JP3785692B2 - 脱水兼用洗濯機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は洗濯、すすぎ、脱水の一連の行程を自動的に行う脱水兼用洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の脱水兼用洗濯機は、洗濯またはすすぎの各行程終了後の排水と脱水を一連の行程で行う場合、水位を上げずに、パルセータを通常撹拌時の反転周期よりも短い反転周期にて駆動する、いわゆるバランスコントロール水流にて洗濯物をほぐす方法が用いられている。また、水位の補正は給水直後の洗濯物の含水に対して、運転開始直後に撹拌前の水位まで給水を行うものが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の構成では、近年の洗濯機は、洗濯容量の拡大と洗濯機本体の小型化という相反する動向によって、浴比は下がる傾向があるため、洗濯途中の含水も重なり、洗濯物がからみやすく、その結果、洗濯物のアンバランスが発生しやすく、脱水時の振動が大きくなっており、低騒音化が求められている。また、洗濯物のアンバランスが大きいと駆動用モータへの負担も大きいという問題を有していた。
【0004】
本発明は上記課題を解決するもので、洗濯行程またはすすぎ行程におけるパルセータ撹拌終了前に洗濯兼脱水槽内の水位を上昇させて、布まわりをよくし、洗濯物のからみを解きほぐし、脱水時の振動性能を向上することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、洗濯兼脱水槽の底部にパルセータを回転自在に配設し、パルセータおよび洗濯兼脱水槽をモータにより駆動し、布量検知手段により洗濯兼脱水槽内の洗濯物の量を検知して、洗濯兼脱水槽内に給水手段により給水するとともに、洗濯兼脱水槽内の水位を水位検知手段により検知する。制御手段は、洗濯行程またはすすぎ行程において、水位検知手段が、布量検知手段により検知した洗濯物の量に対応した水位を検知すると、給水手段を閉にし、モータの通電制御を行い、洗濯物の量に対応した水位でパルセータを強い水流を発生させる所定の反転周期で駆動させ、その後、洗濯行程またはすすぎ行程終了の所定時間前にパルセータの駆動を停止するとともに、水位検知手段が布量検知手段により検知した洗濯物の量に対応した水位より高い所定の水位を検知するまで給水し、その所定の水位でパルセータを所定の反転周期より短い反転周期で所定時間 駆動させ、その後、排水、脱水を行うようにしたものである。
【0006】
これにより、洗濯兼脱水槽の水位を上昇させる前の水位では、強い水流にて最小限の洗剤で水飛びを防ぎつつ、洗濯またはすすぎを行うことができ、その後、水位を上昇させることにより、浴比が上昇して布まわりがよくなり、洗濯物のからみを解きほぐし、洗濯物のアンバランスを改善して振動性能を向上することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、洗濯兼脱水槽の底部に回転自在に配設したパルセータと、前記パルセータおよび前記洗濯兼脱水槽を駆動するモータと、前記洗濯兼脱水槽内の洗濯物の量を検知する布量検知手段と、前記洗濯兼脱水槽内に給水する給水手段と、前記洗濯兼脱水槽内の水位を検知する水位検知手段と、前記水位検知手段の信号を取り込み前記給水手段の開閉を制御するとともに前記モータの通電制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、洗濯行程またはすすぎ行程において、前記給水手段を制御して、前記水位検知手段が前記布量検知手段により検知した洗濯物の量に対応した水位を検知するまで給水し、その洗濯物の量に対応した水位で前記パルセータを強い水流を発生させる所定の反転周期で駆動させ、その後、前記洗濯行程またはすすぎ行程終了の所定時間前に、前記パルセータの駆動を停止するとともに、前記給水手段を制御して、前記水位検知手段が前記布量検知手段により検知した洗濯物の量に対応した水位より高い所定の水位を検知するまで給水し、その所定の水位で前記パルセータを前記所定の反転周期より短い反転周期で所定時間駆動させ、その後、排水、脱水を行うようにしたものであり、洗濯兼脱水槽の水位を上昇させる前の水位では、強い水流にて最小限の洗剤で水飛びを防ぎつつ、洗濯またはすすぎを行うことができ、その後、水位を上昇させることにより、浴比が上昇して布まわりがよくなり、いわゆるバランスコントロール水流にて洗濯物をほぐすことで、洗濯物のからみを解きほぐし、洗濯物のアンバランスを改善して振動性能を向上することができる。この結果、駆動用モータへの負担も軽減することができる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0009】
(実施例1)
図1に示すように、洗濯機外枠1は、4本の吊り棒2により水受け槽3を吊り下げている。洗濯兼脱水槽4は、水受け槽3内に回転自在に配設し、洗濯槽4の底部にパルセータ5を回転自在に配設している。モータ6は、Vベルト7および減速機構8を介してパルセータ5および洗濯兼脱水槽4を駆動する。給水弁(給水手段)9は、洗濯兼脱水槽4内に給水するもので、排水弁10は、水受け槽3および洗濯兼脱水槽4内の洗濯水を排水するものである。
【0010】
制御装置11は洗濯機外枠1の上面に設け、図2に示すように構成しており、制御手段12は操作表示手段13により入力された設定内容に基づいて、洗い、すすぎ、脱水の各行程を逐次制御するもので、パワースイッチング手段14を介してモータ6、給水弁9、排水弁10などを逐次制御する。記憶手段15は制御手段12による逐次制御に必要なデータを記憶している。水位検知手段16は水受け槽3内の水位を検知する。
【0011】
制御手段12は、洗濯行程またはすすぎ行程において、水位検知手段16の信号を取り込み、給水弁9の開閉を制御して洗濯兼脱水槽4内に水位H1まで給水し、モータ6の通電制御を行い、パルセータ5により攪拌するとともに、パルセータ5の撹拌終了の所定時間(たとえば、1分)前に、洗濯兼脱水槽4内の水位をH2まで上昇させ、撹拌終了後に排水、脱水を行うようにしている。なお、17はモータ6の進相用コンデンサ、18は電源スイッチ、19は商用電源である。
【0012】
上記構成において図3を参照しながら動作を説明する。ステップ31で操作表示手段13により洗濯兼脱水槽4に給水する水位を設定し、ステップ32でスタートスイッチ(図示せず)をオンすると、ステップ33で給水弁9がオンして給水を開始する。ステップ34で水位検知手段16により設定水位H1を検知すると、ステップ35で給水弁9をオフし、ステップ36でモータ6を駆動してパルセータ5を回転させ、攪拌する。
【0013】
ステップ37で、攪拌終了の所定時間(1分)前になると、ステップ38で攪拌を停止し、ステップ39で給水弁9をオンして給水し、ステップ40で設定水位H2に達すると、ステップ41で給水弁9をオフし、ステップ42でモータ6を駆動してパルセータ5を回転させ、攪拌する。ステップ43で所定時間(1分)経過すると、ステップ44で攪拌を停止し、ステップ45、46にて排水、脱水を行う。
【0014】
これにより、水位H1の時点で最も強い水流にて最小限の洗剤で水とびを防ぎつつ、洗濯またはすすぎを行うことができる。しかし、この場合は比較的浴比が低いため、攪拌の後半になると洗濯物からみが発生しやすくなる。そこで、水位をH2に上昇させて、浴比を上昇させて布まわりをよくし、洗濯物のからみを解きほぐし、洗濯物のアンバランスを改善して振動性能を向上することができる。この結果、モータ6への負担も軽減できる。
【0015】
(実施例2)
図4に示すように、布量検知手段20は、洗濯兼脱水槽4内の洗濯物の量を検知するもので、モータ6に所要時間通電した後、休止期間におけるモータ6の逆起電力を逆起電力検知手段21により検知し、逆起電力の減衰率により洗濯兼脱水槽4内の洗濯物の量を検知する。検知した情報を制御手段22に入力し、制御手段22は、洗濯行程またはすすぎ行程におけるパルセータ撹拌終了の所定時間(たとえば1分)前に洗濯兼脱水槽4内の水位を所定の浴比まで上昇させ、撹拌終了後に排水、脱水を行うようにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0016】
上記構成において図5を参照しながら動作を説明する。ステップ33からステップ46までの動作は上記実施例1の動作と同じであるので説明を省略する。
【0017】
ステップ47でスタートスイッチ(図示せず)をオンし、ステップ48で布量検知手段20により洗濯兼脱水槽4内の洗濯物の量を検知し、ステップ49で、洗濯物の量に対応した洗濯またはすすぎ水位H1と、パルセータ撹拌終了の所定時間(たとえば1分)の間、所定の浴比で攪拌する水位H2を決定する。
【0018】
これにより、洗濯兼脱水槽4の水位を上昇させる前の水位H1では、強い水流にて最小限の洗剤で水飛びを防ぎつつ、洗濯またはすすぎを行うことができ、その後、所定の浴比で攪拌する水位H2まで上昇させることにより、必要最小限の水量により所定の浴比を得ることができ、洗濯物のからみを解きほぐし、洗濯物のアンバランスを改善して振動性能を向上することができる。
【0019】
(実施例3)
図2における制御手段12は、洗濯兼脱水槽4内の水位をH1からH2に上昇させた状態で、パルセータ5を通常撹拌時の反転周期(3秒オン−1秒オフ)よりも短い反転周期(0.6秒オン−0.3秒オフ)、いわゆるバランスコントロール水流にて駆動するようにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0020】
上記構成において図6を参照しながら動作を説明する。ステップ31からステップ41までの動作は上記実施例1の動作と同じであるので説明を省略する。
【0021】
ステップ40で設定水位H2に達すると、ステップ41で給水弁9をオフし、ステップ50でモータ6を駆動してパルセータ5を回転させ、攪拌する。このとき、パルセータ5を短い反転周期(0.6秒オン−0.3秒オフ)のバランスコントロール水流にて駆動する。ステップ43で所定時間(1分)経過すると、ステップ44で攪拌を停止し、ステップ45、46にて排水、脱水を行う。
【0022】
これにより、浴比が上昇して洗濯物まわりがよい状態で、いわゆるバランスコントロール水流にて洗濯物をほぐすことができ、より洗濯物のアンバランスを改善して振動性能を向上することができる。
【0023】
なお、本実施例では、上記実施例1の構成において、洗濯兼脱水槽4内の水位をH1からH2に上昇させた状態で、パルセータ5をバランスコントロール水流にて駆動するようにしているが、上記実施例2の構成において、洗濯兼脱水槽4内の水位をH1からH2に上昇させた状態で、パルセータ5をバランスコントロール水流にて駆動するようにしてもよい。
【0024】
また、本実施例では、水位がH2に達した後、バランスコントロール水流にて駆動しているが、水位がH1からH2になる途中からバランスコントロール水流の動作を行ってもよい。この場合は洗濯時間の短縮につながる。
【0025】
さらに、水位がH2に達した後、すぐにバランスコントロール水流にて駆動しているが、水位がH2になった後、通常撹拌時の反転周期で駆動した後、バランスコントロール水流にて駆動するようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、洗濯兼脱水槽の底部に回転自在に配設したパルセータと、前記パルセータおよび前記洗濯兼脱水槽を駆動するモータと、前記洗濯兼脱水槽内の洗濯物の量を検知する布量検知手段と、前記洗濯兼脱水槽内に給水する給水手段と、前記洗濯兼脱水槽内の水位を検知する水位検知手段と、前記水位検知手段の信号を取り込み前記給水手段の開閉を制御するとともに前記モータの通電制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、洗濯行程またはすすぎ行程において、前記給水手段を制御して、前記水位検知手段が前記布量検知手段により検知した洗濯物の量に対応した水位を検知するまで給水し、その洗濯物の量に対応した水位で前記パルセータを強い水流を発生させる所定の反転周期で駆動させ、その後、前記洗濯行程またはすすぎ行程終了の所定時間前に、前記パルセータの駆動を停止するとともに、前記給水手段を制御して、前記水位検知手段が前記布量検知手段により検知した洗濯物の量に対応した水位より高い所定の水位を検知するまで給水し、その所定の水位で前記パルセータを前記所定の反転周期より短い反転周期で所定時間駆動させ、その後、排水、脱水を行うようにしたから、洗濯兼脱水槽の水位を上昇させる前の水位では、強い水流にて最小限の洗剤で水飛びを防ぎつつ、洗濯またはすすぎを行うことができ、その後、水位を上昇させることにより、浴比が上昇して布まわりがよくなり、いわゆるバランスコントロール水流にて洗濯物をほぐすことで、洗濯物のからみを解きほぐし、洗濯物のアンバランスを改善して振動性能を向上することができる。この結果、駆動用モータへの負担も軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の脱水兼用洗濯機の断面図
【図2】 同脱水兼用洗濯機のブロック回路図
【図3】 同脱水兼用洗濯機の要部動作タイムチャート
【図4】 本発明の第2の実施例の脱水兼用洗濯機のブロック回路図
【図5】 同脱水兼用洗濯機の要部動作タイムチャート
【図6】 本発明の第3の実施例の脱水兼用洗濯機の要部動作タイムチャート
【符号の説明】
4 洗濯兼脱水槽
5 パルセータ
6 モータ
9 給水弁(給水手段)
12 制御手段
16 水位検知手段
Claims (1)
- 洗濯兼脱水槽の底部に回転自在に配設したパルセータと、前記パルセータおよび前記洗濯兼脱水槽を駆動するモータと、前記洗濯兼脱水槽内の洗濯物の量を検知する布量検知手段と、前記洗濯兼脱水槽内に給水する給水手段と、前記洗濯兼脱水槽内の水位を検知する水位検知手段と、前記水位検知手段の信号を取り込み前記給水手段の開閉を制御するとともに前記モータの通電制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、洗濯行程またはすすぎ行程において、前記給水手段を制御して、前記水位検知手段が前記布量検知手段により検知した洗濯物の量に対応した水位を検知するまで給水し、その洗濯物の量に対応した水位で前記パルセータを強い水流を発生させる所定の反転周期で駆動させ、その後、前記洗濯行程またはすすぎ行程終了の所定時間前に、前記パルセータの駆動を停止するとともに、前記給水手段を制御して、前記水位検知手段が前記布量検知手段により検知した洗濯物の量に対応した水位より高い所定の水位を検知するまで給水し、その所定の水位で前記パルセータを前記所定の反転周期より短い反転周期で所定時間駆動させ、その後、排水、脱水を行うようにした脱水兼用洗濯機。
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- 1996-09-20 JP JP24990596A patent/JP3785692B2/ja not_active Expired - Fee Related
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