JP6992577B2 - 活物質及びそれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents

活物質及びそれを用いたリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は活物質及びそれを用いたリチウムイオン二次電池に関する。
従来、リチウムイオン二次電池の正極材料(正極活物質)としてLiCoOやLiNi1/3Mn1/3Co1/3等の層状化合物やLiMn等のスピネル化合物が用いられている。近年では、LiFePOに代表されるリン酸骨格を含む構造を持つ化合物やケイ酸、ホウ酸の構造を持つ化合物、硫化物系の化合物が正極材料として注目されている。
これらの正極材料を用いたリチウムイオン二次電池において、充電時にガス発生が起こる課題があった。特に金属ラミネート外装体を用いた場合にはその形状変化が顕著である。
このような問題に対し、正極材料に別の材料をコーティングする技術が開示されている(特許文献1)。また、リチウムイオン二次電池ではないが、炭素同位体の比率によって熱伝導性を制御する技術が開示されている(特許文献2)。
ガス発生の原因としては正極活物質表面での電解液の分解が考えられるが、その発生メカニズムの詳細は明らかになっていない。正極活物質と電解液との反応を抑制しガス発生を低減するために、正極表面にコーティングを行ったり、電解液に添加剤を加える等の試みがされているが、ガス発生を十分に防ぐことができていない。そのために、電池のガス抜き等の工程を加える必要があり、工程を複雑化する要因になっている。
特表2010-517218 特開2011-37651
しかしながら、従来技術の方法では未だ諸特性は満足されず、中でもガス発生を抑制することが求められている。
本発明は、上記従来技術の有するガス発生の課題に鑑みてなされたものであり、ガス発生を抑制することが可能な活物質及びそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る活物質は、リチウムイオンを吸蔵放出する活物質粒子と、前記活物質粒子の表面の少なくとも一部を被覆する導電層と、を備え、前記活物質粒子は、酸化物、リン酸化物、ケイ酸化合物、ホウ酸化合物、及び硫化物よりなる1種類以上を含み、前記導電層は、炭素安定同位体13Cを炭素安定同位体比δ13Cで-30~-7‰含む炭素から構成される。
炭素安定同位体13Cを炭素安定同位体比δ13Cで-30~-7‰含む炭素から構成された導電層により二次電池用活物質の粒子の表面を覆うことで、リチウムイオン二次電池のガス発生を抑制することが可能となる。
上記本発明に係る活物質及びそれを用いたリチウムイオン二次電池ではガス発生を抑制することが可能となる。
本実施形態に係る活物質の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の模式断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の活物質の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明の活物質は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<活物質>
本実施形態に係る活物質について説明する。図1は、本実施形態に係る活物質の一例を示す模式断面図である。活物質1はリチウムイオンを吸蔵放出する活物質粒子2と、導電層3とを含む。導電層3は、リチウムイオンを吸蔵放出する活物質粒子2を部分的又は全体的に被覆する。
導電層3は、リチウムイオンを吸蔵放出する粒子2に付着又は密着していることが好ましい。
活物質1の形状は、特に限定されない。球状、方形状、不定形等、いずれの形状であってもよい。
活物質1の粒子径は、10nm~30μmであることが好ましく、100nm~10μmであることがより好ましく、300nm~5μmであることがさらに好ましい。
本実施形態に係る活物質1の粒子径は、以下のように測定する。高分解能走査型電子顕微鏡で観察したイメージに基づいて、活物質1の投影面積から投影面積円相当径を測定する。投影面積円相当径とは、活物質1の投影面積と同じ投影面積を持つ球を想定し、その球の直径(円相当径)を粒子径として表したものである。20個の活物質1に対してそれぞれ投影面積円相当径を測定し、その平均値を活物質1の粒子径とする。
リチウムイオンを吸蔵放出する活物質粒子2は、遷移金属を含有する、酸化物、リン酸化物、ケイ酸化合物、ホウ酸化合物、及び硫化物よりなる1種類以上を含む。
遷移金属含有酸化物は、具体的には、リチウム元素と、Mn、Co、Ni、Cu、Fe、Ti、V、Zn、W、Mo、Nb、Zrからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを含む酸化物であり、場合によりMg、Ca、Ba、Alを含んでいてもよく、具体的には、LiCoO、LiNi0.85Co0.1Al0.05、LiNi1/3Mn1/3Co1/3、Li1.2Mn0.55Ni0.3Co0.15、LiCo0.95Mg0.05等が挙げられる。遷移金属を含有するリン酸化物としては、LiFePO、LiVOPO、LiVPOF、Li(PO、LiMnPO、LiCoPO、LiNiPO等が挙げられる。遷移金属を含有するケイ酸化合物としては、LiFeSiO、LiVOSiO、LiMnSiO、Li(FeMn)SiO等が挙げられる。遷移金属を含有するホウ酸化合物としてはLiFeBO、LiMnBO、LiVOBO等が挙げられる。遷移金属を含有する硫化物としてはFeS等が挙げられる。
リチウムイオンを吸蔵放出する活物質粒子2は、遷移金属含有酸化物、リン酸化物、ケイ酸化合物、ホウ酸化合物、及び、硫化物のうちいずれか1種をとして、LiVOPOを含有することが好ましい。
活物質粒子1は、粒子全量を基準として、LiVOPOを5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上含むとよい。
また、上記化合物は、未反応の原料成分等を微量含んでもよい。
導電層3は、炭素から構成される。炭素の構成として、12Cを主として含み、かつ、安定同位体13Cを炭素安定同位体比δ13Cで-30~-7‰含む。
本発明において、炭素安定同位体比は、同位体質量分析装置によって測定し、数値は、下記式(1)にて算出した値である。
δ 13 C={(試料の 13 C/ 12 Cモル比)/(標準試料の 13 C/ 12 Cモル比)-1}×1000・・・(1)
本実施形態に係る同位体質量分析装置を用いた測定において、標準試料は矢石の12Cが98.894%、13Cが1.106%のものを用いることができる。
導電層3が、炭素安定同位体13Cを炭素安定同位体比δ13Cで-30‰以上-7‰以下含むと、分極を帯びた導電層3が、リチウムイオンを吸蔵放出する粒子2の活性点を覆うことができるため、活性点の活性が低くなり、リチウムイオンを吸蔵放出する粒子2と電解液との反応によるガス発生を抑制できる。
一方、炭素安定同位体13Cが炭素安定同位体比δ13Cで-7‰より多いと、導電層3を構成する炭素のうち13Cの割合が多くなるため、導電層3の分極の程度が弱くなり、導電層3がリチウムイオンを吸蔵放出する粒子2の活性点を十分に覆うことができず、金属酸化物と電解液との反応によるガス発生が顕著になる。
また、-30‰より少ないと、導電層3を構成する炭素のうち13Cの割合が少なくなるため、導電層3の分極が小さくなり、リチウムイオンを吸蔵放出する粒子2の活性点を十分に覆うことができず、リチウムイオンを吸蔵放出する粒子2と電解液との反応によるガス発生が顕著になる。
ガス発生を抑制する観点で、導電層3は、炭素安定同位体13Cを炭素安定同位体比δ13Cで、-10‰以上-25‰以下含むことが好ましく、-10‰以上-22‰以下含むことがより好ましい。
導電層3の膜厚は、リチウムイオンを吸蔵放出する活物質粒子2の表面から炭素層3の表面までの長さのことである。
導電層3の膜厚は、リチウムイオンを吸蔵放出する粒子2の平均粒径以下であることが好ましく、当該膜厚は、1~100nmであってもよく、3~50nmであることが好ましく、5~20nmであることがより好ましい。
導電層3の膜厚が上記範囲内の値であると、リチウムイオンの拡散能を高い状態に維持しつつ、活物質1に高い電子伝導性を付与することができ、サイクル特性がより向上する。導電層3の膜厚は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、活物質1の断面を観察することによって測定することができる。
炭素安定同位体13Cが導電層3のうち、リチウムイオンを吸蔵放出する活物質粒子2との界面側に偏在していることにより、ガス発生の抑制効果は一層向上するものと推察される。炭素安定同位体13Cが、上記部分に偏在していると、導電層3の分極を、直接的にリチウムイオンを吸蔵放出する活物質粒子2に作用させることができ、リチウムイオンを吸蔵放出する活物質粒子2の活性点の活性を、より確実に低下させることができる。
活物質1は、例えば、下記の方法によって作製することができる。
12Cを高純度に含むメタンと13Cを高純度に含むメタンを混合することにより、任意の12C/13C比率のメタンを得ることができる。混合したメタンを含む雰囲気中でリチウムイオンを吸蔵放出する活物質粒子2を加熱すると、混合したメタンが熱分解することによって炭素化し、リチウムイオンを吸蔵放出する活物質粒子2の表面に炭素層から構成される導電層を形成することができる。導電層3が表面に形成されたリチウムイオンを吸蔵放出する活物質粒子2を造粒して活物質1を構成することができる。また、造粒して作製した活物質1にさらに導電層3を被覆することもできる。
<電極及び当該電極を用いたリチウム二次電池>
本実施形態に係る活物質を用いた電極、及び当該電極を用いたリチウムイオン二次電池について説明する。本実施形態に係る電極は、集電体と、上記活物質を含み上記集電体上に設けられた活物質層と、を備える電極である。図2は、当該電極を用いた本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100の模式断面図である。
リチウムイオン二次電池100は、主として、積層体30、積層体30を密閉した状態で収容するケース50、及び積層体30に接続された一対のリード60,62を備えている。
積層体30は、一対の正極10、負極20がセパレータ18を挟んで対向配置されたものである。正極10は、板状(膜状)の正極集電体12上に正極活物質層14が設けられたものである。負極20は、板状(膜状)の負極集電体22上に負極活物質層24が設けられたものである。正極活物質層14及び負極活物質層24がセパレータ18の両側にそれぞれ接触している。正極集電体12及び負極集電体22の端部には、それぞれリード60,62が接続されており、リード60,62の端部はケース50の外部にまで延びている。
以下、正極10及び負極20を総称して、電極10、20といい、正極集電体12及び負極集電体22を総称して集電体12、22といい、正極活物質層14及び負極活物質層24を総称して活物質層14、24という。
まず、電極10、20について具体的に説明する。
(正極10)
正極集電体12は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。正極活物質層14は、本実施形態に係る活物質、結合剤、必要に応じた量の導電材を含むものである。結合剤は、活物質同士を結合すると共に、活物質粒子と正極集電体12とを結合している。
結合剤の材質としては、上述の結合が可能であればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。
上記の他に、結合剤として、例えば、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF-HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF-HFP-TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF-PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-ペンタフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF-PFP-TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-パーフルオロメチルビニルエーテル-テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF-PFMVE-TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF-CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
上記の他に、結合剤として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等を用いてもよい。また、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子を用いてもよい。更に、シンジオタクチック1,2-ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α-オレフィン(炭素数2~12)共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸リチウム、カルボキシメチルセルロース等を用いてもよい。
結合剤として、電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、結合剤が導電材の機能も発揮するので、導電材を添加しなくてもよい。
イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、リチウムイオン等のイオンの伝導性を有するものを使用することができ、例えば、高分子化合物(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリエーテル化合物の架橋体高分子、ポリエピクロルヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリル等)のモノマーと、、LiBF、LiPF、Li(CFSON、LiN(CSO22、LiBOB、LiFSI等のリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。複合化に使用する重合開始剤としては、例えば、上記のモノマーに適合する光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。
正極活物質層14に含まれる結合剤の含有率は、活物質層の質量を基準として0.5~8質量%であることが好ましい。結合剤の含有率が0.5質量%未満となると、結合剤の量が少なすぎて強固な活物質層を形成できなくなる傾向が大きくなる。また、結合剤の含有率が6質量%を超えると、電気容量に寄与しない結合剤の量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向が大きくなる。また、この場合、特に結合剤の電子伝導性が低いと活物質層の電気抵抗が上昇し、十分な電気容量が得られなくなる傾向が大きくなる。
導電材としては、例えば、カーボンブラック類、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
(負極20)
負極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
負極活物質は特に限定されず、公知の電池用の負極活物質を使用できる。負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出(インターカレート・デインターカレート、或いはドーピング・脱ドーピング)可能な黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、アルミニウム、ケイ素、錫等のリチウムと化合することのできる金属、SiO、SiO、SnO等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)、Fe等を含む粒子が挙げられる。結合剤、導電材は、それぞれ、正極と同様のものを使用できる。
次に、本実施形態に係る電極10,20の製造方法について説明する。
(電極10,20の製造方法)
本実施形態に係る電極10,20の製造方法は、電極活物質層14,24の原料である塗料を、集体上に塗布する工程(以下、「塗布工程」ということがある。)と、集電体上に塗布された塗料中の溶媒を除去する工程(以下、「溶媒除去工程」ということがある。)と、を備える。
(塗布工程)
塗料を集電体12、22に塗布する塗布工程について説明する。塗料は、上記活物質、結合剤、及び溶媒を含む。塗料には、これらの成分の他に、例えば、活物質の導電性を高めるための導電材が含まれていてもよい。溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
活物質、結合剤、溶媒、導電材等の塗料を構成する成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。例えば、まず、活物質、導電材及び結合剤を混合し、得られた混合物に、N-メチル-2-ピロリドンを加えて混合し、塗料を調整する。
上記塗料を、集電体12、22に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
(溶媒除去工程)
続いて、集電体12、22上に塗布された塗料中の溶媒を除去する。除去法は特に限定されず、塗料が塗布された集電体12、22を、例えば80℃~150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
そして、このようにして活物質層14、24が形成された電極を、その後、必要に応じて例えば、ロールプレス装置等によりプレス処理すればよい。ロールプレスの線圧は例えば、10~50kgf/cmとすることができる。
以上の工程を経て、本実施形態に係る電極を作製することができる。
本実施形態に係る電極によれば、正極活物質として本実施形態に係る活物質を用いるため、十分な放電容量の電極が得られる。
ここで、上述のように作製した電極を用いたリチウムイオン二次電池100の他の構成要素を説明する。
電解質は、正極活物質層14、負極活物質層24、及び、セパレータ18の内部に含有させるものである。電解質としては、特に限定されず、例えば、本実施形態では、リチウム塩を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いことにより、充電時の耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。電解質溶液としては、リチウム塩を非水溶媒(有機溶媒)に溶解したものが好適に使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)、LiBOB、LiFSI等の塩が使用できる。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ジエチルカーボネート等、又は、これらの水素原子をフッ素原子で置換した、フルオロプロピレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、フルオロジエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
なお、本実施形態において、電解質は液状以外にゲル化剤を添加することにより得られるゲル状電解質であってもよい。また、電解質溶液に代えて、固体電解質(固体高分子電解質又はイオン伝導性無機材料からなる電解質)が含有されていてもよい。
セパレータ18は、電気絶縁性の多孔体であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
ケース50は、その内部に積層体30及び電解質溶液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からの電気化学デバイス100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。例えば、ケース50として、図2に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
リード60,62は、アルミ等の導電材料から形成されている。
そして、公知の方法により、リード60、62を正極集電体12、負極集電体22にそれぞれ溶接し、正極10の正極活物質層14と負極20の負極活物質層24との間にセパレータ18を挟んだ状態で、電解液と共にケース50内に挿入し、ケース50の入り口をシールすればよい。
以上、本発明の活物質、それを用いた電極、当該電極を備えるリチウムイオン二次電池、及び、それらの製造方法の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の活物質を用いた電極は、リチウムイオン二次電池以外の電気化学素子にも用いることができる。電気化学素子としては、金属リチウム二次電池(カソードとして本発明の活物質を用い、アノードに金属リチウムを用いたもの)等のリチウムイオン二次電池以外の二次電池や、リチウムキャパシタ等の電気化学キャパシタ等が挙げられる。これらの電気化学素子は、自走式のマイクロマシン、ICカードなどの電源や、プリント基板上又はプリント基板内に配置される分散電源の用途に使用することが可能である。
(実施例1~8、比較例1、2)
<活物質の作製>
酢酸鉄(II)、リン酸水素アンモニウム、及び、炭酸リチウムを、モル比1:1:1にて混合し、800℃10時間で焼成することによってLiFePOを得た。得られたLiFePOを環状炉に入れ、炉内を1Paまで減圧し、700℃に加熱した状態で、13Cの純度が99%の13Cメタンガスと12Cの純度が99.9%の12Cメタンガスとの混合ガス(12C/13C混合メタンガス)を流した。13Cメタンガスと12Cメタンガスとの混合比を変化させることにより、形成される炭素層中の13Cの比率(σ13C(‰))を、表1に示すように制御した。12C/13C混合メタンガスを水素ガスと混合し、12C/13C混合メタンガスと水素ガスは7:1の比率で混合した。30分間ガスを流した後、冷却し、12Cと13Cとから構成される炭素層で被覆されたLiFePOを得た。
なお、形成される炭素層中の13Cの比率(σ13C(‰))は、下記式(1)から算出した。標準試料は矢石の12Cが98.894%、13Cが1.106%のものを用いた。
σ13C=(試料の13C/12Cモル比)/(標準試料の13C/12Cモル比-1)×1000・・・(1)
<正極の作製>
活物質としての12C及び13Cから構成される炭素層で被覆されたLiFePOと、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びアセチレンブラックを混合したものとを、溶媒であるN-メチル-2-ピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。なお、スラリーにおいて、活物質とアセチレンブラックとPVDFとの質量比が84:8:8となるように、スラリーを調製した。このスラリーを集電体であるアルミニウム箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、実施例1~8、比較例1、2の活物質を含む活物質層が形成された電極(正極)を得た。
<負極の作製>
活物質としての一酸化ケイ素及び黒鉛の質量比1:9の混合物と、バインダーとしてのポリアミドイミド(PAI)とアセチレンブラックを混合したものとを、溶媒であるN-メチル-2-ピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。なお、スラリーにおいて活物質とアセチレンブラックとPAIとの質量比が90:2:8となるように、スラリーを調製した。このスラリーを集電体である銅箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、活物質層が形成された電極(負極)を得た。
<リチウムイオン二次電池の作製>
作製した正極及び負極並びにセパレータを、所定の型に打ち抜いた。セパレータとしては、ポリエチレン多孔質膜とポリアミドイミドの多孔質層の2層構造を持つ膜を用いた。負極、セパレータ、正極、セパレータ、負極の順に積層し、正極及び負極のいずれか1つと、1つのセパレータとの組み合わせを1層として、これを6つ重ねて6層の積層体を作製した。電解液にはフルオロエチレンカーボネート(FEC)とジエチルカーボネート(DEC)を質量比で3:7となるように混合した溶媒に、LiPFが1Mとなるよう溶解させたものを電解液として用いた。上記積層体を、アルミラミネートパックに入れ、このアルミラミネートパックに、電解液を注入した後、真空シールし、実施例1~8、比較例1、2の評価用セルを作製した。
<ガス発生量の測定>
作製したリチウムイオン二次電池を用いて、充電レートを0.1C(25℃で定電流放電を行ったときに10時間で放電終了となる電流値)として充電し、その際に発生したガスの体積を、アルキメデス法により測定した。結果を表1に示す。
(実施例9~16、比較例3、4)
とLiOHとHPOをモル比およそ1:2:2とし、密閉容器中において160℃で8時間加熱し、得られたペーストを空気中600℃4時間焼成した。このようにして得られた粒子はβ型LiVOPOであった。
上記で得られたLiVOPO4を活物質粒子用いたことを除いて、実施例1~8、比較例1、2と同様にして、活物質、当該活物質を含む活物質層が形成された電極、及び、当該電極を正極として用いたリチウムイオン二次電池を作製した。また、作製したリチウムイオン二次電池を用いて、ガス発生量を測定した。
(実施例17~19)
活物質粒子としてLiCoOを用いたことを除き、実施例7、5と同様にして、活物質、当該活物質を含む活物質層が形成された電極、及び、当該電極を正極として用いたリチウムイオン二次電池を作製した。また、作製したリチウムイオン二次電池を用いて、ガス発生量を測定した。
(実施例20~22)
活物質粒子としてLiNi0.85Co0.1Al0.05を用いたことを除き、実施例7、5と同様にして、活物質、当該活物質を含む活物質層が形成された電極、及び、当該電極を正極として用いたリチウムイオン二次電池を作製した。また、作製したリチウムイオン二次電池を用いて、ガス発生量を測定した。
(実施例23~25)
活物質粒子としてLiNi1/3Mn1/3Co1/3を用いたことを除き、実施例7、5、比較例1~4と同様にして、活物質、当該活物質を含む活物質層が形成された電極、及び、当該電極を正極として用いたリチウムイオン二次電池を作製した。また、作製したリチウムイオン二次電池を用いて、ガス発生量を測定した。
Figure 0006992577000001
1・・・活物質, 2・・・活物質粒子, 3・・・導電層, 10・・・正極,20・・・負極、12・・・正極集電体、14・・・正極活物質層、18・・・セパレータ、22・・・負極集電体、24・・・負極活物質層、30・・・発電要素、50・・・ケース、60,62・・・リード、100・・・リチウムイオン二次電池。

Claims (3)

  1. リチウムイオンを吸蔵放出する活物質粒子と、前記活物質粒子の表面の少なくとも一部を被覆する導電層と、を備え、
    前記活物質粒子は、酸化物、リン酸化物、ケイ酸化合物、ホウ酸化合物、及び硫化物よりなる1種類以上を含み、
    前記導電層は、炭素安定同位体 13 炭素安定同位体比δ 13 -20‰~-15‰含む炭素から構成される、活物質。
  2. 前記炭素安定同位体 13 Cが、前記導電層のうち前記活物質粒子との界面側に偏在していることを特徴とする、請求項1に記載の活物質。
  3. 請求項1または2のいずれか一項に記載の活物質を有する正極と、セパレータと、前記セパレータを介して前記正極に対向する負極と、電解質と、を備える、リチウムイオン二次電池。
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岡田静子外,安定同位体比(13C/12C)質量分析法による原油の炭素同位体比測定,石油技術協会誌,日本,1989年01月24日,Vol.54,No.2,pp.107-110

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