JP6250500B2 - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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Description

本発明は、衣類等の洗濯を行う洗濯機に関し、特に、略水平もしくは前方を上に向けて傾斜させたドラムを備えるドラム式洗濯機に関する。
ドラム式洗濯機は、略水平もしくは前方を上に向けて傾斜させたドラム内に衣類を投入して洗い工程、すすぎ工程、脱水工程を行うものである。洗い工程、すすぎ工程ではドラムを低速で回転させ、ドラム内の下部に溜まった衣類を持ち上げて、ドラム内の上部から落下させるタンブリング動作を行う。このタンブリング動作により、衣類に機械的な力を与えて洗浄およびすすぎを行っている。脱水工程時にはドラムを高速で回転させ、回転による遠心力で衣類から水分を衣類の外に押し出す遠心脱水を行う。
また、洗い工程において、循環ポンプで洗濯槽(外槽)内の洗濯水を汲み上げて衣類にかけ、洗剤が溶けた洗濯水を衣類に満遍なく浸透させる。このように、ドラム式洗濯機は、縦型洗濯機と比較して少ない水でも洗浄性能を確保して、節水することができるようになっている。
特許文献1には、高濃度洗剤水を衣類に満遍なく浸透させるために、洗い工程の前の洗剤水浸透工程において高濃度洗剤水を洗濯槽内へ投入し、遠心力が重力よりも大きくなる回転速度でドラムを回転させて衣類をドラムの内周面に張り付かせつつ、循環ポンプにより高濃度洗剤水を衣類へ散布する、ドラム式洗濯機が記載されている。
下記特許文献2には、タンブリング洗い(たたき洗い)の時間を短くすることで、タオルのようなパイル地の洗濯物がごわごわするのを防止することが記載されている。
特開2013−52056号公報 特開2004−236704号公報
しかしながら、特許文献1に記載のドラム式洗濯機のように、洗剤水浸透工程中、単に衣類をドラムの内周面に張り付かせるだけでは、衣類に機械力を与えながら洗う所謂たたき洗いが行われないことに起因して、洗浄性能が低下する可能性がある。
また、特許文献2に記載のドラム式洗濯機では、たたき洗いの時間を短くする代わりに、もみ洗いの時間を設けているが、洗い全体の時間を変えずにこのような運転を行うと、たたき洗いの時間が減ることに起因して洗浄性能が低下する可能性がある。
そこで、本発明の目的は、洗浄性能を確保しつつ衣類のごわつきを抑制することが可能なドラム式洗濯機を提供することにある。
本発明は、内部に水を溜める外槽と、前記外槽内に回転自在に支持され、衣類が収容されるドラムと、前記ドラムを回転駆動するドラムモータと、前記外槽内に給水する給水手段と、前記外槽から洗濯水を吸い込み、前記ドラム内に向かって散水する循環ポンプと、前記ドラムモータ、前記給水手段および前記循環ポンプを制御する運転制御手段と、を備えたドラム式洗濯機において、前記運転制御手段は前記ドラムモータを駆動して前記ドラムを35rpm以上の回転速度で回転させながら前記循環ポンプを駆動して36L/min以上の循環流量の条件で、第1の洗い工程として、当該ドラムの回転により当該ドラム内の下方に溜まった衣類を持ち上げて当該ドラム内の上方から落下させることにより衣類に機械的な力を与える、たたき洗い工程を実行した後前記ドラムを35rpm未満の回転速度で回転させながら36L/min以上の循環流量の条件で、第2の洗い工程として、当該ドラムの回転により当該ドラム内の下方に溜まった衣類が当該ドラムの内周壁面を転がりながら、衣類に前記たたき洗い工程よりも弱い機械的な力を与える、もみ洗い工程を実行することを特徴とする。
本発明によれば、洗浄性能を確保しつつ衣類のごわつきを抑制することが可能なドラム式洗濯機を提供することができる。
本発明の実施形態のドラム式洗濯乾燥機を示す外観斜視図である。 図1のドラム式洗濯乾燥機の筐体の内部構造を概略的に示す側面図である。 (a)は、図2のIII−III断面図であり、外槽の底部に形成される窪み部の説明図、(b)は、従来のドラム式洗濯乾燥機における外槽の底部に形成される窪み部の説明図である。 (a)は、図1のドラム式洗濯乾燥機における外槽の底部から循環ポンプに向かう循環流路を示す平面図、(b)は、従来のドラム式洗濯乾燥機における外槽の底部から循環ポンプに向かう循環流路を示す平面図である。 図1のドラム式洗濯乾燥機の循環ポンプおよび循環流路を示す斜視図である。 (a)は、外槽カバーに設けられる循環流路を示す斜視図、(b)は、循環ポンプと外槽カバーに設けられる循環流路とを接続する蛇腹ホースを示す斜視図である。 外槽カバーの循環流路に接続されるノズル付近の部分拡大斜視図である。 ドラム式洗濯乾燥機における制御ブロック図である。 (a)第1実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機における洗濯運転の運転工程を説明する工程図、(b)は、押し洗い、たたき洗い、もみ洗いにおける各種動作条件を説明する図である。 (a)は循環ポンプの回転速度と洗浄比との関係を示すグラフであり、(b)は循環ポンプの回転速度と循環流量との関係を示すグラフである。 ごわつきの官能評価の実験結果である。 (a)は第2実施形態に係るドラム式洗濯機における洗濯運転の運転工程を説明する工程図、(b)は、押し洗い、たたき洗い、もみ洗いにおける各種動作条件を説明する図である。 (a)第3実施形態に係るドラム式洗濯機における洗濯運転の運転工程を説明する工程図、(b)は、たたき洗い、もみ洗いにおける各種動作条件を説明する図である。 (a)は第4実施形態に係るドラム式洗濯機における洗濯運転の運転工程を説明する工程図、(b)は、たたき洗い、もみ洗いにおける各種動作条件を説明する図である。
次に、本発明の実施形態のドラム式洗濯乾燥機(ドラム式洗濯機)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。まず、主に図1および図2を参照しながらドラム式洗濯乾燥機Sの全体構成について説明する。図1は、本実施形態のドラム式洗濯乾燥機Sを示す外観斜視図である。図2は、図1のドラム式洗濯乾燥機の内部構造を概略的に示す側面図である。なお、以下の説明における前後上下左右の方向は、図1に示す前後上下左右の方向を基準とする。
図1に示すように、筺体1は、外郭を構成するものであり、左右の側板1a,1b、前面カバー1c、背面カバー1d(図2参照)、上面カバー1e、下部前面カバー1fおよびベース1hによって構成されている。また、筺体1は、左右の側板1a,1bが、コの字型の上補強材36(図2参照)、前補強材37(図2参照)、後補強材(図示せず)で結合しており、ベース1hを含めて箱形状を呈している。
前面カバー1cの略中央には、衣類を出し入れするための投入口を塞ぐドア9が設けられている。このドア9は、前補強材37(図2参照)に設けたヒンジ9c(図2参照)によって開閉可能に支持されている。前面カバー1cに設けられたドア開放ボタン9dを押すことでロック機構(図示せず)が外れて開き、ドア9を前面カバー1cに押し付けることでロックされて閉じる。前補強材37(図2参照)は、後記する外槽2の開口部と同心に、衣類を出し入れするための円形の開口部を有している。
また、筐体1の上部中央には、電源スイッチ39と、操作スイッチ12,13と、表示器14と、を備えた操作パネル6が設けられている。この操作パネル6は、筐体1の下部に設けた制御装置38(図2参照)と電気的に接続されている。
図2に示すように、筐体1内の上部左側には、洗剤容器19が設けられている。この洗剤容器19は、前部開口から引き出し式の洗剤トレイ7の装着が可能となっている。洗剤類を入れる場合は、洗剤トレイ7を図1中の2点鎖線で示すように引き出す。洗剤容器19は、筐体1の上補強材36に固定されている。また、洗剤容器19の左側面のやや後方に出水口19aを有している。従って、洗剤容器19の底面は出水口19aの位置が最も低くなるようなすり鉢状に形成されている。
洗剤容器19の後側には、給水電磁弁16(図1参照)、風呂水吸水ポンプ17、水位センサ34等の給水関連部品が設けられている。洗剤容器19の上部開口には、給水ユニット15(給水手段)が設けられている。上面カバー1eには、水道栓からの給水ホース接続口16a(図1参照)、風呂の残り湯の吸水ホース接続口17a(図1参照)が設けられている。
ドラム3は、回転可能に支持された円筒状の洗濯兼脱水槽であり、その外周壁および底壁に通水および通風のための多数の貫通孔(図示省略)を有し、前側端面には、衣類を出し入れするための開口部3aが設けられている。開口部3aの外周側には、ドラム3と一体に回転する流体バランサ(図示省略)が設けられている。また、ドラム3の回転中心軸は、水平又は開口部3a側が高くなるように傾斜している。
外槽2は、円筒形状を呈し、ドラム3を同軸上に内包し、前面は開口し、後側端面の外側中央にはドラムモータ4が取り付けられている。モータモータ4の回転軸は、外槽2を貫通し、ドラム3と結合している。前面の開口部には、外槽2内への貯水を可能にする外槽カバー2dが設けられている。外槽2は、下側をベース1hに固定されたダンパ5で防振支持されている。外槽2の開口部には、ゴム製のベローズ10が設けられ、ドア9を閉じることで外槽2を水封する。
外槽2の側面後部には、外槽2内へ水や洗剤類を供給する給水口2aが設けられている。給水口2aと洗剤容器19の出水口19aとは、ゴム製の蛇腹ホース20で接続されている。
外槽2の底側内周面には、凹状の窪み部2fが外槽2の軸方向に延在するように設けられている。この窪み部2fの底面は、前側から後側に下がる傾斜面になっており、窪み部2fの後側には排水口21が設けられている。排水口21には継手21aを介して蛇腹ホース22が接続されている。窪み部2fの前側には底部循環水の流入口18が設けられている。
排水ホース26は、後記する循環ポンプ24の出水ポート23b(図4(a)参照)にその一端が接続され、その他端側が機外に延出している。排水ホース26には、機内での延在途中に排水弁25が設けられている。
図3(a)は、図2のIII−III断面図であり、外槽の底部に形成される窪み部の説明図、図3(b)は、従来のドラム式洗濯乾燥機における外槽の底部に形成される窪み部の説明図である。
図3(a)に示すように、窪み部2fの上部には、窪み部2fの幅の略半分を覆うように外槽2の外周壁の内周面から連続する隔壁Wが形成されている。隔壁Wはドラム3の脱水時の回転方向Rに対して対向する方向にドラム3の外周面に沿うように延出している。
排水口21および流入口18は、窪み部2fの幅方向の中心からドラム3の回転方向Rにずれた位置に形成されている。これにより排水口21と流入口18の上部には隔壁Wが配置されることとなる。
窪み部2fは、脱水時にドラム3の回転による遠心力で、ドラム3の貫通孔(図示省略)から外槽2の内周面側に向かって水が出ていく際に、ドラム3の回転方向Rと同一方向に流れる水を受け止め、排水口21へ導く。隔壁Wは、窪み部2fへ入った水が再び外槽2内に戻らないように堰き止める作用効果を発揮する。
図3(b)に示す従来のドラム式洗濯乾燥機の窪み部2f´の容積が1〜1.5L程度であるのに対して、図3(a)に示す本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sの窪み部2fの容積は、2.5L以上となるように設定されている。
つまり、図3(a)に示す窪み部2fと、図3(b)に示す窪み部2f´との対比から明らかなように、本実施形態での窪み部2fは、外槽2の周方向に幅広に形成されている。なお、窪み部2fは、外槽2の内径の35%以上の幅となるように設定しても良い。
これにより、ドラム式洗濯乾燥機Sは、従来のドラム式洗濯乾燥機よりも外槽2における貯水量が増大する。この窪み部2fの拡大により、後述する循環ポンプ24の回転速度を高めることで、大流量の洗濯水が循環ポンプ24に吸込まれ、循環流量が増大し、結果として衣類の洗浄効率が従来よりも一段と向上する。
図4(a)は、図1のドラム式洗濯乾燥機における外槽の底部から循環ポンプに向かう循環流路を示す平面図、図4(b)は、従来のドラム式洗濯乾燥機における外槽の底部から循環ポンプに向かう循環流路を示す平面図である。
図4(a)に示すように、本実施形態での排水口21の継手21aは、蛇腹ホース22との接続部が排水口21から左側に向かって突出するように形成されている。そして、蛇腹ホース22の一端が継手21aに接続され、蛇腹ホース22の他端が循環ポンプ24の入水ポート23aに接続される。
本実施形態での蛇腹ホース22は、循環流路の一部を構成しており、蛇腹ホース22の内径は、35mm以上、望ましくは37〜50mm程度に設定される。ちなみに、この蛇腹ホース22の内径は、蛇腹の山径(蛇腹の狭小部の内径)で規定される。
また、蛇腹ホース22の長さは、400mm以下、望ましくは150〜300mm程度に設定される。ちなみに、蛇腹ホース22の長さは、継手21aの出口から循環ポンプ24の入水ポート23aの入口までの間で延びる蛇腹ホース22の長さで規定される。
このように、本実施形態では、蛇腹ホース22が継手21aの出口に対して、横方向かつ循環ポンプ24側から接続されているので、継手21aから循環ポンプ24の入水ポート23aの入口に至るまでの長さを短くでき、流路抵抗が小さくなる。また、循環ポンプ24の上流側にある蛇腹ホース22の内径を35mm以上と通常より大きくしたので、この点も流路抵抗の減少につながる。従って、詳細は後で述べるが、循環ポンプ24の回転速度を高くすることにより、大流量の洗濯水を吸い込んで、ドラム3内へ循環させることが可能となっている。
ちなみに従来のドラム式洗濯乾燥機での継手21a´は、図4(b)に示すように、後側に向かって突出するように形成されている。そして、継手21a´と入水ポート23aとの間で延在する従来の蛇腹ホース22a´の長さは、460mm程度であり、この従来の蛇腹ホース22a´の内径は、30mm程度である。
図4(a)および図4(b)中、符号23bは、循環ポンプ24の出水ポートであり、符号44は、外槽カバー2dの後記する循環流路27(図6(a)参照)に向けて水を吐出する吐出ポートであり、符号45は、循環ポンプ24から外槽2(窪み部2f)内に水を送り込む吐出ポートである。
再び図2に戻って、外槽2の後部端面の最下部にはエアトラップ2eが設けられている。エアトラップ2eの下部には外槽2(窪み部2f)と連通する連通穴2e1が設けられており、エアトラップ2eの上部と水位センサ34とをチューブ35で接続し、外槽2内の水位を検出する。ちなみに、従来のドラム式洗濯乾燥機では、排水口21の後方上部にエアトラップ2eが設けられており、循環水は、排水口21からエアトラップ2eの下方を通り蛇腹ホース22a´(図4(b)参照)へ流れる。蛇腹ホース22a´の内径は本実施形態での蛇腹ホース22(図4(a)参照)の内径よりも狭小である。このため、循環流量を増大するとエアトラップ2eの穴2e1下部の流速が高くなり、ベルヌーイの定理によりエアトラップ2e内の圧力が低下して外槽2内の水位をより正確に検出できない問題がある。本実施形態では、循環水は排水口21から左側に向かって流れるため(図4(a)参照)、連通穴2e1の流速が小さく、外槽2内の水位を正確に検出できる。
外槽2とベース1hとの間には、循環ポンプ24、フィルタケース23、排水弁25が設けられている。フィルタケース23は、前側に開口部を有する円筒状で、内部に着脱可能なフィルタ(図示省略)が装着されており、洗濯水中の異物や糸くずを捕集する。フィルタケース23は、下部前面カバー1fに設けた扉1gを開け、取手23dを回すことでフィルタ(図示省略)を容易に着脱できるようになっている。このフィルタケース23は、前側が高くなるように傾斜している。なお、循環ポンプ24を中心とする洗濯水の循環系に関しては後に詳しく説明する。
筐体1の背面内側には、乾燥ダクト29が配置されている。この乾燥ダクト29は、外槽2の後部に設けた吸気口にゴム製の蛇腹ホース29aで接続されている。乾燥ダクト29内には、水冷除湿機構(図示せず)が内蔵されている。
ちなみに、乾燥運転時には、図示しないヒータ、送風ファン等によりドラム3内に温風が吹き込まれ、衣類から水分が蒸発する。高温多湿となった空気は、乾燥ダクト29に吸い込まれ、前記の水冷除湿機構で冷却除湿されて低温空気となり、図示しないヒータで加熱されてからドラム3内に吹き込まれる。なお、ヒータ、水冷除湿機構の代わりにヒートポンプを用いても良い。
図5は、図1のドラム式洗濯乾燥機の循環機構を構成する循環ポンプおよび循環流路を示す斜視図である。
図5に示すように、循環ポンプ24は、フィルタケース23と一体に形成されるケーシング42と、循環ポンプモータ47とを備えて構成されている。ケーシング42には、前記したように、吐出ポート44,45、入水ポート23a(図4(a)参照)、および出水ポート23b(図4(a)参照)が形成されている。
吐出ポート44は、蛇腹ホース41を介して外槽カバー2dの内側周壁に設けられた後記する循環流路27(図6(b)参照)に繋がっている。
なお、この蛇腹ホース41および循環流路27は、前記の蛇腹ホース22(図4(a)参照)と共に、外槽の底部から外槽の上部へ至る循環流路を構成している。
循環流路27は、外槽カバー2dの上方内側に設けられたノズル27a(図6(b)参照)に接続されている。
吐出ポート45は、蛇腹ホース40を介して継手18aに接続されている。この継手18aは、外槽2の底部の窪み部2f(図3(a)参照)に臨むように形成された流入口18に設けられている。
排水弁25(図2参照)を閉じた状態で循環ポンプ24の循環ポンプモータ47が正回転すると、外槽2内の洗濯水は排水口21(図3(a)参照)から蛇腹ホース22を通り、フィルタケース23内のフィルタ(図示省略)で異物が除去される。その後、洗濯水は、循環ポンプ24に入り、吐出ポート44から吐出され、循環流路27に送り込まれ、後記するノズル27a(図6(a)参照)からドラム3(図2参照)内に散水される。
循環ポンプ24の循環ポンプモータ47が逆回転すると、外槽2内の洗濯水は排水口21(図3(a)参照)から蛇腹ホース22を通り、フィルタケース23内のフィルタ(図示省略)で異物が除去される。その後、洗濯水は、循環ポンプ24に入り、吐出ポート45から吐出され、蛇腹ホース40および継手18aを介して外槽2内に戻る。また、排水弁25(図2参照)が開かれると、外槽2内の洗濯水は、フィルタケース23内のフィルタ(図示省略)を通り、排水ホース26から機外へ排水される。
ちなみに、本実施形態での循環ポンプモータ47は、後記する循環流量を確保するために、2600rpm以上の回転速度で回転可能となっている。この回転速度は、後記するように制御装置38(図2参照)で制御されることとなる。
図6(a)は、外槽カバーに設けられる循環流路を示す斜視図、図6(b)は、循環ポンプと外槽カバーに設けられる循環流路とを接続する蛇腹ホースを示す斜視図である。図7は、外槽カバーに設けられる循環流路に接続されるノズル付近の部分拡大斜視図である。
図6(a)および(b)に示すように、循環ポンプ24の吐出ポート44にその一端が接続される蛇腹ホース41は、その他端が循環流路27の入口ポート2gに接続される。この入口ポート2gは、図6(b)に示すように、外槽カバー2dの外周面に形成されている。
本実施形態での循環流路27は、図6(a)に示すように、樹脂製の外槽カバー2dの内側周壁に一体に成形された管状通路で構成されている。この循環流路27は、外槽カバー2dの開口に沿うように形成され、外槽カバー2dの上部に形成されるノズル27aに接続されている。この循環流路27の断面形状は、特に制限はなく、円形、楕円形、多角形等とすることができる。循環流路27の断面積は、円形のものに換算して直径25mm以上相当のものが望ましい。
本実施形態の循環流路27によれば、外槽カバー2dの内側周壁に設けられているので、従来の、例えば外槽カバー2dの外側周壁に設けられる塩化ビニル管等で形成されるものと異なって、破損するおそれが一段と少なく、また万一破損したとしても外槽2の外側に洗濯水が漏れ出ることは無い。また、循環流路27は、外槽カバー2dと一体成形されているので従来のものよりも部品点数が少なくて済む。
ノズル27aは、循環ポンプ24(図5参照)の吐出ポート44から吐出される洗濯水を外槽カバー2dの上部からドラム3(図2参照)内に向けて噴射するものである。
このノズル27aは、図7に示すように、その開口がスリット状に形成されており、洗濯水を薄膜状に広げて噴射できるようになっており、ドラム内の広い範囲に散水できる。
また、洗濯水の循環流量が従来よりも増加するので、このノズル27aのスリット幅(隙間幅)を従来よりも幅広にしても噴射の勢いが弱まることがない。よって、このスリット幅(隙間幅)を3mm以上とすることができ、糸くず等によるノズル27aの閉塞がより確実に防止される。
また、外槽カバー2dには、循環流路27と連通する小孔Hをノズル27aに隣接するように形成してもよい。洗濯水が循環流路27を通じてノズル27aから噴射される際に、この小孔Hからはベローズ10の裏側に向けて洗濯水が噴射される。この小孔Hから噴射される洗濯水は、ベローズ10の裏側を上部から下部に向かって流れる際に、ベローズ10の裏側に付着した糸くず等を洗い流すことが可能となる。
図8は、ドラム式洗濯乾燥機における制御ブロック図である。
図8に示すように、制御装置38は、マイクロコンピュータ50、駆動回路64等を備えるとともに、図1に示す操作スイッチ12,13のオンオフ信号や各種センサからの出力信号の入力回路61等も備える。また、制御装置38は、マイクロコンピュータ50を介して、使用者の操作や、洗濯工程(洗い工程、すすぎ工程、脱水工程)、乾燥工程での各種情報信号を取得する。また、制御装置38は、マイクロコンピュータ50が駆動回路64を介して、ドラムモータ4、給水電磁弁16、排水弁25を制御する。また、使用者にドラム式洗濯乾燥機Sに関する情報を知らせるために、表示器14(図1参照)、発光素子66やブザー67を制御する。
給水電磁弁16は、洗剤給水電磁弁16b、仕上剤給水電磁弁16c、外槽給水電磁弁16d、冷却水給水電磁弁16eなどを備えている。
洗剤給水電磁弁16bは、給水ホース接続口16a(図1参照)からの水道水を、図示しない給水経路を通って、洗剤トレイ7(図1参照)の洗剤投入室(図示せず)に給水する。洗剤投入室に給水された水道水は、投入された洗剤とともに、洗剤容器19(図2参照)、蛇腹ホース20(図2参照)を介して、外槽2(図2参照)内に注水される。
仕上剤給水電磁弁16cは、給水ホース接続口16aからの水道水を、図示しない給水経路を通って、洗剤トレイ7(図1参照)の仕上剤投入室(図示せず)に給水する。仕上剤投入室に注水された水道水は、投入された仕上剤(ソフナー)とともに、蛇腹ホース20を介して、外槽2内に注水される。
外槽給水電磁弁16dは、給水ホース接続口16aからの水道水を、図示しない給水経路を通って、蛇腹ホース20から外槽2内に給水する。
冷却水給水電磁弁16eは、給水ホース接続口16aからの水道水を、図示しない給水経路を通って、乾燥ダクト29(図2参照)の水冷除湿機構(図示せず)に給水する。
なお、風呂水吸水ポンプ17(図2参照)で汲み上げられた吸水ホース接続口17a(図1参照)からの風呂水は、図示しない給水経路を通って、蛇腹ホース20から外槽2内に給水される。
≪第1実施形態の運転工程≫
次に、図9を用いて、第1実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sの運転工程について説明する。図9(a)は、第1実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sにおける洗濯運転(洗い〜すすぎ〜脱水)の運転工程を説明する工程図、(b)は、押し洗い、たたき洗い、もみ洗いにおける各種動作条件を説明する図である。なお、以下では、洗剤給水電磁弁16bを第1電磁弁、仕上剤給水電磁弁16cを第2電磁弁、外槽給水電磁弁16dを第3電磁弁、冷却水給水電磁弁16eを第4電磁弁として説明する(第2実施形態ないし第4実施形態についても同様)。
図9(a)に示すように、ステップS1において、制御装置38は、ドラム式洗濯乾燥機Sの運転工程のコース選択の入力を受け付ける(コース選択)。ここで、使用者は、ドア9を開けて、ドラム3の内部に洗濯する衣類を投入し、ドア9を閉じる。そして、使用者は、操作スイッチ12,13を操作することにより、運転工程のコースを選択し入力する。操作スイッチ12,13が操作されることにより、選択された運転工程のコースが制御装置38に入力される。制御装置38は、入力された運転工程のコースに基づいて、運転パターンデータベースから対応する運転パターンを読み込み、ステップS2に進む。なお、以下の説明において、標準コース(洗い〜すすぎ2回〜脱水)が選択されたものとして説明する。
ステップS2において、制御装置38は、ドラム3に投入された衣類の重量(布量)を検出する工程を実行する(布量センシング)。具体的には、制御装置38は、ドラムモータ4を正方向に所定の回転速度(例えば、180rpm)で駆動してドラム3を回転させるとともに、注水前の衣類の重量(布量)を算出する。
ステップS3において、制御装置38は、洗剤量・運転時間を算出する工程を実行する。具体的には、制御装置38は、給水電磁弁16を制御して(例えば、第3電磁弁を開弁して)、外槽2の給水口2aに直接給水する。なお、図示していないが、制御装置38は、外槽2の内底部に配置された電気伝導度センサ(不図示)を介して、給水された水の電導度(硬度)を検出する。また、温度センサ62(図8参照)で、給水された水の温度を検出する。その後、給水電磁弁16を制御して(例えば、第3電磁弁を閉弁して)、外槽2への給水を終了する。
制御装置38は、ステップS2で検出した布量、水の電導度(硬度)、水の温度に基づいて、マップ検索により、投入する洗剤量と運転時間を決定する。そして、制御装置38は、決定された洗剤量・運転時間を表示器14に表示する。なお、外槽2に給水して水の電導度(硬度)および水温を検出するものとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、前回運転時の水の電導度(硬度)および水温をマイクロコンピュータの記憶部(図示せず)に記憶しておき、それを用いてもよい。
ステップS4において、制御装置38は、洗剤投入待ち工程を実行する。例えば、制御装置38は、所定時間待機して、ステップS5に進む。使用者は、待機中に表示器14に表示された洗剤量を参考に、洗剤トレイ7内に洗剤類を入れる。なお、制御装置38は、洗剤トレイ7の開閉を検知する手段(図示せず)により、洗剤トレイ7が開けられた後に閉じられた場合、洗剤類が投入されたものとして、ステップS5に進む構成であってもよい。
ステップS5において、制御装置38は、洗剤溶かし工程を実行する。例えば、制御装置38は、給水電磁弁16を制御して(例えば、第1電磁弁を開弁して)、給水管を介して洗剤投入室に給水する。洗剤投入室の洗剤と水は、洗剤送出管、蛇腹ホース20、外槽2の後側上部にある給水口2a、外槽2の底壁内面に形成された給水経路を介して、その出口から外槽2の窪み部2fに流入する。所定水量まで給水すると、制御装置38は、給水電磁弁16を制御して(例えば、第1電磁弁を閉弁して)、給水を停止させる。そして、制御装置38は、洗剤溶かし動作を実行する。具体的には、制御装置38は、循環ポンプ24を制御して、排水口21から蛇腹ホース22を介して吸い込んだ水と洗剤を、蛇腹ホース40(図5参照)を介して窪み部2fの流入口18から吐出させる。流入口18から吐出された水と洗剤は、窪み部2fを流れ、排水口21へと向かい、循環するようになっている。これにより、水と洗剤が攪拌され、洗剤が水に溶かされるようになっている。所定時間(例えば、10秒)が経過すると、制御装置38は、循環ポンプ24を停止させ、ステップS6に進む。
ステップS6において、制御装置38は、回転給水工程を実行する。具体的には、制御装置38は、給水電磁弁16を制御して(例えば、第1電磁弁と第3電磁弁を開弁して)、外槽2内の洗い水の水位を上昇させるとともに、ドラムモータ4を制御してドラム3を所定の回転速度(例えば、40rpm[r/min])で正逆方向に回転させ、衣類の入れ替えを行う。また、制御装置38は、循環ポンプ24を所定の回転速度(例えば、2600rpm)となるように制御して、排水口21から吸い込んだ洗剤濃度の高い洗い水を外槽2の開口部に設けられたノズル27aからドラム3の内部に吐出させることにより、ドラム3の内部の衣類に染み込ませる。
そして、外槽2内の洗い水の水位が、所定の水位(中水位)まで上昇すると、給水を停止させる(例えば、第1電磁弁と第3電磁弁を閉弁する)。回転給水工程を開始して所定時間が経過すると回転給水工程を終了し、ステップS7に進む。
ステップS7において、制御装置38は、押し洗い工程(第3の洗い工程)を実行する。なお、押し洗い工程とは、洗剤溶かし工程で生成された洗剤濃度の高い洗い水を衣類に浸み込ませる工程である。洗剤濃度の高い洗い水を衣類に浸み込ませることにより、洗浄力が向上する。
具体的には、制御装置38は、循環ポンプ24を所定の回転速度(例えば、3200rpm、循環流量48L/min)となるように制御して、排水口21(図2参照)から吸い込んだ洗い水を外槽2の開口部に設けられたノズル27a(図6(a)参照)からドラム3の内部に吐出させる。また、制御装置38は、ドラムモータ4を制御してドラム3を所定の回転速度(例えば、100rpm)で回転させることにより、衣類に対する遠心力が重力より勝って、ドラム3の内部の衣類をドラム3の内周壁面3b(図3(a)参照)に張り付け、衣類がドラム3内の上方から落下しないようにしている。つまり、押し洗い工程では、衣類をドラム3の上方から落下させないようにすることで、衣類に対してドラム3の上方から落下したときに発生する機械的な力が加わらないようにしている。
本実施形態の押し洗いでは、ドラム3を正方向に回転させているが、逆方向または正逆両方向に回転させてもよい。所定の時間(例えば、3分間)が経過すると、制御装置38は、押し洗い工程を終了し、ステップS8に進む。
ステップS8において、制御装置38は、補給水工程を実行する。具体的には、制御装置38は、給水電磁弁16を制御して(例えば、第1電磁弁と第3電磁弁を開弁して)、外槽2に給水する。中水位よりも高い所定の水位(高水位)まで給水すると、給水を停止させ(例えば、第1電磁弁と第3電磁弁を閉弁して)、制御装置38は、補給水工程を終了し、ステップS9に進む。
ステップS9において、制御装置38は、たたき洗い工程(第1の洗い工程)を実行する。たたき洗い工程とは、ドラム3の回転によりドラム3内の下方に溜まった衣類を持ち上げて、衣類に対する遠心力よりも重力が勝ることで、衣類をドラム3内の上方から落下させることにより、衣類に機械的な力を与える工程である。
具体的には、制御装置38は、循環ポンプ24を所定の回転速度(例えば、3200rpm、循環流量48L/min)となるように制御して、排水口21(図2参照)から吸い込んだ洗い水を外槽2の開口部に設けられたノズル27a(図6(a)参照)からドラム3の内部に吐出させる。また、制御装置38は、ドラムモータ4を制御してドラム3を所定の回転速度(例えば、40rpm)で正逆方向に回転させることにより、ドラム3の内部の衣類をたたき洗いする。所定の時間(例えば、5分間)が経過すると、制御装置38は、たたき洗い工程を終了し、ステップS10に進む。
ステップS10において、制御装置38は、もみ洗い工程(第2の洗い工程)を実行する。もみ洗い工程とは、ドラム3の回転によりドラム3内の下方に溜まった衣類をドラム3の内周壁面3bを転がりながら(衣類を落下させることなく)、衣類にたたき洗いよりも弱い機械的な力を与える工程である。換言すると、もみ洗い工程では、衣類がドラム3内の下部においてころころと転がりながら動作するようになっている。
具体的には、制御装置38は、循環ポンプ24を所定の回転速度(例えば、3200rpm、循環流量48L/min)となるように制御して、排水口21(図2参照)から吸い込んだ洗い水を外槽2の開口部に設けられたノズル27a(図6(a)参照)からドラム3の内部に吐出させる。また、制御装置38は、ドラムモータ4を制御してドラム3を、たたき洗い工程時の回転速度よりも低い所定の回転速度(例えば、30rpm)で正逆方向に回転(例えば、ドラム3を20〜60°の回転角度で左右反転)させることにより、ドラム3の内部の衣類をもみ洗いする。また、制御装置38は、所定の時間(例えば、1分間)が経過すると、制御装置38は、もみ洗い工程を終了し、すすぎ1工程(ステップS11〜ステップS14)に進む。
ステップS11において、制御装置38は、排水工程を実行する。制御装置38は、ドラムモータ4および循環ポンプ24を停止させ、排水弁25を開弁して外槽2内の洗濯水を排水する。水位センサ34は、排水中の外槽2内の洗濯水の水位を監視し続ける。水位センサ34の検出値が所定の水位を下回ると、制御装置38は、排水工程を終了し、ステップS12に進む。
ステップS12において、制御装置38は、脱水1工程を実行する。制御装置38は、排水弁25の開弁を維持した状態において、ドラム3を逆方向へ高速で回転させて(例えば、1250rpm)、衣類に含まれる洗濯水を脱水する。所定の時間が経過すると、制御装置38は、脱水1工程を終了し、ステップ13に進む。
ステップS13において、制御装置38は、回転シャワー工程を実行する。制御装置38は、ドラム3を逆方向へ中速で回転させつつ(例えば、260rpm)、排水弁25を閉弁し、給水電磁弁16を制御して(例えば、第3電磁弁を開弁して)、衣類に水を散布する。このときの給水電磁弁16(第3電磁弁)の制御時間は、ステップS2で検出した布量に基づいて決定される。所定の時間が経過すると、給水を停止させる(例えば、第3電磁弁を閉弁する)。また、制御装置38は、循環ポンプ24を所定の速度(例えば、3200rpm)となるように制御して、排水口21から吸い込んだ洗い水を外槽2の開口部に設けられたノズル27aからドラム3の内部に吐出させる。所定の時間が経過すると循環ポンプ24を停止させ、排水弁25を開弁して外槽2内のすすぎ水を排水する。
ステップS14において、制御装置38は、脱水2工程を実行する。制御装置38は、排水弁25の開弁を維持した状態において、ドラム3を逆方向へ高速で回転させて(例えば、1250rpm)、衣類に含まれる洗濯水を脱水する。所定の時間が経過すると、制御装置38は、脱水2工程を終了し、すすぎ2工程(ステップS15〜ステップS18)に進む。
ステップS15において、制御装置38は、給水工程を実行する。制御装置38は、排水弁25を閉弁し、給水電磁弁16を制御して(例えば、第1電磁弁を開弁して)、外槽2内にすすぎ水を供給する。所定の水位まで上昇すると、給水を停止させ(例えば、第1電磁弁を閉弁して)、制御装置38は、給水工程を終了し、ステップS16に進む。
ステップS16において、制御装置38は、仕上げ剤(ソフナー)給水工程を実行する。制御装置38は、給水電磁弁16を制御して(例えば、第2電磁弁を開弁して)、外槽2内に柔軟仕上剤を含んだすすぎ水を供給し、ステップS15で外槽2内に供給されたすすぎ水と柔軟仕上剤とを混ぜ合わせる。
ステップS17において、制御装置38は、回転給水・補給水工程を実行する。制御装置38は、給水電磁弁16を制御して(例えば、第1電磁弁と第3電磁弁を開弁して)、外槽2に給水する。所定の水位まで給水すると、給水を停止させる(例えば、第1電磁弁と第3電磁弁を閉弁する)。また、制御装置38は、給水しつつドラムモータ4を制御してドラム3を正逆方向に回転させ(例えば、40rpm)、循環ポンプ24を所定の回転速度(例えば、2600rpm)となるように制御して、排水口21から吸い込んだすすぎ水を外槽2の開口部に設けられたノズル27aからドラム3の内部に吐出させて、衣類に柔軟仕上剤を染み込ませる。
ステップS18において、制御装置38は、すすぎ攪拌工程を実行する。すすぎ攪拌工程とは、たたき洗いと同様に、ドラム3の回転によりドラム3内の下方に溜まった衣類を持ち上げて、衣類に対する遠心力よりも重力が勝ることで、衣類をドラム3内の上方から落下させる工程である。
具体的には、制御装置38は、ドラムモータ4を制御してドラム3を回転させ(例えば、40rpm)、循環ポンプ24を所定の回転速度(例えば、3200rpm)となるように制御して、排水口21から吸い込んだすすぎ水を外槽2の開口部に設けられたノズル27aからドラム3の内部に吐出させて、衣類をすすぐ。そして、所定の時間が経過すると、制御装置38は、すすぎ攪拌工程を終了し、脱水工程(ステップS19,S20)に進む。
ステップS19において、制御装置38は、排水工程を実行する。制御装置38は、ドラムモータ4および循環ポンプ24を停止させ、排水弁25を開弁して外槽2内のすすぎ水を排水する。水位センサ34は、排水中の外槽2内の洗濯水の水位を監視し続ける。水位センサ34の検出値が所定の水位を下回ると、制御装置38は、排水工程を終了し、ステップS20に進む。
ステップS20において、制御装置38は、脱水工程を実行する。具体的には、制御装置38は、排水弁25を開弁させるとともに、ドラムモータ4を制御してドラム3を高速で回転させ(例えば、1000rpm)、衣類を遠心脱水する。そして、所定の時間が経過すると、制御装置38は、ドラムモータ4を停止させ、排水弁25を閉弁して、洗濯コース(洗い〜すすぎ〜脱水)を終了する。
図9(b)に示すように、ステップS7の押し洗い工程では、循環ポンプ24の回転速度を2600rpm以上に設定することが好ましい。これにより、洗い水(洗濯水)の循環流量を36L/min以上に設定することができ、高濃度の洗剤水(洗濯水)を衣類に十分に浸透させることができる。また、押し洗い工程では、ドラム3の回転速度を60rpm以上に設定することが好ましい。これにより、衣類をドラム3の内周壁面3bに安定して押し付けながら回転させることができる。なお、ドラム3の回転速度は、80〜100rpm(80rpm以上100rpm以下)に設定することがさらに好ましい。また、押し洗い工程では、中水位に設定することが好ましい。中水位とは、従来のドラム式洗濯乾燥機と同程度の水位である。中水位にすることで、高水位にするよりも高い洗剤濃度の洗濯水を衣類に浸透させることができ、洗浄性能を向上できる。
また、ステップS9のたたき洗い工程では、循環ポンプ24の回転速度が2600rpm以上(例えば、3200rpm)に設定される。これにより、洗い水(洗濯水)の循環流量を36L/min以上(例えば、48L/min)に設定することができ、洗濯水を衣類に多く散水でき、また衣類から浮き出た汚れを効果的に洗い流すことができることで洗浄性能が向上する。また、たたき洗い工程では、ドラム3の回転速度が35rpm以上に設定される。これにより、衣類をドラム3の上部まで持ち上げた後に落下させることができ、機械的な力によって衣類の洗浄力を高めることができる。なお、ドラム3の回転速度は、35〜40rpm(35rpm以上40rpm以下)に設定することがさらに好ましい。また、たたき洗い工程では、押し洗い工程の水位よりも高い水位(高水位)に設定することが好ましい。これにより、循環ポンプ24に空気などを巻き込むことなく、循環流量を増やすことができる。
また、ステップS10のもみ洗い工程では、循環ポンプ24の回転速度が2600rpm以上(例えば、3200rpm)に設定される。これにより、洗い水(洗濯水)の循環流量を36L/min以上(48L/min)に設定することができ、循環流量を上げることで低下した洗剤濃度による洗い工程を補うことができる。また、もみ洗い工程では、ドラム3の回転速度が35rpm未満に設定される。これにより、衣類をドラム3内の下部において転がるようにして、たたき洗いよりも弱い機械力によって洗うことができる。よって、洗濯(洗い〜すすぎ〜脱水)後の「衣類のごわつき」を抑えることができる。なお、もみ洗い工程でのドラム3の回転速度は、20〜35rpm(20rpm以上35rpm未満)に設定することがさらに好ましい。また、もみ洗い工程では、たたき洗いと同様に高水位に設定することが好ましく、これにより、循環ポンプ24に空気などを巻き込むことなく、循環流量を増やして、洗浄力を向上できる。
ところで、一般にドラム式洗濯機は、衣類を落下させる、たたき洗いを行うため、縦型洗濯機と比べて衣類がごわつき易くなる。そこで、本実施形態では、たたき洗い工程におけるドラム3の回転速度を35〜40rpmに設定している。ドラム3の回転速度を35〜40rpmにすることで、ドラム3内の下方に溜まった衣類を持ち上げてドラム3内の上方から落下させるたたき洗いをすることができる。たたき洗いによって衣類に加わる落下衝撃(機械力)により洗浄性能を得ることができる。さらに、本実施形態では、押し洗い工程におけるドラム3の回転速度を60rpm以上に設定している。このようにドラム3の回転速度を60rpm以上にすることにより、ドラム3内の衣類を遠心力によりドラム3の内周壁面3bに張り付けながら回転させることができる。すなわち、衣類がドラム3内の上方から落下する際に加わる落下衝撃(機械力)が抑制され、「衣類のごわつき」を抑制できる。さらに、本実施形態では、たたき洗い工程の後にたたき洗いの工程の一部をもみ洗い工程として追加し、もみ洗い工程におけるドラム3の回転速度を35rpm未満に設定している。すなわち、ドラム3内の下部において衣類を転がしながら動作させることができ、衣類がドラム3内の上方から落下する際に加わる落下衝撃(機械力)をさらに抑制することができる。なお、もみ洗い工程の後にたたき洗い工程を実行すると、もみ洗い工程によって起こした繊維をたたき洗い工程によって潰してしまうので、たたき洗い工程の後にもみ洗い工程を実行している。このようにすることで、たたき洗い工程で発生する衣類のごわつきを低減することができる。このように、本実施形態によれば、洗い工程中の落下衝撃が抑制され衣類がごわつき難くなる。
一方、機械力が抑制されることにより、洗浄性能が低下するおそれがある。これに対し、押し洗い工程での循環ポンプ24の回転速度は、3200rpm(循環流量48L/min)に設定されており、循環流量が従来のドラム式洗濯機よりも多くなっている。これにより、押し洗い工程において衣類に洗剤濃度の高い洗い水を十分に浸み込ませることができ、洗剤に含まれる界面活性剤や補助剤の作用で汚れが衣類から落ちやすくなるため、たたき洗い工程の時間を短くしても洗浄性能を確保することができるようなっている。また、たたき洗い工程の一部をもみ洗い工程に置き換えた場合、機械力が抑制され、洗浄性能が低下するおそれがある。これに対し、もみ洗い工程での循環流量を従来のドラム式洗濯機よりも多くすることで、洗浄性能の低下を補うようになっている。
ここで、循環ポンプ24の流量(循環流量)と、洗浄性能との関係について、図10を用いて説明する。図10(a)は循環ポンプ24の回転速度と洗浄比との関係を示すグラフであり、図10(b)は循環ポンプ24の回転速度と循環流量との関係を示すグラフである。ちなみに、洗浄比とは、供試洗濯機の洗浄度と標準洗濯機の洗浄度の比であり、日本工業規格『家庭用電気洗濯機の性能測定方法(JISC9811)』に規定されている。つまり、洗浄比が高いほど、洗浄性能が高くなる。
ここで、図10(a)の実線で示すグラフは、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sに用いた循環ポンプ24の回転速度と洗浄比との関係を示すグラフであり、図10(a)の破線で示す値は、従来のドラム式洗濯乾燥機の運転工程における洗浄比の値(洗浄比=1.11)を示す。なお、両者の攪拌時間は同一である。
また、図10(b)の実線で示すグラフは、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sに用いた循環ポンプ24の回転速度と循環流量との関係を示すグラフであり、図10(b)の破線で示すグラフは、従来のドラム式洗濯乾燥機に用いた循環ポンプ24の回転速度と循環流量との関係を示すグラフである。図10(b)に示すように、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sに用いた循環ポンプ24は、循環流量の最大値が大きな循環ポンプを用いている。
図10(a)に示すように、循環ポンプ24の回転速度を高くするほど(循環流量が多いほど)、洗浄比(洗浄性能)が向上する。循環ポンプ24の回転速度が2600rpmで従来のドラム式洗濯乾燥機と同等の洗浄比(洗浄性能)が得られる。
したがって、循環ポンプ24の回転速度は、2600rpm以上に設定することが望ましい。循環ポンプ24の回転速度を2600rpm未満にすると、従来のドラム式洗濯乾燥機よりも洗浄比(洗浄性能)が低下して好ましくない。なお、循環ポンプ24の回転速度は各ステップにおいて常に一定でなくても良く、前記した2600rpm以上という循環ポンプ24の回転速度は、各ステップの循環ポンプ24の回転速度の平均値が2600rpm以上であることを意味する。例えば、ステップS7の押し洗い工程中に、循環ポンプ24の回転速度を2500rpmから3200rpmの間で変化させたとしても、平均値が2600rpm以上であれば良い。
また、図10(b)を参照して、換言すると、循環ポンプ24の循環流量は、36L/min以上とすることが望ましい。なお、図10(b)で従来と比べて循環ポンプ24の回転速度に対する循環流量の値が大きくなっているのは、本実施形態では窪み部2fの容積が大きく蛇腹ホース22の内径も大きいため、吸い込まれる循環水が多く確保されるからである。
また、第1実施形態では、先に押し洗い工程で衣類をドラム3の内周壁面3bに張り付かせ、その後にたたき洗い工程で機械力を働かせる運転としたが、先にたたき洗い工程で機械力を働かせ、その後に押し洗い工程で衣類を張り付かせる運転を行っても良い。
図11は、縦型洗濯機、従来のドラム式洗濯乾燥機、本実施形態のドラム式洗濯乾燥機について、タオルを含む試験布3kgを5サイクル洗濯運転し、衣類のごわつきを5段階で官能評価する実験を行った結果である。この図から分かるように、従来のドラム式洗濯乾燥機が評価値2であったのに対し、本実施形態のドラム式洗濯乾燥機の評価値は4.6となり、縦型洗濯機並みに、ごわつきが大幅に抑制された。タオルのようなパイル地の洗濯物についても、パイル地がつぶれず立った状態のやわらかい仕上りが実現できる。
次に、ドラム式洗濯機において生じ易い黒ずみの抑制効果について説明する。黒ずみは、主に衣類から除去された汚れの一部が再び衣類に付着する(再汚染現象)ために発生する。ドラム式洗濯機は縦型洗濯機に比べ使用水量が少ないことが特徴である。しかし、衣類の汚れ量と洗浄力が一緒とすると、洗濯水の汚れの濃度はドラム式洗濯機の方が高くなるため、黒ずみやすい。一般的に、ドラム式洗濯機は縦型洗濯機に比べ使用水量が半分程度であり、汚れの濃度が約2倍となる。また、洗濯時間が長いほど黒ずみやすい。
我々の検討によれば、ドラム式洗濯機と縦型洗濯機の洗濯時間をほぼ同じとした場合、ドラム式洗濯機は水量の差(洗濯水の汚れ濃度の差)以上に黒ずむことが多い。これは、洗い方の違いによるものと考えられる。縦型洗濯機は、洗濯水中に衣類が沈んだ状態で洗濯が行われるのに対して、ドラム式洗濯機の洗濯は、水中の衣類をドラムの回転で水中から空中に持ち上げて、水面に落下させることを繰り返して行われる。衣類から除去された疎水性の汚れは、水面に集まりやすい。この汚れは、衣類が水面を出たり入ったりする時に衣類に再付着し、黒ずみが進行する。
本実施形態のドラム式洗濯乾燥機Sでは、洗濯水の循環流量が多いため、空中に出た衣類に大量の洗濯水が吹きつけられる。このため、衣類は洗濯水の膜で覆われたような状態で水中に落下することになり、水面の汚れが再付着しにくく、黒ずみを抑制する効果がある。さらに、上述のように、洗浄力を高める効果もあるため、洗い工程の時間を短くでき、その結果、より一層黒ずみを抑制できる。
以上のように、第1実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sの運転工程によれば、従来20L/min程度であった循環流量を36L/min以上に大幅に高めて、スリット状のノズル27aからドラム3内の広範囲に洗濯水を散水している。循環流量を多くすると洗浄比が向上するのは、ドラム3の回転で持ち上げられた衣類全体に十分な洗い水が浸透した状態で、衣類が落下するため、衣類に含まれている洗い水が落下の衝撃で汚れとともに衣類から押し出されるからである(たたき洗い)。また、衣類全体に洗濯水が浸透するため、すすぎにおいても効率良く洗剤成分の希釈が行え、すすぎ性能も向上できる。
一般に、縦型洗濯機は槽の開口部が上面側にあるため高い水位による溜め洗いで洗濯を行うことができ、ごわつきが少ない。しかし、ドラム式洗濯機は開口部が前面側にあるため水漏れを防ぎつつ水位を高めるのは非常に難しい。そこで、第1実施形態では、循環流量を大幅に増やし、たっぷりの洗い水を衣類に含ませることで、たたき洗いの時間を短縮しても洗浄力が確保でき、結果として、衣類のごわつきを低減することが可能となる。すなわち、ドラム式洗濯機の特徴である節水性を悪化させることなく、高洗浄力でごわつきの少ない洗濯を実現できる。
また、第1実施形態によれば、ドラム3を35rpm以上の回転速度で回転させながら循環ポンプ24を駆動して36L/min以上(例えば、48L/min)の循環流量でたたき洗い工程を実行した後、ドラム3を35rpm未満の回転速度で回転させながら36L/min以上(例えば、48L/min)の循環流量でもみ洗い工程を実行することで、もみ洗い工程によって起こした繊維をたたき洗い工程によって潰してしまうことがないので、衣類のごわつきを低減することができる。
また、第1実施形態によれば、たたき洗い工程の前に、ドラム3を60rpm以上の回転速度で回転させながらたたき洗い工程における水位(高水位)よりも少ない水位(中水位)で押し洗い工程を実行することで、より高い洗剤濃度の洗濯水を衣類に浸透させることができるので、洗浄性能を向上できる。
≪第2実施形態の運転工程≫
次に、図12を用いて、第2実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sの運転工程について説明する。図12(a)は、第2実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sにおける洗濯運転(洗い〜すすぎ〜脱水)の運転工程を説明する工程図、(b)は、押し洗い、たたき洗い、もみ洗いにおける各種動作条件を説明する図である。第2実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sの運転工程は、第1実施形態のステップS18の「すすぎ攪拌工程」に替えて「もみすすぎ工程」としたものである。その他の工程は、第1実施形態の運転工程と同様であるため、説明を省略する。
図12(a)に示すように、ステップS18において、制御装置38は、もみすすぎ工程を実行する。もみすすぎ工程とは、ドラム3の回転によりドラム3内の下方に溜まった衣類をドラム3の内周壁面3bを転がりながら(衣類を落下させることなく)動作させる工程である。
具体的には、制御装置38は、ドラムモータ4を制御してドラム3を回転させ(例えば、30rpm/ドラム3を20〜60°の回転角度で左右反転させ)、循環ポンプ24を所定の回転速度(例えば、3200rpm、循環流量48L/min)となるように制御して、排水口21から吸い込んだすすぎ水を外槽2の開口部に設けられたノズル27aからドラム3の内部に吐出させて、衣類をすすぐ。そして、所定の時間が経過すると、制御装置38は、もみすすぎ工程を終了し、ステップS19に進む。なお、所定の時間は、例えば、もみ洗い工程における所定の時間と同様である。
図12(b)に示すように、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、循環ポンプ24の回転速度は、押し洗い工程、たたき洗い工程およびもみ洗い工程のいずれにおいても、従来のドラム式洗濯乾燥機よりも高い3200rpmに設定され、循環流量が48L/minとなるように設定されている。また、第2実施形態では、押し洗い工程における水位が中水位に設定され、たたき洗いおよびもみ洗い工程における水位が高水位に設定されている。
このように、もみすすぎ工程におけるドラム3の回転速度は、35rpm未満(例えば、30rpm)に設定されている。これにより、衣類がドラム3内の下部を転がりながら移動することで(衣類を落下させないことで)、衣類に対して第1実施形態でのすすぎ攪拌工程よりも弱い機械的な力が与えられる。すなわち、衣類がドラム3内の上方から落下するたたき洗いの際に加わる落下衝撃(機械力)が抑制され、「衣類のごわつき」を第1実施形態よりもさらに抑制できる。
以上のように、第2実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sの運転工程によれば、洗浄性能を確保しつつごわつきを抑制することができる。
なお、第1実施形態、第2実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sの運転工程では、コース選択工程(ステップS1)において、標準コースが選択されたものとして説明したが、使用者が必要に応じて選択した所定のコース(例えば、ごわつき防止コース)が選択されたものとしてもよい。
≪第3実施形態の運転工程≫
次に、図13を用いて、第3実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sの運転工程について説明する。図13(a)は、第3実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sにおける洗濯運転(洗い〜すすぎ〜脱水)の運転工程を説明する工程図、(b)は、たたき洗い、もみ洗いにおける各種動作条件を説明する図である。第3実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sの運転工程は、第1実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sの押し洗い工程および補給水工程を実行しない工程である。このように、押し洗い工程と補給水工程を実行しないことで、全体の洗濯運転時間(洗濯〜すすぎ〜脱水)を短縮できる。
図13(a)に示すように、ステップS6において、制御装置38は、回転給水工程を実行する。具体的には、制御装置38は、給水電磁弁16を制御して(例えば、第1電磁弁と第3電磁弁を開弁して)、外槽2内の洗い水の水位を上昇させるとともに、ドラムモータ4を制御してドラム3を所定の回転速度(例えば、40rpm)で正逆方向に回転させ、衣類の入れ替えを行う。また、制御装置38は、循環ポンプ24を所定の回転速度(例えば、2600rpm)となるように制御して、排水口21から吸い込んだ洗剤濃度の高い洗い水を外槽2の開口部に設けられたノズル27aからドラム3の内部に吐出させることにより、ドラム3の内部の衣類に染み込ませる。そして、外槽2内の洗い水の水位が、所定の水位(高水位)まで上昇すると、給水を停止させる(例えば、第1電磁弁と第3電磁弁を閉弁する)。回転給水工程を開始して所定時間が経過すると回転給水工程を終了し、ステップS7に進む。
ステップS7において、制御装置38は、たたき洗い工程を実行する。具体的には、制御装置38は、循環ポンプ24を所定の回転速度(例えば、3200rpm、循環流量48L/min)となるように制御して、排水口21(図2参照)から吸い込んだ洗い水を外槽2の開口部に設けられたノズル27a(図6(a)参照)からドラム3の内部に吐出させる。また、制御装置38は、ドラムモータ4を制御してドラム3を所定の回転速度(例えば、40rpm)で正逆方向に回転させることにより、ドラム3の内部の衣類をたたき洗いする。所定の時間(例えば、5分間)が経過すると、制御装置38は、たたき洗い工程を終了し、ステップS8に進む。
ステップS8において、制御装置38は、もみ洗い工程を実行する。具体的には、制御装置38は、循環ポンプ24を所定の回転速度(例えば、3200rpm、循環流量48L/min)となるように制御して、排水口21(図2参照)から吸い込んだ洗い水を外槽2の開口部に設けられたノズル27a(図6(a)参照)からドラム3の内部に吐出させる。また、制御装置38は、ドラムモータ4を制御してドラム3を、たたき洗い工程時の回転速度よりも低い所定の回転速度(例えば、30rpm)で正逆方向に回転させることにより、ドラム3の内部の衣類をもみ洗いする。所定の時間(例えば、1分間)が経過すると、制御装置38は、もみ洗い工程を終了し、ステップS9に進む。
図13(b)に示すように、第3実施形態では、第2実施形態と同様に、循環ポンプ24の回転速度は、たたき洗い工程およびもみ洗い工程において、従来のドラム式洗濯乾燥機よりも高い3200rpmに設定され、循環流量が48L/minとなるように設定されている。また、第3実施形態では、たたき洗いおよびもみ洗い工程における水位が高水位に設定されている。
第3実施形態によれば、たたき洗い工程の後にもみ洗い工程を実行し、もみ洗い工程におけるドラム3の回転速度を35rpm未満(例えば、30rpm)に設定している。すなわち、ドラム3内の下部において衣類を転がしながら移動させることができ、衣類がドラム3内の上方から落下する際に加わる落下衝撃(機械力)を抑制することができる。また、先に、たたき洗い工程を実行し、その後、もみ洗い工程を実行することで、もみ洗い工程によって起こした繊維を潰してしまうことがないので、たたき洗い工程で発生する衣類のごわつきを低減することができる。また、ドラム3の回転速度を35rpm以上に設定した場合、ドラム3の回転角度を360度未満にすることでも、ドラム3内の衣類落下高さを下げることができ、衣類がドラム3内の上方から落下する際に加わる落下衝撃(機械力)を抑制することができる。このように、第3実施形態によれば、洗い工程中の落下衝撃が抑制され衣類がごわつき難くなる。
一方、機械力が抑制されることにより、洗浄性能が低下するおそれがある。これに対し、循環ポンプ24の回転速度を3200rpm(循環流量を48L/min)に設定することにより、たたき洗いの時間を短くしてもみ洗い工程を追加したとしても、減少した洗浄力を補うことができ、洗浄性能を確保できるようなっている。
以上のように、第3実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sの運転工程によれば、洗浄性能を確保しつつ衣類のごわつきを抑制することができる。
≪第4実施形態の運転工程≫
次に、図14を用いて、第4実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sの運転工程について説明する。図14(a)は、第4実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sにおける洗濯運転(洗い〜すすぎ〜脱水)の運転工程を説明する工程図、(b)は、たたき洗い、もみ洗いにおける各種動作条件を説明する図である。第4実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sの運転工程は、第3実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sのもみ洗い工程(S8)における循環ポンプ24の回転速度を増加させたものである。
図14(a)に示すように、ステップS8において、制御装置38は、もみ洗い工程を実行する。具体的には、制御装置38は、循環ポンプ24を第3実施形態の所定の回転速度よりも高い所定の回転速度(例えば、3500rpm)となるように制御して、循環流量を第3実施形態よりも増加させ(例えば、52L/min)、排水口21(図2参照)から吸い込んだ洗い水を外槽2の開口部に設けられたノズル27a(図6(a)参照)からドラム3の内部に吐出させる。また、制御装置38は、ドラムモータ4を制御してドラム3を、たたき洗い工程時の回転速度よりも低い所定の回転速度(例えば、30rpm)で正逆方向に回転させることにより、ドラム3の内部の衣類をもみ洗いする。所定の時間(例えば、1分間)が経過すると、制御装置38は、もみ洗い工程を終了し、ステップS9に進む。
第4実施形態によれば、第3実施形態の効果に加えて、もみ洗い工程における循環ポンプ24の回転速度を第3実施形態のたたき洗い工程よりも高く設定することにより、低洗剤濃度の洗濯水による洗浄力を補うことができる。
以上のように、第3実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機Sの運転工程によれば、洗浄性能を確保しつつ衣類のごわつきを抑制することができる。
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。例えば、前記した実施形態では、ドラム式洗濯乾燥機を用いて説明したが、乾燥機能を有しないドラム式洗濯機においても同様である。
また、第4実施形態では、第3実施形態のもみ洗い工程における循環流量を増加させた構成として説明したが、もみ洗い工程における循環流量を増加させる構成を第1実施形態や第2実施形態に適用してもよい。また、第2実施形態のすすぎ工程におけるもみすすぎ工程を、第1実施形態、第3実施形態、第4実施形態に適用してもよい。
また、前記した実施形態では、押し洗い工程、たたき洗い工程、もみ洗い工程、もみすすぎ工程において、循環ポンプ24による循環流量を48L/minとした場合を例に挙げて説明したが、さらに高い循環流量とした構成であってもよい。
2 外槽
3 ドラム
4 ドラムモータ
15 給水ユニット(給水手段)
24 循環ポンプ
38 制御装置(運転制御手段)
S ドラム式洗濯乾燥機(ドラム式洗濯機)

Claims (4)

  1. 内部に水を溜める外槽と、
    前記外槽内に回転自在に支持され、衣類が収容されるドラムと、
    前記ドラムを回転駆動するドラムモータと、
    前記外槽内に給水する給水手段と、
    前記外槽から洗濯水を吸い込み、前記ドラム内に向かって散水する循環ポンプと、
    前記ドラムモータ、前記給水手段および前記循環ポンプを制御する運転制御手段と、
    を備えたドラム式洗濯機において、
    前記運転制御手段は
    前記ドラムモータを駆動して前記ドラムを35rpm以上の回転速度で回転させながら前記循環ポンプを駆動して36L/min以上の循環流量の条件で、第1の洗い工程として、当該ドラムの回転により当該ドラム内の下方に溜まった衣類を持ち上げて当該ドラム内の上方から落下させることにより衣類に機械的な力を与える、たたき洗い工程を実行した後
    前記ドラムを35rpm未満の回転速度で回転させながら36L/min以上の循環流量の条件で、第2の洗い工程として、当該ドラムの回転により当該ドラム内の下方に溜まった衣類が当該ドラムの内周壁面を転がりながら、衣類に前記たたき洗い工程よりも弱い機械的な力を与える、もみ洗い工程を実行することを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 前記運転制御手段は、前記たたき洗い工程における循環流量よりも前記もみ洗い工程における循環流量を多くすることを特徴とする請求項1に記載のドラム式洗濯機。
  3. 前記運転制御手段は、前記ドラムを35rpm未満の回転速度で回転させながら36L/min以上の循環流量ですすぎ工程を実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のドラム式洗濯機。
  4. 前記運転制御手段は、前記たたき洗い工程の前に、前記ドラムを60rpm以上の回転速度で回転させながら前記たたき洗い工程における水位よりも少ない水位の条件で、第3の洗い工程として、前記ドラム内の衣類を上方から落下しないように当該ドラムの内周壁面に張り付けるとともに洗剤水を衣類に浸みこませる、押し洗い工程を実行することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
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