次に、本発明の実施形態のドラム式洗濯乾燥機(洗濯乾燥機)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明における前後上下左右の方向は、図1に示す前後上下左右の方向を基準とする。
図1は、本発明に係る洗濯乾燥機を示す外観斜視図である。
図1に示すように、洗濯乾燥機Sは、外郭を構成する筺体1を備えている。この筺体1は、左右の側板1a,1b、前面カバー1c、背面カバー1d(図2参照)、上面カバー1e、前面下カバー1fおよびベース1hによって構成されている。また、筺体1は、左右の側板1a,1bが、コの字型の上補強材(不図示)、前補強材(不図示)、後補強材(不図示)で結合しており、ベース1hを含めて箱形状を呈している。
前面カバー1cの略中央には、洗濯物を出し入れするための投入口を塞ぐドア9が設けられている。また、前面カバー1cの上部中央には、電源スイッチ39、操作スイッチ13,15、表示器14などを備えた操作パネル6が設けられている。この操作パネル6は、筐体1の下部に設けた制御装置60(図2参照)と電気的に接続されている。
図2は、本発明の洗濯乾燥機の筐体の内部構造を概略的に示す側面図である。
図2に示すように、洗濯乾燥機Sは、筐体1と、この筐体1内に防振支持される外槽2と、外槽2内に回転自在に支持される回転ドラム3と、回転ドラム3を回転駆動させるドラムモータ4(図3参照)と、送風ユニット51と、送風ユニット51で生成された風(温風)を回転ドラム3内に吹き出す入口となる吹出口52と、高濃度洗剤液を回転ドラム3内に供給する第1高濃度洗剤液供給手段53と、吹出口52の上流側に高濃度洗剤液を供給する第2高濃度洗剤液供給手段(高濃度洗剤液供給手段)54と、吹出口52の上流側に水道水を供給する水道水供給手段55(図7参照)と、制御装置60と、を備えて構成されている。なお、高濃度洗剤液とは、洗い工程における洗剤液の濃度よりも高い濃度(例えば、8倍)の洗剤液を意味している。
外槽2は、円筒形状を呈し、回転ドラム3を同軸上に内包し、前面が開口している。前面の開口部には、外槽2内への貯水を可能にする外槽カバー2dが設けられている。また、外槽2の下側は、ベース1hに固定されたダンパ5で防振支持されている。また、外槽2(外槽カバー2d)の開口部には、ゴム製のベローズ10が設けられ、ドア9を閉じることで外槽2を水封する。
回転ドラム3は、回転可能に支持された円筒状の洗濯兼脱水槽であり、その外周壁および底壁に通水および通風のための多数の貫通孔(図示省略)を有し、前側端面には、洗濯物を出し入れするための開口部3aが設けられている。開口部3aの外周側には、回転ドラム3と一体に回転する流体バランサ3cが設けられている。また、回転ドラム3の内周壁には、洗濯物を持ち上げるリフタ3bが設けられている。また、回転ドラム3の回転中心軸は、水平又は開口部3a側が高くなるように傾斜している。
送風ユニット51は、送風機51a、ヒータ51bを備えて構成され、筺体1内の補強材(不図示)に固定されている。送風機51aは、駆動用のモータ24a(ファンモータ)、ファン羽根車24b(図10参照)、ファンケース24cで構成されている。ファンケース24cにはヒータ51bが内蔵されており、ファン羽根車24bから送られる空気を加熱する。ヒータ51bは、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータなどで構成されている。
送風ユニット51の吐出口51cは温風ダクト26に接続されている。温風ダクト26は、ゴム製の蛇腹管27に接続され、蛇腹管27が蛇腹管継手28を介して外槽カバー2dに設けた吹出口52に接続されている。
第1高濃度洗剤液供給手段53は、第1循環ポンプ53aと、この第1循環ポンプ53aによって汲み上げられた高濃度洗剤液を回転ドラム3内にシャワー状に供給する蛇腹ホース53b1および供給流路53b2(一部図示省略)と、を備えて構成されている。
第2高濃度洗剤液供給手段54は、第2循環ポンプ54aと、この第2循環ポンプ54aによって汲み上げられた高濃度洗剤液を吹出口52の上流側に供給する供給管54bと、を備えて構成されている。第2循環ポンプ54aは、第1循環ポンプ53aよりも低流量の高濃度洗剤液を汲み上げるものである。供給管54bは、供給管53bよりも小径の流路によって構成されている。
筐体1の背面内側には、乾燥ダクト29が配置されている。この乾燥ダクト29は、外槽2の後部に設けた吸気口にゴム製の蛇腹ホース29aを介して接続されている。乾燥ダクト29内には、公知の水冷除湿機構(図示せず)が内蔵されている。なお、ヒータ、水冷除湿機構の代わりにヒートポンプを用いてもよい。
排水ホース19は、第1循環ポンプ53aの出水ポートにその一端が接続され、その他端側が機外に延出している。また、排水ホース19には、機内での延在途中に排水弁25が設けられている。
図3は、本発明の洗濯乾燥機の筐体の内部構造を概略的に示す背面図である。
図3に示すように、外槽2の側面後部には、外槽2内へ水や洗剤類を供給する給水口2aが設けられている。給水口2aは、洗剤トレイ7(図1参照)と、ゴム製の蛇腹ホース17で接続されている。
ドラムモータ4は、外槽2の後側端面の外側中央に取り付けられている。ドラムモータ4の回転軸は、外槽2を貫通し、回転ドラム3と結合している。
外槽2の上側後部には、給水電磁弁11、風呂水吸水ポンプ12、水位センサ34(図7参照)等の給水関連部品が設けられている。上面カバー1eには、水道栓からの給水ホース接続口11a、風呂の残り湯の吸水ホース接続口12aが設けられている。水位センサ34(図7参照)は、外槽2内の水位を検出するものであり、外槽2の後部端面の最下部に設けられ、公知のエアトラップ(不図示)やチューブ(不図示)によって構成されている。
給水電磁弁11は、主給水電磁弁11b、仕上剤給水電磁弁11c、冷却水給水電磁弁11d、ミスト給水電磁弁11eなどを備えている。
主給水電磁弁11bは、給水ホース接続口11aからの水道水を、洗剤トレイ7(図1参照)の洗剤投入室(図示せず)に通して、外槽2に給水する。洗剤投入室に給水された水道水は、投入された洗剤とともに、蛇腹ホース17を介して、外槽2内に注水される。
仕上剤給水電磁弁11cは、給水ホース接続口11aからの水道水を、図示しない給水経路を通って、洗剤トレイ7(図1参照)の仕上剤投入室(図示せず)に給水する。仕上剤投入室に注水された水道水は、投入された仕上剤(ソフナー)とともに、蛇腹ホース17を介して、外槽2内に注水される。
冷却水給水電磁弁11dは、給水ホース接続口11aからの水道水を、図示しない給水経路を通って、乾燥ダクト29の水冷除湿機構(図示せず)に給水する。
ミスト給水電磁弁11eは、給水ホース接続口11aからの水道水を、給水管55a(図7参照)を通って、吹出口52(図2参照)の上流側に給水する。
図4は、洗濯乾燥機の第1循環ポンプおよび周辺流路を示す斜視図、図5は、第1循環ポンプおよび第2循環ポンプを上方から見たときの平面図、図6は、洗濯乾燥機の循環流路を外槽カバーの裏側から見たときの斜視図である。なお、図4および図6では、第2循環ポンプ54aおよび供給管54bの図示を省略している。
図4に示すように、第1循環ポンプ53aは、フィルタケース23と一体に形成されるケーシング42と、循環ポンプモータ47とを備えて構成されている。ケーシング42には、吐出ポート44,45、入水ポート23a(図5参照)および出水ポート23b(図5参照)が形成されている。
吐出ポート45は、蛇腹ホース40を介して継手18aに接続されている。この継手18aは、外槽2の底部の窪み部2fに臨むように形成された流入口18に設けられている。
図5に示すように、第1循環ポンプ53aは、フィルタケース23とケーシング42とを繋ぐ略円形の吸込みポート43を備えている。この吸込みポート43は、第1循環ポンプ53aの羽根車46と同軸に形成されている。
第2循環ポンプ54aは、フィルタケース23の吸込みポート43とは反対側に略円形の吸込みポート54cを介して接続されている。また、第2循環ポンプ54aには、供給管54bが接続され、供給管54bの端部が温風ダクト26(図7参照)と接続されている。
図6に示すように、吐出ポート44は、蛇腹ホース53b1(53b)を介して外槽カバー2dの内側周壁に設けられた循環流路53b2(53b)に繋がっている。なお、この蛇腹ホース53b1および循環流路53b2は、外槽2の底部から外槽2の上部へ至る循環路を構成している。循環流路53b2は、外槽カバー2dの開口部2d1の縁部に設けられたノズル53cに接続されている。ノズル53cは、周方向に沿ってスリット状に形成され、回転ドラム3内に洗濯水を薄膜状に供給する。
排水弁25(図2参照)を閉じた状態で第1循環ポンプ53aの循環ポンプモータ47が正回転すると、外槽2内の洗濯水は排水口21(図2参照)から蛇腹ホース22(図4参照)を通り、フィルタケース23(図4参照)内のフィルタ(図示省略)で異物が除去される。その後、洗濯水は、第1循環ポンプ53aに入って吐出ポート44から吐出され、循環流路53b2に送り込まれた後に、ノズル(不図示)から回転ドラム3(図1参照)内に散水される。
また、第1循環ポンプ53aの循環ポンプモータ47が逆回転すると、外槽2内の洗濯水は排水口21(図2参照)から蛇腹ホース22を通り、フィルタケース23内のフィルタ(図示省略)で異物が除去される。その後、洗濯水は、第1循環ポンプ53aに入り、吐出ポート45から吐出され、蛇腹ホース40および継手18aを介して外槽2内に戻る。なお、本実施形態では、第1循環ポンプ53a、蛇腹ホース22,40によって、高濃度洗剤液生成手段が構成されている。
図7は、本発明の洗濯乾燥機の筐体の内部構造を示す上面図である。なお、図7では、右側半分において内部構造を図示し、左側半分において上方から透視した状態を図示している。
図7に示すように、水道水供給手段55は、水道水を吹出口52(図2参照)の上流に供給するものであり、給水管55aを備えている。給水管55aは、上流側の一端が給水電磁弁11のミスト給水電磁弁11e(図3参照)に接続され、他端が送風ユニット51の下流側の温風ダクト26に接続されている。
また、第2高濃度洗剤液供給手段54の供給管54bは、外槽カバー2dの前方を、下部から上方に向けて延び、送風ユニット51の下流側の温風ダクト26に接続されている。
図8は、外槽カバーと送風ユニットとの接続状態を示す正面図である。なお、図8は、外槽カバー2dと送風ユニット51とが接続された状態を図示している。
図8に示すように、外槽カバー2dには、蛇腹管継手28が一体に形成されている。この蛇腹管継手28は、外槽カバー2dの前面側には、蛇腹管27が接続される接続口28aが形成されている。この接続口28aは、外槽カバー2dの径方向の外側(右斜め上側)を向いている。
吹出口52は、外槽カバー2dの開口部2d1の縁に形成されるとともに、外槽カバー2dの径方向の中心に向いている。
蛇腹管27は、鉛直方向に向けて延び、下端が接続口28aと接続され、上端が温風ダクト26と接続されている。
温風ダクト26は、蛇腹管27の上端から後方に向きを変えて延在し、送風ユニット51と接続されている。送風ユニット51の上流側には、乾燥運転時の埃などを除去する乾燥フィルタユニット56が設けられている。
図9は、温風ダクトを示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)は(c)のB−B線断面図である。なお、図8は、上流側の送風ユニット51と下流側の蛇腹管27を取り外した温風ダクト26の単体を図示している。
図9(a),(b)に示すように、温風ダクト26は、内部に風路を有するダクト部26aと、送風ユニット51(図1参照)の出口が接続される接続開口26bと、蛇腹管27が接続される接続開口26cとを備えている。接続開口26bは、開口が略楕円形状(扁平形状)であり、接続開口26cは、開口が円形状である。
また、温風ダクト26は、第2高濃度洗剤液供給手段54の供給管54bが接続される接続部26dと、水道水供給手段55の給水管55aが接続される接続部26e、が互いに近傍において突出して形成されている。接続部26dと接続部26eは、側方に向けて突出する管形状であり、かつ、互いに平行に配置されている。このように、接続部26d,26eを側方(左方向)に向けて突出させることにより、上方に位置する乾燥フィルタユニット56の風路が阻害されるのを防止できる。
図9(c)に示すように、接続部26d,26eの先端には、ダクト部26a内の流路Q内に突出するノズル26d1,26e1が形成されている。また、ノズル26d1の先端の周面(側面)には、高濃度洗剤液が吐出される供給口26d2が形成されている。ノズル26e1の先端の周面(側面)には、水道水が吐出される供給口26e2が形成されている。供給口26d2の開口面積は、供給口26e2の開口面積よりも大きく形成され、換言すると、水道水の供給量よりも高濃度洗剤液の供給量が多くなるように構成されている。
図9(d)に示すように、ノズル26e1は、ノズル26d1よりも風の流れの上流側に位置している。すなわち、水道水の供給口26e2は、高濃度洗剤液の供給口26d2よりも上流側に位置している。また、供給口26d2,26e2は、風の流れの下流側を向いている。つまり、供給口26d1,26e1は、送風ユニット51からの風(空気)が供給されてくる側とは略反対側を向いている。これにより、風の圧力によって、供給口26d2からの高濃度洗剤液の供給が阻害されるのを防止でき、同様に風の圧力によって、供給口26e2からの水道水の供給が阻害されるのを防止できる。
図10は、図8のA−A線断面図である。
図10に示すように、送風ユニット51を駆動すると、モータ24aによってファン羽根車24bが回転し、高速の風が生成される。高速の風は、温風ダクト26、蛇腹管27および蛇腹管継手28を通って、吹出口52から吹き出す。送風ユニット51と同時に第2循環ポンプ54a(図2参照)を駆動すると、外槽2の底で生成された高濃度洗剤液が供給管54b(図2、図5参照)を通して汲み上げられ、供給口26d2から温風ダクト26内の流路Qに供給される。供給口26d2から供給された高濃度洗剤液は、送風ユニット51から供給される高速の風と接触することで、高濃度洗剤液がミスト化する。ミスト化された高濃度洗剤液は、温風ダクト26、蛇腹管27、蛇腹管継手28を通って、吹出口52から回転ドラム3内に吹き出す。
そして、高速の風とともに回転ドラム3内に拡散し、洗濯物に付着し、洗濯物に高濃度洗剤液を略均一に浸透させることができる。高濃度洗剤液の量は、効率よくミスト化し、洗濯物に均一に行き渡らせるために、風量,風速に応じて設定することが好ましい。例えば、風量が毎分1.5m3で、風速が100m/sの場合は、0.05〜3.0L/min程度が好ましい。
また、高濃度洗剤液の供給口26d2から供給が終了すると、第2循環ポンプ54aを停止する。そして、ミスト給水電磁弁11eを開弁することにおり、水道水が給水管55a(図7参照)を通して流れ、供給口26e2から供給される。供給口26e2から供給された水道水は、送風ユニット51から供給される高速の風と接触することで、水道水がミスト化する。ミスト化された水道水は、温風ダクト26、蛇腹管27、蛇腹管継手28を通って、吹出口52までの流路Qの壁面に付着した高濃度洗剤液を洗浄する。このとき、水道水の供給口26e2が高濃度洗剤液の供給口26d2よりも上流側に位置しているので、高濃度洗剤液が付着する流路の全体を洗浄することが可能になる。
図11は、温風ダクトの変形例を示す下面図である。
図11に示すように、温風ダクト26Aは、高濃度洗剤液が供給される供給管54b(図2および図7参照)が接続される接続部26fと、水道水が供給される給水管55a(図7参照)が接続される接続部26gと、が合流する合流部26hを備えている。この合流部26hは、1本の流路からなるノズル26iとなって、ノズル26iがダクト部26aの流路Q内に突出しるように構成されている。また、ノズル26iの先端の周面(側面)には、供給口26i1が形成されている。また、供給口26i1は、風の流れの下流側を向けて形成されることで、風の圧力によって、高濃度洗剤液や水道水の供給が阻害されるのを防止している。
このように、高濃度洗剤液と水道水を共通のノズル26iによって構成することで、風の流れが阻害されるのをノズルを別々に設ける場合よりも低減できる。また、共通のノズル26iによって、高濃度洗剤液を供給した後に水道水を供給することで、ノズル26gの先端に付着した高濃度洗剤液を洗浄することができ、高濃度洗剤液の供給後にノズル26iの先端から高濃度洗剤液が垂れ落ちるのを防ぐことが可能になる。
また、第2高濃度洗剤液供給手段54(高濃度洗剤液供給手段)の供給管54bと、水道水供給手段55の供給管55aとを、筺体1の側に固定された温風ダクトに接続することで、供給管54b,55aを可動部に設けるよりも、組立性を向上でき、運転時の摩耗を少なくでき品質的にも有利となる。
図12は、本発明に係る洗濯乾燥機の制御装置のブロック図である。
図12に示すように、制御装置60は、マイクロコンピュータ50、駆動回路64等を備えるとともに、操作スイッチ13,15のオンオフ信号や各種センサからの出力信号の入力回路65等も備える。また、制御装置60は、マイクロコンピュータ50を介して、使用者の操作や、洗濯工程(洗い工程、すすぎ工程、脱水工程)、乾燥工程での各種情報信号を取得する。また、制御装置60は、マイクロコンピュータ50が駆動回路64を介して、ドラムモータ4の回転、給水電磁弁11や排水弁25の開閉、第1循環ポンプ53aや第2循環ポンプ54aの回転、送風ユニット51のモータ24aの回転やヒータ51bの通電のON・OFFを制御する。また、制御装置60は、使用者に洗濯乾燥機Sに関する情報を知らせるために、表示器14、発光素子66やブザー67を制御する。
制御装置60は、電源スイッチ39が押されて電源が投入されると起動し、図13に示すような洗濯および乾燥の基本的な制御処理プログラムを実行する。図13は、本発明に係る洗濯乾燥機の動作を示すフローチャートである。
図13に示すように、ステップS100において、制御装置60は、洗濯乾燥機の状態確認および初期設定を行う。
ステップS110において、制御装置60は、操作パネル6(図1参照)の表示器14(図1参照)を点灯表示し、操作スイッチ13(図1参照)からの指示入力に従って洗濯コースを設定する。指示入力がない状態では、標準の洗濯コースまたは前回実施の洗濯コースを自動的に設定する。
ステップS120において、制御装置60は、操作パネル6の操作スイッチ(スタートスイッチ)15がONされたかどうかを判定し、スタートスイッチがONされた場合には(Yes)、ステップS130に進み、スタートスイッチがONされていない場合には(No)、スタートスイッチの指示入力を監視する。また、制御装置60は、スタートスイッチがONされると、入力された運転コースに基づいて、運転パターンデータベースから対応する運転パターンを読み込み、ステップS130に進む。
ステップS130において、制御装置60は、回転ドラム3に投入された洗濯物の重量(布量)を検出する。この布量の検出は、洗い水を給水する前の乾布状態において、回転ドラム3を一方向に回転させたときに、規定の回転速度から他の規定の回転速度まで増速する間のドラムモータ4の駆動電流積算値に基づいて行われる。そして、制御装置60は、検出した布量、図示しない硬度センサによる水の電導度(硬度)、温度センサ62(図12参照)による水温などに基づいて、マップ検索により、投入する洗剤量と運転時間と回転ドラムの回転速度を決定する。そして、制御装置60は、求めた洗剤量や運転時間を操作パネル6の表示器14に表示する。
ステップS140において、制御装置60は、高濃度洗剤液生成工程を実行する。使用者は、洗剤トレイ7を引き出し、表示器14に表示された洗剤量の粉末洗剤を洗剤トレイ7へ投入する。制御装置60は、使用者が洗剤を洗剤トレイ7へ入れるのに必要な時間(例えば1分間)待機した後、給水電磁弁11の主給水電磁弁11bを開き、洗剤トレイ7へ供給する。粉末洗剤は、給水の水と共に蛇腹ホース17を通り、外槽2の給水口2aから外槽2の窪み部2fに流下する。
そして、給水口2aからの水は、外槽2の内周面に沿って流れるため、水や洗剤が回転ドラム3内に流れ込むことはない。これにより、未溶解の粉末洗剤が直接洗濯物に触れることによる色落ちや色むらの発生を防止できる。
また、洗剤が液体洗剤の場合は、主給水電磁弁11bが開く前に高濃度の液体洗剤が外槽2内に流下するのを防ぐために、洗剤トレイ7に液体洗剤用の部屋を設け、ここに一旦溜めておき、主給水電磁弁11bからの給水で希釈しながら外槽2へ供給される。
そして、制御装置60は、洗剤溶かし水位まで給水したら給水を停止する。給水量は、洗剤量(布量)に応じて制御され、例えば、洗い工程における水位よりも低く設定される。給水量の制御は、水位センサ34により行う。この水量は、例えば、洗剤濃度が最大で10倍となるように設定している。ここで、洗剤濃度は洗剤メーカの指定標準濃度(一般の粉末合成洗剤では水30リットルに洗剤20グラムを溶かしたときの濃度)を1倍と定義している。
そして、制御装置60は、循環ポンプモータ47に通電し、第1循環ポンプ53aを逆回転させ洗剤溶かしを実行する。外槽2の底部及び窪み部2fに溜まっている水と洗剤は、排水口21から蛇腹ホース22、フィルタケース23を通り吸入口からケーシング42内に入る。そして、吐出ポート45からはき出され、蛇腹ホース40を通り流入口18から窪み部2fに戻るように循環する。洗剤は、第1循環ポンプ53aのランナーの羽根で攪拌されることで溶解が進み、高濃度洗剤液が生成される。洗剤溶かしの時間は、例えば、10秒に設定される。
ステップS150において、制御装置60は、高濃度洗剤液のシャワー散布を実行する(第1循環工程)。すなわち、制御装置60は、第1循環ポンプ53aを正回転させるこで、外槽2の底部及び窪み部2fに溜まっている高濃度洗剤液が、排水口21から蛇腹ホース22とフィルタケース23を通り吸入口からケーシング42内に入る。そして、吐出ポート44からはき出され、蛇腹ホース53b1および循環流路53b2を通り、ノズル53cから回転ドラム3内に供給される。例えば、高濃度洗剤液を10リットル生成した場合、10リットルのうち7リットルを所定時間(例えば、2〜3秒)かけて供給する。
ステップS160において、制御装置60は、高濃度洗剤液のミスト散布を実行する(第2循環工程)。すなわち、制御装置60は、第2循環ポンプ54aを駆動することで、外槽2の底部及び窪み部2fに残っている高濃度洗剤液が、供給管54bを通り、吹出口52の上流側の温風ダクト26に供給される。このとき、送風ユニット51(ファンモータ24aおよびヒータ51b)を通電して、温風ダクト26に温風を供給することで、供給口26e1から供給された高濃度洗剤液に、送風ユニット51からの温風が接触することで、高濃度洗剤液がミスト化する。例えば、高濃度洗剤液を10リットル生成した場合、残りの3リットルをミスト状にして供給する。
このように高濃度洗剤液を温風によってミスト化して、温度の高い高濃度洗剤液のミストを洗濯物に振り掛けることで、洗濯物の洗浄力を向上できる。また、温風を利用することで、洗剤を水道水に効果的に混ぜることができる。なお、必ずしも温風に限定されるものではなく、ヒータ51bをOFFした状態で、加熱しない風を当ててミスト化するようにしてもよい。
ステップS170において、制御装置60は、外槽2内に給水するとともに洗剤流路を洗浄する。すなわち、制御装置60は、主給水電磁弁11bを開弁して、洗い工程に必要な水位となるまで給水する。また、制御装置60は、同時にミスト給水電磁弁11eを開弁して、供給管54bを介して、温風ダクト26に形成されたノズル26e1の供給口26e2から供給する。また、制御装置60は、送風ユニット51を駆動して、加熱された高速の風(温風)を温風ダクト26、蛇腹管27および蛇腹管継手28を介して吹出口52から回転ドラム3内に供給する。これにより、水道水が高速の風(温風)と衝突することによって、水道水がミスト化する。
ミスト化した水道水は、温風ダクト26の内壁面、蛇腹管27の内壁面および蛇腹管継手28の内壁面に付着した洗剤液を洗浄した後に、吹出口52から排出される。これにより、吹出口52から高濃度洗剤液をミスト状に供給して洗濯工程(洗い、すすぎ、脱水)を行った後に乾燥工程を行ったとしても、洗剤が洗剤流路(風路)に付着し、それに伴うカビの発生等を防止でき、風路を清潔で衛生的な状態に保つことが可能になる。
また、洗濯乾燥機Sでは、水道水の供給口26e1を、高濃度洗剤液(ミスト)の供給口26e1よりも風の流れの上流側に設けることで、洗剤液が付着する風路の壁面全体を洗浄することができる。
このように水道水を温風によってミスト化して洗剤流路(風路)を洗浄することで、洗剤の汚れを落とす洗浄力を向上できる。なお、必ずしも温風に限定されるものではなく、ヒータ51bをOFFした状態で、加熱しない風を当ててミスト化するようにしてもよい。
なお、水道水で洗剤液を洗浄する場合、水道水をミスト化して洗浄する構成に限定されるものではなく、水道水をミスト化して供給する構成と、水道水をミスト化しないで(送風ユニット51をOFF)液状で供給する構成とを組み合わせてもよい。例えば、先にミスト化した水道水を供給した後に、液状の水道水を供給して、洗剤流路(風路)の壁面を洗い流すようにしてもよい。
ステップS180において、制御装置60は、洗い工程を実行する。この洗い工程は、前洗いを実行し、回転ドラム3を正逆回転(毎分35回転から45回転)させながら、循環ポンプモータ47を通電して第1循環ポンプ53aを正回転することによって外槽2の底部の洗い水をノズル53cから洗濯物上に降り掛ける。洗濯物は、回転ドラム3の内周壁面に設けられたリフタ3bで持ち上げられ、落下する運動を繰り返す。回転ドラム3の回転と第1循環ポンプ53aの運転を間欠的に行い、回転ドラム3と第1循環ポンプ53aの停止期間中に水位センサ34の検出信号を参照しながら給水電磁弁11を開いて水位が設定水位を越えないように補給水を実行する。この運転を複数回繰り返すことによって洗濯物にむらなく洗い水を染み込ませるように行う。
第1回目の回転ドラム3の正逆回転時には、洗剤濃度が約10倍の洗い水が洗濯物に降り掛かって該洗濯物内に浸透していく。高濃度の洗い水は、ノズル53cから薄い膜状に広がりながら散布されるため、洗剤の浸透作用で洗濯物にむらなく浸透する。洗濯物が多い場合、ノズル53cからの洗い水は回転ドラム3の外周に近い部分の洗濯物へ行き渡りにくいが、ステップS180の高濃度洗剤液の散布中に回転ドラム3を回転させることで、回転ドラム3の外周側から洗濯物に洗い水が浸透するため、洗濯物全体に洗い水が浸透する。また、洗濯物に浸透した高濃度の洗い水中にはミセルが多く含まれているため、油汚れを溶解し、洗濯物から汚れを浮き上がらせる効果が非常に大きく、高い洗浄力が得られる。
また、第1循環ポンプ53aの回転速度を増減させて流量を変化させることで、シャワーの到達距離を変化させ、洗濯物により均一に散布することができる。すなわち、回転速度を遅くして流量を少なくすると、シャワーを回転ドラム3の手前側にある洗濯物に散布でき、回転速度を速くして流量を増やすと、シャワーを回転ドラム3の奥側にある洗濯物に散布できる。
また、制御装置60は、洗い工程において、本洗いを実行する。すなわち、回転ドラム3を正逆回転(毎分35回転から45回転)させながら第1循環ポンプ53aを正回転させて外槽2の底部に溜まった洗い水をノズル53cから洗濯物に降り掛ける。最後に、第1循環ポンプ53aの運転を停止して洗い水の循環を止め、回転ドラム3を短周期で正逆回転させながら、洗濯物をほぐす運転を実行し、本洗いを終了する。
ステップS190において、制御装置60は、排水・脱水工程を実行する。先ず、排水弁25を開き、外槽2内の水を排水し、排水が完了したことを水位センサ34で検知した後に、回転ドラム3を一方向に回転させて洗濯物に含まれている洗い水を遠心脱水する。
ステップS200において、制御装置60は、主給水電磁弁11bを開き、給水口2aから設定水位になるまで外槽2の底部に給水する。
ステップS210において、制御装置60は、すすぎ工程を実行する。本洗いと同様に、回転ドラム3を正逆回転(毎分35回転から45回転)させながら、第1循環ポンプ53aを正回転して、外槽2の底部に溜まったすすぎ水をノズル53cから洗濯物に振り掛けるように循環し、すすぎを実行する。
そして、回転ドラム3の回転と第1循環ポンプ53aの運転を停止した状態で外槽2の底部に溜まるすすぎ水の水位を水位センサ34で検出しながら水位が設定水位を越えないように補給水を行う。ノズル53cから出るすすぎ水は、薄膜状となって洗濯物に散布されるため、洗濯物にむらなく掛かり、洗濯物に含まれる洗剤成分を効率よく希釈でき、すすぎ性能を高くできる。その後、第1循環ポンプ53aを停止してすすぎ水の循環を止めた状態で、回転ドラム3を短周期で正逆回転させ、ほぐし運転を行う。
また、第2回目の溜めすすぎを実行する。この第2回目の溜めすすぎは、仕上剤給水電磁弁11cを開いて洗剤トレイ7の柔軟仕上げ剤投入室に給水することによって、柔軟仕上げ剤投入室内の柔軟仕上げ剤を外槽2の底部に導入する制御を付加する。それ以外の動作は、第1回目の溜めすすぎと同様に行う。
ステップS220において、制御装置60は、排水・脱水工程(最終脱水)を実行する。最終脱水は、排水弁25を開放したままの状態で回転ドラム3を一方向に高速回転させるようにドラムモータ4を運転して、回転ドラム3内の洗濯物を遠心脱水するように行う。この最終脱水の運転時間は、所望の脱水率が得られる時間に設定する。
ステップS230において、制御装置60は、洗濯乾燥コースが設定されているかどうかを判定して、洗濯乾燥コースが設定されている場合には(Yes)、ステップS240に進み、洗濯乾燥コースが設定されていない場合には(No)、処理を終了する。
洗濯乾燥コースが設定されている場合、ステップS240において、制御装置60は、乾燥工程を実行する。この乾燥工程は、排水弁25を開放したままの状態として、洗濯工程と同様に、回転ドラム3を正逆回転させながら、乾燥ダクト29の途中に設けた送風ユニット51を運転することによって外槽2内の空気を乾燥ダクト29内に吸い出し、この乾燥ダクト29内を通過するときに該乾燥ダクト29内に設置した水冷除湿機構から流れ落ちる冷却水(冷却水給水電磁弁11dを開弁して供給する)に触れさせて冷却除湿した後にリントフィルタ8(図7参照)を通して糸屑を捕集し、ヒータ51bによって空気(風)を加熱した後に温風の吹出口52から回転ドラム3内に吹き込む。乾燥工程は、温度センサにより温風の温度を監視しながら、温度変化の割合が所定の値になったときに終了する。
ところで、第1高濃度洗剤液供給手段53(高濃度洗剤液をシャワー散布するもの)のみを備えた洗濯乾燥機では、洗浄力を向上するために、第1循環ポンプ53aから回転ドラム3までの経路が太く形成されており、高濃度洗剤液を長い時間散布できず、高濃度洗剤液が洗濯物全体に浸み渡らない。また、第1循環ポンプ53aからシャワーの出口(ノズル53c)までの経路には高濃度洗剤液が残ってしまうため、生成した高濃度洗剤液のすべてを利用することができない。また、第2高濃度洗剤液供給手段54(高濃度洗剤液をミスト散布するもの)のみを備えた洗濯乾燥機では、循環流量が少ないと、洗濯物に吹き付け終わるまでに時間がかかる。逆に、運転時間を短縮するために、循環流量を多くすると、洗剤液が風と当たったときにミスト化しづらくなる。そこで、洗濯乾燥機Sでは、第1高濃度洗剤液供給手段53によって回転ドラム3内に高濃度洗剤液を供給する第1循環工程(S150)と、送風ユニット51から吹出口52に向けて高速の風を供給しつつ第2高濃度洗剤液供給手段54によって吹出口52の上流側に高濃度洗剤液を供給する第2循環工程(S160)を含む構成となっている。第2高濃度洗剤液供給手段によって、洗濯物全体に高濃度洗剤液を浸み渡らせることができるので洗浄力を向上させることができ、しかも第1高濃度洗剤液供給手段と第2高濃度洗剤液供給手段とを併用することで、運転時間の短縮を図ることが可能になる。
また、洗濯乾燥機Sでは、制御装置60が、第1循環工程を、第2循環工程の前に実行するように制御する。これによれば、運転時間をさらに短縮することが可能になる。つまり、第2循環工程を先に実行すると、第1循環工程を実行する際に外槽2の底に溜めた高濃度洗剤液の量が第1循環工程を先に行う場合と比べて少なくなるため、第1循環ポンプ53aの汲み上げに必要な量が増え、洗剤液の散布に時間がかかるようになる。
また、洗濯乾燥機Sでは、第1循環工程は、第2循環工程よりも、時間当たりの前記高濃度洗剤液の供給量が多くなるように構成されている。これによれば、第1循環工程の後に第2循環工程が実行された場合、第1循環工程で汲み上げることができなかった高濃度洗剤液を汲み上げることができ、より少ない量の高濃度洗剤液で洗濯物全体に浸透させることができる。
図14は、本発明に係る洗濯乾燥機の他の動作を示すフローチャートである。なお、図13のフローチャートと同様の処理については、同一のステップ符号を付して、重複した説明を省略する。
図14に示すように、制御装置60は、第1循環工程(S150)による高濃度洗剤液の散布処理を開始した後、ステップS151に進み、外槽2の水位が、第1所定水位以下であるか否かを判定する。つまり、第1循環ポンプ53aを回しても、第1循環ポンプ53aからノズル53cまでの配管分の高濃度洗剤液が残ってしまい、この中の洗剤液を無理矢理に回転ドラム3内に出そうとすると、空気と洗剤液とが混ざって、エアロックして、発泡の原因となる。第1所定水位は、このようなエアロックを防止するために設定される水位である。
ステップS151において、制御装置60は、外槽2の水位が第1所定水位以下であるか否かを判定し、第1所定水位以下でないと判定した場合には(No)、ステップS151の処理を繰り返し、第1所定水位以下であると判定した場合には(Yes)、ステップS160に進み、高濃度洗剤液のミスト散布を実行する。
ステップS161において、制御装置60は、外槽2の水位が第2所定水位以上であるか否かを判定する。なお、第2所定水位は、第1所定水位よりも高く設定され、高濃度洗剤液生成工程における水位(洗剤溶かし時の水位)よりも低く設定される。ステップS161において、制御装置60は、外槽2の水位が第2所定水位以上でないと判定した場合には(No)、ステップS162に進み、第2所定水位以上であると判定した場合には(Yes)、ステップS163に進む。
ステップS162において、制御装置60は、所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定した場合には(Yes)、ステップS170に進み、所定時間が経過していないと判定した場合には(No)、ステップS161に戻る。なお、所定時間は、事前の試験等に基づいて設定される。
例えば、第2循環工程において高濃度洗剤液の循環を繰り返しているときに、洗濯物から洗剤液が浸み出すことで、徐々に水位が上がる現象が発生する。化繊であれば、含水量は少ないので、このような現象は起こり難いが、バスタオルなどの繊維は、水が浸み出て、第2循環ポンプ54aが水を吐き出すよりも沢山出ることがある。
ステップS163において、制御装置60は、高濃度洗剤液のシャワー散布を実行する(第1循環工程)。
ステップS164において、制御装置60は、高濃度洗剤液のシャワー散布が所定時間経過したか否かを判定する。なお、所定時間は、事前の実験等に基づいて決定される。制御装置60は、所定時間が経過していないと判定した場合には(S164、No)、ステップ163の処理を繰り返し、所定時間が経過したと判定した場合には(S164、Yes)、ステップS170に進む。
このような洗濯乾燥機Sでは、制御装置60が、第1循環工程(S150)を実行中、外槽2の水位が第1所定水位より低いと判定した場合(S151,Yes)、第2循環工程(S160)に移行するように制御する。これによれば、前記したように、エアロックを防止して、高濃度洗剤液が発泡するのを防止することが可能になる。
また、洗濯乾燥機Sでは、制御装置60が、第2循環工程(S160)を実行中、外槽2の水位が第1所定水位よりも高い第2所定水位と判定した場合、第1循環工程(S163)に移行するように制御する。これによれば、洗い工程前に、高濃度洗剤液を洗濯物に十分に振り掛けることができ、洗濯物の洗浄力を向上できる。
図15は、本発明に係る洗濯乾燥機のさらに他の動作を示すフローチャートである。
図15に示す実施形態は、図13の実施形態のステップS150およびS160に替えて、ステップS155とした構成である。
ステップS155において、制御装置60は、高濃度洗剤液のシャワー散布(第1循環工程)と、高濃度洗剤液のミスト散布(第2循環工程)と、を同時に実行する。すなわち、制御装置60は、第1循環ポンプ53aと第2循環ポンプ54aを同時に駆動することで、ノズル53cからシャワー状の高濃度洗剤液が洗濯物に散布されるとともに、吹出口52からミスト状の高濃度洗剤液が洗濯物に散布される。
このように、洗濯乾燥機Sでは、第1循環工程と第2循環工程とを同時に行うことにより、第1循環工程を第2循環工程より前に行う場合よりも、運転時間の短縮が可能になる。
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。例えば、前記した実施形態では、ドラム式の洗濯乾燥機Sを例に挙げて説明したが、縦型の洗濯乾燥機にも適用できる。また、乾燥機能を備えた洗濯乾燥機を用いて説明したが、乾燥機能を有しないドラム式洗濯機にも適用可能である。
なお、高濃度洗剤液生成手段としては、外槽2の底で水道水と洗剤とを攪拌して生成する場合を例に挙げて説明したが、このような構成に限定されるものではなく、洗剤トレイ7において、高濃度洗剤液を生成する構成であってもよく、適宜変更することができる。
また、高濃度洗剤液のミスト散布(S160)実行時に、水道水供給手段55によって水道水を同時に供給してもよい。これにより、高濃度洗剤液の濃度調整を行うことができ、洗剤液の濃度を薄めて、洗剤による染みを防止することが可能になる。