JP3176780B2 - 全自動洗濯機 - Google Patents

全自動洗濯機

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JP3176780B2
JP3176780B2 JP22979093A JP22979093A JP3176780B2 JP 3176780 B2 JP3176780 B2 JP 3176780B2 JP 22979093 A JP22979093 A JP 22979093A JP 22979093 A JP22979093 A JP 22979093A JP 3176780 B2 JP3176780 B2 JP 3176780B2
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史朗 大林
洋介 永野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は全自動洗濯機に係り、特
に脱水性能を高めて、すすぎに使用する水の量を少なく
することのできる全自動洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の洗い、すすぎ、脱水の工程を一貫
して行なう全自動洗濯機において、標準の洗濯工程は、
一般に特開昭63−292995号公報などに開示され
ているように、洗い、排水、第1の脱水、第1のすす
ぎ、排水、第2の脱水、第2のすすぎ、排水、最終脱水
の順序で構成されている。そして、上記の洗濯工程にお
いて、洗いと第1のすすぎおよび第2のすすぎの水位は
同じ水位に設定され、第1の脱水と第2の脱水の脱水時
間はほぼ同一時間に設定されており、すすぎは“ためす
すぎ”方式が採られている。また、上記の各脱水工程に
おける洗濯槽兼脱水槽の回転速度は、一般の多くのもの
においては720〜820r/minに設定され、高速のものにお
いては1000r/min前後に設定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、上記
の洗濯工程と脱水回転速度720〜820r/minなどにより、
所要とする洗濯性能は得られるが、しかし常に洗濯に使
用する水量をより一層減らすように求められており、一
般に脱水回転速度が低いと、洗濯物の乾燥時間が長くな
るばかりでなく、所要とするすすぎ性能を得るために
は、すすぎに多量の水が必要になるという問題があっ
た。しかしながら、従来技術は、洗濯に使用する水量を
減らす目的で、脱水性能を積極的に高めたり、洗い工程
とすすぎ工程の水位を違えることについては配慮がされ
ていないという問題があった。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、洗濯に使用する水量を減らすべく、脱水性能を
高めて、すすぎの水量を減らし得る全自動洗濯機を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、洗濯槽と脱水
槽を兼ねる洗濯槽部と、モ−タを含む駆動部によって回
転される回転手段とを備えて、洗い、すすぎ、脱水の洗
濯工程を有する全自動洗濯機において、所定の洗剤残留
量になるような、所定の脱水時間と脱水回転速度とで定
まる脱水度で脱水を行うべく、上記脱水時間及び脱水回
転速度で脱水を行わせる脱水制御手段を備えると共に、
この脱水度に対応して上記すすぎ工程の水位を洗い工程
の水位にくらべて低く設定しておく手段と、上記洗い工
程及びすすぎ工程での水位をこの設定内容の通りに与え
て洗い工程及びすすぎ工程を行わせる手段とを有するこ
とを特徴とする全自動洗濯機を開示する。
【0006】更に本発明は、すすぎ工程で、水位を変動
させて洗濯物をすすぎ水に浸してすすぐべく、所定の水
量を給水後に断続して、洗濯槽部を繰り返して回転と停
止とを交互に行わせる手段を設けたことを特徴とする全
自動洗濯機を開示する。
【0007】更に本発明は、洗濯槽と脱水槽を兼ねる洗
濯槽部と、モ−タを含む駆動部によって回転される回転
手段とを備えて、洗い、排水、第1の脱水、第1のすす
ぎ、排水、第2の脱水、第2のすすぎ、排水、最終脱水
の洗濯工程を有する全自動洗濯機において、上記第1、
第2、最終の脱水工程の全体を通じて、所定の洗剤残留
量になるような、第1、第2、最終の各脱水工程での所
定の脱水時間と脱水回転速度とで定まる脱水度で脱水を
行うべく、上記第1、第2、最終の各脱水工程で上記所
定脱水時間及び脱水回転速度で脱水を行わせる脱水制御
手段を備えると共に、この脱水度に対応して上記第1及
び第2のすすぎ工程またはどちらかのすすぎ工程の水位
を洗い工程の水位にくらべて低く設定しておく手段と、
上記洗い工程及び第1及び第2のすすぎ工程での水位を
この設定内容の通りに与えて洗い工程及び第1及び第2
のすすぎ工程を行わせる手段とを有することを特徴とす
る全自動洗濯機を開示する。
【0008】
【作用】本発明によれば、洗い時に比べてすすぎ時の水
位が低くなり、使用水量を低下させることができる。
【0009】特に、脱水回転速度が1000r/min以上の時
に脱水能力の向上と共に、すすぎ能力の向上をはかれ
る。
【0010】
【実施例】先ず本発明の考え方を述べる。
【0011】一般に脱水性能が低いと、所要とするすす
ぎ性能(以下、すすぎ度rともいい、最終脱水終了後の
洗濯物に残存する洗剤量sと洗い時に投入した洗剤量S
の比s/Sで定義する)を得るためには、すすぎに多量
の水が必要になる。したがって洗濯に使用する水量を減
らすには、脱水性能(以下、脱水度dともいい、乾燥状
態における洗濯物の質量Wと脱水後における洗濯物の質
量W+ΔDの比で定義する)を高めて、脱水後の洗濯物
中の残水量ΔD、すなわち残存洗剤量sを少なくし、そ
れに見合ってすすぎの水量を減らすことが有効である。
脱水度dを高めて、脱水後の洗濯物中の残存洗剤量を少
なくし、それに見合って、すすぎの水位を下げて運転制
御することにより使用水量を低減する。また洗濯工程に
おいて、脱水度dを高めてすすぎ度rを下げることによ
り脱水時間の低減を図るようにしたものである。
【0012】上記全自動洗濯機は洗濯に使用する水量の
低減に当って、脱水度dと洗剤残留量sの関係につい
て、以下説明する。考察するといま、乾燥状態における
質量Wkgの洗濯物を、水量Dkg(または、リットル)に洗
剤量Sgを溶かして洗浄し、洗浄後に排水して脱水し、脱
水度dが得られたとすると、脱水後における洗濯物の残
留洗剤量sは(次式)により、算出される。
【数1】s=(1/d−1)・W/D・S(g) また上記したすすぎ度rは(次式)により算出される。
【0013】
【数2】r=s/S=(1/d−1)・W/D なお(1/d−1)を含水度または残水度といい、脱水後の洗
濯物に含まれる残水量(1/d−1)・Wと乾燥状態における
洗濯物の質量Wの比で定義される。したがって、上記脱
水度dを高めることにより、残留洗剤量s、すなわちす
すぎ度rを小さい値にでき、洗い工程以後のすすぎ工程
における水量を減らしても所要とするすすぎ性能を得ら
れることが分かる。
【0014】以下、本発明の一実施例につき、図1〜図
8を用いて説明する。図1は、本発明による全自動洗濯
機の一実施例を示す断面図であり、図1(a)は正断面
図、図1(b)は平断面図である。図1(a)、(b)
において、全自動洗濯機の外装部は、外枠1とその上面
部に蝶設された蓋2などで構成されている。水槽3は、
外枠1の上端四隅から緩衝装置4により吊り下げ支持さ
れ、洗い時には洗濯水、すすぎ時にはすすぎ水を収容す
る。水槽3の下底面部に装着された駆動部5は、モ−タ
6、歯車減速機とクラッチ装置を備えた伝動装置7、ベ
ルト8で構成され、洗いおよびすすぎ時には、洗濯槽兼
脱水槽9の底面部中央に配置した回転翼10を正逆回転
させ、脱水時には、脱水用の小穴9aを有する洗濯槽兼
脱水槽(以下、単に洗濯槽部という)9を高速回転させ
る。そして一般に、洗いおよびすすぎ時に回転手段10
は100〜150r/min、脱水時に洗濯槽9は700〜1000r/min
の回転速度で回転される。排水弁(電磁弁)11は、水
槽3の排水口3aに接続され、その吐出側に排水ホ−ス
12を接続している。ソレノイド13は、洗いおよびす
すぎと脱水に応じて、伝動装置7のクラッチ装置を開閉
して動作切り替えする。水位検出装置14は、洗いおよ
びすすぎ時に水槽3内の水位を、エアトラップ3bを介
して圧力に変換して検出、制御する。この際、本発明で
はすすぎ時の水槽3、従って洗濯槽部9の水位を洗い時
の水位に比べて低く設定できるようにしている。
【0015】図2は、図1の運転制御部の制御ブロック
線図である。図2において、制御装置15は、マイクロ
プロセッサ、記憶素子、入出力信号処理装置、表示盤、
操作盤などで構成され、洗いから脱水までの洗濯工程を
制御する。16は、フタスイッチであり、給水弁(電磁
弁)17は、水道の蛇口に給水ホ−スを介して接続さ
れ、洗いおよびすすぎ時に水槽3へ水を供給する。18
は、電源回路であり、19、20、21、22は、それ
ぞれモ−タ6、排水弁11、ソレノイド13、給水弁1
7のドライバ−(駆動回路)である。図1の全自動洗濯機
の洗濯工程(図3)は予め制御装置15の記憶素子(R
OM)に入力され、その運転制御プログラムはマイクロ
プロセッサにより実行される。制御装置15の表示盤に
は、運転プログラム及びその進行、水位(高、中、低の
3段階など)、洗剤量(カップ数)、運転時間などが、
蛍光表示管や液晶で表示される。又制御装置15の操作
盤には、電源スイッチ、プログラムの切替スイッチ、水
位の切替スイッチ(手動設定時)、洗濯の強弱スイッチ
などが収められる。
【0016】図3は、図1の一般に採用されている標準
の洗濯工程図である。図3に示した洗濯工程は、最初に
少量の水を給水してモ−タ6に断続的に通電し、洗濯槽
9または回転翼10を回転させて、モ−タ6の起動およ
び停止過程における電気特性の変化をとらえて、それを
制御装置15で処理して洗濯槽9内に投入された洗濯物
Aの量を検出し、その量に対応した所要とする水位(以
下、この水位を所要水位という)hを自動的に決定して
行なわれる。次いで洗いおよびすすぎは、給水弁17を
開いて水槽3に上記で決定した所定の水位hまで水を充
たし、モ−タ6に通電して回転翼10を短周期で正逆回
転させて、洗濯物Aを撹拌して行なう。又脱水は、排水
弁11を開いて排水するとともに、ソレノイド13に通
電して伝動装置7のクラッチ装置を閉じ、モ−タ6に通
電して洗濯槽9を回転させて行なう。
【0017】図4は、図3の制御装置の標準の運転制御
動作のフロー図である。ここで標準とは、全自動として
ソフト的に組み込まれている例を示す。この他に特殊が
あるがこれには急ぎ洗濯を行わせる例、ふとんの洗濯の
例、等がある。マニュアルによって種々設定内容を変更
できる例も含まれる。図4において、制御装置15のマ
イクロプロセッサは、ステップS1で、電源スイッチが
入ると、ステップS2で、プログラム選択は標準を選択
する。ここでステップS3で、給水し、ステップS4
で、布量検出水位かを判断し、布量検出水位で有れば、
ステップS5で、布量検出の撹拌を行い、ステップS6
で、検出した洗濯物Aの量を記憶する。ついでステップ
S7で、この布量検出値に対応して、洗い及びすすぎの
水位をすすぎの水位が洗いの水位に比べて低くなるよう
に設定する。尚、水位は布量検出値に応じて段階的に設
定することが好ましい。これには、高、中、低、少の4
段階例、高、中、低、少、極少の5段階例等がある。こ
うした多段階の場合、各段階毎に洗いとすすぎの水位を
差別化する。この差別化は、各段階同じの例もあれば、
異なる例もある。つぎに、ステップS8で、洗いの給
水、ステップS9で、洗い、ステップS10で、排水、
ステップS11で、第1の脱水、ステップS12で、第
1のすすぎの給水、ステップS13で、第1のすすぎ、
ステップS14で、排水、ステップS15で、第2の脱
水、ステップS16で、第2のすすぎの給水、ステップ
S17で、第2のすすぎ、ステップS18で、排水、ス
テップS19で、最終脱水を行い、ステップS20で、
電源スイッチを切り、標準の工程を終える。
【0018】図5は、図1の全自動洗濯機の脱水時間と
脱水度の関係を例示する特性曲線図である。図5におい
て、上記の全自動洗濯機により洗濯物Aに綿布を用い
て、洗濯槽部9(直径が450mm前後)を脱水回転速度800
r/min弱(以下、代表値として800r/minとする)と1000r
/min強(以下 、代表値として1000r/minとする)で回転
させて測定した、脱水時間tと脱水度dの関係の一例を
示す。図5において、a曲線は脱水回転速度800r/min、
b曲線は1000r/minの特性である。
【0019】次に、上記した構成の全自動洗濯機をもと
にして、脱水度を高めて、脱水後の洗濯物A中の残存洗
剤量を少なくし、それに見合って、すすぎの水位を下げ
て使用水量を低減する本発明の実施例について、具体的
に説明する。
【0020】先ず図3に示す洗濯工程にしたがって、洗
い工程で乾燥状態における質量Wkgの洗濯物Aを、水槽
3内の水量Dkg(または、リットル)に洗剤量Sgを溶かして
洗浄し、洗浄後に排水して第1の脱水工程でt1時間脱水
して、得られた脱水度をd1とする。同じように、第1の
すすぎ工程後の第2の脱水工程でt2時間脱水して、得ら
れた脱水度をd2とし、第2のすすぎ工程後の最終脱水工
程でte時間脱水して、得られた脱水度をdeとすると、最
終脱水後における洗濯物Aに残留する洗剤量sは、次式
で与えられる。
【0021】
【数3】s={(1/d1−1)・W/D}・{(1/d2−1)・W/D}・{(1
/de−1)・W/D}・S(g) 又、すすぎ度rは次式となる。
【0022】
【数4】r=s/S={(1/d1−1)・W/D}・{(1/d2−1)・W/D}
・{(1/de−1)・W/D} また供給された総水量(以下、総使用量という)D
tは、次式となる。
【0023】
【数5】Dt=D+{D−(1/d1−1)・W}+{D−(1/d2
1)・W} (kg)
【0024】いま、図5に示す脱水性能特性a、b曲線
を有する脱水回転速度800r/min、1000r/minのもとで運
転し、図3に示す洗濯工程における第1の脱水工程で、
t1a、t1b時間脱水して得られた脱水度を、それぞれ
d1a、d1bとする。同じように、第1のすすぎ工程後の第
2の脱水工程で、t2a、t2b時間脱水して得られた脱水度
をd2a、d2bとし、第2のすすぎ工程後の最終脱水工程
で、tea、teb時間脱水して得られた脱水度をdea、deb
する。そして、最終脱水後における残留洗剤量をsa、sb
で、すすぎ度をra、rbで、使用水量をDa、Dbで表わ
し、d1a<d1b、d2a<d2b、dea<debであるとして上記の
二例を比較すると、残留洗剤量sおよびすすぎ度r、使用
水量Dtは、上記した式から明らかなように、sa>sb、r
a>rb、Da<Dbとなる。すなわち、脱水度を高めるこ
とにより、残留洗剤量およびすすぎ度は小さい値にな
る。その具体例を、次に図6から図8により説明する。
【0025】図6は、図1の全自動洗濯機の洗濯工程に
おける使用水量とすすぎ度の関係を例示する特性図であ
る。図6において、横軸に総使用水量比Dt/Daを示
し、縦軸に対数メモリですすぎ度rを表示している。尚
第1の脱水、第2の脱水、最終脱水を結ぶ折線p、折線
q、折線m、折線nは、各々後記の条件による基準
(1)脱水回転速度800r/min、(1)脱水回転速度1000
r/min、(2)脱水回転速度1000r/min、(5)脱水回転
速度1000r/min、(6)脱水回転速度1000r/minの場合の
特性である。
【0026】図7は、図1の全自動洗濯機のすすぎ性能
の算出例を表に示す説明図である。図7において、
(1)〜(6)の具体例として、図3の洗濯工程におけ
る、洗いの水量比D/W(リットル/kg)、第1のすすぎの水
量比D/W(リットル/kg)、第2のすすぎの水量比D/W(リッ
トル/kg)、第1の脱水時間t1(min)、第2の脱水時間t2(mi
n)、最終脱水時間te(min)、及び基準(1)に対する総
脱水時間差(min)、残留洗剤量比sb/sa、すすぎ度比
b/ra、総使用水量比Db/Daの計算例を表で示して
いる。次に(1)〜(6)の具体例について、上記の
(数4)、(数5)及び図5、図6により、次のように
なる。
【0027】(1)洗いおよびすすぎ時の水量比をD/
W≒11(リットル/kg)、脱水時間をt1a=t1b =2min,t2a=t
2b=2min,tea=teb=8minとしたとき、sb/sa=rb/ra
=0.75,Db/Da≒1.0となる。すなわち脱水回転速度を
800r/minから1000r/minに上げることにより、使用水量
を殆ど増やすことなく、すすぎ度を25%下げることがで
きる。尚、図6の折線pは脱水回転速度800r/min、折線
qは1000r/minにおける使用水量比Dt/Daとすすぎ度r
の関係である。なお、上記条件による前記のすすぎ度ra
を許容最大値とする。これらにより、脱水回転速度を10
00r/minに上げて、洗い工程以後のすすぎ工程における
水量を減らしても所要とするすすぎ度raを得られること
が分かる。次に、その具体例を示す。
【0028】(2)脱水回転速度を1000r/minに上げ
て、洗い時の水量比をD/W≒11(リットル/kg)、第1のす
すぎ時の水量比を(D/W)×0.9≒10(リットル/kg)、第2の
すすぎ時の水量比を(D/W)×0.83≒9.2(リットル/kg)に下
げて 、脱水時間を同じくt1b=2min,t2b=2min,teb=8m
inとしたとき、上記(1)のsaに対して、sb/sa=rb
ra=1.0,Db/Da≒0.92となり、8%ほど使用水量を減
らすことができる。なお、上記において、第1と第2の
すすぎ時の水量比を入れ替えても、前述した洗濯物Aに
残留する洗剤量sを算出する式から明らかなように、上
記と同 じ水量を減らすことができる。
【0029】(3)脱水回転速度を1000r/minに上げ
て、第1(または第2)の脱水時間を1.0minほど長くし
て、洗い時の水量比をD/W≒11(リットル/kg)、第1およ
び2のすすぎ時における水量比を(D/W)×0.83≒9.2
(リットル/kg)に下げて、脱水時間をt1b=3min,t2b=2min,t
eb=8minとしたとき、上記(1)のsaに対して、sb/sa
=rb/ra=0.96,Db/Da≒0.9となり、10%ほど使用水
量を減らすことができる。尚、上記の例で脱水時間を長
くしたが、使用水量が減ることにより給水時間が短くな
るので、総運転時間はのびない。
【0030】(4)脱水回転速度を1000r/minに上げ
て、(3)における最終脱水時間tebをteb=4minに半減
したとき、上記(1)のsaに対して、sb/sa=rb/ra
0.9,Db/Da≒1.0となり、脱水時間を3min短縮でき
る。
【0031】(5)上記した(3)と(4)をもとに、
洗い時の水量比をD/W≒11(リットル/kg)、第1および2
のすすぎ時における水量比を(D/W)×0.83≒9.2(リットル
/kg)、脱水時間をt1b=3min,t2b=3min,teb=4minとし
たとき、上記(1)のsaに対して、sb/sa=rb/ra=1.
0,Db/Da=0.9となり、脱水時間を2min短縮でき、併
せて10%ほど使用水量を減らすことができる。この使用
水量比Db/Daとすすぎ度rbの関係を図6に折線mで示
す。
【0032】(6)洗い時の水量比をD/W≒11(リットル/
kg)、第1のすすぎ時の水量比を(D/W)×0.7≒7.7(リッ
トル/kg)、第2のすすぎ時の水量比を(D/W)×0.83≒9.
2(リットル/kg)、脱水時間をt1b=3min,t2b=4min,teb=8mi
nとしたとき、上記(1)のsaに対して、sb/sa=rb/r
a=1.0,Db/Da≒0.85となり、15%ほど使用水量を減
らすことができる。この使用水量比Db/Daとすすぎ度r
bの関係を図6に折線nで示す。
【0033】図8は、図1の全自動洗濯機のすすぎ性能
の他の算出例を表に示す説明図である。図8において、
全自動洗濯機の洗濯物Aの布質量Wが6kg、投入洗剤量
Sが54g(25g/30リットル)の場合に、(1)〜(6)の具体
例として、図3の洗濯工程における入力項目を水量(リッ
トル)、脱水度(%)/時間(min)として、残留洗剤量
s、及び総脱水時間(min)、総使用水量Dt(リットル)の
計算例を示している。尚、図8の(1)〜(6)の具体
例は、図7の(1)〜(6)の具体例と対応しており、
図8の残留洗剤量sは上記の(数3)に対応している。
図8の(2)、(3)、等の具体例において、すすぎ量
D(リットル)を少なくしても、基準(1)相当の最終脱水
後の残留洗剤量sが得られることがわかる。
【0034】上記説明したうちの(2)、(3)、
(5)の具体例で、すすぎ時の水量を、洗い時に“ム
ラ”なく撹拌、洗浄できる水量に対して10〜20%少なく
したが、すすぎ時に洗濯物Aは前工程で脱水されて、布
嵩が縮小しているので、すすぎ時に前記の水量で洗濯物
Aを“ムラ”なく撹拌、すすぐことができる。
【0035】また、上記(6)の具体例において、第1
のすすぎ時の水量比が7.7(リットル/kg)と小さく、回転翼10
で撹拌できないことも予測され、この場合は、所定の水
量を給水後に第1のすすぎを、モ−タ6とソレノイド1
3に断続的に通電して、洗濯槽9を繰り返して回転と停
止させ、水位hを変動させて行なうことにより、洗濯物
Aをすすぎ水に浸して、すすぐことができる。
【0036】本発明は、図1の全自動洗濯機の構成、図
2の運転制御部の構成、図3の洗濯工程の構成、図4の
運転制御動作フローの構成、上記の脱水回転速度等に限
定されるものではなく、他の構成、脱水回転速度等のも
のにも適用される。
【0037】本実施例によれば、全自動洗濯機の脱水回
転速度を例えば一般の720〜820r/minから1000r/minに上
げて脱水度を高めて、すすぎの水位を洗いの水位より低
く設定してすすぎの水量を減らして運転することによ
り、総使用水量Dtを低減できる。また上記した洗濯工
程において、脱水度dを高めて脱水時間を短くしても、
所要のすすぎ度rを得ることができる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、全自動洗濯機の脱水回
転速度を例えば一般の720〜820r/minから1000r/minに上
げて脱水度を高め、脱水後の洗濯物中に残留する洗剤量
を算定して、所要とするすすぎ度を得るのに、洗い時の
水位より低くしたすすぎの水位と脱水時間を設定して運
転することにより、使用水量を低減でき、また上記した
洗濯工程において、脱水度を高めてすすぎ度を下げられ
ることにより、所要とするすすぎ度を得るのに脱水時間
を短くでき、したがって洗濯の運転コストの低減と運転
時間の短縮などに効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全自動洗濯機の一実施例を示す断面図
であり、図1(a)は正断面図,図1(b)は平断面図
である。
【図2】運転制御ブロック図である。
【図3】洗濯工程図である。
【図4】運転制御動作フロー図である。
【図5】脱水時間と脱水度の関係を例示する特性曲線図
である。
【図6】洗濯工程における使用水量とすすぎ度の関係を
例示する特性図である。
【図7】すすぎ性能の算出例の説明図である。
【図8】すすぎ性能の他の算出例の説明図である。
【符号の説明】
3 水槽 5 駆動部 6 モータ 7 伝動装置 9 洗濯槽部 10 回転翼 14 水位検出装置 15 制御装置 17 給水弁
フロントページの続き (72)発明者 永野 洋介 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (72)発明者 鹿森 保 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社日立製作所 リビング機器事業 部内 (72)発明者 大杉 寛 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社日立製作所 リビング機器事業 部内 (56)参考文献 特開 昭60−2276(JP,A) 特開 平4−33688(JP,A) 特開 平4−256795(JP,A) 特開 平2−255185(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06F 33/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗濯槽と脱水槽を兼ねる洗濯槽部と、モ
    −タを含む駆動部によって回転される回転手段とを備え
    て、洗い、すすぎ、脱水の洗濯工程を有する全自動洗濯
    機において、所定の洗剤残留量になるような、所定の脱
    水時間と脱水回転速度とで定まる脱水度で脱水を行うべ
    く、上記脱水時間及び脱水回転速度で脱水を行わせる脱
    水制御手段を備えると共に、この脱水度に対応して上記
    すすぎ工程の水位を洗い工程の水位にくらべて低く設定
    しておく手段と、上記洗い工程及びすすぎ工程での水位
    をこの設定内容の通りに与えて洗い工程及びすすぎ工程
    を行わせる手段とを有することを特徴とする全自動洗濯
    機。
  2. 【請求項2】 上記すすぎ工程で、水位を変動させて洗
    濯物をすすぎ水に浸してすすぐべく、所定の水量を給水
    後に断続して、洗濯槽部を繰り返して回転と停止とを交
    互に行わせる手段を設けたことを特徴とする請求項1記
    載の全自動洗濯機。
  3. 【請求項3】 洗濯槽と脱水槽を兼ねる洗濯槽部と、モ
    −タを含む駆動部によって回転される回転手段とを備え
    て、洗い、排水、第1の脱水、第1のすすぎ、排水、第
    2の脱水、第2のすすぎ、排水、最終脱水の洗濯工程を
    有する全自動洗濯機において、上記第1、第2、最終の
    脱水工程の全体を通じて、所定の洗剤残留量になるよう
    な、第1、第2、最終の各脱水工程での所定の脱水時間
    と脱水回転速度とで定まる脱水度で脱水を行うべく、上
    記第1、第2、最終の各脱水工程で上記所定脱水時間及
    び脱水回転速度で脱水を行わせる脱水制御手段を備える
    と共に、この脱水度に対応して上記第1及び第2のすす
    ぎ工程またはどちらかのすすぎ工程の水位を洗い工程の
    水位にくらべて低く設定しておく手段と、上記洗い工程
    及び第1及び第2のすすぎ工程での水位をこの設定内容
    の通りに与えて洗い工程及び第1及び第2のすすぎ工程
    を行わせる手段とを有することを特徴とする全自動洗濯
    機。
  4. 【請求項4】 上記第1及び第2のすすぎ工程またはど
    ちらかのすすぎ工程で、水位を変動させて洗濯物をすす
    ぎ水に浸してすすぐべく、所定の水量を給水後に断続し
    て、洗濯槽部を繰り返して回転と停止とを交互に行わせ
    る手段を設けたことを特徴とする請求項3記載の全自動
    洗濯機。
  5. 【請求項5】 上記脱水回転速度を1000r/min以上とす
    る請求項2又は3の全自動洗濯機。
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