JP2013243031A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性の多孔質層の含浸性と対向電極の含浸性とを適性化することで、電極体全体の含浸性を向上させて電池性能に優れる非水電解液二次電池を提供すること。
【解決手段】本発明によって提供される非水電解液二次電池において、正極64および負極84のうちの少なくとも一方の電極とセパレータ92との間には、無機材料からなるフィラーと結着材とを少なくとも含む多孔質フィラー層95が形成されており、上記多孔質フィラー層に対向する電極の電極合材層の多孔度Aは、0.45〜0.6であり、上記多孔質フィラー層の多孔度Bは、0.52〜0.65であり、上記多孔度Aおよび上記多孔度Bが、0.7B≦A≦1.07Bなる関係式を満たす。
【選択図】図3

Description

本発明は非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は、例えば、電気を駆動源として利用する車両に搭載される電源、或いはパソコンや携帯端末その他の電気製品等に用いられる電源として重要性が高まっている。特に軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、車両搭載用高出力電源として好ましい。
かかるリチウムイオン二次電池では、正極と負極との間に、両電極間の短絡を防止するためのセパレータが配置される。かかるセパレータとしては、正負極間のイオン透過性を確保するため、多数の細孔が形成されたポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等からなる樹脂シートが用いられている。
上記PEやPP等からなるセパレータは、適正な温度(例えば約130℃)でシャットダウン機能が働くという利点がある。しかし、各材質の融点で溶融して形状が変化するため、シャットダウン後もさらに電池温度が上昇するような場合には、セパレータの形状が変化(熱収縮)して内部短絡を引き起こす虞がある。
そこで、セパレータの熱収縮による内部短絡を防止するため、セパレータの表面に耐熱性の多孔層を設けることが検討されている。例えば、特許文献1には、ポリエチレンを主体とした微多孔膜の表面に空孔率が40%〜60%の耐熱性の多孔質層が形成されたセパレータが記載されている。
特開2008−300362号公報
ところで、セパレータの表面に耐熱性の多孔質層が設けられた電極体を備える非水電解液二次電池を作製する際に、該電極体を収容した電池ケース内に電解液を注入して電極体に電解液を含浸させる。上記多孔質層と該多孔質層に対向して配置された電極(以下、対向電極とする。)とでは、電解液の含浸性に差がある(例えば、電解液の移動する速度が異なる)。このため、多孔質層と対向電極との間において、気体が逃げ道を失って滞留してしまう虞がある。気体が滞留すると、該部分では電解液が含浸していないため充放電の際に反応ムラが発生してしまいリチウム析出による不具合が生じる虞がある。
そこで、本発明は、上述した課題を解決すべく創出されたものであり、その目的は、耐熱性の多孔質層の含浸性と対向電極の含浸性とを適性化することで、電極体全体の含浸性を向上させて電池性能に優れる非水電解液二次電池を提供することである。
上記目的を実現すべく、本発明により、正極および負極がセパレータを介して積層された構造を有する電極体を備えた非水電解液二次電池が提供される。即ちここで開示される非水電解液二次電池において、上記正極は、正極集電体と、該正極集電体上に形成された少なくとも正極活物質を含む正極合材層とを有しており、上記負極は、負極集電体と、該負極集電体上に形成された少なくとも負極活物質を含む負極合材層とを有しており、上記正極および負極のうちの少なくとも一方の電極と上記セパレータとの間には、無機材料からなるフィラーと結着材とを少なくとも含む多孔質フィラー層が形成されている。上記多孔質フィラー層に対向する電極の電極合材層の多孔度Aは、0.45〜0.6であり、上記多孔質フィラー層の多孔度Bは、0.52〜0.65である。上記多孔度Aおよび上記多孔度Bが以下の関係式(a):
0.7B≦A≦1.07B a);
を満たす。
なお、本明細書において「非水電解液二次電池」とは、非水電解液(典型的には、非水溶媒中に支持塩(支持電解質)を含む電解液)を備えた電池をいう。また、「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な電池一般をいい、リチウムイオン二次電池等のいわゆる化学電池ならびに電気二重層キャパシタ等の物理電池を包含する用語である。
本発明によって提供される非水電解液二次電池では、多孔質フィラー層に対向する電極(対向電極)の電極合材層の多孔度Aは0.45〜0.6であり、上記多孔質フィラー層の多孔度Bは、0.52〜0.65であり、上記多孔度Aおよび上記多孔度Bが以下の関係式(a):
0.7B≦A≦1.07B a);
を満たす。
このように、多孔質フィラー層の多孔度Bと対向電極の電極合材層の多孔度Aとを規定することによって、電極体全体の含浸性が向上される。即ち、多孔質フィラー層の含浸性が対向電極の電極合材層の含浸性よりも良好であることによって、電極体全体の含浸性が向上し、多孔質フィラー層と対向電極との間において気体が滞留する等の不具合の発生を防止することができる。これにより、電極体の全体に亘って非水電解液が良好に含浸されるため、充放電時の反応ムラによって電荷担体に由来する物質(例えば金属リチウム等の金属)の析出を防止することができる。
好ましくは、上記多孔度Aは0.5〜0.6であり、上記多孔度Bは0.57〜0.65である。かかる範囲では、電極体の全体に亘って非水電解液が良好に含浸される。
ここで開示される非水電解液二次電池の好適な一態様では、上記多孔質フィラー層に対向する電極は負極である。負極合材層において非水電解液が十分に含浸していない場合、初期充電の際に負極活物質の表面に形成されるSEI(Solid Electrolyte Interface)膜にバラツキが発生してしまい、反応ムラが発生してしまう虞がある。このため、多孔質フィラー層の多孔度と、対向電極としての負極の負極合材層の多孔度と、を上記のように規定するという本発明の構成を採用することによる効果が特に発揮され得る。
ここで開示される非水電解液二次電池の好適な他の一態様では、上記フィラーの平均粒径は、0.05μm〜1.5μmである。このことにより、良好な含浸性を有する多孔質フィラー層となり得る。
ここで開示される非水電解液二次電池の好適な他の一態様では、上記負極合材層の平均厚みは、30μm〜72μmである。かかる構成によると、良好な含浸性を有する負極合材層となり得ると共に、充放電時において反応抵抗の増加が抑制された負極合材層となり得る。
ここで開示される非水電解液二次電池の好適な他の一態様では、上記正極、負極及びセパレータはいずれも長尺なシート状に形成されており、上記電極体は、該長尺なシート状正極、負極及びセパレータが重ね合わされた電極体であって該電極体の長手方向に捲回された捲回電極体である。
好ましくは、上記負極合材層の捲回軸方向の長さは、75mm〜115mmである。上記範囲の負極合材層は、非水電解液の含浸性が良好であるため効率よく捲回電極体を製造することができる。
好ましくは、前記捲回電極体の捲回数(即ち、上記長尺なシート状正極、負極及びセパレータが重ね合わされたものを所定の回数巻いたときのその巻き数)は、25〜40である。かかる構成によると、充放電時において反応抵抗の増加が抑制された捲回電極体となり得る。
また、本発明によると、複数の単電池が相互に電気的に接続されてなる車両の駆動電源としての組電池であって、上記単電池としてここで開示されるいずれかの非水電解液二次電池が使用されていることを特徴とする組電池が提供される。上述のように、ここで開示されるいずれかの非水電解液二次電池は、充放電時(例えば、5C〜50C、好ましくは10C〜30Cのハイレート充放電時)の反応ムラが抑制されて電荷担体に由来する物質(例えば金属リチウム等の金属)の析出防止性能に優れている。このため、かかる二次電池を複数個(例えば10個以上、好ましくは40〜80個程度)相互に電気的に接続された組電池は、車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)の駆動電源として好ましく用いることができる。
また、本発明によると、他の側面として、正極集電体と該正極集電体上に形成された少なくとも正極活物質を含む正極合材層とを有する正極と、負極集電体と該負極集電体上に形成された少なくとも負極活物質を含む負極合材層とを有する負極と、上記正極および負極のうちの少なくとも一方の電極に面する側に無機材料からなるフィラーと結着材とを少なくとも含む多孔質フィラー層が形成されたセパレータと、を有する電極体を備えた非水電解液二次電池を製造する方法が提供される。即ち、ここで開示される非水電解液二次電池の製造方法は、上記多孔質フィラー層に対向する電極及び上記多孔質フィラー層として、該電極の電極合材層の多孔度Aが0.45〜0.6であり、上記多孔質フィラー層の多孔度Bが0.52〜0.65であり、上記多孔度Aおよび上記多孔度Bが以下の関係式(a):
0.7B≦A≦1.07B a);
を具備することが確認されたものを使用する。
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1中のII‐II線に沿う断面図である。 本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池の捲回電極体の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る組電池の外形を模式的に示す斜視図である。 負極合材層及び多孔質フィラー層の非水電解液の浸透時間を示すグラフである。 負極合材層の多孔度Aと多孔質フィラー層の多孔度Bとの関係を示すグラフである。 本発明に係る非水電解液二次電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識に基づいて実施することができる。
本発明によって提供される非水電解液二次電池は、上述の通り多孔質フィラー層に対向する電極の電極合材層(例えば負極の負極合材層)の多孔度A及び多孔質フィラー層の多孔度Bがそれぞれ所定の範囲内であり、且つ、多孔度Aと多孔度Bとが関係式(a):0.7B≦A≦1.07B;を満たすことによって特徴づけられる。
ここで開示される非水電解液二次電池の好適な実施形態の一つとして、リチウムイオン二次電池を例にして詳細に説明するが、本発明の適用対象をかかる種類の非水電解液二次電池に限定することを意図したものではない。例えば、他の金属イオン(例えばマグネシウムイオン)を電荷担体とする非水電解液二次電池にも適用することができる。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池10(図1参照)は、図3に示すように、正極64と、負極84と、正極64及び負極84の間に介在されたフィラー層付きセパレータ90とを備える電極体(例えば積層型の電極体或いは捲回型の電極体)50を有している。正極64は、正極集電体62の表面に少なくとも正極活物質を含む正極合材層66を備えている。また、負極84は、負極集電体82の表面に少なくとも負極活物質を含む負極合材層88を備えている。また、フィラー層付きセパレータ90は、ポリエチレン等の多孔質ポリオレフィン系樹脂からなるセパレータ92と、フィラーと結着材(バインダ)とを少なくとも含む多孔質フィラー層95とを備えている。
以下、本実施形態では、負極84とセパレータ92との間に多孔質フィラー層95が形成されている場合を例に説明するが、かかる形態に限定されない。例えば、正極64とセパレータ92との間に多孔質フィラー層95が形成されている場合や負極84とセパレータ92との間及び正極64とセパレータ92との間に多孔質フィラー層95がそれぞれ形成されている場合でもよい。
まず、ここで開示されるリチウムイオン二次電池の負極について説明する。本実施形態に係る負極84は、少なくとも負極活物質と結着材とを含む負極合材層88が負極集電体82上に形成された構成をしている。
上記負極活物質としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる材料の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料、リチウム遷移金属複合酸化物((例えば、LiTi12等のリチウムチタン複合酸化物)、リチウム遷移金属複合窒化物等が挙げられる。炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛(人工黒鉛)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)等が挙げられる。
負極活物質の平均粒径(メジアン径d50)は、例えば凡そ1μm〜50μm(通常は5μm〜30μm)の範囲内である。なお、平均粒径は、市販されている種々のレーザー回折・散乱法に基づく粒度分布測定装置によって容易に測定することができる。
また、上記負極活物質の表面を非晶質炭素膜で被覆してもよい。例えば、負極活物質にピッチを混ぜて焼くことによって、少なくとも一部が非晶質炭素膜で被覆された負極活物質を得ることができる。
上記負極合材層88に含まれる結着材としては、一般的なリチウムイオン二次電池の負極に使用される結着材と同様のものを適宜採用することができる。例えば、負極合材層88を形成するために水系のペースト状の組成物を用いる場合には、水溶性(水に溶解する)又は水分散性(水に分散する)である水性ポリマーを好ましく採用し得る。水分散性のポリマーとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類;ポリエチレンオキサイド(PEO)、酢酸ビニル共重合体等が例示される。
ここで、「水系のペースト状の組成物」とは、溶媒(分散媒)として水または水を主体とする混合溶媒(水系溶媒)を用いて調製(用意)された組成物を指す概念である。該混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶媒(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。
また、負極合材層88に含まれる増粘材としては、例えば、水溶性又は水分散性のポリマーを採用し得る。水溶性のポリマーとしては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);等が挙げられる。また、上記結着材として挙げられる材料と同様のものを適宜採用することができる。
負極合材層88は、少なくとも負極活物質及び結着材を含むペースト状の組成物(負極合材層形成用組成物)を負極集電体82の表面に塗布(塗工)して乾燥することによって形成することができる。例えば、負極活物質と結着材と増粘材とを適切な溶媒(例えば水)に分散させてなる負極合材層形成用組成物を調製する。調製した該組成物を負極集電体82に塗布し、乾燥させた後、必要に応じて圧延(プレス)する。これにより、負極集電体82と、該負極集電体82の表面上に形成された少なくとも負極活物質を含む負極合材層88を備える負極84を作製することができる。
負極合材層88の多孔度Aは0.42以上(例えば0.42〜0.65、通常は0.45〜0.6、好ましくは0.5〜0.6である。)である。多孔度Aが0.42よりも小さすぎる場合には、負極合材層88内に非水電解液が十分に含浸されない虞がある。
ここで、「多孔度」とは、負極合材層における空孔の割合(空孔率)である。例えば、「負極合材層の多孔度A」は、負極合材層の内部に形成された空孔の容積Vbと、負極合材層の見かけの体積Vaとの比(Vb/Va)である。
負極合材層の見かけの体積Vaは、例えば、負極合材層の平面視での面積Sn1と、負極合材層の厚さcとの積によって求めることができる(Va=Sn1×c)。
負極合材層の内部に形成された空孔の容積Vbは、例えば、水銀ポロシメータ(mercury porosimeter)を用いることによって測定することができる。なお、この測定方法において、「空孔」は、外部に開かれた空孔を意味している。負極合材層内の閉じられた空間は、この方法では「空孔」に含まれない。水銀ポロシメータは、水銀圧入法より多孔体の細孔分布を測定する装置である。水銀ポロシメータには、例えば、株式会社島津製作所製のオートポアIII9410を用いることができる。
負極合材層88の多孔度Aは、負極合材層88に含まれる負極活物質の平均粒径を調整すること、負極合材層を形成する際の圧延の程度(プレス圧力)を調整すること等によって適宜調整することができる。
負極合材層88の平均厚みは用途に応じて適宜選択され得るが、72μm以下(例えば凡そ30μm〜70μm、通常は凡そ50μm〜60μm)である。負極合材層88の平均厚みが72μmよりも大きすぎる場合には、充放電時に負極合材層88の厚み方向で塩濃度(本実施形態ではリチウム塩濃度)にムラが生じてしまい反応抵抗が増大する虞がある。
負極合材層88の幅方向の長さ(長手方向に直交する長さ)は、115mm以下(例えば凡そ75mm〜110mm、通常は凡そ80mm〜100mm)である。負極合材層88の幅方向の長さが115mmよりも大きすぎる場合には、負極合材層88内に非水電解液が含浸されるのに要する時間が大きくなるため、製造歩留まりが低下する虞がある。
次に、ここで開示されるフィラー層付きセパレータについて説明する。本実施形態に係るフィラー層付きセパレータ90は、ポリエチレン等の多孔質ポリオレフィン系樹脂からなるセパレータ92と、フィラーと結着材(バインダ)とを少なくとも含む多孔質フィラー層95とを備えている。多孔質フィラー層95は、典型的にはセパレータ92の表面に形成されている。
上記セパレータ92としては、リチウムイオン二次電池に用いられる従来公知のものを特に制限なく使用することができる。例えば、樹脂からなる多孔性シート(微多孔質樹脂シート)を好ましく用いることができる。ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の多孔質ポリオレフィン系樹脂シートが好ましい。例えば、PEシート、PPシート、PE層の両側にPP層が積層された三層構造(PP/PE/PP構造)の長尺なシート等を好適に使用し得る。セパレータ92の平均厚みは、例えば凡そ10μm〜30μmである。
上記多孔質フィラー層95は、無機材料からなるフィラーと結着材とを含んでおり、結着材によって無機フィラー粒子間や無機フィラー粒子とセパレータ92との間が結合されている。多孔質フィラー層95は、結着材で結合されていない部位に多数の空孔を有しており、その空孔の繋がりによって、多孔質フィラー層95内をイオン(例えばリチウムイオン)が通過し得るようになっている。また、多孔質フィラー層95は、セパレータ92よりも高い温度域(例えば凡そ300℃〜1000℃またはそれ以上)において融解しない程度の耐熱性を有する。ここで開示される多孔質フィラー層95は、耐熱性の多孔質層である。
上記多孔質フィラー層95に用いられる無機材料からなるフィラーとしては、高融点(例えば融点1000℃以上)で耐熱性に優れ、かつ電池の使用範囲内で電気化学的に安定であるものが好ましい。そのようなフィラーとしては、アルミナ(Al)、ベーマイト(Al・HO)、マグネシア(MgO)、ジルコニア(ZrO)、等の金属酸化物が例示される。これらのフィラーの一種又は二種以上を用いることができる。
上記フィラーは高融点で耐熱性に優れるため、該フィラーからなる多孔質フィラー層95をセパレータ92の少なくともいずれか一方の表面に形成することによって、セパレータ92の熱収縮(熱変形)が抑制される。フィラーの平均粒径(メジアン径d50)は、凡そ0.05μm〜1.5μmが適当であり、好ましくは凡そ0.1μm〜1μmである。
上記多孔質フィラー層95に用いられる結着材は、上記フィラー間を結合するためのものであり、該結着材を構成する材料自体は特に限定されず種々のものを幅広く使用することができる。好適例として、アクリル系ポリマーが挙げられる。アクリル系ポリマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド等のモノマーを1種類で重合した単独重合体が好ましく用いられる。また、アクリル系ポリマーは、2種以上の上記モノマーを重合した共重合体であってもよい。さらに、上記単独重合体及び共重合体の2種類以上を混合したものであってもよい。上述したアクリル系ポリマーのほかに、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン等を用いることもできる。
また、上記多孔質フィラー層95には、必要に応じて増粘材を含有することができる。かかる増粘材としては、例えば、水系溶媒を使用する場合、カルボキシメチルセルロース(CMC)やポリエチレンオキサイド(PEO)等が挙げられる。
特に限定するものではないが、多孔質フィラー層95全体に占めるフィラーの割合は凡そ90質量%以上(典型的には90質量%〜99質量%)であることが好ましく、凡そ95質量%〜99質量%であることが好ましく、凡そ97質量%〜99質量%であることが特に好ましい。フィラーの割合が少なすぎると、多孔質フィラー層95の耐熱性が低下するため、セパレータ92の熱収縮を抑制できないことがある。その一方で、フィラーの割合が多すぎると、多孔質フィラー層95中の結着材の量が相対的に減るため、多孔質フィラー95の強度が低下したりセパレータ92との密着性が低下したりすることがある。耐熱性を確保する観点からは、多孔質フィラー層95全体に占める結着材の割合は凡そ10質量%以下とすることが適当であり、通常は5質量%以下(典型的には1質量%〜5質量%)であることが好ましい。さらに、増粘材を含む組成の多孔質フィラー層95では、該多孔質フィラー層95に占める増粘材の割合を凡そ5質量%以下とすることができ、例えば2質量%以下(典型的には0.5質量%〜2質量%)であることが好ましい。
上記多孔質フィラー層95の多孔度Bは、0.52以上(例えば0.52〜0.65、通常は0.57〜0.65である。)である。このような所定の範囲内の多孔度を有することにより、良好なイオン透過性と高い機械的強度の双方を満足する多孔質フィラー層95とすることができる。また、多孔度Bが0.52よりも小さすぎる場合には、多孔質フィラー層95内への非水電解液の含浸速度が遅いため、多孔質フィラー層95と対向する電極(電極合材層)との間に気体が滞留する虞がある。
多孔質フィラー層95の多孔度Bは、多孔質フィラー層95に含まれるフィラーの平均粒径を調整すること、フィラーの形状を変えること、多孔質フィラー層95に圧延処理を施す場合にその圧延の程度(プレス圧力)を調整すること等によって適宜調整することができる。
また、多孔質フィラー層95の平均厚みは用途に応じて適宜選択され得るが、例えば、1μm〜20μm(好ましくは3μm〜10μmであり、特に好ましくは2μm〜8μmである)である。多孔質フィラー層95が薄すぎる場合は、セパレータ92の熱収縮を抑制できない虞がある。一方、多孔質フィラー層95が厚すぎる場合は、ハイレート充放電サイクル後の抵抗が増加する虞がある。
多孔質フィラー層95の形成方法について説明する。多孔質フィラー層95を形成するための多孔質フィラー層形成用組成物としては、無機材料から成るフィラー、結着材及び溶媒(例えばN‐メチルピロリドン(NMP))を混合分散したペースト状の組成物が用いられる。この組成物を、セパレータ92の表面に適当量塗布しさらに乾燥させて溶媒を除去することによって、多孔質フィラー層95を形成することができる。
ここで、負極合材層88の多孔度Aおよび多孔質フィラー層95の多孔度Bは以下の関係式(a):
0.7B≦A≦1.07B a);
を満たす。
上記多孔度Aと上記多孔度Bとが上記関係式(a)を満たすことによって、負極合材層88及び多孔質フィラー層95には非水電解液が良好に含浸される。
一方、上記負極合材層88の多孔度Aが0.7Bよりも小さい場合および、上記負極合材層88の多孔度Bが1.07Bよりも大きい場合には、負極合材層88の含浸性(例えば、非水電解液の移動する速度)と多孔質フィラー層95の含浸性とに大きな差がある。このため、かかる負極合材層88と多孔質フィラー層95とが対向して積層されている捲回電極体50に非水電解液を注入したとき、含浸性の違いによって負極合材層88と多孔質フィラー層95との間に気体(典型的には空気)が逃げ道を失って滞留してしまう虞がある。気体が滞留した部分では非水電解液が十分に含浸されないため、初期充電時に負極合材層88に含まれる負極活物質の表面に均一なSEI膜が形成されず、結果、充放電時に反応ムラが発生してしまいリチウム析出による不具合が発生し得る。
次に、ここで開示されるリチウムイオン二次電池の正極について説明する。本実施形態に係る正極64は、少なくとも正極活物質と導電材と結着材とを含む正極合材層66が正極集電体62上に形成された構成をしており、上記負極84を製造する方法と同様の方法によって作製することができる。
本実施形態に係る正極64で用いられる正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な材料であって、リチウム元素と一種または二種以上の遷移金属元素を含むリチウム含有化合物(例えばリチウム遷移金属複合酸化物)が挙げられる。例えば、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLiNiO)、リチウムコバルト複合酸化物(例えばLiCoO)、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLiMn)、或いは、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えばLiNi1/3Co1/3Mn1/3)のような三元系リチウム含有複合酸化物が挙げられる。
また、一般式がLiMPO或いはLiMVO或いはLiMSiO(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種以上の元素)等で表記されるようなポリアニオン系化合物(例えばLiFePO、LiMnPO、LiFeVO、LiMnVO、LiFeSiO、LiMnSiO、LiCoSiO)を上記正極活物質として用いてもよい。
上記導電材としては、従来この種のリチウムイオン二次電池で用いられているものであればよく、特定の導電材に限定されない。例えば、カーボン粉末やカーボンファイバー等のカーボン材料を用いることができる。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック等)、グラファイト粉末等のカーボン粉末を用いることができる。これらのうち一種又は二種以上を併用してもよい。
また、上記結着材としては、一般的なリチウムイオン二次電池の正極に使用される結着材と同様のものを適宜採用することができる。水系の溶媒を用いて組成物を調製する場合には、上記負極に使用されるものを適宜採用することができる。また、溶剤系の溶媒を用いて組成物を調製する場合には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等の有機溶媒(非水溶媒)に溶解するポリマー材料を用いることができる。溶剤系の溶媒としては、例えばN−メチルピロリドン(NMP)等が挙げられる。
上記正極集電体62としては、従来のリチウムイオン二次電池の正極に用いられている集電体と同様、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。例えば、アルミニウム材又はアルミニウム材を主体とする合金材を用いることができる。正極集電体62の形状は、負極集電体82の形状と同様であり得る。
正極合材層66の多孔度は特に限定されないが、上記導電材が少なくても正極合材層66中の電子伝導性が確保できる合材密度に設定することが好ましい。例えば正極合材層66の多孔度Aは、0.3〜0.5である。
以下、ここで開示される負極84及びフィラー層付きセパレータ90を備えるリチウムイオン二次電池10の一形態を図面を参照しつつ説明するが、本発明をかかる実施形態に限定することを意図したものではない。即ち、上記負極84及びフィラー層付きセパレータ90が採用される限りにおいて、作製されるリチウムイオン二次電池の形状(外形やサイズ)には特に制限はない。以下の実施形態では、捲回電極体50および非水電解液を角型形状の電池ケース15に収容した構成のリチウムイオン二次電池10を例にして説明する。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
図1は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池(非水電解液二次電池)10を模式的に示す斜視図である。図2は、図1中のII−II線に沿う縦断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池10は、金属製(樹脂製又はラミネートフィルム製も好適である。)の電池ケース15を備える。このケース(外容器)15は、上端が開放された扁平な直方体状のケース本体30と、その開口部20を塞ぐ蓋体25とを備える。溶接等により蓋体25は、ケース本体30の開口部20を封止している。ケース15の上面(すなわち蓋体25)には、捲回電極体50の長尺なシート状正極64と電気的に接続する正極端子60および該電極体50の長尺なシート状負極84と電気的に接続する負極端子80が設けられている。また、蓋体25には、従来のリチウムイオン二次電池のケースと同様に、電池異常の際にケース15内部で発生したガスをケース15の外部に排出するための安全弁40が設けられている。ケース15の内部には、正極64および負極84を計二枚の長尺なシート状フィラー層付きセパレータ90とともに積層して捲回し、次いで得られた捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって作製される扁平形状の捲回電極体50及び非水電解液が収容されている。
なお、上記捲回電極体50は、多孔質フィラー層95に対向する電極(例えば負極84)及び多孔質フィラー層95として、該電極(例えば負極84)の電極合材層(負極合材層88)の多孔度Aが0.45〜0.6であり、多孔質フィラー層95の多孔度Bが0.52〜0.65であり、多孔度Aおよび多孔度Bが以下の関係式(a):
0.7B≦A≦1.07B a);
を具備することが確認されたものを使用することによって形成することができる。
また、捲回電極体50の捲回数は、25〜40であることが好ましい。捲回数が40よりも大きすぎる場合には、充放電時において捲回電極体の内部と外部との温度差が大きくなるため、温度の高い捲回電極体の内部に電流が集中し局所的な反応ムラが発生する虞がある。
上記積層の際には、図2及び図3に示すように、正極64の正極合材層非形成部分63(即ち正極合材層66が形成されずに正極集電体62が露出した部分)と負極84の負極合材層非形成部分83(即ち負極合材層88が形成されずに負極集電体82が露出した部分)とがフィラー層付きセパレータ90の幅方向の両側からそれぞれはみ出すように、正極64と負極84とを幅方向にややずらして重ね合わせる。その結果、捲回電極体50の捲回方向に対する横方向において、正極64および負極84の電極合材層非形成部分63,83がそれぞれ捲回コア部分(すなわち正極64の正極合材層66と負極84の負極合材層88と二枚のフィラー層付きセパレータ90とが密に捲回された部分)から外方にはみ出ている。
図2に示すように、かかる正極合材層非形成部分63に正極端子60を接合して、上記扁平形状に形成された捲回電極体50の正極64と正極端子60とを電気的に接続する。同様に負極合材層非形成部分83に負極端子80を接合して、負極84と負極端子80とを電気的に接続する。なお、正負極端子60,80と正負極集電体62,82とは、例えば、超音波溶接、抵抗溶接等によりそれぞれ接合することができる。
上記非水電解液としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる非水電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解液は、典型的には、適当な有機溶媒(非水溶媒)に支持塩を含有させた組成を有する。上記有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等から選択される一種又は二種以上を用いることができる。また、上記支持塩(支持電解質)としては、例えば、LiPF、LiBF、LiAsF、Li(CFSON、LiCFSO等のフッ素(F)を構成元素として含むリチウム塩を用いることが好ましい。さらに上記非水電解液に、ジフルオロリン酸塩(LiPO)やリチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)を溶解させてもよい。
次に、上記リチウムイオン二次電池10を単電池とし、該単電池を複数備えてなる組電池(典型的には複数の単電池が直列に接続されてなる組電池)200の一例を説明する。
図4に示すように、この組電池200は、複数個(典型的には10個以上、好ましくは40〜80個程度、例えば50個)のリチウムイオン二次電池(単電池)10を、それぞれの正極端子60および負極端子80が交互に配置されるように一つずつ反転させつつ、電池ケース15の幅広な面が対向する方向(積層方向)に配列されている。当該配列された単電池10間には、所定形状の冷却板110が挟み込まれている。この冷却板110は、使用時に各単電池10内で発生する熱を効率よく放散させるための放熱部材として機能するものであって、好ましくは単電池10間に冷却用流体(典型的には空気)を導入可能な形状(例えば、長方形状の冷却板の一辺から垂直に延びて対向する辺に至る複数の平行な溝が表面に設けられた形状)を有する。熱伝導性の良い金属製もしくは軽量で硬質なポリプロピレンその他の合成樹脂製の冷却板が好適である。
上記配列させた単電池10および冷却板110の両端には、一対のエンドプレート(拘束板)120,120が配置されている。また、上記冷却板110とエンドプレート120との間には、長さ調整手段としてのシート状スペーサ部材150を一枚又は複数枚挟み込んでいてもよい。上記配列された単電池10、冷却板110およびスペーサ部材150は、両エンドプレート120,120の間を架橋するように取り付けられた締め付け用の拘束バンド130によって、該積層方向に所定の拘束圧が加わるように拘束されている。より詳しくは、拘束バンド130の端部をビス155によりエンドプレート120に締付且つ固定することによって、上記単電池等は、その配列方向に所定の拘束圧が加わるように拘束されている。これにより、各単電池10の電池ケース15の内部に収容されている捲回電極体50にも拘束圧がかかる。
そして、隣接する単電池10間において、一方の正極端子60と他方の負極端子80とが、接続部材(バスバー)140によって電気的に接続されている。このように各単電池10を直列に接続することにより、所望する電圧の組電池200が構築されている。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
[評価用負極シートの作製]
非晶質炭素によって被覆された天然黒鉛(平均粒径10μm)と、SBRと、CMCとの質量比が98:1:1となるように秤量し、これら材料を水に分散させてペースト状の負極合材層形成用組成物を調製した。該組成物を厚さ10μmの長尺状の負極集電体(銅箔)の両面に片面当たり4mg/cmで塗布して乾燥させた後、圧延処理を施すことによって負極集電体上に合材密度(負極合材密度)が1.4g/cmの負極合材層が形成された評価用負極シート1を作製した。このとき、負極合材層の多孔度Aは0.4であった。
次いで、評価用負極シート2〜10を作製した。2〜10に係る評価用負極シートは、天然黒鉛の平均粒径、合材密度等を変えることによって形成されたものである。評価用負極シート2〜10の多孔度Aは、順に0.3、0.35、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75とした。
[評価用フィラー層付きセパレータシートの作製]
ベーマイト(平均粒径0.6μm)と、アクリル系ポリマーとの質量比が95:5となるように秤量し、これら材料を水に分散させてペースト状のフィラー層形成用組成物を調製した。このフィラー層形成用組成物を、シート状のセパレータ(平均厚み20μm:二層のPP層の間に一層のPE層が挟まれた三層構造の多孔質シート)の両面に片面当たり0.75mg/cmで塗布して乾燥させた後、圧延処理を施すことによってセパレータ上に多孔質フィラー層が形成された評価用フィラー層付きセパレータシート(以下、評価用セパレータとする。)1を作製した。このとき、多孔質フィラー層の多孔度Bは0.5であった。
次いで、評価用セパレータ2〜10を作製した。2〜10に係る評価用セパレータは、ベーマイトの平均粒径、形状、圧延の程度等を変えることによって形成されたものである。評価用セパレータ2〜10の多孔度Bは、順に0.3、0.35、0.4、0.45、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75とした。
[滴下液浸透試験]
上記作製した評価用負極シート1〜10および評価用セパレータ1〜10に対して、滴下液浸透試験を行った。即ち、25℃の温度条件下、ポリカーボネート(非水電解液)0.3mlを負極合材層の表面と多孔質フィラー層の表面に滴下して、ポリカーボネートがそれぞれの表面から内部へと浸透することによって該表面からポリカーボネートが消失するまでの時間(浸透時間)を測定した。測定結果を図5に示す。
かかる結果より、負極合材層の近似式を求めたところ、y=682.16e−8.2064x、R=0.9772であった。一方、多孔質フィラー層の近似式を求めたところ、y=659.1e−6.0776x、R=0.989であった。上記負極合材層の近似式と多孔質フィラー層の近似式とからポリカーボネートが消失するまでの時間が等しくなるような多孔度Aと多孔度Bとの関係式を求めたところ、A=0.7406B+0.0042であった(図6の実線で示すグラフ)。
[負極シートの作製]
<負極シートA>
負極活物質としての非晶質炭素によって被覆された天然黒鉛(平均粒径10μm)と、結着材としてのSBRと、増粘材としてのCMCとの質量比が98:1:1となるように秤量し、これら材料を水に分散させてペースト状の負極合材層形成用組成物Aを調製した。該組成物Aを厚さ10μmの長尺状の負極集電体(銅箔)の両面に片面当たり4mg/cmで塗布して乾燥させた後、圧延処理を施すことによって負極集電体上に合材密度(負極合材密度)が1.4g/cmの負極合材層が形成された負極シートAを作製した。このとき、負極合材層の多孔度Aは0.4であった。
<負極シートB>
組成物Aを厚さ10μmの長尺状の負極集電体(銅箔)の両面に片面当たり4mg/cmで塗布して乾燥させた後、圧延処理を施すことによって負極集電体上に合材密度(負極合材密度)が1.25g/cmの負極合材層が形成された負極シートBを作製した。このとき、負極合材層の多孔度Aは0.45であった。
<負極シートC>
組成物Aを厚さ10μmの長尺状の負極集電体(銅箔)の両面に片面当たり4mg/cmで塗布して乾燥させた後、圧延処理を施すことによって負極集電体上に合材密度(負極合材密度)が1.15g/cmの負極合材層が形成された負極シートCを作製した。このとき、負極合材層の多孔度Aは0.5であった。
<負極シートD>
組成物Aを厚さ10μmの長尺状の負極集電体(銅箔)の両面に片面当たり4mg/cmで塗布して乾燥させた後、圧延処理を施すことによって負極集電体上に合材密度(負極合材密度)が1.0g/cmの負極合材層が形成された負極シートDを作製した。このとき、負極合材層の多孔度Aは0.55であった。
<負極シートE>
組成物Aを厚さ10μmの長尺状の負極集電体(銅箔)の両面に片面当たり4mg/cmで塗布して乾燥させた後、圧延処理を施すことによって負極集電体上に合材密度(負極合材密度)が0.95g/cmの負極合材層が形成された負極シートEを作製した。このとき、負極合材層の多孔度Aは0.6であった。なお、負極シートA〜Eにおいて、負極合材層の幅方向の長さは100mmであった。
[フィラー層付きセパレータシートの作製]
<フィラー層付きセパレータシートA>
フィラーとしてのベーマイト(平均粒径0.6μm)と、結着材としてのアクリル系ポリマーとの質量比が95:5となるように秤量し、これら材料を水に分散させてペースト状のフィラー層形成用組成物Aを調製した。このフィラー層形成用組成物Aを、シート状のセパレータ(平均厚み20μm:二層のPP層の間に一層のPE層が挟まれた三層構造の多孔質シート)の両面に片面当たり0.75mg/cmで塗布して乾燥させた後、圧延処理を施すことによってセパレータ上に多孔質フィラー層Aが形成されたフィラー層付きセパレータシートAを作製した。このとき、多孔質フィラー層Aの多孔度Bは0.5であった。多孔質フィラー層Aの平均厚みは5μmであった。
<フィラー層付きセパレータシートB>
平均粒径が0.52μmのベーマイトを用いた他はセパレータシートAと同様にして、フィラー層付きセパレータシートBを作製した。このとき、多孔質フィラー層Bの多孔度Bは0.52であった。
<フィラー層付きセパレータシートC>
平均粒径が0.45μmのベーマイトを用いた他はセパレータシートAと同様にして、フィラー層付きセパレータシートCを作製した。このとき、多孔質フィラー層Cの多孔度Bは0.57であった。
<フィラー層付きセパレータシートD>
平均粒径が0.4μmのベーマイトを用いた他はセパレータシートAと同様にして、フィラー層付きセパレータシートDを作製した。このとき、多孔質フィラー層Dの多孔度Bは0.62であった。
<フィラー層付きセパレータシートE>
平均粒径が0.33μmのベーマイトを用いた他はセパレータシートAと同様にして、フィラー層付きセパレータシートEを作製した。このとき、多孔質フィラー層Eの多孔度Bは0.65であった。
[正極シートの作製]
正極活物質としてのLiNi1/3Mn1/3Co1/3と、導電材としてのアセチレンブラックと、結着材としてのPVDFとの質量比が87:10:3となるように秤量し、これら材料をNMPに分散させてペースト状の正極合材層形成用組成物を調製した。該組成物を厚さ15μmの正極集電体(アルミニウム箔)の両面に片面当たり塗布量6mg/cmで塗布して乾燥させた後、圧延処理を施すことによって正極集電体上に合材密度(正極合材密度)が2.2g/cmの正極合材層が形成された正極シートAを作製した。
[リチウムイオン二次電池の作製]
上記作製した負極シートA及び正極シートAをフィラー層付きセパレータシートAを介して捲回し捲回電極体を作製した。このときの捲回数は30であった。該電極体を角型のケース内に収容し、大気圧下で該ケース内に非水電解液を注入した。その後、減圧下(ここでは大気圧基準で−80kPa)で1時間の間放置することによって例1に係るリチウムイオン二次電池を作製した。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とジメチルカーボネート(DMC)との体積比3:3:4の混合溶媒に1.1mol/LのLiPFを溶解させたものを使用した。表1に示すように、負極シートA〜Eと、フィラー層付きセパレータシートA〜Eと、正極シートAとを用いて、例2〜例25に係るリチウムイオン二次電池を例1に係るリチウムイオン二次電池と同様にして作製した。
[含浸性測定試験]
上記作製した例1〜例25に係るリチウムイオン二次電池を解体して各負極シートを取り出した。このときの負極シート(即ち負極合材層)における非水電解液の含浸の程度を調べた。具体的には、負極合材層を幅方向にいくつかに切断した。そして、イオンクロマトグラフィー質量分析法によってそれぞれの部位に含まれている単位体積当たりのPF の量を測定した。ここで、負極合材層の幅方向の端部分は非水電解液の含浸性が良好であるので、かかる部分を基準として単位体積当たりのPF の量が−2%以内であれば良好に含浸していると判断し、表1及び図6において○で示した。一方、単位体積当たりのPF の量が−2%よりも大きい部位を含む負極シートに関しては含浸が十分でないと判断し、表1及び図6において×で示した。
Figure 2013243031
表1及び図6に示すように、負極合材層の多孔度Aが0.4以下のものは多孔質フィラー層の多孔度Bの値に関わらず、負極シートの非水電解液の含浸の程度が十分でないことが確認された。一方、多孔質フィラー層の多孔度Bが0.5以下のものは負極合材層の多孔度Aの値に関わらず、負極シートの非水電解液の含浸の程度が十分でないことが確認された。
また、上記含浸性測定試験の結果と滴下液浸透試験によって得られた関係式とに基づいて、負極合材層の多孔度Aと多孔質フィラー層の多孔度Bとがどのような関係のときに、非水電解液が負極シートに良好に含浸するのかを求めた。
図6に示すように、多孔質フィラー層の浸透時間が負極合材層の浸透時間×1.45のとき、即ち、図6の一点鎖線で示すグラフ(A=1.07387B+0.00853)が上限であり、多孔質フィラー層の浸透時間が負極合材層の浸透時間×0.95のとき、即ち、図6の二点鎖線で示すグラフ(A=0.70357B+0.00399)が下限であることが確認された。
以上より、負極合材層の多孔度Aが0.4よりも大きく(例えば0.45〜0.6)、多孔質フィラー層の多孔度Bが0.5よりも大きく(0.52〜0.65)、多孔度Aおよび多孔度Bが0.7B≦A≦1.07Bなる関係式を満たす場合に、非水電解液は負極シート(典型的には捲回電極体の全体)に良好に含浸されることが確認された。
次に、負極合材層に非水電解液が含浸されるまでの時間が負極合材層の幅方向の長さによってどのように変化するのかを測定した。
[負極シートの作製]
<負極シートF>
上記組成物Aを厚さ10μmの長尺状の負極集電体(銅箔)の両面に片面当たり4mg/cmで塗布して乾燥させた後、圧延処理を施すことによって負極集電体上に合材密度(負極合材密度)が1.4g/cmの負極合材層が形成された負極シートFを作製した。このとき、負極合材層の多孔度Aは0.4であり、負極合材層の平均厚みは57μmであり、負極合材層の幅方向の長さは80mmであった。
[フィラー層付きセパレータシートの作製]
<フィラー層付きセパレータシートF>
フィラーとしてのベーマイト(平均粒径0.6μm)と、結着材としてのアクリル系ポリマーとの質量比が95:5となるように秤量し、これら材料を水に分散させてペースト状のフィラー層形成用組成物を調製した。このフィラー層形成用組成物を、シート状のセパレータ(平均厚み20μm:二層のPP層の間に一層のPE層が挟まれた三層構造の多孔質シート)の両面に片面当たり0.75mg/cmで塗布して乾燥させた後、圧延処理を施すことによってセパレータ上に多孔質フィラー層が形成されたフィラー層付きセパレータシートをF作製した。このとき、多孔質フィラー層の多孔度Bは0.5であった。
上記作製した負極シートF及び正極シートAをフィラー層付きセパレータシートFを介して捲回し例26に係る捲回電極体を作製した。このときの捲回数は27であった。同様にして例27〜例32に係る捲回電極体を作製した。例27〜例32に係る捲回電極体は、それぞれ負極合材層の幅方向の長さを変えた捲回電極体である。
例26〜例32に係る捲回電極体について、非水電解液が含浸するまでの時間を測定した。具体的には、各例に係る捲回電極体を角型のケース内に収容し、大気圧下で該ケース内に非水電解液を注入した。非水電解液注入後の捲回電極体についてACインピーダンスを測定し、ACインピーダンスが下がりきるまでの時間(即ち捲回電極体の全体に非水電解液が含浸してACインピーダンスが一定の値となるまでの時間)を求めた。測定結果を表2に示す。
Figure 2013243031
表2に示すように、負極合材層の幅方向の長さが長くなるほど、捲回電極体(負極合材層)の全体に非水電解液が含浸するまでに要する時間が長くなることが確認された。負極合材層の幅方向の長さが120mm以上の場合には、捲回電極体の全体に非水電解液が含浸するまでに長時間を要する。このため製造コストの観点から、負極合材層の幅方向の長さは、75mm〜115mm(例えば、80mm〜110mm)とすることが好ましい
次に、ハイレートサイクル後の抵抗上昇率が負極合材層の平均厚みによってどのように変化するのかを測定した。
[リチウムイオン二次電池の作製]
例26に係る捲回電極体を用いた他は例1に係るリチウムイオン二次電池と同様にして、例33に係るリチウムイオン二次電池を作製した。同様にして例34〜例36に係るリチウムイオン二次電池を作製した。例34〜例36に係るリチウムイオン二次電池は、それぞれ負極合材層の平均厚みを変えたリチウムイオン二次電池である。
[抵抗測定試験]
上記作製した例33〜例36に係るリチウムイオン二次電池について、ハイレート充放電を1000サイクル繰り返し、初期抵抗に対する1000サイクル後の抵抗増加率を測定した。まず初期抵抗を測定した。即ち25℃の温度条件下、1Cの充電レートでSOC(State of Charge:充電状態)60%の充電状態に調整した後、25℃の温度条件下、25Cの放電レートで10秒間の定電流放電を行い、このときの電流(I)−電圧(V)のプロット値の一次近似直線の傾きから初期抵抗を求めた。
次いで、上記初期抵抗測定後の各二次電池について、充放電を1000サイクル繰り返し1000サイクル後の抵抗を測定した。1サイクルの充放電条件は、0℃の温度条件下、2.5Cの充電レートで50秒間の定電流定電圧充電を行い5秒間の休止の後、25Cの放電レートで5秒間の放電を行い5秒間の休止をした。そして、1000サイクル後のリチウムイオン二次電池について、25℃の温度条件下、1Cの充電レートでSOC60%の充電状態に調整した後、上記初期抵抗と同様にして1000サイクル後の抵抗を求めた。初期抵抗に対する1000サイクル後の抵抗増加率{(1000サイクル後の抵抗−初期抵抗)/初期抵抗}を、1000サイクル後の抵抗増加率とした。測定結果を表3に示す。
Figure 2013243031
表3に示すように、負極合材層の平均厚みが厚くなるほど1000サイクル後の抵抗増加率が上昇していることが確認された。負極合材層の平均厚みが60μm〜70μmの場合には抵抗増加率は緩やかに増加していたが、負極合材層の平均厚みが75μmのリチウムイオン二次電池では抵抗増加率が増大していることが確認された。以上の結果より、負極合材層の平均厚みは、72μm以下(例えば70μm以下、30μm以上。通常は凡そ60μm〜70μm。)であることが好ましいことが確認された。
次に、ハイレートサイクル後の抵抗上昇率が捲回電極体の捲回数によってどのように変化するのかを測定した。
[リチウムイオン二次電池の作製]
例26に係る捲回電極体を用いた他は例1に係るリチウムイオン二次電池と同様にして、例37に係るリチウムイオン二次電池を作製した。同様にして例38〜例41に係るリチウムイオン二次電池を作製した。例38〜例41に係るリチウムイオン二次電池は、それぞれ捲回電極体の捲回数を変えたリチウムイオン二次電池である。
[抵抗測定試験]
上記作製した例37〜例41に係るリチウムイオン二次電池について、上記例33〜例36に係るリチウムイオン二次電池に対して行った抵抗測定試験と同様の試験を行った。即ち、例37〜例41に係るリチウムイオン二次電池について、ハイレート充放電を1000サイクル繰り返し、初期抵抗に対する1000サイクル後の抵抗増加率を測定した。測定結果を表4に示す。
Figure 2013243031
表4に示すように、捲回電極体の捲回数が多くなるほど1000サイクルとの抵抗増加率が上昇していることが確認された。捲回数が27〜40の場合には抵抗増加率は緩やかに増加していたが、捲回数が43のリチウムイオン二次電池では抵抗増加率が増大していることが確認された。以上の結果より、捲回電極体の捲回数は、25〜40であることが好ましいことが確認された。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本発明に係る非水電解液二次電池は、電極体の全体に亘って非水電解液が良好に含浸されているため、充放電時(特にハイレート充放電時)において反応ムラが抑制され電池性能に優れている。このため、各種用途向けの非水電解液二次電池として利用可能である。例えば、図7に示すように、自動車等の車両100に搭載される車両駆動用モーターの電源(駆動電源)として好適に利用することができる。車両100に使用されるリチウムイオン二次電池10は、単独で使用されてもよく、直列及び/又は並列に複数接続されてなる組電池200の形態で使用されてもよい。
10 リチウムイオン二次電池(非水電解液二次電池)
15 電池ケース
20 開口部
25 蓋体
30 ケース本体
40 安全弁
50 捲回電極体
60 正極端子
62 正極集電体
63 正極合材層非形成部分
64 正極
66 正極合材層
80 負極端子
82 負極集電体
83 負極合材層非形成部分
84 負極
88 負極合材層
90 フィラー層付きセパレータ
92 セパレータ
95 多孔質フィラー層
100 車両(自動車)
110 冷却板
120 エンドプレート
130 拘束バンド
140 接続部材
150 スペーサ部材
155 ビス
200 組電池

Claims (10)

  1. 正極および負極がセパレータを介して積層された構造を有する電極体を備えた非水電解液二次電池であって、
    前記正極は、正極集電体と、該正極集電体上に形成された少なくとも正極活物質を含む正極合材層とを有しており、
    前記負極は、負極集電体と、該負極集電体上に形成された少なくとも負極活物質を含む負極合材層とを有しており、
    前記正極および負極のうちの少なくとも一方の電極と前記セパレータとの間には、無機材料からなるフィラーと結着材とを少なくとも含む多孔質フィラー層が形成されており、
    前記多孔質フィラー層に対向する電極の電極合材層の多孔度Aは、0.45〜0.6であり、
    前記多孔質フィラー層の多孔度Bは、0.52〜0.65であり、
    前記多孔度Aおよび前記多孔度Bが以下の関係式(a):
    0.7B≦A≦1.07B a);
    を満たす、非水電解液二次電池。
  2. 前記多孔質フィラー層に対向する電極は負極である、請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 前記多孔度Aは0.5〜0.6であり、前記多孔度Bは0.57〜0.65である、請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池。
  4. 前記フィラーの平均粒径は、0.05μm〜1.5μmである、請求項1から3のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池。
  5. 前記負極合材層の平均厚みは、30μm〜72μmである、請求項1から4のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池。
  6. 前記正極、負極及びセパレータはいずれも長尺なシート状に形成されており、
    前記電極体は、該長尺なシート状正極、負極及びセパレータが重ね合わされた電極体であって該電極体の長手方向に捲回された捲回電極体である、請求項1から5のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池。
  7. 前記負極合材層の捲回軸方向の長さは、75mm〜115mmである、請求項6に記載の非水電解液二次電池。
  8. 前記捲回電極体の捲回数は、25〜40である、請求項6又は7に記載の非水電解液二次電池。
  9. 複数の単電池が相互に電気的に接続されてなる車両の駆動電源としての組電池であって、前記単電池として請求項1から8のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池が使用されている、組電池。
  10. 正極集電体と該正極集電体上に形成された少なくとも正極活物質を含む正極合材層とを有する正極と、負極集電体と該負極集電体上に形成された少なくとも負極活物質を含む負極合材層とを有する負極と、前記正極および負極のうちの少なくとも一方の電極に面する側に無機材料からなるフィラーと結着材とを少なくとも含む多孔質フィラー層が形成されたセパレータと、を有する電極体を備えた非水電解液二次電池を製造する方法であって、
    前記多孔質フィラー層に対向する電極及び前記多孔質フィラー層として、
    該電極の電極合材層の多孔度Aが0.45〜0.6であり、
    前記多孔質フィラー層の多孔度Bが0.52〜0.65であり、
    前記多孔度Aおよび前記多孔度Bが以下の関係式(a):
    0.7B≦A≦1.07B a);
    を具備することが確認されたものを使用する、非水電解液二次電池の製造方法。
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