JP6992580B2 - 活物質およびそれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents

活物質およびそれを用いたリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は活物質およびそれを用いたリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン電池は小型携帯機器や自動車用電池などに用いられ、さらなる小型、軽量化が求められている。現在、リチウムイオン二次電池の負極には黒鉛が用いられているが、黒鉛よりも高容量が得られる負極としてシリコンを活物質として用いる試みがなされている。シリコンは可逆的にリチウムイオンを挿入脱離することが可能であり、黒鉛よりも高容量であるが、サイクル特性に劣るという課題があった。また、シリコンを負極として用いた場合に充放電時にガスが発生するという課題がある。
このような問題に対して、電解液にLiBFなどの塩を添加することによってガス発生を抑制する試みがなされている(特許文献1)。しかし、これらの方法によってもガス発生を抑制し、同時にサイクル特性を改善することは困難であった。
特開2007-123242
本発明は、上記従来技術の有するガス発生とサイクル特性の課題に鑑みてなされたものであり、ガス発生を抑制し、サイクル特性を改善した活物質およびそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る活物質は、リチウムイオンを吸蔵放出する活物質粒子と、前記活物質粒子の表面の少なくとも一部を被覆する導電膜と、を備え、前記活物質粒子はケイ素を主成分として含み、前記導電膜は炭素安定同位体13Cを、炭素安定同位体比δ13Cで-20‰以下含む。
上記本発明に係る活物質を用いることでガス発生を抑制し、サイクル特性を改善することが可能となる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、上記活物質粒子を有する負極と、セパレータを介して前記負極に対向する正極とを備え、前記セパレータは電解質を保持する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池を用いることでガス発生を抑制し、サイクル特性を改善することが可能となる。
本実施形態に係る活物質の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の模式断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の活物質の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明の活物質は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<活物質粒子>
本実施形態に係る活物質粒子について説明する。図1は、本実施形態に係る活物質の一例を示す模式断面図である。活物質粒子1、リチウムイオンを吸蔵放出するケイ素を主成分として含む粒子2(以下、「リチウムイオンを吸蔵放出する粒子2」という。)、導電膜3は、活物質粒子1を含む複合的な構造を持つ粒子2を形成し、粒子2を覆うように導電膜3が存在する。
活物質粒子1の形状は、特に限定されない。球状、方形状、不定形等、いずれの形状であってもよい。
活物質粒子1の粒子径は、1~300nmであることが好ましく、2~50nmであることがより好ましく、3~10nmであることがさらに好ましい。活物質1の粒子径は、以下のように測定する。高分解能走査型電子顕微鏡で観察したイメージに基づいて、活物質1の投影面積から投影面積円相当径を測定する。投影面積円相当径とは、活物質1の投影面積と同じ投影面積を持つ球を想定し、その球の直径(円相当径)を粒子径として表したものである。20個の活物質1に対してそれぞれ投影面積円相当径を測定し、その平均値を活物質1の粒子径とする。
リチウムイオンを吸蔵放出する粒子2は、ケイ素を主成分として含む。粒子全量を基準として、ケイ素が10質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上含まれるとよい。ケイ素以外の成分としては、酸素、鉄、炭素、フッ素等が挙げられる。
リチウムイオンを吸蔵放出する粒子2の形状は、特に限定されないが、球状粒子であるとよい。例として球状のケイ素が酸化ケイ素中に含まれている複合的な構造が挙げられる。
<活物質粒子>
導電膜3は、炭素から構成される。炭素の構成として、12Cを主として含み、安定同位体13Cを、炭素安定同位体比δ13Cで-20‰以下含む。本発明において、炭素安定同位体比は、同位体質量測定装置によって測定し、数値は、下記式(1)にて算出した値である。
δ 13 C={(試料の 13 C/ 12 Cモル比)/(標準試料の 13 C/ 12 Cモル比)-1}×1000・・・(1)
本実施形態に係る同位体質量分析装置を用いた測定において、標準試料は矢石の12Cが98.894%、13Cが1.106%のものを用いることができる。
導電膜3が、炭素安定同位体13Cを炭素安定同位体比δ13Cで-20‰以下含むことにより、活物質1は下記の効果を奏する。
炭素安定同位体13Cは、12Cに比べ電子密度が高いと考えられており、12Cに対して13Cがある程度存在することによって、炭素から構成された導電膜3に分極が生じると考えられる。活物質1を、リチウムイオンを吸蔵放出する電極に用いる際、例えば、フッ素原子を有する塩が含まれる電解液を用いた場合、活物質1の表面で反応し、フッ化水素を発生する場合がある。炭素安定同位体13Cが存在することによって分極した導電膜3は、この反応を促進させ易いと考えられる。発生したフッ化水素が活物質粒子に含まれるケイ素と反応することにより、ケイ素を主成分として含む粒子(本実施形態に係る「リチウムイオンを吸蔵放出する粒子2」に相当する。)の結晶構造が破壊され、サイクル特性の低下が生じることとなる。
リチウムイオンを吸蔵放出する粒子2の表面を覆う導電膜3において、炭素安定同位体13Cを炭素安定同位体比δ13Cで-20‰以下に制御することによって、フッ化水素の発生を抑制し、それに起因するサイクル特性の低下を抑制することができる。
サイクル特性の低下を一層抑制する観点で、導電膜3は、炭素安定同位体13Cを炭素安定同位体比δ13Cで、-30‰以下含むことが好ましく、-60‰以下含むことがより好ましい。
上記炭素安定同位体13Cの含有率は、導電膜3の表面における割合であることが好ましい。電解液に含まれるフッ素原子を有する塩と活物質1との反応は、電解液と活物質1との界面において相対的に起こりやすい。リチウムイオンを吸蔵放出する粒子2の表面を覆う導電膜3の表面の分極を、フッ化水素の発生を抑制できる程度に低くすることにより、電解液と導電膜3との間での電子授受が抑制でき、電解液の分解によって生じるフッ化水素の発生をより一層低減できる。
導電膜3の膜厚は、リチウムイオンを吸蔵放出する粒子2の表面から炭素膜3の表面までの長さのことである。当該膜厚は、1~100nmであってもよく、3~50nmであることが好ましく、5~20nmであることがより好ましい。導電膜3の膜厚が上記範囲内の値であると、リチウムイオンの拡散能を高い状態に維持しつつ、活物質1に高い電子導電性を付与することができ、サイクル特性がより向上する。導電膜3の膜厚は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、活物質1の断面を観察することによって測定することができる。
活物質1は、例えば、下記の方法によって作製することができる。12Cを高純度に含むメタンと13Cを高純度に含むメタンを混合することにより、任意の12C/13C比率のメタンを得ることができる。混合したメタンを熱分解することにより炭素化し、リチウムイオンを吸蔵放出する粒子2に導電膜を形成することができる。
<電極及び当該電極を用いたリチウム二次電池>
本実施形態に係る活物質を用いた電極、及び当該電極を用いたリチウムイオン二次電池について説明する。本実施形態に係る電極は、集電体と、上記活物質を含み上記集電体上に設けられた活物質層と、を備える電極である。図2は、当該電極を用いた本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100の模式断面図である。
リチウムイオン二次電池100は、主として、積層体30、積層体30を密閉した状態で収容するケース50、及び積層体30に接続された一対のリード60,62を備えている。
積層体30は、一対の正極10、負極20がセパレータ18を挟んで対向配置されたものである。正極10は、板状(膜状)の正極集電体12上に正極活物質層14が設けられたものである。負極20は、板状(膜状)の負極集電体22上に負極活物質層24が設けられたものである。正極活物質層14及び負極活物質層24がセパレータ18の両側にそれぞれ接触している。正極集電体12及び負極集電体22の端部には、それぞれリード62,60が接続されており、リード60,62の端部はケース50の外部にまで延びている。
以下、正極10及び負極20を総称して、電極10、20といい、正極集電体12及び負極集電体22を総称して集電体12、22といい、正極活物質層14及び負極活物質層24を総称して活物質層14、24という。
以下、本実施形態に係る電極10、20について具体的に説明する。
(正極10)
正極集電体12は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。正極活物質層14は、活物質、結合剤、必要に応じた量の導電材を含むものである。結合剤は、活物質同士を結合すると共に、活物質粒子と正極集電体12とを結合している。
活物質の材質としては、特に限定されず、公知の電池用の正極活物質を使用できる。例えば、リチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質は、遷移金属を含有する酸化物、リン酸化物、ケイ酸化合物、ホウ酸化合物、及び硫化物よりなる1種類以上を含む。遷移金属含有酸化物は、具体的には、リチウム元素と、Mn、Co、Ni、Cu、Fe、Ti、V、Zn、W、Mo、Nb、Zrからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを含む酸化物であり、場合によりMg、Ca、Ba、Alを含んでいてもよく、具体的には、LiCoO、LiNi0.85Co0.1Al0.05、LiNi1/3Mn1/3Co1/3、Li1.2Mn0.55Ni0.3Co0.15、LiCo0.95Mg0.05等が挙げられる。遷移金属を含有するリン酸化合物としては、LiFePO、LiVOPO、LiVPOF、Li(PO、LiMnPO、LiCoPO、LiNiPO等が挙げられる。遷移金属を含有するケイ酸化合物としては、LiFeSiO、LiVOSiO、LiMnSiO、Li(FeMn)SiO等が挙げられる。遷移金属を含有するホウ酸化合物としてはLiFeBO、LiMnBO、LiVOBO等が挙げられる。遷移金属を含有する硫化物としてはFeS等が挙げられる。
結合剤の材質としては、上述の結合が可能であればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。
上記の他に、結合剤として、例えば、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF-HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF-HFP-TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF-PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-ペンタフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF-PFP-TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-パーフルオロメチルビニルエーテル-テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF-PFMVE-TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF-CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
上記の他に、結合剤として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等を用いてもよい。また、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子を用いてもよい。更に、シンジオタクチック1,2-ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α-オレフィン(炭素数2~12)共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸リチウム、カルボキシメチルセルロース等を用いてもよい。
結合剤として、電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、結合剤が導電材の機能も発揮するので、導電材を添加しなくてもよい。
イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、リチウムイオン等のイオンの伝導性を有するものを使用することができ、例えば、高分子化合物(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリエーテル化合物の架橋体高分子、ポリエピクロルヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリル等)のモノマーと、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCl、LiBr、Li(CFSON、LiN(CSO等のリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。複合化に使用する重合開始剤としては、例えば、上記のモノマーに適合する光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。
正極活物質層14に含まれる結合剤の含有率は、活物質層の質量を基準として0.5~6質量%であることが好ましい。結合剤の含有率が0.5質量%未満となると、結合剤の量が少なすぎて強固な活物質層を形成できなくなる傾向が大きくなる。また、結合剤の含有率が6質量%を超えると、電気容量に寄与しない結合剤の量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向が大きくなる。また、この場合、特に結合剤の電子伝導性が低いと活物質層の電気抵抗が上昇し、十分な電気容量が得られなくなる傾向が大きくなる。
導電材としては、例えば、カーボンブラック類、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
(負極20)
負極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。負極活物質層24は、活物質、結合剤、必要に応じた量の導電材を含むものである。負極活物質として、本実施形態に係る活物質を使用し、結合剤、導電材は、それぞれ、正極と同様のものを使用できる。
次に、本実施形態に係る電極10,20の製造方法について説明する。
(電極10,20の製造方法)
本実施形態に係る電極10,20の製造方法は、電極活物質層14,24の原料である塗料を、集体上に塗布する工程(以下、「塗布工程」ということがある。)と、集電体上に塗布された塗料中の溶媒を除去する工程(以下、「溶媒除去工程」ということがある。)と、を備える。
(塗布工程)
塗料を集電体12、22に塗布する塗布工程について説明する。塗料は、上記活物質、結合剤、及び溶媒を含む。塗料には、これらの成分の他に、例えば、活物質の導電性を高めるための導電材が含まれていてもよい。溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
活物質、結合剤、溶媒、導電材等の塗料を構成する成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。例えば、まず、活物質、導電材及び結合剤を混合し、得られた混合物に、N-メチル-2-ピロリドンを加えて混合し、塗料を調整する。
上記塗料を、集電体12、22に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
(溶媒除去工程)
続いて、集電体12、22上に塗布された塗料中の溶媒を除去する。除去法は特に限定されず、塗料が塗布された集電体12、22を、例えば80℃~150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
そして、このようにして活物質層14、24が形成された電極を、その後、必要に応じて例えば、ロールプレス装置等によりプレス処理すればよい。ロールプレスの線圧は例えば、10~50kgf/cmとすることができる。
以上の工程を経て、本実施形態に係る電極を作製することができる。
本実施形態に係る電極によれば、正極活物質として本実施形態に係る活物質を用いるため、十分な放電容量の電極が得られる。
ここで、上述のように作製した電極を用いたリチウムイオン二次電池100の他の構成要素を説明する。
電解質は、正極活物質層14、負極活物質層24、及び、セパレータ18の内部に含有させるものである。電解質としては、特に限定されず、例えば、本実施形態では、リチウム塩を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いことにより、充電時の耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。電解質溶液としては、リチウム塩を非水溶媒(有機溶媒)に溶解したものが好適に使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)、LiBOB、LiFSI等の塩が使用できる。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ジエチルカーボネート等、又は、これらの水素原子をフッ素原子で置換した、フルオロプロピレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、フルオロジエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
なお、本実施形態において、電解質は液状以外にゲル化剤を添加することにより得られるゲル状電解質であってもよい。また、電解質溶液に代えて、固体電解質(固体高分子電解質又はイオン伝導性無機材料からなる電解質)が含有されていてもよい。
セパレータ18は、電気絶縁性の多孔体であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
ケース50は、その内部に積層体30及び電解質溶液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からの電気化学デバイス100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。例えば、ケース50として、図2に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
リード60,62は、アルミ等の導電材料から形成されている。
そして、公知の方法により、リード60、62を正極集電体12、負極集電体22にそれぞれ溶接し、正極10の正極活物質層14と負極20の負極活物質層24との間にセパレータ18を挟んだ状態で、電解液と共にケース50内に挿入し、ケース50の入り口をシールすればよい。
以上、本発明の活物質、それを用いた電極、当該電極を備えるリチウムイオン二次電池の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の活物質を用いた電極は、リチウムイオン二次電池以外の電気化学素子にも用いることができる。電気化学素子としては、リチウムキャパシタ等の電気化学キャパシタ等が挙げられる。これらの電気化学素子は、自走式のマイクロマシン、ICカードなどの電源や、プリント基板上又はプリント基板内に配置される分散電源の用途に使用することが可能である。
(実施例1)
一酸化ケイ素を環状炉に入れ、炉内を1Paまで減圧し、700℃に加熱した状態で、13Cの純度が99%の13Cメタンガスと12Cの純度が99.9%の12Cメタンガスとの混合ガス(12C/13C混合メタンガス)を流した。13Cメタンガスと12Cメタンガスとの混合比を変化させることにより、形成される炭素膜中の13Cの比率(σ13C(‰))を、表1に示すように制御した。12C/13C混合メタンガスを水素ガスと混合し、12C/13C混合メタンガスと水素ガスは7:1の比率で混合した。30分間ガスを流した後、冷却し、12Cと13Cとから構成される炭素膜で被覆された一酸化ケイ素を得た。
合成した粒子の同位体比は同位体質量測定装置を用いて測定した。粒子から測定されるσ13C(‰)は原料の12C/13Cの仕込み組成と同一であった。また、測定した炭素安定同位体比δ13Cの値を表1に記載する。
透過型電子顕微鏡により、生成した炭素の膜厚を測定したところ、炭素の厚みは15nmであった。
<負極の作製>
活物質としての上記により炭素被覆した一酸化ケイ素及び黒鉛の質量比1:9の混合物と、バインダーとしてのポリアミドイミド(PAI)とアセチレンブラックを混合したものとを、溶媒であるN-メチル-2-ピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。なお、スラリーにおいて活物質とアセチレンブラックとPAIとの質量比が90:2:8となるように、スラリーを調製した。このスラリーを集電体である銅箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、活物質層が形成された電極(負極)を得た。
<正極の作製>
活物質としてLiCoOとポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びアセチレンブラックを混合したものとを、溶媒であるN-メチル-2-ピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。なお、スラリーにおいて、活物質とアセチレンブラックとPVDFとの質量比が96:2:2となるように、スラリーを調製した。このスラリーを集電体であるアルミニウム箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、電極(正極)を得た。
<リチウムイオン二次電池の作製>
作製した正極及び負極並びにセパレータを、所定の型に打ち抜いた。セパレータとしては、ポリエチレン多孔質膜とポリアミドイミドの多孔質層の2層構造を持つ膜を用いた。負極、セパレータ、正極、セパレータ、負極の順に積層し、正極及び負極のいずれか1つと、1つのセパレータとの組み合わせを1層として、これを6つ重ねて6層の積層体を作製した。電解液にはエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を質量比で3:7となるように混合した溶媒に、LiPFが1Mとなるよう溶解させたものを電解液として用いた。上記積層体を、アルミラミネートパックに入れ、このアルミラミネートパックに、電解液を注入した後、真空シールし、評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例2~6、比較例1)
12C/13C混合メタンガスの比率を変えることにより、実施例2~6および比較例1の活物質を作製した。
上記活物質を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施例2~6、比較例1の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
<ガス発生量の測定>
作製したリチウムイオン二次電池を用いて、充電レートを0.1C(25℃で定電流放電を行ったときに10時間で放電終了となる電流値)として充電し、その際に発生したガスの体積を、アルキメデス法により測定した。結果を表1に示す。
<サイクル特性の測定>
作製したリチウムイオン二次電池を用いて、充電レートを0.5C(25℃で定電流放電を行ったときに2時間で放電終了となる電流値)として充電し、1Cで放電するサイクルと繰り返し、初回のサイクルと300サイクル後の容量を比較し、容量維持率を求めた。
Figure 0006992580000001
1・・・活物質, 2・・・活物質粒子, 3・・・導電層,10・・・正極,20・・・負極、12・・・正極集電体、14・・・正極活物質層、18・・・セパレータ、22・・・負極集電体、24・・・負極活物質層、30・・・発電要素、50・・・ケース、60,62・・・リード、100・・・リチウムイオン二次電池。

Claims (3)

  1. リチウムイオンを吸蔵放出する活物質粒子と、前記活物質粒子の表面の少なくとも一部を被覆する導電膜と、を備え、
    前記活物質粒子はケイ素を主成分として含み、
    前記導電膜は炭素安定同位体13Cを、炭素安定同位体比δ13Cで-80‰~-50‰含む、活物質。
  2. 前記炭素安定同位体 13 Cの含有率は、導電膜の表面における割合であることを特徴とする請求項1に記載の負極活物質粒子。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の活物質を有する負極と、セパレータと、前記セパレータを介して前記負極に対向する正極と、電解質と、を備える、リチウムイオン二次電池。
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