JP6507642B2 - ナトリウム溶融塩電池用電極およびナトリウム溶融塩電池 - Google Patents

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Description

本発明は、ナトリウムイオン伝導性を有する電解質を含むナトリウム溶融塩電池に関し、特にナトリウム溶融塩電池の電極に使用されるバインダの改良に関する。
近年、太陽光、風力などの自然エネルギーを電気エネルギーに変換する技術が注目を集めている。また、多くの電気エネルギーを蓄えることができる高エネルギー密度の電池として、非水電解質二次電池の需要が拡大している。非水電解質二次電池の中では、リチウムイオン二次電池が、軽量かつ高い起電力を有する点で有望である。しかし、リチウムイオン二次電池は、有機溶媒を電解質成分として用いるため、耐熱性が低いという欠点がある。また、非水電解質二次電池の市場の拡大に伴い、リチウム資源の価格も上昇しつつある。
そこで、難燃性の溶融塩を電解質として用いる溶融塩電池の開発が進められている。溶融塩は、熱安定性に優れており、安全性の確保が比較的容易であり、かつ、高温域での継続的使用にも適している。また、溶融塩電池は、リチウム以外の安価なアルカリ金属(特にナトリウム)をカチオンとする溶融塩を電解質として使用することができるため、製造コストも安価である。
なお、溶融塩電池とは、溶融状態の塩(溶融塩)を電解質として含む電池の総称である。溶融塩電池の電解質として使用される塩は、少なくとも溶融状態では、イオン伝導性を有する液体(イオン性液体)となる。
ナトリウム溶融塩電池の正極には、正極活物質として、例えば、亜クロム酸ナトリウムのようなナトリウム含有遷移金属酸化物が使用されている。また、負極には、負極活物質として、例えば、ナトリウム、ナトリウム合金、ナトリウムと合金化する金属、炭素材料、セラミックス材料などが使用されている。正極および負極は、それぞれ、例えば、これらの活物質と、バインダとを含む合剤を用いて形成できる。
特許文献1には、溶融塩電池の電極のバインダにポリフッ化ビニリデン(PVDF)を使用することが開示されている。
PVDFなどのフッ素樹脂は、高い結着性を有し、取り扱い性も良好であるため、溶融塩電池だけでなく、リチウムイオン二次電池やナトリウムイオン二次電池などの有機電解液二次電池の電極用バインダとしても使用されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2013−004432号公報 特開2012−212648号公報
リチウムイオン二次電池などの有機電解液二次電池に使用される有機電解液とは異なり、溶融塩電池の電解質には、イオンのキャリアとなるアルカリ金属カチオンが多量に存在する。そのため、溶融塩電池では、特に、アルカリ金属カチオンが関係する副反応が起こり易くなる。また、溶融塩電池を作動させるには、電解質を溶融状態に保つ必要がある。
そのため、溶融塩電池は、多くの場合、常温よりも高い温度(例えば、40℃以上)で作動され、高いイオン伝導性を確保する観点からは、80℃以上(例えば、80〜90℃)といった温度で作動させることもある。このような作動温度は、有機電解液二次電池に比べて高い。上記のような温度では、溶融塩のアルカリ金属カチオンの反応性が高くなり易い。
本発明者らは、溶融塩電池において、PVDFなどのフッ素樹脂を含む電極用バインダを用いると、電解質のアルカリ金属カチオンおよび電極における酸化還元反応の影響下、フッ素樹脂からフッ素原子が引き抜かれる副反応が起き易くなり、バインダが劣化して結着性が低下することを見出した。また、本発明者らは、このようなフッ素原子の引き抜き反応が、有機電解液二次電池の場合からは予想できないほど、溶融塩電池において顕著であり、バインダが劣化し易くなることを見出した。当該反応によりバインダの結着性が低下すると、充放電の繰り返しに伴い、活物質の脱落や合剤層の脱落が生じ易くなり、サイクル特性の低下をもたらすことがある。
以上に鑑み、本発明の第1局面は、集電体と、集電体の表面に付着した電極合剤とを含み、電極合剤は、電極活物質と、高分子を含むバインダとを含み、高分子は、フッ素原子を含まず、高分子は、アミド結合およびイミド結合からなる群より選択される少なくとも一種を含む繰り返し単位を含む樹脂を含み、樹脂の重量平均分子量は、50,000〜200,000である、ナトリウム溶融塩電池用電極に関する
このような電極によれば、バインダの高分子がフッ素原子を含まないため、高分子からフッ素原子が引き抜かれることに伴うバインダの劣化を抑制できる。そのため、充放電を繰り返した場合の電極の劣化を抑制できるので、サイクル特性の低下を抑制できる。
高分子は、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含むことができる。このような高分子をバインダに使用することにより、バインダの劣化をより有効に抑制でき、サイクル特性の低下を抑制するのにより有利である。
分子が、ポリアミドイミド樹脂を含む場合、ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量は、50,000〜200,000であることが好ましい。このような分子量の高分子を用いることにより、バインダの劣化をさらに抑制することができる。
バインダの量は、電極活物質100質量部に対して、2〜7質量部であることが好ましい。バインダの量がこのような範囲である場合、電極の劣化を抑制しながらも、電池の容量および/または電極の導電性の低下をより効果的に抑制できる。
好ましい態様では、上記の電極を負極として使用する。ナトリウム溶融塩電池におけるフッ素原子の引き抜き反応は、特に、負極側で顕著になり易い。そのため、上記のバインダを負極に使用することにより、バインダの劣化を抑制する効果をより有効に発揮することができる。また、熱的安定性や電気化学的安定性などの観点から、電極活物質は、ナトリウム含有チタン化合物および炭素質材料からなる群より選択される少なくとも一種であってもよい。
本発明の第局面は、正極と、負極と、正極および負極の間に介在するセパレータと、少なくとも溶融時にナトリウムイオン伝導性を有する電解質とを含み、電解質は、ビススルフォニルイミドアニオンを含むアニオンと、ナトリウムイオンとの塩を、少なくとも含み、負極は、負極集電体と、負極集電体の表面に付着した負極合剤とを含み、負極合剤は、負極活物質と、高分子を含むバインダとを含み、高分子は、フッ素原子を含まず、高分子は、アミド結合およびイミド結合からなる群より選択される少なくとも一種を含む繰り返し単位を含む樹脂を含み、樹脂の重量平均分子量は、50,000〜200,000である、ナトリウム溶融塩電池に関する
このようなナトリウム溶融塩電池では、電解質に多くのナトリウムイオンが含まれるにも拘わらず、バインダの副反応に伴うバインダの劣化を抑制できる。そのため、充放電の繰り返しに伴う電極の劣化を抑制できるので、サイクル特性の低下を抑制できる。
本発明の第局面は、ナトリウム溶融塩電池の充放電方法であって、ナトリウム溶融塩電池は、正極と、負極と、正極および負極の間に介在するセパレータと、少なくとも溶融時にナトリウムイオン伝導性を有する電解質とを含み、電解質は、ビススルフォニルイミドアニオンを含むアニオンと、ナトリウムイオンとの塩を、少なくとも含み、負極は、負極集電体と、負極集電体の表面に付着した負極合剤とを含み、負極合剤は、負極活物質と、高分子を含むバインダとを含み、高分子は、フッ素原子を含まず、高分子は、アミド結合およびイミド結合からなる群より選択される少なくとも一種を含む繰り返し単位を含む樹脂を含み、樹脂の重量平均分子量は、50,000〜200,000であり、ナトリウム溶融塩電池を、40℃以上190℃以下の温度範囲に加熱された状態で充放電する工程を有する、充放電方法に関する
このような充放電方法によれば、充放電を40〜190℃の温度で行うにも拘わらず、バインダの副反応に伴うバインダの劣化を抑制できるので、サイクル特性の低下を抑制できる。
本発明によれば、ナトリウムイオンとバインダとの副反応によるバインダの劣化を抑制できる。バインダの劣化が抑制されることにより、充放電を繰り返した場合における電極の劣化を抑制できる。よって、サイクル特性に優れたナトリウム溶融塩電池を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る正極の正面図である。 図1のII−II線断面図である。 本発明の一実施形態に係る負極の正面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 本発明の一実施形態に係る溶融塩電池の電池ケースの一部を切り欠いた斜視図である。 図5のVI−VI線断面を概略的に示す縦断面図である。 実施例1および比較例1のハーフセルの容量維持率とサイクル数との関係を示すグラフである。 実施例2および比較例1のハーフセルの容量維持率とサイクル数との関係を示すグラフである。 参考例1および比較例1のハーフセルの容量維持率とサイクル数との関係を示すグラフである。
(電極)
ナトリウム溶融塩電池用電極は、集電体と、集電体の表面に付着した電極合剤とを含み、電極合剤は、電極活物質と、高分子を含むバインダとを含む。
なお、ナトリウム溶融塩電池とは、少なくともナトリウムイオンを含む溶融塩を電解質として含み、ナトリウムイオンが、充放電反応に関与する電荷のキャリアとなるものをいう。ナトリウム溶融塩電池において、電解質としての溶融塩は、融点以上の温度で溶融して、イオン性液体となり、少なくとも溶融時にナトリウムイオン伝導性を有する。
従来のナトリウム溶融塩電池用電極では、PVDFなどのフッ素樹脂がバインダに使用される事がある。ところが、電極用のバインダに、フッ素樹脂を用いると、フッ素原子の引き抜き反応が起こり、バインダが劣化し易くなることが分かった。
本発明者らは、フッ素原子の引き抜きを伴う副反応が、リチウムイオン二次電池などの有機電解液二次電池におけるよりも、ナトリウム溶融塩電池において、起こり易くなることに気付いた。その理由は定かではないが、電解質中のナトリウムイオンの影響に加え、電極における酸化還元反応やナトリウム金属の析出が、当該引き抜き反応に影響している可能性が推測される。また、有機電解液二次電池が主に常温での作動を想定しているのに対し、ナトリウム溶融塩電池は、一般に、常温よりも高い温度(例えば、40℃以上、電解質の分解温度以下)での作動を想定しており、時には、ナトリウムの融点に近い80〜90℃で作動させる場合もある。このような作動温度の違いも、フッ素原子の引き抜き性に影響すると考えられる。
さらに、ナトリウムの融点(98℃)は、リチウムの融点(181℃)よりもかなり低く、溶融塩電池の作動温度に近い。溶融状態の金属ナトリウムは、固体の金属ナトリウムに比較して活性な状態であるため、反応性が高くなる。よって、電極にナトリウム金属が析出する場合には、溶融塩電池を、常温を超える温度域、例えば40℃以上の作動温度で作動させると、バインダからのフッ素原子の引き抜きが、より起こり易くなると考えられる。
本発明では、ナトリウム溶融塩電池用電極において、バインダとして、フッ素原子を含まない高分子を含むものを用いる。これにより、バインダの劣化が抑制され、充放電を繰り返した場合の電極の劣化を抑制できる。よって、サイクル特性に優れるナトリウム溶融塩電池を得ることができる。本発明では、特に、40℃以上190℃以下の温度範囲に加熱された状態でナトリウム溶融塩電池を作動させる(つまり、ナトリウム溶融塩電池の充放電を行う)場合でも、優れたサイクル特性を達成することができる。
フッ素原子の場合ほど顕著ではないが、バインダの高分子が、塩素原子などの、フッ素原子以外のハロゲン原子を含む場合にも、ハロゲン原子の引き抜きが起こることがある。
そのため、高分子は、ハロゲン原子を含まないことが好ましい。これにより、ナトリウムイオンとバインダとの副反応によるバインダの劣化をより有効に抑制できる。
なお、ハロゲン原子には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アスタチン原子が含まれる。バインダの高分子は、フッ素原子に加え、フッ素原子以外のハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素およびアスタチンからなる群より選択される少なくとも一種の元素)を含まないことが好ましい。引き抜き性などを考慮すると、フッ素原子以外のハロゲン原子の中でも、塩素および/または臭素を含まないことが好ましい。
なお、高分子に含まれるフッ素原子(またはハロゲン原子)は、高分子の側鎖に含まれるフッ素原子(またはハロゲン原子)、もしくは高分子の主鎖が有するフッ素原子(またはハロゲン原子)のいずれであってもよい。高分子の種類にもよるが、高分子の主鎖が有するフッ素原子(またはハロゲン原子)が引き抜かれると、高分子の性質が大きく変化し易い。そのため、高分子は、特に、高分子の主鎖がフッ素原子(またはハロゲン原子)を含まないことが好ましい。なお、高分子の主鎖が有するフッ素原子(またはハロゲン原子)とは、高分子の主鎖に直接結合したフッ素原子(またはハロゲン原子)のことを意味する。
バインダは、必要に応じて高分子以外の成分を含んでいてもよいが、バインダの大部分は高分子で構成できる。バインダ中の高分子の含有量は、例えば、90〜100質量%、好ましくは95〜100質量%、さらに好ましくは98〜100質量%である。バインダは、高分子のみを含んでもよい。
高分子は、ある程度の分子量を有する化合物であればよく、合成高分子と称されるものに限らず、天然高分子またはその処理物であってもよい。天然高分子またはその処理物としては、セルロース誘導体(セルロースエーテル、セルロースエステルなど)などの多糖類が例示できる。合成高分子としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが例示できる。
高分子は、一種を単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
高分子の具体例としては、例えば、アミド結合および/またはイミド結合を含む高分子;アクリル樹脂;ポリオレフィン樹脂;ビニル樹脂;シアン化ビニル樹脂;ポリフェニレンオキシド樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ゴム状重合体などが挙げられる。結着性、電池内における安定性、または耐熱性などの観点から、アミド結合および/またはイミド結合を含む高分子、アクリル樹脂、ゴム状重合体などが好ましい。
アミド結合および/またはイミド結合を含む高分子としては、具体的には、アミド結合および/またはイミド結合を含む繰り返し単位を含む樹脂が例示できる。このような高分子の具体例としては、ポリアミド樹脂(芳香族ポリアミド、アラミド樹脂などの全芳香族ポリアミドなど)、ポリイミド樹脂などが挙げられる。ポリイミド樹脂としては、縮合型ポリイミド、付加型ポリイミドなどの熱硬化性ポリイミド;熱可塑性ポリイミドが例示できる。熱可塑性ポリイミドとしては、ベンゾフェノンテトラカルボン酸とジアミノジフェニルメタンなどをモノマーに使用したものの他、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが例示できる。これらのうち、合剤の取り扱い性、耐熱性などの観点から、ポリアミドイミド樹脂が好ましい。
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリル酸メチルなど)などの(メタ)アクリル単位を有する、単独重合体または共重合体が例示できる。なお、アクリル酸、メタクリル酸を、(メタ)アクリル酸と総称する。
アクリル樹脂としては、ポリアクリル酸などの単独重合体、アクリル酸−メタクリル酸共重合体などが好ましい。
ゴム状重合体としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴムなどが例示できる。SBRなどのジエン系のゴム状重合体が好ましい。
高分子のうち、セルロース誘導体としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)などのカルボキシアルキルセルロースまたはその塩(CMCのナトリウム塩などのアルカリ金属塩など)、ヒドロキシエチルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロースなどのセルロースエーテル;アセチルセルロースなどのセルロースエステルなどが例示できる。セルロース誘導体としては、CMC、CMCのナトリウム塩などのセルロースエーテルが好ましい。
バインダに含まれる高分子は、アミド結合およびイミド結合からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。また、アクリル樹脂、ゴム状重合体、およびセルロース誘導体からなる群より選択される少なくとも一種を含む高分子もバインダに適している。
高分子の重量平均分子量は、高分子の種類にもよるが、例えば、10,000以上、好ましくは20,000以上、さらに好ましくは50,000以上または80,000以上である。高分子の重量平均分子量は、例えば、500,000以下、好ましくは200,000以下、さらに好ましくは150,000以下または100,000以下である。これらの下限値と上限値とは適宜選択して組み合わせることができる。高分子の重量平均分子量は、例えば、10,000〜500,000、または50,000〜200,000であってもよい。高分子の重量平均分子量がこのような範囲である場合、電極合剤における高分子の分散性の低下を抑制できるとともに、高い結着性が得られ易い。
例えば、アミド結合および/またはイミド結合を含む繰り返し単位を含む樹脂やセルロース誘導体の重量平均分子量は、例えば、50,000〜200,000、好ましくは80,000〜150,000であってもよい。アクリル樹脂の重量平均分子量は、例えば、10,000〜150,000、好ましくは20,000〜100,000であってもよい。
バインダの量は、電極活物質100質量部に対して、例えば、1〜10質量部、好ましくは2〜7質量部、さらに好ましくは2.5〜5質量部である。バインダの量がこのような範囲である場合、電池の容量および/または電極の導電性と、高い結着性とを確保するのにより有効である。そのため、電極の劣化をより効果的に抑制できるとともに、電池の容量および/または電極の導電性の低下を有効に抑制できる。
本発明の電極は、ナトリウム溶融塩電池の正極および/または負極に使用できる。本発明の電極を、正極および負極のいずれか一方のみに使用した場合、他方には、従来の電極を使用できる。
負極電位では、還元分解が起こりやすくなり、フッ素原子の引き抜きも顕著になり易い。フッ素原子を含む高分子をバインダに用いると、特に、負極側でバインダが劣化し易くなる。本発明では、上記のようなバインダを用いるので、負極の劣化を抑制するのに特に有効である。そのため、ナトリウム溶融塩電池の少なくとも負極に上記の電極を使用することが好ましく、負極および正極の双方に上記の電極を使用してもよい。
電極活物質のうち、負極に使用される負極活物質は、正極活物質よりも卑な電位で、ナトリウムイオンを溶出し、かつナトリウムを析出したり、ナトリウムイオンを吸蔵および放出したり、ナトリウムと合金化および脱合金化したりすることが可能な材料である。
負極活物質の具体例としては、スズ、ケイ素などの元素の単体、合金または化合物;ナトリウム、チタン、亜鉛、インジウムなどを含む金属化合物;スズ化合物、ケイ素化合物;炭素質材料などが挙げられる。なお、合金は、スズおよび/またはケイ素以外に、さらにアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属などを含んでもよい。金属化合物としては、ナトリウム含有チタン化合物が例示できる。炭素質材料としては、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)などが例示できる。負極活物質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極活物質としては、熱的安定性や電気化学的安定性などの観点から、金属化合物(ナトリウム含有チタン化合物など)および炭素質材料からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。炭素質材料のうち、特に、ハードカーボンを用いることが好ましい。
ナトリウム含有チタン化合物としては、チタン酸ナトリウムが好ましく、より具体的には、Na2Ti37およびNa4Ti512よりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。また、チタン酸ナトリウムのTiまたはNaの一部を他元素で置換してもよい。例えば、Na2-x11 x1Ti3-y12 y17(0≦x1≦3/2、0≦y1≦8/3、M1およびM2は、それぞれ独立にTiおよびNa以外の金属元素であって、例えばNi、Co、Mn、Fe、AlおよびCrよりなる群から選択される少なくとも1種である)や、Na4-x23 x2Ti5-y24 y212(0≦x2≦11/3、0≦y2≦14/3、M3およびM4は、それぞれ独立にTiおよびNa以外の金属元素であって、例えばNi、Co、Mn、Fe、AlおよびCrよりなる群から選択される少なくとも1種である)などを用いることもできる。ナトリウム含有チタン化合物は、1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。ナトリウム含有チタン化合物は、ハードカーボンと組み合わせて用いてもよい。なお、M1およびM3はNaサイト、M2およびM4はTiサイトを占める元素である。
ハードカーボンとは、不活性雰囲気中で加熱しても黒鉛構造が発達しない炭素材料であり、微小な黒鉛の結晶がランダムな方向に配置され、結晶層と結晶層との間にナノオーダーの空隙を有する材料をいう。ナトリウムイオンの直径は、0.95オングストロームであることから、空隙の大きさは、これより十分に大きいことが好ましい。結晶層の平均層面間隔は、特に限定されないが、例えば0.37nmより大きければよく、0.38nm以上であることが好ましい。
ハードカーボンの平均粒子径(体積粒度分布における累積体積50%における粒子径)は、例えば3〜20μmであればよく、5〜15μmであることが、負極における負極活物質の充填性を高め、かつ電解質との副反応を抑制する観点から望ましい。また、ハードカーボンの比表面積は、ナトリウムイオンの受け入れ性を確保するとともに、電解質との副反応を抑制する観点から、例えば1〜10m2/gであればよく、3〜8m2/gであることが好ましい。ハードカーボンは、1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
電極活物質のうち、正極に使用される正極活物質としては、ナトリウイオンを可逆的に含有可能な化合物であれば特に制限されず、例えば、硫化物、酸化物、無機酸塩、ハロゲン化物などが挙げられる。正極活物質としては、熱的安定性および電気化学的安定性の観点から、ナトリウム含有遷移金属化合物が好ましく用いられる。
正極活物質として使用されるナトリウム含有遷移金属化合物としては、ナトリウムが層間に出入り可能な層状構造を有する化合物が好ましいが、特に限定されない。
ナトリウム含有遷移金属化合物のうち、硫化物としては、TiS2、FeS2、NaTiS2などが例示できる。酸化物としては、NaCrO2、NaNi0.5Mn0.52、NaMn1.5Ni0.54、NaFeO2、NaFex3(Ni0.5Mn0.51-x32(0<x3<1)、Na2/3Fe1/3Mn2/32、NaMnO2、NaNiO2、NaCoO2、Na0.44MnO2などが例示できる。無機酸塩としては、ナトリウム遷移金属ケイ酸塩(Na6Fe2Si1230、Na2Fe5Si1230、Na2Fe2Si618、Na2MnFeSi618、Na2MnFeSi618、Na2FeSiO6など)、ナトリウム遷移金属リン酸塩、ナトリウム遷移金属フルオロリン酸塩(Na2FePO4F、NaVPO4Fなど)、ナトリウム遷移金属ホウ酸塩(NaFeBO4、Na3Fe2(BO43など)などのナトリウム遷移金属酸素酸塩が例示できる。ナトリウム遷移金属リン酸塩としては、NaFePO4、NaM5PO4、Na3Fe2(PO43、Na2FeP27、Na45 3(PO4227などが例示できる。なお、M5は、Ni、CoおよびMnからなる群より選択される少なくとも一種である。ハロゲン化物としては、Na3FeF6、NaMnF3、Na2MnF6などのナトリウム遷移金属フッ化物などが例示できる。
正極活物質は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。ナトリウム遷移金属化合物のうち、亜クロム酸ナトリウム(NaCrO2)、および鉄マンガン酸ナトリウム(Na2/3Fe1/3Mn2/32など)よりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
また、亜クロム酸ナトリウムのCrまたはNaの一部を他元素で置換してもよく、鉄マンガン酸ナトリウムのFe、MnまたはNaの一部を他元素で置換してもよい。例えば、Na1-x46 x4Cr1-y37 y32(0≦x4≦2/3、0≦y3≦2/3、M6およびM7は、それぞれ独立にCrおよびNa以外の金属元素であって、例えば、Ni、Co、Mn、FeおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種である)や、Na2/3-x58 x5Fe1/3-y4Mn2/3-z19 y4+z12(0≦x5≦1/3、0≦y4≦1/3、0≦z1≦1/3、M8およびM9は、それぞれ独立にFe、MnおよびNa以外の金属元素であって、例えばNi、Co、AlおよびCrよりなる群から選択される少なくとも1種である)などを用いることもできる。なお、M6およびM8はNaサイト、M7はCrサイト、M9はFeまたはMnサイトを占める元素である。
正極活物質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
電極合剤は、必要に応じて、さらに導電剤を含んでもよい。導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維などの炭素質導電剤が挙げられる。これらのうちでは、少量使用で十分な導電経路を形成しやすいことから、カーボンブラックが特に好ましい。
導電剤の量は、電極活物質100質量部あたり、5〜15質量部が好ましく、5〜10質量部がより好ましい。
正極合剤やナトリウム含有チタン化合物などの金属化合物を負極活物質として用いる負極合剤には、電極に十分な導電性を確保するために、導電剤を添加することが好ましい。
合金やハードカーボンなどを負極活物質として用いる負極合剤の場合にも、導電剤を添加してもよいが、このような負極合剤は、負極活物質により比較的高い導電性が得られ易いため、特に、導電剤を用いなくても、十分な導電性を得ることができる。
集電体としては、金属箔、金属繊維製の不織布、金属多孔体シートなどが用いられる。
正極集電体を構成する金属としては、正極電位で安定であることから、アルミニウムやアルミニウム合金が好ましいが、特に限定されない。負極集電体を構成する金属としては、ナトリウムと合金化せず、負極電位で安定であることから、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウム、アルミニウム合金などが好ましいが、特に限定されない。
集電体となる金属箔の厚さは、例えば10〜50μmであり、金属繊維の不織布や金属多孔体シートの厚さは、例えば100〜600μmである。
本発明の電極は、電極活物質およびバインダを必須成分として含む電極合剤を、集電体の表面に付着させることにより形成できる。より具体的には、電極活物質、バインダ、および必要により導電剤を、分散媒に分散させた電極合剤ペーストを、集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要により圧延することにより形成できる。これにより、電極合剤は、集電体の表面に固定化(または担持)される。
分散媒としては、アセトンなどのケトン;テトラヒドロフランなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;ジメチルアセトアミドなどのアミド;N−メチル−2−ピロリドン(NMP);エタノールなどのアルコールなどの有機媒体の他、水などが例示できる。これらの分散媒は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
分散媒は、バインダおよび/または活物質の種類などに応じて適宜選択できる。例えば、アミド結合および/またはイミド結合を含む繰り返し単位を含む樹脂をバインダに使用する場合には、有機媒体を使用できる。また、アクリル樹脂(ポリアクリル酸など)、ゴム状重合体、セルロース誘導体(CMC、CMCのNa塩など)などをバインダに使用する場合には、水、または水と水溶性有機媒体との混合物などを使用できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る正極の正面図であり、図2は図1のII−II線断面図である。
正極2は、正極集電体2aおよび正極集電体2aに固定化された正極合剤2bを含む。
正極合剤2bは、例えば、正極活物質、バインダおよび導電剤を含む。正極集電体2aには、集電用のリード片2cを形成してもよい。リード片2cは、図1に示すように、正極集電体と一体に形成してもよく、別途形成したリード片を溶接などで正極集電体に接続してもよい。
図3は、本発明の一実施形態に係る負極の正面図であり、図4は図3のIV−IV線断面図である。
負極3は、負極集電体3aおよび負極集電体3aに固定化された負極合剤3bを含む。
負極合剤3bは、例えば、負極活物質およびバインダを含み、任意成分として、導電剤などを含む。負極集電体3aには、集電用のリード片3cを形成してもよい。リード片3cは、図3に示すように、負極集電体と一体に形成してもよく、別途形成したリード片を溶接などで負極集電体に接続してもよい。
(ナトリウム溶融塩電池)
ナトリウム溶融塩電池は、正極と、負極と、正極および負極の間に介在するセパレータと、少なくとも溶融時にナトリウムイオン伝導性を有する電解質とを含む。
上述のように、少なくとも負極に上記の電極を使用することが好ましい。つまり、負極合剤に含まれるバインダの高分子が、フッ素原子を含まないことが好ましい。
正極は、正極活物質を含む上記の電極であってもよく、従来の正極であってもよい。
(セパレータ)
セパレータは、正極と負極とを物理的に隔絶して、内部短絡を防止する役割を果たす。
セパレータは、多孔質材料からなり、その空隙には電解質が含浸され、電池反応を確保するために、ナトリウムイオン透過性を有する。
セパレータとしては、例えば、樹脂製の微多孔膜の他、不織布などが使用できる。セパレータは、微多孔膜や不織布の層だけで形成してもよく、組成や形態の異なる複数の層の積層体で形成してもよい。積層体としては、組成の異なる複数の樹脂多孔層を有する積層体、微多孔膜の層と不織布の層とを有する積層体などが例示できる。
セパレータの材質は、電池の使用温度を考慮して選択できる。微多孔膜や不織布を形成する繊維に含まれる樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン樹脂;ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンサルファイドケトンなどのポリフェニレンサルファイド樹脂;芳香族ポリアミド樹脂(アラミド樹脂など)などのポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂などが例示できる。これらの樹脂は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、不織布を形成する繊維は、ガラス繊維などの無機繊維であってもよい。セパレータは、ガラス繊維、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂およびポリフェニレンサルファイド樹脂よりなる群から選択される少なくとも一種で形成するのが好ましい。
セパレータは、無機フィラーを含んでもよい。無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、ゼオライト、チタニアなどのセラミックス;タルク、マイカ、ウォラストナイトなどが例示できる。無機フィラーは、粒子状または繊維状が好ましい。セパレータ中の無機フィラーの含有量は、例えば、10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%である。
セパレータの厚さは、特に限定されないが、例えば、10〜300μm程度の範囲から選択できる。セパレータが微多孔膜である場合、セパレータの厚さは、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜50μmである。また、セパレータが不織布である場合、セパレータの厚みは、好ましくは50〜300μm、さらに好ましくは100〜250μmである。
(電解質)
電解質は、少なくとも溶融時にナトリウムイオン伝導性を有する必要があるため、少なくとも、カチオンとして、溶融塩電池内において電荷のキャリアとなるナトリウムイオンを含む塩(第1塩)を含む。
このような第1塩としては、例えば、ビススルフォニルイミドアニオンを含むアニオンと、ナトリウムイオンとの塩が使用できる。なお、第1塩は、カチオンとして、ナトリウムイオンだけを含んでもよく、ナトリウムイオンと、他のカチオンを含む複塩であってもよい。
電解質が、ビススルフォニルイミドアニオンを含むアニオンと、ナトリウムイオンとの塩を、少なくとも含む場合、ナトリウム溶融塩電池の電解質には、電池の作動温度において、多くのナトリウムイオンが含まれる。このような電池において、電極のバインダに含まれる高分子がフッ素原子を含むと、フッ素原子の引き抜きが顕著になり易い。本発明では、このような電池でも、バインダの副反応に伴うバインダの劣化を抑制できる。
ビススルフォニルイミドアニオンとしては、ビススルフォニルイミド骨格を有し、スルフォニル基にフッ素原子を有する構造のアニオンが例示できる。フッ素原子を有するスルフォニル基としては、例えば、フルオロスルフォニル基の他、フルオロアルキル基を有するスルフォニル基が挙げられる。フルオロアルキル基は、アルキル基の一部の水素原子が、フッ素原子で置き換わっていてもよく、全ての水素原子がフッ素原子で置き換わったパーフルオロアルキル基であってもよい。フッ素原子を有するスルフォニル基としては、フルオロスルフォニル基、パーフルオロアルキルスルフォニル基が好ましい。
このようなビススルフォニルイミドアニオンとしては、具体的には、下記式(1):
Figure 0006507642
(X1およびX2は、それぞれ独立に、フッ素原子または炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基である。)
で表されるアニオンが挙げられる。
1およびX2で表されるパーフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基などが例示できる。イオン性液体の粘度を低減する観点から、X1およびX2のうち少なくとも一方は、パーフルオロアルキル基であるのが好ましく、X1およびX2の双方が、パーフルオロアルキル基であるのがさらに好ましい。また、イオン性液体の粘度を低減する観点からは、パーフルオロアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜3であり、1または2であるのがさらに好ましい。
ビススルフォニルイミドアニオンの具体例としては、ビスフルオロスルフォニルイミドアニオン(FSI-);ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミドアニオン(TFSI-)、ビス(ペンタフルオロエチルスルフォニル)イミドアニオン、フルオロスルフォニルトリフルオロメチルスルフォニルイミドアニオン((FSO2)(CF3SO2)N-)などのビス(パーフルオロアルキルスルフォニル)イミドアニオン(PFSI-)が挙げられる。
第1塩としては、ナトリウムイオンとFSI-との塩(NaFSI)、ナトリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド(NaTFSI)などのナトリウムイオンとPFSI-との塩(NaPFSI)などが好ましい。
電解質は、融点以上の温度で溶融して、イオン性液体となり、ナトリウムイオン伝導性を示すことにより、溶融塩電池を作動させることができる。コストおよび使用環境を考慮して、適度な温度で電池を作動させる観点から、電解質の融点は、低い方が好ましい。電解質の融点を低下させるために、二種以上の塩の混合物を電解質として用いるのが好ましい。
具体的には、電解質は、第1塩に加え、さらに、ビススルフォニルイミドアニオンを含むアニオンと、ナトリウムイオン以外の他のカチオンとの塩(第2塩)を含むことが好ましい。第2塩を形成するビススルフォニルイミドアニオンとしては、前記第1塩について例示したものと同様のものが挙げられる。
他のカチオンとしては、無機カチオン[ナトリウムイオン以外のアルカリ金属カチオン(リチウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンなど)、アルカリ土類金属カチオン(マグネシウムイオン、カルシウムイオンなど)、遷移金属カチオンなどの金属カチオン;アンモニウムカチオンなど];有機カチオンなどが例示できる。
他のカチオンは、一種を単独で使用してもよく、二種以上を用いてもよい。
有機カチオンとしては、脂肪族アミン、脂環族アミンや芳香族アミンに由来する有機カチオン(例えば、第4級アンモニウムカチオンなど)の他、窒素含有へテロ環を有する有機カチオン(つまり、環状アミンに由来する有機カチオン)などの窒素含有オニウムカチオン;イオウ含有オニウムカチオン;リン含有オニウムカチオンなどが例示できる。
イオウ含有オニウムカチオンとしては、トリメチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオンなどのトリアルキルスルホニウムカチオン(例えば、トリC1-10アルキルスルホニウムカチオンなど)などのイオウ含有第3級オニウムカチオンが例示できる。
リン含有オニウムカチオンとしては、第4級オニウムカチオン、例えば、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオンなどのテトラアルキルホスホニウムカチオン(例えば、テトラC1-10アルキルホスホニウムカチオン);トリエチル(メトキシメチル)ホスホニウムカチオン、ジエチルメチル(メトキシメチル)ホスホニウムカチオン、トリヘキシル(メトキシエチル)ホスホニウムカチオンなどのアルキル(アルコキシアルキル)ホスホニウムカチオン(例えば、トリC1-10アルキル(C1-5アルコキシC1-5アルキル)ホスホニウムカチオンなど)などが挙げられる。なお、アルキル(アルコキシアルキル)ホスホニウムカチオンにおいて、リン原子に結合したアルキル基およびアルコキシアルキル基の合計個数は、4個であり、アルコキシアルキル基の個数は、好ましくは1または2個である。
これらの他のカチオンのうち、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオンが好ましく、カリウムイオンが特に好ましい。また、他のカチオンとしては、有機カチオンも好ましく、有機カチオンの中でも、窒素含有へテロ環を有する有機カチオンが好ましい。
窒素含有へテロ環を有する有機カチオンの窒素含有ヘテロ環骨格としては、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾール、ピリジン、ピペリジンなどの、環の構成原子として1または2個の窒素原子を有する5〜8員ヘテロ環;モルホリンなどの、環の構成原子として、1または2個の窒素原子と他のヘテロ原子(酸素原子、イオウ原子など)とを有する5〜8員ヘテロ環が例示できる。なお、環の構成原子である窒素原子は、アルキル基(炭素数が1〜8個のアルキル基など)などの有機基を置換基として有していてもよい。これらの中でも、ピロリジン環を有する有機カチオンは、融点の低い溶融塩を形成することができ、かつ高温でも安定である点で好ましい。
ピロリジン骨格を有する有機カチオンとしては、例えば、下記式(2):
Figure 0006507642
で表されるカチオンが例示できる。ただし、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基である。炭素数を1〜8とすることで、電解質の融点の上昇を抑制することができ、低粘度のイオン性液体を得るのに有利となる。特に低粘度のイオン性液体を得る観点からは、アルキル基の炭素数は、1〜3が好ましく、1または2であるのが更に好ましい。具体的には、R1およびR2は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などであればよい。
ピロリジン骨格を有する有機カチオンの具体例としては、メチルプロピルピロリジニウムカチオン、エチルプロピルピロリジニウムカチオン、メチルエチルピロリジニウムカチオン、ジメチルピロリジニウムカチオン、ジエチルピロリジニウムカチオンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、特に熱的安定性および電気化学的安定性が高いことから、メチルプロピルピロリジニウムカチオン(Py13+)が好ましい。
第2塩としては、カリウムイオンとFSI-との塩(KFSI)、カリウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド(KTFSI)などのカリウムイオンとPFSI-との塩(KPFSI);Py13+とFSI-との塩(Py13FSI)、Py13+とTFSI-との塩(Py13TFSI)などが好ましい。
第1塩と第2塩とのモル比(第1塩/第2塩)は、第1塩および第2塩の種類に応じて、電解質の融点、粘度およびイオン伝導性のバランスを考慮し、例えば、3/97〜95/5の範囲から適宜選択できる。
第1塩と第2塩とのモル比(第1塩/第2塩)は、第2塩がカリウム塩である場合、例えば、40/60〜70/30、好ましくは45/55〜65/35、さらに好ましくは50/50〜60/40である。第2塩が、セシウム塩である場合、例えば、40/60〜5/95、好ましくは30/70〜5/95、さらに好ましくは20/80〜5/95である。
第2塩として、Py13+の塩を用いる場合、そのような塩は融点が低く、常温でも低粘度であるが、第1塩と併用することにより、さらに低融点となる。この場合、第1塩と第2塩とのモル比(第1塩/第2塩)は、例えば、3/97〜20/80、好ましくは5/95〜15/85である。
(電極群)
ナトリウム溶融塩電池は、正極と、負極と、これらの間に介在するセパレータと、電解質とを、電池ケースに収容した状態で用いられる。正極と負極とを、これらの間にセパレータを介在させて積層または捲回することにより電極群を形成し、この電極群を電池ケース内に収容してもよい。このとき、金属製の電池ケースを用いるとともに、正極および負極の一方を電池ケースと導通させることにより、電池ケースの一部を第1外部端子として利用することができる。一方、正極および負極の他方は、電池ケースと絶縁された状態で電池ケース外に導出された第2外部端子と、リード片などを用いて接続される。
次に、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るナトリウム溶融塩電池の構造について説明する。ただし、本発明のナトリウム溶融塩電池の構造は、下記構造に限定されるものではない。
図5は、電池ケースの一部を切り欠いたナトリウム溶融塩電池の斜視図であり、図6は、図5におけるVI−VI線断面を概略的に示す縦断面図である。
ナトリウム溶融塩電池100は、積層型の電極群11、電解質(図示せず)およびこれらを収容する角型のアルミニウム製の電池ケース10を具備する。電池ケース10は、上部が開口した有底の容器本体12と、上部開口を塞ぐ蓋部13とで構成されている。
ナトリウム溶融塩電池100を組み立てる際には、まず、電極群11が構成され、電池ケース10の容器本体12に挿入される。その後、容器本体12に溶融塩を注液し、電極群11を構成するセパレータ1、正極2および負極3の空隙に電解質を含浸させる工程が行われる。あるいは、溶融塩に電極群を含浸し、その後、溶融塩を含んだ状態の電極群を容器本体12に収容してもよい。
蓋部13の一方側寄りには、電池ケース10と導通した状態で蓋部13を貫通する外部正極端子14が設けられ、蓋部13の他方側寄りの位置には、電池ケース10と絶縁された状態で蓋部13を貫通する外部負極端子15が設けられている。蓋部13の中央には、電子ケース10の内圧が上昇したときに内部で発生したガスを放出するための安全弁16が設けられている。
積層型の電極群11は、いずれも矩形のシート状である、複数の正極2と複数の負極3およびこれらの間に介在する複数のセパレータ1により構成されている。図6では、セパレータ1は、負極3を包囲するように袋状に形成されているが、セパレータの形態は特に限定されない。複数の正極2と複数の負極3は、電極群11内で積層方向に交互に配置される。
各正極2の一端部には、正極リード片2aを形成してもよい。複数の正極2の正極リード片2aを束ねるとともに、電池ケース10の蓋部13に設けられた外部正極端子14に接続することにより、複数の正極2が並列に接続される。同様に、各負極3の一端部には、負極リード片3aを形成してもよい。複数の負極3の負極リード片3aを束ねるとともに、電池ケース10の蓋部13に設けられた外部負極端子15に接続することにより、複数の負極3が並列に接続される。正極リード片2aの束と負極リード片3aの束は、互いの接触を避けるように、電極群11の一端面の左右に、間隔を空けて配置することが望ましい。
外部正極端子14および外部負極端子15は、いずれも柱状であり、少なくとも外部に露出する部分が螺子溝を有する。各端子の螺子溝にはナット7が嵌められ、ナット7を回転することにより蓋部13に対してナット7が固定される。各端子の電池ケース内部に収容される部分には、鍔部8が設けられており、ナット7の回転により、鍔部8が、蓋部13の内面に、ワッシャ9を介して固定される。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
負極合剤のバインダの高分子として、ポリアミドイミド樹脂を用いた。負極の性能を確認するために、対極に金属ナトリウムを用いたハーフセルを以下の手順で作製し、サイクル特性を評価した。
(1)負極の作製
ハードカーボン96質量部およびポリアミドイミド樹脂(重量平均分子量:130,000)4質量部を、分散媒としてのNMPに分散させて、負極合剤ペーストを調製した。
得られたペーストを、負極集電体としてのアルミニウム箔(厚さ20μm)の片面に塗布し、十分に乾燥させ、圧延して、厚さ45μmの負極合剤層を有する総厚65μmの負極を作製した。負極をサイズ30×30mmの矩形に裁断した。負極集電体には、アルミニウム製の負極リードを溶接した。
(2)対極の作製
厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に、厚さ700μmのナトリウム金属箔を貼り付けた。アルミニウム箔には、アルミニウム製の対極リードを溶接した。
(3)電解質の調製
NaFSIとPy13FSIとを、1:9のモル比で混合することにより、電解質を調製した。
(4)ハーフセルの組み立て
負極と対極とを、これらの間にセパレータを介在させて積層し、電極群を作製した。セパレータとしては、ガラス繊維不織布(サイズ35×35mm、厚さ200μm)を用いた。
電極群をアルミニウム製のケースに収容し、ケース内に電解質を注液し、ハーフセルを完成させた。各リードは所定の電源に接続した。
(5)サイクル特性の評価
完成したハーフセルを恒温室内で90℃に維持し、温度が安定した状態で、25mA/gの電流値で0〜1.2Vの範囲で定電流充放電を繰り返した。充放電1サイクルごとに、ハーフセルの容量を測定し、1サイクル目の充放電後の放電容量(初期放電容量)を100%としたときの放電容量の比率(容量維持率)(%)を算出した。
参考例1〜2および比較例1
負極合剤のバインダの高分子として、ポリアミドイミド樹脂に代えて、CMCのNa塩(重量平均分子量:100,000、参考例2)、ポリアクリル酸(重量平均分子量:25,000、参考例1)、またはPVDF(比較例1)を用いた。ハードカーボンと高分子との質量比は、それぞれ、97:3(参考例2)、92:8(参考例1)、92:8(比較例1)とした。また、分散媒として、NMPに代えて、参考例1および2では純水を用いた。これら以外は、実施例1と同様にして、負極およびハーフセルを作製し、サイクル特性の評価を行った。
実施例1、および参考例1〜2について、容量維持率とサイクル数との関係を図7〜図9に示す。なお、図7〜図9には、比較例1の結果についても合わせて示した。
これらの図から明らかなように、比較例1では、充放電の繰り返しに伴い、容量維持率が急激に低下し、20サイクル後の容量維持率は、20%近くまで低下した。これは、これに対して、実施例および参考例では、充放電を繰り返しても、高い容量維持率が維持され、70サイクル後も、90%以上の容量維持率を維持できている。
実施例および参考例3
負極合剤のバインダの高分子として、実施例1で用いたポリアミドイミド樹脂について、ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量を変化させた場合(重量平均分子量が、それぞれ40,000、130,000、及び300,000の3種類を使用)の電極特性について調べた(実施例)。重量平均分子量を変えたポリアミドイミド樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、それぞれ負極およびハーフセルを作製し、サイクル特性の評価を行った。また、参考例2で用いたCMCのNa塩の重量平均分子量を変化させた場合(重量平均分子量が、それぞれ6,000、100,000、400,000、及び800,000の4種類を使用)について同様に調べた(参考)。重量平均分子量を変えたCMCのNa塩を用いた以外は、参考例2と同様にして、それぞれ負極およびハーフセルを作製し、サイクル特性の評価を行った。更に、実施例および参考例3では、アルミニウム箔の片面に負極合剤層を形成した試料を用いて、JISZ0237に従って、アルミニウム箔と負極合剤層の180°剥離試験を行った。
これらの結果を表1(実施例)および表2(参考例3)に示す。
Figure 0006507642
ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量を変化させた場合、分子量が小さい場合は、180度剥離強度試験による密着強度が低い。そのため、サイクル特性が悪く、50サイクル後の容量維持率は分子量が130,000の94%に比べ、81%と低くなる。一方、分子量が大きい場合は、密着強度は高いが、初回放電容量が少ない。これは、分子量が大きいため、負極活物質へのナトリウムの挿入脱離を阻害し、抵抗が大きくなっているためである。また、分子量が大きいと粘度が高く分散性も劣るため、ポリアミドイミド樹脂の偏在も生じていると考えられる。
これらの結果から、ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量は、50,000〜200,000が好ましいことが解った。
Figure 0006507642
CMCのNa塩の分子量が小さい場合は、粘度が低く、電極の作製が困難であり、狙い厚みの電極が得られなかった。一方、分子量が大きい場合は、ポリアミドイミド樹脂の場合と同様に初回放電容量が少ない。負極活物質へのナトリウムの挿入脱離を阻害し、抵抗が大きくなっているためである。また、分子量が大きいと粘度が高く分散性も劣るため、CMCのNa塩の偏在も生じていると考えられる。
これらの結果から、CMCの重量平均分子量は、10,000〜500,000が好ましいことが解った。
本発明によれば、充放電を繰り返した場合にも、電極の劣化が抑制できるので、サイクル特性に優れたナトリウム溶融塩電池を提供できる。そのため、本発明のナトリウム溶融塩電池は、例えば、家庭用または工業用の大型電力貯蔵装置や、電気自動車やハイブリッド自動車の電源として有用である。
100:溶融塩電池、1:セパレータ、2:正極、2a:正極リード片、3:負極、3a:負極リード片、7:ナット、8:鍔部、9:ワッシャ、10:電池ケース、11:電極群、12:容器本体、13:蓋部、14:外部正極端子、15:外部負極端子、16:安全弁

Claims (6)

  1. 集電体と、前記集電体の表面に付着した電極合剤とを含み、
    前記電極合剤は、電極活物質と、高分子を含むバインダとを含み、
    前記高分子は、フッ素原子を含まず、
    前記高分子は、アミド結合およびイミド結合からなる群より選択される少なくとも一種を含む繰り返し単位を含む樹脂を含み、
    前記樹脂の重量平均分子量は、50,000〜200,000である、ナトリウム溶融塩電池用電極。
  2. 前記樹脂は、ポリアミド樹脂およびポリイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1に記載のナトリウム溶融塩電池用電極。
  3. 前記樹脂は、ポリアミドイミド樹脂を含み、
    前記ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量は、50,000〜200,000である、請求項1または2に記載のナトリウム溶融塩電池用電極。
  4. 前記電極活物質は、ナトリウム含有チタン化合物および炭素質材料からなる群より選択される少なくとも一種であり、
    前記電極は負極である、請求項1〜のいずれか1項に記載のナトリウム溶融塩電池用電極。
  5. 正極と、負極と、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータと、少なくとも溶融時にナトリウムイオン伝導性を有する電解質とを含み、
    前記電解質は、ビススルフォニルイミドアニオンを含むアニオンと、ナトリウムイオンとの塩を、少なくとも含み、
    前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体の表面に付着した負極合剤とを含み、前記負極合剤は、負極活物質と、高分子を含むバインダとを含み、
    前記高分子は、フッ素原子を含まず、
    前記高分子は、アミド結合およびイミド結合からなる群より選択される少なくとも一種を含む繰り返し単位を含む樹脂を含み、
    前記樹脂の重量平均分子量は、50,000〜200,000である、ナトリウム溶融塩電池。
  6. ナトリウム溶融塩電池の充放電方法であって、
    前記ナトリウム溶融塩電池は、
    正極と、負極と、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータと、少なくとも溶融時にナトリウムイオン伝導性を有する電解質とを含み、
    前記電解質は、ビススルフォニルイミドアニオンを含むアニオンと、ナトリウムイオンとの塩を、少なくとも含み、
    前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体の表面に付着した負極合剤とを含み、前記負極合剤は、負極活物質と、高分子を含むバインダとを含み、
    前記高分子は、フッ素原子を含まず、
    前記高分子は、アミド結合およびイミド結合からなる群より選択される少なくとも一種を含む繰り返し単位を含む樹脂を含み、
    前記樹脂の重量平均分子量は、50,000〜200,000であり、
    前記ナトリウム溶融塩電池を、40℃以上190℃以下の温度範囲に加熱された状態で充放電する工程を有する、充放電方法。
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