JP2011142016A - 電池システム、電池の使用方法及び電池の再生方法 - Google Patents

電池システム、電池の使用方法及び電池の再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】デンドライトの発生又は成長を抑制、或いは一旦発生したデンドライトを縮小又は消失することができる電池システム、電池の使用方法及び電池の再生方法を提供する。
【解決手段】正極と、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を含む負極と、これら両電極間に介在される電解質とを有する二次電池10で充放電を行う電池の使用方法である。この使用方法は、負極が固相状態となる温度域にて二次電池10の充放電を行う定常運転過程と、この定常運転過程よりも高温で、かつ前記負極が固相を含む状態となる温度以下に二次電池10を加熱して、定常運転過程において両電極間に生成したデンドライトを溶解させる回復過程とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池システム、電池の使用方法及び電池の再生方法に関するものである。特に、デンドライトの発生又は成長を抑制、或いは一旦発生したデンドライトを縮小又は消失することができる電池システムに関する。
二次電池の一つとして、風力発電の出力平準化などに用いられるNa-S電池が知られている。例えば、特許文献1には、負極活物質である溶融金属ナトリウムと、正極活物質である溶融硫黄とをナトリウムイオンに対して選択的な透過性を有するβ−アルミナ固体電解質で隔離したNa-S電池が開示されている。
一方、別の二次電池としては、携帯電話などの電子機器の電源として用いられるリチウムイオン電池も知られている。例えば、特許文献2には、負極にリチウム金属を用い、正極にコバルト酸リチウムを用いたリチウムイオン電池が開示されている。
特開2007-273297号公報 特開2009-43535号公報
しかし、上記のNa-S電池では、280〜360℃といった高温にて電池の運転を行うため、この電池の加熱に要する設備やエネルギーが過大になるという問題がある。また、電池やその付属品も、電池の高温運転に耐える耐熱性が求められ、これらの構成材料の選択肢も制約される。
一方、リチウムイオン電池は、加熱することなく充放電することができるが、特に負極をリチウム金属とし、電解質に有機電解液を用いたリチウムイオン電池の場合、デンドライトの発生により電池の内部抵抗の増大、電池容量の低下といった問題がある。さらに、デンドライトの進展により両電極間が短絡すると、電池の起電力を復活させるには電池を解体して電極などの構成部品を交換する他なく、実用上、電池を再利用することはできない。他方、固体電解質を用いたリチウムイオン電池の開発も進められているが、デンドライトの成長を固体電解質で抑え込むには、高密度で高強度の厚い固体電解質が必要となる。ところが、そのような固体電解質は高抵抗となる傾向があるため、実用的な電池を得ることは難しい。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、過度に高温に加熱することなく二次電池の充放電や、デンドライトの発生又は成長の抑制、或いは一旦発生したデンドライトの縮小又は消失ができる電池システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、デンドライトの発生を回避できる電池の使用方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、一旦発生したデンドライトを縮小又は消失させることができる電池の使用方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、デンドライトにより両電極間が短絡した二次電池であっても、その電池を再利用することができる電池の再生方法を提供することにある。
本発明者らは、二次電池のデンドライトの抑制について鋭意検討を行った結果、電極が実質的に固相を維持できる程度の温度以下であっても、デンドライトが実質的に生成せず、或いは生成したデンドライトを溶解できる温度域が存在することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の電池システムは、二次電池と、この二次電池を所定の温度に加熱する加熱手段と、二次電池の温度を検知する温度検知手段と、加熱制御手段とを備える。二次電池は、正極と、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を含む負極と、これら両電極間に介在される電解質とを有する。加熱制御手段は、前記温度検知手段の検知結果に基づいて前記加熱手段を制御して、前記両電極の少なくとも一方の構成金属を含むデンドライトが溶解できる温度以上で、かつ前記負極が固相を含む状態となる温度以下に前記二次電池を加熱させる。
この構成によれば、負極が固相を含む状態となる温度以下の低温でありながら、両電極間でのデンドライトを溶解することができる。そのため、この温度域にて常時電池を運転すれば、電極間にデンドライトが生じることを回避できる。また、この温度域に電池を加熱することを適時行うことで、電極間に生成したデンドライトを縮小又は消失させることができる。
本発明の電池システムの一形態として、さらに、物理量計測手段と、短絡検知手段とを備える形態が挙げられる。物理量計測手段は、前記二次電池の両電極間がデンドライトにより短絡したことと相関する当該電池の物理量を計測する。短絡検知手段は物理量計測手段の計測結果に基づいて、両電極間に短絡が生じたことを検知する。そして、この短絡検知手段が両電極間に短絡が生じたことを検知した場合、前記加熱制御手段が前記二次電池の加熱を制御する。
この構成によれば、デンドライトの成長に伴う短絡、特に微小短絡が生じたことを検知し、その短絡が検知された際にデンドライトを溶解できる温度に電池を加熱することができる。そのため、電極間の短絡の開始段階で、その短絡を解消することが容易にできる。
本発明の電池システムの一形態として、さらに、所定の時刻設定ができるタイマー手段を備える形態が挙げられる。そして、このタイマー手段の設定時刻に応じて、前記加熱制御手段が前記二次電池の加熱を制御する。
この構成によれば、タイマーの設定時刻に応じて、随時に、又は定期に二次電池を所定温度に加熱することで、電極間にデンドライトが生成していても、そのデンドライトを溶解することができ、電池容量を長期にわたって維持することができる。
本発明の電池システムの一形態として、前記アルカリ金属がNaである形態が挙げられる。
この構成によれば、容易に入手でき、資源量としても十分なNaを負極の構成材料として利用することができる。
本発明の電池システムの一形態として、前記加熱手段により二次電池を加熱する温度は、前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の融点下30℃以内、つまり融点を含み、融点より下に30℃以内の温度差となる範囲とする形態が挙げられる。より好ましい前記融点との温度差は10℃以内、さらに好ましくは5℃以内である。
この構成によれば、負極が固相を含む状態となる温度以下の低温でありながら、両電極間でのデンドライトを溶解することができる。
本発明の電池システムの一形態として、前記電解質は、二次電池の充放電時において溶融塩である形態が挙げられる。
この構成によれば、電解質が不燃性であり、安全性の高い二次電池を有する電池システムを構築することができる。
一方、本発明の電池の使用方法は、正極と、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を含む負極と、これら両電極間に介在される電解質とを有する二次電池で充放電を行う電池の使用方法である。その際、この充放電は、前記両電極の少なくとも一方の構成金属を含むデンドライトが溶解できる温度以上で、かつ前記負極が固相を含む状態となる温度以下に前記二次電池を加熱して行う。
この方法によれば、二次電池の使用過程でデンドライトが実質的に生成しないため、デンドライトの生成に伴う電池容量の低下や電極間の短絡を防止することができる。
また、本発明の別の電池の使用方法は、正極と、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を含む負極と、これら両電極間に介在される電解質とを有する二次電池で充放電を行う電池の使用方法であり、次の過程を備える。
定常運転過程:前記負極が固相状態となる温度域にて前記二次電池の充放電を行う。
回復過程:この定常運転過程よりも高温で、かつ前記負極が固相を含む状態となる温度以下に前記二次電池を加熱して、前記定常運転過程において両電極間に生成したデンドライトを溶解させる。
この方法によれば、定常運転時は、比較的低い温度にて二次電池の充放電を行うことで、電池の加熱に要するエネルギーを省力化し、デンドライトの生成時は、定常運転時よりも高温に二次電池を加熱することで、このデンドライトを縮小又は消失させることができる。
さらに、本発明の電池の再生方法は、次の過程を備える。
準備過程:正極と、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を含む負極と、これら両電極間に介在される電解質とを有する電池であって、前記両電極間がデンドライトにより短絡した二次電池を用意する。
再生過程:前記短絡を解消するように、前記デンドライトを溶解させる温度以上で、前記負極が固相を含む状態となる温度以下に前記二次電池を加熱する。
この方法によれば、両電極間がデンドライトで一旦短絡してしまった二次電池であっても、このデンドライトを溶解して短絡を解消し、二次電池を再利用することができる。
本発明の電池システム、及び電池の使用方法によれば、両電極間のデンドライトの生成を抑制し、或いは生成したデンドライトを縮小・消失させることができる。
本発明の電池の再生方法によれば、両電極間がデンドライトで一旦短絡してしまった二次電池であっても、この短絡を解消させて、二次電池を再利用することができる。
実施形態に係る電池システムの機能ブロック図である。 図1の電池システムを構成する二次電池の分解模式図である。 図1の電池システムの運転手順を示すフローチャートである。 加熱時間を変えた二次電池の充放電曲線を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。まず、本発明に係る電池システムの構成を先に説明し、順次、同システムを利用した二次電池の使用方法と再生方法を説明する。
〔電池システム〕
図1に示すように、この電池システム100は、二次電池10、加熱手段20、温度検知手段30、及び加熱制御手段40を備える。温度検知手段30で二次電池10の温度を検知し、その検知結果に基づいて、加熱制御手段40で加熱手段20を制御し、二次電池10を所定の温度に加熱する。この所定の温度とは、二次電池10の両電極の少なくとも一方の電極を構成する金属を含むデンドライトが溶解できる温度以上で、かつ前記負極が固相を含む状態となる温度以下(この温度範囲を「規定温度域」という)である。また、必要に応じて、このシステムは、物理量計測手段50、及び短絡検知手段60を備え、これらの検知手段50,60によりデンドライトによる電極間の短絡を検知して、その検知結果を規定温度域への二次電池10の加熱に利用する。その他、必要に応じてタイマー手段70を設けることで、二次電池10を規定温度域に加熱するタイミングを容易に制御することができる。これらの一連の制御は、コンピュータにより行うことができる。以下、電池システム10の各部の構成を説明する。
{二次電池}
二次電池10は、正負極の両電極間に電解質を備え、充放電が可能な電池であればよい。より特定的には、二次電池の動作温度が250℃以下、好ましくは200℃以下、さらに好ましくは150℃以下、特に好ましくは100℃以下、最も好ましくは80℃以下の電池が好適に利用できる。動作温度が低ければ、二次電池10の運転に要する加熱エネルギーを省力化できる。具体例としては、電解質に溶融塩を用いた溶融塩電池や、リチウムイオン電池が挙げられる。溶融塩電池は、通常、電解質が不燃性で安全性が高く、エネルギー密度が大きい。リチウムイオン電池は、加熱しても構わないが、加熱することなく動作できる。以下、各電池の構成についてより詳しく説明する。
(溶融塩電池)
溶融塩電池の一例を図2に示す。この溶融塩電池は、正極11、負極13、溶融塩からなる電解質、溶融塩が含浸されるセパレータ15を備える。また、これらの発電要素を収納する底部12と蓋部14も有し、底部12は正極集電体を、蓋部14は負極集電体を兼ねることができる。
<正極>
正極11には、金属又は金属化合物、結着剤、及び導電助剤を含むものが好適に利用できる。この金属又は金属化合物としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の1種をインターカレーションする金属又は金属化合物が好適である。特に、次式で表わされる金属又は金属化合物は、充放電サイクル特性に優れ、高エネルギー密度の電池を得られる点で好ましい。
NaxM1yM2zM3w … 式1
式1において、M1はFe、Ti、V、Cr又はMnを示し、M2はPO4又はSを示し、M3はF又はOを示す。また、xは0≦x≦2の関係を満たす実数であり、yは0≦y≦1の関係を満たす実数であり、zは0≦z≦2の関係を満たす実数であり、wは0≦w≦3の関係を満たす実数である。そして、x+y>0の関係が満たされるとともに、z+w>0の関係が満たされる。正極11の具体例としては、NaCrO2、TiS2、NaMnF3、Na2FePO4F、NaVPO4F、Na0.44MnO2などが挙げられる。
結着材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好適に利用できる。正極11における結着剤の含有率は、40質量%以下であることが好ましい。特に、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。結着剤の含有率が当該規定範囲であれば、金属又は金属化合物と導電助剤とをより強固に固着でき、かつ正極11の導電性を適切なものとし易い。この結着剤は、必ずしも正極11に含まれている必要はない。
導電助剤としては、ケッチェンブラックやアセチレンブラックといったカーボンブラックなどを用いることができる。正極11における導電助剤の含有率は、40質量%以下であることが好ましい。特に、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。導電助剤の含有率が当該規定範囲であれば、充放電のサイクル特性に優れ、高エネルギー密度の電池を得易い。導電助剤は、正極の導電性に応じて適宜添加すればよく、必須ではない。
<負極>
負極13には、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方が含まれる。アルカリ金属としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)及びセシウム(Cs)からなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。また、アルカリ土類金属としては、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)からなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。
特に、Naを負極13に用いることが好適である。Naは融点が約98℃であり、この融点以下で溶融する電解質と組み合わせることで、低温にて動作する電池を構成できる。
この負極13は、電池の組立時に存在しなくても、充放電により正極11又は電解質中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方が負極13として生成されるようにしてもよい。例えば、電池組立時に負極側にNiやステンレスなどの導電板を配置しておき、充放電を行うことで、導電板に電解質中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方が生成されるようにしてもよい。
この負極13の配置は、電解質の比重との関係を考慮して上下位置を決定することが好適である。例えば、二次電池運転時の負極13の比重が電解質の比重よりも小さければ、負極13が上、電解質が下となるように二次電池を設置し、負極13の比重が電解質の比重よりも大きければ、負極13が下、電解質が上となるように電池を設置することが好ましい。二次電池の運転時、負極13は実質的に固相を維持するが、電解質は溶融塩となるため、後述するセパレータがなければ、比重の小さい負極13が電解質の下になると、負極13が電解質の上に浮いてしまい、比重の大きい負極13が電解質の上になると、負極13が電解質の下に沈んでしまって、正極11と短絡する虞があるからである。
<電解質>
溶融塩電池の電解質には、各電極11,13、特に負極13の融点以下で溶融塩となる材料が好適に利用できる。このような電解質であれば、電解質を溶融塩としても、電極を固相に保持した状態で二次電池を動作できる。具体的には、下記の式2で表わされるアニオンと、金属カチオンとを含む溶融塩が好適に利用できる。この金属カチオンには、アルカリ金属のカチオンの1種以上及びアルカリ土類金属のカチオンの1種以上の少なくとも一方が含まれる。
Figure 2011142016
この式2において、R1及びR2はそれぞれ独立にフッ素原子又はフルオロアルキル基を示している。R1及びR2は同一のものでも異なるものでもよい。
このアニオンの具体例としては、R1及びR2をFとするビスフルオロスルフォニルイミドイオン(FSI-)や、R1及びR2をCF3とするビストリフルオロメチルスルフォニルイミドイオン(TFSI-)の少なくとも一方を用いることが好ましい。
溶融塩MFSI(Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属の1種)の単塩としては、LiFSI、NaFSI、KFSI、RbFSI、CsFSI、Be(FSI)2、Mg(FSI)2、Ca(FSI)2、Sr(FSI)2又はBa(FSI)2が挙げられる。溶融塩MTFSIの単塩としては、LiTFSI、NaTFSI、KTFSI、RbTFSI、CsTFSI、Be(TFSI)2、Mg(TFSI)2、Ca(TFSI)2、Sr(TFSI)2又はBa(TFSI)2が挙げられる。これらの単塩は、単独でも用いても混合物で用いても構わない。
特に、NaFSIとKFSIとの混合物からなる二元系の溶融塩(NaFSI-KFSI)は融点を57℃にもでき、負極13にNaを用いた場合、負極13の融点以下の温度で電解質を溶融状態として二次電池を運転できる。
NaFSI-KFSI溶融塩におけるNaカチオンとKカチオンとのモル比((Kカチオンのモル数)/(Naカチオンのモル数+Kカチオンのモル数))は、0.4以上0.7以下とすることが好ましく、0.5以上0.6以下とすることがより好ましい。このモル比であれば、二次電池の動作温度を90℃以下の低温とし易い。
溶融塩からなる電解質には、有機カチオンが含まれていてもよい。この場合には、電解質の導電率を高くすることができるとともに、電池の動作温度を低下することができる傾向にある。有機カチオンとしては、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン等のアルキルイミダゾール系カチオン、N-エチル-N-メチルピロリジニウムカチオン等のアルキルピロリジニウム系カチオン、1-メチル-ピリジニウムカチオン等のアルキルピリジニウム系カチオン、トリメチルヘキシルアンモニウムカチオン等の4級アンモニウム系カチオンなどを用いることができる。
<その他>
運転時に溶融塩となる電解質は、通常セパレータ15に含浸される。セパレータ15としては、電解質に対して安定な材料、例えばガラスメッシュなどが好適に利用できる。電池を組み立てる際、電解質は溶融状態でセパレータ15に含浸し、そのセパレータ15を両電極11,13間にセットすればよい。電池の運転時、電解質は加熱されて溶融塩となる。また、必要に応じて、両電極間に圧接力を付与する弾性材を設けてもよい。図2では、弾性材17として皿ばねを蓋部14と負極13の間に介在しているが、板ばねや圧縮ばねでもよい。
正極11、負極13、電解質、セパレータ15及び弾性材17は、底部12と蓋部14との間に収納され、図示しないパッキンを用いて底部12と蓋部14の間に封止される。本例では、底部12の上面に複数のボルト12Sを突設し、蓋部14にボルト孔14Hを設けて、各電池の構成要素を底部12と蓋部14との間に挟み、ボルト12Sをボルト14H孔に貫通させて、そのボルト14Sの端部にナット18を締め付けることで二次電池10を構成している。正極集電体となる底部12としては、アルミニウム(Al)が利用でき、蓋部14となる負極集電体としては、ニッケル(Ni)やステンレス(例えばSUS304やSUS316)が利用できる。
(リチウムイオン電池)
リチウムイオン電池は、正極、負極、及びこれら両電極間に介在される電解質を備える。このリチウムイオン電池は、加熱することなく動作できる。各構成部材は次の通りである。
<正極>
正極には、正極活物質、結着剤、及び導電助剤を含むものが好適に利用できる。正極活物質としては、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)及びオリビン型鉄リン酸リチウム(LiFePO4)といったリチウム酸化物や、酸化マンガン(MnO2)といった金属酸化物などを用いることができる。結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、フッ素系ゴム、カルボキシメチルセルロース、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミドなどを用いることができる。結着剤を溶解する溶媒としては、例えばN-メチル-2-ピロリドンといったN-メチルピロリドンやアセトンなどの有機溶媒などを用いることができる。導電助剤としては、ケッチェンブラックやアセチレンブラックといったカーボンブラックなどを用いることができる。
<負極>
負極には、負極活物質として、Li(Li単体金属)又はLi合金(Liと添加元素からなるもの)が利用できる。Li合金の添加元素としては、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)及びインジウム(In)などを用いることができる。
<電解質>
電解質には、電解液又は固体電解質が利用できる。
電解液には、有機溶媒にリチウム塩を添加したものが挙げられる。有機溶媒としては、環状カーボネート或いは鎖状カーボネートを用いることができる。環状カーボネートとしては、例えばエチレンカーボネート(EC)、ビニレンカーボネート(VC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)などが挙げられる。鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)などが挙げられる。特に、エチレンカーボネート(EC)又はビニレンカーボネート(VC)が好適である。リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiTFSI、LiBETIなどを用いることができ、これらリチウム塩を2種以上組み合わせて用いてもよい。
固体電解質としては、Li2Sを含む硫化物系固体電解質や、Li3PO4、LiPONなどの酸化物系固体電解質を用いることができる。硫化物系固体電解質は、酸化物系固体電解質に比べて高いリチウムイオン伝導性を示す点で好適である。具体的な硫化物系固体電解質としては、Li2S‐P2S5系、Li2S‐SiS2系、Li2S‐B2S3系などが挙げられ、更にP2O5やLi3PO4を添加してもよい。中でも、Li2SとP2S5を含む硫化物系固体電解質は、高いLiイオン伝導性を示すので好適である。
<その他>
有機電解液を用いた場合、正負極間にはセパレータが介在される。このセパレータとしては、ポリオレフィン不織布などが利用できる。また、通常、各電極には、集電体が設けられる。正極集電体としては、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、又はステンレスからなる金属箔などを用いることができる。負極集電体としては、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、又はクロム(Cr)からなる金属箔などを用いることができる。電極自体が金属製の場合、電極が集電体を兼ねることもある。
{加熱手段}
加熱手段20(図1)は、二次電池を所定の温度に加熱する。加熱手段20の具体例としては、各種ヒータが好適に利用できる。加熱手段20の二次電池10に対する設置箇所は、デンドライトが発生する電極側(例えば負極側)とすることが挙げられる。この加熱手段20の配置により、より効率的にデンドライトの発生を防止、又はデンドライトの溶解を行うことができる。つまり、デンドライトの発生防止や溶解ができれば、二次電池10を局部的に加熱する加熱手段であってもよいし、全体をほぼ均一に加熱できる加熱手段としてもよい。
また、二次電池10の電極サイズが大きい場合、電極を複数の小領域に分割し、各小領域ごとに加熱手段20を設けて、小領域ごとに独立して加熱制御ができるようにしてもよい。この構成により、サイズの大きい電極における加熱温度のばらつきを小さくすることができる。
{温度検知手段}
温度検知手段30としては、二次電池10の温度が検知できる各種の温度センサが利用できる。具体例としては、熱電対や測温抵抗体などが挙げられる。二次電池10の電極サイズが大きい場合、電極を複数の小領域に分割し、各小領域ごとに温度検知手段を設けて、小領域ごとに独立して温度検知ができるようにしてもよい。この構成により、サイズの大きい電極における各部の温度を的確に取得することができる。
{物理量計測手段}
物理量計測手段50は、二次電池10の両電極間がデンドライトにより短絡したことと相関する当該電池の物理量を計測する。この物理量の具体例としては、二次電池10の充放電時の電圧などが挙げられる。そして、その物理量計測手段50の具体例としては、電圧計などが挙げられる。勿論、電圧以外の物理量であっても、デンドライトによる両電極間の短絡に相関する物理量であれば構わない。
{短絡検知手段}
短絡検知手段60は、物理量計測手段50が計測した物理量から両電極間に短絡が生じたことを判定する。例えば、この物理量を二次電池10の電圧とした場合、この電圧を計測することで、短絡の有無を検知できる理由は、次の通りと推測される。デンドライトは、二次電池10の充電時に負極13(図2)に発生しやすく、デンドライトの成長が進展して両電極間の一部がデンドライトでつながると、初期の段階では微小な電極間の短絡が起こる。その際、計測される二次電池10の電圧は一時的に下がるが、短絡によりデンドライトには大きな電流が流れ、両電極間を短絡させているデンドライトが溶断され、一時的に短絡が解消した状態となる。その結果、充電電圧は、再度上昇する。このような微小な短絡が断続的に繰り返される結果、充電曲線にはジグザグ状の電圧変動が見られる。そのため、計測する物理量(電圧)の特徴的な変動を検知することで、デンドライトの成長に伴う短絡の有無を検知できると考えられる。短絡検知手段60は、電極間の短絡を検知すると、その旨の信号を加熱制御手段40に出力する。
{加熱制御手段}
加熱制御手段40は、加熱手段20を制御して、二次電池10を規定温度域に加熱する。通常、加熱制御手段40は、加熱手段20のオン・オフを制御する温度調整器を含んでいる。温度調整器としてはサーモスタットやサイリスタを用いたものが利用できる。温度調整器が前記温度検知手段30の機能を兼ねる構成であってもよい。加熱制御手段40が、どのタイミングで規定温度域に加熱手段20を制御するかについては、後述する。
〔電池の使用方法〕
以上のシステムを用いて、二次電池10を使用するには、充放電の過程で、若しくは充放電していない間に、二次電池10を規定温度域に加熱する。この規定温度域における「負極が固相を含む状態」とは、負極13がその融点未満の温度で固相を保持する状態は勿論、負極13が融点に達して固相と液相が混合した状態をも含む。つまり、負極13が液相のみにならない状態であればよい。
規定温度域は、より具体的には、負極13の構成材料の融点以下30℃の範囲とすることが好適である。負極13の構成材料にアルカリ金属やアルカリ土類金属を含む場合、例えば、負極13が金属Naの場合、Naの融点は約98℃であるため、規定温度域は68〜98℃とすることが好ましい。負極13がLi金属の場合、Liの融点は約179度であるため、規定温度域は149〜179℃とすることが好ましい。さらに好ましい規定温度域は、負極13の融点以下15℃、特に好ましい規定温度域は負極13の融点以下10℃の範囲である。
二次電池を規定温度域に加熱する仕方としては、次のバリエーションがある。
(1)二次電池を常時規定温度域に加熱
二次電池10を、常に規定温度域で充放電すると、デンドライトが実質的に発生することがない。そのため、デンドライトの発生に伴う電池容量の低下や短絡といった問題を解消することができる。
(2)二次電池を一時的に規定温度域に加熱
定常運転過程として、規定温度域未満の温度で二次電池10を運転し、回復過程として、一時的にのみ規定温度域に二次電池10を加熱する。この運転動作であれば、常時は二次電池10の加熱に要するエネルギーを省力化でき、必要に応じて規定温度域に二次電池10を加熱することで、デンドライトの溶解を行うことができる。二次電池10を規定温度域に加熱する時間は、デンドライトが縮小できる時間であればよく、さらに好ましくはデンドライトが消失できる時間とすればよい。この一時的な二次電池の加熱の仕方には、次のバリエーションがある。
(A)不定期の加熱
二次電池を加熱する周期を特に決めずに、適宜規定温度域に二次電池を加熱する。この場合、デンドライトの発生状態に関わらず二次電池を加熱するが、電池システムは、後述する物理量計測手段50、短絡検知手段60、及びタイマー手段70を要せず、簡易なシステム構成とできる。
(B)定期的な加熱
定期的な二次電池の加熱には、図1に示すように、時刻設定ができるタイマー手段70を用いることが好適である。このタイマー手段70で設定する加熱周期は、一般的な二次電池の使用状態において、デンドライトがある程度生じると思われる間隔とすることが好ましい。例えば、数か月ごと(2〜3ヶ月)などの定期に二次電池を加熱すればよい。このような定期的な二次電池の加熱により、電池容量が大きく低下する前、或いは短絡に至る前にデンドライトを溶解させることができる。
(C)デンドライトによる電極間の短絡を検知して加熱
短絡の検知時に二次電池の加熱を行うには、上述した物理量計測手段50と短絡検知手段60を利用すればよい。短絡を検知した際に二次電池の加熱を行う手順を、図1を参照しつつ、図3のフローチャートに基づいて説明する。前提として、二次電池10は、規定温度域(例えば88℃〜98℃)未満の設定温度(例えば80℃)で定常運転されるものとする。まず、物理量計測手段50で二次電池10の電圧を計測する(ステップS1)。次に、短絡検知手段60により、二次電池10の電極間がデンドライトにより短絡しているか否かを判断する(ステップS2)。この判断は、前述したように、計測される電圧値がジグザグに変動するか否かで判断する。短絡が認められなければ、加熱手段20によるさらなる二次電池10の加熱を行うことなく定常運転を続ける。一方、短絡が認められれば、温度検知手段30で検知した温度データを加熱制御手段40で取得し(ステップS3)、その温度データが規定温度域内か否かを加熱制御手段40にて判定する(ステップS4)。温度データが規定温度域内でない場合、つまり温度データが規定温度域よりも低ければ加熱手段20をON又は加熱強度を上げて二次電池を昇温し、温度データが規定温度域よりも高ければ加熱手段20をOFF又は加熱強度を下げて二次電池を降温させる(ステップS5)。逆に、温度データが規定温度域内の設定温度(例えば90℃)であれば、加熱手段20の加熱温度を維持すればよい(ステップS6)。このとき、一旦規定温度域に二次電池10を加熱する制御を行うと、デンドライトを消失できる程度の一定時間の間は規定温度域での加熱を保持するようにすることが好ましい。以上の手順を繰り返し行うことで、デンドライトの成長により微小な短絡が生じ始めた初期の段階でデンドライトを縮小又は消失させることができ、二次電池10が使用不能となるような短絡に至ることを回避できる。
(D)二次電池の運転状況に応じた加熱
二次電池の運転状況に応じた二次電池の加熱は、デンドライトが生成しやすい運転状況が生じたときに行うことが好適である。例えば、所定の高電流密度で充放電した場合や、充電の累積時間や充放電サイクル数が所定の値を超えた場合などに二次電池の加熱を行うと、効果的にデンドライトを溶解することができる。このような運転は、デンドライトが生じやすい所定の運転状況を検知する運転状況検知手段を設けておき、当該検知手段により所定の運転状況が発生した際に、規定温度域に二次電池を加熱するようにすればよい。
〔電池の再生方法〕
規定温度域への二次電池の加熱は、電極間がデンドライトで短絡して使用不能になった二次電池を再生させることができる。例えば、既に短絡して使用不能となった二次電池を用意する。次に、この電池を規定温度域に加熱する。この加熱により、二次電池の電極間に生じていたデンドライトは溶解されるため、再度二次電池として利用することができる。この規定温度域に加熱する時間は、デンドライトが十分消失できる程度とすることが好ましい。電池の規模や短絡の程度にもよるが、例えば、1分〜6時間程度加熱することが好適である。但し、この加熱は、連続的に行わなくてもよく、断続的に昇温する方法でも好ましく用いられる。
<実施例1>
図1に示す基本構成の溶融塩電池を作製し、充放電試験を行った。電解質となる溶融塩としてはNaFSI:0.45mol%、KFSI:0.55mol%を混合し使用した。この塩は57℃程度で溶融する。溶融塩とした電解質は、多孔質の厚み80μmのガラスクロスに含浸させる。一方、正極にはNaCrO2を、負極には金属Naを用いた。これら両電極の間に、溶融塩の含浸されたガラスクロスを配置し、全体をコイン電池容器に入れた。正極のより詳しい作製手順は、次の通りである。平均粒径5μm程度のNaCrO2、結着剤となるPVdF、及び導電助剤となるアセチレンブラックをそれぞれ10:1:1の重量割合で混合する。これらの混合体をn-メチル-2ピロリドン溶剤にてペースト化し、ドクターブレード法で20μm厚みのアルミ箔(集電箔)の片側に集電箔を除き100μm程度の厚みとなるよう塗工する。この塗工体を150℃減圧下で24時間乾燥し、ロールプレス機で初期塗工厚みの80%となるよう圧縮後、打ち抜き電極とした。
電池組立後、ヒータで容器を温め所定温度とし、正極基準で1Cレートにて、下限2V、上限3.5Vの充放電を繰り返し行った。本例では、定常運転過程として、電解質の溶融温度に対する余裕をみて80℃で二次電池を充放電し、回復過程として、90℃に二次電池を加熱した。回復過程で90℃に二次電池を保持した時間は10分である。その充放電曲線を図4のグラフに示す。
このグラフから明らかなように、定常運転過程の充電時に電圧がジグザグ状に変化する状態が生じると(細実線参照)、それ以降、充電を行っても電圧を上げることが殆どできない。これは、ジグザグ状の電圧の変動が生じたことで、デンドライトによる電極間の微小な短絡が生じたためと考えられる。また、このジグザグ状の電圧の変動が生じた二次電池は、早期に放電電圧が低下し(細破線参照)、電池として十分に機能しないことがわかる。一方、ジグザグ状の電圧の変動が生じた二次電池であっても90℃に加熱すれば、ジグザグ状の電圧変動が生じることなく電池電圧を高めることができた(太実線参照)。また、回復過程を経た二次電池は、長期にわたって電池電圧が維持されることがわかる(太破線参照)。
<実施例2>
次に、負極にカーボンを用いる以外は実施例1と同様の方法で電池を組み立て、同様の充放電を行って電池を評価した。負極の作製手順は次の通りである。まず、難黒鉛化炭素、いわゆるハードカーボンと、結着剤のPVdFとを10:2の重量割合で混合する。この混合体をn-メチル-2ピロリドン溶剤にてペースト化し、ドクターブレード法で20μm厚みのアルミ箔の片側に集電箔を除き100μm程度の厚みとなるよう塗工する。そして、この塗工体を150℃減圧下で24時間乾燥し、ロールプレス機で初期塗工厚みの80%となるよう圧縮後、打ち抜き電極とした。
この二次電池でも、実施例1と同様の充放電曲線となることがわかり、二次電池を規定温度域に加熱することがデンドライトの縮小・消失に有効であることが確認された。
<実施例3>
次に、負極にSn-Na合金を用いる以外は実施例1と同様の方法で電池を組み立て、同様の充放電を行って電池を評価した。Sn-Na合金の組成は、Sn:50質量%、残部:Naと不可避的不純物である。
この二次電池でも、実施例1と同様の充放電曲線となることがわかり、二次電池を規定温度域に加熱することがデンドライトの縮小・消失に有効であることが確認された。
本発明の電池システムは、風力発電・太陽光発電などの出力平準化用電源、電気自動車やハイブリッド自動車の駆動電源、又は各種電気機器の電源などとして適用することが期待される。また、本発明の電池の使用方法、再生方法は、前記電源として用いた二次電池の充放電や再生に利用することが期待される。
100 電池システム
10 二次電池
11 正極 13 負極 15 セパレータ
12 底部 12S ボルト 14 蓋部 14H ボルト孔
17 弾性材 18 ナット
20 加熱手段
30 温度検知手段
40 加熱制御手段
50 物理量計測手段
60 短絡検知手段
70 タイマー手段

Claims (9)

  1. 正極と、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を含む負極と、これら両電極間に介在される電解質とを有する二次電池と、
    この二次電池を所定の温度に加熱する加熱手段と、
    前記二次電池の温度を検知する温度検知手段と、
    この温度検知手段の検知結果に基づいて前記加熱手段を制御して、前記両電極の少なくとも一方の構成金属を含むデンドライトが溶解できる温度以上で、かつ前記負極が固相を含む状態となる温度以下に前記二次電池を加熱させる加熱制御手段とを備えることを特徴とする電池システム。
  2. さらに、前記二次電池の両電極間が前記デンドライトにより短絡したことと相関する当該電池の物理量を計測する物理量計測手段と、
    この物理量計測手段の計測結果に基づいて、両電極間に短絡が生じたことを検知する短絡検知手段とを備え、
    この短絡検知手段が両電極間に短絡が生じたことを検知した場合、前記加熱制御手段が前記二次電池の加熱を制御することを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
  3. さらに、所定の時刻設定ができるタイマー手段を備え、
    前記タイマー手段の設定時刻に応じて、前記加熱制御手段が前記二次電池の加熱を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の電池システム。
  4. 前記アルカリ金属がNaであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池システム。
  5. 前記加熱手段により二次電池を加熱する温度は、前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の融点を含み、融点より下に30℃以内の温度差となる範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池システム。
  6. 前記電解質は、二次電池の充放電時において溶融塩であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電池システム。
  7. 正極と、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を含む負極と、これら両電極間に介在される電解質とを有する二次電池で充放電を行う電池の使用方法であって、
    前記二次電池の充放電は、前記両電極の少なくとも一方の構成金属を含むデンドライトが溶解できる温度以上で、かつ前記負極が固相を含む状態となる温度以下に前記二次電池を加熱して行うことを特徴とする電池の使用方法。
  8. 正極と、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を含む負極と、これら両電極間に介在される電解質とを有する二次電池で充放電を行う電池の使用方法であって、
    前記負極が固相状態となる温度域にて前記二次電池の充放電を行う定常運転過程と、
    この定常運転過程よりも高温で、かつ前記負極が固相を含む状態となる温度以下に前記二次電池を加熱して、前記定常運転過程において両電極間に生成したデンドライトを溶解させる回復過程とを含むことを特徴とする電池の使用方法。
  9. 正極と、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を含む負極と、これら両電極間に介在される電解質とを有する電池であって、前記両電極間がデンドライトにより短絡した二次電池を用意する準備過程と、
    前記短絡を解消するように、前記デンドライトを溶解させる温度以上で、前記負極が固相を含む状態となる温度以下に前記二次電池を加熱する再生過程とを含むことを特徴とする電池の再生方法。
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