JP2013178936A - リチウムイオン二次電池及びそれを用いた組電池並びに蓄電装置 - Google Patents

リチウムイオン二次電池及びそれを用いた組電池並びに蓄電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
大電流による過充電状態においてもより安定的で安全なリチウムイオン二次電池及び蓄電装置を提供することである。
【解決手段】
本発明にかかるリチウムイオン二次電池は、リン酸遷移金属リチウムを有する正極活物質からなる正極と、対向する単位面積当たりの正極容量に対して、対向する負極容量の比率が105%以上180%以下となる負極と、リチウムフルオロボーレートを含むことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池及びそれを用いた組電池並びに蓄電装置に関する。
EV自動車、自然エネルギー発電によるスマートグリッド、等の技術の中で、二次電池は蓄電装置として大きな役割を持つ。特に、リチウムイオン二次電池は、容量・出力ともにすぐれ、システムの小型化に大きく貢献している。近年では、より大容量のリチウムイオン二次電池が開発されている。
リチウムイオン二次電池において、最も重要な関心事の1つは安全性であり、特に満充電された電池へ更なる充電がされてしまったリチウムイオン二次電池は、過充電状態にあり、不安全な状態の可能性がある。例えば、金属酸化物をリチウムイオン二次電池の正極活物質として使用する場合で、過充電状態となると、金属酸化物から酸素が発生しリチウムイオン二次電池の膨張が生じてしまうおそれがある。
一般的に過充電の対策としては、二通りに分けられる。第一は、リチウムイオン二次電池の外側に設置されるシステムとして提供され、所定の電圧範囲内になるようにリチウムイオン二次電池の電圧を監視し、充電をコントロールする対策方法。第二として、リチウムイオン二次電池自体に電気化学的な過充電保護機能を設ける対策法である。第二の対策法である電気化学的な手法は、通常、可逆的酸化還元剤とも呼ばれるレドックスシャトル添加剤を添加するものである。前記レドックスシャトル添加剤は、固有の電位にて酸化され、酸化された前記添加剤は電解質溶液中を負極へ移動し、そこで元の前記添加剤へと還元される。この固有の電位が、リチウムイオン二次電池の満充電状態となる電圧よりも少し高くなるように、リチウムイオン二次電池を設計することで、リチウムイオン二次電池が満充電状態となっても、レドックスシャトル添加剤が酸化還元を連続的に繰り返す電位付近で、リチウムイオン二次電池の電圧が安定し、リチウムイオン二次電池の安全が保たれる。
特開2007-128865号公報
しかしながら、蓄電電池システムの大規模化、高効率化に伴い、大電流による充電が必要とされており、大電流での充電をおこなう場合には、従来のレドックスシャトル添加剤を用いた過充電保護機能では、十分な過充電対策とならない傾向がある。本発明者の検討によれば、たとえば、特許文献1に記載されるレドックスシャトル添加剤を用いた過充電対策手法では、0.3C(0.3Cは、未充電のリチウムイオン二次電池が約3時間20分で満充電となるような電流量)程度の低電流での過充電対策としては有効であるが、大電流での過充電対策としては不十分であることがわかった。
特に、定置型向けやEV向けなどの大型のリチウムイオン二次電池においては、大電流での充放電が必要なため、より蓄熱しやすい傾向がある。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決すべく創出されたものであり、大電流による過充電状態においても、より安定的で安全なリチウムイオン二次電池及び蓄電装置を提供することである。
本発明にかかるリチウムイオン二次電池は、リン酸遷移金属リチウムを有する正極活物質からなる正極と、それと対向して配置される負極と、リチウムフルオロボーレートを含む電解質とを有し、前記負極は、正極容量に対する負極容量の比率が、単位面積換算で105%以上180%以下となることを特徴とする。
本発明にかかるリチウムイオン二次電池によれば、正極は、リン酸遷移金属リチウムを有する正極活物質からなり、それと対向して配置される負極は、正極容量に対する負極容量の比率が、単位面積換算で105%以上180%以下となるように設けられ、さらにレドックスシャトル添加剤としてリチウムフルオロボーレートを含むことで、過充電状態になってから、不安全状態(電源電圧の上限値に達する電圧)となるまでの準安全状態の保持時間を20分以上と比較的長くすることができる。
さらに、前記負極は、正極容量に対する負極容量の比率が、単位面積換算で130%以上150%以下であることが望ましい。
また、前記リチウムイオン二次電池は、複数組み合わされ、少なくとも2つ以上、直列に接続された組電池であることが望ましい。
このような構成によれば、前記リチウムイオン二次電池を2つ以上直列に接続することにより、組電池中に過充電状態になってしまうリチウムイオン二次電池があった場合でも、安全に組電池を使用することができる。ここで、直列接続された電池に対し、さらにリチウムイオン二次電池が並列に接続されていてもよい。
また、組電池に電圧監視装置と、電流制御装置を兼ね備えた蓄電装置とすることが望ましい。
このような構成によれば、直列に接続された個々のリチウムイオン二次電池に対して、電圧監視装置及び電流制御装置を兼ね備えることで、個々のリチウムイオン二次電池が過充電状態になる可能性を低く抑えることができ、さらに安全な蓄電装置を提供することができる。
なお、上述した単位面積換算とは、正極容量および負極容量を決める値を、それぞれ基準となる同じ単位面積当たりの容量として算出することをいう。
本発明によれば、大電流による過充電状態に至る状況となっても、より安全に使用可能であるリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池を示す断面模式図である。 本実施形態のリチウムイオン二次電池を用いた蓄電装置の構成を示す図である。 実施例と比較例の過充電試験の結果を示すグラフである。 実施例と比較例の準安定状態の保持時間を比較したグラフである。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるリチウムイオン二次電池、及びそれを用いた組電池並びに蓄電装置の好適な実施形態を詳細に説明する。ただし、本発明のリチウムイオン二次電池、及びそれを用いた組電池並びに蓄電装置は、以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1に、本実施形態のリチウムイオン二次電池10を模式的に示す。図1のリチウムイオン二次電池10は、リチウムイオンを吸蔵放出する材料(正極活物質、負極活物質)を含む正極20及び負極30と、正極と負極との間にあって、リチウムイオン伝導性を有し、リチウムフルオロボーレートとを含む電解質が保持されたセパレータ40から構成されている。その正極20は、正極集電体22の両面に正極活物質層21を備えて構成されており、負極30は、負極集電体32の両面に負極活物質層31を備えて構成されている。
本実施形態のリチウムイオン二次電池10は、正極と、電解質と、負極とを含み、前記正極は、リン酸遷移金属リチウムを有する正極活物質を含み、それと対向して配置される負極は、正極容量に対する負極容量の比率が、単位面積換算で105%以上180%以下となっており、さらに前記電解質は、リチウムフルオロボーレートを含むことを特徴としている。かかる構成のリチウムイオン二次電池によれば、大電流(例えば3C)での充電による過充電状態でも安全な状態を保つことができる。
本実施形態で用いられるリン酸遷移金属リチウムを有する正極活物質は、熱的に安定である材料というだけでなく、充放電時におけるリチウムイオン二次電池の温度上昇も低いという特徴を持つ材料であり、リン酸遷移金属リチウムは、化学量論組成でLiFePO、LiMnPO4、LiVPO、LiV(PO、LiVOPO4、LiNiPO、LiCoPOで表される材料のうち少なくとも1種以上を選ぶことができる。
なお、リン酸遷移金属リチウムは、上述した材料組成に限られるものではなく、化学量論組成として表したときの表記であるため、酸素欠損等、一部に元素の欠損や変動が生じていても構わない。また、上述した材料組成を主成分として含む意味合いであるため一部の金属が置換され固溶体化されたものも含む表現である。
本実施の形態の負極30の単位面積当たりの容量は、対向する正極の単位面積あたりに対して下限値が設定でき、正極の容量に対し負極の容量の比率は100%が基準となる。その負極の容量の比率が約100%未満となるとき、つまり安定領域(リチウムイオン二次電池の開回路電圧で約2.5V〜4.2Vの範囲)において、負極が満充電状態になり、負極表面に金属リチウムが析出する場合もあり、内部短絡として不具合の要因となる可能性がある。
一方で、過充電領域(リチウムイオン二次電池の開回路電圧で4.2V以上)の観点から考えると、正極活物質としてリン酸遷移金属リチウムを有する正極と、電解質にリチウムフルオロボーレートを含んで構成されるリチウムイオン二次電池において、正極に対する負極の容量の比率が180%以下とする場合で、特異的に安全性が向上した。
これは、見かけ上、リチウムイオン二次電池の電圧が同じでも、負極の電位は負極の充電状態によって決まり、正極容量に対する負極容量の違いによって、負極電位に違いがあるためと考えられる。負極電位の違いによって正極で酸化されたリチウムフルオロボーレートが負極で還元される量が異なり、過充電試験の結果に影響したと考えられる。以上から、対向する単位面積当たりの正極容量に対する単位面積当たりの負極容量の比率は、105%から180%が好適な範囲であることがわかった。
さらに、互いに対向する正極と負極において、正極容量に対する負極容量の比率の調整について説明する。正極及び、負極の単位面積あたりの容量は、単位面積に担持される活物質の量によって決めることができ、正極及び、負極の活物質の担持量を調整することで、正極に対する負極容量を設計できるため、簡便で望ましい。
また、リチウムイオン二次電池の電極を作製する過程で、負極に金属リチウムをあらかじめドープすることでも、所望の負極容量を比較的簡便に設計することができる。この手法によれば、負極にあらかじめ金属リチウムを所定量ドープすることにより、負極活物質の不可逆容量を調整することができ、実質的に負極活物質の持つ容量を調整できる。
例えば、集電体上に負極活物質層をあらかじめ形成し、その上からリチウム粉末を振りかけることで、リチウムをドープする方法が考えられる。かかる方法によれば、振りかけるリチウム粉末の量を制御することによりあらかじめドープするリチウム量を比較的容易に制御可能なため望ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池10の正極活物質層21、及び負極活物質層31は、活物質材料と、バインダーと、導電助剤とを含む塗料を集電体に塗布することによって形成することができる。
バインダーには、ポリフッ化ビリニデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などを用いることができる。また、これらバインダーを溶解させる溶媒には、N−メチルピロリドン(NMP)、純水などを用いることができる。
導電助剤には、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛などを用いることができる。
正極集電体22、及び負極集電体32に用いる金属箔は、リチウムイオン二次電池に使用されている各種公知の材料を用いることができる。具体的には、負極集電体32としては銅箔が、正極集電体22としてはアルミニウム箔を好適に用いることができる。
具体的には、例えば正極活物質としてLiFePO(以下、LFPという。)を、導電助剤としてカーボンブラックあるいは黒鉛を、バインダーとしてポリフッ化ビリニデン(以下、PVDFという。)を、溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を用い、このNMP溶媒中に正極活物質と、導電助剤と、バインダーを分散させて混合し、正極塗料を作製する。この塗料を正極集電体22であるアルミ箔上に両面塗布し、乾燥させ、正極20を作製する。
負極30は、負極活物質として天然黒鉛を、導電助剤としてカーボンブラックを、バインダーとしてPVDFを用い、溶媒であるNMPに分散させて混合し、負極塗料を作製する。この塗料を負極集電体32である銅箔上に両面塗布し、乾燥させて負極30を作製する。
作製した正極と負極とは、セパレータを介して積層又は巻回され、電池要素として外装体の中に挿入される。セパレータには特に制限はなく、広く公知の材料を用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂の微多孔膜を用いることができる。
正極、負極、セパレータを積層した電池要素を封入する外装体は、特に制限はなく、アルミニウムやステンレス製の缶、アルミニウムラミネート製の外装袋を適宜選択することができる。
この外装体の中に電池要素を挿入した後、リチウムフルオロボレートを含む所定の電解質が加えられる。電解質は、非水電解液、ゲル状の電解質、無機物あるいは有機物の固体電解質を広く用いることができる。例えば、非水電解液は溶媒と塩を含む物を用いることができ、またリチウムフルオロボーレートを含み、さらに適宜その他の添加剤を含んでも良い。
リチウムフルオロボーレートは、公知の材料を用いることができ、定められた電位にて可逆的に酸化、還元を繰り返すという特徴を持ち、レドックスシャトル添加剤としての機能を持つ。リチウムフルオロボーレートの酸化還元電位は、5V前後であって、4.2V程度を満充電電圧とする、一般的なリチウムイオン二次電池においては、過充電領域となる範囲に設定される。本実施の形態では、レドックスシャトル添加剤として、Li1210−s(ただし、1≦s≦10)、またはLi1212−t(ただし、1≦t≦12)で表され、ZがH、Cl、Brまたは、ORであり、RがH、炭素数が1〜2のアルキルまたはフルオロアルキルである化合物から選択される一種類以上の材料を組み合わせて使用することが望ましい。このような構成によれば、より安全性の高いリチウムイオン二次電池を提供することができる。
さらに、前記リチウムフルオロボーレートは、Li1212、またはLi1212−w(w=9、10、11)から選択される少なくとも1種のリチウムフルオロボーレートであることが望ましい。
非水電解液の溶媒には、リチウムイオン伝導性のある溶媒が望ましい。例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、等の環状炭酸エステルを単体または適宜組み合わせて使用することができる。電気伝導度を高くし、かつ適切な粘度を有する電解液を得るため、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジフルオロカーボネート(FEC)、等を併用してもよい。非水電解液中の塩には、LiPF、LiBF、LiClOなどを用いることができる。この後、外装体を真空密封しリチウムイオン二次電池10を得ることができる。
LiPF、LiBF、LiClOなど塩は、リチウムイオン二次電池の出力特性を左右し、0.8mol/L〜2mol/L程度が望ましい。
また、リチウムフルオロボーレートのモル濃度は、LiPF、LiBF、LiClOなどの塩よりも小さいことが望ましい。
次に本実施形態の組電池及び蓄電装置を図2を用い説明する。図2には、単電池としてリチウムイオン二次電池62が3個以上直列に接続されている。そのうち1つの電池からは電圧監視装置70が並列に接続されており、さらに電流制御装置80が前記単電池と同様に直列に接続され蓄電装置50を構成している。このように、2つ以上の単電池を直列に接続して、組電池60とすることにより、組電池中に過充電状態になってしまうリチウムイオン二次電池があった場合でも、安全に組電池を使用することができるため、より安全な組電池を得ることができる。また、リチウムイオン二次電池に並列に電圧監視装置70を、直列に電流制御装置80を、有する蓄電装置とすることで、より安全に運用可能な蓄電装置50となり望ましい。
従来のリチウムイオン二次電池を単電池として用い、その単電池を2つ以上直列に接続した組電池の場合、個々のリチウムイオン二次電池の特性のばらつきや、劣化などに起因して、組電池中のいずれかの単電池が過充電状態になってしまう可能性が高くなってしまうが、本実施形態のリチウムイオン二次電池を用いることにより、一部の単電池が過充電状態となっても、安全な組電池として維持できる。
また、前記組電池60と、リチウムイオン二次電池62に並列に接続された電圧監視装置70と、リチウムイオン二次電池62に直列に接続された電流制御装置80と、を含む蓄電装置とした場合は、機器の故障などにより、リチウムイオン二次電池のいずれか1つ以上が、過充電状態となってもさらに確実に安全性を維持できることから望ましい。
なお、ここで電圧監視装置は、具体的に電圧計等を含む電圧を監視できる装置が例示でき、電流制御装置は、具体的にヒューズやブレーカー等を含む電流を制御する装置が例示できる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
正極活物質にLFPを正極活物質として用いた。LFPは水熱合成法を用いて作製した。負極活物質に天然黒鉛を用いた。対向する正極容量に対する負極容量比率は180%とした。リチウムフルオロボーレート誘導体として、Li12を用いた。
〈リチウムイオン二次電池の作製〉
〈正極の作製〉
正極活物質としてLiFePO(以下、「LFP」という。)を、導電助剤としてカーボンブラック(以下、「CB」という。)及び黒鉛(以下、「Gr」という。)、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(以下、「PVDF」という。)、を用い正極を作製した。レドックスシャトル添加剤としてLi12を用いた。LFPを850g、CBを50g、黒鉛を50g、PVDFのNMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶液(500g、10wt%)を加えて混合し塗料約1450gを作製した。この塗料を集電体であるアルミニウム箔(厚み20μm)にドクターブレード法で、集電体両面に塗布後、90℃で乾燥し、圧延し、正極を作製した。
〈負極の作製〉
負極活物質として天然黒鉛を450g、導電助剤としてCB25g、をドライミックス(乾式混合)した後に、バインダーとして正極と同じ前記PVDF溶液225gを加え負極用の塗料を作製した。この塗料を集電体である銅箔(厚み16μm)にドクターブレード法で、集電体両面に塗布後、乾燥(90℃)、圧延し、負極を作製した。
〈単位面積当たりの容量確認〉
作製した正極と負極をそれぞれを約1.0cmの正方形状に切り出し、対極を金属リチウムとして、単位面積当たりの容量を確認した。正極の単位面積当たりの容量は、約2mAh/cmであり、負極の単位面積当たりの容量は約3.6mAh/cmであり、対向する正極に対する負極容量比は180%であることを確認した。
〈電池の作製〉
作製した正極と負極とを所定の寸法に切断した。また、セパレータ(ポリオレフィン製の微多孔質膜)を所定の寸法に切断した。正極、負極には、外部引き出し端子を溶接するために電極塗料(活物質+導電助剤+バインダー)を塗布しない部分を設けておいた。その後、負極、セパレータ、正極、(セパレータ、)をこの順序で積層した。積層数は、リチウムイオン二次電池の容量が2Ahになるように積層した。正極、負極には、それぞれ、外部引き出し端子としてアルミニウム箔(幅20mm、長さ40mm、厚み500μm)、ニッケル箔(幅20mm、長さ40mm、厚み500μm)を超音波溶接した。この外部引き出し端子に、無水マレイン酸をグラフト化したポリプロピレン(PP)を巻き付け熱接着させた。これは外部端子と外装体とのシール性を向上させるためである。正極、負極、セパレータを積層した電池要素を封入する電池外装体はアルミニウムラミネート材料からなり、その構成は、PET(12)/Al(40)/PP(50)のものを用意した。PETはポリエチレンテレフタレート、PPはポリプロピレンである。かっこ内は各層の厚み(単位はμm)を表す。なおこの時PPが内側となるように製袋した。この外装体の中に電池要素を入れ電解液(エチレンカーボンネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒(EC:DEC=30:70vol%)にLiPFを1mol/L、レドックスシャトル添加剤としてLi12を0.5mol/L溶解させた)を適当量添加し、外装体を真空密封しリチウムイオン二次電池を作製した。
この様に作製したリチウムイオン二次電池の初期の平均放電容量は約2Ahであった。また、同様のリチウムイオン二次電池を作製した。
〈過充電試験〉
作製したリチウムイオン二次電池の安全性を確認するため、過充電試験を行った。はじめに、リチウムイオン二次電池を完全に放電させた、電池電圧は約2.8V程度を示した。次に、3C(3Cは完全に放電されたリチウムイオン二次電池が約20分で満充電に達する電流量)の電流を用いて1時間充電させた。充電に用いた電源の上限電圧は10Vに設定した。充電容量と電池電圧の関係を図3に示す。4.2V以上の過充電状態になってから、電源電圧に達するまでの時間を調べると、24分であった。結果を表1に示す。
(実施例2)
正極活物質にLFPを用いた。LFPは水熱合成法を用いて作製した。負極活物質に天然黒鉛を用い、対向する正極容量に対する負極容量比率が150%となるよう負極活物質層の膜厚を調整し塗布した。リチウムフルオロボーレートは、Li12を用いた。
〈リチウムイオン二次電池の作製〉
〈正極の作製〉
実施例1と同様に作製した。
〈負極の作製〉
実施例1と同様に作製し、塗布時の膜厚が実施例1に対し、約83%程度になるように作製した。
〈単位面積当たりの容量確認〉
実施例1と同様に確認し、対向する正極に対する負極容量比は150%であることを確認した。
〈電池の作製〉
実施例1と同様に作製し、2Ahのリチウムイオン二次電池を得た。
〈過充電試験〉
実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
(実施例3)
正極活物質にLFPを用いた。LFPは水熱合成法を用いて作製した。負極活物質に天然黒鉛を用い、対向する正極容量に対する負極容量比率が130%となるよう負極活物質層の膜厚を調整し塗布した。。リチウムフルオロボーレートとして、Li12を用いた。
〈リチウムイオン二次電池の作製〉
〈正極の作製〉
実施例1と同様に作製した。
〈負極の作製〉
実施例1と同様に作製し、塗布時の膜厚が実施例1に対し、約72%程度になるように作製した。
〈単位面積当たりの容量確認〉
実施例1と同様に確認し、対向する正極に対する負極容量比は130%であることを確認した。
〈電池の作製〉
実施例1と同様に作製し、2Ahのリチウムイオン二次電池を得た。
〈過充電試験〉
実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
(実施例4)
正極活物質として、LiVOPO(以下、LVPという。)を正極活物質として用いた。LVPは水熱合成法を用いて作製した。負極活物質に天然黒鉛を用い、対向する正極容量に対する負極容量比率は180%とした。リチウムフルオロボーレートとしてLi1211Hを用いた。
〈リチウムイオン二次電池の作製〉
〈正極の作製〉
正極活物質にLFPの代わりにLVPを使用した以外は実施例1と同様に作製した。
〈負極の作製〉
実施例1と同様に作製した。
〈単位面積当たりの容量確認〉
実施例1と同様に確認し、対向する正極に対する負極容量比は180%であることを確認した。
〈電池の作製〉
リチウムフルオロボーレート誘導体として、Li12の代わりにLi1211Hを用いた以外は実施例1と同様に作製し、2Ahのリチウムイオン二次電池を得た。
〈過充電試験〉
実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
(実施例5)
LVP(LiVOPO)を正極活物質として用いた。LVPは水熱合成法を用いて作製した。負極活物質に天然黒鉛を用い、対向する正極容量に対する負極容量比率は150%とした。リチウムフルオロボーレート誘導体としてLi1211Hを用いた。
〈リチウムイオン二次電池の作製〉
〈正極の作製〉
実施例4と同様に作製した。
〈負極の作製〉
実施例4と同様に作製し、塗布時の膜厚が実施例4に対し、約83%程度になるように作製した。
〈単位面積当たりの容量確認〉
実施例1と同様に確認し、対向する正極に対する負極容量比は約150%であることを確認した
〈電池の作製〉
リチウムフルオロボーレート誘導体として、Li12の代わりにLi1211Hを用いた以外は実施例1と同様に作製し、2Ahのリチウムイオン二次電池を得た。
〈過充電試験〉
実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
(実施例6)
LVP(LiVOPO)を正極活物質として用いた。LVPは水熱合成法を用いて作製した。負極活物質に天然黒鉛を用いた。対向する正極容量に対する負極容量比率は130%とした。リチウムフルオロボーレート誘導体としてLi1211Hを用いた。
〈リチウムイオン二次電池の作製〉
〈正極の作製〉
実施例4と同様に作製した。
〈負極の作製〉
実施例4と同様に作製し、塗布時の膜厚が実施例4に対し、約72%程度になるように作製した。
〈単位面積当たりの容量確認〉
実施例1と同様に確認し、対向する正極に対する負極容量比は約130%であることを確認した
〈電池の作製〉
リチウムフルオロボーレート誘導体として、Li12の代わりにLi1211Hを用いた以外は実施例1と同様に作製し、2Ahのリチウムイオン二次電池を得た。
〈過充電試験〉
実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
(比較例1)
正極活物質にLFPを用い、負極活物質に天然黒鉛を用いた。対向する正極容量に対する負極容量比率は130%とした。電解質は実施例1と同種のものを用い、ただしリチウムフルオロカーボネートを添加しなかった。
〈リチウムイオン二次電池の作製〉
〈正極の作製〉
実施例1と同様に作製した。
〈負極の作製〉
実施例3と同様に作製した。
〈単位面積当たりの容量確認〉
実施例1と同様に確認し、対向する正極に対する負極容量比は約130%であることを確認した
〈電池の作製〉
リチウムフルオロカーボネートを使用しない以外は、実施例1と同様に作製し、2Ahのリチウムイオン二次電池を得た。
〈過充電試験〉
実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
(比較例2)
正極活物質にLFPを用い、負極活物質に天然黒鉛を用いた。対向する正極容量に対する負極容量比率は200%とした。リチウムフルオロカーボネート誘導体はLi1211Hを用いた。
〈リチウムイオン二次電池の作製〉
〈正極の作製〉
実施例1と同様に作製した。
〈負極の作製〉
実施例1と同様に作製し、塗布時の膜厚が実施例1に対し、約110%程度になるように作製した。
〈単位面積当たりの容量確認〉
実施例1と同様に確認し、対向する正極に対する負極容量比は約200%であることを確認した
〈電池の作製〉
実施例1と同様に作製し、2Ahのリチウムイオン二次電池を得た。
〈過充電試験〉
実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
Figure 2013178936
最後に図4として、表1の中から実施例1、2、3と比較例1のデータをピックアップし、グラフ化して特性を比較した。
図4と表1に示す結果にて明らかな様に、実施例1〜6及び比較例1〜2との対比から、リン酸遷移金属リチウムを有する正極活物質からなる正極と、リチウムフルオロボーレートとを含む電解質とを用いたとき、更に正極に対する負極の容量比を105%以上180%以下とすることで、大電流での充電による過充電状態でも安全な状態を維持可能であることが確認された。
本発明は、大電流による充電時に、リチウムイオン二次電池が過充電に至る状況となっても、より安全に使用可能であるリチウムイオン二次電池の組電池及び蓄電装置の製造、使用に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
10 リチウムイオン二次電池
20 正極
21 正極合剤層
22 正極集電体
30 負極
31 負極集電体
32 負極活物質層
40 セパレータ
50 蓄電装置
60 組電池
62 リチウムイオン二次電池
70 電圧監視装置
80 電流制御装置

Claims (3)

  1. リン酸遷移金属リチウムを有する正極活物質からなる正極と、
    それと対向して配置される負極と、
    リチウムフルオロボーレートを含む電解質と、
    を有し、
    前記負極は、正極容量に対する負極容量の比率が、単位面積換算で105%以上180%以下となることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池を、複数組み合わせ、少なくとも2つ以上直列に接続された組電池。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池を少なくとも2以上用い、電圧監視装置と電流制御装置を兼ね備えた蓄電装置。

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015232930A (ja) * 2014-06-09 2015-12-24 株式会社村田製作所 非水電解質二次電池
WO2017022454A1 (ja) * 2015-08-04 2017-02-09 オートモーティブエナジーサプライ株式会社 リチウムイオン二次電池

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