JP2021150029A - 容量回復装置、二次電池の製造方法、容量回復方法および二次電池システム - Google Patents

容量回復装置、二次電池の製造方法、容量回復方法および二次電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】二次電池の寿命までに使用できる累積電池容量をより高める。
【解決手段】容量回復装置350は、正極に接続された正極端子と正極に対向する負極対向部とそれ以外の部分である負極非対向部とを有する負極に接続された負極端子と正極または負極に反応種を移動させる容量回復極に接続された容量回復極端子とを備える二次電池300の、容量回復極から正極または負極に反応種を移動させることによって、二次電池300の容量回復を行う容量回復処理部510と、二次電池300の電池容量と、負極非対向部の容量と、二次電池の寿命に達したと判定する容量維持率と、回復効率と、から選択される少なくとも1種以上のパラメータに基づいて通電すべき電気量である通電電気量を算出する電気量算出部504と、を備え、容量回復処理部510は、反応種を容量回復極から正極または負極に移動させる電気量監視部512を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、容量回復装置、二次電池の製造方法、容量回復方法および二次電池システムに関する。
本技術分野の背景技術として、下記特許文献1には、「リチウムイオン電池の容量回復方法は、劣化原因がリチウムイオンの減少であるか否かを判定し、リチウムイオンの減少量を算出し、リチウムイオン補充用電極と正極又は負極とを接続してリチウムイオン補充用電極から減少量に相当するリチウムイオンを放出させ、リチウムイオン電池にリチウムイオンを補充して電池容量を回復させる。」と記載されている(要約参照)。
また、下記特許文献2には、「リチウムのドープ・脱ドープが可能な炭素材料を負極活物質として負極1を作製し、リチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として正極2を作製し、これら負極1,正極2を電池組して電池を製造するに際して、電池組する前に予め負極に不可逆容量相当分のリチウムをドープしておく。」と記載されている(要約参照)。
国際公開第2012/124211号 特開平7−235330号公報
ところで、リチウムイオン電池等の二次電池については、最終的な二次電池の寿命までに使用できる累積電池容量をより高めたいという要望がある。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、二次電池の累積電池容量をより高める容量回復装置、二次電池の製造方法、容量回復方法および二次電池システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の容量回復装置は、正極に接続された正極端子と前記正極に対向する負極対向部とそれ以外の部分である負極非対向部とを有する負極に接続された負極端子と前記正極または前記負極に反応種を移動させる容量回復極に接続された容量回復極端子とを備える二次電池の容量回復装置であって、前記容量回復極から前記正極または前記負極に前記反応種を移動させることによって、前記二次電池の容量回復を行う容量回復処理部と、前記二次電池の電池容量と、前記負極非対向部の容量と、前記二次電池の寿命に達したと判定する容量維持率と、回復効率と、から選択される少なくとも1種以上のパラメータに基づいて通電すべき電気量である通電電気量を算出する電気量算出部と、を備え、前記容量回復処理部は、前記正極端子または前記負極端子から前記容量回復極端子に前記通電電気量に対応する電流を流し、前記二次電池の反応種を前記容量回復極から前記正極あるいは前記負極に移動させる電気量監視部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、二次電池の最終的な寿命までに使用できる累積電池容量をより高めることができる。
好適な第1実施形態に適用されるセルの一例を示す断面図である。 図1におけるセルの発電要素1を概念的に示す断面図である。 本実施形態に適用される充放電装置の一例を示す回路図である。 好適な実施例および比較例について、容量維持率の推移を示すグラフの一例である。 実施例および比較例について、50サイクル後の正極利用率を示す図である。 変形例におけるセルの要部を示す分解斜視図である。
[実施形態の前提]
リチウムイオン電池は、非水電解質二次電池の一種であり、エネルギー密度が高いため、携帯機器のバッテリーや、近年では電気自動車のバッテリーとしても用いられている。但し、リチウムイオン電池は、使用に伴い劣化し、電池容量が減少することが知られている。リチウムイオン電池では、正極の活物質としてリチウム金属酸化物、負極の活物質とし黒鉛等の炭素材が用いられるのが一般的である。リチウムイオン電池の正極および負極は、微小な活物質粒子群にバインダや導電剤等を加えてスラリー化した後、金属箔に塗布して形成する。
充電時には正極の活物質から放出されたリチウムイオンが負極の活物質に吸蔵され、放電時には負極の活物質に吸蔵されたリチウムイオンが放出され正極の活物質に吸蔵される。このように、リチウムイオンが電極間を移動することで電極間に電流が流れる。このようなリチウムイオン電池では、(1)正極活物質の電気的な孤立、(2)負極活物質の電気的な孤立、および(3)電極間を往来するリチウムイオンの固定化によって容量が減少する。
これらの要因のうち、上述した(3)による容量減少分については、内部にリチウムを含む第3の電極を備えたリチウムイオン電池を作製し、第3の電極から正極または負極にリチウムイオンを補充することによって容量減少分を回復させることが可能である。電池のユーザーは、「容量回復をするほどではないが容量が低下してきた電池」を一定期間は使い続けることになる。これでは、容量回復を加味した最終的な電池寿命までにユーザーが使用できる累積電池容量が低下するという問題が生じる。また、それを防ぐために頻繁に電池を容量回復すると、電池を使えない期間が長くなり、ユーザーの利便性を低下させる。それに対し、予めリチウムイオンを過剰に正極あるいは負極に加えておくと、リチウムイオンの減少を電池使用時に補うことができ、累積電池容量を向上させることができると考えられる。但し、通常は正極容量に対して負極容量を大きく設計するため、正極と負極との対向面にリチウムイオンを過剰に加えてしまうと、高電流密度の放電時にも正極の過放電領域を使うことになり、正極材料劣化を促進してしまう。
上述した特許文献1の技術を適用すると、リチウムデンドライトの形成を抑制した適切な量のリチウムイオンを補充して、リチウムイオン電池の容量を回復させることができる。すなわち第1活物質および該第1活物質よりも電極電位が卑である第2活物質を含む正極と、負極と、電解質液と、リチウムイオンを放出するリチウムイオン補充用電極(第3電極)と、をリチウムイオン電池に備え、充放電時の電圧が第1活物質に対応する電極電位を保持する領域である第1プラトー領域の長さを計測し、充放電時の電圧が第2活物質に対応する電極電位を保持する領域である第2プラトー領域の長さを計測し、第1プラトー領域および第2プラトー領域の長さが所定状態の場合には劣化原因がリチウムイオンの減少であると判定し、第3電極からのリチウムイオンを適量供給することができる。
また、上述した特許文献2の技術を適用すると、正極活物質の利用効率が高く、正極活物質の使用量に見合った電池容量が得られる非水電解液二次電池の製造方法を実現できる。すなわち、リチウムのドープ・脱ドープが可能な炭素材料を負極活物質として負極を作製し、リチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として正極を作製し、これら負極、正極を電池組して電池を製造するに際して、電池組する前に予め負極に不可逆容量相当分のリチウムをドープするとよい。
しかし、特許文献1の技術を適用した電池システムは、容量回復のタイミングを判定し、容量回復する方法に関するものであり、容量回復が必要と判定されるまでは容量低下した電池を使い続けることになる。例えば容量回復を加味した最終的な電池寿命までにユーザーが使用できる累積電池容量等の点で改善の余地がある。
また、特許文献2の技術を適用した非水電解液二次電池は、二次電池の組み立て前に負極に不可逆容量相当分のリチウムイオンをドープしておくため累積電池容量を向上させることができる。しかし、電池の組み立て後には正極または負極にリチウムイオンを供給することができないため、電池出荷後の電池使用に伴うリチウムイオンの固定化による容量減少を回復することはできず、累積電池容量の点から更なる改善の余地がある。また、この技術では、負極全体にリチウムイオンをドープするため、高電流密度の放電時にも正極の過放電領域を使うことになり、正極材料劣化の観点からも改善の余地がある。さらに、二次電池の製造時に負極を電解液中で予備充電する必要があるため電池製造の工程が増えるとともに、充電された負極は水分との反応性が高いため湿度管理がより厳格になり、製造コストの観点でも改善の余地がある。
そこで、後述する好適な実施形態では、充電および放電の繰り返しに伴って生じる副反応による反応種の固定化等を原因とする劣化により減少した電池容量を回復する二次電池において、正極材料劣化を抑制しながら、最終的な二次電池の寿命までに使用できる累積電池容量を向上するものである。
[第1実施形態]
〈セル100の構成〉
図1は、好適な第1実施形態に適用されるセル100の一例を示す断面図である。
図1において、セル100は、リチウムイオン電池のセルであり、発電要素1と、正極端子2と、負極端子3と、容量回復極端子4と、外装材6と、を備えている。発電要素1にはセパレータ5が含まれている。外装材6は、ラミネートフィルム等である。
図2は、図1におけるセルの発電要素1を概念的に示す断面図である。
図2において、発電要素1は、複数のセパレータ5と、複数の正極12と、複数の負極13と、一対の容量回復極14(容量調整極)と、を備えている。正極12は、正極集電体22に塗布されており、負極13は、負極集電体23に塗布されており、容量回復極14は、容量回復極集電体24に塗布されている。
ここで、負極13を構成する部分のうち、セパレータ5を挟んで正極12に対向している部分を負極対向部13Aと呼ぶ。また、負極13を構成する部分のうち、セパレータ5を挟んで正極12に対向していない部分を負極非対向部13Bと呼ぶ。図示の例では、負極非対向部13Bは、セパレータ5を挟んで容量回復極14に対向している。容量回復極14は、電極としては最も外側に配置されている。また、容量回復極14の外側にも、セパレータ5が配置されている。セパレータ5は特に制限されないが、例えばポリプロピレン等が用いられる。セパレータ5としてポリプロピレン以外にも、ポリエチレン等のポリオレフィン製の微孔性フィルムや不織布等を用いることができる。
正極12、負極13および容量回復極14は、それぞれ、適切な電極活物質、導電剤、結着剤等の混合体を、正極集電体22、負極集電体23および容量回復極集電体24に塗布して作製されたものである。但し、容量回復極14は、反応種の金属、例えばリチウム金属、あるいは反応種の金属合金、例えばリチウム金属合金であってもよい。正極12および容量回復極14の電極活物質は、反応種を内部に含むものが好ましい。
リチウムイオン電池の反応種は、リチウムイオンである。この場合、リチウムイオン電池は、リチウムイオンを可逆的に挿入脱離可能なリチウム含有化合物を含んでいる。正極12および容量回復極14の電極活物質の種類は特に制限されないが、例えば、コバルト酸リチウム、マンガン置換コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、オリビン型リン酸鉄リチウム等のリン酸遷移金属リチウム、LiwNixCoyMnz2(ここで、w、x、y、zは0または正の値)が挙げられる。正極12および容量回復極14の電極活物質として上記の材料が一種単独または二種以上含まれていてもよい。また、正極12と容量回復極14とは、同じ構成を適用してもよい。このように、正極12と容量回復極14とで同じ構成を適用することにより、製造コストを低減できる。
正極集電体22および容量回復極集電体24には、厚さが10〜100μmのアルミニウム箔、厚さが10〜100μm、孔径0.1〜10mmのアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等の集電箔が用いられる。集電箔の材質も、アルミニウムの他に、ステンレス鋼、チタン等も適用可能である。集電箔の材質、形状、製造方法等は、特に制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。
負極13の電極活物質は、リチウムイオンを可逆的に挿入脱離可能な物質を含んでいる。負極13の電極活物質の種類は特に制限されないが、例えば、天然黒鉛や、天然黒鉛に乾式のCVD法もしくは湿式のスプレー法によって被膜を形成した複合炭素質材料、エポキシやフェノール等の樹脂材料もしくは石油や石炭から得られるピッチ系材料を原料として焼成により製造される人造黒鉛、シリコン(Si)、シリコンを混合した黒鉛、難黒鉛化炭素材、チタン酸リチウム、Li4Ti512等を用いることができる。負極活物質として上記の材料が一種単独または二種以上含まれていてもよい。
負極13の負極対向部13Aおよび負極非対向部13Bは同じ構成であってもよいし、異なる構成でもよい。負極対向部13Aと負極非対向部13Bとで同じ構成を用いることにより、製造コストを低減できる。負極対向部13Aと負極非対向部13Bとで異なる構成を用いることにより、電池容量に対する負極非対向部13Bの容量を自由に設計しやすくなり、例えばより多くのリチウムイオンを負極非対向部13Bに蓄えられる。ここで、負極非対向部13Bの容量とは、負極非対向部13Bに貯めることのできるリチウムイオンの電荷量を意味する。負極集電体23には、厚さが10〜100μmの銅箔、厚さが10〜100μm、孔径0.1〜10mmの銅製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板などが用いられる。但し、負極13の材質は、銅の他に、ステンレス鋼、チタン等も適用可能であり、材質、形状、製造方法などに制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。
発電要素1には、電解液が含侵されている。電解液は特に制限されないが、リチウムイオン電池の場合、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)等の非プロトン性有機系溶媒を適用することができる。
また、電解液として、これら非プロトン性有機系溶媒のうち2種以上の混合有機化合物の溶媒に、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム、ヨウ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、LiB[OCOCF34、LiB[OCOCF2CF34、LiPF4(CF32、LiN(SO2CF32、LiN(SO2CF2CF32等のリチウム塩、あるいは、これらの2種以上の混合リチウム塩を溶解した電解液を適用することができる。
また、電解液の代りに固体電解質を適用してもよい。固体電解質は特に制限されないが、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチル、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド等のイオン伝導性ポリマーが挙げられる。これらの固体高分子電解質を用いた場合、セパレータ5を省略できる。セパレータ5を省略した場合、負極対向部13Aは、負極13のうち正極12に接する部分になり、負極非対向部13Bは、それ以外の部分になる。
正極集電体22、負極集電体23、容量回復極集電体24には、金属のタブ(図示略)が接続されている。そして、これらタブ部分だけがラミネートフィルム等の外装材6(図1参照)の外部に露出するように外装材6を封止する。そして、タブを結合させたものが図1に示す正極端子2、負極端子3および容量回復極端子4となる。発電要素1は、正極12と負極13とをセパレータ5を介して対向させ、捲回または積層することにより、作製される。捲回によって発電要素1を構成する場合、容量回復極14は、捲回体の捲回軸(中心軸)付近または最外周部に配置してもよい。また、積層によって発電要素1を構成する場合、容量回復極14は、積層体の一部として配置してもよい。
〈充放電装置350〉
図3は、本実施形態に適用される充放電装置350の一例を示す回路図である。
図3において、電池パック300(二次電池、二次電池システム)は、図1に示すセル100、保護回路(図示せず)、および筐体等を含むものであり、正極端子2と、負極端子3と、容量回復極端子4とが突出している。但し、電池パック300は、複数個のセル100を含んでもよい。また、電池パック300は、複数個のセル100を含む電池モジュール(図示略)を複数個含む構成であってもよい。本明細書において、「二次電池」は、リチウムイオン電池のセル、電池モジュールまたは電池パックを含む概念である。
充放電装置350(容量回復装置、二次電池システム)は、電流計351と、電圧計352,359と、抵抗353と、電源354と、充放電切替スイッチ356と、容量回復スイッチ357と、正負極切替スイッチ358と、制御部500と、を備えている。このうち、各スイッチ356,357,358は何れも3個の端子(符号なし)を有し、3個の端子間の接続状態を切り替えるものである。但し、これらスイッチ356,357,358は、3個の端子の何れもが相互に接続されない状態にすることができる。
電圧計352は、正極端子2と負極端子3の間の電圧を測定し、電圧計359は、負極端子3と容量回復極端子4の間の電圧を測定する。なお、制御部500は、電圧計352,359の計測結果を加算または減算することによって、正極端子2と容量回復極端子4との間の電圧を計算する。容量回復スイッチ357と、充放電切替スイッチ356とは、制御部500による制御に基づいて、電池パック300の負極端子3または容量回復極端子4の何れかと、抵抗353または電源354の何れかと、を接続する。正負極切替スイッチ358は、制御部500による制御に基づいて、正極端子2または負極端子3の何れかと、電流計351の一端とを接続する。電流計351の他端は、抵抗353と電源354とに接続されている。電圧計352,359および電流計351は、計測結果を制御部500に供給する。
但し、制御部500は、正負極切替スイッチ358に負極端子3を選択させる場合、容量回復スイッチ357には必ず容量回復極端子4を選択させる。なお、充放電装置350の構成は図3のものに限られるわけではなく、電池パック300の正極端子2と、負極端子3と、容量回復極端子4と、から選択される任意の2つの端子を、抵抗353および電源354等に接続できる回路であればよい。
〈制御部500〉
図3において、制御部500は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等、一般的なコンピュータとしてのハードウエアを備えており、ROMには、CPUによって実行される制御プログラムや、各種データ等が格納されている。図3において、制御部500の内部は、制御プログラム等によって実現される機能を、ブロックとして示している。
すなわち、制御部500は、タイミング決定部502と、電気量算出部504(電気量算出過程)と、容量回復処理部510(容量回復過程)と、を備えている。また、容量回復処理部510は、電気量監視部512(電気量監視過程)と、電圧監視部514(電圧監視過程)と、を備えている。
容量回復処理部510は、容量回復処理を実行する。ここで、容量回復処理とは、正極端子2あるいは負極端子3から容量回復極端子4に所定の電流密度以上の電流を所定の電気量だけ流し、容量回復極14(図2参照)から負極非対向部13B(図2参照)にリチウムイオンを供給する処理を意味する。容量回復処理では、容量回復処理部510は、容量回復スイッチ357および正負極切替スイッチ358に信号を出力し、容量回復極端子4と、正極端子2または負極端子3とを接続する。また、容量回復処理部510は、充放電切替スイッチ356に信号を出力し、容量回復極端子4と、正極端子2または負極端子3との間を流れる電流を制御する。正極端子2から容量回復極端子4に電流を流す場合には、「負極対向部13Aと負極非対向部13Bとの間の電位差」と、「負極対向部13A近傍の電解液に含まれるリチウムイオンと負極非対向部13B近傍の電解液に含まれるリチウムイオンとの濃度差」と、を駆動力として、容量回復極14から放出されたリチウムイオンの一部が負極非対向部13Bに取り込まれる。これと同時に、負極対向部13Aから負極非対向部13Bに電子が移動することで負極対向部13Aからリチウムイオンが放出され、正極12に取り込まれる現象が生じる。これにより、正極端子2から容量回復極端子4に電流を流す制御によっても、負極非対向部13Bに反応種を供給することができる。この場合、負極端子3には電流が流れないため、負極の過充電反応を抑制することができる。一方、負極端子3から容量回復極端子4に電流を流す場合には、正極12に反応種が供給されることがないため、負極非対向部13Bに供給されるリチウムイオン量を制御することが容易になる。
電気量算出部504は、容量回復の際に、電流計351の出力に基づいて、容量回復極端子4と、負極端子3との間に流れた電気量を算出する。すなわち、電気量算出部504は、電池パック300の電池容量と、負極非対向部13B(図2参照)の容量と、電池パック300の寿命に達したと判定する容量維持率と、回復効率と、から選択される少なくとも1種以上のパラメータに基づいて、容量回復処理において通電すべき電気量である通電電気量Qを算出する。
電気量監視部512は、容量回復極端子4と負極端子3との間に流れた電気量が通電電気量Qに到達した場合、容量回復処理を終了させる。すなわち、容量回復スイッチ357および充放電切替スイッチ356を操作して、容量回復極端子4と、負極端子3との間の電流を遮断する。また、電圧監視部514は、負極端子3に対する容量回復極端子4の電圧が所定の制限電圧VLに達すると、容量回復処理を終了させる。
タイミング決定部502は、電流計351および電圧計352,359からの入力に基づいて、容量回復処理のタイミングを決定する。容量回復処理は任意のタイミングで可能であり、電池パック300の使用開始前であってもよい。電池パック300の使用開始前に容量回復処理を行うことにより、電池の使用に伴う反応種の固定化による容量減少を、電池パック300の使用中に補うことができる。
容量回復処理により、負極非対向部13B(図2参照)にリチウムイオンを供給しておくことで、電池パック300の充電時に固定され減少するリチウムイオンの一部あるいは全てを、電池の放電時に負極非対向部13Bから供給することができる。また、負極対向部13Aと比較して、負極非対向部13Bからはリチウムイオンが放出されにくいため、連続した高電流密度の放電時には負極非対向部13Bからはリチウムイオンがあまり放出されない。すると、電池パック300の放電末端近くでは、負極13の電位上昇により、電池電圧が下限値に到達し放電が停止する。これにより、正極の過放電領域の使用を回避することができる。
容量回復処理における電流密度は特に限定されないが、正極端子2から容量回復極端子4に電流を流す場合には0.001Cから1Cの範囲内が好ましい。ここで、0.001Cとは、負極非対向部13Bと対向している容量回復極14の容量を、1時間で完全放電から満充電できる電流密度の1000分の1を意味する。電流密度を0.001Cより大きくすることで、負極対向部13Aにリチウムイオンが供給されることを抑制するとともに、回復処理に要する時間を低減することができる。また、電流密度を1Cより小さくすることで、過電圧によって正極端子2と容量回復極端子4との間の電圧が急上昇することを抑制できる。これにより、想定する電気量を流す前に正極端子2と容量回復極端子4との間の電圧が予め設定した制限電圧を超過する事態を抑制することができる。なお、制限電圧を超過しない限りは、1Cよりも大きな電流密度で回復処理しても構わない。この場合、容量回復処理に要する時間をさらに短時間化できる。
負極端子3から容量回復極端子4に電流を流す場合には、電流密度は0.1Cから10Cの範囲内が好ましい。電流密度を0.1Cより大きくすることで、負極対向部13Aにリチウムイオンが供給されることを抑制するとともに、回復処理に要する時間を低減することができる。また、電流密度を10Cより小さくすることで、過電圧によって負極端子3と容量回復極端子4との間の電圧が急上昇することを抑制できる。これにより、想定する電気量を流す前に負極端子3と容量回復極端子4との間の電圧が予め設定した制限電圧を超過する事態を抑制することができる。なお、制限電圧を超過しない限りは、10Cよりも大きな電流密度で回復処理しても構わない。この場合、容量回復処理に要する時間をさらに短時間化できる。
電気量算出部504は、通電電気量Qを、電池容量Xbと、負極非対向部13B(図2参照)の容量Xaと、電池パック300の寿命に達したと判定する容量維持率Yと、回復効率Zと、制限電圧VLと、から選択される少なくとも1種以上のパラメータに基づいて算出する。ここで、容量維持率Yとは、初回の充電あるいは放電容量に対する、充電あるいは放電容量の割合を表す。また、回復効率Zとは、容量回復処理において負極端子から容量回復極端子に流した通電電気量Qのうち、容量回復処理後の電池の充放電において負極非対向部13Bを介して正極12に供給されたリチウムイオンの電荷量の割合を表す。
容量回復処理における通電電気量Qは、例えば、電池容量Xbと、電池パック300の寿命に達したと判定する容量維持率Yと、回復効率Zと、を用いて、下式(1)を満たす電気量とすることが好ましい。
Q ≧ Xb×(1−Y)/Z …(1)
また、通電電気量Qは、例えば負極非対向部13Bの容量Xaに対して以下の下式(2)を満たす電気量とすることが好ましい。
Q ≧ 0.6Xa …(2)
これらの関係式を満たすように通電電気量Qを設定することにより、容量回復処理による電池寿命の延長効果を十分に引き出すことができる。
例えば正極12と容量回復極14とを同じ構成のものを用いている場合、上述した制限電圧VLは、電池パック300の満充電電圧と同じ値を採用し、満充電電圧に等しくなったら容量回復処理を終了することができる。負極端子3に対する容量回復極端子4の電圧が制限電圧VLに達すると、電圧監視部514が容量回復処理を終了させるため、負極端子3と容量回復極端子4の間に流れる電流も停止される。これにより、電池パック300における過充電反応を抑制することができる。なお、1回の容量回復処理は、必ずしも連続的に充電を行うことに限られず、複数回の充電に分けて行ってもよい。また、複数回の容量回復処理を行ってもよい。また、制限電圧VLを満充電電圧よりも低い値にしておき、負極端子3に対する容量回復極端子4の電圧が制限電圧VLに達すると、満充電電圧を超えないように電流を制限してもよい。
〈実施例〉
図4は、好適な実施例および比較例について、容量維持率の推移を示すグラフの一例である。
より詳細には、図4は、使用開始前に負極非対向部13B(図2参照)の容量の80%に相当するリチウムイオンを、負極非対向部13Bに供給する回復処理を施したリチウムイオン電池である電池パック300の、容量維持率の推移の一例を示す。図4の横軸はサイクル数を表し、縦軸は初回放電容量に対する容量維持率を表す。本実施例における「1サイクル」は、電池容量を1時間で完全放電から満充電できる電流密度を用いて、50℃環境下で連続充放電した結果である。また、比較例として、「負極非対向部13Bにリチウムイオンを供給しない」こと以外の構成が同じリチウムイオン電池の結果を併記した。図4において○印が実施例のデータであり、印が比較例のデータである。
図4に示すように、負極非対向部13Bにリチウムイオンを供給することにより、容量維持率の低下が抑制されている。容量回復処理を施していない比較例では、50サイクル後において容量維持率が93.8%まで低下した一方、容量回復処理を施した実施例では、50サイクル後において99.6%の容量維持率を示した。
図5は、図4に示した実施例および比較例について、50サイクル後の正極利用率を示す図である。
比較例については、使用開始前に負極非対向部13Bの容量Xaの80%に相当するリチウムイオンを正極に供給したリチウムイオン電池を適用し、図4と同条件で測定した後の正極利用率を示す。正極利用率は、正極材料劣化の度合いを示す指標であり、値が低いほど劣化が進行した状態であることを表す。ここでは、容量回復極14(図2参照)から負極非対向部13Bあるいは正極12にリチウムイオンを供給した直後の正極利用率を用いて規格化している。正極12にリチウムイオンを供給した比較例と比較して、負極非対向部13Bにリチウムイオンを供給した実施例は、正極利用率が大きい値を維持した。これは、リチウムイオンの供給先を負極非対向部13Bとすることで、正極劣化が抑制されることを示している。
以上の実施例に示すように、本実施形態によれば、正極12の材料劣化を抑制しつつ、最終的な二次電池の寿命までに使用できる累積電池容量を向上させることができる。
[他の実施形態]
以下、他の好適な実施形態について説明する。
図1に示したセル100は、正極12(図2参照)、負極13および容量回復極14を内蔵し、封止されている。しかし、本発明は、封止していないセルについても適用可能である。
例えば、セルの製造段階において、正極12および負極13を捲回あるいは積層して容器(図示せず)に設置し、その容器に電解液を注液し、封止せずに充放電してもよい。あるいは、容器に仮の封止をして高温度・高電圧で保管し、その後に仮の封止を外してもよい。また、セル100に適用される容器としては、製品の封止前の電池容器でもよいが、正極12、負極13および容量回復極14を電解液に浸漬するための別の容器であってもよい。
そして、容量回復極14を一時的に容器に導入し、上述した何れかの方法により定めた電気量を負極非対向部13Bと容量回復極14との間で流し、その後、容量回復極14を除去した後、セルを封止してもよい。
この方法によれば、初期段階で発生するセルの容量減少分を容量回復処理によって補うとともに、封止後の充放電中あるいは保存中に発生する容量減少を補うためのリチウムイオンを負極非対向部13Bに予め備えた負極を製造できるため、従来のリチウムイオン電池と同様の二極式セルを長寿命化することができる。
すなわち、本実施形態は、リチウムイオン電池(二次電池)の製造方法に関するものと考えることができる。この場合、容量回復極14は、「容量調整極」と言い換えてもよい。
以下、本実施形態に係る二次電池の製造方法をまとめて説明する。
二次電池の製造方法は、次のような工程を有する。
・ステップS1:二次電池の正極12(図2参照)と、負極13とを、充電および放電が可能な状態に設置する。
・ステップS2:第三極としての容量回復極14を、負極非対向部13Bとの間で二次電池の反応種を移動させることができるように設置する。
・ステップS3:電池容量Xbと、負極非対向部の容量Xaと、電池の寿命に達したと判定する容量維持率Yと、回復効率Zと、から選択される少なくとも1種以上のパラメータに基づいて通電電気量Qを算出する。
・ステップS4:算出した通電電気量Qを負極13から容量回復極14に流す。
また、上述したステップS3,S4に代えて、以下のステップS10を実行してもよい。
・ステップS10:負極13に対する容量回復極14の電圧が所定の制限電圧VLに達するまで、負極13から容量回復極14に電流を流す。
[実施形態の効果]
以上のように、好適な実施形態によれば、容量回復装置(350)は、正極12に接続された正極端子2と正極12に対向する負極対向部13Aとそれ以外の部分である負極非対向部13Bとを有する負極13に接続された負極端子3と正極端子2または負極端子3に反応種を移動させる容量回復極14に接続された容量回復極端子4とを備える二次電池(300)の容量回復装置(350)であって、容量回復極14から正極12または負極13に反応種を移動させることによって、二次電池(300)の容量回復を行う容量回復処理部510と、二次電池(300)の電池容量Xbと、負極非対向部13Bの容量Xaと、二次電池(300)の寿命に達したと判定する容量維持率Yと、回復効率Zと、から選択される少なくとも1種以上のパラメータに基づいて通電すべき電気量である通電電気量Qを算出する電気量算出部504と、を備え、容量回復処理部510は、正極端子2または負極端子3から容量回復極端子4に通電電気量Qに対応する電流を流し、二次電池(300)の反応種を容量回復極14から正極12または負極13に移動させる電気量監視部512を備える。これにより、二次電池(300)の反応種を容量回復極14から正極12または負極13に移動させるため、二次電池(300)の累積電池容量を向上させることができる。
また、電気量算出部504は、「Q ≧ Xb×(1−Y)/Z」の関係を満たすように通電電気量Qを決定することが好ましい。これにより、容量回復処理による電池寿命の延長効果を十分に引き出すことができる。
さらに、電気量算出部504は、「Q ≧ 0.6Xa」の関係を満たすように電気量(Q)を決定すると一層好ましい。これによっても、容量回復処理による電池寿命の延長効果を十分に引き出すことができる。
また、容量回復装置(350)は、負極端子3に対する容量回復極端子4の電圧が所定の制限電圧VLに達すると、容量回復極端子4と正極端子2または負極端子3との間に流れる電流を停止または制限する電圧監視部514を備えることが、さらに好ましい。これにより、二次電池(300)における過充電反応を抑制することができる。
制限電圧VLは、二次電池(300)の満充電電圧と等しくすると、さらに好ましい。これにより、正極12および容量回復極14として同じ構成のものを適用することができ、製造コストを抑制することができる。
また、二次電池(300)の製造方法は、二次電池(300)の正極12および負極13を、充電および放電が可能な状態に設置する過程と、第三極としての容量調整極(14)を、負極13のうち正極12に対向しない部分である負極非対向部13Bとの間で二次電池(300)の反応種を移動させることができるように設置する過程と、電池容量Xbと、負極非対向部13Bの容量Xaと、電池の寿命に達したと判定する容量維持率Yと、回復効率Zと、から選択される少なくとも1種以上のパラメータに基づいて、通電すべき電気量である通電電気量Qを算出する過程と、負極13から容量調整極(14)に通電電気量Qを流す容量調整過程と、を含むことが好ましい。これにより、二次電池の寿命までに使用できる累積電池容量をより高めることができる。
また、二次電池(300)の製造方法は、二次電池(300)の正極12および負極13を、充電および放電が可能な状態に設置する過程と、第三極としての容量調整極(14)を、負極13のうち正極12に対向する以外の部分である負極非対向部13Bとの間で二次電池(300)の反応種を移動させることができるように設置する過程と、負極13に対する容量調整極(14)の電圧が所定の制限電圧VLに到達するまで、負極13から容量調整極(14)に電流を流す容量調整過程と、を含む、ものであってもよい。これによっても、二次電池の寿命までに使用できる累積電池容量をより高めることができる。
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記実施形態の構成に他の構成を追加してもよく、構成の一部について他の構成に置換をすることも可能である。すなわち、本発明の特徴を損なわない限り、本発明の技術思想の範囲内で考えられる他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
(1)上記実施形態において、容量回復処理部510は電気量監視部512および電圧監視部514の双方を備えたが、両者のうち一方のみを備えてもよい。すなわち、容量回復極端子4と正極端子2または負極端子3との間に流れた電気量、または正極端子2または負極端子3に対する容量回復極端子4の電圧のうち一方のみに基づいて容量回復処理を終了させてもよい。
(2)図2に示した例においては、負極対向部13Aおよび負極非対向部13Bは、負極13の各面毎に分類されていた。しかし、負極13のある一つの面が、負極対向部13Aおよび負極非対向部13Bを含むようにしてもよい。
図6は、変形例におけるセルの要部を示す分解斜視図である。図6において、正極12よりも負極13が大きく、セパレータ5は負極13よりも大きい。図示の例では、負極13の図示されている面のうち、正極12に対向する部分が負極対向部13Aであり、その周辺部分が負極非対向部13Bになる。
2 正極端子
3 負極端子
4 容量回復極端子
12 正極
13 負極
13A 負極対向部
13B 負極非対向部
14 容量回復極(容量調整極)
300 電池パック(二次電池システム、二次電池)
350 充放電装置(容量回復装置、二次電池システム)
504 電気量算出部(電気量算出過程)
510 容量回復処理部(容量回復過程)
512 電気量監視部(電気量監視過程)
514 電圧監視部(電圧監視過程)
Q 通電電気量
Y 容量維持率
Z 回復効率
VL 制限電圧
Xa 負極非対向部の容量
Xb 電池容量

Claims (10)

  1. 正極に接続された正極端子と前記正極に対向する負極対向部とそれ以外の部分である負極非対向部とを有する負極に接続された負極端子と前記正極または前記負極に反応種を移動させる容量回復極に接続された容量回復極端子とを備える二次電池の容量回復装置であって、
    前記容量回復極から前記正極または前記負極に前記反応種を移動させることによって、前記二次電池の容量回復を行う容量回復処理部と、
    前記二次電池の電池容量と、前記負極非対向部の容量と、前記二次電池の寿命に達したと判定する容量維持率と、回復効率と、から選択される少なくとも1種以上のパラメータに基づいて通電すべき電気量である通電電気量を算出する電気量算出部と、を備え、
    前記容量回復処理部は、前記正極端子または前記負極端子から前記容量回復極端子に前記通電電気量に対応する電流を流し、前記二次電池の反応種を前記容量回復極から前記正極あるいは前記負極に移動させる電気量監視部を備える
    ことを特徴とする容量回復装置。
  2. 前記電気量算出部は、前記通電電気量をQとし、前記電池容量をXbとし、前記二次電池の寿命に達したと判定する容量維持率をYとし、前記回復効率をZとしたとき、「Q ≧ Xb×(1−Y)/Z」の関係を満たすように前記通電電気量を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の容量回復装置。
  3. 前記電気量算出部は、前記通電電気量をQとし、前記負極非対向部の容量をXaとしたとき、「Q ≧ 0.6Xa」の関係を満たすように前記通電電気量を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の容量回復装置。
  4. 正極に接続された正極端子と前記正極に対向する負極対向部とそれ以外の部分である負極非対向部とを有する負極に接続された負極端子と前記正極または前記負極に反応種を移動させる容量回復極に接続された容量回復極端子とを備える二次電池の容量回復装置であって、
    前記容量回復極から前記正極または前記負極に前記反応種を移動させることによって、前記二次電池の容量回復を行う容量回復処理部と、
    前記正極端子または前記負極端子に対する前記容量回復極端子の電圧が所定の制限電圧に達すると、前記容量回復極端子と前記正極端子または前記負極端子との間に流れる電流を停止または制限する電圧監視部と、を備える
    ことを特徴とする容量回復装置。
  5. 前記制限電圧は、前記二次電池の満充電電圧と等しい
    ことを特徴とする請求項4に記載の容量回復装置。
  6. 二次電池の正極および負極を、充電および放電が可能な状態に設置する過程と、
    第三極としての容量調整極を、前記負極のうち前記正極に対向しない部分である負極非対向部との間で前記二次電池の反応種を移動させることができるように設置する過程と、
    電池容量と、前記負極非対向部の容量と、前記二次電池の寿命に達したと判定する容量維持率と、回復効率と、から選択される少なくとも1種以上のパラメータに基づいて、通電すべき電気量である通電電気量を算出する過程と、
    前記負極から前記容量調整極に前記通電電気量を流す容量調整過程と、を含む
    ことを特徴とする二次電池の製造方法。
  7. 二次電池の正極および負極を、充電および放電が可能な状態に設置する過程と、
    第三極としての容量調整極を、前記負極のうち前記正極に対向する以外の部分である負極非対向部との間で前記二次電池の反応種を移動させることができるように設置する過程と、
    前記負極に対する前記容量調整極の電圧が所定の制限電圧に到達するまで、前記負極から前記容量調整極に電流を流す容量調整過程と、を含む、
    ことを特徴とする二次電池の製造方法。
  8. 正極に接続された正極端子と前記正極に対向する負極対向部とそれ以外の部分である負極非対向部とを有する負極に接続された負極端子と前記正極または前記負極に反応種を移動させる容量回復極に接続された容量回復極端子とを備える二次電池の容量回復方法であって、
    前記容量回復極から前記正極または前記負極に前記反応種を移動させることによって、前記二次電池の容量回復を行う容量回復過程と、
    前記二次電池の電池容量と、前記負極非対向部の容量と、前記二次電池の寿命に達したと判定する容量維持率と、回復効率と、から選択される少なくとも1種以上のパラメータに基づいて通電する通電電気量を算出する電気量算出過程と、を有し、
    前記容量回復過程は、前記正極端子または前記負極端子から前記容量回復極端子に前記通電電気量に対応する電流を流し、前記二次電池の反応種を前記容量回復極から前記正極または前記負極に移動させる電気量監視過程を含む
    ことを特徴とする容量回復方法。
  9. 正極に接続された正極端子と前記正極に対向する負極対向部とそれ以外の部分である負極非対向部とを有する負極に接続された負極端子と前記正極または前記負極に反応種を移動させる容量回復極に接続された容量回復極端子とを備える二次電池の容量回復方法であって、
    前記容量回復極から前記正極または前記負極に前記反応種を移動させることによって、前記二次電池の容量回復を行う容量回復過程と、
    前記正極端子または前記負極端子に対する前記容量回復極端子の電圧が所定の制限電圧に達すると、前記容量回復極端子と前記正極端子または前記負極端子との間に流れる電流を停止する電圧監視過程と、を有する
    ことを特徴とする容量回復方法。
  10. 正極に接続された正極端子と前記正極に対向する負極対向部とそれ以外の部分である負極非対向部とを有する負極に接続された負極端子と前記正極または前記負極に反応種を移動させる容量回復極に接続された容量回復極端子とを備える二次電池と、前記二次電池の容量回復を行う容量回復装置と、を備える二次電池システムであって、
    前記容量回復装置は、
    前記容量回復極から前記正極または前記負極に前記反応種を移動させることによって、前記二次電池の容量回復を行う容量回復処理部と、
    前記二次電池の電池容量と、前記負極非対向部の容量と、前記二次電池の寿命に達したと判定する容量維持率と、回復効率と、から選択される少なくとも1種以上のパラメータに基づいて通電すべき電気量である通電電気量を算出する電気量算出部と、を備え、
    前記容量回復処理部は、前記正極端子または前記負極端子から前記容量回復極端子に前記通電電気量に対応する電流を流し、前記二次電池の反応種を前記容量回復極から前記正極あるいは前記負極に移動させる電気量監視部を備える
    ことを特徴とする二次電池システム。
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