JP2015022868A - 溶融塩電池 - Google Patents

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瑛子 井谷
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真弘 山川
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Hirokazu Tanaka
博和 田中
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Abstract

【課題】内部短絡が抑制され、かつ高い充放電特性を有する溶融塩電池を提供する。
【解決手段】溶融塩電池は、正極と、負極と、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータと、イオン液体を80質量%以上含む溶融塩電解質とを含み、前記セパレータは、前記正極側の第1表面、前記負極側の第2表面、および前記第1表面と前記第2表面との間の内部を備え、前記内部に複数の空孔を有し、前記第1表面および前記第2表面に、前記空孔と連通する複数の開孔部を有し、前記セパレータは、前記第1表面を有する第1多孔層および前記第2表面を有する第2多孔層を少なくとも含む積層体であり、前記セパレータは、圧縮されていない状態で、前記第1表面における前記開孔部の平均径をdpとし、前記第2表面における前記開孔部の平均径をdnとするとき、dp>dnの関係を充足する。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶融塩電池に関し、より具体的には、溶融塩電池のセパレータの改良に関する。
近年、太陽光、風力などの自然エネルギーを電気エネルギーに変換する技術が注目を集めている。また、多くの電気エネルギーを蓄えることができる高エネルギー密度の電池として、非水電解質二次電池の需要が拡大している。非水電解質二次電池の中では、リチウムイオン二次電池が、軽量かつ高い起電力を有する点で有望である。しかし、リチウムイオン二次電池は、有機溶媒を電解質成分として用いるため、耐熱性が低いという欠点がある。また、非水電解質二次電池の市場の拡大に伴い、リチウム資源の価格も上昇しつつある。
そこで、難燃性の溶融塩を電解質として用いる溶融塩電池の開発が進められている。溶融塩は、熱安定性に優れており、安全性の確保が比較的容易であり、かつ、高温域での継続的使用にも適している。また、溶融塩電池は、リチウム以外の安価なアルカリ金属(特にナトリウム)をカチオンとする溶融塩を電解質として使用することができるため、製造コストも安価である。
リチウムイオン二次電池や溶融塩電池などの二次電池は、正極および負極と、これらの間に介在するセパレータと、電解質とを備える。リチウムイオン二次電池では、セパレータとして、ポリプロピレンなどの樹脂製の微多孔膜が使用されている(特許文献1)。また、溶融塩電池では、ガラス繊維製の不織布、樹脂製の微多孔膜などがセパレータとして使用されている(特許文献2)。
特開2013−23673号公報 特開2012−243417号公報
二次電池では、充放電反応に関与する電荷のキャリアとなるイオン(以下、単にキャリアイオンと称する場合がある)が、充電時に負極に析出して成長する場合があることが知られている。例えば、リチウムイオン二次電池では、リチウムイオンが負極表面に金属リチウムとして析出して、樹枝状に成長することが知られている。成長した金属析出物(デンドライト)は、セパレータを貫通して、内部短絡を引き起こす場合がある。特許文献1には、成長したデンドライトによる内部短絡を防ぐために、セパレータの機械的強度の確保が重要であることが記載されている。
電池のセパレータは、正極と負極とを電気的に絶縁しながらも、高いイオン伝導性を確保することが求められるため、多孔質構造を有する。セパレータの空孔のサイズは、金属析出物による内部短絡を抑制する観点からは、小さい方が好ましい。しかし、空孔のサイズが小さすぎると、イオン移動度を低下させ、イオン伝導性が小さくなるため、充放電特性を損なう。
ナトリウム溶融塩電池などの溶融塩電池でも、金属ナトリウムなどの金属が充電時に負極表面に析出する場合がある。溶融塩電池における金属析出物は、リチウムイオン二次電池の場合のようなデンドライトではない。そのため、高い充放電特性を確保しながら、内部短絡を抑制するための、溶融塩電池に適したセパレータ設計が求められる。
そこで、本発明の目的は、内部短絡が抑制され、かつ高い充放電特性を有する溶融塩電池を提供することにある。
本発明の一局面は、正極と、負極と、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータと、イオン液体を80質量%以上含む溶融塩電解質とを含み、前記セパレータは、前記正極側の第1表面、前記負極側の第2表面、および前記第1表面と前記第2表面との間の内部を備え、前記内部に複数の空孔を有し、前記第1表面および前記第2表面に、前記空孔と連通する複数の開孔部を有し、前記セパレータは、前記第1表面を有する第1多孔層および前記第2表面を有する第2多孔層を少なくとも含む積層体であり、前記セパレータは、圧縮されていない状態で、前記第1表面における前記開孔部の平均径をdpとし、前記第2表面における前記開孔部の平均径をdnとするとき、dp>dnの関係を充足する溶融塩電池に関する。
上記本発明の一局面によれば、内部短絡が抑制され、かつ高い充放電特性を有する溶融塩電池を提供できる。
本発明の一実施形態に係る溶融塩電池を概略的に示す縦断面図である。 実施例1で使用したセパレータの第1表面の走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)の撮影画像である。 実施例1で使用したセパレータの第2表面のSEMの撮影画像である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明の一実施形態は、(1)正極と、負極と、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータと、イオン液体を80質量%以上含む溶融塩電解質とを含み、前記セパレータは、前記正極側の第1表面、前記負極側の第2表面、および前記第1表面と前記第2表面との間の内部を備え、前記内部に複数の空孔を有し、前記第1表面および前記第2表面に、前記空孔と連通する複数の開孔部を有し、前記セパレータは、前記第1表面を有する第1多孔層および前記第2表面を有する第2多孔層を少なくとも含む積層体であり、前記セパレータは、圧縮されていない状態で、前記第1表面における前記開孔部の平均径をdpとし、前記第2表面における前記開孔部の平均径をdnとするとき、dp>dnの関係を充足する溶融塩電池に関する。
セパレータの負極側の第2表面における開孔部の平均径dnを、正極側の第1表面における開孔部の平均径dpよりも小さくすることにより、充電時に負極表面で金属が析出しても、金属析出物がセパレータを透過したり、金属析出物がセパレータの空孔内で成長したりすることによる内部短絡の発生を抑制できる。また、金属析出物が生成しない正極側では平均径dpが負極側に比べて大きいことにより、高いイオン伝導性を確保することができるため、優れた充放電特性を得ることができる。
ここで、溶融塩電池とは、溶融塩(溶融状態の塩(イオン液体))を電解質として含む電池の総称である。溶融塩電解質とは、溶融塩を含む電解質を意味する。上記(1)において、溶融塩電解質は、イオン液体を80質量%以上含む電解質を示す。なお、イオン液体は、アニオンとカチオンとで構成される液体である。
(2)前記溶融塩電解質は、ナトリウムイオン伝導性を有し、前記正極は正極活物質を含み、前記負極は負極活物質を含み、前記正極活物質は、ナトリウム含有遷移金属化合物を含み、前記負極活物質は、電気化学的にナトリウムイオンを吸蔵および放出する材料、金属ナトリウム、またはナトリウムと合金化する材料を含むことが好ましい。このような溶融塩電解質、正極活物質および負極活物質を用いる溶融塩電池(つまり、ナトリウム溶融塩電池)において、上記のセパレータを用いることで、負極で生成する金属ナトリウムなどの析出物が、セパレータを透過したり、セパレータ内で成長したりするのを効果的に抑制できる。また、上記の負極活物質を用いる場合、過充電時に、負極表面で充放電反応のキャリアとなるナトリウムイオンが金属ナトリウムとして特に析出し易い。しかし、前記セパレータは、金属析出物を透過したり、金属析出物が空孔内で成長したりし難いため、金属析出物による内部短絡を効果的に抑制できる。
なお、ナトリウム溶融塩電池とは、ナトリウムイオンを少なくとも含む溶融塩を電解質として含み、ナトリウムイオンが、充放電反応に関与する電荷のキャリアとなるものをいう。ナトリウム溶融塩電池において、溶融塩電解質は、融点以上の温度で溶融して、イオン液体となり、少なくとも溶融時に、ナトリウムイオン伝導性を有する。
(3)前記平均径dnは1nm≦dn≦500nmを充足することが好ましい。金属析出物の形状やサイズにもよるが、平均径dnがこのような範囲である場合、負極表面に生じた金属析出物がセパレータを透過したり、セパレータ内に連続する空孔内を成長したりするのをより効果的に抑制できるため、内部短絡を抑制し易い。
(4)前記セパレータの厚さは、圧縮されていない状態で、前記平均径dpよりも大きく、かつ10〜300μmであることが好ましい。セパレータの厚さがこのような範囲である場合、負極表面に金属析出物が生成しても、金属析出物による内部短絡の発生をより有効に抑制できる。なお、セパレータは、溶融塩電池内において、正極と負極との間に挟持されることにより圧縮された状態となる場合がある。上記セパレータの厚さは、このように、圧縮される前のセパレータ単体の厚さである。
(5)前記平均径dnに対する前記平均径dpの比dp/dnは、前記セパレータが圧縮されていない状態で、1.1〜500であることが好ましい。比dp/dnがこのような範囲である場合、イオン伝導性と耐短絡性とをより高いレベルで両立できる。
(6)前記セパレータは、前記第1多孔層と前記第2多孔層との間に、さらに、多孔質の中間層を含み、前記中間層は、単層構造、または2層以上の積層構造を有してもよい。このようなセパレータは、中間層により様々な機能を付与することができ、セパレータ性能をさらに高めることができる。
(7)好ましい態様では、前記第1多孔層は、微多孔膜の層または不織布の層であり、前記第2多孔層は、微多孔膜の層または不織布の層である。また、(8)前記第1多孔層は、前記不織布の層であり、前記第2多孔層は、前記微多孔膜の層であることも好ましい。セパレータが微多孔膜の層を含む場合、内部短絡を抑制し易くなり、不織布の層を含む場合、多くの溶融塩電解質を保持し易くなるため、高いイオン伝導性が得られ易い。
(9)前記セパレータの透気度は、前記セパレータが圧縮されていない状態で、前記セパレータの厚さ20μm当たり、20sec./1000ml以上であることが好ましい。このようなセパレータは、貫通孔がないか、もしくは貫通孔を含む場合でもその割合が少ないため、金属析出物の透過および成長、ならびこれらに伴う内部短絡をより効果的に抑制できる。なお、貫通孔とは、セパレータの厚さ方向に直線的に貫通する空間を有する空孔のことである。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る溶融塩電池の具体例を、適宜図面を参照しつつ以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
溶融塩電池は、正極と、負極と、正極および負極の間に介在するセパレータと、溶融塩電解質とを含む。
以下、溶融塩電池の構成についてより詳細に説明する。
(セパレータ)
セパレータは、正極と負極とを物理的に隔絶して、内部短絡を防止する役割を果たす。 セパレータは、正極側の第1表面、負極側の第2表面、および第1表面と第2表面との間の内部を備え、内部に複数の空孔を有し、第1表面および第2表面に、空孔と連通する複数の開孔部を有する。つまり、セパレータは、多孔質材料で形成される。セパレータの空孔(または空隙)内に溶融塩電解質が含浸されることにより、セパレータは、イオン透過性を有し、電池反応を行うことが可能になる。
セパレータは、正極側の第1表面を有する第1多孔層および負極側の第2表面を有する第2多孔層を少なくとも含む積層体であり、正極側の第1表面および負極側の第2表面のそれぞれにおける開孔部の平均径dpおよびdnが、dp>dnの関係を充足する限り、材質、構成成分、構造、内部の空孔径および空孔率などは特に制限されない。
セパレータは、例えば、樹脂製の微多孔膜、および/または不織布などの層を含むことができる。
リチウムイオン二次電池では、キャリアイオンであるリチウムイオンが充電時に負極表面で樹枝状に析出し、成長した析出物がセパレータを貫通して正極および負極間を短絡させることがある。溶融塩電池でも、充電時に、キャリアイオンである金属イオンが析出して金属析出物が生成する場合がある。例えば、ナトリウム溶融塩電池では、このような金属析出物は、リチウムイオン二次電池の場合のような樹枝状ではなく、粒状や塊状である。そのため、金属析出物がセパレータを突き破って短絡を生じるよりもむしろ、負極表面で生成した粒状や塊状の析出物が遊離してセパレータを透過したり、もしくはセパレータの連通する空孔内で成長したりすることが問題となる。
セパレータの空孔サイズを小さくすれば、内部短絡の抑制にはある程度効果的であると考えられるが、イオン伝導性が損なわれたり、もしくは内部抵抗が大きくなったりすることになり、結果として充放電特性が低下する。本発明者らは、溶融塩電池に特有の上記の問題を解決するためには、セパレータ表面における開孔部の平均径を、正極側よりも負極側で小さくすることが有効であることを見出した。
圧縮されていない状態のセパレータにおいて、負極側の第2表面における開孔部の平均径dnが、正極側の第1表面における開孔部の平均径dpよりも小さいことにより、金属析出物の透過および成長を抑制でき、内部短絡の発生を抑制できる。平均径dpが平均径dnよりも大きいため、高いイオン伝導性を確保できる。また、内部抵抗の増加を抑制することができるので、高い導電性を確保できる。よって、高い充放電特性を得ることができる。
平均径dnに対する平均径dpの比dp/dnは、例えば、1.1以上、好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.3以上または1.5以上である。また、比dp/dnは、例えば、500以下(例えば、100以下)、好ましくは20以下または10以下である。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。比dp/dnは、例えば、1.1〜500、1.5〜20、または1.5〜10であってもよい。比dp/dnが上記の範囲である場合、高いイオン伝導性を確保しながら、金属析出物の透過または成長をより効果的に抑制できる。よって、イオン伝導性と耐短絡性とをより高いレベルで両立できる。なお、リチウムイオン二次電池の場合、金属析出物は負極上で樹枝状に成長するため、負極側だけ開孔部の平均径を小さくしても無意味になる。
平均径dnは、特に制限されないが、例えば、10μm以下、好ましくは1μm以下、さらに好ましくは700nm以下(例えば、500nm以下)であり、特に、200nm以下または100nm以下であることも好ましい。平均径dnは、例えば、1nm以上、好ましくは5nm以上、さらに好ましくは10nm以上(例えば、20nm以上)である。これらの上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。平均径dnは、例えば、1nm≦dn≦10μm、1nm≦dn≦1μm、1nm≦dn≦500nm、または5nm≦dn≦200nmであってもよい。平均径dnが上記の範囲である場合、負極表面に金属析出物が生成しても、金属析出物がセパレータを透過したり、セパレータ内で成長したりすることをより効果的に抑制できる。よって、金属析出物による内部短絡の発生を抑制し易い。
開孔部の平均径dpおよびdnは、圧縮されていない状態のセパレータの表面について、例えば、公知の市販の細孔径測定装置や細孔径分布測定装置などを用いて測定することができる。測定は、高圧水銀法、ガス吸着法、ガス透過法、バブルポイント法などの公知の方法で行うことができる。ガス透過法を利用する細孔径分布測定装置としては、例えば、カンタクローム社製のPORMETER 3Gなどが挙げられる。測定条件については、細孔径測定や細孔径分布測定に通常使用される条件が採用できる。
セパレータは、表面(第1表面および第2表面のそれぞれ)に複数の開孔部を有するとともに、内部に複数の空孔を有し、表面の開孔部と内部の空孔とが連通することにより連通孔が形成された状態である。セパレータ表面の開孔部と、内部の空孔とが近接している場合、内部の空孔が表面の開孔部とずれて重なることにより、表面の開孔部の内側に内部の空孔の周縁(つまり、空孔の輪郭)が位置した状態となる場合がある。SEM画像では、表面の開孔部と、内部の空孔とを区別することができ、表面の開孔部の径を測定することができる。ただし、表面の開孔部と、内部の空孔とを区別しにくく、表面の開孔部が内部の空孔の周縁で分割されて、開孔部の径が実際よりも小さく測定される場合がある。つまり、セパレータ表面において、サイズが小さな開孔部の割合が、実際よりも多く評価されることがある。そのため、平均径を算出する際には、必要に応じて、開孔部の径の分布において、分布の頻度が不自然に大きくなる部分を切り捨ててもよい。
セパレータの厚さは特に限定されず、平均径dn、dp/dn比などに応じて選択できるが、圧縮されていない状態で、通常、平均径dpよりも大きい。セパレータの厚さ(圧縮されていない状態の厚さ)は、10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがさらに好ましく、20μm以上であることが特に好ましい。また、セパレータの厚さは、例えば、300μm以下、好ましくは250μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。上記セパレータの厚さは、例えば、10〜300μm、または10〜100μmであってもよい。
セパレータの厚さが上記のような範囲である場合、負極側のセパレータ表面の平均径dnが、充電時に負極で生成する金属析出物のサイズよりも大きい場合でも、金属析出物のセパレータの透過を有効に抑制できる。また、内部抵抗が必要以上に高くなるのを抑制し易いため、充放電特性の向上により効果的である。
なお、セパレータが微多孔膜の層の積層体である場合、圧縮されていない状態のセパレータの厚さは、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは15〜80μmである。また、セパレータが不織布の層を含む積層体である場合、セパレータの厚さの下限は上記より大きくてもよい。このようなセパレータの厚さは、圧縮されていない状態で、例えば、20〜300μm、好ましくは30〜250μm、さらに好ましくは50〜200μmである。
一般に、二次電池のセパレータでは、サイズが大きな空孔を有すると、セパレータの双方の表面間で直線的に貫通する空孔(貫通孔)が形成され易いため、内部短絡が発生し易くなる。そのため、従来のセパレータでは、サイズの大きな空孔を有さないことが好ましい。しかし、本発明の一実施形態では、セパレータの表面における開孔部の平均径dpおよびdnが、負極側と正極側とでdp>dnの関係を有するため、セパレータがサイズの大きな空孔を含んでいても、内部短絡を有効に抑制できる。
このようなセパレータでは、圧縮されていない状態で、厚さ方向に平行な断面における空孔の平均径をdaとするとき、da≧dpである。そして、平均径daは、0.1μm≦da≦2μmであることが好ましく、0.1μm≦da≦1μmであることがさらに好ましく、0.1μm≦da≦0.8μmであることが特に好ましい。このようなセパレータは、多量の溶融塩電解質を保持できるため、イオン伝導性をさらに高めることができる。なお、平均径daは、圧縮されていない状態のセパレータの厚さ方向に平行な断面を露出させ、この断面について、平均径dpおよびdnの場合と同様にして算出できる。
セパレータにおいて、第1多孔層は、微多孔膜の層または不織布の層のいずれであってもよく、第2多孔層は、微多孔膜の層または不織布の層のいずれであってもよい。第1多孔層および第2多孔層の双方が、微多孔膜の層であってもよく、不織布の層であってもよい。また、第1多孔層および第2多孔層のうち、一方を微多孔膜の層とし、他方を不織布の層とすることもできる。第1多孔層および第2多孔層のそれぞれを構成する材料(樹脂や樹脂組成物など)は、同じ組成であってもよく、異なる組成であってもよい。
セパレータにおいて、第1多孔層と第2多孔層との間には中間層が介在していてもよい。中間層は、単層構造を有してもよく、2層以上の積層構造を有してもよい。中間層または中間層を構成する各層は、微多孔膜の層または不織布の層のいずれであってもよい。中間層は、第1多孔層または第2多孔層とは、組織が異なる層であってもよい。また、中間層が2層以上の積層構造である場合、各層は、組織が異なる層であってもよい。中間層を含むことで、セパレータに様々な機能を付与しやすい。
なお、組織が異なるとは、各層において、空孔サイズ、空孔の分布状態、構造、空孔率、および/または材料(例えば、材料の種類、樹脂や樹脂組成物の組成)などが異なることを意味する。
第2多孔層は、微多孔膜の層であることが好ましい。セパレータが微多孔膜の層を含むことで、内部短絡の発生を抑制し易くなる。第2多孔層は、第1多孔層に比べてサイズが小さな空孔を多く有することが好ましく、特に、サイズが小さな空孔が緻密に分布していることが好ましい。このような第2多孔層を有することで、内部短絡を効果的に抑制できる。第1多孔層は、微多孔膜の層および不織布の層のいずれであってもよいが、不織布の層とすることが好ましい。セパレータが不織布の層を含む場合、電解質を保持しやすいため、イオン伝導性を高めやすい。
第2多孔層の厚さは、特に制限されないが、高いイオン伝導性を確保し易い観点からは、セパレータが圧縮されていない状態で、例えば、セパレータの厚さの30%以下である。また、第2多孔層の厚さの下限は特に制限されないが、第2多孔層の厚さは、セパレータが圧縮されていない状態で、セパレータの厚さの0.001%以上とすることができる。
セパレータ中の貫通孔の割合が大きくなるほど、内部短絡が起こりやすくなる。そのため、セパレータは、貫通孔を含まないか、もしくは貫通孔を含む場合であってもその割合が少ないことが好ましい。貫通孔の割合は、セパレータの透気度に基づいて把握することができる。
セパレータの透気度は、王研式透気度測定計を用いて測定できる。セパレータの透気度は、セパレータが圧縮されていない状態で、セパレータの厚さ20μm当たり、20sec./1000ml以上であることが好ましく、30sec./1000ml以上であることがより好ましく、50sec./1000ml以上であることが特に好ましい。なお、透気度の上限は、電解質の浸透性およびイオン伝導性を妨げない限り特に制限されないが、セパレータが圧縮されていない状態で、セパレータの厚さ20μm当たり、例えば、3000sec./1000ml以下、好ましくは1000sec./1000ml以下である。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。セパレータの上記の透気度は、例えば、20〜3000sec./1000ml、または50〜1000sec./1000mlであってもよい。セパレータの透気度が上記のような範囲である場合、貫通孔がないかまたは非常に少ないため、内部短絡をより効果的に抑制できる。
セパレータの空孔率は、セパレータが圧縮されていない状態で、例えば、40〜90体積%、好ましくは45〜85体積%、さらに好ましくは50〜80体積%である。第1表面および第2表面において平均径dpおよびdnが、dn<dpの関係を満たすため、セパレータの空孔率が高くても、内部短絡を効果的に抑制できる。
セパレータの材質は、特に制限されず、電池の使用温度(最高使用温度など)などを考慮して適宜選択できる。微多孔膜や不織布を形成する繊維に含まれる樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン樹脂;ビニル樹脂(ポリアクリロニトリルなどのシアン化ビニル樹脂;ポリ塩化ビニルなどの塩素含有ビニル樹脂;ポリ酢酸ビニルまたはそのケン化物(ポリビニルアルコールも含む)などのポリ酢酸ビニル樹脂など);フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど);ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンサルファイドケトンなどのポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど);芳香族ポリアミド樹脂(芳香族ポリアミド、アラミド樹脂などの全芳香族ポリアミドなど)などのポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂(ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミドなど);セルロース誘導体(セルロースエーテル、セルロースエステルなど)などが例示できる。
これらの樹脂は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。セパレータは高い耐熱性を有するものが好ましいため、セパレータを構成する樹脂の融点または軟化点は、90℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがさらに好ましい。
また、不織布を形成する繊維は、ガラス繊維などの無機繊維であってもよい。これらのうち、ガラス繊維、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、およびポリフェニレンサルファイド樹脂よりなる群から選択される少なくとも一種が好ましい。
セパレータは、無機フィラーを含んでもよい。無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、ゼオライト、チタニアなどのセラミックス;タルク、マイカ、ウォラストナイトなどが例示できる。無機フィラーは、粒子状または繊維状が好ましい。セパレータ中の無機フィラーの含有量は、例えば、1〜90質量%の広い範囲から選択でき、好ましくは1〜40質量%、さらに好ましくは5〜30質量%である。
セパレータは、一方の表面および他方の表面の開孔部について、平均径dpおよびdnが上記の関係を有する限り特に制限されず、セパレータの材質、および構造などに応じて様々な方法で製造できる。例えば、一方の表面において開孔部の平均径がdpである微多孔膜または不織布の層(前記第1多孔層に対応)と、一方の表面において開孔部の平均径がdnである微多孔膜または不織布の層(前記第2多孔層に対応)とを、各層の他方の表面同士を貼り合わせることにより作製できる。また、第1多孔層と第2多孔層との間に、他の微多孔膜または不織布の層(前記中間層に対応)を介在させた状態で、第1多孔層および第2多孔層のそれぞれの他方の表面を中間層の両方の表面に貼り合わせることにより作製してもよい。また、公知の微多孔膜または不織布の製造方法により、中間層の一方の表面に第1多孔層を直接形成し、他方の表面に第2多孔層を直接形成してもよい。なお、各層を貼り合わせる際には、必要に応じて、接着剤を用いてもよく、熱溶着などの溶着法を利用してもよい。
なお、微多孔膜を含むセパレータやセパレータを構成する微多孔膜は、必要に応じて、延伸処理を行ったものでもよい。延伸処理は、一軸延伸処理または二軸延伸処理のいずれであってもよい。開孔部や空孔のサイズを適度な範囲に調節し易い点から、二軸延伸処理を行うことが好ましい。なお、二軸延伸処理では、微多孔膜を直交する二軸方向に延伸する。延伸処理を行うことで、未延伸の微多孔膜に存在する気泡が微多孔膜の平面方向だけでなく、厚さ方向にも引き延ばされて、厚さ方向に広がる空孔を形成することができる。このような状態では、厚さ方向に空孔を形作る壁面が多数形成されることになるため、負極上で金属析出物が生成しても、セパレータ内部で効率的に補足することができる。
(溶融塩電解質)
溶融塩電解質は、充放電反応の電荷のキャリアとなるイオン(具体的には、カチオン)を含む。溶融塩電解質は、通常、カチオンとアニオンとの塩(溶融塩)を含む。
カチオンとしては、無機カチオン;有機オニウムカチオンなどの有機カチオンなどが例示できる。
無機カチオンとしては、アルカリ金属カチオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンなど)、アルカリ土類金属カチオン(マグネシウムイオン、カルシウムイオンなど)などの金属カチオン;アンモニウムカチオンなどが例示できる。
有機オニウムカチオンとしては、脂肪族アミン、脂環族アミンや芳香族アミンに由来するカチオン(例えば、第4級アンモニウムカチオンなど)の他、窒素含有へテロ環を有するカチオン(つまり、環状アミンに由来するカチオン)などの窒素含有オニウムカチオン;イオウ含有オニウムカチオン;リン含有オニウムカチオンなどが例示できる。
第4級アンモニウムカチオンとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、エチルトリメチルアンモニウムカチオン(TEA+:ethyltrimethylammonium cation)、メチルトリエチルアンモニウムカチオン(TEMA+:methyltriethylammonium cation)などのテトラアルキルアンモニウムカチオン(テトラC1-10アルキルアンモニウムカチオンなど)などが例示できる。
イオウ含有オニウムカチオンとしては、第3級スルホニウムカチオン、例えば、トリメチルスルホニウムカチオンなどのトリアルキルスルホニウムカチオン(例えば、トリC1-10アルキルスルホニウムカチオンなど)などが例示できる。
リン含有オニウムカチオンとしては、第4級ホスホニウムカチオン、例えば、テトラメチルホスホニウムカチオンなどのテトラアルキルホスホニウムカチオン(例えば、テトラC1-10アルキルホスホニウムカチオン);トリエチル(メトキシメチル)ホスホニウムカチオンなどのアルキル(アルコキシアルキル)ホスホニウムカチオン(例えば、トリC1-10アルキル(C1-5アルコキシC1-5アルキル)ホスホニウムカチオンなど)などが挙げられる。
なお、第4級アンモニウムカチオンの窒素原子、第3級スルホニウムカチオンのイオウ原子、または第4級ホスホニウムカチオンのリン原子に結合したアルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1、2、3、または4であるのが特に好ましい。
有機オニウムカチオンの窒素含有ヘテロ環骨格としては、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾール、ピリジン、ピペリジンなどの環の構成原子として1または2個の窒素原子を有する5〜8員ヘテロ環;モルホリンなどの環の構成原子として1または2個の窒素原子と他のヘテロ原子(酸素原子、イオウ原子など)とを有する5〜8員ヘテロ環が例示できる。
なお、環の構成原子である窒素原子は、アルキル基などの有機基を置換基として有していてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などの炭素数が1〜10個のアルキル基が例示できる。アルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜4がさらに好ましく、1、2、または3であるのが特に好ましい。
窒素含有有機オニウムカチオンのうち、特に、第4級アンモニウムカチオンの他、窒素含有ヘテロ環骨格として、ピロリジン、ピリジン、またはイミダゾリンを有するものが好ましい。ピロリジン骨格を有する有機オニウムカチオンは、ピロリジン環を構成する1つの窒素原子に、2つの上記アルキル基を有することが好ましい。ピリジン骨格を有する有機オニウムカチオンは、ピリジン環を構成する1つの窒素原子に、1つの上記アルキル基を有することが好ましい。また、イミダゾリン骨格を有する有機オニウムカチオンは、イミダゾリン環を構成する2つの窒素原子に、それぞれ、1つの上記アルキル基を有することが好ましい。
ピロリジン骨格を有する有機オニウムカチオンの具体例としては、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン(MPPY+:1−methyl−1−propylpyrrolidinium cation)、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムカチオン(MBPY+:1−butyl−1−methylpyrrolidinium cation)などが挙げられる。電気化学的安定性が高いことから、MPPY+、MBPY+などの、メチル基と、炭素数2〜4のアルキル基とを有するピロリジニウムカチオンが好ましい。
ピリジン骨格を有する有機オニウムカチオンの具体例としては、1−メチルピリジニウムカチオン、1−エチルピリジニウムカチオンなどの1−アルキルピリジニウムカチオンが挙げられる。炭素数1〜4のアルキル基を有するピリジニウムカチオンが好ましい。
イミダゾリン骨格を有する有機オニウムカチオンの具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(EMI+: 1−ethyl−3−methylimidazolium cation)、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(BMI+:1−buthyl−3−methylimidazolium cation)、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオンなどが挙げられる。これらのうち、EMI+、BMI+などのメチル基と炭素数2〜4のアルキル基とを有するイミダゾリウムカチオンが好ましい。
電解質は、上記のカチオンのうち一種を含んでもよく、二種以上を含んでもよい。
溶融塩電池の電解質は、少なくとも溶融時に、アルカリ金属イオン伝導性を有することが好ましい。このような電解質は、カチオンとして、少なくともアルカリ金属イオン(アルカリ金属カチオン)を含むことが好ましい。アルカリ金属カチオンとしては、上記例示のアルカリ金属カチオンのうち、特に、カリウムイオン、ナトリウムイオン、セシウムイオンが好ましい。アルカリイオン伝導性の電解質を用いる溶融塩電池は、アルカリ金属溶融塩電池と称される。カチオンとして、ナトリウムイオンなどのアルカリ金属カチオン(例えば、ナトリウムイオン、またはナトリウムイオンおよびカリウムイオン)と、上記有機オニウムカチオンとを含む電解質、ナトリウムイオンとカリウムイオンとを含む電解質などが好ましい。
電解質に含まれるアニオンは、ビススルホニルアミドアニオンを含むことが好ましい。ビススルホニルアミドアニオンとしては、例えば、ビス(フルオロスルホニル)アミドアニオン[ビス(フルオロスルホニル)アミドアニオン(N(SO2F)2 -)など]、(フルオロスルホニル)(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン[(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオン((FSO2)(CF3SO2)N-)など]、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオン(N(SO2CF32 -)、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)アミドアニオン(N(SO2252 -)など]などが挙げられる。パーフルオロアルキル基の炭素数は、例えば、1〜10、好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜4、特に1、2、または3である。
これらのアニオンは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
ビススルホニルアミドアニオンのうち、ビス(フルオロスルホニル)アミドアニオン(FSA-:bis(fluorosulfonyl)amide anion));ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオン(TFSA-:bis(trifluoromethylsulfonyl)amide anion)、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)アミドアニオン、(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオンなどのビス(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン(PFSA-:bis(pentafluoroethylsulfonyl)amide anion)などが好ましい。
中でも、電解質は、ナトリウムイオンとFSA-との塩(NaFSA)、ナトリウムイオンとTFSA-との塩(NaTFSA)、カリウムイオンとFSA-との塩(KFSA)、カリウムイオンとTFSA-との塩(KTFSA)などを含むことが好ましい。電解質は、カチオンとアニオンとの塩を、一種含んでもよく、二種以上含んでもよい。
電解質は、融点以上の温度で溶融して、イオン液体となり、イオン伝導性を示すことにより、溶融塩電池を作動させることができる。例えば、ナトリウム溶融塩電池では、ナトリウムイオン伝導性の溶融塩電解質が使用される。
コストおよび使用環境を考慮して、適度な温度で電池を作動させる観点から、電解質の融点は、低い方が好ましい。電解質の融点を低下させるために、二種以上の塩の混合物を電解質として用いるのが好ましい。このような塩の組み合わせとしては、ナトリウム塩(NaFSA、NaTFSAなど)と、カリウム塩(KFSA、KTFSAなど)との組み合わせ;ナトリウム塩と、有機オニウム塩[例えば、EMI+とFSA-との塩(EMIFSA)、EMI+とTFSA-との塩(EMITFSA)、MPPY+とFSA-との塩(MPPYFSA)、MPPY+とTFSA-との塩(MPPYTFSA)など]などが好ましい。
溶融塩電池において使用される電解質は、必要に応じて、公知の添加剤を含むことができるが、電解質の大部分が上記溶融塩(上記カチオンおよびアニオンを含むイオン液体)であることが好ましい。電解質中の溶融塩の含有量は、例えば、80質量%以上(例えば、80〜100質量%)、好ましくは90質量%以上(例えば、90〜100質量%)である。溶融塩の含有量がこのような範囲である場合、電解質の耐熱性および/または難燃性を高めやすい。電解質の耐熱性および/または難燃性は、溶融塩の含有量が多いほど高くなるため、耐熱性や難燃性の観点からは、電解質中の溶融塩の含有量は100質量%であることが好ましい。
(正極)
正極としては、例えば、電気化学的にイオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどの上記アルカリ金属カチオンなど)を吸蔵および放出する正極などが使用される。
正極は、正極集電体および正極集電体に固定化された正極活物質を含み、任意成分として、結着剤、導電助剤などを含んでもよい。
正極集電体としては、金属箔、金属繊維製の不織布、金属多孔体シートなどが用いられる。正極集電体を構成する金属としては、正極電位で安定であることから、アルミニウムやアルミニウム合金が好ましいが、特に限定されない。
正極集電体となる金属箔の厚さは、例えば10〜50μmであり、金属繊維の不織布や金属多孔体シートの厚さは、例えば100〜1000μmである。
正極活物質としては、熱的安定性および電気化学的安定性の観点から、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)と遷移金属(Cr、Mn、Fe、Co、Niなどの周期表の第4周期の遷移金属など)とを含む化合物が好ましく使用される。このような化合物は、アルカリ金属を一種または二種以上含んでもよい。また、遷移金属を一種または二種以上含んでもよい。また、アルカリ金属および遷移金属の少なくともいずれか一方の一部を、Alなどの典型金属元素で置換してもよい。
正極活物質は、前記アルカリ金属として少なくともナトリウムを含む遷移金属化合物を含むことが好ましい。このようなナトリウム含有遷移金属化合物としては、ナトリウムが層間に出入りする層状構造を有する化合物が好ましいが、特に限定されない。
ナトリウム含有遷移金属化合物のうち、硫化物としては、TiS2、FeS2、NaTiS2などが例示できる。酸化物としては、NaCrO2、NaNi0.5Mn0.52、NaMn1.5Ni0.54、NaFeO2、NaFex1(Ni0.5Mn0.51-x12(0<x1<1)、Na2/3Fe1/3Mn2/32、NaMnO2、NaNiO2、NaCoO2、Na0.44MnO2などが例示できる。無機酸塩としては、ナトリウム遷移金属ケイ酸塩(Na6Fe2Si1230、Na2Fe5Si1230、Na2Fe2Si618、Na2MnFeSi618、Na2MnFeSi618、Na2FeSiO6など)、ナトリウム遷移金属リン酸塩、ナトリウム遷移金属フルオロリン酸塩(Na2FePO4F、NaVPO4Fなど)、ナトリウム遷移金属ホウ酸塩(NaFeBO4、Na3Fe2(BO43など)などのナトリウム遷移金属酸素酸塩が例示できる。ナトリウム遷移金属リン酸塩としては、NaFePO4、NaM1PO4、Na3Fe2(PO43、Na2FeP27、Na41 3(PO4227などが例示できる。なお、M1は、Ni、CoおよびMnからなる群より選択される少なくとも一種である。ハロゲン化物としては、Na3FeF6、NaMnF3、Na2MnF6などのナトリウム遷移金属フッ化物などが例示できる。
正極活物質は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
ナトリウム遷移金属化合物のうち、亜クロム酸ナトリウム(NaCrO2)、および鉄マンガン酸ナトリウム(Na2/3Fe1/3Mn2/32など)よりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
また、亜クロム酸ナトリウムのCrまたはNaの一部を他元素で置換してもよく、鉄マンガン酸ナトリウムのFe、MnまたはNaの一部を他元素で置換してもよい。例えば、Na1-x22 x2Cr1-y13 y12(0≦x2≦2/3、0≦y1≦2/3、M2およびM3は、それぞれ独立にCrおよびNa以外の金属元素であって、例えば、Ni、Co、Mn、FeおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種である)や、Na2/3-x34 x3Fe1/3-y2Mn2/3-z15 y2+z12(0≦x3≦1/3、0≦y2≦1/3、0≦z1≦1/3、M4およびM5は、それぞれ独立にFe、MnおよびNa以外の金属元素であって、例えばNi、Co、AlおよびCrよりなる群から選択される少なくとも1種である)などを用いることもできる。なお、M2およびM4はNaサイト、M3はCrサイト、M5はFeまたはMnサイトを占める元素である。
結着剤は、正極活物質同士を結合させるとともに、正極活物質を正極集電体に固定する役割を果たす。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂;芳香族ポリアミドなどのポリアミド樹脂;ポリイミド(芳香族ポリイミドなど)、ポリアミドイミドなどのポリイミド樹脂;スチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)などのゴム状ポリマー;カルボキシメチルセルロース(CMC)またはその塩(Na塩など)などのセルロース誘導体(セルロースエーテルなど)などが例示できる。結着剤の量は、正極活物質100質量部あたり、1〜10質量部が好ましく、3〜5質量部がより好ましい。
導電助剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維などの炭素質導電助剤が挙げられる。これらのうちでは、少量使用で十分な導電経路を形成しやすいことから、カーボンブラックが特に好ましい。導電助剤の量は、正極活物質100質量部あたり、5〜15質量部が好ましく、5〜10質量部がより好ましい。
正極合剤の層(正極活物質層)は、例えば、正極活物質、結着剤および導電助剤を、分散媒に分散させたペーストを、正極集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要により圧延することにより形成できる。分散媒としては、アセトンなどのケトン;テトラヒドロフランなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;ジメチルアセトアミドなどのアミド;N−メチル−2−ピロリドンなどが例示できる。これらの分散媒は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、短絡を抑制し易い観点から、正極の表面粗さRmaxは、例えば、0.5〜5μm、好ましくは0.5〜2μmである。
(負極)
負極は、負極活物質を含むことができる。負極活物質としては、例えば、金属ナトリウムなどのアルカリ金属の他、電気化学的にナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオンを吸蔵および放出する材料、ナトリウムなどのアルカリ金属と合金化する材料などが例示できる。
負極は、好ましくは、負極集電体および負極集電体に固定化された負極活物質を含み、任意成分として、結着剤、導電助剤などを含んでもよい。
負極集電体の形態および厚さは、正極集電体と同様のものまたは範囲からそれぞれ選択できる。
負極集電体を構成する金属としては、ナトリウムと合金化せず、負極電位で安定であることから、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウム、アルミニウム合金などが好ましいが、特に限定されない。
負極活物質の具体例としては、ナトリウム、インジウム、スズなどの金属またはその合金、もしくはその化合物;炭素質材料などが例示できる。なお、合金は、これらの金属以外に、さらにアルカリ土類金属を含んでもよい。金属化合物としては、アルカリ金属を含むチタン化合物が例示できる。炭素質材料としては、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)などが例示できる。負極活物質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、ハードカーボンなどの炭素質材料、アルカリ金属を含むチタン化合物などが好ましい。
負極活物質が金属や合金などである場合、負極活物質層は、メッキ、蒸着、スパッタリングなどの方法により、負極集電体に金属または合金の被膜を形成することにより得ることができる。
また、負極合剤を用いれば、負極活物質の種類によらず、負極活物質層を形成できる。負極合剤で形成される負極活物質層において、結着剤は、負極活物質同士を結合させるとともに、負極活物質を負極集電体に固定する役割を果たす。このような結着剤としては、正極合剤に使用される結着剤として例示したものと同様のものが使用できる。負極電位でも安定で、還元分解されない観点から、結着剤として、ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;SBRなどのゴム状ポリマー;CMCなどのセルロース誘導体;キサンタンガムなどの多糖類;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどを用いてもよい。結着剤の量は、負極活物質100質量部あたり、1〜10質量部が好ましく、3〜5質量部がより好ましい。
負極にも、負極活物質の種類によって、正極と同様に、カーボンブラックなどの導電助剤を含有させてもよい。金属や合金、ハードカーボンなどを負極活物質として用いる場合には、負極活物質により比較的高い導電性が得られ易いため、特に、導電助剤を用いなくても、十分な導電性を得ることができる。一方、アルカリ金属含有チタン化合物などの金属化合物を負極活物質として用いる場合には、十分な導電性を確保するために、導電助剤を用いてもよい。導電助剤の量は、負極活物質100質量部あたり、5〜15質量部が好ましく、5〜10質量部がより好ましい。
アルカリ金属含有チタン化合物としては、ナトリウム含有チタン化合物、カリウム含有チタン化合物などが例示できる。ナトリウム含有チタン化合物を用いることが好ましい。ナトリウム含有チタン化合物としては、チタン酸ナトリウムが好ましく、より具体的には、Na2+aTi37およびNa4+bTi512よりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。これらのチタン酸ナトリウムにおいて、係数aは、0≦a≦2.0であり、係数bは、0≦b≦2.0である。
また、チタン酸ナトリウムのTiまたはNaの一部を他元素で置換してもよい。例えば、Na2+a-x46 x4Ti3-y37 y37(0≦x4≦3/2、0≦y3≦8/3、M6およびM7は、それぞれ独立にTiおよびNa以外の金属元素であって、例えばNi、Co、Mn、Fe、AlおよびCrよりなる群から選択される少なくとも1種であり、係数aは前記と同じである)や、Na4+b-x58 x5Ti5-y49 y412(0≦x5≦11/3、0≦y4≦14/3、M8およびM9は、それぞれ独立にTiおよびNa以外の金属元素であって、例えばNi、Co、Mn、Fe、AlおよびCrよりなる群から選択される少なくとも1種であり、係数bは前記と同じである)などを用いることもできる。ナトリウム含有チタン化合物は、一種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。ナトリウム含有チタン化合物は、ハードカーボンと組み合わせて用いてもよい。なお、M6およびM8はNaサイト、M7およびM9はTiサイトを占める元素である。
ハードカーボンとは、不活性雰囲気中で加熱しても黒鉛構造が発達しない炭素材料であり、微小な黒鉛の結晶がランダムな方向に配置され、結晶層と結晶層との間にナノオーダーの空隙を有する材料をいう。ナトリウムイオンの直径は、0.95オングストロームであることから、空隙の大きさは、これより十分に大きいことが好ましい。結晶層の平均層面間隔は、特に限定されないが、例えば0.37nmより大きければよく、0.38nm以上であることが好ましい。
ハードカーボンの平均粒子径(体積粒度分布における累積体積50%における粒子径)は、例えば3〜20μmであればよく、5〜15μmであることが、負極における負極活物質の充填性を高め、かつ電解質との副反応を抑制する観点から望ましい。また、ハードカーボンの比表面積は、イオンの受け入れ性を確保するとともに、電解質との副反応を抑制する観点から、例えば1〜10m2/gであればよく、3〜8m2/gであることが好ましい。ハードカーボンは、一種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
負極合剤の層(負極活物質層)は、例えば、負極活物質、結着剤、および必要により導電助剤を、分散媒に分散させたペーストを、負極集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要により圧延することにより形成できる。分散媒としては、正極活物質層について例示したものと同様のものが使用できる。
なお、短絡を抑制し易い観点から、負極の表面粗さRmaxは、例えば、0.5〜5μm、好ましくは0.5〜2μmである。短絡をより効果的に抑制する観点からは、正極の表面粗さRmaxと負極の表面粗さRmaxとの合計が、セパレータの厚さよりも小さいことが好ましく、セパレータの厚さの1/2以下であることがより好ましい。
(電極群)
溶融塩電池は、正極と、負極と、これらの間に介在するセパレータと、電解質とを、電池ケースに収容した状態で用いられる。正極と負極とを、これらの間にセパレータを介在させて積層または捲回することにより電極群を形成し、この電極群を電池ケース内に収容してもよい。このとき、金属製の電池ケースを用いるとともに、正極および負極の一方を電池ケースと導通させることにより、電池ケースの一部を第1外部端子として利用することができる。一方、正極および負極の他方は、電池ケースと絶縁された状態で電池ケース外に導出された第2外部端子と、リード片などを用いて接続される。
図1は、溶融塩電池を概略的に示す縦断面図である。
溶融塩電池は、積層型の電極群、電解質(図示せず)およびこれらを収容する角型のアルミニウム製の電池ケース10を具備する。電池ケース10は、上部が開口した有底の容器本体12と、上部開口を塞ぐ蓋体13とで構成されている。
溶融塩電池を組み立てる際には、まず、正極2と負極3とをこれらの間にセパレータ1を介在させた状態で積層することにより電極群が構成され、構成された電極群が電池ケース10の容器本体12に挿入される。その後、容器本体12に溶融塩を注液し、電極群を構成するセパレータ1、正極2および負極3の空隙に電解質を含浸させる工程が行われる。あるいは、溶融塩に電極群を含浸し、その後、溶融塩を含んだ状態の電極群を容器本体12に収容してもよい。
蓋体13の中央には、電子ケース10の内圧が上昇したときに内部で発生したガスを放出するための安全弁16が設けられている。安全弁16を中央にして、蓋体13の一方側寄りには、電池ケース10と導通した状態で蓋体13を貫通する外部正極端子14が設けられ、蓋体13の他方側寄りの位置には、電池ケース10と絶縁された状態で蓋体13を貫通する外部負極端子が設けられる。
積層型の電極群は、いずれも矩形のシート状である、複数の正極2と複数の負極3およびこれらの間に介在する複数のセパレータ1により構成されている。図1では、セパレータ1は、正極2を包囲するように袋状に形成されているが、セパレータの形態は特に限定されない。複数の正極2と複数の負極3は、電極群内で積層方向に交互に配置される。
各正極2の一端部には、正極リード片2aを形成してもよい。複数の正極2の正極リード片2aを束ねるとともに、電池ケース10の蓋体13に設けられた外部正極端子14に接続することにより、複数の正極2が並列に接続される。同様に、各負極3の一端部には、負極リード片3aを形成してもよい。複数の負極3の負極リード片3aを束ねるとともに、電池ケース10の蓋体13に設けられた外部負極端子に接続することにより、複数の負極3が並列に接続される。正極リード片2aの束と負極リード片3aの束は、互いの接触を避けるように、電極群の一端面の左右に、間隔を空けて配置することが望ましい。
外部正極端子14および外部負極端子は、いずれも柱状であり、少なくとも外部に露出する部分が螺子溝を有する。各端子の螺子溝にはナット7が嵌められ、ナット7を回転することにより蓋体13に対してナット7が固定される。各端子の電池ケース内部に収容される部分には、鍔部8が設けられており、ナット7の回転により、鍔部8が、蓋体13の内面に、ワッシャ9を介して固定される。
[付記]
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
正極と、負極と、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータと、イオン液体を80質量%以上含む溶融塩電解質とを含み、
前記セパレータは、前記正極側の第1表面、前記負極側の第2表面、および前記第1表面と前記第2表面との間の内部を備え、前記内部に複数の空孔を有し、前記第1表面および前記第2表面に、前記空孔と連通する複数の開孔部を有し、
前記セパレータは、前記第1表面を有する第1多孔層および前記第2表面を有する第2多孔層を少なくとも含む積層体であり、
前記セパレータは、圧縮されていない状態で、前記第1表面における前記開孔部の平均径をdpとし、前記第2表面における前記開孔部の平均径をdnとするとき、dp>dnの関係を充足する溶融塩電池。
このような溶融塩電池では、充電時に負極表面で金属が析出しても、この金属析出物による内部短絡の発生を抑制できるとともに、高いイオン伝導性を確保することができるため、優れた充放電特性を得ることができる。
(付記2)
前記付記1の溶融塩電池において、前記溶融塩電解質は、ナトリウムイオン伝導性を有し、前記正極は正極活物質を含み、前記負極は負極活物質を含み、前記正極活物質は、ナトリウム含有遷移金属化合物を含み、前記負極活物質は、電気化学的にナトリウムイオンを吸蔵および放出する材料、金属ナトリウム、またはナトリウムと合金化する材料を含むことが好ましい。このような溶融塩電池において、上記のセパレータを用いることで、負極で生成する金属ナトリウムなどの析出物が、セパレータを透過したり、セパレータ内で成長したりするのをより効果的に抑制できる。
(付記3)
前記付記1または付記2の溶融塩電池において、前記セパレータは、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、およびポリフェニレンサルファイド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含むことができる。
セパレータがこのような樹脂を含む場合、セパレータ表面における開孔部の平均径を制御し易く、容易に平均径dpよりも平均径dnを小さくすることができる。
(付記4)
前記付記1〜付記3のいずれか1つの溶融塩電池において、前記セパレータの厚さは、10μm以上であり、正極の表面粗さRmaxおよび負極の表面粗さRmaxの合計よりも大きいことが好ましい。このようなセパレータを用いることにより、短絡をより有効に抑制することができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)正極の作製
NaCrO2(正極活物質)90質量部、アセチレンブラック(導電助剤)5質量部およびポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量部を、N−メチル−2−ピロリドンに分散させて、正極合剤ペーストを調製した。得られた正極合剤ペーストを、アルミニウム箔(縦10cm×横10cm、厚さ20μm)の両面に塗布し、十分に乾燥させ、圧延して、両面に厚さ15μmの正極合剤層を有する総厚50μmの正極を10枚作製した。なお、正極の一辺の一方側端部には、集電用のリード片を形成した。
(2)負極の作製
負極集電体としてのアルミニウム箔(縦10cm×横10cm、厚さ20μm)の両面に、亜鉛をスパッタリングし、各表面に厚さ130nmの亜鉛膜(負極活物質層)を有する負極を9枚作製した。また、負極集電体の片面のみに負極活物質層を形成する以外は、上記と同様にして、2枚の負極を作製した。なお、負極の一辺の一方側端部には、集電用のリード片を形成した。
(3)セパレータの作製
ポリオレフィン微多孔膜(ポリオレフィン微多孔膜A、厚さ25μm)と、ポリフェニレンサルファイド不織布(厚さ50μm)とを重ね合わせて、熱溶着により一体化させることで積層体(セパレータ)を作製した。
得られたセパレータの両方の表面における開孔部の平均径を、ガス透過法により測定した。その結果、ポリオレフィン微多孔膜側の表面における開孔部の平均径は50nmであり、ポリフェニレンサルファイド不織布側の表面における開孔部の平均径は20μmであった。
得られたセパレータの両方の表面のSEM画像を撮影した。ポリフェニレンサルファイド不織布側の表面(第1表面)のSEM画像を図2に、ポリオレフィン微多孔膜側の表面のSEM画像を図3に、それぞれ示す。図2および図3に示されるように、セパレータの第1表面は、サイズが大きな開孔部が分布した構造を有しており、第2表面は、サイズが小さな開孔部が多数(または密に)分布した構造を有していた。
さらに、王研式透気度試験機(旭精工株式会社製、デジタル型王研式透気度試験機EG01)を用いて、微多孔膜の透気度を測定したところ、500sec./1000ccであった。
(4)電極群の組み立て
正極と、負極との間に、セパレータを介在させて、正極リード片同士および負極リード片同士が重なり、かつ正極リード片の束と負極リード片の束とが左右対称な位置に配置されるように積層し、電極群を作製した。このとき、セパレータのポリオレフィン微多孔膜側の表面が負極と接し、ポリフェニレンサルファイド不織布側の表面が正極と接するようにセパレータを配置した。電極群の一方の端部には、片面のみに正極合剤層を有する正極を、その正極合剤層が負極と対向するように配置した。また、電極群の他方の端部には、片面のみに負極活物質層を有する負極を、その負極活物質層が正極と対向するように配置した。
(5)溶融塩電池の組み立て
上記(4)で得られた電極群と、電解質とを、アルミニウム製の容器本体に収容し、容器本体の開口部を、アルミニウム製の蓋体(封口板)で密閉して、公称容量2.6Ahの図1に示す溶融塩電池(電池A1)を完成させた。電解質としては、NaFSAとMPPYFSAとを、4:6のモル比で混合したものを用いた。
(6)評価
溶融塩電池を、90℃になるまで加熱し、時間率0.2Cレートの電流値で3.5Vになるまで定電流充電し、3.5Vで定電圧充電を行った。そして、時間率0.2Cレートの電流値で、3.0Vになるまで放電を行った。このような充放電サイクルを繰り返し、10回目の放電容量を測定し、充放電効率を算出した。また、初回の放電容量および100回目の放電容量に基づいて、容量維持率を算出した。
実施例2
実施例1のセパレータの作製(3)において、ポリフェニレンサルファイド不織布に代えて、ポリオレフィン微多孔膜(ポリオレフィン微多孔膜B(ポリオレフィン微多孔膜Aとは孔径が異なる)、厚さ25μm)を用いる以外は、実施例1と同様にしてセパレータを形成し、セパレータの両表面における開孔部の平均径を測定した。そして、得られたセパレータを用いる以外は、実施例1と同様にして溶融塩電池(電池A2)を作製し、評価を行った。
実施例3
負極活物質としてのハードカーボン92質量部と、結着剤としてのポリイミド樹脂8質量部とを、N−メチル−2−ピロリドンに分散させて、負極合剤ペーストを調製した。得られた負極合剤ペーストを、アルミニウム箔(縦10cm×横10cm、厚さ20μm)の両面に塗布し、十分に乾燥させ、圧延して、両面に厚さ30μmの負極活物質層を有する総厚80μmの負極を9枚作製した。なお、負極の一辺の一方側端部には、集電用のリード片を形成した。
このようにして得られた負極を用いる以外は、実施例1と同様に溶融塩電池(電池A3)を作製し、評価を行った。
実施例4
実施例3と同様の負極を用いる以外は、実施例2と同様に溶融塩電池(電池A4)を作製し、評価を行った。
実施例5
実施例1のセパレータの作製(3)において、ポリオレフィン微多孔膜Aに代えて、ポリオレフィン微多孔膜(ポリオレフィン微多孔膜C(ポリオレフィン微多孔膜AおよびBとは孔径が異なる)、厚さ25μm)を用いる以外は、実施例1と同様にしてセパレータを形成し、セパレータの両表面における開孔部の平均径を測定した。そして、得られたセパレータを用いる以外は、実施例1と同様にして溶融塩電池(電池A5)を作製し、評価を行った。
比較例1
市販の延伸法により得られた単層構造のポリオレフィン微多孔膜(厚さ25μm)を2枚貼り合わせてセパレータとして用いる以外は、実施例1と同様にして溶融塩電池(電池B1)を作製し、評価を行った。
比較例2
実施例1で得られた微多孔膜のポリフェニレンサルファイド不織布側の表面を負極に接触させ、ポリオレフィン微多孔膜側の表面を正極に接触させた状態で配置する以外は、実施例1と同様にして溶融塩電池(電池B2)を作製し、評価を行った。
実施例および比較例の結果を表1に示す。
表1から明らかなように、dp>dnである実施例の電池では、初回充放電効率および容量維持率ともに高く、いずれも90%以上であった。
それに対して、セパレータの正極側および負極側の表面において、平均径dpおよびdnが同じである電池B1では、充放電効率および容量維持率の低下がみられた。これは、電解質の保持性が低いことによるものと考えられる。dp<dnであるセパレータを用いた電池B2では、微小短絡の発生により、充放電効率および容量維持率ともに大きく低下した。
本発明の一実施形態によれば、溶融塩電池において、負極表面に金属析出物が生成する場合であっても、内部短絡を抑制できるとともに、高いイオン伝導性を確保できることから、優れた充放電特性が得られる。そのため、溶融塩電池は、例えば、家庭用または工業用の大型電力貯蔵装置や、電気自動車やハイブリッド自動車の電源として有用である。
1:セパレータ
2:正極
2a:正極リード片
3:負極
3a:負極リード片
7:ナット
8:鍔部
9:ワッシャ
10:電池ケース
12:容器本体
13:蓋体
14:外部正極端子
16:安全弁
なお、微多孔膜を含むセパレータやセパレータを構成する微多孔膜は、必要に応じて、延伸処理を行ったものでもよい。延伸処理は、一軸延伸処理または二軸延伸処理のいずれであってもよい。開孔部や空孔のサイズを適度な範囲に調節し易い点から、二軸延伸処理を行うことが好ましい。なお、二軸延伸処理では、微多孔膜を直交する二軸方向に延伸する。延伸処理を行うことで、未延伸の微多孔膜に存在する気泡が微多孔膜の平面方向だけでなく、厚さ方向にも引き延ばされて、厚さ方向に広がる空孔を形成することができる。このような状態では、厚さ方向に空孔を形作る壁面が多数形成されることになるため、負極上で金属析出物が生成しても、セパレータ内部で効率的に捕捉することができる。
第4級アンモニウムカチオンとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン(TEA+tetraethylammonium cation)、メチルトリエチルアンモニウムカチオン(TEMA+:methyltriethylammonium cation)などのテトラアルキルアンモニウムカチオン(テトラC1-10アルキルアンモニウムカチオンなど)などが例示できる。
窒素含有有機オニウムカチオンのうち、特に、第4級アンモニウムカチオンの他、窒素含有ヘテロ環骨格として、ピロリジン、ピリジン、またはイミダゾール骨格を有するものが好ましい。ピロリジン骨格を有する有機オニウムカチオンは、ピロリジン環を構成する1つの窒素原子に、2つの上記アルキル基を有することが好ましい。ピリジン骨格を有する有機オニウムカチオンは、ピリジン環を構成する1つの窒素原子に、1つの上記アルキル基を有することが好ましい。また、イミダゾール骨格を有する有機オニウムカチオンは、イミダゾール環を構成する2つの窒素原子に、それぞれ、1つの上記アルキル基を有することが好ましい。
イミダゾール骨格を有する有機オニウムカチオンの具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(EMI+:1−ethyl−3−methylimidazolium cation)、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(BMI+:1−buthyl−3−methylimidazolium ca
tion)、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオンなどが挙げられる。これらのうち、EMI+、BMI+などのメチル基と炭素数2〜4のアルキル基とを有するイミダゾリウムカチオンが好ましい。
これらのアニオンは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
ビススルホニルアミドアニオンのうち、ビス(フルオロスルホニル)アミドアニオン(FSA-:bis(fluorosulfonyl)amide anion));ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオン(TFSA-:bis(trifluoromethylsulfonyl)amide anion)、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)アミドアニオン、(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオンなどのビス(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン(PFSA-:bis(pefluoroalkylsulfonyl)amide anion)などが好ましい。
蓋体13の中央には、電ケース10の内圧が上昇したときに内部で発生したガスを放出するための安全弁16が設けられている。安全弁16を中央にして、蓋体13の一方側寄りには、電池ケース10と絶縁された状態で蓋体13を貫通する外部正極端子14が設けられ、蓋体13の他方側寄りの位置には、電池ケース10と導通した状態で蓋体13を貫通する外部負極端子が設けられる。
得られたセパレータの両方の表面のSEM画像を撮影した。ポリフェニレンサルファイド不織布側の表面(第1表面)のSEM画像を図2に、ポリオレフィン微多孔膜側の表面のSEM画像を図3に、それぞれ示す。図2および図3に示されるように、セパレータの第1表面は、サイズが大きな開孔部が分布した構造を有しており、第2表面は、サイズが小さな開孔部が多数(または密に)分布した構造を有していた。
さらに、王研式透気度試験機(旭精工株式会社製、デジタル型王研式透気度試験機EG01)を用いて、微多孔膜の透気度を測定したところ、500sec./1000mlであった。
(4)電極群の組み立て
正極と、負極との間に、セパレータを介在させて、正極リード片同士および負極リード片同士が重なり、かつ正極リード片の束と負極リード片の束とが左右対称な位置に配置されるように積層し、電極群を作製した。このとき、セパレータのポリオレフィン微多孔膜側の表面が負極と接し、ポリフェニレンサルファイド不織布側の表面が正極と接するようにセパレータを配置した。電極群の一方の端部には、片面のみに負極活物質層を有する負極を、その負極活物質層正極と対向するように配置した。また、電極群の他方の端部には、片面のみに負極活物質層を有する負極を、その負極活物質層が正極と対向するように配置した。

Claims (9)

  1. 正極と、負極と、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータと、イオン液体を80質量%以上含む溶融塩電解質とを含み、
    前記セパレータは、前記正極側の第1表面、前記負極側の第2表面、および前記第1表面と前記第2表面との間の内部を備え、前記内部に複数の空孔を有し、前記第1表面および前記第2表面に、前記空孔と連通する複数の開孔部を有し、
    前記セパレータは、前記第1表面を有する第1多孔層および前記第2表面を有する第2多孔層を少なくとも含む積層体であり、
    前記セパレータは、圧縮されていない状態で、前記第1表面における前記開孔部の平均径をdpとし、前記第2表面における前記開孔部の平均径をdnとするとき、dp>dnの関係を充足する溶融塩電池。
  2. 前記溶融塩電解質は、ナトリウムイオン伝導性を有し、
    前記正極は正極活物質を含み、前記負極は負極活物質を含み、
    前記正極活物質は、ナトリウム含有遷移金属化合物を含み、
    前記負極活物質は、電気化学的にナトリウムイオンを吸蔵および放出する材料、金属ナトリウム、またはナトリウムと合金化する材料を含む請求項1に記載の溶融塩電池。
  3. 前記平均径dnは1nm≦dn≦500nmを充足する請求項1または請求項2に記載の溶融塩電池。
  4. 前記セパレータの厚さは、圧縮されていない状態で、前記平均径dpよりも大きく、かつ10〜300μmである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の溶融塩電池。
  5. 前記平均径dnに対する前記平均径dpの比dp/dnは、前記セパレータが圧縮されていない状態で、1.1〜500である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の溶融塩電池。
  6. 前記セパレータは、前記第1多孔層と前記第2多孔層との間に、さらに、多孔質の中間層を含み、
    前記中間層は、単層構造、または2層以上の積層構造を有する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の溶融塩電池。
  7. 前記第1多孔層は、微多孔膜の層または不織布の層であり、
    前記第2多孔層は、微多孔膜の層または不織布の層である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の溶融塩電池。
  8. 前記第1多孔層は、前記不織布の層であり、
    前記第2多孔層は、前記微多孔膜の層である請求項7に記載の溶融塩電池。
  9. 前記セパレータの透気度は、前記セパレータが圧縮されていない状態で、前記セパレータの厚さ20μm当たり、20sec./1000ml以上である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の溶融塩電池。
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