115と、洗剤量・洗い時間決定部116とを備える。
工程制御部112は、運転パターンデータベース111から呼び出された運転パターンに基づき、給水工程、洗い工程,すすぎ工程,脱水工程,乾燥工程の各工程を運転・制御する。
また、マイコン40は、モータ駆動回路121により電動機13aを駆動し、クラッチ制御回路122によりクラッチ機構13bを制御することで、内槽9と脈動翼盤11の回転駆動を制御して、洗濯機100の洗い運転・脱水運転・すすぎ運転をおこなう。
また、マイコン40は、循環ポンプ駆動回路125により循環ポンプ16を駆動制御し、洗濯水循環機構50の洗濯水またはすすぎ水の循環をおこなう。
洗濯物重量算出部114は、回転速度算出部113で算出された電動機13aの回転速度と、モータ電流検出装置29の検出値に基づいて、内槽9の洗濯物の重量を算出する。詳しくは、洗濯物の重量が増加することにより内槽9の回転負荷が大きくなり、電動機13aのモータ電流が多く必要になることから、電動機13aのモータ電流と回転速度により洗濯物の重量を算出する。
温度センサ26は、水道水の温度を検出するセンサである。マイコン40は、温度センサ26で検出した温度が高い場合には投入する洗剤量を減らすように表示器25に表示し、洗濯時間を短縮する。
振動センサ27は、外槽10の側面外側に設置してあり、内槽9が高速回転する脱水時の振動を検出する。マイコン40は、振動センサ27の出力結果が許容範囲外となる場合には、内槽9の高速回転を停止し、洗濯物の均一撹拌をおこなって、再度脱水を行うか、異常として運転停止する。
マイコン40は、電源スイッチ5が押されて電源が投入されると起動し、図6のフローチャートの基本的な制御処理プログラムを実行する。
つぎに、マイコン40は、操作パネル8の表示器7を点灯表示し、操作ボタンスイッチ6からの入力指示にしたがって運転コースを設定する(S602)。
そして、マイコン40は、操作パネル8のスタートスイッチ(操作ボタンスイッチ6)を監視し、スタートスイッチが押下されると、洗濯・乾燥運転を開始する(S603)。
このとき、水道水は、洗剤・柔軟剤容器28にも供給されて、洗濯洗剤と水道水が外槽10に投入される。そして、内槽9または脈動翼盤11を駆動して水を撹拌し、洗濯洗剤を溶解する。
引き続き、水道水を外槽10に供給し、所定量の洗濯水が貯水されると、つぎの洗い工程に進む(S606)。
この後、詳細を後述するすすぎ工程1(S607)とすすぎ工程2(S608)をおこなう。ここでは、説明を省略する。
洗濯乾燥コースが設定されていないと判定した場合には(S610のNo)、洗濯機100の運転を終了する。
洗濯乾燥コースが設定されていると判定した場合には(S610のYes)、つぎの乾燥工程(S611)を実行する。
マイコン40は、所定時間の経過後に、上記の制御を終了し、乾燥工程(S611)を終了する。
まず、図7により、本実施例のすすぎ工程の特徴を説明する。
回転シャワーすすぎ運転では、洗濯物には常に散布された清澄な水が浸透し、洗濯物の繊維の間から洗濯洗剤や汚れが水に移動し、洗濯洗剤や汚れが移動した水はすぐに排水されるので、洗濯洗剤や汚れが洗濯物に再付着することがなく、すすぎ効果が高い。
つまり、本実施例の回転シャワーすすぎ運転では、洗濯物の半量が、洗濯洗剤や汚れが少なくなりやすく、すすぎやすい状態となっているが、残りの半量は、すすぎにくい状態となっている。
なお、回転数を調整するのは、回転数が高めると遠心力が大きくなるので、遠心脱水量が増し、洗濯物へのすすぎ水の浸透が少なくなるためである。
ためすすぎ運転は、内槽9を固定した状態で脈動翼盤11を正逆回転させる撹拌を間欠的に行い、すすぎ水の撹拌・洗濯の撹拌をおこなっているが、すすぎ水を循環するようにしてもよい(以降、これを循環ためすすぎ運転という)。
これにより、ためすすぎ水を少量化でき、また、すすぎ性能も向上する。
詳しくは、すすぎ工程1では脱水1と回転シャワーすすぎ1と脱水2と循環ためすすぎ1の運転を順次おこない、すすぎ工程2では脱水3と回転シャワーすすぎ2と脱水4と循環ためすすぎ2の運転を順次おこう。
つぎに、それぞれの運転の内容を説明する。
このとき、洗濯物に含まれるすすぎ水は、内槽9の外周壁の貫通孔9aから外槽10に排水されるが、外槽10からの排水が滞留することないように、内槽9の回転を段階的に高くする。
なお、脱水1の運転の前の、洗い工程の最後に、洗濯水の循環を止めた状態で脈動翼盤11を正逆回転させる均一化撹拌を実行しているので、洗濯物のアンバランス状態はなくなっている。
所定時間が経過すると、回転シャワーすすぎ1の運転を終了し、つぎの脱水2の運転をおこなう。
ただし、脱水1の運転に比べて洗濯物に含まれるすすぎ水の量は少ないため、脱水時間は短くてもよく、また、内槽9の回転を短時間に高速にすることができる。また、脱水1の運転よりも高速回転(約1050rpm)することができる。
所定時間の脱水2の運転をおこなった後に、つぎの循環ためすすぎ1の運転をおこなう。
そして、電動機13aを作動(ON)して内槽9を静止させた状態で脈動翼盤11を正逆回転させる撹拌を間欠的に行い、脈動翼盤11の正逆回転中に循環ポンプ16を作動(ON)して外槽10の底部のすすぎ水をくみ上げて、水路カバー30に形成された吐出口31から洗濯物上に洗濯水を横一文字状に散布する。
このとき、脈動翼盤11を正逆回転させて撹拌をおこなっているので、内槽9の洗濯物のアンバランス状態はなくなっている。
排水が終了すると、すすぎ工程1(S607)を終了し、つぎのすすぎ工程2(S608)に移行する。
循環ためすすぎ2の運転で排水が終了すると、すすぎ工程2(S608)を終了し、脱水工程(S609)に移行する。
しかし、回転シャワーすすぎ2の運転時間は、洗濯物の洗濯洗剤や汚れが移動したすすぎ水を排水しているので、すすぎ効果が高く、回転シャワーすすぎ1の運転時間と同じ時間運転することが望ましい。
図9のすすぎ工程1とすすぎ工程2は図8のすすぎ工程1と同じ運転をおこない、図9のすすぎ工程3は図8のすすぎ工程2と同じ運転をおこなう。
図9では、図8で説明したすすぎ工程よりすすぎ運転回数が多いので、より大きなすすぎ性能を得ることができる。
図10は、2種類のすすぎ工程をもつ従来の洗濯機のすすぎ性能の測定値と、図8と図9で説明したすすぎ工程c、dをもつ本実施例の洗濯機のすすぎ性能の測定値を示したものである。
従来のすすぎ工程には、シャワーすすぎの後に、ためすすぎをおこなうすすぎ工程aと、3度のためすすぎをおこなうすすぎ工程bの2つがある。
ここで、すすぎ水の洗剤残量について説明する。
すすぎ水の洗剤残量は、洗濯した洗濯物の洗剤残量を直接示すものではないが、すすぎ水の洗剤残量が少なければ、すすぎにより洗濯物から剥離された洗剤量は少なく、洗濯した洗濯物にも洗剤が残留していないと考えられる。すすぎ水の洗剤残量はアルカリ度で定量化され、水道水とすすぎ水のアルカリ度の差により求められる。したがって、この値が小さければ、洗濯物の洗剤残量は少ないといえる。
特に、洗濯洗剤に含まれる界面活性剤の皮膚への刺激性が問題となる場合があるが、図9に示したすすぎ工程dによれば、乳幼児や皮膚が弱い人でも問題ないといわれているレベルに洗剤残量を低減することができる。
9 内槽
10 外槽
11 脈動翼盤
13 駆動装置
15 排水弁
16 循環ポンプ
40 マイコン
110 制御装置
Claims (10)
- 貯水可能な外槽と、
前記外槽内に設けられた内槽と、
前記内槽の底部に設けられた脈動翼盤と、
前記内槽と前記脈動翼盤とを回転駆動する駆動部と、
給水する給水部と、
前記外槽の排水をおこなう排水部と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記駆動部を制御して前記内槽と前記脈動翼盤とを一体に回転するとともに、前記排水部を排水動作させながら、前記給水部により前記内槽の内側の外周側に向けてすすぎ水を散水し、かつ、洗濯物の半量に水が浸透して脱水されるように回転数と散水量を調整する回転シャワーすすぎ運転と、
前記給水部と前記排水部を制御して前記外槽にすすぎ水を貯水し、前記駆動部を制御して前記内槽を固定した状態で前記脈動翼盤を正逆回転して洗濯物を撹拌するとともに、前記外槽のすすぎ水を前記内槽の上部から洗濯物に横一文字状に散水するためすすぎ運転と、
を有するすすぎ工程を複数回おこなう
ことを特徴とする洗濯機。 - 請求項1に記載の洗濯機において、さらに、
前記外槽のすすぎ水をくみ上げて、前記内槽の上部から内槽内部に散水するすすぎ水循環部と、
前記すすぎ水が、導水されて整流され、内槽の径方向に直線状に延在する吐出口から前記内槽に吐出する三角形状の循環水路と、
を備え、
前記制御装置は、前記ためすすぎ運転において、前記すすぎ水循環部を駆動して、前記外槽のすすぎ水を前記循環路により前記内槽の洗濯物に散水する
ことを特徴とする洗濯機。 - 請求項1または請求項2に記載の洗濯機において、
前記制御装置は、
前記回転シャワーすすぎ運転とためすすぎ運転の間で、前記排水部を排水動作させながら、前記駆動部を制御して前記内槽を高速回転する脱水運転をおこなう
ことを特徴とする洗濯機。 - 請求項1に記載の洗濯機において、
前記回転シャワーすすぎ運転では、前記内槽の内面に押し付けられた洗濯物の上部にすすぎ水がシャワー散水され、排水される
ことを特徴とする洗濯機。 - 洗濯物を収容する内槽と前記内槽の底部に設けられた脈動翼盤と前記内槽が設けられた外槽と備える洗濯機の制御方法であって、
すすぎ工程では、
前記内槽と前記脈動翼盤とを一体に回転しながら、前記内槽の内側の外周側に向けてすすぎ水を散水し、前記すすぎ水を排水する際に、洗濯物の半量に水が浸透して脱水されるように回転数と散水量を調整する第1の回転シャワーすすぎ運転と、
前記外槽にすすぎ水を貯水し、前記内槽を固定した状態で前記脈動翼盤を正逆回転して洗濯物を撹拌するとともに、前記外槽のすすぎ水を前記内槽の上部から洗濯物に横一文字状に散水する第1のためすすぎ運転と、
前記内槽と前記脈動翼盤とを一体に回転しながら、前記内槽の内側の外周側に向けてすすぎ水を散水し、前記すすぎ水を排水する際に、洗濯物の半量に水が浸透して脱水されるように回転数と散水量を調整する第2の回転シャワーすすぎ運転と、
前記外槽にすすぎ水を貯水し、前記内槽を固定した状態で前記脈動翼盤を正逆回転して洗濯物を撹拌するとともに、前記外槽のすすぎ水を前記内槽の上部から洗濯物に横一文字状に散水する第2のためすすぎ運転と、を順次おこなう
ことを特徴とする洗濯機の制御方法。 - 請求項5に記載の洗濯機の制御方法において、
前記第1のためすすぎ運転と前記第2のためすすぎ運転の少なくとも一方で、
前記外槽のすすぎ水を前記内槽の洗濯物に散水する
ことを特徴とする洗濯機の制御方法。 - 請求項5に記載の洗濯機の制御方法において、
前記外槽のすすぎ水を排水しながら前記内槽を高速回転して前記洗濯物を遠心脱水したのちに、前記第1の回転シャワーすすぎ運転をおこない、
前記外槽のすすぎ水を排水しながら前記内槽を高速回転して前記洗濯物を遠心脱水したのちに、前記第1のためすすぎ運転をおこない、
前記外槽のすすぎ水を排水しながら前記内槽を高速回転して前記洗濯物を遠心脱水したのちに、前記第2の回転シャワーすすぎ運転をおこない、
前記外槽のすすぎ水を排水しながら前記内槽を高速回転して前記洗濯物を遠心脱水したのちに、前記第2のためすすぎ運転をおこなう
ことを特徴とする洗濯機の制御方法。 - 請求項7に記載の洗濯機の制御方法において、
前記第2のためすすぎ運転では、
前記第1のためすすぎ運転のすすぎ水の洗剤残量と、前記第2のためすすぎ運転のすすぎ水の洗剤残量の差に応じて、前記第2のためすすぎ運転を制御する
ことを特徴とする洗濯機の制御方法。 - 請求項8に記載の洗濯機の制御方法において、
前記すすぎ水の洗剤残量は、すすぎ水のアルカリ度から求める
ことを特徴とする洗濯機の制御方法。 - 洗濯物を収容する内槽と前記内槽の底部に設けられた脈動翼盤と前記内槽が設けられた外槽と備える洗濯機の制御方法であって、
すすぎ工程では、
前記外槽にすすぎ水を貯水し、前記内槽を固定した状態で前記脈動翼盤を正逆回転して洗濯物を撹拌するとともに、前記外槽のすすぎ水を前記内槽の上部から洗濯物に横一文字状に散水するためすすぎ運転と、
前記内槽と前記脈動翼盤とを一体に回転しながら、前記内槽の内側の外周側に向けてすすぎ水を散水し、前記すすぎ水を排水し、かつ、前記洗濯物の半量に水が浸透して脱水されるように回転数と散水量を調整する回転シャワーすすぎ運転と、
が、回転シャワーすすぎ運転からためすすぎ運転の順に複数回おこなわれる
ことを特徴とする洗濯機の制御方法。
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