JP2011104245A - 洗濯機 - Google Patents

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美穂 林
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Abstract

【課題】ためすすぎ行程において、節水を図りながらも、できるだけ洗濯物全体をすすぎ液に浸すことができて、洗濯物のすすぎを良好に行うことができるようにする。
【解決手段】洗濯機は、撹拌翼を回転させることで回転槽内の洗濯物のほぐれ具合を検知するほぐれ具合検知(ステップS9、S15、S22)手段を有し、制御装置は、水槽内に水を貯めて行うためすすぎ行程(S11、S17、S24、S29)において、ほぐれ具合検知(ステップS9、S15、S22)で洗濯物がほぐれていないと判断した場合には、水槽内に貯める水量を増やす(S14、S21、S28)。
【選択図】図1

Description

本発明は、すすぎを効率良く行い得る洗濯機に関する。
洗濯機の洗濯運転では、洗い、すすぎ、脱水の各行程を順次行うようにしている。
ところで、近年では、洗濯機においては水使用量の削減(節水)が図られており、特に洗濯運転の中でもすすぎ行程での水使用量の削減に関する試みが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の洗濯機では、洗濯物量を検知し、洗濯物量が多いと検知された場合には、水槽内に水を貯めて洗濯物をすすぐところのためすすぎ運転が選択され、洗濯物量が多くないと検知された場合には、回転槽内に水を供給しつつ、回転槽を回転させて洗濯物をすすぐという脱水すすぎ行程が選択される。
特開平6−327879号公報
上述した特許文献1の洗濯機では、洗濯物量によってすすぎ方法を変えることですすぎ行程での水使用量の削減が図られている。
しかしながら、上記した洗濯機においても、ためすすぎ行程前の脱水行程により回転槽の内壁に洗濯物が張り付いてしまったような場合には、ためすすぎ行程の際に、張り付いた洗濯物がすすぎ液に充分に浸らず、洗濯物のすすぎを良好に行うことができない場合があった。また、ためすすぎ行程時に柔軟仕上げ剤を使用するときには、洗濯物がすすぎ液に充分に浸されていないために、洗濯物全体に柔軟仕上げ剤が浸透せず柔軟仕上げ剤の効用が充分に発揮されない場合があった。
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ためすすぎ行程において、節水を図りながらも、洗濯物全体をすすぎ液に浸すことができて、洗濯物のすすぎを良好に行うことのできる洗濯機を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の洗濯機は、外箱と、前記外箱の内部に配設された貯水可能な水槽と、通水可能な孔を有して前記水槽内に縦軸回転可能に配設され内部に洗濯物が収容される回転槽と、前記回転槽内の底部に回転可能に配設された撹拌翼と、前記回転槽及び前記撹拌翼を回転させる駆動手段と、前記水槽内に水を供給する給水手段と、前記駆動手段及び前記給水手段を制御することにより前記洗濯物の洗い、すすぎ、脱水の各行程を実行する制御手段と、を備えた洗濯機において、前記撹拌翼を回転させることで前記回転槽内の洗濯物のほぐれ具合を検知するほぐれ具合検知手段を有し、前記制御手段は、前記すすぎ行程にあって、前記水槽内に水を貯めて行うためすすぎ行程を実行する際に前記ほぐれ具合検知手段による検知でほぐれていないと判断した場合には、前記水槽内に貯める水量を増やすことを特徴とする(請求項1の発明)。
本発明の洗濯機によれば、ためすすぎ行程においてほぐれ具合検知手段が回転槽内の洗濯物がほぐれていないと判断した場合には、水槽内に貯める水量を増やす構成とした。このため、撹拌翼により洗濯物はほぐれやすくなり、ためすすぎ行程において、洗濯物全体をすすぎ液に浸すことが可能になる。これにより、すすぎを良好に行うことができ、また、柔軟仕上げ剤を使用する場合にはその効用が充分に発揮されるようになる。
また、ほぐれ具合検知手段が洗濯物はほぐれていると判断した場合には、水槽内に貯める水量を増やさないので節水を図ることができる。
本発明の一実施例に係る洗濯機の動作を示すフローチャート 洗濯機全体の概略構成を破断して示す側面図 洗濯機の電気的な概略構成を示すブロック図 洗濯機の動作を示すタイムチャート ほぐれ具合検知時の撹拌翼の回転度合を示す図 洗濯物量にそれぞれ対応したほぐれ具合検知の撹拌翼回転量閾値、及びためすすぎ時の水量を示す図
以下、本発明の一実施例にかかる乾燥機能付きの洗濯機1について、図面を参照して説明する。
まず、洗濯機1の全体の概略構成について図2を参照して説明する。
外郭を形成する筐体2は、矩形の外箱3と、その上部に被着されたトップカバー4を備える。
このうち、トップカバー4は、高さ寸法(上下方向)を抑えた扁平容器状をなし、且つそのほぼ中央部には洗濯物を出し入れする投入口4aが設けられ、該投入口4aを開閉する蓋5が具備されている。また、トップカバー4の前部(図2において左部)には図示しない各種のスイッチキーを有する操作パネル6が配設されるとともに、その内方には洗濯から乾燥に至る運転全般を制御すべくマイクロコンピュータ等からなる制御手段たる制御装置7が設けられている。
また、外箱3の内部には、上面を開口した貯水可能な有底筒状の水槽8が、4隅部の弾性支持機構9(図2では1箇所のみ図示)を介して弾性支持されている。この水槽8の底部の最低部位には、排水口8aが形成されるとともに、排水弁10を介して排水管路11が連通接続され機外に排水可能な構成となっている。この水槽8の上面開口部には、これを閉鎖するように円盤状の槽カバー12が嵌合固定され、その上面のやや前方寄りに内蓋12aが開閉可能に設けられ、前記投入口4aと対向して洗濯物の出し入れが可能にされている。従って、内蓋12aが閉鎖状態にあるとき、水槽8の上端開口部は槽カバー12にて隠蔽され内部は実質的に封鎖状態に保持される構成にある。
そして、上記水槽8内部には、洗濯物を収容する回転槽13が縦軸周りに回転可能に設けられている。具体的には、回転槽13は、前記水槽8と同様に上面が開口され垂直な縦軸周りに回転する所謂縦型の有底筒状をなし、且つ底部を含む全周壁に多数の透孔13aが形成され、上部にバランスリング13bが設けられている。
また、その内底部には該底面に沿って径大な皿状の撹拌翼14が正逆回転可能に設けられている。
このような回転槽13の底部中央部には中空軸15が連結され、この中空軸15の内部には、上端部に前記撹拌翼14を連結した回転軸16が挿通支持され、これら両軸15、16は、前記水槽8の外底部に装着された駆動手段たる駆動モータ17によりクラッチ機構部17a(図3参照)を介して選択的に回転駆動される構成とされている。また、駆動モータ17の回転量を検出するために、駆動モータ17には、例えばホール素子が検知素子として用いられる回転センサ28が備えられている。駆動モータ17の回転制御は、回転センサ28からの信号に基づき前記制御装置7により行われる。
そして、前記筐体2内には前記水槽8内と、その上下部において連通接続し、該水槽8に対して温風の吸排が行われる循環路18が設けられており、該循環路18は図示しない取付手段にて、筐体2の外箱3側の適宜の静止部位に取付固定されている。具体的には循環路18は、その一端たる下端部が水槽8底部の排水口8a近傍に直接連通され、他端たる上端部はトップカバー4内を経て水槽8上部に連通されていて、水槽8に対し、下端部は温風(排気風)の吸い込みダクト18aとして、また上端部は同じく新規な温風の吹き込みダクト18bとして機能する。
しかして、これら吸い込みダクト18aおよび吹き込みダクト18bは、いずれも屈曲自在な蛇腹状をなし水槽8とは弾性的に連結支持されており、具体的には上部の吹き込みダクト18bは前記槽カバー12の後方部位に嵌合保持され、以て、これら両ダクト18a、18bには水槽8側からの振動伝達が緩衝的に抑えられ、該循環路18を経て外箱3側への振動伝達を軽減している。
このような循環路18には、水槽8に対して図示矢印A方向に温風が循環するように、加熱温風化手段や除湿手段が設けられている。
即ち、循環路18における矢印A方向への温風の流れに沿って、まず除湿手段としての熱交換部19が設けられ、次いで加熱温風化するための送風装置20及びヒータ装置21が順次設けられている。
そのうち、まず熱交換部19につき述べると、上記水槽8内から上記吸い込みダクト18aを経て取り込まれ、循環路18内を流れる温風(排気風)を除湿するために設けられ、該循環路18内の温風(排気風)に向かって冷却水を注ぐ注水管19aが設けられており、所謂水冷式の熱交換部19が構成されている。従って、排気風中の水分は、上記注水により冷却され凝縮して流下し、排水管路11から機外に排水され、除湿された温風のみが流下側に流される。
次いで、送風装置20について述べる。上記熱交換部19の下流側にあって、筐体2内の上部たるトップカバー4内に配設固定され、遠心型の例えばシロッコファンからなる送風ファン20aと、ファンモータ20b、およびファン軸20cと、送風ファン20aを囲い循環路18の一部を兼ねる渦巻き状のファンケース20dとを備え構成されている。これら送風ファン20aおよびファンケース20dは、径方向に長寸となる径大な形状をなしており、これらを水平方向に配置するためファン軸20cは鉛直方向になるように配置される。
即ち、本実施例では上部側にファンモータ20bを配し、下部のファンケース20dの中央下部を吸い込み側として上流側の循環路18と接続され、該ファンケース20dの渦巻き状の終端部である側方に延出された端部を吹き出し側となるように配置した構成とされている。
そして、このファンケース20dの吹き出し側に、前記ヒータ装置21が連通接続されている。即ち、このヒータ装置21は、前記熱交換部19にて冷却除湿された温風(排気風)を、所定温度に加熱するために設けられ、その加熱手段として例えばPTCヒータからなるヒータ(図示せず)を備え、該ヒータを囲い且つ循環路18の一部を兼ねるヒータケース(図示せず)を具備して構成される。
前記ヒータを通過して加熱された温風は、前記ヒータケース内を流れ前記した温風の吸い込みダクト18aから取り込まれ熱交換部19、送風装置20およびヒータ装置21を介した循環路18を循環しつつ、新たな温風となって水槽8内に繰り返し供給される。
また、水道の蛇口22に接続される給水手段たる給水弁23(図3参照)が、前記ヒータ装置21の後部側方に隣接して設けられている。この給水弁は、例えば三方切替可能な弁機構をなし、その出水側の一つを給水管路(図示せず)および注水ケース24を介して、蛇腹状の給水ダクト25に接続され、その先端部は前記槽カバー12の上面の後方部位に嵌合支持され、その先端開口が水槽8(回転槽13)内を臨んで設けられている。
尚、上記注水ケース24には、図示しないが柔軟仕上げ剤や洗剤が予め貯留され給水とともに水槽8(回転槽13)内に投入できるようにしたものである。また、前記送風装置20の吸い込み側であるファンケース20dの下方にフィルタ装置26が設けられている。このフィルタ装置26は、送風装置20の上流側で糸屑などを捕獲する。
次に、図3を用いて洗濯機1の電気的な概略構成を説明する。なお、図3においては、本発明の要旨に関係する部分のみ示し、送風装置20及びヒータ装置21については省略している。制御装置7は、例えばマイクロコンピュータを主体として構成され図示しないRAMやROMを備えている。この制御装置7には、水槽8内の水位を検知するための水位センサ27からの水位検知信号、操作パネル6に設けられた操作部6aからの操作信号等が入力される。更に、制御装置7には、駆動モータ17の回転量を検知する回転センサ28からの回転量検知信号が入力される。
制御装置7及び回転センサ28は、回転槽13内に収容された洗濯物の重量を検知する重量検知手段と、回転槽13内の洗濯物の脱水後のほぐれ具合を検知するほぐれ具合検知手段とを構成する。具体的には、制御装置7は、前記重量検知において、駆動モータ17を駆動して撹拌翼14を所定時間、正転、逆転を交互に間欠的に回転させ、このとき回転センサ28により検出された回転量の大きさと、制御装置7が予め有しているデータに基づき、回転槽13内に収容された洗濯物の重量を判断する。回転槽13内に収容された洗濯物量(重量)が多い場合には、回転センサ28が検出する回転量が低く、洗濯物量(重量)が少ない場合には、回転センサ28が検出する回転量が多くなる。
また、前記ほぐれ具合検知では、脱水後、ためすすぎ行程の初期に撹拌翼14を後述する回転度合で12秒間、正転、逆転を交互に間欠的に回転させる。制御装置7は、このほぐれ具合検知の間(12秒間)の撹拌翼14の回転量を回転センサ28で検知する。この回転量が、前記洗濯物量(重量)に対応した後述する閾値以下の場合には、制御装置7は、脱水後のためすすぎ行程時の洗濯物は、回転槽13の周壁に張り付いて、洗濯物全体がすすぎ液に浸っていないと判断する。この撹拌翼14の回転量の前記閾値は、制御装置7が予め有しており、図6に示すように、前記洗濯物量(重量)が8kg、7kg、6kg、及び5kgである場合に、それぞれ4回転、12回転、20回転、及び28回転と設定されている。
制御装置7は、上述の洗濯物の重量検知及びほぐれ具合検知を行うとともに、洗濯機1の動作全般(例えば、洗い行程、すすぎ行程、脱水行程、並びに乾燥行程)の各種行程を実行させる制御を行う。この場合、制御装置7は、駆動回路29を介して各種洗濯機負荷たる駆動モータ17、クラッチ機構部17a、排水弁10、給水弁23の他、前記送風装置20及びヒータ装置21等を制御するとともに、操作パネル6の表示部30に各種の表示を行う。
次に、主に図1と図4とを参照して、洗い行程、すすぎ行程、及び脱水行程を順次実行する洗濯機1の動作を説明する。この場合、洗濯コースのうち標準コースが選択された場合について説明する。尚、洗い行程前に回転槽13内に洗濯物を収容するとともに、注水ケース24(図1参照)に洗剤、及び柔軟仕上げ剤を投入しておく。又、水道の蛇口22が給水源となる。
洗い行程では、重量検知(ステップS1)、給水(ステップS2)、洗い(ステップS3)、及び排水(ステップS4)が行われる。
重量検知(ステップS1)では、上述したように回転槽13内に投入された洗濯物量(重量)の検知が行われ、次の給水(ステップS2)では、給水弁23が開かれ、この重量検知(ステップS1)で検知された洗濯物量(重量)に応じた水量が給水され、その後、給水弁23が閉じられる。
洗濯物は水に浸り、この状態で撹拌翼14が正転、逆転を交互に間欠的に回転され、洗濯物が撹拌される洗い(ステップS3)が行われる。洗い(ステップS3)が終了すると、排水弁10が開かれ排水(ステップS4)が行われる。所定時間経過後、水槽8内の水が全て排水され洗い行程は終了する。
次に実行されるすすぎ行程では、この場合、シャワーすすぎ行程とためすすぎ行程とが行われる。
シャワーすすぎ行程では、第1の脱水(ステップS5)、シャワーすすぎ(ステップS6)、及び第2の脱水(ステップS7)が行われる。
第1の脱水(ステップS5)では、排水弁10が開かれたままの状態で、回転槽13が回転し、回転速度が上げられ高速度(例えば、800rpm)に保たれ、一方向回転駆動が所定時間行われる。第1の脱水(ステップS5)により、回転槽13内の洗濯物は遠心脱水される。
次にシャワーすすぎ(ステップS6)が行われる。ここでは、回転槽13の回転は、低速度(例えば、20rpm)に保たれ、一方向回転が所定時間行われる。シャワーすすぎ(ステップS6)が行われている間、給水弁23及び排水弁10はともに開かれており、回転槽13内に供給された水は、低速で回転する洗濯物にむらなくかけられ、洗濯物に付着している洗剤等を水とともに除去する。シャワーすすぎが所定時間行われた後、給水弁23は閉じられ第2の脱水(ステップS7)が行われる。
第2の脱水(ステップS7)では、第1の脱水(ステップS5)と同様に、排水弁10が開かれたままの状態で、回転槽13が高速度(例えば、800rpm)に保たれ一方向回転駆動が所定時間行われる。第2の脱水(ステップS7)により、回転槽13内の洗濯物は遠心脱水される。第2の脱水(ステップS7)が終了すると排水弁10は閉じられる。
次に、ためすすぎ行程が行われる。ためすすぎ行程では、給水(ステップS8等)、前記ほぐれ具合検知(ステップS9等)、ためすすぎ(ステップS11等)、排水(S12等)等が行われる。前記ほぐれ具合検知は3回まで行われ、このほぐれ具合検知の検知結果により4通りのパターンの動作が実行される。制御装置7は、ほぐれ具合検知時の撹拌翼14の回転度合を1回目より2回目、2回目より3回目を強くするように駆動回路29(図3参照)に指令を出す。ほぐれ具合検知の撹拌翼14の回転度合とは、駆動回路29に出される指令の撹拌翼14の駆動時間の長さ及び平均回転速度の大きさを意味し、駆動時間を長くする又は平均回転速度を上げることで回転度合を大きくする。
第1の動作パターンは、1回目のほぐれ具合検知(ステップS9)により検知された撹拌翼14の回転量が前記閾値より大きいと判断された場合で(S10:NO)、ステップS8〜S12の動作が行われる。
第2の動作パターンは、2回目のほぐれ具合検知(ステップS15)により検知された撹拌翼14の回転量が前記閾値より大きいと判断された場合で(S16:NO)、ステップS8〜S10、S14〜19の動作が行われる。図4に示されているタイムチャートは、この第2の動作パターンを表している。
第3の動作パターンは、3回目のほぐれ具合検知(ステップS22)により検知された撹拌翼14の回転量が前記閾値より大きいと判断された場合で(S23:NO)、ステップS8〜S10、S14〜S16、S21〜S26の動作が行われる。
第4の動作パターンは、3回目のほぐれ具合検知(ステップS22)により検知された撹拌翼14の回転量が前記閾値以下と判断された場合で(S23:YES)、ステップS8〜S10、S14〜S16、S21〜S23、S28〜S31の動作が行われる。
第1の動作パターンについて詳細に説明する。
先ず、給水(ステップS8)が行われる。給水弁23が開かれ、後述するためすすぎ(ステップS11等)に用いられるためすすぎ水量が給水される。ためすすぎ水量は、重量検知(ステップS1)で検知された洗濯物量(重量)に対応し、図6に示すように、洗濯物量が8kg、7kg、6kg、及び5kgである場合に、それぞれ55L、50L、45L、及び40Lである。ためすすぎ水量が給水されたら給水弁23は閉じられ給水(ステップS8)は終了する。尚、柔軟仕上げ剤が使用される場合は、給水(ステップS8)時に柔軟仕上げ剤がすすぎ液とともに水槽8内に投入される。
次に、1回目の上述したほぐれ具合検知(ステップS9)が行われる。1回目のほぐれ具合検知(ステップS9)の撹拌翼14の回転度合は、図5に示すように、駆動モータ17のON(通電)時間0.8秒、OFF(非通電)時間0.9秒、平均回転速度140rpmである。第2の脱水(ステップS7)時に洗濯物が回転槽13の底部を含む周壁に張り付いても、給水(ステップS8)及びほぐれ具合検知による撹拌翼14の回転に伴い、洗濯物が回転槽13の周壁からはがれやすくなり、ほぐれ具合検知(ステップS9)で検知される撹拌翼14の回転量が前記閾値より大きいと判断される(S10:NO)と、洗濯物はほぐれているとみなされ、ステップS11のためすすぎへ移行する。ためすすぎ(ステップS11)では、洗濯物全体がすすぎ液に漬かり、撹拌翼14は正転、逆転を交互に間欠的に所定時間(例えば、2分)回転され、その後、排水弁10が開かれ、排水(ステップS12)が行われる。所定時間経過後、水槽8内のすすぎ液の排水が終了した時点で、ためすすぎ行程、延いてはすすぎ行程が終了する。
次に、第2の動作パターンについて詳細に説明する。
先ず、第1の動作パターンと同様に、給水(ステップS8)が行われる。次に、1回目のほぐれ具合検知(ステップS9)が行われる。第2の脱水(ステップS7)時に洗濯物が回転槽13の底部を含む周壁に張り付き、ほぐれ具合検知(ステップS9)で検知される撹拌翼14の回転量が前記閾値以下と判断される(S10:YES)と、洗濯物がほぐれていないとみなされ、ステップS14の追加給水に移行する。追加給水(ステップS14)では、図6に示すようにすすぎ液が2L追加される。
次に2回目の上述したほぐれ具合検知(ステップS15)が行われる。2回目のほぐれ具合検知(ステップS15)の撹拌翼14の回転度合は、図5に示すように、駆動モータ17のON(通電)時間1.0秒、OFF(非通電)時間1.0秒、平均回転速度150rpmである。追加給水(ステップS14)によりすすぎ液の水位が上がり、回転槽13の周壁に張りついていた洗濯物がはがれやすくなり、ほぐれ具合検知(ステップS15)で検知される撹拌翼14の回転量が前記閾値より大きいと判断される(S16:NO)と、洗濯物がほぐれたとみなされ、ステップS17に移行する。ここでは、所定時間(例えば2分)よりさらにn分(例えば1分)延長された、ためすすぎ(ステップS17、S18)が行われ、該ためすすぎの終了後、排水弁10が開かれ、排水(ステップS19)が行われる。所定時間経過後、水槽8内のすすぎ液の排水が終了した時点で、ためすすぎ行程、延いてはすすぎ行程が終了する。
次に、第3の動作パターンについて詳細に説明する。
ステップS8からステップS14までの動作は上述した第2の動作パターンと同様である。
2回目のほぐれ具合検知(ステップS15)で検知される撹拌翼14の回転量が前記閾値以下と判断される(S16:YES)と、洗濯物がまだほぐれていないとみなされ、ステップS21に移行し再び追加給水が行われ、すすぎ液が2L追加される。
次に3回目の上述したほぐれ具合検知(ステップS22)が行われる。3回目のほぐれ具合検知(ステップS22)の撹拌翼14の回転度合は、図5に示すように、駆動モータのON(通電)時間1.2秒、OFF(非通電)時間1.1秒、平均回転速度150rpmである。追加給水(ステップS21)によりすすぎ液の水位がさらに上がり、回転槽13の周壁に張りついていた洗濯物がはがれやすくなり、ほぐれ具合検知(ステップS22)で検知される撹拌翼14の回転量が前記閾値より大きいと判断される(S23:NO)と、洗濯物がほぐれたとみなされ、ステップS24に移行する。ここでも、所定時間(例えば2分)よりさらにn分(例えば1分)延長された、ためすすぎ(ステップS24、S25)が行われ、該ためすすぎの終了後、排水弁10が開かれ、排水(ステップS26)が行われる。所定時間経過後、水槽8内のすすぎ液の排水が終了した時点で、ためすすぎ行程、延いてはすすぎ行程が終了する。
次に、第4の動作パターンについて詳細に説明する。
ステップS8からステップS21までの動作は上述した第3の動作パターンと同様である。
3回目のほぐれ具合検知(ステップS22)が行われ、追加給水(ステップS21)を行っても回転槽13の周壁に張りついていた洗濯物がはがれず、ほぐれ具合検知(ステップS22)で検知される撹拌翼14の回転量が前記閾値以下と判断される(S23:YES)とステップS28に移行され、すすぎ液が最大水量まで追加給水される。すすぎ液の最大水量とは、洗濯物が回転槽13の周壁に張り付いた状態でも洗濯物全体がすすぎ液に漬かる水量のことである。すすぎ液の最大水量は、重量検知(ステップS1)時に検知した洗濯物量(重量)に対応しており、図6に示すように、洗濯物量が8kg、7kg、6kg、及び5kgの場合、それぞれすすぎ液の最大水量は65L、60L、55L、及び50Lに予め設定されている。
次に、所定時間(例えば2分)よりさらにn分(例えば1分)延長された、ためすすぎ(ステップS29、S30)が行われ、該ためすすぎの終了後、排水弁10が開かれ、排水(ステップS31)が行われる。所定時間経過後、水槽8内のすすぎ液の排水が終了した時点で、ためすすぎ行程、延いてはすすぎ行程が終了する。
上述したすすぎ行程が終了すると脱水行程に移行し最終脱水(ステップS13、S20、S27、S32)が行われる。最終脱水(ステップS13、S20、S27、S32)では、排水弁10が開かれたままの状態で、回転槽13が高速度(例えば、800rpm)に保たれ一方向回転駆動が所定時間行われる。最終脱水(ステップS13、S20、S27、S32)により、回転槽13内の洗濯物は遠心脱水される。
上述した実施例に係る洗濯機1は以下の効果を得ることができる。
ためすすぎ行程の初期に洗濯物のほぐれ具合検知(ステップS9、S15、S22)を行い、洗濯物がほぐれていないと判断された場合には、追加給水(ステップS14、S21、S28)を行い、ためすすぎ水量を増やす構成にした。このため、すすぎ液の水位は上昇し、ためすすぎ(ステップS11、S17、S18、S24、S25、S29、S30)時に洗濯物はほぐれやすくなり、洗濯物全体をすすぎ液に漬からせすすぎを良好に行うことができるようになる。又、柔軟仕上げ剤を使用している場合は、洗濯物全体にむらなく柔軟仕上げ剤を浸透させることができ、その効用を充分に発揮させることができる。また、ほぐれ具合検知(ステップS9)で洗濯物がほぐれていると判断された場合は、追加給水を行わないため節水を図ることができる。
ほぐれ具合検知(ステップS9、S15、S22)をためすすぎ行程の初期に行う構成とした。このため、洗濯物のためすすぎ(ステップS11、S17、S18、S24、S25、S29、S30)時には洗濯物がほぐれた状態ですすぐことができる。
1回目のほぐれ具合検知(ステップS9)で洗濯物がほぐれていないと判断された場合、追加給水(ステップS14)を行い、2回目のほぐれ具合検知(ステップS15)を行い、それでも洗濯物がほぐれていないと判断された場合には、更に追加給水(ステップS21)を行い、3回目のほぐれ具合検知(ステップS22)を行い、それでも洗濯物がほぐれていないと判断された場合には、最大水量まで追加給水(ステップS28)を行う構成とした。このため、すすぎ液を段階的に増やすことになり、必要以上にすすぎ液を増やすことがないため節水を図ることができる。
1回目から3回目のほぐれ具合検知(ステップS9、S15、S22)を行う際に、撹拌翼14の回転度合を段階的に強くする構成とした。このため、ほぐれ具合検知時に洗濯物をより確実にほぐすことができ、洗濯物全体をすすぎ液に浸すことができる。
3回目のほぐれ具合検知(ステップS22)でも洗濯物がほぐれていないと判断された場合、すすぎ液を最大水量まで追加給水(ステップS28)とする構成とした。このため、洗濯物が充分にほぐれていなくても、洗濯物全体をすすぎ液に一層確実に浸すことができる。
ほぐれ具合検知(ステップS9、S15、S22)を行い、洗濯物がほぐれていないと判断された場合、ためすすぎ時間を延長する構成とした(ステップS18、S25、S30)。これにより、洗濯物を一層良好にすすぐことができるようになり、柔軟仕上げ剤を使用している場合は、洗濯物に柔軟仕上げ剤を一層良好に浸透させることができるようになる。
洗い行程初期に重量検知(ステップS1)を行い、洗濯物量(重量)を検知する構成とした。このため、洗い行程時の給水量及びためすすぎ時のためすすぎ水量を、洗濯物量(重量)に対応した水量に設定することができるため、必要以上に水を使用することがなく節水を図ることができる。
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形又は拡張が可能である。
上述した実施例では、ほぐれ具合検知(ステップS9、S15、S22)は、撹拌翼14の回転量を回転センサ28で検知して判断する構成としたが、これに限らず、例えば駆動モータ17へ供給する電流値を検知することによって洗濯物のほぐれ具合を判断してもよい。
上述した実施例では、ほぐれ具合検知(ステップS9、S15、S22)を、給水(ステップS8)及び追加給水(ステップS14、21)の終了後に行う構成としたが、これに限らず、給水(ステップS8)及び追加給水(ステップS14、21)が終了する直前からほぐれ具合検知(ステップS9、S15、S22)を行う構成としてもよい。
上述した実施例では、すすぎ行程は、シャワーすすぎ行程とためすすぎ行程とを行う例を示したが、これに限らず、シャワーすすぎ行程は必ずしも行わなくてもよい。
図面中、1は洗濯機、3は外箱、7は制御装置(制御手段、ほぐれ具合検知手段)、8は水槽、13は回転槽、13aは透孔(孔)、14は撹拌翼、17は駆動モータ(駆動手段)、23は給水弁(給水手段)、28は回転センサ(ほぐれ具合検知手段)を示す。

Claims (5)

  1. 外箱と、
    前記外箱の内部に配設された貯水可能な水槽と、
    通水可能な孔を有して前記水槽内に縦軸回転可能に配設され内部に洗濯物が収容される回転槽と、
    前記回転槽内の底部に回転可能に配設された撹拌翼と、
    前記回転槽及び前記撹拌翼を回転させる駆動手段と、
    前記水槽内に水を供給する給水手段と、
    前記駆動手段及び前記給水手段を制御することにより前記洗濯物の洗い、すすぎ、脱水の各行程を実行する制御手段と、を備えた洗濯機において、
    前記撹拌翼を回転させることで前記回転槽内の洗濯物のほぐれ具合を検知するほぐれ具合検知手段を有し、
    前記制御手段は、前記すすぎ行程にあって、前記水槽内に水を貯めて行うためすすぎ行程を実行する際に前記ほぐれ具合検知手段による検知でほぐれていないと判断した場合には、前記水槽内に貯める水量を増やすことを特徴とする洗濯機。
  2. 前記ほぐれ具合検知手段による検知を前記ためすすぎ行程の初期に行うことを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
  3. 前記制御手段は、前記ためすすぎ行程において前記ほぐれ具合検知手段による1回目の検知でほぐれていないと判断したときは、前記ほぐれ具合検知手段による検知を再度行い、ほぐれていないと判断した場合には、前記水槽内に貯める水量をさらに増やすことを特徴とする請求項1又は2記載の洗濯機。
  4. 前記制御手段は、前記ほぐれ具合検知手段による検知を行う際の前記撹拌翼の回転度合を段階的に強くすることを特徴とする請求項3記載の洗濯機。
  5. 前記制御手段は、前記ほぐれ具合検知手段による検知を複数回行い、その最後の検知でもほぐれていないと判断した場合には、前記水槽内に貯める水量を前記洗濯物の量に対応した最大水量まで増やすことを特徴とする請求項3又は4記載の洗濯機。
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