JP2016119249A - リチウムイオン二次電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】充放電に寄与するリチウムイオンが減少したことによって電池容量が低下した場合において、電池の容量回復量を精度良く、短時間に算出できるリチウムイオン二次電池システムの提供。【解決手段】本実施形態のリチウムイオン二次電池システムにおいては、正極容量qp_1、qp_2と電池容量Qcell_1、Qcell_2と、から、正極一次関数Fpが求められる。負極容量qn_1、qn_2と電池容量Qcell_1、Qcell_2と、から、負極一次関数Fnが求められる。正極一次関数Fpの切片Spと負極一次関数Fnの切片Snから、実測値を演算して得られた相対位置S(実測相対位置S)が求められる。一方で、新品の実測相対位置Siが求められている。実測相対位置Sと新品の実測相対位置Siの差分から補充すべき電池容量である容量回復量Crが求められる。【選択図】図9
Description
本発明は、リチウムイオン電池システムに関する。
近年、リチウムイオン電池などの二次電池を車両の搭載用電源やスマートハウスの蓄電用電源に使用することにより、効率的にエネルギーを利用する取り組みが進められている。上記用途の電源はその利用期間が長期に及ぶことが想定されるため、二次電池の特性劣化を抑制することが重要である。
リチウムイオン二次電池は、高温環境下あるいは充電深度が深い状態で保存したり、充放電サイクルしたりすると、充電状態(SOC:State of Charge)や、劣化状態(SOH:State of Health)が変化する。二次電池は劣化が進行すると、電池容量が低下することが知られている。
電池容量低下の原因としては、以下の2つが挙げられる。
・原因1:正極における充放電に寄与する活物質量(有効活物質量)の減少、および、負極における充放電に寄与する活物質量(有効活物質量)の減少
・原因2:リチウムイオンの副反応による、充放電に寄与するリチウムイオン量の減少
・原因1:正極における充放電に寄与する活物質量(有効活物質量)の減少、および、負極における充放電に寄与する活物質量(有効活物質量)の減少
・原因2:リチウムイオンの副反応による、充放電に寄与するリチウムイオン量の減少
充放電に寄与するリチウムイオンの減少(原因2)による電池容量低下に関しては、第3電極からリチウムイオンを放出して、新たにリチウムイオンを供給することにより電池容量を回復させることが可能である。
特許文献1には、予め記憶した正極および負極単独の充放電曲線に基づいて、実測に基づく電池全体の充放電曲線を再現し、その過程で正極活物質の有効重量、負極活物質の有効重量、正極および負極間の利用位置変動量、またはこれらに対応するパラメータの値を取得することで、正極、負極および電解液のそれぞれの劣化状態を非破壊で定量評価する発明が記載されている。しかし、特許文献1に記載の発明では、実測に基づく電池全体の充放電曲線を取得するにあたり、微小な電流値で二次電池の充放電を行う必要があり、測定に長時間を要する。このため、劣化状態を日々判定し、これに応じて最適な電池使用方法を日々更新することが困難であった。
このように、充放電に寄与するリチウムイオンが減少したことによって電池容量が低下した場合において、電池の容量回復量、すなわち、補充すべきリチウムイオンの量を短時間に算出することができるリチウムイオン二次電池システムが望まれていた。
本発明のリチウムイオン二次電池システムは、正極と、負極と、正極および負極の電位の基準点を与える参照極と、を少なくとも有するリチウムイオン二次電池の動作を制御するリチウムイオン二次電池システムであって、リチウムイオン二次電池の電圧を検出する電圧検出部と、リチウムイオン二次電池に流れる充電・放電電流(充放電電流)を検出する電流検出部と、正極と参照極との間の電位差である実測正極電位、および、負極と参照極との間の電位差である実測負極電位を検出する正極負極電位検出部と、正極材料固有の充電・放電曲線(正極固有充放電曲線)、および、負極材料固有の充電・放電曲線(負極固有充放電曲線)を格納するデータベース部と、電流検出部が検出する電流を時間積算して、電池容量の変化(実測電池容量変化)を算出する電池容量変化演算部と、正極固有充放電曲線における実測正極電位と対応する実測正極容量を求める正極容量演算部と、負極固有充放電曲線における実測負極電位と対応する実測負極容量を求める負極容量演算部と、電池容量回復量を算出する容量回復量演算部と、を備え、容量回復量演算部は、実測電池容量変化、実測正極容量、および、実測負極容量に基づいて、実測による正極の充電・放電曲線と負極の充電・放電曲線との相対位置(実測相対位置)を求め、新品時の実測相対位置(固有相対位置)と、実測相対位置との差分から、電池容量回復量を算出する。
本発明によれば、充放電に寄与するリチウムイオンが減少したことによって電池容量が低下した場合において、電池の容量回復量、すなわち、補充すべき電池容量を短時間に算出することができるリチウムイオン二次電池システムを提供できる。
以下では、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)の電源を構成する蓄電装置であってリチウムイオン二次電池を有するものに対して適用した場合を例に挙げて説明する。なお、本発明は、ハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(EV)などの乗用車やハイブリッド鉄道車両といった産業用車両、蓄電池を用いたアンシラリーサービスの電源を構成する二次電池装置の二次電池制御回路などにも適用できる。
―第1実施形態―
図1は、電池装置1000の構成を示している。なお、本発明のリチウムイオン二次電池システムは、電池装置1000から少なくともリチウムイオン二次電池を除いた構成を指す。
図1は、電池装置1000の構成を示している。なお、本発明のリチウムイオン二次電池システムは、電池装置1000から少なくともリチウムイオン二次電池を除いた構成を指す。
電池装置1000は、システムコントローラ1500と、データベース部1700と、複数(N個)のユニット500、すなわち、ユニット500−1、500−2、・・・、500−Nとを有する。
各々のユニット500は、単電池群ユニット1250を複数有する電池モジュール1200と、電池モジュール1200に流れる充電・放電電流(以下、「充放電電流」と呼ぶ)を検出する電流検出部1100と、電池モジュール1200の電圧を検出する電圧検出部1300と、電池モジュール1200の充放電電流を制御するモジュールコントローラ1400と、リレー1600と、を有する。
モジュールコントローラ1400は、システムコントローラ1500の指令を受けて、電流検出部1100、電圧検出部1300、データベース部1700、リレー1600、および、電池モジュール1200と通信し、電池モジュール1200の充放電制御を行う。
モジュールコントローラ1400は、電池モジュール1200が有する単電池1210(図2参照)の電池電圧、正極電位、負極電位、温度、電流検出部1100から送信される電池モジュール1200に流れる充放電電流の電流値、および、電圧検出部1300から送信される電池モジュール1200の総電圧値に基づいて、充放電に寄与するリチウムイオンの減少量(以下、「容量回復量」とも呼ぶ)を求める。そして、モジュールコントローラ1400は、容量回復量に基づいて、電池モジュール1200の状態検出、例えば単電池1210の劣化診断などを行う。
モジュールコントローラ1400が行う処理の結果は、後述するセルコントローラ1220、および、システムコントローラ1500に送信される。
システムコントローラ1500は、図示下方の両端矢印で示すように車載システムなどの上位コントローラと通信する。システムコントローラ1500は、モジュールコントローラ1400とも通信する。それらの通信情報に基づいて、システムコントローラ1500は、ユニット500内のモジュールコントローラ1400に、電池モジュール1200の充放電制御の指令を出す。
データベース部1700には、単電池1210に用いられる正極材料の固有の充電・放電曲線(以下、「正極固有充放電曲線」と呼ぶ)、および、単電池1210に用いられる負極材料の固有の充電・放電曲線(以下、「負極固有充放電曲線」と呼ぶ)が格納されている。本実施形態における正極固有充放電曲線および負極固有充放電曲線は、正極材料および負極材料が新品の時のものを用いている。正極固有充放電曲線は、正極容量と正極電位の関係を示すものであり、後述するように、実測した正極電位に対応する正極容量を求めるのに用いられる(図7、図8、図9参照)。負極固有充放電曲線は、負極容量と負極電位の関係を示すものであり、後述するように、実測した負極電位に対応する負極容量を求めるのに用いられる(図7、図8、図9参照)。
データベース部1700は、後述する単電池1210の容量回復量Cr_2の閾値も格納している。この閾値に基づいて単電池1210が劣化したかどうかが診断される。
図2は、電池モジュール1200の構成を示している。図2に示すように、電池モジュール1200は、複数(M個)の単電池群ユニット1250、すなわち、単電池群ユニット1250−1、・・・、1250−Mを有する。
単電池群ユニット1250は、単電池群1230とセルコントローラ1220を有する。なお、単電池群ユニット1250−1内の単電池群1230とセルコントローラ1220には符号1230−1、1220−1をそれぞれ付し、単電池群ユニット1250−M内の単電池群1230とセルコントローラ1220には符号1230−M、1220−Mをそれぞれ付した。
単電池群1230は、複数(L個)の単電池1210、すなわち、単電池1210−1、・・・1210−Lを有する。単電池1210は、リチウムイオン二次電池である。図2では、単電池1210同士を直列で接続しているが並列や直並列などで接続してもよい。
セルコントローラ1220は、割り当てられた単電池群1230からの電力を受けて動作し、単電池群1230を構成する複数の単電池1210の状態を監視し、そして、制御する。セルコントローラ1220の詳細については図3を用いて説明する。
図3は、単電池群ユニット1250の1つを示している。図3を用いて、セルコントローラ1220について説明する。
セルコントローラ1220は、電圧検出回路1221、温度検出部1222、制御回路1223、信号入出力回路1224、正極負極電位検出部1225、容量回復動作部1226を備えている。
電圧検出回路1221は、各々の単電池1210の端子間電圧を測定する。この測定によって、電池電圧の情報を得ることができる(図6参照)。
温度検出部1222は、複数ある単電池1210のそれぞれの温度を測定する。温度検出部1222は、単電池1210のそれぞれの温度を平均して、単電池群1230の温度とする。なお、複数ある単電池1210のうちの1つの温度を測定し、単電池群1230の代表値として認識するようにすることもできる。
正極負極電位検出部1225は、複数ある単電池1210のそれぞれにおいて、正極電位および負極電位を測定する。正極負極電位検出部1225は、単電池1210のそれぞれの正極電位を平均して、単電池群1230の正極電位とする。正極負極電位検出部1225は、単電池1210のそれぞれの負極電位を平均して、単電池群1230の負極電位とする。なお、複数ある単電池1210のうちの1つにおける正極電位および負極電位を測定し、単電池群1230における正極電位および負極電位の代表値として認識するようにすることもできる。
容量回復動作部1226は、所定の場合に、後述する容量回復量に基づいて単電池1210のリチウムイオン量を補償する回復動作を行う。詳細については、後述する。
制御回路1223は、電圧検出回路1221、温度検出部1222、および、正極負極電位検出部1225からの測定結果を受け取り、信号入出力回路1224を介してモジュールコントローラ1400に送信する。また、制御回路1223は、後述する容量回復制御部1406(図10参照)の容量回復動作指令を、容量回復動作部1226に送信する。
なお、自己放電や消費電流ばらつき等に伴い発生する単電池1210間の電圧ばらつきを均等化するバランシング回路がセルコントローラ1220に実装されているが、周知のものであるため、記載を省略した。
図3では、簡易的に温度検出部1222を示した。実際は温度測定対象に温度センサが設置され、設置した温度センサが温度情報を電圧として出力し、これを測定した結果が制御回路1223を介して信号入出力回路1224に送信され、信号入出力回路1224がセルコントローラ1220の外部に測定結果を出力する。
図3では、簡易的に正極負極電位検出部1225を示した。実際は電位測定対象に参照極(図5参照)が設置され、設置した参照極が電位情報を出力し、これを測定した結果が制御回路1223を介して信号入出力回路1224に送信され、信号入出力回路1224がセルコントローラ1220の外部に測定結果を出力する。
図4は、単電池1210を構成するリチウムイオン二次電池2000を正面から見た模式図を示している。このリチウムイオン二次電池2000は、電極反応物質としてリチウムを用いるものである。図5は、図4のA−A断面図である。以下では、主に図5を用いて、リチウムイオン二次電池2000の構成について説明する。
図5に示すように、リチウムイオン二次電池2000は、正極2003、負極2006、セパレータ2007、参照極2010、第3電極2014、電池ケース2016、電解液2017を有する。
以下に、正極2003、負極2006、セパレータ2007、参照極2010、第3電極2014、電池ケース2016、電解液2017について説明する。
<正極2003>
正極2003は、正極活物質、電子導電性材料およびバインダ樹脂から構成される正極合剤層2002、正極端子2008、正極集電体2001から構成される。また、電子抵抗の低減のため更に正極合剤層2002に導電剤を加えても良い。
正極2003は、正極活物質、電子導電性材料およびバインダ樹脂から構成される正極合剤層2002、正極端子2008、正極集電体2001から構成される。また、電子抵抗の低減のため更に正極合剤層2002に導電剤を加えても良い。
正極2003は、正極活物質、導電剤およびバインダ等を含む正極ペーストを正極集電体2001の表面に塗布して得ることができる。正極活物質、導電剤と黒鉛、バインダを用いて、乾燥時の固形分重量を考慮し、溶剤を用いて、正極材ペーストを調製する。この正極材ペーストを、正極集電体2001として用いたアルミ箔に塗布した後、乾燥し、加圧ローラーでプレスし、再び乾燥して正極合剤層2002を正極集電体2001に形成する。正極集電体2001への正極合剤層2002の塗布には、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法などの既知の製法を採ることができる。
正極合剤層2002は、リチウムイオンを可逆的に挿入脱離可能なリチウム含有酸化物からなる正極活物質を含んでいる。正極活物質の種類は特に制限されないが、例えば、コバルト酸リチウム、マンガン置換コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、オリビン型リン酸鉄リチウムなどのリン酸遷移金属リチウム、LiwNixCoyMnzO2(ここで、w、x、y、zはゼロまたは正の値)が挙げられる。正極活物質として上記の材料が一種単独または二種以上含まれていてもよい。正極合剤層2002中の正極活物質は、充電過程においてリチウムイオンが脱離する。放電過程において、負極合剤層2005中の負極活物質から脱離したリチウムイオンが正極活物質に挿入される。
バインダ樹脂は、正極合剤層2002を構成する材料と正極集電体2001を密着させるものであればよく、例えば、フッ化ビニリデン、四フッ化エチレン、アクリロニトリル、エチレンオキシドなどの単独重合体または共重合体、スチレン−ブタジエンゴムなどを挙げることができる。導電剤は、例えば、カーボンブラック、グラファイト、カーボンファイバーおよび金属炭化物などのカーボン材料であり、それぞれ単独でも混合して用いても良い。
正極集電体2001には、厚さが10〜100μmのアルミニウム箔、厚さが10〜100μm、孔径0.1〜10mmのアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板などが用いられる。材質は、アルミニウムの他に、ステンレス鋼、チタンなども適用可能である。本発明では、材質、形状、製造方法などに制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。
<負極2006>
負極2006は、負極活物質、電子導電性材料およびバインダ樹脂から構成される負極合剤層2005、負極端子2009、負極集電体2004から構成される。負極集電体2004への負極合剤層2005の塗布には、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法などの既知の製法を採ることができる。
負極2006は、負極活物質、電子導電性材料およびバインダ樹脂から構成される負極合剤層2005、負極端子2009、負極集電体2004から構成される。負極集電体2004への負極合剤層2005の塗布には、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法などの既知の製法を採ることができる。
負極合剤層2005は、リチウムイオンを可逆的に挿入脱離可能な負極活物質を含んでいる。負極活物質として、天然黒鉛や、天然黒鉛に乾式のCVD(Chemical Vapor Deposition)法もしくは湿式のスプレー法によって被膜を形成した複合炭素質材料、エポキシやフェノール等の樹脂材料もしくは石油や石炭から得られるピッチ系材料を原料として焼成により製造される人造黒鉛、シリコン(Si)、シリコンを混合した黒鉛、難黒鉛化炭素材、チタン酸リチウムLi4Ti5O12などを用いることができる。負極活物質として上記の材料が一種単独または二種以上含まれていてもよい。負極合剤層2005中の負極活物質には、充電過程において、正極合剤層2002中の正極活物質から脱離したリチウムイオンが挿入される。放電過程においてリチウムイオンが負極活物質から脱離する。なお、負極合剤層2005において、電子抵抗の低減のため更に導電剤を加えても良い。導電剤は、例えば、カーボンブラック、グラファイト、カーボンファイバーおよび金属炭化物などのカーボン材料であり、それぞれ単独でも混合して用いても良い。
バインダ樹脂としては、負極合剤層2005を構成する材料と負極集電体2004を密着させるものであればよく、例えば、四フッ化エチレン、アクリロニトリル、エチレンオキシドなどの単独重合体または共重合体、スチレン−ブタジエンゴムなどを挙げることができる。バインダ樹脂溶液を構成する溶媒としては、水を用いることが出来る。また、これら溶媒は単独でも混合して用いても良い。
負極集電体2004には、厚さが10〜100μmの銅箔、厚さが10〜100μm、孔径0.1〜10mmの銅製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板などが用いられる。材質は、銅の他に、ステンレス鋼、チタンなども適用可能である。本発明では、材質、形状、製造方法などに制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。
<セパレータ2007>
セパレータ2007の材料として特に制限はないが、例えばポリプロピレン等が用いられる。セパレータ2007としてポリプロピレン以外にも、ポリエチレンなどのポリオレフィン製の微孔性フィルムや不織布などを用いることができる。
セパレータ2007の材料として特に制限はないが、例えばポリプロピレン等が用いられる。セパレータ2007としてポリプロピレン以外にも、ポリエチレンなどのポリオレフィン製の微孔性フィルムや不織布などを用いることができる。
<参照極2010>
参照極2010は、正極電位および負極電位を測定する際に基準点を与える電極である。参照極2010は、ニッケルなどの金属基板に、当該金属基板とは異なる金属である、リチウム、スズ、銀、白金、チタン酸リチウムなどの金属を表面電極としてコーティングすることで形成される。また、LiFePO4、LiMnPO4等の金属酸化物や、Li金属からなる参照極を用いることが出来る。参照極2010には参照極端子2011が接続され、参照極端子2011は外部に引き出されている。
参照極2010は、正極電位および負極電位を測定する際に基準点を与える電極である。参照極2010は、ニッケルなどの金属基板に、当該金属基板とは異なる金属である、リチウム、スズ、銀、白金、チタン酸リチウムなどの金属を表面電極としてコーティングすることで形成される。また、LiFePO4、LiMnPO4等の金属酸化物や、Li金属からなる参照極を用いることが出来る。参照極2010には参照極端子2011が接続され、参照極端子2011は外部に引き出されている。
図5では、参照極2010は電極群の上に位置しているが、電池ケース2016と電極群との間にセパレータ2007を介して設置してもよい。安定して正極電位Vpと負極電位Vnが測定できれば、参照極2010はこの形態に限定されない。
<第3電極2014>
第3電極2014は、正極および負極が充放電の際に用いるリチウムイオンを補充するために設けられている。第3電極2014は、第3電極集電体2012、第3電極合剤層2013から構成される。第3電極集電体2012への第3電極合剤層2013の塗布には、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法などの既知の製法を採ることができる。
第3電極2014は、正極および負極が充放電の際に用いるリチウムイオンを補充するために設けられている。第3電極2014は、第3電極集電体2012、第3電極合剤層2013から構成される。第3電極集電体2012への第3電極合剤層2013の塗布には、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法などの既知の製法を採ることができる。
第3電極2014の活物質としては、リチウム元素を有する材料であって電極電位をLi/Li+基準で1.8V以上にするものであれば、材料は特に限定されない。リチウム元素を有する材料であって電極電位をLi/Li+基準で1.8V以上にする材料としては、上記正極活物質として記載されているコバルト酸リチウム、マンガン置換コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、オリビン型リン酸鉄リチウムなどのリン酸遷移金属リチウム、LiwNixCoyMnzO2(ここで、w、x、y、zは0または正の値)が挙げられる。
本実施形態では、第3電極活物質としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2を使用している。また、第3電極集電体2012としてアルミニウム箔を使用している。リチウム金属を対極として第3電極の電極電位を測定したところ、電極電位は3V以上であることを確認している。
第3電極活物質として上記の材料が一種単独または二種以上含まれていてもよい。リチウムイオン電池の容量を回復させる際に第3電極活物質からリチウムイオンが脱離する。電解液、正極活物質層または負極活物質層に脱離したリチウムイオンが挿入される。
第3電極集電体2012には、厚さが10〜100μmのアルミニウム箔、厚さが10〜100μm、孔径0.1〜10mmのアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板などが用いられる。材質は、アルミニウムの他に、ステンレス鋼、チタンなども適用可能である。本発明では、材質、形状、製造方法などに制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。
第3電極2014は、正極2003、負極2006のいずれとも電気導電性は持たないことが望ましい。そのため、第3電極2014は絶縁処理されるのが好ましい。例えば、第3電極2014は、セパレータ2007に使用されるポリオレフィン系樹脂シートなどで覆われる。
第3電極2014は電池ケース2016内に設置されていればよい。正極2003とセパレータ2007と負極2006の積層数や大きさ、第3電極2014の数や大きさ、設置場所に制約はない。例えば積層型電池の場合、電池ケース2016において、正極2003、セパレータ2007、負極2006およびセパレータ2007を積層した外層に第3電極2014を設置することが可能である。また、捲回円筒型、偏平長円形型または捲回角型の場合、捲回体の中心や外層または底面に第3電極2014を設置することも可能である。
<電解液2017>
電解液2017は特に制限されないが、例えば体積比が1:1のエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒に六フッ化リン酸リチウムを1mol/l溶解させた非水電解液が、電池ケース2016に注入されている。
電解液2017は特に制限されないが、例えば体積比が1:1のエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒に六フッ化リン酸リチウムを1mol/l溶解させた非水電解液が、電池ケース2016に注入されている。
リチウム塩としては、特に限定されないが、無機リチウム塩では、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiI、LiCl、LiBr等、また、有機リチウム塩では、LiB[OCOCF3]4、LiB[OCOCF2CF3]4、LiPF4(CF3)2、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2CF2CF3)2等を用いることができる。
溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)等の非プロトン性有機系溶媒、あるいはこれらの2種以上の混合有機化合物の溶媒が用いられているがそれらの種類は制限されない。
電解液2017として電解液以外に固体高分子電解質(ポリマー電解質)を用いる場合には、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチル、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド等のイオン伝導性ポリマーを電解質に用いることができるがそれらの種類は制限されない。これらの固体高分子電解質を用いた場合、セパレータを省略できる。
<電池ケース2016>
電池ケース2016の材料は特に制限されない。例えば、SUSやラミネートパックを用いることができる。
電池ケース2016の材料は特に制限されない。例えば、SUSやラミネートパックを用いることができる。
図6は、リチウムイオン二次電池2000(単電池1210)において電池電圧Vcell、正極電位Vp、および、負極電位Vnを測定する方法を模式的に示した図である。電池電圧Vcellは、正極2003と負極2006との間の電圧を測定することで得られる。正極電位Vpは、参照極2010を電位の基準点として、正極2003と参照極2010との間の電圧を測定することで得られる。負極電位Vnは、参照極2010を電位の基準点として、負極2006と参照極2010との間の電圧を測定することで得られる。上記の電池電圧Vcell、正極電位Vp、および、負極電位Vnは、電圧検出回路1221によって測定される。そして、電池電圧Vcell、正極電位Vp、および、負極電位Vnの情報は、後述されるように、制御回路1223および信号入出力回路1224を介して、モジュールコントローラ1400に送信される。
ここで、図7、図8を用いて、電池容量低下に伴う正極および負極の単極容量と電位の変化について説明する。
上述したが、電池容量低下の原因としては、以下の2つが挙げられる。
・原因1:正極における充放電に寄与する活物質量(有効活物質量)の減少、および、負極における充放電に寄与する活物質量(有効活物質量)の減少
・原因2:リチウムイオンの副反応による、充放電に寄与するリチウムイオン量の減少
図7は、原因1に関する充放電曲線の変化を示しており、図8は、原因2に関する充放電曲線の変化を示している。
・原因1:正極における充放電に寄与する活物質量(有効活物質量)の減少、および、負極における充放電に寄与する活物質量(有効活物質量)の減少
・原因2:リチウムイオンの副反応による、充放電に寄与するリチウムイオン量の減少
図7は、原因1に関する充放電曲線の変化を示しており、図8は、原因2に関する充放電曲線の変化を示している。
図7(a)は、充放電に寄与する正極活物質量の減少(原因1)に関して示す図である。図7(b)は、充放電に寄与する負極活物質量の減少(原因1)に関して示す図である。図7の横軸は単極容量、縦軸は電位である。
図7(a)から次のことが理解される。単電池1210においては、稼働により劣化する。劣化により、正極の有効活物質量が減少する。新品時の正極の充放電曲線は破線で示される。劣化後の正極の充放電曲線は実線で示される。新品時の充放電に寄与する正極容量をqpmax_iと定義する。劣化後の充放電に寄与する正極容量qpmax_dは
qpmax_d=mp×qpmax_i ・・・・・・式(1)
で定義される。mpは正極の劣化率と定義する。このような定義のため、正極の劣化率mpは0から1までの範囲で変化し、1に近いほど新しく、0に近いほど劣化が大きいことを示す。
qpmax_d=mp×qpmax_i ・・・・・・式(1)
で定義される。mpは正極の劣化率と定義する。このような定義のため、正極の劣化率mpは0から1までの範囲で変化し、1に近いほど新しく、0に近いほど劣化が大きいことを示す。
図7(b)から次のことが理解される。単電池1210においては、稼働により劣化する。劣化により、負極の有効活物質量が減少する。新品時の負極の充放電曲線は破線で示される。劣化後の負極の充放電曲線は実線で示される。新品時の充放電に寄与する負極容量をqnmax_iと定義する。劣化後の充放電に寄与する負極容量qnmax_dは
qnmax_d=mn×qnmax_i ・・・・・・式(2)
で定義される。mnは負極の劣化率と定義する。このような定義のため、負極の劣化率mnは0から1までの範囲で変化し、1に近いほど新しく、0に近いほど劣化が大きいことを示す。
qnmax_d=mn×qnmax_i ・・・・・・式(2)
で定義される。mnは負極の劣化率と定義する。このような定義のため、負極の劣化率mnは0から1までの範囲で変化し、1に近いほど新しく、0に近いほど劣化が大きいことを示す。
図8は副反応によるリチウムイオンの減少(原因2)に伴う電池容量低下を説明する図である。図8(a)は新品時における正極と負極の単極容量と電位の関係を示す。図8(b)は劣化後の正極と負極の単極容量と電位の関係を主に示す。
図8(a)、図8(b)では、横軸に示す単極容量のゼロ点からの位置のずれを位置ずれSと定義し、新品時の正極ではSpi、負極ではSni、劣化後の正極ではSpd、負極ではSndと定義している。また、図8(a)、図8(b)では、充放電曲線の相対位置についても定義している。ある2つの充放電曲線の相対位置とは、その2つの充放電曲線の左端(始点と呼ぶことにする)同士の相対的な位置のことである。この定義により、新品時の正極と負極の相対位置はSiとなり、劣化後の正極と負極の相対位置はSdとなる。
図8(a)の新品時では、正極充電放電曲線は単極容量のゼロ点からSpiだけ位置がずれている。負極充電放電曲線では、単極容量のゼロ点からSniだけ位置がずれている。
新品時の正極と負極の相対位置Siは、
Si=Spi−Sni ・・・・・・式(3)
で算出される。
新品時の正極と負極の相対位置Siは、
Si=Spi−Sni ・・・・・・式(3)
で算出される。
副反応による電池容量減少(原因2)のみで劣化したとすると、図8(b)に示すように、劣化後の正極充電放電曲線は単極容量のゼロ点からSpdだけ位置がずれる。劣化後の負極充電放電曲線では、単極容量のゼロ点からSndだけ位置がずれている。
劣化後の正極と負極の相対位置Sdは、
Sd=Spd−Snd ・・・・・・式(4)
で算出される。
劣化後の正極と負極の相対位置Sdは、
Sd=Spd−Snd ・・・・・・式(4)
で算出される。
新品時と劣化後では、式(3)と式(4)で表される相対位置の間で変化がある。この相対位置の変化量は、副反応による充放電に寄与するリチウムイオン量の減少に関係した値である。以下に示すように、この相対位置の変化量(差分)で容量回復量が定義される。
容量回復量Crは、新品時と劣化後の相対位置の差分で、以下の式(5)のように定義される。
Cr=Sd−Si ・・・・・・式(5)
Cr=Sd−Si ・・・・・・式(5)
ここで、図7、図8での新品時から劣化後の正極および負極の放電曲線の変化を定義した式から、電池の任意の容量Qcellを定義する。電池容量Qcellは、新品時の正極および負極の容量と電位との関係から求められる任意の正極容量qpと負極容量qnと、正極の劣化率mp、負極の劣化率mn、正極の位置ずれSp、負極の位置ずれSnで以下の式(6)、(7)のように定義される。
Qcell=mp×qp−Sp ・・・・・・式(6)
Qcell=mn×qn−Sn ・・・・・・式(7)
Qcell=mp×qp−Sp ・・・・・・式(6)
Qcell=mn×qn−Sn ・・・・・・式(7)
図9は、以上の式(6)、(7)をグラフ化したものである。図9を用いて容量回復量の演算方法を述べる。図9は横軸に正極および負極の単極容量、縦軸に一定時間での電池容量変化を示している。式(6)、式(7)から、正極容量qpおよび負極容量qnと電池の容量Qcellは、線形の関係にあり、傾きを正極の劣化率mp、負極の劣化率mn、切片を正極の位置ずれSp、負極の位置ずれSnとした一次関数で表すことができる。以下では、式(6)で示される一次関数を「正極一次関数」と呼び、式(7)で示される一次関数を「負極一次関数」と呼ぶことにする。
正極一次関数および負極一次関数の作成、および、容量回復量を求める演算は、以下に示す(A)〜(M)の手順でなされる。
(A)ある状態(状態1とする)における電池電圧Vcell_1での電池容量Qcellを電池容量Qcell_1とする。電池容量Qcell_1は基準値のため、ゼロである。なお、満充電から完全放電までの充放電作業を行ったわけではないので、この電池容量Qcell_1は、相対位置を示すに過ぎない。
(B)状態1における電池電圧Vcell_1での正極電位Vp_1と負極電位Vn_1をそれぞれ測定する。これらの電位の基準点は、参照極2010である。本実施形態では、充放電電流の有無に関わらず正極電位Vp_1と負極電位Vn_1を測定する方式を採用するので、充放電電流が流れている時の電圧、すなわち、閉回路電圧で正極電位Vp_1と負極電位Vn_1を取得することもある。なお、後述する変形例1のように、充放電電流が流れていない休止時の電圧、すなわち、開回路電圧で正極電位Vp_1と負極電位Vn_1を取得したほうが、精度よく検出できる。
(C)データベース部1700に予め記憶しておいた正極固有充放電曲線を用いて、正極電位Vp_1に対応する正極容量qp_1を求める。同様に、データベース部1700に予め記憶しておいた負極固有充放電曲線を用いて、負極電位Vn_1に対応する負極容量qn_1を求める。
(D)充電または放電をして、単電池1210の状態を状態1から別の状態(状態2とする)に移行する。この充放電は、原因1および原因2の電池劣化が進行しない時間内で行う。図9では、放電することで状態1から状態2に移行している場合を示している。
(E)状態2における電池電圧Vcell_2での電池容量Qcellを電池容量Qcell_2とする。この電池容量Qcell_2は、相対位置を示すに過ぎない。状態1から状態2に移行するにあたり、充電や放電を行って電池容量が変化したので、電池容量Qcell_1と電池容量Qcell_2との間には、
Qcell_2 = Qcell_1 + Qdis_1,2 ・・・・・・式(8)
の関係がある。以上の式(8)の右辺第2項の電池容量変化量Qdis_1,2は、状態1から状態2へ移行するにあたり、充電や放電を行って変化した電池容量である。電池容量変化量Qdis_1,2は、電流検出部1100によって得られる充放電電流の時間積算によって求めることができる。
Qcell_2 = Qcell_1 + Qdis_1,2 ・・・・・・式(8)
の関係がある。以上の式(8)の右辺第2項の電池容量変化量Qdis_1,2は、状態1から状態2へ移行するにあたり、充電や放電を行って変化した電池容量である。電池容量変化量Qdis_1,2は、電流検出部1100によって得られる充放電電流の時間積算によって求めることができる。
(F)状態2における電池電圧Vcell_2での正極電位Vp_2と負極電位Vn_2をそれぞれ測定する。これらの電位の基準点は、参照極2010である。
(G)データベース部1700に予め記憶しておいた正極固有充放電曲線を用いて、正極電位Vp_2に対応する正極容量qp_2を求める。同様に、データベース部1700に予め記憶しておいた負極固有充放電曲線を用いて、負極電位Vn_2に対応する負極容量qn_2を求める。
(H)充電または放電をして、単電池1210の状態を状態2から別の状態(状態3とする)に移行する。この充放電は、原因1および原因2の電池劣化が進行しない時間内で行う。図9では、放電することで状態2から状態3に移行している場合を示している。
(I)状態3における電池電圧Vcell_3での電池容量Qcellを電池容量Qcell_3とする。この電池容量Qcell_3は、相対位置を示すに過ぎない。状態2から状態3に移行するにあたり、充電や放電を行って電池容量が変化したので、
Qcell_3 = Qcell_2 + Qdis_2,3 ・・・・・・式(9)
の関係がある。以上の式(9)の右辺第2項の電池容量変化量Qdis_2,3は、状態2から状態3へ移行するにあたり、充電や放電を行って変化した電池容量である。電池容量変化量Qdis_2,3は、電流検出部1100によって得られる充放電電流の時間積算によって求めることができる。以上の(A)〜(I)により、
・状態1の電池容量Qcell_1
・状態1から状態2へ移行したことによる電池容量Qcell_2
・状態2から状態3へ移行したことによる電池容量Qcell_3
・状態1の正極容量qp_1
・状態2の正極容量qp_2
・状態3の負極容量qp_3
・状態1の負極容量qn_1
・状態2の負極容量qn_2
・状態3の負極容量qn_3
が得られる。
(I)状態3における電池電圧Vcell_3での電池容量Qcellを電池容量Qcell_3とする。この電池容量Qcell_3は、相対位置を示すに過ぎない。状態2から状態3に移行するにあたり、充電や放電を行って電池容量が変化したので、
Qcell_3 = Qcell_2 + Qdis_2,3 ・・・・・・式(9)
の関係がある。以上の式(9)の右辺第2項の電池容量変化量Qdis_2,3は、状態2から状態3へ移行するにあたり、充電や放電を行って変化した電池容量である。電池容量変化量Qdis_2,3は、電流検出部1100によって得られる充放電電流の時間積算によって求めることができる。以上の(A)〜(I)により、
・状態1の電池容量Qcell_1
・状態1から状態2へ移行したことによる電池容量Qcell_2
・状態2から状態3へ移行したことによる電池容量Qcell_3
・状態1の正極容量qp_1
・状態2の正極容量qp_2
・状態3の負極容量qp_3
・状態1の負極容量qn_1
・状態2の負極容量qn_2
・状態3の負極容量qn_3
が得られる。
(J)
・状態1の電池容量Qcell_1
・状態1から状態2へ移行したことによる電池容量Qcell_2
・状態1の正極容量qp_1
・状態2の正極容量qp_2
を用いて、図9に示すように、正極一次関数Fpが得られる。
・状態1の電池容量Qcell_1
・状態1から状態2へ移行したことによる電池容量Qcell_2
・状態1の正極容量qp_1
・状態2の正極容量qp_2
を用いて、図9に示すように、正極一次関数Fpが得られる。
(K)
・状態1の電池容量Qcell_1・状態1から状態2へ移行したことによる電池容量Qcell_2・状態1の負極容量qn_1
・状態2の負極容量qn_2
を用いて、図9に示すように、負極一次関数Fnが得られる。
・状態1の電池容量Qcell_1・状態1から状態2へ移行したことによる電池容量Qcell_2・状態1の負極容量qn_1
・状態2の負極容量qn_2
を用いて、図9に示すように、負極一次関数Fnが得られる。
(L)以下の式(10)に示すように、正極一次関数Fpの縦軸切片である正極の位置ずれSpから、負極一次関数Fnの縦軸切片である位置ずれSnを減算することで、相対位置Sが得られる。
S = Sp− Sn ・・・・・・式(10)
なお、正極一次関数Fpおよび負極一次関数Fnが新品時のものであれば、式(10)に示される相対位置Sは、式(3)に示される相対位置Siになる。また、正極一次関数Fpおよび負極一次関数Fnが劣化後のものであれば、式(10)に示される相対位置Sは、式(4)に示される相対位置Sdになる。以降の説明のため、ここでは、劣化後の相対位置Sdとして扱う。
S = Sp− Sn ・・・・・・式(10)
なお、正極一次関数Fpおよび負極一次関数Fnが新品時のものであれば、式(10)に示される相対位置Sは、式(3)に示される相対位置Siになる。また、正極一次関数Fpおよび負極一次関数Fnが劣化後のものであれば、式(10)に示される相対位置Sは、式(4)に示される相対位置Sdになる。以降の説明のため、ここでは、劣化後の相対位置Sdとして扱う。
(M)データベース部1700には、正極固有充放電曲線および負極固有充放電曲線から求められた新品の相対位置Siが格納されている。この相対位置Siと、上記の相対位置Sdを用いて、上記の式(5)から、容量回復量Crが求められる。
正極一次関数および負極一次関数の精度を向上させるには、正極電位Vpおよび負極電位Vnを測定する状態の数を増やせばよい。また、3個以上の状態の中から2個の状態を選択して正極一次関数および負極一次関数を求めることができる。状態の数、選択する状態の数により精度をさらに向上させることができる。図9には、状態1および2だけでなく、状態3での測定結果も反映されている。また、状態2から状態3へ移行するにあたっての電池容量Qcell_3も示されている。
図10は、モジュールコントローラ1400における容量回復に関係する構成を示した図である。モジュールコントローラ1400は、正極容量演算部1401、負極容量演算部1402、電池容量演算部1403、容量回復量演算部1404、容量回復診断部1405、容量回復動作部1406を備えている。
上記の各構成の説明の前に、容量回復量の演算に必要なデータについて簡単に説明する。容量回復量の演算に必要なデータを取得するにあたり、単電池1210において少なくとも1回は単電池1210の容量(以下、電池容量Qcellと呼ぶ)を変化させることが必要となる。言うまでもないが、この単電池1210の容量の変化は、単電池1210を充電または放電させることによるものである。簡単のため、ここでは、充放電は1回行うとし、放電前を状態1、放電後を状態2とする。
上記の単電池1210の容量の変化によって、容量回復量の演算に必要なデータとして、
・容量変化前(状態1)の電池容量Qcell_1
・容量変化後(状態2)の電池容量Qcell_2
・容量変化前(状態1)の正極電位Vp_1から得られる正極容量qp_1
・容量変化後(状態2)の正極電位Vp_2から得られる正極容量qp_2
・容量変化前(状態1)の負極電位Vn_1から得られる負極容量qn_1
・容量変化後(状態2)の負極電位Vn_2から得られる負極容量qn_2
が、得られる。
・容量変化前(状態1)の電池容量Qcell_1
・容量変化後(状態2)の電池容量Qcell_2
・容量変化前(状態1)の正極電位Vp_1から得られる正極容量qp_1
・容量変化後(状態2)の正極電位Vp_2から得られる正極容量qp_2
・容量変化前(状態1)の負極電位Vn_1から得られる負極容量qn_1
・容量変化後(状態2)の負極電位Vn_2から得られる負極容量qn_2
が、得られる。
正極容量演算部1401は、正極負極電位検出部1225が測定した単電池1210の正極電位Vpと、データベース部1700に格納されている単電池1210の正極固有充放電曲線と、を受信する。正極容量演算部1401は、正極固有充放電曲線を用いて演算して、正極電位Vpに対応する正極の単極容量qp(正極容量qp)を求める。そして、正極容量演算部1401は、正極容量qpを容量回復量演算部1404に出力する。上述のように、容量回復量の演算には、単電池1210の充放電による容量変化前(状態1)の正極容量qp_1と、容量変化後(状態2)の正極容量qp_2が必要となる。そのため、厳密には、正極容量演算部1401は、容量変化前(状態1)の正極電位Vp_1から得られる正極容量qp_1と、容量変化後(状態2)の正極電位Vp_2から得られる正極容量qp_2と、を容量回復量演算部1404に出力する。
負極容量演算部1402は、正極負極電位検出部1225が測定した単電池1210の負極電位Vnと、データベース部1700に格納されている単電池1210の負極固有充放電曲線と、を受信する。負極容量演算部1402は、負極固有充放電曲線を用いて演算して、負極電位Vnに対応する負極の単極容量qn(負極容量qn)を求める。そして、負極容量演算部1402は、負極容量qnを容量回復量演算部1404に出力する。上述のように、容量回復量の演算には、単電池1210の充放電による容量変化前(状態1)の負極容量qn_1と、容量変化後(状態2)の負極容量qn_2が必要となる。そのため、厳密には、負極容量演算部1402は、容量変化前(状態1)の負極電位Vn_1から得られる負極容量qn_1と、容量変化後(状態2)の負極電位Vn_2から得られる負極容量qn_2と、を容量回復量演算部1404に出力する。
電池容量演算部1403は、状態1から状態2へ移行した際に電池モジュール1200(単電池1210)に流れる電流を電流検出部1100から受信する。また、電池容量演算部1403は、電池装置1000が備える不図示のタイマから時間情報を受信する。そして、電池容量演算部1403は、上記の電流を時間積算して演算して、状態1から状態2への電池容量変化量Qdisである電池容量変化量Qdis_1,2を求める。電池容量変化量Qdis_1,2は電池容量Qcell_2と等しい。電池容量演算部1403は、容量変化前(状態1)の電池容量Qcell_1と電池容量Qcell_2を容量回復量演算部1404に出力する。
容量回復量演算部1404は、正極容量qp_1、qp_2、負極容量qn_1、qn_2、電池容量変化量Qdis_1,2、データベース部1700に格納されている単電池1210の正極固有充放電曲線および負極固有充放電曲線を用いて演算して、容量回復量Crを求める。そして、容量回復量演算部1404は、容量回復量Crを容量回復診断部1405に出力する。
なお、図10に示すように、容量回復量演算部1404は、正極容量、負極容量を取得した際の電池電圧Vcellも受信する。電池電圧Vcellは、主に、状態1,2などを把握するために用いられる。
容量回復診断部1405は、上記の容量回復量Crに基づいて、単電池1210の劣化状態を診断し、当該診断結果を容量回復制御部1406に出力する。
容量回復制御部1406は、上記の診断結果に基づいて、所定の場合にセルコントローラ1220の容量回復動作部1226が単電池1210に対して容量回復動作を行うように制御する。
図11は、第1実施形態に係る二次電池システムのシステムフロー図である。なお、当該フロー図の説明箇所において、後述する各パラメータの添え字として付したjは、1以上の整数であり、1から始まり1つずつ増えていくものとし、かつ、j番目の状態(状態jと呼ぶ)を意味することとする。このようなjを導入するのは、ステップS102〜S105は、ステップS106の分岐によってはループする可能性があり、説明するのに都合がいいからである。
<ステップS101>
システムコントローラ1500が、単電池1210の充放電を開始する指令を電池モジュール1200に送信し、充放電が開始される。
システムコントローラ1500が、単電池1210の充放電を開始する指令を電池モジュール1200に送信し、充放電が開始される。
<ステップS102>
信号を受信した電池モジュール1200中の電圧検出回路1221は、各単電池1210の端子間電圧を測定する。温度検出部1222は、単電池群1230の温度を測定する。正極負極電位検出部1225は、正極電位Vp_jおよび負極電位Vn_jを測定する。制御回路1223は、電圧検出回路1221および温度検出部1222からの測定結果を受け取り、信号入出力回路1224を介してモジュールコントローラ1400に送信する。
信号を受信した電池モジュール1200中の電圧検出回路1221は、各単電池1210の端子間電圧を測定する。温度検出部1222は、単電池群1230の温度を測定する。正極負極電位検出部1225は、正極電位Vp_jおよび負極電位Vn_jを測定する。制御回路1223は、電圧検出回路1221および温度検出部1222からの測定結果を受け取り、信号入出力回路1224を介してモジュールコントローラ1400に送信する。
<ステップS103>
ステップS102の正極負極電位検出部1225で測定した正極電位Vp_jとデータベース部1700に記憶してある正極固有充放電曲線から、正極容量qp_jを求める。同様に、ステップS102の正極負極電位検出部1225で測定した負極電位Vn_jとデータベース部1700に記憶してある負極固有充放電曲線から、負極容量qn_jを求める。
ステップS102の正極負極電位検出部1225で測定した正極電位Vp_jとデータベース部1700に記憶してある正極固有充放電曲線から、正極容量qp_jを求める。同様に、ステップS102の正極負極電位検出部1225で測定した負極電位Vn_jとデータベース部1700に記憶してある負極固有充放電曲線から、負極容量qn_jを求める。
<ステップS104>
電池容量演算部1403は、ある電池電圧Vcell_jに対応する電池容量Qcell_jを求める。jが1の場合は、初期値としてゼロを入れればよい。jが2以上の場合は、状態j−1から状態jまでに単電池1210に流れた充放電電流を時間積算して得られる電池容量変化Qdis_j-1,jをQcell_j-iに足すことで得られる。
以上を式にすると、以下の式(11)となる。
Qcell_j =Qcell_1 (j=1)
=Qcell_j-1 + Qdis_j-1,j (j≧2)
・・・・・・式(11)
電池容量演算部1403は、ある電池電圧Vcell_jに対応する電池容量Qcell_jを求める。jが1の場合は、初期値としてゼロを入れればよい。jが2以上の場合は、状態j−1から状態jまでに単電池1210に流れた充放電電流を時間積算して得られる電池容量変化Qdis_j-1,jをQcell_j-iに足すことで得られる。
以上を式にすると、以下の式(11)となる。
Qcell_j =Qcell_1 (j=1)
=Qcell_j-1 + Qdis_j-1,j (j≧2)
・・・・・・式(11)
<ステップS105>
容量回復量演算部1404は、少なくとも2つの状態で、正極容量qp_j、負極容量qn_j、電池容量Qcell_jを得ているかを判定する。具体的には、ユーザが所定の2以上の整数Nを設定し、jがそのNと等しいかを判定する。「2以上」としているのは、正極一次関数および負極一次関数を求めるのには、少なくとも2状態が必要であるからである。Nは、データベース部1700に格納され、ユーザによって書き換えることが可能である。また、精度良く演算するには、Nが大きいほどよい。なお、本実施形態では、図9に示したとおりN=3とした。ステップS105で否定判定されればステップS102に移行し、肯定判定されればステップS106に移行する。また、3状態以上の中から2状態を選択して正極一次関数および負極一次関数を求めることができる。状態の数、選択する状態の数により精度をさらに向上させることができる。
容量回復量演算部1404は、少なくとも2つの状態で、正極容量qp_j、負極容量qn_j、電池容量Qcell_jを得ているかを判定する。具体的には、ユーザが所定の2以上の整数Nを設定し、jがそのNと等しいかを判定する。「2以上」としているのは、正極一次関数および負極一次関数を求めるのには、少なくとも2状態が必要であるからである。Nは、データベース部1700に格納され、ユーザによって書き換えることが可能である。また、精度良く演算するには、Nが大きいほどよい。なお、本実施形態では、図9に示したとおりN=3とした。ステップS105で否定判定されればステップS102に移行し、肯定判定されればステップS106に移行する。また、3状態以上の中から2状態を選択して正極一次関数および負極一次関数を求めることができる。状態の数、選択する状態の数により精度をさらに向上させることができる。
<ステップS106>
容量回復量演算部1404は、状態1〜Nで得られた、正極容量qp_j、電池容量Qcell_j(j=1〜N)を用いて、正極一次関数Fpを求める(図9参照)。同様に、容量回復量演算部1404は、状態1〜Nで得られた、負極容量qn_j、電池容量Qcell_j(j=1〜N)を用いて、負極一次関数Fnを求める(図9参照)。
容量回復量演算部1404は、状態1〜Nで得られた、正極容量qp_j、電池容量Qcell_j(j=1〜N)を用いて、正極一次関数Fpを求める(図9参照)。同様に、容量回復量演算部1404は、状態1〜Nで得られた、負極容量qn_j、電池容量Qcell_j(j=1〜N)を用いて、負極一次関数Fnを求める(図9参照)。
<ステップS107>
容量回復量演算部1404は、ステップS106で得られた正極一次関数Fpから傾きである正極の劣化率mp、および、切片である正極での位置ずれSpを求める。同様に、ステップS106で得られた負極一次関数Fnから傾きである正極の劣化率mn、および、切片である負極での位置ずれSnを求める。
容量回復量演算部1404は、ステップS106で得られた正極一次関数Fpから傾きである正極の劣化率mp、および、切片である正極での位置ずれSpを求める。同様に、ステップS106で得られた負極一次関数Fnから傾きである正極の劣化率mn、および、切片である負極での位置ずれSnを求める。
<ステップS108>
容量回復量演算部1404は、正極での位置ずれSpと負極での位置ずれSnと式(9)を用いて、相対位置Sを求める。
容量回復量演算部1404は、正極での位置ずれSpと負極での位置ずれSnと式(9)を用いて、相対位置Sを求める。
<ステップS109>
ステップS108で演算した相対位置Sと、データベース部1700に記憶した初期の相対位置Siの差分を計算し、式(5)を用いて、容量回復量Crを演算する。なお、式(5)のSdの項にステップS108で得られた相対位置Sを代入する。
ステップS108で演算した相対位置Sと、データベース部1700に記憶した初期の相対位置Siの差分を計算し、式(5)を用いて、容量回復量Crを演算する。なお、式(5)のSdの項にステップS108で得られた相対位置Sを代入する。
<ステップS110>
ステップS109で演算された容量回復量Crが閾値以上であるか否かが容量回復診断部1405で判断される。容量回復量Crが閾値以上である場合はステップS111に進み、そうでなければステップS102に戻る。本実施形態では、予め電池容量に対する電池容量回復量との関係から求めた値を閾値とし、閾値は予めデータベース部1700に格納されている。
ステップS109で演算された容量回復量Crが閾値以上であるか否かが容量回復診断部1405で判断される。容量回復量Crが閾値以上である場合はステップS111に進み、そうでなければステップS102に戻る。本実施形態では、予め電池容量に対する電池容量回復量との関係から求めた値を閾値とし、閾値は予めデータベース部1700に格納されている。
<ステップS111>
容量回復量Crが閾値以上となったことを示す信号を、容量回復診断部1405が容量回復制御部1406に出力する。容量回復制御部1406は、セルコントローラ1220の容量回復動作部1226に対して、容量回復量Crだけリチウムイオンを補充する容量回復動作を行うように制御する。なお、容量回復量Crだけ容量回復動作が行われたかどうかは、容量回復動作部1226が内蔵する不図示の電流検出部が検出する容量回復動作中の電流を時間積算して得られる補充された電池容量を算出し、その電池容量が容量回復量Crと対応するものになったかどうかで判断する。また、容量回復動作部1226は、単電池1210とは異なる外部の電源(不図示)の電力を用いて、容量回復動作を行う。
容量回復量Crが閾値以上となったことを示す信号を、容量回復診断部1405が容量回復制御部1406に出力する。容量回復制御部1406は、セルコントローラ1220の容量回復動作部1226に対して、容量回復量Crだけリチウムイオンを補充する容量回復動作を行うように制御する。なお、容量回復量Crだけ容量回復動作が行われたかどうかは、容量回復動作部1226が内蔵する不図示の電流検出部が検出する容量回復動作中の電流を時間積算して得られる補充された電池容量を算出し、その電池容量が容量回復量Crと対応するものになったかどうかで判断する。また、容量回復動作部1226は、単電池1210とは異なる外部の電源(不図示)の電力を用いて、容量回復動作を行う。
図12は、第3電極から正極にリチウムイオンを充填する場合におけるリチウムイオン二次電池システムの構成の概略図である。以上に示したように、容量回復動作部1226が第3電極2014から正極2003にリチウムイオンを補充する容量回復動作をおこなう。具体的には、容量回復動作部1226は、充放電時に負極端子2009と接続しているスイッチ2018を第3電極端子2015との接続に変更し、第3電極端子2015と正極端子2008間に電流を流す。
図13は、容量回復動作の効果を示した図である。横軸は使用期間、縦軸は電池容量である。本実施形態によりリチウムイオン二次電池の副反応により減少した充放電に寄与するリチウムイオンを第3電極から補償できることが理解される。容量回復制御をしない場合と比較して電池容量を維持することができるため、長寿命な二次電池システムを提供することができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池システムは、以下の作用効果を奏する。
(1)本実施形態のリチウムイオン二次電池システムにおいては、
正極固有充放電曲線と状態1,2の正極電位Vp_1、Vp_2から状態1,2の正極容量qp_1、qp_2が求められ、負極固有充放電曲線と状態1、2の負極電位Vn_1、Vn_2とから状態1,2の負極容量qn_1、qn_2が求められる。状態1から状態2に移行したことによる充放電電流を時間積算して電池容量変化量Qdis_1,2が求められる。電池容量変化量Qdis_1,2は電池容量Qcell_2に等しい。
正極容量qp_1、qp_2と電池容量Qcell_1、電池容量Qcell_2から、正極一次関数Fpが求められる。負極容量qn_1、qn_2と電池容量Qcell_1、電池容量Qcell_2から、負極一次関数Fnが求められる。
正極一次関数Fpの切片Spと負極一次関数Fnの切片Snから、実測値を演算して得られた相対位置S(実測相対位置S)が求められる。
一方で、正極固有充放電曲線と負極固有充放電曲線から相対位置Siが求められる。
実測相対位置Sと相対位置Siの差分から補充すべき電池容量である容量回復量Crが求められる。
状態1から2への充放電は、充放電曲線の全ての容量領域において実施するものではないため、簡便に短時間で容量回復量を求めることができる。充放電曲線という過程を求めるわけでなく、始点と終点の差分である電池容量変化量を求めるだけなので、充放電レートを低くする必要もないので、その意味でも短時間で容量回復量を求めることができる。また、充放電曲線を求めて相対位置を求める発明と比較して、充放電レートが高くなっても精度が落ちず安定している。
(2)本実施形態のリチウムイオン二次電池システムにおいては、
上記の容量回復量Crを用いて、リチウムイオンを補充すべきか診断する。
上記の容量回復量Crが簡便に短時間に得られるので、上記診断も簡便に短時間に実施される。
(3)本実施形態のリチウムイオン二次電池システムにおいては、
上記の容量回復量Crに基づいて、容量回復動作を行う。
上記の容量回復量Crが簡便に短時間に得られるので、上記容量回復動作も簡便に短時間に実施される。
(1)本実施形態のリチウムイオン二次電池システムにおいては、
正極固有充放電曲線と状態1,2の正極電位Vp_1、Vp_2から状態1,2の正極容量qp_1、qp_2が求められ、負極固有充放電曲線と状態1、2の負極電位Vn_1、Vn_2とから状態1,2の負極容量qn_1、qn_2が求められる。状態1から状態2に移行したことによる充放電電流を時間積算して電池容量変化量Qdis_1,2が求められる。電池容量変化量Qdis_1,2は電池容量Qcell_2に等しい。
正極容量qp_1、qp_2と電池容量Qcell_1、電池容量Qcell_2から、正極一次関数Fpが求められる。負極容量qn_1、qn_2と電池容量Qcell_1、電池容量Qcell_2から、負極一次関数Fnが求められる。
正極一次関数Fpの切片Spと負極一次関数Fnの切片Snから、実測値を演算して得られた相対位置S(実測相対位置S)が求められる。
一方で、正極固有充放電曲線と負極固有充放電曲線から相対位置Siが求められる。
実測相対位置Sと相対位置Siの差分から補充すべき電池容量である容量回復量Crが求められる。
状態1から2への充放電は、充放電曲線の全ての容量領域において実施するものではないため、簡便に短時間で容量回復量を求めることができる。充放電曲線という過程を求めるわけでなく、始点と終点の差分である電池容量変化量を求めるだけなので、充放電レートを低くする必要もないので、その意味でも短時間で容量回復量を求めることができる。また、充放電曲線を求めて相対位置を求める発明と比較して、充放電レートが高くなっても精度が落ちず安定している。
(2)本実施形態のリチウムイオン二次電池システムにおいては、
上記の容量回復量Crを用いて、リチウムイオンを補充すべきか診断する。
上記の容量回復量Crが簡便に短時間に得られるので、上記診断も簡便に短時間に実施される。
(3)本実施形態のリチウムイオン二次電池システムにおいては、
上記の容量回復量Crに基づいて、容量回復動作を行う。
上記の容量回復量Crが簡便に短時間に得られるので、上記容量回復動作も簡便に短時間に実施される。
ここで、先行技術との対比をする。特開2012−195055号公報には、リチウムイオン電池の電極の膨張・収縮量カーブに基づいて、充放電に寄与するリチウムイオンの減少量を求める発明が記載されている。しかし、当該発明では、複数の正極活物質を用いる必要がある。また、精度良く補充する電池容量を求めるためには、正極活物質同士で膨張・収縮の挙動が大きく異なるものを選定する必要がある。
一方、本実施形態のリチウムイオン二次電池システムでは、容量回復量Crを算出するために検出するデータは、状態1、2の正極電位および負極電位のみであり、電極の膨張量・収縮量については検出する必要がない。そのため、本実施形態のリチウムイオン二次電池システムでは、正極活物質の選定に困難さはない。
本実施形態は、以下のような変形が可能である。
―(変形例1)正極電位および負極電位の測定に関する変形例A―
正極電位Vpおよび負極電位Vnは、充放電電流が流れていない休止時の電圧、すなわち、開回路電圧で得た方が更に精度良く検出することができる。その結果、正極電位、負極電位が安定して測定できるため、電池容量回復量の演算結果が更に精度良く出力される。
また、式(12)、式(13)により緩和後の安定した正極電位、負極電位である正極開回路電位、負極開回路電位を推定することができる。
Vp(t)=Vpa×exp(τpa/t)+Vpb・・・・・・式(12)
Vn(t)=Vna×exp(τna/t)+Vnb・・・・・・式(13)
Vp(t)、Vn(t)は休止時間に対する正極電位、負極電位の緩和状態を表す式である。この式を用いることにより休止時間に対する正極電位、負極電位の変化を推定することができる。
Vp(t)=Vpa×exp(τpa/t)+Vpb・・・・・・式(12)
Vn(t)=Vna×exp(τna/t)+Vnb・・・・・・式(13)
Vp(t)、Vn(t)は休止時間に対する正極電位、負極電位の緩和状態を表す式である。この式を用いることにより休止時間に対する正極電位、負極電位の変化を推定することができる。
―(変形例2)正極電位および負極電位の測定に関する変形例B―
正極電位および負極電位の測定は、充放電曲線における単極容量に対する電位の変化が大きい領域で行うと精度がさらに向上する。以下、具体的な物質を挙げて、どのような領域で測定すべきか説明する。
正極電位および負極電位の測定は、充放電曲線における単極容量に対する電位の変化が大きい領域で行うと精度がさらに向上する。以下、具体的な物質を挙げて、どのような領域で測定すべきか説明する。
図14は単極容量と電位の関係の例を示している。図14(a)は正極活物質がLiMn1/3Ni1/3Co1/3O2である場合の正極容量と正極電位との関係である。図14(b)は負極活物質が黒鉛である場合の負極容量と負極電位との関係である。図14(c)は負極活物質が非晶質炭素材料である場合の負極容量と負極電位との関係である。図14において、データを取得する範囲は単極容量と電位の関係で表せられる傾き(変化率)が大きい範囲の値を使用する方が電池容量回復量の演算結果が更に精度良く出力される。
図15は、図14の曲線を単極容量で微分したものである。すなわち、単極容量qと、単極容量qの変化量dqに対する電位Vの変化量dVの割合であるdV/dqの値の関係を示している。図15(a)、(b)、(c)は、それぞれ、図14(a)、(b)、(c)と対応する。
データを取得する正極電池および負極電位範囲について説明する。図14で容量と電位の関係で表せられる傾きが大きい範囲とは、図15では図に示している特徴点(極大点、変曲点、もしくは変曲点から極大点までの範囲の点)であり、符号R1〜R21で表す。q−dV/dq曲線上に現れる特徴点の範囲で単極容量と電位を検出することにより、電位誤差に対して、容量の算出誤差が小さくなり、電位測定値に含まれるオフセット誤差の影響を小さくできるため、さらに精度良く一次関数の傾きである正極の劣化率mp、負極の劣化率mn、正極一次関数の切片Sp、負極一次関数の切片Snを算出することができる。そのため、電池容量回復量が精度良く演算される。
―(変形例3)リチウムイオンの補充方法に関する変形例―
本変形例では、図16に示すように、第3電極2014から負極2006にリチウムイオンを充填する。このようにしても、充填後のリチウムが負極近辺に位置すること以外には、第1実施形態と同様の効果を奏する。第3電極2014から負極2006にリチウムイオンを補充する方法としては、充放電時に正極端子2008と接続しているスイッチ2019を第3電極端子2015と負極端子2009間に変更し、電流を流す方法が挙げられる。
本変形例では、図16に示すように、第3電極2014から負極2006にリチウムイオンを充填する。このようにしても、充填後のリチウムが負極近辺に位置すること以外には、第1実施形態と同様の効果を奏する。第3電極2014から負極2006にリチウムイオンを補充する方法としては、充放電時に正極端子2008と接続しているスイッチ2019を第3電極端子2015と負極端子2009間に変更し、電流を流す方法が挙げられる。
―第2実施形態―
図17、図18を用いて、第2実施形態について説明する。第1実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
図17、図18を用いて、第2実施形態について説明する。第1実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
第2実施形態では、第1実施形態とは異なる算出アルゴリズムを用いて、正極の劣化率mp、負極の劣化率mn、正極での位置ずれSp、負極での位置ずれSnを求める。
式(6)、(7)から、本実施形態の算出に用いる式を求める。正極でも負極でも同様であるので、代表して式(6)で説明する。
式(6)、(7)から、本実施形態の算出に用いる式を求める。正極でも負極でも同様であるので、代表して式(6)で説明する。
状態1での電池容量がQcell_1で、状態1での単極容量がqp_1であるとき、式(6)から以下の式(14)が得られる。
Qcell_1 =mp×qp_1−Sp ・・・・・・式(14)
Qcell_1 =mp×qp_1−Sp ・・・・・・式(14)
同様に、状態2での電池容量がQcell_2で、状態2での単極容量がqp_2であるとき、式(6)から以下の式(15)が得られる。なお、状態1と状態2の時間差は、正極および負極の劣化が進行しないとみなせる程度の時間差である。
Qcell_2 =mp×qp_2−Sp ・・・・・・式(15)
Qcell_2 =mp×qp_2−Sp ・・・・・・式(15)
式(15)から式(14)を差し引くと、以下の式(16)となる。
(Qcell_2 −Qcell_1 )= mp×(qp_2 −qp_1) ・・・・・・式(16)
(Qcell_2 −Qcell_1 )= mp×(qp_2 −qp_1) ・・・・・・式(16)
ここで、
(Qcell_2 −Qcell_1 )= △Qcell_1,2とし、(qp_2 −qp_1) =△qp_1,2とすると、以下の式(17)が得られる。
△Qcell_1,2 =mp×△qp_1,2 ・・・・・・式(17)
(Qcell_2 −Qcell_1 )= △Qcell_1,2とし、(qp_2 −qp_1) =△qp_1,2とすると、以下の式(17)が得られる。
△Qcell_1,2 =mp×△qp_1,2 ・・・・・・式(17)
負極の場合も同様に計算して、以下の式(18)が得られる。
△Qcell_1,2 =mn×△qn_1,2 ・・・・・・式(18)
△Qcell_1,2 =mn×△qn_1,2 ・・・・・・式(18)
図17は、以上の式(17)、(18)をグラフ化したものである。横軸は単極容量の差分である正極容量差分△qpと負極容量変化量△qn、縦軸は電池容量差分△Qcellである。
式(17)、式(18)から、正極容量差分△qpと電池容量差分△Qcellとの関係、負極容量差分△qnと電池容量変化量差分△Qcellとの関係を一次関数とした傾きである正極の劣化率mpと負極の劣化率mnを算出することができる。
次に、状態1であっても状態2であってもよいが、式(6)および(7)の左辺がQcellで等しいことから、式(6)および(7)の右辺同士が等しいとして、以下の式(19)が成り立つ。代表して、状態1のときで示す。
mp×qp_1−Sp=mn×qn_1−Sn ・・・・・・式(19)
mp×qp_1−Sp=mn×qn_1−Sn ・・・・・・式(19)
式(19)を変形すると、
Sp―Sn=mp×qp_1−mn×qn_1・・・・・・式(20)
となる。
Sp―Sn=mp×qp_1−mn×qn_1・・・・・・式(20)
となる。
相対位置Sは、
S=Sp―Sn・・・・・・式(21)
であるので、
S=Sp―Sn=mp×qp_1−mn×qn_1・・・・・・式(22)
となる。よって、正極の劣化率mpと、負極の劣化率mnを図17のグラフの傾きから求め、状態1の正極電位Vp_1と正極固有充放電曲線から正極容量qp_1を求め、状態1の負極電位Vn_1と負極固有充放電曲線から負極容量qn_1を求めれば、相対位置Sを算出できる。
S=Sp―Sn・・・・・・式(21)
であるので、
S=Sp―Sn=mp×qp_1−mn×qn_1・・・・・・式(22)
となる。よって、正極の劣化率mpと、負極の劣化率mnを図17のグラフの傾きから求め、状態1の正極電位Vp_1と正極固有充放電曲線から正極容量qp_1を求め、状態1の負極電位Vn_1と負極固有充放電曲線から負極容量qn_1を求めれば、相対位置Sを算出できる。
最後に、データベース部1700に予め記憶しておいた新品時の相対位置Siとの差分を算出し、電池容量回復量Cr_5を求めることができる。
図18は、第2実施形態に係る二次電池システムのシステムフロー図である。なお、第1実施形態と同様に、当該フロー図の説明箇所においても、後述する各パラメータの添え字として付したjは、1以上の整数であり、1から始まり1つずつ増えていくものとし、かつ、j番目の状態(状態jと呼ぶ)を意味することとする。
<ステップS201>
システムコントローラ1500が、単電池1210の充放電を開始する指令を電池モジュール1200に送信し、充放電が開始される。
システムコントローラ1500が、単電池1210の充放電を開始する指令を電池モジュール1200に送信し、充放電が開始される。
<ステップS202>
信号を受信した電池モジュール1200中の電圧検出回路1221は、各単電池1210の端子間電圧を測定する。温度検出部1222は、単電池群1230の温度を測定する。正極負極電位検出部1225は、正極電位Vp_jおよび負極電位Vn_jを測定する。制御回路1223は、電圧検出回路1221および温度検出部1222からの測定結果を受け取り、信号入出力回路1224を介してモジュールコントローラ1400に送信する。
信号を受信した電池モジュール1200中の電圧検出回路1221は、各単電池1210の端子間電圧を測定する。温度検出部1222は、単電池群1230の温度を測定する。正極負極電位検出部1225は、正極電位Vp_jおよび負極電位Vn_jを測定する。制御回路1223は、電圧検出回路1221および温度検出部1222からの測定結果を受け取り、信号入出力回路1224を介してモジュールコントローラ1400に送信する。
<ステップS203>
ステップS202の正極負極電位検出部1225で測定した正極電位Vp_jとデータベース部1700に記憶してある正極固有充放電曲線から、正極容量qp_jを求める。同様に、ステップS202の正極負極電位検出部1225で測定した負極電位Vn_jとデータベース部1700に記憶してある負極固有充放電曲線から、負極容量qn_jを求める。
ステップS202の正極負極電位検出部1225で測定した正極電位Vp_jとデータベース部1700に記憶してある正極固有充放電曲線から、正極容量qp_jを求める。同様に、ステップS202の正極負極電位検出部1225で測定した負極電位Vn_jとデータベース部1700に記憶してある負極固有充放電曲線から、負極容量qn_jを求める。
<ステップS204>
電池容量演算部1403は、ある電池電圧Vcell_jに対応する電池容量Qcell_jを求める。jが1の場合は、初期値としてゼロを入れればよい。jが2以上の場合は、状態j−1から状態jまでに単電池1210に流れた充放電電流を時間積算して得られる電池容量変化Qdis_j-1,jをQcell_j-iに足すことで得られる。
以上を式にすると、以下の式(23)となる。
Qcell_j =Qcell_1 (j=1)
=Qcell_j-1 + Qdis_j-1,j (j≧2)
・・・・・・式(23)
電池容量演算部1403は、ある電池電圧Vcell_jに対応する電池容量Qcell_jを求める。jが1の場合は、初期値としてゼロを入れればよい。jが2以上の場合は、状態j−1から状態jまでに単電池1210に流れた充放電電流を時間積算して得られる電池容量変化Qdis_j-1,jをQcell_j-iに足すことで得られる。
以上を式にすると、以下の式(23)となる。
Qcell_j =Qcell_1 (j=1)
=Qcell_j-1 + Qdis_j-1,j (j≧2)
・・・・・・式(23)
<ステップS205>
容量回復量演算部1404は、少なくとも3つの状態で、正極容量qp_j、負極容量qn_j、電池容量Qcell_jを得ているかを判定する。具体的には、ユーザが所定の3以上の整数Nを設定し、jがそのNと等しいかを判定する。「3以上」としているのは、差分を得るには、少なくとも3状態が必要であるからである。Nは、データベース部1700に格納され、ユーザによって書き換えることが可能である。また、精度良く演算するには、Nが大きいほどよい。なお、本実施形態では、図17に示したとおりN=4とした。ステップS205で否定判定されればステップS202に移行し、肯定判定されればステップS206に移行する。
容量回復量演算部1404は、少なくとも3つの状態で、正極容量qp_j、負極容量qn_j、電池容量Qcell_jを得ているかを判定する。具体的には、ユーザが所定の3以上の整数Nを設定し、jがそのNと等しいかを判定する。「3以上」としているのは、差分を得るには、少なくとも3状態が必要であるからである。Nは、データベース部1700に格納され、ユーザによって書き換えることが可能である。また、精度良く演算するには、Nが大きいほどよい。なお、本実施形態では、図17に示したとおりN=4とした。ステップS205で否定判定されればステップS202に移行し、肯定判定されればステップS206に移行する。
<ステップS206>
本実施形態では、ステップS202からステップS205を3回繰り返し、状態数が3点(状態1,2,3)あるとする。測定した電池電圧での電池容量変化および正極容量と正極電位の関係から、電池容量変化量と正極容量の関係を算出し、その中で最も容量の小さい値を基準として変化を算出する。
つまり、正極容量qp_1と電池容量Qcell_1の容量が最も小さいとした場合、正極容量qp_1と、電池容量Qcell_1と、正極容量qp_2と電池容量Qcell_2と、から、正極容量差分△qp_1,2と電池容量差分△Qcell_1,2の関係が得られる。また、正極容量qp_1と、電池容量Qcell_1と、正極容量qp_3と、電池容量Qcell_3とから、正極容量差分△qp_1,3と電池容量差分△Qcell_1,3の関係が得られる。負極においても同様の演算を行う。
本実施形態では、ステップS202からステップS205を3回繰り返し、状態数が3点(状態1,2,3)あるとする。測定した電池電圧での電池容量変化および正極容量と正極電位の関係から、電池容量変化量と正極容量の関係を算出し、その中で最も容量の小さい値を基準として変化を算出する。
つまり、正極容量qp_1と電池容量Qcell_1の容量が最も小さいとした場合、正極容量qp_1と、電池容量Qcell_1と、正極容量qp_2と電池容量Qcell_2と、から、正極容量差分△qp_1,2と電池容量差分△Qcell_1,2の関係が得られる。また、正極容量qp_1と、電池容量Qcell_1と、正極容量qp_3と、電池容量Qcell_3とから、正極容量差分△qp_1,3と電池容量差分△Qcell_1,3の関係が得られる。負極においても同様の演算を行う。
<ステップS207>
ステップS206で算出した正極容量差分△qp_1,2、△qp_1,3と電池容量差分△Qcell_1,2、△Qcell_1,3の関係から表せられる原点を通る一次関数の傾きである正極の劣化率mpを算出する。同様に、負極容量差分△qn_1,2、△qn_1,3と電池容量差分△Qcell_1,2、△Qcell_1,3の関係から、負極の劣化率mnを算出する。
ステップS206で算出した正極容量差分△qp_1,2、△qp_1,3と電池容量差分△Qcell_1,2、△Qcell_1,3の関係から表せられる原点を通る一次関数の傾きである正極の劣化率mpを算出する。同様に、負極容量差分△qn_1,2、△qn_1,3と電池容量差分△Qcell_1,2、△Qcell_1,3の関係から、負極の劣化率mnを算出する。
<ステップS208>
ステップS207で演算した正極の劣化率mpと正極容量qp_1、負極の劣化率mnと負極容量qn_1から、式(22)より、ある時点の相対位置Sを算出する。なお、正極容量および負極容量は、代表して状態1のものを用いたが、状態2や3のものを用いてもよい。
ステップS207で演算した正極の劣化率mpと正極容量qp_1、負極の劣化率mnと負極容量qn_1から、式(22)より、ある時点の相対位置Sを算出する。なお、正極容量および負極容量は、代表して状態1のものを用いたが、状態2や3のものを用いてもよい。
<ステップS209>
ステップS208で演算した相対位置Sと、データベース部1700に記憶した初期の相対位置Siの変化を計算し、ある時点の電池容量回復量Crを演算する。
ステップS208で演算した相対位置Sと、データベース部1700に記憶した初期の相対位置Siの変化を計算し、ある時点の電池容量回復量Crを演算する。
<ステップS210>
ステップS209で演算された電池容量回復量Crが閾値以上であるか否かが容量回復診断部1405で判断される。演算された電池容量回復量Crが閾値以上である場合はステップS211に進み、そうでなければステップS202に戻る。本実施形態では、予め電池容量に対する電池容量回復量との関係から求めた値を閾値とし、その閾値は予めデータベース部1700に記憶している。
ステップS209で演算された電池容量回復量Crが閾値以上であるか否かが容量回復診断部1405で判断される。演算された電池容量回復量Crが閾値以上である場合はステップS211に進み、そうでなければステップS202に戻る。本実施形態では、予め電池容量に対する電池容量回復量との関係から求めた値を閾値とし、その閾値は予めデータベース部1700に記憶している。
<ステップS211>
容量回復診断部1405が、演算された電池容量回復量Crが閾値以上となったことを示す信号を、容量回復制御部1406に送信する。容量回復制御部1406は、セルコントローラ1220の容量回復動作部1226に対して、容量回復量Crだけ電池容量を補充する容量回復動作を行うように制御する。なお、容量回復量Crだけ容量回復動作が行われたかどうかは、容量回復動作部1226が内蔵する不図示の電流検出部が検出する容量回復動作中の電流を時間積算して得られる電池容量から算出し、その電池容量が容量回復量Crと対応するものになったかどうかで判断する。
容量回復診断部1405が、演算された電池容量回復量Crが閾値以上となったことを示す信号を、容量回復制御部1406に送信する。容量回復制御部1406は、セルコントローラ1220の容量回復動作部1226に対して、容量回復量Crだけ電池容量を補充する容量回復動作を行うように制御する。なお、容量回復量Crだけ容量回復動作が行われたかどうかは、容量回復動作部1226が内蔵する不図示の電流検出部が検出する容量回復動作中の電流を時間積算して得られる電池容量から算出し、その電池容量が容量回復量Crと対応するものになったかどうかで判断する。
以上より、第2実施形態も、第1実施形態と同様の効果を奏する。
なお、上述の第1実施形態の変形例1,2,3は、第2実施形態にも組み合わせることができる。
次のような変形も本発明の範囲内である。
図4、図5において、リチウムイオン二次電池2000の構成要素である電極群は正極2003、セパレータ2007、負極2006、セパレータ2007を順に重ね合わせた構成となっているが、これらが何度も積層されていてもよい。また、正極2003、セパレータ2007、負極2006、セパレータ2007のいずれかの間に第3電極2014が挿入されていてもよい。リチウムイオン二次電池2000の形状は、捲回円筒型、偏平長円形型、捲回角型、積層型などがあり、いずれの形状を選択してもよい。
以上では、データベース部1700が格納する正極固有充放電曲線、および、負極固有充放電曲線は、正極材料および負極材料が新品の時の充放電曲線を用いたが、本発明はこれに限定されない。劣化した電池における充放電曲線を、正極固有充放電曲線、および、負極固有充放電曲線としてもよい。劣化の原因は、有効活物質量の減少(原因1)であっても、充放電に寄与するリチウムイオン量の減少(原因2)であっても、原因1と原因2が混合したものであってもよい。ただし、単電池1210が新品の時に正極固有充放電曲線と負極固有充放電曲線を用いて相対位置を求めてデータベース部1700に格納しておく必要がある。
診断部によって、劣化と診断された場合にのみ、容量回復動作を行うようにしたが、本発明は当該態様に限定されない。例えば、容量回復量を算出する度に容量回復動作をするようにしてもよい。
以上の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。
1000:電池装置、
1100:電流検出部、
1200:電池モジュール、
1210:単電池、
1220:セルコントローラ、
1221:電圧検出回路(電位検出回路)、
1222:温度検出部、
1223:制御回路、
1224:信号入出力回路、
1225:正極負極電位検出部、
1230:単電池群、
1250:単電池群ユニット、
1300:電圧検出部、
1400:モジュールコントローラ、
1401:正極容量演算部、
1402:負極容量演算部、
1403:電池容量演算部、
1404:容量回復量演算部、
1405:容量回復診断部、
1500:システムコントローラ、
1600:リレー、
1700:データベース部、
2000:リチウムイオン二次電池、
2001:正極集電体、
2002:正極合剤層、
2003:正極、
2004:負極集電体、
2005:負極合剤層、
2006:負極、
2007:セパレータ、
2008:正極端子、
2009:負極端子、
2010:参照極、
2011:参照極端子、
2012:第3電極集電体、
2013:第3電極合剤層、
2014:第3電極、
2015:第3電極端子、
2016:電池ケース、
2017:電解液、
2018:スイッチ、
2019:スイッチ
1100:電流検出部、
1200:電池モジュール、
1210:単電池、
1220:セルコントローラ、
1221:電圧検出回路(電位検出回路)、
1222:温度検出部、
1223:制御回路、
1224:信号入出力回路、
1225:正極負極電位検出部、
1230:単電池群、
1250:単電池群ユニット、
1300:電圧検出部、
1400:モジュールコントローラ、
1401:正極容量演算部、
1402:負極容量演算部、
1403:電池容量演算部、
1404:容量回復量演算部、
1405:容量回復診断部、
1500:システムコントローラ、
1600:リレー、
1700:データベース部、
2000:リチウムイオン二次電池、
2001:正極集電体、
2002:正極合剤層、
2003:正極、
2004:負極集電体、
2005:負極合剤層、
2006:負極、
2007:セパレータ、
2008:正極端子、
2009:負極端子、
2010:参照極、
2011:参照極端子、
2012:第3電極集電体、
2013:第3電極合剤層、
2014:第3電極、
2015:第3電極端子、
2016:電池ケース、
2017:電解液、
2018:スイッチ、
2019:スイッチ
Claims (9)
- 正極と、負極と、前記正極および前記負極の電位の基準点を与える参照極と、を少なくとも有するリチウムイオン二次電池の動作を制御するリチウムイオン二次電池システムであって、
前記リチウムイオン二次電池の電圧を検出する電圧検出部と、
前記リチウムイオン二次電池に流れる充電・放電電流(以下、充放電電流)を検出する電流検出部と、
前記正極と前記参照極との間の電位差である実測正極電位、および、前記負極と前記参照極との間の電位差である実測負極電位を検出する正極負極電位検出部と、
前記正極材料固有の充電・放電曲線(以下、正極固有充放電曲線)、および、前記負極材料固有の充電・放電曲線(以下、負極固有充放電曲線)を格納するデータベース部と、
前記電流検出部が検出する電流を時間積算して、電池容量の変化(以下、実測電池容量変化)を算出する電池容量変化演算部と、
前記正極固有充放電曲線において、前記実測正極電位と対応する実測正極容量を求める正極容量演算部と、
前記負極固有充放電曲線において、前記実測負極電位と対応する実測負極容量を求める負極容量演算部と、
電池容量回復量を算出する容量回復量演算部と、を備え、
前記容量回復量演算部は、
前記実測電池容量変化、前記実測正極容量、および、前記実測負極容量に基づいて、実測による正極の充電・放電曲線と負極の充電・放電曲線との相対位置(以下、実測相対位置)を求め、
新品の実測相対位置(以下、固有相対位置)と、前記実測相対位置との差分から、前記電池容量回復量を算出する、リチウムイオン二次電池システム。 - 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池システムにおいて、
前記容量回復量演算部は、
第1の前記実測正極容量と、第2の前記実測正極容量と、第1の実測電池容量と、第2の実測電池容量と、を用いて、前記実測正極容量と前記電池容量との関係である一次関数(以下、実測正極一次関数)を求め、
第1の前記実測負極容量と、第2の前記実測負極容量と、第1の実測電池容量と、第2の実測電池容量と、を用いて、前記実測負極容量と前記電池容量との関係である一次関数(以下、実測負極一次関数)を求め、
前記正極一次関数の切片から前記負極一次関数の切片を減算することで、前記実測相対位置を求める、リチウムイオン二次電池システム。 - 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池システムにおいて、
前記容量回復量演算部は、
第1の前記実測正極容量と、第2の前記実測正極容量と、第3の前記実測正極容量と、第1の前記実測正極容量から第2の前記実測正極容量へ変化したときの実測正極容量差分と、第2の前記実測正極容量から第3の前記実測正極容量へ変化したときの前記実測正極容量差分と、第1の実測電池容量と、第2の実測電池容量と、第3の実測電池容量と、前記第1の実測電池容量から前記第2の実測電池容量へ変化したときの実測電池容量差分と、前記第2の実測電池容量から前記第3の実測電池容量へ変化したときの前記実測電池容量差分と、を用いて、前記実測正極容量差分と前記電池容量差分との関係である一次関数(以下、実測正極一次関数)を求め、
第1の前記実測負極容量と、第2の前記実測負極容量と、第3の前記実測負極容量と、第1の前記実測負極容量から第2の前記実測負極容量へ変化したときの実測負極容量差分と、第2の前記実測負極容量から第3の前記実測負極容量へ変化したときの前記実測負極容量差分と、第1の実測電池容量と、第2の実測電池容量と、第3の実測電池容量と、前記第1の実測電池容量から前記第2の実測電池容量へ変化したときの前記実測電池容量差分と、前記第2の実測電池容量から前記第3の実測電池容量へ変化したときの前記実測電池容量差分と、を用いて、前記実測負極容量差分と前記電池容量差分との関係である一次関数(以下、実測負極一次関数)を求め、
前記実測正極一次関数の傾きと第1の前記実測正極容量とを乗じたものから前記実測負極一次関数の傾きと第1の前記実測負極容量とを乗じたものを減算することで、前記実測相対位置を求める、リチウムイオン二次電池システム。 - 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池システムにおいて、
前記正極固有充放電曲線は、正極容量に対する正極電位の変化が大きい領域と小さい領域とを有し、
前記負極固有充放電曲線は、負極容量に対する負極電位の変化が大きい領域と小さい領域とを有し、
前記正極負極電位検出部は、
前記正極固有充放電曲線における正極容量に対する電位の変化が大きい領域で前記実測正極電位を測定し、
前記負極固有充放電曲線における負極容量に対する電位の変化が大きい領域で前記実測負極電位を測定する、リチウムイオン二次電池システム。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池システムにおいて、
前記正極負極電位検出部は、前記充放電電流が流れていない時に、前記実測正極電位および前記実測負極電位を検出するリチウムイオン二次電池システム。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池システムにおいて、
前記電池容量回復量に基づき、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を診断する診断部をさらに備えるリチウムイオン二次電池システム。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池システムにおいて、
前記電池容量回復量に基づき、電池容量の回復動作をする容量回復動作部をさらに備えるリチウムイオン二次電池システム。 - 請求項7に記載のリチウムイオン二次電池システムにおいて、
前記リチウムイオン二次電池は、充放電に寄与するリチウムイオンを有し、前記充放電に寄与するリチウムイオンを前記正極および前記負極に対して補償する第3電極をさらに有し、
前記容量回復動作部は、前記リチウムイオン二次電池とは異なる電源を用いて、前記第3電極が有する前記充放電に寄与するリチウムイオンを、前記正極または前記負極に移動させることで、前記回復動作をするリチウムイオン二次電池システム。 - 請求項8に記載のリチウムイオン二次電池システムにおいて、
前記第3電極の電極電位は、Li/Li+基準で1.8V以上であるリチウムイオン二次電池システム。
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