JP6072268B2 - 二次電池の状態判定方法、二次電池の状態判定装置、二次電池システム、および、状態判定装置を有する充放電制御装置 - Google Patents

二次電池の状態判定方法、二次電池の状態判定装置、二次電池システム、および、状態判定装置を有する充放電制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、二次電池の状態判定方法、二次電池の状態判定装置、二次電池システム、および、状態判定装置を有する充放電制御装置に関する。
近年、リチウムイオン電池などの二次電池を車両の搭載用電源やスマートハウスの蓄電用電源に使用することにより、効率的にエネルギーを利用する取り組みが進められている。だだし、二次電池は充放電および保管によって特性劣化を生じることが知られている。上記用途の電源はその利用期間が長期に及ぶことが想定されるため、二次電池の特性劣化を抑制することが重要である。
劣化抑制の手段として、二次電池における正極・負極の劣化状態を正確に検出し、検出した劣化状態に応じて最適な電池使用方法を選択することが有効である。例えば特許文献1には、二次電池の充放電曲線を利用することにより、正極・負極・電解液の劣化状態を非破壊でそれぞれ定量評価する方法が記載されている。また、非特許文献1に放電曲線を計算する方法が開示されている。
特開2009−80093号公報
Advances in Lithium−Ion Batteries: ISBN0−306−47356−9
特許文献1には二次電池の状態判定方法が記載されており、予め記憶した正極・負極単独の充放電曲線に基づいて当該二次電池の充放電曲線を計算で再現し、その過程で正極活物質の有効重量、負極活物質の有効重量、正極・負極間の容量ずれ、またはこれらに対応するパラメータの値を取得する方法が記載されている。ただし、上記特許文献1に記載された状態判定方法では、二次電池の充放電曲線に含まれる内部抵抗の影響を可能な限り排除する必要がある。そのため、充放電曲線を測定する際の電流値を小さくせざるを得ず、実用的な電流値で得られる充放電曲線とは異なる充放電曲線の評価であることに加えて、二次電池の内部抵抗を評価することができなかった。
また、二次電池において、実用的な電流値で得られる充放電曲線を評価しようとすると、充放電曲線には開回路状態と閉回路状態の両方に影響する容量パラメータである正極・負極活物質の有効重量および正極・負極間の容量ずれと、閉回路状態にのみ影響する内部抵抗パラメータの影響が混在するため、この両者を精度よく分離することが困難であった。
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、実用的な電流値に対する二次電池の劣化状態を精度よく判定することを可能にする二次電池の劣化状態判定法、二次電池の状態判定装置、および、二次電池システム、状態判定装置を有する充放電制御装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決する手段は、例えば次の通りである。
正極および負極を有する二次電池の状態判定装置であって、正極および負極の基準量あたりの充放電特性ならびに電流値Aに基づき容量減少パラメータ群Aを決定し、正極および負極の基準量あたりの充放電特性、容量減少パラメータ群A、ならびに、電流値Aより大きな電流値Bに基づき、抵抗増加パラメータ群Bを決定する状態判定装置。
本発明によれば、実用的な電流値に対する二次電池の劣化状態を精度よく判定することを可能にする二次電池の劣化状態判定法および二次電池の状態判定装置を提供できる。上記した以外の課題、構成および効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態における二次電池の状態判定装置を示したものである。 計算部の動作を示すフローチャートである。 正極活物質・負極活物質の単位質量当たりの放電曲線である。 二次電池・正極・負極の放電曲線と容量減少パラメータの関係を示す模式図である。 本発明の一実施形態における放電曲線の再現結果である。 本発明の比較例における放電曲線の再現結果である。 本発明の一実施形態における計算部分の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における二次電池システムを示したものである。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
<全体構成および各部の動作の概略>
図1は、本発明の一実施形態における二次電池の状態判定装置を示したものである。以下では二次電池としてリチウムイオン二次電池について説明するが、これに限らない。また、本発明の状態判定装置は劣化していない初期状態の二次電池に対しても適用可能であるが、以下では二次電池は劣化しているものとして説明する。
図1において、状態判定装置(劣化診断装置)1は、電池制御部100、計算部140、メモリ120、出力部130を備え、互いにバスなどによって接続されている。電池制御部100にリチウムイオン二次電池150が接続されている。
電池制御部100は、充放電時間が所定の値に達するかリチウムイオン二次電池150の電池電圧が所定の値に達するまで、所定の電流値をリチウムイオン二次電池150に流す。この間、必要に応じて充放電電流と充放電時間と電池電圧を測定し、所定の電流値において得た充放電容量と電池電圧の対応関係を充放電曲線の実測値としてメモリ120に保存する。
メモリ120には、測定したリチウムイオン二次電池150の充放電曲線、二次電池150に用いた正極と負極の基準量当たりの充放電曲線、リチウムイオン二次電池150に用いた正極材料と負極材料と電解液の物性値、状態判定に用いる容量減少パラメータ群および抵抗増加パラメータ群の初期値、すなわち劣化していない二次電池150に対する値などが保存されている。上記の充放電曲線はリチウムイオン二次電池150の充放電とは別に、微小な電流を用いて、基準電位に対する正極と負極の電位として測定しておくのが望ましい。また、メモリ120には、後述する充放電曲線Bを再現するために必要なリチウムイオン二次電池150の部材の物性値や、計算パラメータの充放電電流値および充放電時間依存性が必要に応じて記憶されている。
計算部140は、メモリ120に保存されている正極と負極の充放電曲線、正極材料と負極材料と電解液の物性値、容量減少パラメータ群および抵抗増加パラメータ群の値を必要に応じて参照または上書きしながら、リチウムイオン二次電池150の充放電曲線を計算し、充放電曲線の実測値を再現するような容量減少パラメータ群と抵抗増加パラメータ群の値を決定する。また、必要に応じて、決定したパラメータ群の値を用いて所定の負荷に対するリチウムイオン二次電池150の応答特性を計算する。
出力部130は、計算部140が決定した容量減少パラメータ群と抵抗増加パラメータ群の値か、これらに基づいて計算したリチウムイオン二次電池150の応答特性、例えばある任意の電流値を流した場合のリチウムイオン二次電池150の充放電曲線、ある任意の放電時間におけるリチウムイオン二次電池150の内部抵抗、ある任意の電流値をある任意の時間だけ充放電した場合の正極電位と負極電位等を、ユーザーへの表示デバイス、電池動作の制御部100、電池寿命の予測部などに出力する。
リチウムイオン二次電池150において、正極101、セパレータ103、負極102を含む電極群、正極参照電極104および負極参照電極105が電池ケース106内に設置され構成されている。
電極群は正極101、セパレータ103、負極102、セパレータ103を交互に重ね合わせて捲回した構成、または、正極101、セパレータ103、負極102、セパレータ103を交互に重ね合わせて積層した構成となっている。電池の形状は、電極群が捲回された構成の場合、円筒型、偏平長円形型、角型であり、電極群が捲回された構成の場合、角型、ラミネート型などがあり、いずれの形状を選択してもよい。
正極101、負極102、正極参照電極104及び負極参照電極105は、電解液を通じて互いに離れて配置されている。電解液として、例えば体積比が1:1のエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒に、リチウム塩として六フッ化リン酸リチウムを1mol/l溶解させた非水溶液が、注入される。
正極101は、リチウムイオンを可逆的に挿入脱離可能なリチウム含有酸化物からなる正極活物質を含んでいる。正極活物質として、置換元素ありまたは置換元素無しの層状遷移金属酸化物、リン酸遷移金属リチウム、スピネル型遷移金属酸化物などが挙げられる。例えば、層状遷移金属酸化物としては、ニッケル酸リチウムLiNiO2や、コバルト酸リチウムLiCoO2、リン酸遷移金属リチウムとしてはリン酸鉄リチウムLiFePO4、リン酸マンガンリチウムLiMnPO4、スピネル型遷移金属酸化物としては、マンガン酸リチウムLiMn24などが挙げられる。正極活物質として上記の材料が一種単独または二種以上含まれていてもよい。正極101中の正極活物質は、充電過程においてリチウムイオンが脱離し、放電過程において、負極102中の負極活物質から脱離したリチウムイオンが挿入される。
負極102は、例えば、リチウムイオンを可逆的に挿入脱離可能な炭素材料、シリコン系材料Si、SiO、置換元素ありまたは置換元素無しのチタン酸リチウム、リチウムバナジウム複合酸化物、リチウムと金属、例えば、スズ、アルミニウム、アンチモンなどとの合金からなる負極活物質を含んでいる。炭素材料として、天然黒鉛や、天然黒鉛に乾式のCVD法もしくは湿式のスプレイ法によって被膜を形成した複合炭素質材料、エポキシやフェノール等の樹脂材料もしくは石油や石炭から得られるピッチ系材料を原料として焼成により製造される人造黒鉛、難黒鉛化炭素材などが挙げられる。負極活物質として上記の材料が一種単独または二種以上含まれていてもよい。負極102中の負極活物質は、充放電過程において、リチウムイオンが挿入脱離反応、もしくは、コンバージョン反応が進行する。
正極101と負極102との間に用いるセパレータ103には、例えばポリプロピレン製のセパレータを用いる。ポリプロピレン製以外にも、ポリエチレンなどのポリオレフィン製の微孔性フィルムや不織布などを用いることができる。
正極端子107、負極端子109はそれぞれ正極101、負極102と通電しており、リチウムイオン二次電池120は正極端子107、負極端子109を介して外部回路により充放電される。正極参照電極104と負極参照電極105はそれぞれ正極参照極端子108、負極参照極端子110と通電している。
正極参照電極104が正極101と接続されることにより、また、負極参照電極105が負極102と接続されることにより正極電位を計測することができる。正極参照電極104および負極参照電極105として、リチウムマンガンスピネル、リチウム合金、チタン酸リチウム、リン酸遷移金属リチウム、および金属リチウムのいずれか1つ以上が挙げられる。
<計算部の動作について>
以下、図2を参照して、計算部140の動作を具体的に説明する。図2は、計算部の動作を示すフローチャートである。
<ステップA>
まず、計算部140は、正極と負極の充放電曲線に基づきリチウムイオン二次電池150の充放電曲線Aを再現し、最適な容量減少パラメータ群Aの値を決定する。容量減少パラメータ群Aとは、相対的に小さな電流で測定した充放電曲線Aを再現するのに必要なパラメータ群である。容量パラメータ群Aには、正極活物質・負極活物質の有効重量、所定の電池電圧と所定の正極・負極電位の間に生じた正極・負極の容量ずれ等が含まれる。
計算が開始されると、ステップS101Aにおいて、計算部140はメモリ120より、ある所定の電流値(電流密度)Aを用いて測定したリチウムイオン二次電池150の充放電曲線Aを読み込む。所定の電流値Aとしては、リチウムイオン二次電池150の内部抵抗による電圧降下が電池電圧に対して十分に小さくなるような値が望ましい。具体的には、二次電池150の公称容量Q_0(Ah)を放電するのに5時間を要する電流値0.2*Q_0(A)以下であることが望ましく、10時間を要する電流値0.1*Q_0(A)以下であることがより望ましい。また、充放電曲線の例としては、充放電容量Q(Ah)に対する電池電位V(V)、充放電容量Qに対する電池電圧の容量による微分dV/dQ、電池電圧Vに対する充放電容量の電池電圧による微分値dQ/dVなどが挙げられる。以下では、放電容量Qに対する電池電圧Vの関係を用いた場合について説明する。
続いて、ステップS102Aにおいて、同じくメモリ120に保存されているリチウムイオン二次電池150の正極および負極の基準量あたりの充放電曲線(充放電特性)を読み込む。この充放電曲線は別途測定し、予めメモリ120に保存しておく。例えば、正極または負極を作用極、リチウム金属を対極および参照極に用いた試験セルを作製し、一定の電流値を流した場合の充放電容量と参照極に対する正極・負極の電位の関係を測定し、充放電容量を基準量当たりの値に補正する。基準量の例としては、正極活物質・負極活物質の単位質量、正極・負極の単位面積などがある。以下では、正極活物質・負極活物質の単位質量を基準量にした場合について説明する。また、この際の電流値は、正極または負極が所定の電位範囲で示す容量Q_1(Ah)に対して0.2*Q_1(A)以下であることが望ましく、0.1*Q_1(A)以下であることがより望ましい。充放電曲線は二次電池150の充放電曲線の種類に合わせて適宜選択する。以下では、正極活物質・負極活物質の単位質量当たりの放電容量q(Ah/g)に対する電位V(V)の関係を用いた場合について説明する。図3に、以下の説明に用いる正極活物質・負極活物質の単位質量当たりの放電曲線Vp(qp)、Vn(qn)を示す。
続いて、ステップS103Aにおいて、リチウムイオン二次電池150の充放電曲線Aを計算する際に必要な、容量減少パラメータ群Aの仮値を設定する。容量減少パラメータ群Aの仮値は所定の値でも良いし、以前に二次電池の状態を判定したことがあり、結果を保持していれば、以前判定した容量減少パラメータ群Aの値を用いても良い。容量減少パラメータ群Aとしては例えば、正極活物質・負極活物質の有効質量、正極活物質・負極活物質の有効質量と仕込み量との比、正極・負極の有効面積、正極・負極の有効面積と投影面積との比、正極・負極の容量、正極・負極の容量と初期の容量との比、またはこれらに相応する量のいずれか一組と、所定の正極・負極電位と所定の電池電圧の間の充放電容量、所定の正極・負極電位と所定の電池電圧の間の基準量当たりの充放電容量、所定の電池電圧に対する正極・負極の基準量当たりの充放電容量、またはこれらに相応する量のいずれか一組、の組み合わせが挙げられる。以下では、正極活物質・負極活物質の有効質量mp、mnと、所定の正極・負極電位と所定の電池電圧の間の充放電容量δp、δnを用いた場合について説明する。なお、所定の正極電位を4.3V、負極電位を0.01V、電池電圧を4.1Vとした場合について説明する。
続いて、ステップS104Aにおいて、正極・負極の充放電曲線と、容量減少パラメータ群Aからリチウムイオン二次電池150の充放電曲線を計算する。その方法は特許文献1に開示されている。概略のみ記すと、二次電池の容量Qのときの電池電圧V(Q)は、正極の電位Vp(qp)と負極の電位Vn(qn)を用いて、以下の式(1)によって計算できる。また、二次電池の容量Qは、正極活物質の有効質量と単位質量の正極活物質に対する充放電量との積mp*qp、所定の正極電位と所定の電池電圧の間の充放電容量δp、負極活物質の有効質量と単位質量の負極活物質に対する充放電量との積mn*qn、所定の負極電位と所定の電池電圧の間の充放電容量δnを用いて、以下の式(2)によって計算できる。
V(Q)=Vp(qp)−Vn(qn) 式(1)
Q=mp*qp+δp=mn*qn+δn 式(2)
によって計算できる。図4に、正極活物質・負極活物質の単位質量当たりの放電曲線Vp(qp)、Vn(qn)および式(1)、式(2)を用いて計算した二次電池・正極・負極の放電曲線の一例と、式(2)の各パラメータの関係を示す。
その後、ステップS105Aにおいて、計算したリチウムイオン二次電池150の充放電曲線と、実測したリチウムイオン二次電池150の充放電曲線Aを比較し、容量減少パラメータ群Aを最適化する。例えば、容量Qに対する電圧V(Q)の実測値と計算値の差の二乗和が最小になる容量減少パラメータ群を探索する。計算したリチウムイオン二次電池150の充放電曲線と実測したリチウムイオン二次電池150の充放電曲線Aとが一致する場合は、ステップS106Aに進み、一致しない場合は、ステップS103Aに戻り、再び容量減少パラメータ群Aの仮値を設定する。
その後、ステップS106Aにおいて、最適化された容量減少パラメータ群Aの値はメモリ120に保存される。
<ステップB>
次に、計算部140は、正極と負極の充放電曲線と、最適な容量減少パラメータ群Aと、メモリ120に記憶された物性値等に基づき、二次電池の充放電曲線Bを再現し、最適な抵抗増加パラメータ群Bの値を決定する。抵抗増加パラメータ群Bとは、相対的に大きな電流で測定した充放電曲線Bを再現するのに必要なパラメータ群のうち,容量減少パラメータ群Aに含まれないものである。抵抗増加パラメータ群Bに含まれるパラメータの例としては、電流値Bにおける正極活物質・負極活物質の有効重量の電流値に対する減少率、電流値Bにおける正極・負極の容量ずれの電流値に対する減少率、充放電電流・充放電時間の両方に依存しない内部抵抗、充放電電流・充放電時間の片方または両方に依存する内部抵抗、正極・負極それぞれの反応表面積・反応速度定数・界面抵抗・拡散係数・空隙率・屈曲度、電解液の伝導度・塩濃度・粘度・組成比などが挙げられる。
計算が開始されると、ステップS101Bにおいて、計算部140はメモリ120より、ある所定の電流値Bを用いて測定したリチウムイオン二次電池150の充放電曲線Bを読み込む。所定の電流値Bは、電流値Aよりも大きな値である。二次電池150の内部抵抗による電圧降下が電池電圧に対して無視できない大きさになる値が望ましい。具体的には、リチウムイオン二次電池150の公称容量Q_0(Ah)に対して0.5*Q_0以上30*Q_0(A)以下であることが望ましく、2*Q_0以上10*Q_0(A)以下であることがより望ましい。
続いて、ステップS102Bにおいて、リチウムイオン二次電池150の正極および負極の基準量あたりの充放電曲線をメモリ120より読み込む。
続いて、ステップS103Bにおいて、必要に応じて、メモリ120に保存された正極・負極・電解液の物性値を読み込む。物性値の例としては、電解質の塩濃度、電解液のイオン伝導度、電解液のイオン伝導度の温度依存性、正極または負極と電解液との界面における電気化学反応の速度定数、正極活物質または負極活物質の表面に生成する被膜の抵抗、界面の表面積、正極または負極における電気化学反応種の拡散係数などがある。そして、必要に応じて、メモリ120に保存されたリチウムイオン二次電池150の構造パラメータを読み込む。構造パラメータの例としては、リチウムイオン二次電池150の金属部材の抵抗、正極・負極の厚さ、正極・負極の面積、正極・負極の空隙率、正極・負極の空隙の屈曲度などが挙げられる。さらに、必要に応じて、メモリ120に保存されたリチウムイオン二次電池150の運用パラメータを読み込む。運用パラメータの例としては、放電電流、放電開始時および終了時の電池電圧、環境温度などがある。
続いて、ステップS104Bにおいて、ステップS106Bにおける充放電曲線を再現するために、ステップAで最適化された容量減少パラメータ群Aの値をメモリ120より読み込む。以下で充放電曲線Bを計算する際の必要に応じて、容量減少パラメータ群Aの値を変換してもよい。
続いて、ステップS105Bにおいて、リチウムイオン二次電池150の充放電曲線Bを計算する際に必要な、抵抗増加パラメータ群Bの仮値を設定する。抵抗増加パラメータ群Bの仮値は所定の値でも良いし、以前にリチウムイオン二次電池150の状態を判定したことがあり、結果を保持していれば、以前判定した抵抗増加パラメータ群Bの値を用いても良い。抵抗増加パラメータ群Bとしては例えば、正極・負極容量の減少率、充放電容量のずれ、リチウムイオン二次電池150の内部抵抗などがあり、また、ステップS104Bで読み込まれた物性値や構造パラメータの一部を抵抗増加パラメータ群Bとして用いても良い。以下では、電解液のイオン伝導度σと正極の表面に生成する被膜の抵抗Rfを用いた場合について説明する。
続いて、ステップS106Bにおいて、正極・負極の充放電曲線と、容量減少パラメータ群Aと、抵抗増加パラメータ群Bからリチウムイオン二次電池150の充放電曲線を計算する。これらのパラメータを用いて充放電曲線を計算する方法は、非特許文献1に開示されている。概略のみ記すと、まず、正極・セパレータ・負極を重ねた厚さの方向を適切な個数に区分する。次に、各区分について、放電時間を増加させながら、放電時間毎に電解液中のイオン濃度、活物質中のイオンの分布、活物質の電位、電解液の電位、電解液中の電流、活物質を含む固体中の電流、活物質と電解液界面の電流を表す数式を連立して解き、放電時間毎に、所定の区分における正極電位と所定の区分における負極電位から電池電圧を計算する方法である。
続いて、ステップS107Bにおいて、実測したリチウムイオン二次電池150の充放電曲線Bを再現するように、つまり、計算したリチウムイオン二次電池150の充放電曲線と、実測したリチウムイオン二次電池150の充放電曲線Bを比較し、抵抗増加パラメータ群Bの値を最適化する。計算した二次電池150の充放電曲線と実測したリチウムイオン二次電池150の充放電曲線Bとが一致する場合は、ステップS108Bに進み、一致しない場合は、ステップS103Bに戻り、再び抵抗増加パラメータ群Bの仮値を設定する。
続いて、ステップS108Bにおいて、以上の計算によって得られた容量減少パラメータ群Aと抵抗増加パラメータ群Bか、これらのパラメータ群と正負極の充放電曲線に基づく計算で得られた結果、例えば所定の電圧における正・負極電位や、所定の充放電電流・充放電時間における電池出力や正・負極電位など、を外部メモリまたは外部モニタに出力する。
以上により、状態判定装置は、正極および負極の基準量あたりの充放電特性ならびに電流値Aに基づき容量減少パラメータ群Aを決定し、正極および負極の基準量あたりの充放電特性、容量減少パラメータ群A、ならびに、電流値Aより大きな電流値Bに基づき、抵抗増加パラメータ群Bを決定している。一例として、状態判定装置は、電流値Aを用いて測定した二次電池の充放電曲線Aならびに正極および負極の基準量あたりの充放電特性を読み込み、状態判定装置は、容量減少パラメータ群Aを仮に設定し、状態判定装置は、正極および負極の基準量あたりの充放電特性ならびに仮に設定された容量減少パラメータ群Aに基づき、二次電池の充放電曲線を計算し、状態判定装置は、前容量減少パラメータ群Aに基づき計算された二次電池の充放電曲線と測定された二次電池の充放電曲線Aとの比較に基づき、容量減少パラメータ群Aを決定し、状態判定装置は、電流値Bを用いて測定した二次電池の充放電曲線Bを読み込み、状態判定装置は、抵抗増加パラメータ群Bを仮に設定し、状態判定装置は、正極および負極の基準量あたりの充放電特性ならびに仮に設定された抵抗増加パラメータ群Bに基づき、二次電池の充放電曲線を計算し、状態判定装置は、抵抗増加パラメータ群Bに基づき計算された二次電池の充放電曲線と測定された二次電池の充放電曲線Bとの比較に基づき、抵抗増加パラメータ群Bを決定している。これにより、二次電池の容量パラメータと内部抵抗パラメータを分離してそれぞれの値を精度よく決定し、二次電池の劣化状態を従来よりも正確に把握できる。また、判定結果に基づいた制御によって、二次電池を高安全化および長寿命化することができる。また、判定結果の蓄積に基づく余寿命予測の精度が向上する。
本発明の一実施形態における二次電池の劣化診断装置は、定置用二次電池に対する充放電装置、または、移動体用二次電池に対する充放電制御装置(図8における充放電制御手段500)に接続されているか、これらの充放電制御装置の一部として組み込まれている。この場合、充放電制御装置は、複数の二次電池から構成される二次電池モジュールの全体または代表的な部分について、微小な電流値Aによる充放電曲線A、および電流値Aよりも大きな電流値Bによる充放電曲線Bを測定し、メモリ120に保存する。
図8は、本発明の一実施形態における二次電池システムを示したものである。二次電池システム300は、状態判定装置1、二次電池モジュール200、計測手段400、充放電制御手段500を有する。二次電池モジュール200は、複数のリチウムイオン二次電池150で構成されている。計測手段400は、二次電池モジュール200に流れる電流を検出する電流センサ410、二次電池モジュール200の電圧を検出する電圧センサ420を有する。充放電制御手段500は、二次電池モジュール200中の複数のリチウムイオン二次電池150のそれぞれのSOCを検出するSOC演算手段510、二次電池を充放電する電流値を決定する入出力制御手段520を有する。
電流センサ410によって検出された充放電電流と電圧センサ420によって検出された電池電圧が計算部140に送信される。計算部140は、二次電池に充放電された充放電電気量を計算する。計算部140は、充放電電気量と電池電圧のデータテーブルをメモリ120に保存する。計算部140は,必要に応じてメモリ120に作成されたデータテーブルを参照して劣化診断を実施し、診断結果を充放電制御手段500に送信する。SOC演算手段510は、診断結果と電流センサ410によって検出された電流値と電圧センサ420によって検出された電池電圧に基づいて、二次電池のSOCを算出する。算出された二次電池のSOCおよび診断結果、電池電圧、および電流値は、入出力制御手段520に送信される。入出力制御手段520は、受け取った情報に基づいて、二次電池を充放電する電流値を決定する。
移動体用二次電池に対して本発明の一実施形態における状態判定装置を適用する場合、移動体の運用方法が固定されており、二次電池を充電する場所が決まっている場合には、定置された充放電制御電装置に状態判定装置を組み込むことができる。この場合、充電の際に移動体側の充放電制御装置と状態判定装置を接続して、劣化診断の結果を充放電制御装置に転送することができる。しかし、移動体の運用方法が固定されておらず、二次電池の充電場所が一定でない場合には、状態判定装置と充放電制御装置をともに移動体に搭載することが望ましい。
これまで記してきたように、状態判定装置は測定した充放電曲線Aと充放電曲線Bに基づいて、前記した方法により容量減少パラメータ群Aと抵抗増加パラメータ群Bを決定し、充放電制御装置のメモリや外部表示装置等に出力する。ただし、充放電曲線Aと充放電曲線Bは必ずしも連続して測定する必要はなく、また、一対一で測定する必要もない。例えば、充放電曲線Aは1カ月に一回だけ測定し、充放電曲線Bは毎日測定するという運用も可能である。同様に、容量減少パラメータ群Aを決定するステップAと抵抗増加パラメータ群Bを決定するステップBも必ずしも連続して実行する必要はなく、一対一で実行する必要もない。例えば、充放電曲線Aを1カ月に一回測定し、充放電曲線Bを毎日測定する場合には、次回の充放電曲線Aの測定までは、直近に測定した充放電曲線Aに基づく容量減少パラメータ群AをステップBの計算に使用し、抵抗増加パラメータ群Bだけを毎日更新することも可能である。
また、充放電曲線Aと充放電曲線Bを測定する対象となる二次電池も全く同じである必要はない。例えば、充放電曲線Aは二次電池モジュール全体のうち所定の方法で選定した二次電池に対して測定し、充放電曲線Bは二次電池モジュール全体に対して測定することもできる。また、充放電曲線Aは二次電池モジュール全体のうち所定の方法で選定した二次電池に対して測定し、充放電曲線Bは選定した以外の二次電池モジュール全体に対して測定することによって、充放電曲線Aと充放電曲線Bを同時に測定することもできる。
また、充放電曲線Aと充放電曲線Bにおいて、必ずしも両方が放電曲線である必要はなく、また同様に両方が充電曲線である必要もない。例えば、充放電曲線Aに対しては、選定した二次電池を微小な電流値Aで放電させた放電曲線を使用し、充放電曲線Bに対しては、選定した二次電池以外の二次電池モジュール全体を急速充電した充電曲線を使用することも可能である。ただし、この場合には、正極・負極の基準量あたりの充電曲線と放電曲線の両方を状態判定装置のメモリ120に保持する必要がある。
図5は、本発明の一実施形態における放電曲線の再現結果であり、本発明の一実施形態による判定において、ステップBに非特許文献1に記載された計算方法を用いた判定結果である。図5(a)は参考として、初期状態の二次電池において微小な電流0.02*Q_0(A)で測定した放電曲線Aと、その再現結果を示す。図中の白丸は実測した二次電池の放電曲線、実線は計算した二次電池150の放電曲線、破線は計算した正極の放電曲線、一点鎖線は計算した負極の放電曲線である。また、図5(b)は所定の条件で劣化させた二次電池において、微小な電流0.02*Q_0(A)で測定した放電曲線Aと、その再現結果を示す。また、図5(c)は所定の条件で劣化させた二次電池において、相対的に大きな電流4*Q_0(A)で測定した放電曲線Bと、その再現結果を示す。表1には、図5(a)、図5(b)、図5(c)に示した再現計算によって得られた最適化された容量減少パラメータ群と抵抗増加パラメータ群の値を示す。また、実測値と計算値の平均二乗誤差(RMSE)も示す。
比較例として、劣化した二次電池150に対する放電曲線Aを用いた状態判定を行わず、初期状態の二次電池150に対する容量減少パラメータ群Aを使って、つまり、放電曲線Aとして、その時点での微小電流の放電曲線の代わりに、初期状態の電池の放電曲線を使って、非特許文献1に記載された計算方法を用いて、抵抗増加パラメータ群Bを評価した場合について説明する。図6に再現結果を示す。図6は、本発明の比較例における放電曲線の再現結果である。また、最適化された抵抗増加パラメータの値と実測値と計算値の平均二乗誤差(RMSE)を表1に示す。
Figure 0006072268
比較例による状態判定(図6)では、本実施例による状態判定の結果(図5(c))に比べて二次電池150の内部抵抗の増加が大きく見積もられている。この結果は、微小な電流においても発現する、容量減少パラメータの効果を正しく評価していないために生じた差である。また、平均二乗誤差を比較した場合も、比較例による判定結果は、本実施例による判定結果よりも大きく、実測値を正確に再現できていないことも分かる。
本発明に関わる二次電池の状態判定装置の別の実施形態においては、状態判定装置の構成は図1のとおりである。図7は、本実施形態における計算部分の動作を示すフローチャートである。
計算が開始されると、まずメモリ120に保持されている充放電曲線Aが、前回の状態判定時から更新されているかどうかを確認する。充放電曲線Aが更新されている場合には、実施例1におけるステップAの判定を開始し、容量減少パラメータ群Aの値を最適化する。その後、メモリ120に保存されている容量減少パラメータ群Aを最適化した値に更新する。
次に、更新した容量減少パラメータ群Aの値に基づいて、実施例1におけるステップBの判定を開始し、抵抗増加パラメータ群Bの値を最適化する。最後に、容量減少パラメータ群Aと抵抗増加パラメータ群Bの値、またはこれらに基づいて計算した二次電池150の特性を出力する。
一方、前回の状態判定時から充放電曲線Aが更新されていない場合には、ステップAを省略してステップBの判定を開始する。この場合には、メモリ120に保存されている前回の状態判定時の容量減少パラメータ群Aの最適値を使用する。ただし、必要に応じて、前回判定時からの経過日数、前回判定時からの二次電池150の充放電サイクル回数などを変数とする任意の関数に基づいて補正した容量減少パラメータ群Aを使用してもよい。以下同様に、充放電曲線Bを再現し、判定結果を出力する。
本実施例では、前回の二次電池の状態判定時から充放電曲線Aが更新されている場合は、更新された充放電曲線Aに基づき、容量減少パラメータ群Aが更新され、更新された容量減少パラメータ群Aに基づき、抵抗増加パラメータ群Bが決定され前回の状態判定時から充放電曲線Aが更新されていない場合は、前回の二次電池の状態判定時に用いられた充放電曲線Aに基づき、抵抗増加パラメータ群Bが決定されている。これにより、充放電曲線Aの更新を必ずしも必要としないため、実施例1に比べて充放電曲線Aの測定に要する時間を節約することができる。
本発明に関わる二次電池の劣化診断装置の別の実施形態においては、診断によって得られた電池・正極・負極の充放電特性の推定値に基づいて、正極・負極の使用可能電位領域を超えないように充放電電流および充放電時間を設定する。 本実施例では、計算部140は、状態判定によって得られた容量減少パラメータ群Aと抵抗増加パラメータ群Bに基づいて、任意の運用条件における電池電圧と正極電位と負極電位の時間変化を計算する。計算結果に基づき、計算部140は、二次電池150に通電可能な充放電電流の上限、充放電時間の上限のいずれかを計算する。具体的には、計算部140は、所定の正極・負極の使用可能な電位領域の上限または下限に対応する電池電圧、所定の充放電電流において正極・負極が禁制電位領域に到達する充放電時間、所定の充放電時間において正極・負極が禁制電位領域に到達しない最大の充放電電流値、等を出力する。
本実施形態では、状態判定装置は、決定された容量減少パラメータ群Aおよび決定された抵抗増加パラメータ群Bに基づき、正極および負極のそれぞれが禁制電位領域に到達しないように、二次電池の運用条件を決めている。これにより、二次電池150の状態判定に基づいて、正極・負極がそれぞれの禁制電位領域に到達しないような二次電池150の運用条件を決めることができる。
本発明に関わる二次電池の劣化診断装置の別の実施形態においては、電池の劣化診断結果および所定の容量下限値に基づいて、所定の使用条件における電池の余寿命を判定する。
本実施例では、異なる使用期間において測定した同一あるいは同一構成の二次電池150の充放電特性に対して、状態判定を実施済みである。状態判定によって得られた容量減少パラメータ群A・抵抗増加パラメータ群Bの値、および各状態判定時点での二次電池150の使用状況はメモリ120に保持されている。また、メモリに120は、容量減少パラメータ群A・抵抗増加パラメータ群Bの、使用状況を変数とした関数が保存されている。関数形としては、例えば直線、二次関数、指数関数、対数関数などが挙げられる。また、変数としては、使用期間、充放電サイクル数、累積充放電電気量、温度、電池電圧、電極電位などが挙げられる。
計算部140は、これらの関数形と変数をメモリ120から読み込み、最新の状態判定時点よりも先の容量減少パラメータ群A・抵抗増加パラメータ群Bの値を計算する。次に、計算した容量減少パラメータ群A・抵抗増加パラメータ群Bの値に基づいて、所定の使用条件における二次電池150の充放電曲線を予測する。また、予測された二次電池150の充放電曲線から得られた二次電池150の容量または内部抵抗に対して上下限値との大小関係を判定する。計算による予測において、ある時点Aにおいて二次電池150の容量または内部抵抗が所定の上限値または下限値を上回るまたは下回る場合には、この時点Aを二次電池150の寿命と見なす。
出力部130は、時点Aあるいは、現在時刻から時点Aまでの時間Bを出力する。また、時間Bが所定の最短時間Cよりも短い場合には警告を出力する。
以上の手順により、容量減少パラメータ群A・抵抗増加パラメータ群Bの値に基づいて、二次電池の寿命を予測することができる。
1 状態判定装置
100 電池制御部
101 正極
102 負極
103 セパレータ
104 正極参照電極
105 負極参照電極
106 電池ケース
107 正極端子
108 正極参照極端子
110 負極参照極端子
120 メモリ
130 出力部
140 計算部
150 リチウムイオン二次電池
200 二次電池モジュール
300 二次電池システム
400 計測手段
410 電流センサ
420 電圧センサ
500 充放電制御手段
510 SOC演算手段
520 入出力制御手段

Claims (8)

  1. 正極および負極を有する二次電池の状態判定装置であって、
    前記正極および前記負極の基準量あたりの充放電特性ならびに電流値Aに基づき容量減少パラメータ群Aを決定し、
    前記正極および前記負極の基準量あたりの充放電特性、前記容量減少パラメータ群A、ならびに、前記電流値Aより大きな電流値Bに基づき、抵抗増加パラメータ群Bを決定する状態判定装置。
  2. 請求項1において、
    前記状態判定装置は、前記電流値Aを用いて測定した前記二次電池の充放電曲線Aならびに前記正極および前記負極の基準量あたりの充放電特性を読み込み、
    前記状態判定装置は、容量減少パラメータ群Aを仮に設定し、
    前記状態判定装置は、前記正極および前記負極の基準量あたりの充放電特性ならびに前記仮に設定された容量減少パラメータ群Aに基づき、前記二次電池の充放電曲線を計算し、
    前記状態判定装置は、前記容量減少パラメータ群Aに基づき計算された二次電池の充放電曲線と前記測定された二次電池の充放電曲線Aとの比較に基づき、容量減少パラメータ群Aを決定し、
    前記状態判定装置は、前記電流値Bを用いて測定した前記二次電池の充放電曲線Bを読み込み、
    前記状態判定装置は、抵抗増加パラメータ群Bを仮に設定し、
    前記状態判定装置は、前記正極および前記負極の基準量あたりの充放電特性ならびに前記仮に設定された抵抗増加パラメータ群Bに基づき、前記二次電池の充放電曲線を計算し、
    前記状態判定装置は、前記抵抗増加パラメータ群Bに基づき計算された二次電池の充放電曲線と前記測定された二次電池の充放電曲線Bとの比較に基づき、抵抗増加パラメータ群Bを決定する状態判定装置。
  3. 請求項2において、
    前回の前記二次電池の状態判定時から前記充放電曲線Aが更新されている場合は、前記更新された充放電曲線Aに基づき、容量減少パラメータ群Aが更新され、
    前記更新された容量減少パラメータ群Aに基づき、抵抗増加パラメータ群Bが決定され
    前回の状態判定時から前記充放電曲線Aが更新されていない場合は、前回の前記二次電池の状態判定時に用いられた充放電曲線Aに基づき、抵抗増加パラメータ群Bが決定される状態判定装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記状態判定装置は、前記決定された容量減少パラメータ群Aおよび前記決定された抵抗増加パラメータ群Bに基づき、前記正極および前記負極のそれぞれが禁制電位領域に到達しないように、前記二次電池の運用条件を決める状態判定装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記状態判定装置は、前記決定された容量減少パラメータ群Aおよび前記決定された抵抗増加パラメータ群Bに基づき、前記二次電池の寿命を予測する状態判定装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれか状態判定装置を有する充放電制御装置。
  7. 前記二次電池を複数有する二次電池モジュールと、
    請求項1乃至4のいずれか状態判定装置と、を有する二次電池システム。
  8. 正極および負極を有する二次電池の状態判定方法であって、
    前記正極および前記負極の基準量あたりの充放電特性ならびに電流値Aに基づき容量減少パラメータ群Aを決定し、
    前記正極および前記負極の基準量あたりの充放電特性、前記容量減少パラメータ群A、ならびに、前記電流値Aより大きな電流値Bに基づき、抵抗増加パラメータ群Bを決定する二次電池の状態判定方法。
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