JP2015232930A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】オリビン構造を有する物質を含む正極活物質を用いた場合にも、高レートでの充放電が可能でかつ、長寿命を達成することが可能な非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】オリビン構造を有する正極活物質と正極集電箔とを備えた正極1と、負極活物質と負極集電箔とを備えた負極2と、正極と負極の間に介在する、無機微粒子を含む多孔質絶縁層11と、イオン伝導性非水電解質とを備える非水電解質二次電池において、多孔質絶縁層11が、正極1と負極2の少なくとも一方上に形成され、その膜厚が4.0〜20μmの範囲にあり、正極活物質は、平均粒子径D50が0.10〜10μm、D90が3.0〜30μmの範囲にあり、かつ、正極活物質の平均粒子径D50の値を多孔質絶縁層に含まれる無機微粒子の平均粒子径D50の値で除した値が0.025以上である構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関し、詳しくは、正極活物質と正極集電箔とを備えた正極と、負極活物質と負極集電箔とを備えた負極と、正極と負極の間に介在するように配設された多孔質絶縁層とを備えた非水電解質二次電池に関する。
近年、携帯電話やノートパソコンなどの小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化が要求されている。そしてこのような状況下において、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池が電源として広く利用されている。
ところで、上述のような非水電解質二次電池として、例えば特許文献1には、正極活物質として、オリビン型リン酸リチウムを含有する正極活物質含有層が正極集電体上に形成された正極と、負極活物質含有層が負極集電体上に形成された負極と、非水電解質とを備えた非水電解質電池において、正極集電体の厚みが20μm未満で、正極活物質含有層に接する面の平均表面粗さRaが0.026μmより大きくした非水電解質二次電池が提案されている。
上記のオリビン構造を有する正極材料(オリビン型リン酸リチウムを含有する正極活物質)は350℃を超えても酸素の離脱が起こらないため、200〜300℃で酸素が離脱するコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムなどよりも安全性が高いという特徴を有している。
なお、オリビン構造を有する正極活物質は、LiFe1-xxPO4で表される(M=Fe、Mn、Ni、Coなど)物質であり、そのようなオリビン構造を有する正極活物質の代表的なものとして、特にLiFePO4で表される、オリビン型リン酸鉄リチウムが挙げられる。
また、特許文献2には、主として化学式がLiFePO4 で表されるオリビン型リン酸鉄リチウムと炭素材料との複合体で活物質を構成し、これを正極に用いることが開示されている。
オリビン型リン酸鉄リチウムは電子伝導性が低いため、炭素材料との複合体を形成して電子伝導性を向上させることで、出力の大きい正極材料を得ることが可能になる。また、炭素材料でオリビン型リン酸リチウムの表面を覆うことで、正極材料に対する副反応を抑制することが可能になる。
また、特許文献3には、耐熱性樹脂と無機フィラーを含んでなる非水系二次電池用多孔膜が開示されている。そして、特許文献3では、上記無機フィラーが、ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、多孔質シリカ、および、金属水酸化物を熱処理して得られる多孔質フィラーからなる群より選ばれ、平均粒子径が0.1〜5.0μmであり、かつ、比表面積が40〜3000m2/gの多孔質フィラーであるとされている。
また、特許文献3では、上記耐熱性樹脂が、全芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、セルロース、および、これらの2種以上の組合せのいずれかであるとされている。
しかしながら、特許文献1の非水電解質二次電池の場合、正極活物質であるオリビン型リン酸鉄リチウムは、例えば電解液中に発生する酸による鉄(III)イオンの溶出が起こり、溶出した鉄(III)イオンが負極で還元される。そして、これにより析出した鉄に起因して、SEI(固体電解質層)の形成が加速される。SEIの形成にはLiイオンが消費されるため、電池反応に使用可能なLiイオン濃度が低下し、電池容量が低下するという問題がある。特に高温下、また高SOC(充電率)条件下でこの副反応は顕著に発生し、電池の寿命に深刻な影響を与えるという問題がある。
また、特許文献2のように、オリビン型リン酸リチウムと炭素材料との複合体で活物質を構成し、これを正極に用いるようにした場合、炭素材料でオリビン型リン酸鉄リチウムの表面を覆うことで、鉄の溶出をはじめとする副反応を抑制することは可能であるが、オリビン型リン酸鉄リチウムの表面を過剰に炭素材料でコートした場合、エネルギー密度の低下や抵抗の増大をもたらすという問題点がある。また、炭素材料のコートを薄くするとオリビン型リン酸鉄リチウムの露出した領域が現れ、上述したような副反応が起こりうる。特にハイパワー型の電池にオリビン型リン酸鉄リチウムを使用すると、この問題が顕著になる。
また、ハイパワー型に対応するためには、電極活物質の粒径を小さくして、比表面積を増大することが有効であるが、比表面積が大きくなるほど、くまなく均質に炭素材料をコートすることは困難になる。特に解砕により粒径を小さくすると、炭素材料コートの欠陥の影響が顕著になり、電池の寿命の大幅な低下を招くという問題がある。
なお、ここでは一例として、オリビン型リン酸鉄リチウムを正極活物質として用いた場合について説明したが、リン酸鉄リチウム以外のオリビン構造を有する正極活物質を用いた場合にも、同様の問題が発生する。
また、耐熱性樹脂と無機フィラー(多孔質フィラー)を含んでなる非水系二次電池用多孔膜を開示する特許文献3には、多孔質フィラーによる水分やHFの吸着によって、サイクル特性が改善されることが記載されているが、特許文献3で想定されているのは低い充放電レートであり、また実施例においても、正極にはLCOやLMOなどの比較的酸に強いものが使用されている。オリビン型リン酸鉄リチウムなどを用いた酸に弱い正極を、特に高充放電レートのハイパワーで使用する場合、副反応の抑制が不十分になり、十分な寿命特性を得ることはできないのが実情である。
特許第4286288号公報 特開2005−123107号公報 国際公開第2010−098497号パンフレット
本発明は、上記問題点を解決するものであり、正極に、オリビン構造を有する正極活物質を用いた、高レートでの充放電が可能でかつ、長寿命を達成することが可能な非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の非水電解質二次電池は、
LiFe1-xxPO4(MはFe、Mn、Ni、Coからなる群より選ばれる少なくとも1種)で表されるオリビン構造を有する正極活物質と正極集電箔とを備えた正極と、
負極活物質と負極集電箔とを備えた負極と、
前記正極と前記負極の間に介在する、無機微粒子を含む多孔質絶縁層と、
イオン伝導性非水電解質と
を具備するハイパワー型の非水電解質二次電池であって、
前記多孔質絶縁層は、前記正極と前記負極の少なくとも一方上に形成され、その膜厚が4.0〜20μmの範囲にあり、
前記正極活物質は、平均粒子径D50が0.10〜10μm、D90が3.0〜30μmの範囲にあり、かつ、
前記正極活物質の前記平均粒子径D50の値を前記多孔質絶縁層に含まれる前記無機微粒子の平均粒子径D50の値で除した値が0.025以上であること
を特徴としている。
本発明の非水電解質二次電池においては、前記多孔質絶縁層を形成する前記無機微粒子が、塩基解離指数pKbが10以下の材料からなるものであることが好ましい。
塩基解離指数pKbが10以下の材料からなる無機微粒子を用いることにより、無機微粒子に酸を効率的にトラップさせることが可能になり、寿命改善効果を大きくすることができる。
また、前記多孔質絶縁層を形成する前記無機微粒子が、シリカ、アルミナ、ベーマイト、チタン酸バリウム、チタニアからなる群より選ばれる少なくとも1種からなるものであることが好ましい。
上記材料からなる無機微粒子を用いることにより、無機微粒子に酸を効率的にトラップさせて、寿命改善効果を向上させることができる。
また、前記多孔質絶縁層を形成する前記無機微粒子が、塩基解離指数pKbが7以下の材料からなるものであることが好ましい。
塩基解離指数pKbが7以下の材料からなる無機微粒子を用いることにより、さらに確実に無機微粒子に酸を効率的にトラップさせることが可能になり、寿命改善効果を大きくすることができる。
また、前記多孔質絶縁層を形成する前記無機微粒子が、アルミナ、ベーマイト、チタン酸バリウム、チタニアからなる群より選ばれる少なくとも1種からなるものであることが好ましい。
上記材料からなる無機微粒子を用いることにより、さらに確実に無機微粒子に酸を効率的にトラップさせて、寿命改善効果を向上させることができる。
また、前記多孔質絶縁層を形成する無機微粒子の比表面積(SSA)が0.60〜20m2/gであることが好ましい。
比表面積(SSA)が0.60〜20m2/gの無機微粒子を用いることにより、無機微粒子に酸を効率的にトラップさせて、寿命改善効果を向上させることができる。
また、前記多孔質絶縁層が形成されている正極および負極の、多孔質絶縁層を形成する前に存在した空隙の体積の5〜50%を、前記無機微粒子が占めていることが好ましい。
上記構成を備えることにより、無機微粒子に酸をより効率的にトラップさせて、寿命改善効果を向上させることが可能になるとともに、低抵抗を実現することができる。
また、前記多孔質絶縁層を形成されている正極および負極の、多孔質絶縁層を形成する前に存在した空隙の体積の10〜40%を、前記無機微粒子が占めていることが好ましい。
上記構成を備えることにより、さらなる寿命の改善と低抵抗化を実現することができる。
また、前記多孔質絶縁層が前記負極上に形成されていることが好ましい。
負極上に多孔質絶縁層を形成することにより、負極の構造変化を抑制して、SEIの過剰成長を抑制することが可能になり、ひいては寿命改善効果を得ることができる。
また、前記多孔質絶縁層の顔料体積濃度PVCの、臨界顔料体積濃度CPVCに対する比(PVC/CPVC)であるΛが、1.1〜1.5の範囲にあることが好ましい。
上記構成を備えることにより、寿命の改善と低抵抗化を両立することが可能になる。
なお、Λとは「Reduced Pigment Volume Concentration」のことで、PVC/CPVCである。
PVCとは顔料体積濃度(Pigment Volume Concentration)のことであり、下記の式(1)で算出される値である。
PVC=(無機微粒子の体積)/(無機微粒子の体積+有機バインダの体積)×100 ……(1)
無機微粒子の体積=無機微粒子の重量/無機微粒子の密度
有機バインダの体積=有機バインダの重量/有機バインダの密度
また、CPVCとは臨界顔料体積濃度(Critical Pigment Volume Concentration)のことである。CPVCはセラミックセパレータシートの空隙がゼロと考えられる最大のPVCと定義した。
また、前記正極と前記負極の間に、さらにシート状の多孔質絶縁膜を備えていてもよい。
上述の多孔質絶縁層と、上記シート状の多孔質絶縁膜を併用することで、電子絶縁性の維持が容易になり、本発明をより実効あらしめることができる。
前記多孔質絶縁膜の構成材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンの共重合体、セルロース、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
多孔質絶縁膜として、上記の材料からなるものを用いることにより、電子絶縁性をより確実に維持することが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
また、本発明の非水電解質二次電池においては、前記イオン伝導性非水電解質が、六フッ化リン酸リチウムを含むものであってもよい。
電解質として六フッ化リン酸リチウムを用いた場合、酸が発生しやすく、寿命の劣化が起きやすくなるが、そのような六フッ化リン酸リチウムを用いた非水電解質二次電池に本発明を適用することにより、発生する酸を無機微粒子に効率的にトラップさせて、寿命(サイクル特性)の改善を図ることが可能になり、特に有意義である。
また、本発明の非水電解質二次電池は、負極充電容量Aと、正極充電容量Cの比(A/C)が1.0〜2.0の範囲にある場合に有意義である。
負極充電容量Aと、正極充電容量Cの比(A/C)が小さくなるほど、本発明の構成を備えていない非水電解質二次電池においては、寿命の劣化が大きくなる。したがって、上記のA/C比の範囲で本発明の効果は特に大きくなり、有意義である。
本発明の非水電解質二次電池は、
(a)正極活物質として、LiFe1-xxPO4(MはFe、Mn、Ni、Coからなる群より選ばれる少なくとも1種)で表されるオリビン構造を有する正極活物質が用いられており、
(b)膜厚が4.0〜20μmの範囲にある多孔質絶縁層が正極と負極の間に介在するとともに、多孔質絶縁層が、正極と負極の少なくとも一方に形成されており、
(c)正極活物質は、平均粒子径D50が0.10〜10μm、D90が3.0〜30μmの範囲にあり、かつ、
(d)正極活物質の平均粒子径D50の値を多孔質絶縁層に含まれる無機微粒子の平均粒子径D50の値で除した値(粒径比)が0.025以上である
という要件を備えているので、オリビン構造を有する正極活物質を用いた正極(以下、「オリビン系正極]ともいう)をハイパワー型電池に使用する場合の寿命(サイクル特性)を向上させることができる。
本発明の実施形態(実施形態1)にかかる非水電解質二次電池(電池素子)の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態1にかかる非水電解質二次電池(電池素子)(実施例1)と、比較例とについて行ったサイクル試験の結果を示す図である。 本発明の実施形態2にかかる非水電解質二次電池(電池素子)(実施例2)と、比較例とについて行ったサイクル試験の結果を示す図である。 本発明の他の実施形態(実施形態3)にかかる非水電解質二次電池(電池素子)の構成を模式的に示す図である。 本発明のさらに他の実施形態(実施形態3)にかかる非水電解質二次電池(電池素子)と、比較例とについて行ったサイクル試験の結果を示す図である。 本発明のさらに他の実施形態(実施形態4)にかかる非水電解質二次電池(電池素子)(実施例4の評価試料1〜5、ただし、評価試料2は本発明の要件を備えていない試料)について行ったサイクル試験の結果を示す図である。
発明の具体的な実施の形態を示す前に、まず、本発明の構成の概要について説明する。
本発明の非水電解質二次電池において正極活物質として用いられている、LiFe1-xxPO4(MはFe、Mn、Ni、Coからなる群より選ばれる少なくとも1種)で表されるオリビン構造を有する正極活物質は、リン酸化物であるため、高温でも酸素の離脱は起こりにくく、リチウムイオン二次電池に使用される正極活物質の中では特に安全な正極活物質である。
しかし、LiFePO4で表されるオリビン型リン酸鉄リチウムの鉄は、従来技術の欄においても述べたように、例えば電解液中に発生する酸によって容易に溶出し、負極表面で還元されて析出する。そして、析出した鉄を起点にSEI(固体電解質層)の過剰生成がおこり、電池容量は低下する。これに対し、オリビン酸鉄リチウムの表面を炭素材料でコートすることで、鉄の溶出を抑制することが可能になり、上述のような異常な容量の低下が起こることを防止することができる。
ところで、高充放電レートで使用するハイパワー型のリチウムイオン二次電池では、電極活物質は微粒になるほど有利である。これは電池反応が可能な電極活物質の表面積が増大して抵抗が低下するためである。具体的には、例えばオリビン型リン酸鉄リチウムの場合、平均粒子径D50が0.1〜10μmかつD90が3.0〜30μmを満たすことが望ましい。
しかし、この範囲まで微粒にすると、電極活物質の表面にくまなく炭素コートを行うことが困難になる。そして、電極活物質の露出した箇所を起点として鉄イオンが溶出し、SEIの過剰成長が負極上で発生して、電池の寿命に深刻な影響を及ぼす。特にこの副反応は高温、高SOC(充電率)条件下で顕著になる。電池の寿命の異常な劣化は、SEI形成時にLiイオンが還元されて消費され、容量が低下すること、SEIの過剰形成により電極の抵抗が増大することによる。ハイパワーを実現するためには、炭素コートをできる限り薄くして、低抵抗にすることが有効であるが、炭素コートを薄くすると、炭素コートに欠陥が発生しやすくなり、欠陥が生じないように炭素コートしようとすると、炭素コートが厚くなって電極活物質の抵抗が高くなり、高レートの充放電に対応することができなくなる。そのため、ハイパワーと長寿命を両立させることは困難であるのが実情である。
また、例えば、二次粒子を解砕することによって粒径を小さくし、比表面積を大きくすることで、高レートでの充放電に対応するということは一般的に用いられる手法であるが、二次粒子の解砕によって現れた新面に炭素コートが存在せず、また、解砕時に炭素コートがはがれることにより、低抵抗の実現と引き換えに深刻な寿命の劣化を引き起こすことがあるため、オリビン系正極に適用することは困難である。
このような理由から、オリビン系正極を用いたハイパワーなリチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池では、寿命(サイクル特性)の改善を炭素コートのみで達成することはできない。また、オリビン系正極は特に酸に対して構造変化が起こりやすいので、オリビン系正極以外の他の正極を用いる系で行われるような酸に対する対策では、オリビン系正極を用いたハイパワーなリチウムイオン二次電池の寿命(サイクル特性)の改善を図るには、不十分である。
また、正極と負極の間に無機微粒子を含む多孔質絶縁層を設けると、発生した酸(H+)は無機微粒子によりトラップされ、鉄イオンの溶出が抑制される。そして、この酸のトラップ効果は無機微粒子の粒径が小さくなるほど大きくなる。そこで、本発明の非水電解質二次電池では、オリビン構造を有する正極活物質の平均粒子径D50を、無機微粒子の平均粒子径D50で除した値(粒径比)が0.025(例えばオリビン型リン酸鉄リチウム(LFP)の平均粒子径D50:0.10μm、無機微粒子の平均粒子径D50:4.0μm)以上となるようにしている。上記粒径比がこの範囲にあるときに、電解液中の酸を効率よくトラップすることができる。
なお、本発明における多孔質絶縁層は、塗布法により形成されることから、正極と負極の間に介在する多孔質絶縁層は、正極と負極の少なくとも一方の表面に塗布形成されることになる。
なお、粒径比の値が0.025未満になるのは、正極活物質の粒径が小さくなり過ぎるか、あるいは多孔質絶縁層の無機微粒子の粒径が大きくなり過ぎた場合である。正極活物質の粒径が小さくなり過ぎると、オリビン型リン酸鉄リチウム(LFP)からの鉄イオンの溶出が起こりやすくなるので寿命の劣化が大きくなる。また無機微粒子の粒径が大きくなり過ぎると、比表面積が小さくなり、十分な酸のトラップ効果が得られなくなる。さらに無機微粒子の粒径が大きくなると、多孔質絶縁層の膜厚方向に占める無機微粒子の粒子数が減少することから電子絶縁性に不利になる。
特に多孔質絶縁層(セラミックセパレータ)のみで絶縁層を構成する場合、電子絶縁性を確保するためには多孔質絶縁層の膜厚を大きくする必要があり、抵抗が増大するため、ハイパワー型電池には適用することが困難である。
したがって、本発明においては、正極活物質の平均粒子径D50を無機微粒子の平均粒子径D50で除した値(粒径比)が0.025以上であることが必要になる。
また、多孔質絶縁層の膜厚は4.0〜20.0μmであることが望ましい。膜厚がこの範囲より薄いと、十分な酸のトラップが困難になり、寿命は低下する。また、膜厚がこの範囲より厚いと、抵抗の増大により高レートの充放電に対応することができなくなる。
電解液中に発生する酸はHFのような強酸であり、無機微粒子は相対的に塩基であるので一定のトラップ効果を発揮する。無機微粒子による酸のトラップ効果は、無機微粒子が塩基性であるほど大きくなるので、無機微粒子は、塩基解離指数pKbが10以下のものであることが望ましい。塩基解離指数pKbが10以下の材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、ベーマイト、チタン酸バリウム、チタニアなどが挙げられる。
また、無機微粒子の塩基解離指数pKbが7以下であれば、さらに酸のトラップ効果が大きくなり、寿命を向上させることができる。塩基解離指数pKbが7以下の材料としては、例えば、アルミナ、ベーマイト、チタン酸バリウム、チタニアなどが挙げられる。
なお、pKbは滴定法によって求められる値である。
さらに無機微粒子は、比表面積(SSA)が0.60〜20m2/gの範囲にあるものを用いることが望ましい。比表面積が0.60〜20m2/gの範囲にあれば十分に酸をトラップすることができる。
多孔質絶縁層は電極(正極または負極)上に形成されていることが望ましい。これにより酸をトラップできる範囲が広がり、寿命が向上する。すなわち、電極上に形成された多孔質絶縁層は、一定量電極内部に浸透するため、広い範囲に形成され、浸透した多孔質絶縁層(無機微粒子)による酸のトラップ効果が大きくなり、寿命の向上に寄与する。
また、多孔質絶縁層形成前の電極(正極または負極))に存在する空隙のうち、体積分率で5〜50%を多孔質絶縁層が占めることが望ましい。また、10〜40%を多孔質絶縁層がしめることがさらに好ましい。空隙の割合が上述の範囲よりも小さい場合、無機微粒子による酸のトラップ効果が不十分になり、SEIの過剰成長が起こりやすくなる。また、空隙の割合が上述の範囲よりも大きい場合、電極活物質間の接触を妨げ、抵抗が高くなるので高レートの充放電に不利になる。
多孔質絶縁層は正極、負極のいずれに設けても寿命の改善に有効であるが、特に負極表面に設けることが望ましい。先に述べたようにオリビン系正極を用いた非水電解質二次電池におけるサイクル特性の劣化は、SEIの過剰成長を原因とする。充放電による負極の膨張収縮で負極活物質の構造が変化すると、新たに露出した負極活物質がSEI成長の起点となりサイクル特性が低下する。しかし、負極上に多孔質絶縁層を設けた場合、負極表面および負極の空隙内に多孔質絶縁層が形成されるため、充放電による膨張収縮による構造変化が抑制される。これにより、SEIの形成されていない負極活物質面の露出が生じにくくなって、SEIの形成が抑制される。
本発明の非水電解質二次電池において、多孔質絶縁層を構成する材料の、Λ(=PVC/CPVC)は1.1〜1.5の範囲にあることが望ましい。Λが大きくなるほど、多孔質絶縁層は脆くなるので、負極の構造変化を抑制するにはΛは小さいほうが有利である。一方、Λが小さくなると、多孔質絶縁層の抵抗が高くなり、高レートの充放電には適さないものとなる。よってハイパワーかつ長寿命を達成する見地から、Λの範囲は、1.1〜1.5の範囲に規定される。
また、酸の発生は電解質にLiPF6を用いたとき特に問題となる。LiPF6がLiFとPF5に解離する反応は平衡反応であり、常にPF5はセル内に存在する。PF5は非常に強いルイス酸であり、ルイス塩基と反応する。電解液に用いられる鎖状カーボネート、環状カーボネートはいずれもルイス塩基であり、PF5との反応は起こりうる。そして、この反応により、H+が生成し酸性となることから、上述のような問題を生じやすいが、本発明によりその問題を抑制することが可能になる。したがって、電解質にLiPF6を用いたとき、本発明の構成は特に有意義となる。
また、負極の膨張収縮が大きくなるほどSEIの過剰成長が起こりやすくなるが、この傾向は負極充電容量Aと正極充電容量Cの比(A/C)が2.0以下で特に問題になる。よって負極充電容量Aと正極充電容量Cの比(A/C)が2.0以下である場合に、本発明の構成は特に有意義である。
上述したように、本発明の構成を採用することにより、安全なオリビン系正極を用いた非水電解質二次電池(特にリチウムイオン二次電池)において、高レートでの充放電を行うことが可能になるとともに、長寿命を達成することが可能になる。
以下に本発明の実施の形態を示して、本発明の特徴とするところを詳しく説明する。
[実施形態1]
<非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)の作製>
(工程1)正極活物質スラリーの作製
500mLのポットに、住友大阪セメント製のリン酸鉄リチウム(オリビン型リン酸リチウム)(D50=15.6μm、D90=32.3μm)80g、電気化学工業製アセチレンブラック12g(HS−100)、N−メチルピロリドン(以下NMP)100gを入れた。さらに直径2mmのPSZ製粉砕メディアを入れ、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し、分散を行った。その後、クレハ製ポリフッ化ビニリデン(#7208)の10質量%NMP溶液を40g加えて、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し正極活物質用スラリーを作製した。解砕後の粒径はD50=0.842μm、D90=3.06μmであった。
(工程2)負極活物質スラリーの作製
三菱化学製のグラファイト(GTR6、D50=11.0μm)85g、NMP100g、クレハ製ポリフッ化ビニリデン(#7305)の10質量%NMP溶液53gを配合し、プラネタリーミキサーで撹拌して負極活物質用スラリーを作製した。
(工程3)正極の作製
工程1で作製した正極活物質用スラリーを東海東洋アルミ製アルミ箔(厚さ20μm)からなる正極集電体箔上にダイコータで塗工し、乾燥後プレスすることで正極を作製した。
(工程4)負極の作製
工程2で作製した負極活物質用スラリーを日本製箔製圧延銅箔(厚さ10μm)からなる負極集電体箔上にダイコータで塗工し、乾燥後プレスすることで負極を作製した。
(工程5)多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)の形成
500mLのポットに球状シリカ粉末(電気化学工業(株)製、平均粒子径(D50)0.3μm)100gと、溶剤としてメチルエチルケトン80gを投入した。さらに直径5mmのPSZ製粉砕メディアを入れ、転動ボールミルを用いて150rpmで16時間混合し、分散を行った。その後、PVDF−HFP(Kynar製 #2850)のバインダ溶液(20質量%NMP溶液)96.5gを入れて、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し、PVC70%(Λ:1.27、CPVC:55%)の多孔質絶縁層用スラリーを作製した。作製した多孔質絶縁層用スラリーを工程4で作製した負極上にバーコーターで塗工した後、溶媒を乾燥させて膜厚15μmの多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)を形成した。
なお、解砕後の球状シリカ粉末のSSAは13.4m2/g、解砕後の球状シリカ粉末のD50=0.201μmである。
したがって、正極活物質の平均粒子径D50を前記無機微粒子の平均粒子径D50で除した値は、この実施形態1の場合4.2である。
すなわち、(正極活物質の解砕後の粒径D50:0.842μm)/(無機微粒子(球状シリカ粉末)の解砕後の粒径D50:0.201μm)=4.2。
また、多孔質絶縁層形成前における負極中の空隙体積のうち24%は、多孔質絶縁層が占めた。
(工程6)電極のカット、引き出し電極の形成
工程3で作製した正極を、4.5cm角の電池反応部分と正極集電箔の露出したタブ取り付け部が得られるようにカットし、さらに正極集電箔の露出したタブ取り付け部にアルミタブを取り付け、引き出し電極とした。
また、工程5で作製した多孔質絶縁層を有する負極を、4.8cm角の電池反応部分と負極集電箔の露出したタブ取り付け部が得られるようにカットし、さらに負極集電箔の露出したタブ取り付け部にニッケルタブを取り付け、引き出し電極とした。
(工程7)リチウムイオン二次電池セルの作製
図1に示すように、上記の工程で作製した引き出し電極を備えた1枚の正極1と、引き出し電極を備え、表面に多孔質絶縁層11が形成された1枚の負極2とを対向させることにより、1対の電極(正極1と負極2)の間に、多孔質絶縁層11が配設された構造を有する電池素子20を作製した。
そして、作製した電池素子を2枚のラミネートで挟み、3辺をインパルスシーラーにより熱圧着することでラミネートのパッケージを作製した。次にラミネートの開口部から電解液を注液した。エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の体積比3:7混合溶媒に1Mになるように六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を溶解させた電解液を使用した。最後にラミネートパッケージの開口部分を真空シールすることでリチウムイオン二次電池セル(非水電解質二次電池セル)を得た。なお、上述のようにして作製したリチウムイオン二次電池セルのA/C比(負極充電容量Aと正極充電容量Cの比)は1.42である。
(工程8)初期充放電
SEIの形成、不純物の除去のため、上述のようにして作製したリチウムイオン二次電池セルに対して、初期充放電を行った。初期充放電の充放電プロファイルは、以下の表1に示す通りである。
Figure 2015232930
(工程9)デガス
それから、ラミネートセルの上端部を切断しパッケージを開封した後、再度真空シールを行って、初期充放電によって発生した気体を除去した。
<比較例のリチウムイオン二次電池セルの作製>
なお、比較のため、上記工程5における多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)の形成は行わずに、市販のシート状の多孔質ポリオレフィンセパレータ(多孔質絶縁膜)を用いて正極と負極の絶縁を行ったリチウムイオン二次電池セル(比較例)を作製した。なお、この比較例で用いたシート状の多孔質ポリオレフィンセパレータは、セルガード製セルガード2325である。
なお、正極1枚と負極1枚とを対向させるにあたり、この比較例では、市販のシート状の多孔質ポリオレフィンセパレータを介して上記正極1枚と上記負極1枚とを対向させるようにした。
したがって、この比較例のリチウムイオン二次電池セルは、セパレータとして、市販の多孔質ポリオレフィンセパレータを用いたことを除いて、上記実施形態1のリチウムイオン二次電池セルと同一の構造を有するリチウムイオン二次電池セルである。
<サイクル試験>
上述のようにして作製したセル(リチウムイオン二次電池セル(実施例1の試料および比較例の試料)の寿命劣化挙動を調べるためにサイクル試験を行った。サイクル試験の充放電プロファイルを以下の表2に示す。また、サイクル試験の結果を図2に示す。
Figure 2015232930
<抵抗の測定>
オリビン酸鉄リチウムを正極に使用したハイパワー型のリチウムイオン二次電池セルにおける寿命の異常な劣化は、SEIの過剰成長が主たる原因である。したがって、寿命の異常な劣化を示すセルは電極の抵抗が著しく大きくなる傾向がある。そこで、サイクル試験による各リチウムイオン二次電池セルの寿命の劣化を評価するため、作製したリチウムイオン二次電池セル(実施例1の試料および比較例の試料)の電極内部抵抗を、100サイクル経過ごとに測定した。電極内部抵抗は、予めSOC50%充電を行った後、交流インピーダンス測定を行い、得られた結果をナイキストプロットによる等価回路の抵抗解析を行うことにより求めた。結果を表3に示す。
Figure 2015232930
表3に示すように、本発明の実施形態にかかるリチウムイオン二次電池セル(実施例1)の場合、100サイクル経過後の抵抗が0.3854Ω、200サイクル経過後の抵抗が1.6142Ωと低く、電池の寿命が改善されることが確認された。本発明の実施例1のリチウムイオン二次電池セルの場合、電極抵抗の増大が抑えられていることから、SEIの異常な成長が抑制されていることがわかる。また、負極上に形成した多孔質絶縁層が負極の充放電による構造変化を抑制したことも寿命の向上に寄与したものと考えられる。
これに対し、多孔質ポリオレフィンセパレータを用いて正極と負極を絶縁した比較例のリチウムイオン二次電池セルの場合、100サイクル経過後の抵抗が3.2494Ωにまで上昇しており、SEIの異常な成長があること、寿命が短いことが確認された。
[実施形態2]
(工程1)正極活物質スラリーの作製
500mLのポットに、住友大阪セメント製のリン酸鉄リチウム(D50=15.6μm、D90=32.3μm)80g、電気化学工業製アセチレンブラック12g(HS−100)、N−メチルピロリドン(以下NMP)100gを入れた。さらに直径2mmのPSZ製粉砕メディアを入れ、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し、分散を行った。その後、クレハ製ポリフッ化ビニリデン(#7208)の10質量%NMP溶液を40g加えて、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し正極活物質用スラリーを作製した。解砕後の粒径はD50=0.842μm、D90=3.06μmであった。
(工程2)負極活物質スラリーの作製
三菱化学製のグラファイト(GTR6、D50=11.0μm)85g、NMP100g、クレハ製ポリフッ化ビニリデン(#7305)の10質量%NMP溶液53gを配合し、プラネタリーミキサーで撹拌して負極活物質用スラリーを作製した。
(工程3)正極の作製
工程1で作製した正極活物質用スラリーを東海東洋アルミ製アルミ箔(厚さ20μm)からなる正極集電体箔上にダイコータで塗工し、乾燥後プレスすることで正極を作製した。
(工程4)負極の作製
工程2で作製した負極活物質用スラリーを日本製箔製圧延銅箔(厚さ10μm)からなる負極集電体箔上にダイコータで塗工し、乾燥後プレスすることで負極を作製した。
(工程5)多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)の形成
500mLのポットに球状アルミナ粉末(電気化学工業(株)製、平均粒子径(D50)0.3μm)100g、溶剤としてNMP80gとを投入した。さらに直径5mmのPSZ製粉砕メディアを入れ、転動ボールミルを用いて150rpmで16時間混合し、分散を行った。その後、PVDF−HFP(Kynar製 #2850)のバインダ溶液(20質量%NMP溶液)96.5gを入れて、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し、PVC70%(Λ:1.20、CPVC:58%)の多孔質絶縁層用スラリーを作製した。作製した多孔質絶縁層用スラリーを工程4で作製した負極上にバーコーターで塗工した後、溶媒を乾燥させて膜厚15μmの多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)を形成した。
なお、解砕後の球状アルミナ粉末のSSAは15.7m2/g、解砕後の球状アルミナ粉末のD50=0.188μmである。
したがって、正極活物質の平均粒子径D50を前記無機微粒子の平均粒子径D50で除した値は、この実施形態2の場合4.5である。
すなわち、(正極活物質の解砕後の粒径D50:0.842μm)/(無機微粒子(球状アルミナ粉末)の解砕後の粒径D50:0.188μm)=4.5。
また、多孔質絶縁層形成前における負極中の空隙体積のうち27%は、多孔質絶縁層が占めた。
(工程6)電極のカット、引き出し電極の形成
工程3で作製した正極を、4.5cm角の電池反応部分と正極集電箔の露出したタブ取り付け部が得られるようにカットし、さらに正極集電箔の露出したタブ取り付け部にアルミタブを取り付け、引き出し電極とした。
また、工程5で作製した多孔質絶縁層を有する負極を、4.8cm角の電池反応部分と負極集電箔の露出したタブ取り付け部が得られるようにカットし、さらに負極集電箔の露出したタブ取り付け部にニッケルタブを取り付け、引き出し電極とした。
(工程7)リチウムイオン二次電池セルの作製
図1に示すように、上記の工程で作製した引き出し電極を備えた1枚の正極1と、引き出し電極を備え、表面に多孔質絶縁層11が形成された1枚の負極2とを対向させ、1対の電極(正極1と負極2)の間に、多孔質絶縁層11が配設された構造を有する電池素子20を作製した。
そして、作製した電池素子を2枚のラミネートで挟み、3辺をインパルスシーラーにより熱圧着することでラミネートのパッケージを作製した。次にラミネートの開口部から電解液を注液した。エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の体積比3:7混合溶媒に1Mになるように六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を溶解させた電解液を使用した。最後にラミネートパッケージの開口部分を真空シールすることで非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)セルを得た。なお、上述のようにして作製したリチウムイオン二次電池セルのA/C比(負極充電容量Aと正極充電容量Cの比)は1.42である。
(工程8)初期充放電
SEIの形成、不純物の除去のため、上述のようにして作製したリチウムイオン二次電池セルに対して、初期充放電を行った。初期充放電の充放電プロファイルは、上記実施形態1の場合(表1参照)と同じである。
(工程9)デガス
それから、ラミネートセルの上端部を切断しパッケージを開封した後、再度真空シールを行って、初期充放電によって発生した気体を除去した。
<比較例のリチウムイオン二次電池セルの作製>
なお、比較のため、上記工程5における多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)の形成は行わずに、市販のシート状の多孔質ポリオレフィンセパレータを用いて正極と負極の絶縁を行ったリチウムイオン二次電池セル(比較例)を作製した。なお、この比較例で用いたシート状の多孔質ポリオレフィンセパレータは、セルガード製セルガード2325である。
なお、正極1枚と負極1枚とを対向させるにあたっては、この比較例では、市販のシート状の多孔質ポリオレフィンセパレータを介して上記正極1枚と上記負極1枚とを対向させるようにした。
したがって、この比較例のリチウムイオン二次電池セルは、セパレータとして、シート状の多孔質ポリオレフィンセパレータを用いたことを除いて、上記実施形態2のリチウムイオン二次電池セルと同一の構造を有するリチウムイオン二次電池セルである。
<サイクル試験>
上述のようにして作製したリチウムイオン二次電池セル(実施例2の試料および比較例の試料)の寿命劣化挙動を調べるために、サイクル試験を行った。サイクル試験の充放電プロファイルは上記実施形態1の場合と同様とした(表2参照)。
また、サイクル試験の結果を図3に示す。
<抵抗の測定>
オリビン酸鉄リチウムを正極に使用したハイパワー型のリチウムイオン二次電池における寿命の異常な劣化は、SEIの過剰成長が原因である。したがって、異常な劣化をするセルは電極の抵抗が著しく大きくなる傾向が出る。このことは、実施形態2で作製したリチウムイオン二次電池の場合も同様である。
そこで、サイクル試験によるリチウムイオン二次電池セルの寿命の劣化を評価するため、作製したリチウムイオン二次電池セル(実施例2の試料および比較例の試料)の電極内部抵抗を、100サイクル経過ごとに測定した。電極内部抵抗は、予めSOC50%充電を行った後、交流インピーダンス測定を行い、得られた結果をナイキストプロットによる等価回路の抵抗解析を行うことにより求めた。結果を表4に示す。
Figure 2015232930
表4に示すように、多孔質絶縁層を形成する無機微粒子として、塩基性の高いアルミナ微粒子を用いた場合、上述の実施形態1の無機微粒子としてシリカ微粒子を用いた場合よりも、さらに電池の寿命が改善されることが確認された。これは、塩基性の高い(シリカよりも高い)アルミナ微粒子により、電解液中に発生する酸がさらに効率的にトラップされ、SEIの過剰成長が十分に抑制されたことによるものであると考えられる。
[実施形態3]
(工程1)正極活物質スラリーの作製
500mLのポットに、住友大阪セメント製のリン酸鉄リチウム(D50=15.6μm、D90=32.3μm)80g、電気化学工業製アセチレンブラック12g(HS−100)、N−メチルピロリドン(以下NMP)100gを入れた。さらに直径2mmのPSZ製粉砕メディアを入れ、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し、分散を行った。その後、クレハ製ポリフッ化ビニリデン(#7208)の10質量%NMP溶液を40g加えて、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し正極活物質用スラリーを作製した。解砕後の粒径はD50=0.842μm、D90=3.06μmであった。
(工程2)負極活物質スラリーの作製
三菱化学製のグラファイト(GTR6、D50=11.0μm)85g、NMP100g、クレハ製ポリフッ化ビニリデン(#7305)の10質量%NMP溶液53gを配合し、プラネタリーミキサーで撹拌して負極活物質用スラリーを作製した。
(工程3)正極の作製
工程1で作製した正極活物質用スラリーを東海東洋アルミ製アルミ箔(厚さ20μm)からなる正極集電体箔上にダイコータで塗工し、乾燥後プレスすることで正極を作製した。
(工程4)負極の作製
工程2で作製した負極活物質用スラリーを日本製箔製圧延銅箔(厚さ10μm)からなる負極集電体箔上にダイコータで塗工し、乾燥後プレスすることで負極を作製した。
(工程5)多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)の形成
500mLのポットに球状アルミナ粉末(電気化学工業(株)製、平均粒子径(D50)0.3μm)100gと、溶剤としてNMP80gを投入した。さらに直径5mmのPSZ製粉砕メディアを入れ、転動ボールミルを用いて150rpmで16時間混合し、分散を行った。その後、PVDF−HFP(Kynar製 #2850)のバインダ溶液(20質量%NMP溶液)96.5gを入れて、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し、PVC70%(Λ:1.20、CPVC:58%)の多孔質絶縁層用スラリーを作製した。作製した多孔質絶縁層用スラリーを工程4で作製した負極上にバーコーターで塗工した後、溶媒を乾燥させて膜厚6μmの多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)を形成した。
なお、解砕後の球状シリカ粉末のSSAは15.7m2/g、解砕後の球状シリカ粉末のD50=0.188μmである。
したがって、正極活物質の平均粒子径D50を前記無機微粒子の平均粒子径D50で除した値は、この実施形態2の場合4.5である。
すなわち、(正極活物質の解砕後の粒径D50:0.842μm)/(無機微粒子(球状シリカ粉末)の解砕後の粒径D50:0.188μm)=4.5。
また、多孔質絶縁層形成前における負極中の空隙体積のうち27%は、多孔質絶縁層が占めた。
(工程6)電極のカット、引き出し電極の形成
工程3で作製した正極を、4.5cm角の電池反応部分と正極集電箔の露出したタブ取り付け部が得られるようにカットし、さらに正極集電箔の露出したタブ取り付け部にアルミタブを取り付け、引き出し電極とした。
また、工程5で作製した多孔質絶縁層を有する負極を、4.8cm角の電池反応部分と負極集電箔の露出したタブ取り付け部が得られるようにカットし、さらに負極集電箔の露出したタブ取り付け部にニッケルタブを取り付け、引き出し電極とした。
(工程7)リチウムイオン二次電池セルの作製
図4に示すように、上記の工程で作製した引き出し電極を備えた1枚の正極1と、引き出し電極を備え、表面に多孔質絶縁層11が形成された1枚の負極2とを、セルガード製セルガード2325(シート状の多孔質ポリオレフィンセパレータ)12を介して対向させ、1対の電極(正極1と負極2)間に、多孔質絶縁層(セラミックセパレータ)11と多孔質ポリオレフィンセパレータ12が配設された構造を有する電池素子20を作製した。
そして、作製した電池素子を2枚のラミネートで挟み、3辺をインパルスシーラーにより熱圧着することでラミネートのパッケージを作製した。次にラミネートの開口部から電解液を注液した。エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の体積比3:7混合溶媒に1Mになるように六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を溶解させた電解液を使用した。最後にラミネートパッケージの開口部分を真空シールすることで非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)セルを得た。なお、上述のようにして作製したリチウムイオン二次電池セルのA/C比(負極充電容量Aと正極充電容量Cの比)は1.42である。
(工程8)初期充放電
SEIの形成、不純物の除去のため、上述のようにして作製したリチウムイオン二次電池セルに対して、初期充放電を行った。初期充放電の充放電プロファイルは、上記実施形態1の場合(表1参照)と同じである。
(工程9)デガス
それから、ラミネートセルの上端部を切断しパッケージを開封した後、再度真空シールを行って、初期充放電によって発生した気体を除去した。
<比較例のリチウムイオン二次電池セルの作製>
なお、比較のため、上記工程5における多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)の形成は行わずに、市販のシート状の多孔質ポリオレフィンセパレータを用いて正極と負極の絶縁を行ったリチウムイオン二次電池セル(比較例)を作製した。なお、この比較例で用いたシート状の多孔質ポリオレフィンセパレータは、セルガード製セルガード2325である。
なお、上記工程7で、正極1枚と負極1枚とを対向させるにあたっては、この比較例では、シート状の多孔質ポリオレフィンセパレータを介して上記正極1枚と上記負極1枚とを対向させるようにした。
<サイクル試験>
上述のようにして作製したリチウムイオン二次電池セル(実施例3の試料および比較例の試料)の寿命劣化挙動を調べるために、サイクル試験を行った。サイクル試験の充放電プロファイルは上記実施形態1の場合と同様とした(表2参照)。
また、サイクル試験の結果を図5に示す。
<抵抗の測定>
オリビン酸鉄リチウムを正極に使用したハイパワー型のリチウムイオン二次電池における寿命の異常な劣化は、SEIの過剰成長が原因である。したがって、異常な劣化をするセルは電極の抵抗が著しく大きくなる傾向が出る。このことは、実施形態3で作製したリチウムイオン二次電池の場合も同様である。
そこで、サイクル試験によるリチウムイオン二次電池セル(実施例3の試料および比較例の試料)の寿命の劣化を評価するため、作製したリチウムイオン二次電池セルの電極内部抵抗を、100サイクル経過ごとに測定した。電極内部抵抗は、予めSOC50%充電を行った後、交流インピーダンス測定を行い、得られた結果をナイキストプロットによる等価回路の抵抗解析を行うことにより求めた。結果を表5に示す。
Figure 2015232930
表5に示すように、多孔質絶縁層と市販のシート状の多孔質ポリオレフィンセパレータを併用したリチウムイオン二次電池セル(実施例3)は、多孔質ポリオレフィンセパレータのみを用いた比較例のリチウムイオン二次電池セル(比較例)に比べて、寿命が大幅に向上することが確認された。これは、アルミナを用いた多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)により、電解液中に発生する酸を効率的にトラップし、SEIの過剰成長を抑制することができたことによるものである。
なお、この実施形態3のリチウムイオン二次電池セルの場合、アルミナを用いた多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)と、多孔質ポリオレフィンセパレータ(多孔質絶縁膜)とを併用していることから、セパレータ全体としての抵抗を低く抑えるために、アルミナを用いた多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)の膜厚を小さくしているが、寿命の向上効果に影響はなく、良好な結果を得ることができた。
[実施形態4]
(工程1)正極活物質スラリーの作製
(1)[正極1]用の正極活物質スラリーの作製
500mLのポットに、住友大阪セメント製のリン酸鉄リチウム(D50=15.6μm、D90=32.3μm)80g、電気化学工業製アセチレンブラック12g(HS−100)、N−メチルピロリドン(以下NMP)100gを入れた。さらに直径2mmのPSZ製粉砕メディアを入れ、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し、分散を行った。その後、クレハ製ポリフッ化ビニリデン(#7208)の10質量%NMP溶液を40g加えて、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し正極活物質用スラリーを作製した。解砕後の粒径はD50=0.842μm、D90=3.06μmであった。
(2)[正極2]用の正極活物質スラリーの作製
500mLのポットに、住友大阪セメント製のリン酸鉄リチウム(D50=15.6μm、D90=32.3μm)80g、電気化学工業製アセチレンブラック12g(HS−100)、N−メチルピロリドン(以下NMP)100gを入れた。さらに直径2mmのPSZ製粉砕メディアを入れ、転動ボールミルを用いて150rpmで24時間混合し、分散を行った。その後、クレハ製ポリフッ化ビニリデン(#7208)の10質量%NMP溶液を40g加えて、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し正極活物質用スラリーを作製した。解砕後の粒径はD50=0.159μm、D90=1.09μmであった。
(3)[正極3]用の正極活物質スラリーの作製
500mLのポットに、住友大阪セメント製のリン酸鉄リチウム(D50=15.6μm、D90=32.3μm)80g、電気化学工業製アセチレンブラック12g(HS−100)、N−メチルピロリドン(以下NMP)100g、クレハ製ポリフッ化ビニリデン(#7208)の10質量%NMP溶液40gを入れた。さらに直径2mmのPSZ製粉砕メディアを入れ、転動ボールミルを用いて150rpmで10分間混合し、分散を行った。その後、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し正極活物質用スラリーを作製した。解砕後の粒径はD50=9.86μm、D90=24.7μmであった。
(工程2)負極活物質スラリーの作製
三菱化学製のグラファイト(GTR6、D50=11.0μm)85g、NMP100g、クレハ製ポリフッ化ビニリデン(#7305)の10質量%NMP溶液53gを配合し、プラネタリーミキサーで撹拌して負極活物質用スラリーを作製した。
(工程3)正極の作製
工程1で作製した正極活物質用スラリーを東海東洋アルミ製アルミ箔(厚さ20μm)からなる正極集電体箔上にダイコータで塗工し、乾燥後プレスすることで正極を作製した。
(工程4)負極の作製
工程2で作製した負極活物質用スラリーを日本製箔製圧延銅箔(厚さ10μm)からなる負極集電体箔上にダイコータで塗工し、乾燥後プレスすることで負極を作製した。
(工程5)多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)の形成
(1)[多孔質絶縁層1]
500mLのポットに球状アルミナ粉末(電気化学工業(株)製、平均粒子径(D50)0.3μm)100gと、溶剤としてNMP80gを投入した。さらに直径5mmのPSZ製粉砕メディアを入れ、転動ボールミルを用いて150rpmで16時間混合し、分散を行った。その後、PVDF−HFP(Kynar製 #2850)のバインダ溶液(20質量%NMP溶液)96.5gを入れて、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し、PVC70%(Λ:1.27、CPVC:55%)の多孔質絶縁層用スラリーを作製した。作製した多孔質絶縁層用スラリーを工程4で作製した負極上にバーコーターで塗工した後、溶媒を乾燥させて膜厚15μmの多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)を形成した。
なお、多孔質絶縁層を形成するアルミナの粒径はD50=0.189μmであり、SSAは15.7m2/gである。
また、多孔質絶縁層形成前の負極中の空隙体積のうち24%は、多孔質絶縁層が占めた。
(2)[多孔質絶縁層2]
500mLのポットに球状アルミナ粉末(電気化学工業(株)製、平均粒子径(D50)0.3μm)100gと、溶剤としてNMP80gを投入した。さらに直径5mmのPSZ製粉砕メディアを入れ、転動ボールミルを用いて150rpmで48時間混合し、分散を行った。その後、PVDF−HFP(Kynar製 #2850)のバインダ溶液(20質量%NMP溶液)96.5gを入れて、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し、PVC70%(Λ:1.27、CPVC:55%)の多孔質絶縁層用スラリーを作製した。作製した多孔質絶縁層用スラリーを工程4で作製した負極上にバーコーターで塗工した後、溶媒を乾燥させて膜厚15μmの多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)を形成した。
なお、多孔質絶縁層を形成するアルミナの粒径はD50=0.178μmであり、SSAは17.2m2/gである。
また、多孔質絶縁層形成前の負極中の空隙体積のうち32%は、多孔質絶縁層が占めた。
(3)[多孔質絶縁層3]
500mLのポットに球状アルミナ粉末(昭和電工(株)製、平均粒子径(D50)20μm)100gと、溶剤としてNMP80gと、PVDF−HFP(Kynar製 #2850)のバインダ溶液(20質量%NMP溶液)96.5gとを入れて、プラネタリーミキサーを用いて混合し、PVC70%(Λ:1.27、CPVC:55%)の多孔質絶縁層用スラリーを作製した。作製した多孔質絶縁層用スラリーを工程4で作製した負極上にバーコーターで塗工した後、溶媒を乾燥させて膜厚38μmの多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)を形成した。
なお、多孔質絶縁層を形成するアルミナの粒径はD50=20.2μmであり、SSAは0.50m2/gである。
また、多孔質絶縁層形成前の負極中の空隙体積のうち7%は、多孔質絶縁層が占めた。
(4)[多孔質絶縁層4]
500mLのポットに球状アルミナ粉末(電気化学工業(株)製、平均粒子径(D50)8.1μm)100gと、溶剤としてNMP80gを投入した。さらに直径5mmのPSZ製粉砕メディアを入れ、転動ボールミルを用いて150rpmで16時間混合し、分散を行った。その後、PVDF−HFP(Kynar製 #2850)のバインダ溶液(20質量%NMP溶液)96.5gを入れて、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し、PVC70%(Λ:1.27、CPVC:55%)の多孔質絶縁層用スラリーを作製した。作製した多孔質絶縁層用スラリーを工程4で作製した負極上にバーコーターで塗工した後、溶媒を乾燥させて膜厚15μmの多孔質絶縁層(セラミックセパレータ層)を形成した。
なお、多孔質絶縁層を形成するアルミナの粒径はD50=6.37μmである。また、用いたアルミナのSSAは1.42m2/gである。
また、多孔質絶縁層形成前の負極中の空隙体積のうち19%は、多孔質絶縁層が占めた。
(工程6)電極のカット、引き出し電極の形成
工程3で作製した正極を、4.5cm角の電池反応部分と正極集電箔の露出したタブ取り付け部が得られるようにカットし、さらに正極集電箔の露出したタブ取り付け部にアルミタブを取り付け、引き出し電極とした。
また、工程5で作製した多孔質絶縁層を有する負極を、4.8cm角の電池反応部分と負極集電箔の露出したタブ取り付け部が得られるようにカットし、さらに負極集電箔の露出したタブ取り付け部にニッケルタブを取り付け、引き出し電極とした。
(工程7)リチウムイオン二次電池セルの作製
図1に示すように、上記の工程で作製した引き出し電極を備えた1枚の正極1と、引き出し電極を備え、表面に多孔質絶縁層11が形成された1枚の負極2とを対向させることにより、1対の電極(正極1と負極2)の間に、多孔質絶縁層11が配設された構造を有する電池素子20を作製した。
そして、作製した電池素子を2枚のラミネートで挟み、3辺をインパルスシーラーにより熱圧着することでラミネートのパッケージを作製した。次にラミネートの開口部から電解液を注液した。エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の体積比3:7混合溶媒に1Mになるように六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を溶解させた電解液を使用した。最後にラミネートパッケージの開口部分を真空シールすることで非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)セルを得た。なお、上述のようにして作製したリチウムイオン二次電池セルのA/C比(負極充電容量Aと正極充電容量Cの比)は1.42である。
作製したリチウムイオン二次電池セル(評価試料1〜5)の、正極と多孔質絶縁層の組み合わせ、および、使用した正極活物質の平均粒子径D50を無機微粒子の平均粒子径D50で除した値(粒径比)を表5に示す。
Figure 2015232930
(工程8)初期充放電
SEIの形成、不純物の除去のため、上述のようにして作製したリチウムイオン二次電池セルに対して、初期充放電を行った。初期充放電の充放電プロファイルは、上記実施形態1の場合(表1参照)と同じである。
(工程9)デガス
それから、ラミネートセルの上端部を切断しパッケージを開封した後、再度真空シールを行って、初期充放電によって発生した気体を除去した。
<サイクル試験>
上述のようにして作製したリチウムイオン二次電池セル(評価試料1〜5)の寿命劣化挙動を調べるために、サイクル試験を行った。サイクル試験の充放電プロファイルは上記実施形態1の場合と同様とした(表2参照)。
また、サイクル試験の結果を図6に示す。
図6に示すように、表5の評価試料2(使用した正極活物質の平均粒子径D50を無機微粒子の平均粒子径D50で除した値(粒径比)が0.0078である、本発明の要件(粒径比が0.025以上であるという要件)を備えていない試料)の場合、少ないサイクル数での容量の低下が著しくて好ましくないことが確認された。
一方、使用した正極活物質の平均粒子径D50を無機微粒子の平均粒子径D50 で除した値(粒径比)が0.025以上である、本発明の要件を備えている評価試料1,3,4,5の場合、容量の低下が抑制されることが確認された。
このように、多孔質絶縁層に含まれる無機微粒子の平均粒子径D50の値が大きくなり過ぎると、正極活物質の平均粒子径D50の値を無機微粒子の平均粒子径D50 で除した値(粒径比)が0.025未満になり、SEIの過剰な成長を抑制できなくなり、電池の寿命は大きく劣化する。
さらに、無機微粒子の粒径を大きくすると、多孔質絶縁層の膜厚方向における粒子数が減少して電子絶縁性が低下するため、多孔質絶縁層の膜厚を大きくすることが必要になる。しかし、多孔質絶縁層の膜厚を大きくすると抵抗が増大するため、高レートの充放電で容量の低下が起きるため、ハイパワー型の電池としては使用することが困難になる。
したがって、長寿命を維持しつつ、ハイパワー用途で使用することを可能にするためには、正極活物質の平均粒子径D50の値を多孔質絶縁層に含まれる無機微粒子の平均粒子径D50の値で除した値(粒径比)が0.025以上であるという要件を満たすことが必要となる。
なお、上記の各実施形態では、LiFe1-xxPO4で表されるオリビン構造を有する正極活物質として、MがFeであるリン酸鉄リチウムを用いたばあいを例にとって説明したが、MがFe以外の金属、例えば、Mn、Ni、Coなどである場合にも本発明を適用することが可能である。
本発明は、さらにその他の点においても、上記実施形態に限定されるものではなく、正極や負極、多孔質絶縁層などの具体的な構成材料や形成方法、ポリオレフィンセパレータなどのシート状多孔質絶縁膜の種類などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 正極
2 負極
11 多孔質絶縁層(セラミックセパレータ)
12 シート状のポリオレフィンセパレータ(多孔質絶縁膜)
20 電池素子

Claims (14)

  1. LiFe1-xxPO4(MはFe、Mn、Ni、Coからなる群より選ばれる少なくとも1種)で表されるオリビン構造を有する正極活物質と正極集電箔とを備えた正極と、
    負極活物質と負極集電箔とを備えた負極と、
    前記正極と前記負極の間に介在する、無機微粒子を含む多孔質絶縁層と、
    イオン伝導性非水電解質と
    を具備するハイパワー型の非水電解質二次電池であって、
    前記多孔質絶縁層は、前記正極と前記負極の少なくとも一方上に形成され、その膜厚が4.0〜20μmの範囲にあり、
    前記正極活物質は、平均粒子径D50が0.10〜10μm、D90が3.0〜30μmの範囲にあり、かつ、
    前記正極活物質の前記平均粒子径D50の値を前記多孔質絶縁層に含まれる前記無機微粒子の平均粒子径D50の値で除した値が0.025以上であること
    を特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記多孔質絶縁層を形成する前記無機微粒子が、塩基解離指数pKbが10以下の材料からなるものであることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記多孔質絶縁層を形成する前記無機微粒子が、シリカ、アルミナ、ベーマイト、チタン酸バリウム、チタニアからなる群より選ばれる少なくとも1種からなるものであることを特徴とする請求項1または2記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記多孔質絶縁層を形成する前記無機微粒子が、塩基解離指数pKbが7以下の材料からなるものであることを特徴とする請求項1または2記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記多孔質絶縁層を形成する前記無機微粒子が、アルミナ、ベーマイト、チタン酸バリウム、チタニアからなる群より選ばれる少なくとも1種からなるものであることを特徴とする請求項4記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記多孔質絶縁層を形成する無機微粒子の比表面積(SSA)が0.60〜20m2/gであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記多孔質絶縁層が形成されている正極および負極の、多孔質絶縁層を形成する前に存在した空隙の体積の5〜50%を、前記無機微粒子が占めていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  8. 前記多孔質絶縁層を形成されている正極および負極の、多孔質絶縁層を形成する前に存在した空隙の体積の10〜40%を、前記無機微粒子が占めていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  9. 前記多孔質絶縁層が前記負極上に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  10. 前記多孔質絶縁層の顔料体積濃度PVCの、臨界顔料体積濃度CPVCに対する比(PVC/CPVC)であるΛが、1.1〜1.5の範囲にあることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  11. 前記正極と前記負極の間に、さらにシート状の多孔質絶縁膜を備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  12. 前記多孔質絶縁膜の構成材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンの共重合体、セルロース、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  13. 前記イオン伝導性非水電解質が、六フッ化リン酸リチウムを含むものであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  14. 負極充電容量Aと、正極充電容量Cの比(A/C)が1.0〜2.0の範囲にあることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
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