JP2018170113A - 正極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力特性に優れたリチウムイオン二次電池に用いることができる正極、及び、この正極を有するリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の一態様にかかる正極は、集電体と、前記集電体の少なくとも一面に被覆された正極活物質層と、を備え、前記正極活物質層は、平均密度より密度が低い第1領域と、平均密度より密度が高い第2領域と、を有し、前記第1領域の密度は、前記正極活物質層の平均密度より1%以上低く、前記正極活物質層の平均密度より30%低い値以上であり、前記第2領域の密度は、前記正極活物質層の平均密度より1%以上高く、前記正極活物質層の平均密度より37%高い値以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、正極及びリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池等と比較して、軽量、高容量であり、携帯電子機器用の電源として広く用いられている。また近年、リチウムイオン二次電池は、ハイブリッド自動車や電気自動車用の電源としても有力な候補となっている。そのため、リチウムイオン二次電池の出力特性の改善が求められている。
リチウムイオン二次電池の出力特性は、電極内部の空孔率、電極内部への電解液の浸透性、電解液のイオン伝導性、導電助剤の分散性、活物質とその他の材料との界面における内部抵抗等の様々なパラメータの影響を受ける。
例えば、特許文献1には、コイル状物質からなる空孔形成剤を含有させることで、電極活物質層の空孔率を高める方法が記載されている。空孔内に電解液が浸透することで、導電助剤と活物質との伝導性を高め、リチウムイオン二次電池の出力特性が向上することが記載されている。
また例えば、特許文献2には、3次元画像解析により電極内部の曲路率を算出し、空孔の構造を把握し、空孔率とリチウムイオン二次電池の出力特性との関係を評価する方法が記載されている。
特許第5200329号公報 特許第5815617号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載のリチウムイオン二次電池においても、出力特性が十分とは言えなかった。
特許文献1には、空孔率を大きくすると、体積抵抗率が低下することが記載されている。しかしながら、体積抵抗率が低下すると、短時間で放電を行う高レートにおける出力特性を高めることができない。
また特許文献2には、曲路率と電池特性の関連性について記載されている。しかしながら、実際にどのような電池の構成にすれば、短時間で放電を行う高レート及び長時間かけて放電を行う低レートのいずれにおいても、出力特性を向上できるかについて記載されていない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、出力特性に優れたリチウムイオン二次電池に用いることができる正極及びこの正極を含むリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、正極活物質層が、高レートにおける出力特性を高めるための高密度領域と低レートにおける出力特性を高めるための低密度領域とを有することで、高レート及び低レートのいずれにおいても出力特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができることを見出した。
すなわち、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかる正極は、集電体と、前記集電体の少なくとも一面に被覆された正極活物質層と、を備え、前記正極活物質層は、平均密度より密度が低い第1領域と、平均密度より密度が高い第2領域と、を有し、前記第1領域の密度は、前記正極活物質層の平均密度より1%以上低く、前記正極活物質層の平均密度より30%低い値以上であり、前記第2領域の密度は、前記正極活物質層の平均密度より1%以上高く、前記正極活物質層の平均密度より37%高い値以下である。
(2)上記態様にかかる正極において、前記第1領域の密度が2.0g/cm以上3.5g/cm以下であり、第2領域の密度が3.5g/cm以上4.2g/cm以下であってもよい。
(3)上記態様にかかる正極において、前記第1領域は、前記正極活物質層を延在する面と交差する面で切断した断面において、含有する正極活物質の面積率S1aと導電助剤の面積率S1bとの比(S1b/S1a)が、0.45以上0.76以下であってもよい。
(4)上記態様にかかる正極において、前記第2領域は、前記正極活物質層を延在する面と交差する面で切断した断面において、含有する正極活物質の面積率S2aと導電助剤の面積率S2bとの比(S2b/S2a)が、0.15以上0.45以下であってもよい。
(5)上記態様にかかる正極の前記正極活物質層において、前記第1領域の占める面積率S1と前記第2領域の占める面積率S2との比(S1/S2)が、0.66以上1.55以下であってもよい。
(6)上記態様にかかる正極の前記正極活物質層において、前記第2領域が前記集電体側に偏在し、前記第1領域が前記集電体と反対側に偏在していてもよい。
(7)第2の態様にかかるリチウムイオン二次電池は、上記態様にかかる正極と、前記正極と対向する負極と、これらの間に設けられたセパレータ及び電解質と、を有する。
上記態様に係る正極は、出力特性に優れたリチウムイオン二次電池に用いることができる。また上記態様にかかるリチウムイオン二次電池は、出力特性に優れる。
本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の断面模式図である。 本実施形態にかかる正極の断面模式図である。 本実施形態にかかる正極の別の例の断面模式図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
[リチウムイオン二次電池]
図1は、本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の断面模式図である。図1に示すリチウムイオン二次電池100は、積層体40、積層体40を密閉した状態で収容するケース50、及び積層体40に接続された一対のリード60、62を備えている。また図示されていないが、積層体40とともに電解液が、ケース50内に収容されている。また積層体40に変えて捲回体を用いてもよい。
積層体40は、正極20と負極30とが、セパレータ10を挟んで対向配置されたものである。正極20は、板状(膜状)の正極集電体22上に正極活物質層24が設けられたものである。負極30は、板状(膜状)の負極集電体32上に負極活物質層34が設けられたものである。
正極活物質層24及び負極活物質層34は、セパレータ10の両側にそれぞれ接触している。正極集電体22及び負極集電体32の端部には、それぞれリード60、62が接続されており、リード60、62の端部はケース50の外部にまで延びている。図1では、ケース50内に積層体40が一つの場合を例示したが、複数積層されていてもよい。
「正極」
正極20は、正極集電体22と、正極集電体22の少なくとも一面に設けられた正極活物質層24とを有する。
(正極集電体)
正極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
(正極活物質層)
図2は、本実施形態にかかる正極の断面模式図である。図2の断面は、正極20が延在する面に対して直交する任意の面である。図2に示すように正極活物質層24は、平均密度より密度が低い第1領域24Aと、平均密度より密度が高い第2領域24Bとを有する。
第1領域24Aの密度は、正極活物質層24の平均密度より1%以上低く、正極活物質層24の平均密度より30%低い値以上である。すなわち、正極活物質層24の平均密度をρ24、第1領域24Aの密度をρ24Aとすると、ρ24×0.3≦ρ24A≦ρ24×0.99が成り立つ。
また第2領域24Bの密度は、正極活物質層24の平均密度より1%以上高く、正極活物質層24の平均密度より37%高い値以下である。すなわち、正極活物質層24の平均密度をρ24、第1領域24Aの密度をρ24Bとすると、ρ24×1.01≦ρ24B≦ρ24×1.37が成り立つ。
ここで図2に示すように、第1領域24Aと第2領域24Bとが正極活物質層24内で混在している場合、第1領域24A及び第2領域24Bは、明確に境界を判定することは難しい。そのため、第1領域24A及び第2領域24Bは、以下のようにして特定する。
まず、正極活物質層24の重量と厚みから正極活物質層24の平均密度を算出する。次いで、正極活物質層24中の任意の10mm角を10点切り出し、それぞれの密度を測定する。これらの10点の中に、平均密度に対して所定の密度範囲内に入る部分があれば、第1領域24A及び第2領域24Bを有すると言える。
一方で、切り出された部分は任意の部分であり、バラツキがある。そこで、正極活物質層24中に含まれる第1領域24A及び第2領域24B全体の平均密度を求める場合は、水銀圧入法を用いることができる。
第1領域24Aは、正極活物質層24の平均より低密度であり、空孔径の大きな空孔が多い領域である。そのため、水銀ポロシメータで測定した空孔分布における空孔径が2μm以上の空孔体積を有する部分の密度を第1領域24Aの密度として概算できる。また第2領域24Bの密度も同様に、水銀ポロシメータで測定した空孔分布における空孔径が2μm未満の空孔体積を有する部分の密度として概算できる。
水銀圧入法を用いた第1領域24A及び第2領域24Bの密度の概算方法を具体的に説明する。まず正極活物質層24の重量と厚みから、平均密度Dall、体積Vall(cm)を求める。ついで、正極活物質層24の空孔分布を水銀ポロシメータにより測定する。そして、正極活物質層24内の空孔体積V1(cm/g)、空孔径が2μm以上の空孔体積V2(cm/g)、および空孔径が2μm未満の空孔体積V3(cm/g)を求める。
空孔体積V2の領域における正極活物質等のスラリー充填体積は、Vall×V2/V1(cm/g)である。この領域の密度(g/cm)は、1/(Vall×V2/V1)の式から算出でき、この密度を第1領域24Aの概算密度として取り扱うことができる。また同様に、空孔体積V3の領域における正極活物質等のスラリー充填体積は、Vall×V3/V1(cm/g)である。そのため、この領域の密度(g/cm)は、1/(Vall×V3/V1)の式から算出でき、この密度を第2領域24Bの概算密度と取り扱うことができる。
第1領域24Aの密度は2.0g/cm以上3.5g/cm以下であることが好ましく、第2領域24Bの密度は3.5g/cm以上4.2g/cm以下であることが好ましい。
第1領域24Aは、空孔が多く、内部に電解液が浸透しやすい。また第1領域24A内において導電助剤は、潰れ等が生じにくい。そのため、電解液を介したイオンの伝導パス、導電助剤を介した電子の伝導パスを確実に確保することができる。その結果、第1領域24Aでは、正極活物質を最大限利用することができ、低レートにおける出力特性を高めることができる。
一方で、第2領域24Bは、高密度であり、第2領域24B内では、正極活物質と導電助剤との密着性が高い。そのため、正極活物質と導電助剤との間の界面抵抗を下げることができ、導電助剤を介して発生した電子を速やかに正極集電体22に伝えることができる。そのため、電気的なやりとりを高速に行うことが可能となり、高レートにおける出力特性を高めることができる。
ここで、高レート及び低レートとは放電レートを意味する。公称容量値の容量を持つセルを定電流放電して、1時間で放電終了となる電流値を1Cとすると、低レートな放電レートとは1Cより小さい電圧で放電させた場合を言い、高レートな放電レートとは1Cより大きい電圧で放電させた場合を言う。
本実施形態にかかる正極活物質層24は、低レートにおける出力特性に優れる第1領域24Aと、高レートにおける出力特性に優れる第2領域24Bとを有する。そのため、正極20は、低レート及び高レートのいずれにも対応可能であり、出力特性に優れる。
また正極活物質層24において、第1領域24Aの占める面積率S1と第2領域24Bの占める面積率S2との比(S1/S2)は、0.66以上1.55以下であることが好ましく、1.15以上1.35以下であることがより好ましい。
第1領域24Aの割合が高まれば低レートにおける出力特性が高まり、第2領域24Bの割合が高まれば高レートにおける出力特性が高まる。そのため、第1領域24Aの占める面積率S1と第2領域24Bの占める面積率が上記の範囲内であれば、低レート及び高レートのいずれにおいても出力特性に優れた正極を得ることができる。
また正極活物質層24は、正極活物質と、導電助剤と、必要に応じてバインダーとを含む。そのため、第1領域24A及び第2領域24Bもこれらから構成され、これらの構成比率も出力特性に影響を与える。
第1領域24Aは、含有する正極活物質の面積率S1aと導電助剤の面積率S1bとの比(S1b/S1a)が、0.45以上0.76以下であることが好ましく、0.48以上0.58以下であることがより好ましい。
第2領域24Bは、含有する正極活物質の面積率S2aと導電助剤の面積率S2bとの比(S2b/S2a)が、0.15以上0.45以下であることが好ましく、0.35以上0.44以下であることがより好ましい。
ここで、面積率は以下のように求める。まず上述の手順で特定された第1領域24Aまたは第2領域24Bの断面を切り出す。断面は、正極20が延在する面に対して交差する任意の面で切断し、この面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定する。そして測定されたSEM像のコントラストから正極活物質と導電助剤とを特定し、それぞれの画像内の正極活物質層24内における面積率を求める。同様の作業を5カ所で行った平均値を面積率とする。
第1領域24Aにおける正極活物質の面積率S1aと導電助剤の面積率S1bとが当該範囲内であれば、導電助剤を介した正極活物質への伝導パスがより高まり、リチウムイオン二次電池の出力特性がより高まる。
また第2領域24Bにおける正極活物質の面積率S2aと導電助剤の面積率S2bとが当該範囲内であれば、導電助剤と正極活物質との間の界面抵抗がより低減され、リチウムイオン二次電池の出力特性がより高まる。
ここで、第1領域24Aと第2領域24Bの構成は、図2の構成に限られない。例えば、図3に示すように第1領域24Aと第1領域24Bが層状に構成されていてもよいし、第2領域24Bの中に第2領域24Aが島状に点在していてもよい。
図3に示すように第1領域24Aと第2領域24Bが層状に構成される場合、第2領域24Bが正極集電体22側に偏在し、第1領域24Aが正極集電体22と反対側に偏在することが好ましい。電解液が浸透してくるセパレータ側に第1領域24Aが存在することで、電解液の浸透性を高めることができる。
(正極活物質)
正極活物質層24に用いる正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンとリチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF6−)とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能な電極活物質を用いることができる。
例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z+a=1、0≦x<1、0≦y<1、0≦z<1、0≦a<1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセンなどが挙げられる。
(正極導電助剤)
導電助剤は、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。これらの中でも、カーボンブラック等の炭素材料が好ましい。正極活物質のみで十分な導電性を確保できる場合は、リチウムイオン二次電池100は導電助剤を含んでいなくてもよい。
(正極バインダー)
バインダーは、活物質同士を結合すると共に、活物質と正極集電体22とを結合する。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。
また、上記の他に、バインダーとして、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
正極活物質層24における正極活物質の構成比率は、質量比で94.0%以上97.0%以下であることが好ましい。また正極活物質層24における導電助剤の構成比率は、質量比で1.0%以上3.0%以下であることが好ましく、正極活物質層24におけるバインダーの構成比率は、質量比で1.8%以上2.8%以下であることが好ましい。
「負極」
(負極活物質層)
負極は、負極活物質層を有する。負極活物質層は、負極活物質を有し、必要に応じて負極バインダーと導電助剤とをさらに有する。
(負極活物質)
負極活物質はリチウムイオンを吸蔵・放出可能な化合物であればよく、公知のリチウム二次電池用の負極活物質を使用できる。負極活物質としては、例えば、金属リチウム、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、カーボンナノチューブ、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、アルミニウム、シリコン、スズ等のリチウムと化合することのできる金属、SiO(0<x<2)、二酸化スズ等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)等を含む粒子が挙げられる。
(負極集電体)
負極集電体32は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
(負極導電助剤)
導電助剤としては、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
(負極バインダー)
負極に用いるバインダーは正極と同様のものを使用できる。またこの他に、バインダーとして、例えば、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂等を用いてもよい。
また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、バインダーが導電助剤粒子の機能も発揮するので導電助剤を添加しなくてもよい。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、リチウムイオン等のイオンの伝導性を有するものを使用することができ、例えば、高分子化合物(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリフォスファゼン等)のモノマーと、LiClO、LiBF、LiPF等のリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。複合化に使用する重合開始剤としては、例えば、上記のモノマーに適合する光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。
負極活物質層34中の負極活物質、導電材及びバインダーの含有量は特に限定されない。負極活物質層34における負極活物質26の構成比率は、質量比で70%以上98%以下であることが好ましい。また負極活物質層34における導電材の構成比率は、質量比で1%以上20%以下であることが好ましく、負極活物質層34におけるバインダーの構成比率は、質量比で1%以上10%以下であることが好ましい。
負極活物質とバインダーの含有量を上記範囲とすることにより、得られた負極活物質層34において、バインダーの量が少なすぎて強固な負極活物質層を形成できなくなる傾向を抑制できる。また、電気容量に寄与しないバインダーの量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向も抑制できる。
「セパレータ」
セパレータ10は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いはセルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
「電解液」
電解液には、リチウム塩を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液) を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いため、充電時の耐用電圧が低く制限される。そのため、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。
非水電解液は、非水溶媒に電解質が溶解されており、非水溶媒として環状カーボネートと、鎖状カーボネートと、を含有してもよい。
環状カーボネートとしては、電解質を溶媒和することができるものを用いることができる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートなどを用いることができる。
鎖状カーボネートは、環状カーボネートの粘性を低下させることができる。例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが挙げられる。その他、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどを混合して使用してもよい。
非水溶媒中の環状カーボネートと鎖状カーボネートの割合は体積にして1:9〜1:1にすることが好ましい。
電解質としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)、LiBOB等のリチウム塩が使用できる。なお、これらのリチウム塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。特に、電離度の観点から、LiPFを含むことが好ましい。
LiPFを非水溶媒に溶解する際は、非水電解液中の電解質の濃度を、0.5〜2.0mol/Lに調整することが好ましい。電解質の濃度が0.5mol/L以上であると、非水電解液のリチウムイオン濃度を充分に確保することができ、充放電時に十分な容量が得られやすい。また、電解質の濃度が2.0mol/L以内に抑えることで、非水電解液の粘度上昇を抑え、リチウムイオンの移動度を充分に確保することができ、充放電時に十分な容量が得られやすくなる。
LiPFをその他の電解質と混合する場合にも、非水電解液中のリチウムイオン濃度が0.5〜2.0mol/Lに調整することが好ましく、LiPFからのリチウムイオン濃度がその50mol%以上含まれることがさらに好ましい。
「ケース」
ケース50は、その内部に積層体40及び電解液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。
例えば、ケース50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
「リード」
リード60、62は、アルミ等の導電材料から形成されている。そして、公知の方法により、リード60、62を正極集電体22、負極集電体32にそれぞれ溶接し、正極20の正極活物質層24と負極30の負極活物質層34との間にセパレータ10を挟んだ状態で、電解液と共にケース50内に挿入し、ケース50の入り口をシールする。
[リチウムイオン二次電池の製造方法]
次いで、リチウムイオン二次電池100を製造する方法について具体的に説明する。
正極は、正極活物質、導電助剤、バインダー及び溶媒を混合して塗料を作成し、集電体状に塗布することで作製される。図2に示すように、正極活物質層24を第1領域24Aと第2領域24Bの混相とする場合は、不揮発性成分(NV値:Non−Volatile)の割合、種類等が異なる少なくとも2種類以上の塗料を混合させて作製する。また、塗料内に重曹等の発泡剤を混入して、第1領域24Aと第2領域24Bの混相を作製してもよい。
溶媒としては例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。正極活物質、導電助剤、バインダーの構成比率は、質量比で80wt%〜90wt%:0.1wt%〜10wt%:0.1wt%〜10wt%%であることが好ましい。これらの質量比は、全体で100wt%となるように調整される。
塗料を構成するこれらの成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。また正極集電体22への塗布方法も、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。負極についても、同様に負極集電体32上に負極用の塗料を塗布する。
続いて、正極集電体22及び負極集電体32上に塗布された塗料中の溶媒を除去する。除去方法は特に限定されない。例えば、塗料が塗布された正極集電体22及び負極集電体32を、80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
そして、このようにして正極活物質層24、負極活物質層34が形成された電極を必要に応じ、ロールプレス装置等によりプレス処理を行う。なお、図3に示すように、正極活物質層24が第1領域24Aと第2領域24Bの層構造をなす場合は、それぞれの層を形成する際のプレス圧を調整することで、密度の異なる層を作製できる。
次いで、正極活物質層24を有する正極20と、負極活物質層34を有する負極30と、正極と負極との間に介在するセパレータ10と、電解液と、をケース50内に封入する。
例えば、正極20と、負極30と、セパレータ10とを積層し、正極20及び負極30を、積層方向に対して垂直な方向から、プレス器具で加熱加圧し、正極20、セパレータ10、及び負極30を密着させる。そして、例えば、予め作製した袋状のケース50に、積層体40を入れる。
最後に電解液をケース50内に注入することにより、リチウムイオン二次電池が作製される。なお、ケースに電解液を注入するのではなく、積層体40を電解液に含浸させてもよい。
上述のように、本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池は、正極活物質層が密度の異なる2つの領域を有する。そのため、低レートの放電過程及び高レートの放電過程のいずれにおいても、それぞれの領域が適切に寄与し、リチウムイオン二次電池の出力特性を高めることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
「実施例1」
正極活物質1として、平均粒径10μmのLiNi0.83Co0.12Al0.05を準備した。この正極活物質92質量部と、アセチレンブラック4質量部と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)4質量部と、をそれぞれ秤量し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させ、第1のスラリーを調製した。次いで、第1のスラリーと同一組成で、N−メチル−2−ピロリドンをスラリー全量に対して4質量部さらに添加し、NV値を第1のスラリーよりも1.5%低下させた第2のスラリーを調製した。第1のスラリーおよび第2のスラリーは、各々、作製時のミキサー回転数を6500rpmとし、ミキサーによる混合を1分間×3回行った。
得られた第1のスラリーと第2のスラリーとを、さらにミキサーを用いて、回転数が500rpmの条件で1分間混合した。NV値の異なるスラリー同士が弱い回転数で混合、分散されることにより密度分布を有するスラリーを得た。こうして得られたスラリーを厚さ20μmのアルミ箔上に塗工した。塗工量は0.325g/1540.25mmである。その後、温度140℃で30分間乾燥した。乾燥後、アルミ箔の逆面にも同様の条件にてスラリーを塗工し、乾燥した。乾燥した電極を線圧1000kgf/cmで圧延した。上記のような手順を経て、第1領域と第2領域とを同時に有する正極活物質層を得た。
そして、得られた正極活物質層の密度を測定した。正極活物質層の平均密度は3.4g/cmであった。また正極活物質層の一部を切り出し、第1領域と第2領域とを含むことを確認した。
さらに切り出した正極活物質層から第1領域及び第2領域に該当するものを抽出し、断面SEMを測定した。そして、第1領域及び第2領域における正極活物質及び導電助剤の面積率及びその比をそれぞれ測定した。第1領域における正極活物質の面積率S1aは60.7%、導電助剤の面積率S1bは33.0%であり、S1b/S1aは0.54であった。第2領域における正極活物質の面積率S2aは67.2%、導電助剤の面積率S2bは29.2%であり、S2b/S2aは0.43であった。
また水銀ポロシメータを用いて正極活物質層の第1領域及び第2領域の概算密度を算出した。第1領域の密度は3.0g/cmであり、第2領域の密度は4.0g/cmであった。第1領域の密度は正極活物質層の平均密度に対して13%低く、第2領域の密度は正極活物質層の平均密度に対して20%高かった。また断面SEMの結果から第1領域の面積率S1と第2領域の面積率S2の比(S1/S2)も特定した。S1/S2は、1.27であった。
また同条件で作製した正極活物質層の集電体側の100μmの範囲と、集電体と反対側(表面側)の100μmの範囲と、をミクロトームにより切り出し、これらの密度も測定した。集電体側の密度が3.1g/cmであり、表面側の密度が3.0g/cmであった。
次いで、正極に対向する負極を作製した。負極活物質として天然黒鉛粉末90質量部と、バインダーとしてPVDF10質量部と、をそれぞれ秤量し、NMP中に分散させてスラリーを調製した。得られたスラリーを厚さ15μmの銅箔上に塗工した。塗工量は、一方の面を0.162g/1540.25mmとし、他方の面を0.125g/1540.25mmとした。その後、温度140℃で30分間減圧乾燥し、ロールプレス装置を用いてプレス処理して負極シートを作製した。そして、メチルエチルケトン(MEK)を染み込ませた綿棒で、負極シートのタブ溶接箇所から塗膜を擦り剥がし、負極を作製した。
またセパレータは、膜厚20μmのポリエチレン微多孔膜(空孔率:40%、シャットダウン温度:134℃)を用意した。さらに電解質は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒に、LiPFを1.0mol/Lとなるように溶解させた非水電解質溶液を用意した。混合溶媒におけるECとDECとの体積比は、EC:DEC=30:70とした。
そして、正極及び負極の間にセパレータを挟んだ積層体を電解液に浸漬させて、リチウムイオン二次電池を作製した。そして、作製したリチウムイオン二次電池の放電容量を測定した。
放電容量は、二次電池充放電試験装置を用いて測定した。電圧範囲を5mVから1.5Vまでとし、正極活物質重量当たり1C=185mAh/gとし、定電流−定電圧充電を行った。そして、0.5C放電(低レート)及び5C放電(高レート)のそれぞれにて定電流放電を行い、1C放電容量に対する比を求めた。低レートの場合は、1C放電時の放電容量に対して97.1%の放電容量を実現できた。高レートの場合は、1C放電時の放電容量に対して75.1%の放電容量を実現できた。
なお、1Cとは公称容量値の容量を有する電池セルを定電流充電、または定電流放電して、ちょうど1時間で充放電が終了となる電流値のことである。
「比較例1」
比較例1は、第2のスラリーのみを調製し、正極活物質層を作製した。その他の条件は、実施例1と同様にして、放電特性、面積率、密度等を測定した。その結果、比較例1は、いずれも密度が3.0g/cmであり、2つの領域が形成されなかった。
「比較例2」
比較例2は、第1のスラリーを調整する際のN−メチル−2−ピロリドン量が実施例1よりも少なくしNV値を1%高くし、さらに、第2のスラリーを調整する際のN−メチル−2−ピロリドン量を実施例1よりも多くしNV値を1%低くしたことが実施例1と異なる。その他の条件は、実施例1と同様にして、放電特性、面積率、密度等を測定した。比較例2は、第1領域の密度および第2領域の密度が平均密度に対して所定の範囲内になかった。
Figure 2018170113
実施例1、比較例1及び2の比較結果を表1に示した。表1に示すように、2つの領域を有さない比較例1は、高レート及び低レート時の出力特性が低下した。また2つの領域を有していても、第1領域及び第2領域の密度が所定の範囲内にない比較例2も、高レート及び低レート時の出力特性が低下した。
「実施例2〜9」
次いで、実施例2〜9では、第1領域又は第2領域の密度を変更した。第1領域及び第2領域の密度は、第1のスラリーおよび第2のスラリーのN−メチル−2−ピロリドン量を変更し、第1のスラリーのNV値を1%〜2.5%高く調整し、第2のスラリーのNV値を1%〜2.5%低く調整した。また、各スラリーには、発泡剤として重層を混入させた。その他の条件は、実施例1と同様にした。
Figure 2018170113
表2に示すように、第1領域の密度が2.0g/cm以上3.5g/cm以下、第2領域の密度が3.5g/cm以上4.2g/cm以下の場合、リチウムイオン二次電池の出力特性が特に向上した。
「実施例10〜19」
次いで、実施例10〜19では、第1領域又は第2領域における正極活物質の面積率と導電助剤の面積率を変更した。第1領域又は第2領域を構成する正極活物質と導電助剤の面積率は、第1のスラリーおよび第2のスラリーにおける正極活物質と導電助剤の比率を変更した。正極活物質は90質量部〜93質量部とし、導電助剤は3質量部〜6質量部の範囲となるよう調整した。その他の条件は、実施例1と同様にした。
Figure 2018170113
表3に示すように、第1領域において正極活物質の面積率(S1a)と導電助剤の面積率(S1b)との比(S1b/S1a)が0.45以上0.76以下であり、第2領域において正極活物質の面積率(S2a)と導電助剤の面積率(S2b)との比(S2b/S2a)が、0.15以上0.45以下であると、リチウムイオン二次電池の出力特性が特に向上した。
「実施例20〜23」
次いで、実施例20〜23では、第1領域の面積S1と第2領域の面積S2の面積比率を変更した。これらの間の面積比率は、第1のスラリーと第2のスラリーの混合比率を調整した。それぞれ、第1のスラリー:第2のスラリーの比率を1:1.5(実施例20)、1:2(実施例21)、1.5:1(実施例22)、2:1(実施例23)とした。その他の条件は、実施例1と同様にした。
Figure 2018170113
表4に示すように、第1領域の占める面積率(S1)と第2領域の占める面積率(S2)との比(S1/S2)が、0.66以上1.55以下であるとリチウムイオン二次電池の出力特性が特に向上した。
「実施例24及び25」
上述の実施例では、第1領域と第2領域を図2に示すように混相で形成した。実施例24及び25では、図3に示すように第1領域と第2領域を層状に形成した点が上述の実施例と異なる。その他の条件は、実施例1と同じとした。
Figure 2018170113
表5に示すように、第1領域と第2領域を層状に構成しても、出力特性に優れるリチウムイオン二次電池を作製できた。また密度の小さい第1領域が表面側に存在すると、出力特性が向上することが確認された。
10…セパレータ、20…正極、22…正極集電体、24…正極活物質層、24A…第1領域、24B…第2領域、30…負極、32…負極集電体、34…負極活物質層、40…積層体、50…ケース、60,62…リード、100…リチウムイオン二次電池、C…中心、S…表面

Claims (7)

  1. 集電体と、
    前記集電体の少なくとも一面に被覆された正極活物質層と、を備え、
    前記正極活物質層は、平均密度より密度が低い第1領域と、平均密度より密度が高い第2領域と、を有し、
    前記第1領域の密度は、前記正極活物質層の平均密度より1%以上低く、前記正極活物質層の平均密度より30%低い値以上であり、
    前記第2領域の密度は、前記正極活物質層の平均密度より1%以上高く、前記正極活物質層の平均密度より37%高い値以下である、正極。
  2. 前記第1領域の密度が2.0g/cm以上3.5g/cm以下であり、第2領域の密度が3.5g/cm以上4.2g/cm以下である、請求項1に記載の正極。
  3. 前記第1領域は、前記正極活物質層を延在する面と交差する面で切断した断面において、含有する正極活物質の面積率(S1a)と導電助剤の面積率(S1b)との比(S1b/S1a)が、0.45以上0.76以下である、請求項1又は2に記載の正極。
  4. 前記第2領域は、前記正極活物質層を延在する面と交差する面で切断した断面において、含有する正極活物質の面積率(S2a)と導電助剤の面積率(S2b)との比(S2b/S2a)が、0.15以上0.45以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の正極。
  5. 前記正極活物質層において、前記第1領域の占める面積率(S1)と前記第2領域の占める面積率(S2)との比(S1/S2)が、0.66以上1.55以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の正極。
  6. 前記正極活物質層において、前記第2領域が前記集電体側に偏在し、前記第1領域が前記集電体と反対側に偏在している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の正極。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の正極と、前記正極と対向する負極と、これらの間に設けられたセパレータ及び電解質と、を有するリチウムイオン二次電池。
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