JP2018170142A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2018170142A
JP2018170142A JP2017066014A JP2017066014A JP2018170142A JP 2018170142 A JP2018170142 A JP 2018170142A JP 2017066014 A JP2017066014 A JP 2017066014A JP 2017066014 A JP2017066014 A JP 2017066014A JP 2018170142 A JP2018170142 A JP 2018170142A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
active material
electrode active
material layer
lithium ion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017066014A
Other languages
English (en)
Inventor
千映子 清水
Chieko Shimizu
千映子 清水
将太 後藤
Shota Goto
将太 後藤
靖久 岡野
Yasuhisa Okano
靖久 岡野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2017066014A priority Critical patent/JP2018170142A/ja
Publication of JP2018170142A publication Critical patent/JP2018170142A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

【課題】出力特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の一態様にかかるリチウムイオン二次電池は、正極活物質層と、負極活物質層と、これらの間に配設されたセパレータと、をそれぞれ備える複数の積層体と、 前記複数の積層体の間に挟まれ、前記正極活物質層又は前記負極活物質層に接続された集電体と、を備え、前記複数の積層体は、正極活物質層の密度の異なる第1積層体と第2積層体とを有し、前記第1積層体が有する第1正極活物質層の密度は、2.0g/cm3以上3.5g/cm3未満であり、前記第2積層体が有する第2正極活物質層の密度は、3.5g/cm3以上4.2g/cm3以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池等と比較して、軽量、高容量であり、携帯電子機器用の電源として広く用いられている。また近年、リチウムイオン二次電池は、ハイブリッド自動車や電気自動車用の電源としても有力な候補となっている。そのため、リチウムイオン二次電池の出力特性の改善が求められている。
リチウムイオン二次電池の出力特性は、電極内部の空孔率、電極内部への電解液の浸透性、電解液のイオン伝導性、導電助剤の分散性、活物質とその他の材料との界面における内部抵抗等の様々なパラメータの影響を受ける。
例えば、特許文献1には、コイル状物質からなる空孔形成剤を含有させることで、電極活物質層の空孔率を高める方法が記載されている。空孔内に電解液が浸透することで、導電助剤と活物質との伝導性を高め、リチウムイオン二次電池の出力特性が向上することが記載されている。
また例えば、特許文献2には、3次元画像解析により電極内部の曲路率を算出し、空孔の構造を把握し、空孔率とリチウムイオン二次電池の出力特性との関係を評価する方法が記載されている。
特許第5200329号公報 特許第5815617号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載のリチウムイオン二次電池でも、出力特性が十分とは言えなかった。
特許文献1には、空孔率を大きくすると、体積抵抗率が低下することが記載されている。しかしながら、体積抵抗率が低下すると、短時間で放電を行う高レートにおける出力特性を高めることができない。
また特許文献2には、曲路率と電池特性の関連性について記載されている。しかしながら、実際にどのような電池の構成にすれば、短時間で放電を行う高レート及び長時間かけて放電を行う低レートのいずれにおいても、出力特性を向上できるかについて記載されていない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、出力特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、リチウムイオン二次電池が、高レートにおける出力特性を高めるための高密度正極活物質層と、低レートにおける出力特性を高めるための低密度正極活物質層と、を有することで、リチウムイオン二次電池の出力特性が高まることを見出した。
すなわち、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかるリチウムイオン二次電池は、正極活物質層と、負極活物質層と、これらの間に配設されたセパレータと、をそれぞれ備える複数の積層体と、前記複数の積層体の間に挟まれ、前記正極活物質層又は前記負極活物質層に接続された集電体と、を備え、前記複数の積層体は、正極活物質層の密度の異なる第1積層体と第2積層体とを有し、前記第1積層体が有する第1正極活物質層の密度は、2.0g/cm以上3.5g/cm未満であり、前記第2積層体が有する第2正極活物質層の密度は、3.5g/cm以上4.2g/cm以下である。
(2)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、集電体の両面に配設された前記正極活物質層が、いずれも第1正極活物質層又は第2正極活物質層である構成でもよい。
(3)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記第1正極活物質層は、層が延在する面と交差する面で切断した断面において、含有する正極活物質の面積率(S1a)と導電助剤の面積率(S1b)との比(S1b/S1a)が、0.45以上0.76以下であってもよい。
(4)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記第2正極活物質層は、層が延在する面と交差する面で切断した断面において、含有する正極活物質の面積率(S2a)と導電助剤の面積率(S2b)との比(S2b/S2a)が、0.15以上0.45以下であってもよい。
(5)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記第1積層体が前記第2積層体より内側に配設されていてもよい。
上記態様に係るリチウムイオン二次電池は、出力特性に優れる。
本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の断面模式図である。 本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の要部の断面模式図である。 本実施形態の別の例に係るリチウムイオン二次電池の要部の断面模式図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
[リチウムイオン二次電池]
図1は、本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の断面模式図である。図1に示すリチウムイオン二次電池100は、複数の積層体40と、複数の積層体40を区切る正極集電体22及び負極集電体32と、積層体40を密閉した状態で収容するケース50と、積層体40に接続された一対のリード60、62とを備えている。また図示されていないが、積層体40とともに電解液が、ケース50内に収容されている。
積層体40は、正極活物質層24と負極活物質層34とが、セパレータ10を挟んで対向配置されたものである。正極集電体22と、正極集電体22上に設けられた正極活物質層24とで正極20をなし、負極集電体32と、負極集電体32上に設けられた負極活物質層34とで負極30をなす。すなわち、正極20と負極30とがセパレータ10を介して積層されているとも言える。
正極活物質層24及び負極活物質層34は、セパレータ10の両側にそれぞれ接触している。正極集電体22及び負極集電体32の端部には、それぞれリード60、62が接続されており、リード60、62の端部はケース50の外部にまで延びている。図1では、ケース50内に積層体40が2層の場合を例示したが、2層より多い層が複数積層されていてもよい。
図2は、本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の要部を拡大した断面模式図である。図2に示すようにリチウムイオン二次電池は、複数の積層体40の間に挟まれた正極集電体22及び負極集電体32とを有する。
(集電体)
集電体は、正極活物質層24に接続されるものを正極集電体22、負極活物質層34に接続されるものを負極集電体32、と便宜上名付けているだけであり、いずれも差はない。いずれも導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
(積層体)
複数の積層体40は、正極活物質層24の密度の異なる第1積層体40Aと第2積層体40Bとを有する。複数の積層体40は、正極活物質層24、セパレータ10、負極活物質層34の積層順を反転させながら、正極集電体22又は負極集電体32を介して積層される。そのため、正極集電体22に接続される層は正極活物質層24となり、負極集電体32に接続される層は負極活物質層34となる。
「正極活物質層」
正極活物質層24は、正極活物質と、導電助剤と、必要に応じてバインダーとを含む。そのため、これらの充填度によって第1正極活物質層24A及び第2正極活物質層24Bの密度が決まる。
第1積層体40Aが有する第1正極活物質層24Aの密度は、2.0g/cm以上3.5g/cm未満であり、第2積層体40Bが有する第2正極活物質層24Bの密度は、3.5g/cm以上4.2g/cm以下である。すなわち、第1正極活物質層24Aは、第2正極活物質層24Bより低密度である。
低密度な第1正極活物質層24Aは、空孔が多く、内部に電解液が浸透しやすい。またあまり圧縮されていないため、第1正極活物質層24A内において導電助剤は、潰れ等が生じにくい。そのため、電解液を介したイオンの伝導パス、導電助剤を介した電子の伝導パスを確実に確保することができる。その結果、第1正極活物質層24Aでは、正極活物質を最大限利用することができ、低レートにおける出力特性を高めることができる。
一方で、第2正極活物質層24Bは、高密度であり、第2正極活物質層24B内では、正極活物質と導電助剤との密着性が高い。そのため、正極活物質と導電助剤との間の界面抵抗を下げることができ、導電助剤を介して発生した電子を速やかに正極集電体22に伝えることができる。つまり、電気的なやりとりを高速に行うことが可能となり、高レートにおける出力特性を高めることができる。
ここで、高レート及び低レートとは放電レートを意味する。公称容量値の容量を持つセルを定電流放電して、1時間で放電終了となる電流値を1Cとすると、低レートな放電レートとは1Cより小さい電圧で放電させた場合を言い、高レートな放電レートとは1Cより大きい電圧で放電させた場合を言う。
すなわち、低レートにおける出力特性に優れる第1正極活物質層24Aと、高レートにおける出力特性に優れる第2正極活物質層24Bと、を共に有することで、リチウムイオン二次電池は低レートな放電及び高レートな放電のいずれにも対応可能となる。
ここで図2に示すように、一つの正極集電体22に隣接する正極活物質層24は、同一であることが好ましい。すなわち、一つの正極集電体22の両面には、第1正極活物質層24A又は第2正極活物質層24Bが形成されていることが好ましい。
リチウムイオン二次電池100の製造過程においては、正極集電体22と正極活物質層24とを有する正極20を単位構造として作製する。正極集電体22の両面の正極活物質層24の製造条件が同一であれば、単位構造である正極20の製造が容易になる。
またリチウムイオン二次電池100の動作時においては、リチウムイオンの吸着及び脱離が生じる。この際、正極活物質層24は膨張、収縮を繰り返す。正極集電体22の両面の正極活物質層24が同一であれば、両面の膨張収縮率を一定にすることができ、不要な応力が正極20に加わることを避けることができる。
また正極活物質層24を構成する正極活物質及び導電助剤の構成比率も出力特性に影響を与える。
第1正極活物質層24Aは、層が延在する面と交差する面で切断した断面において、含有する正極活物質の面積率S1aと導電助剤の面積率S1bとの比(S1b/S1a)が、0.45以上0.76以下であることが好ましく、0.50以上0.55以下であることがより好ましい。
第2正極活物質層24Bは、層が延在する面と交差する面で切断した断面において、含有する正極活物質の面積率S2aと導電助剤の面積率S2bとの比(S2b/S2a)が、0.15以上0.45以下であることが好ましい。
ここで、面積率は以下のように求める。まず第1正極活物質層24Aまたは第2正極活物質層24Bの断面を切り出す。断面は、正極20が延在する面に対して交差する任意の面で切断し、この面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定する。そして測定されたSEM像のコントラストから正極活物質と導電助剤とを特定し、それぞれの画像内における面積率を求める。同様の作業を5カ所で行った平均値を面積率とする。
第1正極活物質層24Aにおける正極活物質の面積率S1aと導電助剤の面積率S1bとが当該範囲内であれば、導電助剤を介した正極活物質への伝導パスがより高まり、リチウムイオン二次電池の出力特性がより高まる。
また第2正極活物質層24Bにおける正極活物質の面積率S2aと導電助剤の面積率S2bとが当該範囲内であれば、導電助剤と正極活物質との間の界面抵抗がより低減され、リチウムイオン二次電池の出力特性がより高まる。
図3に示すように、第1正極活物質層24Aを有する第1積層体40Aは、第2正極活物質層24Bを有する第2積層体40Bより内側に配設されていることが好ましい。
電解液は外周側から浸透する。そのため、リチウムイオン二次電池100の内側に低密度な第1積層体40Aを配設することで、電解液の浸透性を高めることができる。電解液は、イオン伝導の担い手であるため、浸透性が高まることで、リチウムイオン二次電池100の出力特性をより高めることができる。
<正極活物質>
正極活物質層24に用いる正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンとリチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF6−)とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能な電極活物質を用いることができる。
例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z+a=1、0≦x<1、0≦y<1、0≦z<1、0≦a<1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセンなどが挙げられる。
<正極導電助剤>
導電助剤は、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。これらの中でも、カーボンブラック等の炭素材料が好ましい。正極活物質のみで十分な導電性を確保できる場合は、リチウムイオン二次電池100は導電助剤を含んでいなくてもよい。
<正極バインダー>
バインダーは、活物質同士を結合すると共に、活物質と正極集電体22とを結合する。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。
また、上記の他に、バインダーとして、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
正極活物質層24における正極活物質の構成比率は、質量比で85.0%以上97.0%以下であることが好ましい。また正極活物質層24における導電助剤の構成比率は、質量比で0.5%以上3.0%以下であることが好ましく、正極活物質層24におけるバインダーの構成比率は、質量比で0.5%以上2.8%以下であることが好ましい。
「負極活物質層」
負極は、負極活物質層を有する。負極活物質層は、負極活物質を有し、必要に応じて負極バインダーと導電助剤とをさらに有する。
<負極活物質>
負極活物質はリチウムイオンを吸蔵・放出可能な化合物であればよく、公知のリチウム二次電池用の負極活物質を使用できる。負極活物質としては、例えば、金属リチウム、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、カーボンナノチューブ、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、アルミニウム、シリコン、スズ等のリチウムと化合することのできる金属、SiO(0<x<2)、二酸化スズ等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)等を含む粒子が挙げられる。
<負極導電助剤>
導電助剤としては、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
<負極バインダー>
負極に用いるバインダーは正極と同様のものを使用できる。またこの他に、バインダーとして、例えば、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂等を用いてもよい。
また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、バインダーが導電助剤粒子の機能も発揮するので導電助剤を添加しなくてもよい。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、リチウムイオン等のイオンの伝導性を有するものを使用することができ、例えば、高分子化合物(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリフォスファゼン等)のモノマーと、LiClO、LiBF、LiPF等のリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。複合化に使用する重合開始剤としては、例えば、上記のモノマーに適合する光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。
負極活物質層34中の負極活物質、導電助剤及びバインダーの含有量は特に限定されない。負極活物質層34における負極活物質の構成比率は、質量比で70%以上98%以下であることが好ましい。また負極活物質層34における導電助剤の構成比率は、質量比で1%以上20%以下であることが好ましく、負極活物質層34におけるバインダーの構成比率は、質量比で1%以上10%以下であることが好ましい。
負極活物質とバインダーの含有量を上記範囲とすることにより、得られた負極活物質層34において、バインダーの量が少なすぎて強固な負極活物質層を形成できなくなる傾向を抑制できる。また、電気容量に寄与しないバインダーの量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向も抑制できる。
「セパレータ」
セパレータ10は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いはセルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
「電解液」
電解液には、リチウム塩を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いため、充電時の耐用電圧が低く制限される。そのため、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。
非水電解液は、非水溶媒に電解質が溶解されており、非水溶媒として環状カーボネートと、鎖状カーボネートと、を含有してもよい。
環状カーボネートとしては、電解質を溶媒和することができるものを用いることができる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートなどを用いることができる。
鎖状カーボネートは、環状カーボネートの粘性を低下させることができる。例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが挙げられる。その他、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどを混合して使用してもよい。
非水溶媒中の環状カーボネートと鎖状カーボネートの割合は体積にして1:9〜1:1にすることが好ましい。
電解質としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)、LiBOB等のリチウム塩が使用できる。なお、これらのリチウム塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。特に、電離度の観点から、LiPFを含むことが好ましい。
LiPFを非水溶媒に溶解する際は、非水電解液中の電解質の濃度を、0.5〜2.0mol/Lに調整することが好ましい。電解質の濃度が0.5mol/L以上であると、非水電解液のリチウムイオン濃度を充分に確保することができ、充放電時に十分な容量が得られやすい。また、電解質の濃度が2.0mol/L以内に抑えることで、非水電解液の粘度上昇を抑え、リチウムイオンの移動度を充分に確保することができ、充放電時に十分な容量が得られやすくなる。
LiPFをその他の電解質と混合する場合にも、非水電解液中のリチウムイオン濃度が0.5〜2.0mol/Lに調整することが好ましく、LiPFからのリチウムイオン濃度がその50mol%以上含まれることがさらに好ましい。
(ケース)
ケース50は、その内部に積層体40及び電解液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。
例えば、ケース50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
(リード)
リード60、62は、アルミ等の導電材料から形成されている。そして、公知の方法により、リード60、62を正極集電体22、負極集電体32にそれぞれ溶接し、正極20の正極活物質層24と負極30の負極活物質層34との間にセパレータ10を挟んだ状態で、電解液と共にケース50内に挿入し、ケース50の入り口をシールする。
[リチウムイオン二次電池の製造方法]
次いで、リチウムイオン二次電池100を製造する方法について具体的に説明する。
正極は、正極活物質、導電助剤、バインダー及び溶媒を混合してスラリーを作製し、集電体状に塗布することで作製される。溶媒としては例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。正極活物質、導電助剤、バインダーの構成比率は、質量比で80wt%〜90wt%:0.1wt%〜10wt%:0.1wt%〜10wt%であることが好ましい。これらの質量比は、全体で100wt%となるように調整される。
スラリーを構成するこれらの成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。一方で、スラリーを作製する際のミキサーの回転数を調整すると、得られる正極活物質層の密度を調整できる。
また正極集電体22への塗布方法は、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。負極についても、同様に負極集電体32上に負極用の塗料を塗布する。
続いて、正極集電体22及び負極集電体32上に塗布された塗料中の溶媒を除去する。除去方法は特に限定されない。例えば、塗料が塗布された正極集電体22及び負極集電体32を、80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
そして、このようにして正極活物質層24、負極活物質層34が形成された電極を必要に応じ、ロールプレス装置等によりプレス処理を行う。このプレス処理時に加える圧力は、得られる正極活物質層の密度に影響を及ぼす。高圧でプレスすると正極活物質層は高密度になり、低圧でプレスすると正極活物質層は低密度になる。
次いで、正極活物質層24を有する正極20と、負極活物質層34を有する負極30と、正極と負極との間に介在するセパレータ10と、電解液と、をケース50内に封入する。
例えば、正極20と、負極30と、セパレータ10とを積層し、正極20及び負極30を、積層方向に対して垂直な方向からプレス器具で加熱加圧し、正極20、セパレータ10、及び負極30を密着させる。そして、例えば、予め作製した袋状のケース50に、積層体40を入れる。
最後に電解液をケース50内に注入することにより、リチウムイオン二次電池が作製される。なお、ケースに電解液を注入するのではなく、積層体40を電解液に含浸させてもよい。
上述のように、本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池は、低密度な第1正極活物質層と高密度な第2正極活物質層とを有する。そのため、低レートの放電過程及び高レートの放電過程のいずれにおいても、それぞれの層が適切に寄与し、リチウムイオン二次電池の出力特性を高めることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
「実施例1」
まず第1正極活物質層を有する正極を作製した。正極活物質として、平均粒径10μmのLiNi0.83Co0.12Al0.05を準備した。この正極活物質90質量部と、アセチレンブラック4質量部と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)4質量部と、をそれぞれ秤量し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させ、スラリーを調製した。この際、ミキサー回転数は3000rpmとし、1分間×3回行った。
そして、得られたスラリーを厚さ20μmのアルミ箔上に塗工した。塗工量は0.325g/1540.25mmである。その後、温度140℃で30分間乾燥した。乾燥後、アルミ箔の逆面にも同様の条件にてスラリーを塗工し、乾燥した。そして線圧3000kgf/cmで圧延して第1正極活物質層を有する正極を得た。
次いで、第2正極活物質層を有する正極を作製した。第2正極活物質層を有する正極の製造条件とは、正極活物質層の構成比率を正極活物質97質量部、アセチレンブラック2質量部と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)1質量部とした点、ミキサーの回転数を6000rpmとし、10分間×3回行った点、圧延時の線圧を5000kgf/cmとした点のみが異なる。このような条件で、第2正極活物質層を有する正極を得た。
そして、作製した第1正極活物質層及び第2正極活物質層の密度を測定した。第1正極活物質層の密度は2.0g/cmであり、第2正極活物質層の密度は3.5g/cmであった。
また同条件で作製した第1正極活物質層及び第2正極活物質層の断面SEMを測定した。そして、第1正極活物質層及び第2正極活物質層における正極活物質及び導電助剤の面積率及びその比をそれぞれ測定した。第1正極活物質層における正極活物質の面積率S1aは51.5%、導電助剤の面積率S1bは40.3%であり、S1b/S1aは0.78であった。第2正極活物質層における正極活物質の面積率S2aは86.8%、導電助剤の面積率S2bは12.3%であり、S2b/S2aは0.14であった。
次いで、正極に対向する負極を作製した。負極活物質として天然黒鉛粉末90質量部と、バインダーとしてPVDF10質量部と、をそれぞれ秤量し、NMP中に分散させてスラリーを調製した。得られたスラリーを厚さ15μmの銅箔上に塗工した。塗工量は、一方の面を0.162g/1540.25mmとし、他方の面を0.125g/1540.25mmとした。その後、温度140℃で30分間減圧乾燥し、ロールプレス装置を用いてプレス処理して負極シートを作製した。そして、メチルエチルケトン(MEK)を染み込ませた綿棒で、負極シートのタブ溶接箇所から塗膜を擦り剥がし、負極を作製した。
またセパレータは、膜厚20μmのポリエチレン微多孔膜(空孔率:40%、シャットダウン温度:134℃)を用意した。さらに電解質は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒に、LiPFを1.0mol/Lとなるように溶解させた非水電解質溶液を用意した。混合溶媒におけるECとDECとの体積比は、EC:DEC=30:70とした。
そして、第1正極活物質層を有する正極を3枚、第2正極活物質層を有する正極を3枚、負極7枚、セパレータ12枚を作製した。そして第1正極活物質層を有する正極と、第2正極活物質を有する正極とが交互に並ぶようにこれらを積層した。その後、タブ溶接箇所にリード線を接続し、電解液に浸漬させて、リチウムイオン二次電池を作製した。そして、作製したリチウムイオン二次電池の放電容量を測定した。
放電容量は、二次電池充放電試験装置を用いて測定した。電圧範囲を5mVから1.5Vまでとし、正極活物質重量当たり1C=185mAh/gとし、定電流−定電圧充電を行った。そして、0.5C放電(低レート)及び5C放電(高レート)のそれぞれにて定電流放電を行い、1C放電容量に対する比を求めた。低レートの場合は、1C放電時の放電容量に対して90.5%の放電容量を実現できた。高レートの場合は、1C放電時の放電容量に対して61.5%の放電容量を実現できた。
なお、1Cとは公称容量値の容量を有する電池セルを定電流充電、または定電流放電して、ちょうど1時間で充放電が終了となる電流値のことである。
「実施例2」
第1正極活物質層を有する正極の作製条件と、第2正極活物質層を有する正極の作製条件とをそれぞれ変更した。第1正極活物質層を作製する過程において、構成比率を正極活物質90質量部、アセチレンブラック4.1質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)3.9質量部とし、圧延時の線圧を3100kgf/cmとした。また第2正極活物質層を作製する過程において、圧延時の線圧を5100kgf/cmとした。その他の条件は、実施例1と同じにした。
「実施例3」
第1正極活物質層を有する正極の作製条件と、第2正極活物質層を有する正極の作製条件とをそれぞれ変更した。第1正極活物質層を有する正極を作製する過程において、構成比率を正極活物質90質量部、アセチレンブラック4.2質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)3.8質量部とし、圧延時の線圧を3500kgf/cmとした。また第2正極活物質層を有する正極を作製する過程においてスラリー作製時のミキサー処理時間を10分間×5回とし、圧延時の線圧を5200kgf/cmとした。その他の条件は、実施例1と同じにした。
「実施例4」
第1正極活物質層を有する正極の作製条件と、第2正極活物質層を有する正極の作製条件とをそれぞれ変更した。第1正極活物質層を有する正極を作製する過程において、構成比率を正極活物質96質量部、アセチレンブラック1.7質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)2.3質量部とし、圧延時の線圧を3600kgf/cmとした。また第2正極活物質層を有する正極を作製する過程において、スラリー作製時のミキサー処理時間を10分間×5回とし、圧延時の線圧を5200kgf/cmとした。その他の条件は、実施例1と同じにした。
「実施例5」
第1正極活物質層を有する正極の作製条件と、第2正極活物質層を有する正極の作製条件とをそれぞれ変更した。第1正極活物質層を有する正極を作製する過程において、構成比率を正極活物質96質量部、アセチレンブラック1.8質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)2.2質量部とし、圧延時の線圧を3700kgf/cmとした。また第2正極活物質層を有する正極を作製する過程において、スラリー作製時のミキサー処理時間を1分間×3回とし、圧延時の線圧を5300kgf/cmとした。その他の条件は、実施例1と同じにした。
「実施例6」
第1正極活物質層を有する正極の作製条件と、第2正極活物質層を有する正極の作製条件とをそれぞれ変更した。第1正極活物質層を有する正極を作製する過程において、構成比率を正極活物質96質量部、アセチレンブラック1.9質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)2.1質量部とし、圧延時の線圧を3700kgf/cmとした。また第2正極活物質層を有する正極を作製する過程において、スラリー作製時のミキサー処理時間を1分間×3回とし、圧延時の線圧を5400kgf/cmとした。その他の条件は、実施例1と同じにした。
「実施例7」
第1正極活物質層を有する正極の作製条件と、第2正極活物質層を有する正極の作製条件とをそれぞれ変更した。第1正極活物質層を有する正極を作製する過程において、構成比率を正極活物質97質量部、アセチレンブラック2質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)1質量部とし、スラリー作製時のミキサー処理時間を1分間×4回とした。また第2正極活物質層を有する正極を作製する過程において、スラリー作製時のミキサー処理時間を1分間×3回とした。その他の条件は、実施例1と同じにした。
「実施例8」
第1正極活物質層を有する正極の作製条件と、第2正極活物質層を有する正極の作製条件とをそれぞれ変更した。第1正極活物質層を有する正極を作製する過程において、構成比率を正極活物質97質量部、アセチレンブラック2質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)1質量部とし、スラリー作製時のミキサー処理時間を1分間×4回とした。また第2正極活物質層を有する正極を作製する過程において、スラリー作製時のミキサー処理時間を1分間×3回とした。その他の条件は、実施例1と同じにした。
「実施例9」
第1正極活物質層を有する正極の作製条件と、第2正極活物質層を有する正極の作製条件とをそれぞれ変更した。第1正極活物質層を有する正極を作製する過程において、構成比率を正極活物質97質量部、アセチレンブラック2質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)1質量部とし、スラリー作製時のミキサー処理時間を1分間×5回とし、圧延時の線圧を3200kgf/cmとした。また第2正極活物質層を有する正極を作製する過程において、スラリー作製時のミキサー処理時間を1分間×4回とし、圧延時の線圧を5100kgf/cmとした。その他の条件は、実施例1と同じにした。
「実施例10」
第1正極活物質層を有する正極の作製条件と、第2正極活物質層を有する正極の作製条件とをそれぞれ変更した。第1正極活物質層を有する正極を作製する過程において、構成比率を正極活物質97質量部、アセチレンブラック2質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)1質量部とし、スラリー作製時のミキサー処理時間を1分間×6回とし、圧延時の線圧を3200kgf/cmとした。また第2正極活物質層を有する正極を作製する過程において、圧延時の線圧を5100kgf/cmとした。その他の条件は、実施例1と同じにした。
「実施例11」
第1正極活物質層を有する正極の作製条件と、第2正極活物質層を有する正極の作製条件とをそれぞれ変更した。第1正極活物質層を有する正極を作製する過程において、構成比率を正極活物質97質量部、アセチレンブラック2質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)1質量部とし、スラリー作製時のミキサー処理時間を1分間×7回とし、圧延時の線圧を3500kgf/cmとした。また第2正極活物質層を有する正極を作製する過程において、スラリー作製時のミキサー処理時間を1分間×2回とし、圧延時の線圧を5200kgf/cmとした。その他の条件は、実施例1と同じにした。
「実施例12」
第1正極活物質層を有する正極の作製条件と、第2正極活物質層を有する正極の作製条件とをそれぞれ変更した。第1正極活物質層を有する正極を作製する過程において、構成比率を正極活物質97質量部、アセチレンブラック2質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)1質量部とし、スラリー作製時のミキサー処理時間を1分間×8回とし、圧延時の線圧を3500kgf/cmとした。また第2正極活物質層を有する正極を作製する過程において、スラリー作製時のミキサー処理時間を1分間×3回とし、圧延時の線圧を5200kgf/cmとした。その他の条件は、実施例1と同じにした。
「実施例13」
第1正極活物質層を有する正極の作製条件と、第2正極活物質層を有する正極の作製条件とをそれぞれ変更し、積層体の配置を変更した。第1正極活物質層を有する正極を作製する過程において、構成比率を正極活物質97質量部、アセチレンブラック2質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)1質量部とし、スラリー作製時のミキサー処理時間を回転数2500rpmで1分間×1回とし、圧延時の線圧を3600kgf/cmとした。また第2正極活物質層を有する正極を作製する過程において、スラリー作製時のミキサー処理時間を1分間×3回とし、圧延時の線圧を5300kgf/cmとした。その他の条件は、実施例1と同じにした。
「実施例14」
第1正極活物質層を有する正極の作製条件と、第2正極活物質層を有する正極の作製条件とをそれぞれ変更し、積層体の配置を変更した。第1正極活物質層を有する正極を作製する過程において、構成比率を正極活物質97質量部、アセチレンブラック2質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)1質量部とし、スラリー作製時のミキサー処理時間を回転数2500rpmで1分間×1回とし、圧延時の線圧を3600kgf/cmとした。また第2正極活物質層を有する正極を作製する過程において、スラリー作製時のミキサー処理時間を1分間×3回とし、圧延時の線圧を5300kgf/cmとした。その他の条件は、実施例1と同じにした。
「実施例15」
第1正極活物質層を有する正極の作製条件と、第2正極活物質層を有する正極の作製条件とをそれぞれ変更し、積層体の配置を変更した。第1正極活物質層を有する正極を作製する過程において、構成比率を正極活物質97質量部、アセチレンブラック2質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)1質量部とし、スラリー作製時のミキサー処理回転数を2500rpmで10分間×3回とし、圧延時の線圧を3700kgf/cmとした。また第2正極活物質層を有する正極を作製する過程において、圧延時の線圧を5400kgf/cmとした。その他の条件は実施例1と同じにした。
「実施例16」
第1正極活物質層を有する正極の作製条件と、第2正極活物質層を有する正極の作製条件とをそれぞれ変更し、積層体の配置を変更した。第1正極活物質層を有する正極を作製する過程において、構成比率を正極活物質97質量部、アセチレンブラック2質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)1質量部とし、スラリー作製時のミキサー処理回転数を2500rpmで10分間×3回とし、圧延時の線圧を3700kgf/cmとした。また第2正極活物質層を有する正極を作製する過程において、圧延時の線圧を5400kgf/cmとした。その他の条件は、実施例1と同じにした。
「比較例1」
比較例1では、第1正極活物質層を有する正極のみを用いてリチウムイオン二次電池を作製した。その他の条件は、実施例1と同じとした。
「比較例2」
比較例2では、第2正極活物質層を有する正極のみを用いてリチウムイオン二次電池を作製した。その他の条件は、実施例1と同じとした。
「比較例3」
比較例3では、第1正極活物質層を有する正極を圧延する際の線圧を2700kgf/cmとし、第2正極活物質層を有する正極を圧延する際の線圧を6000kgf/cmとした。その他の条件は、実施例1と同じとした。
「比較例4」
比較例4では、第1正極活物質層を有する正極を圧延する際の線圧を4000kgf/cmとし、第2正極活物質層を有する正極を圧延する際の線圧を6000kgf/cmとした。その他の条件は、実施例1と同じとした。
実施例2〜16及び比較例1〜4のリチウムイオン二次電池のそれぞれについて、0.5C放電(低レート)及び5C放電(高レート)のそれぞれにて定電流放電を行い、1C放電容量に対する比を求めた。その結果を表1に示す。なお、表1における「積層体配置」における「1」は第1積層体、「2」は第2積層体を示し、積層体の積層順を示す。
Figure 2018170142
製造方法と得られる第1正極活物質層及び第2正極活物質層の間には、以下のような関係が確認された。圧延時の圧力を増すと第1正極活物質層及び第2正極活物質層の密度が高まる傾向にあった。また正極活物質層の構成比率中の導電助剤の割合が低下すると、正極活物質層内における導電助剤の面積率が小さくなる傾向にあった。さらに撹拌条件を長くする又は回数を増やすと、正極活物質層内における導電助剤の面積率が小さくなる傾向にあった。
また第1正極活物質層及び第2正極活物質層をいずれも有し、面積率が所定の範囲内に存在すると、低レート及び高レートの充放電特性が向上することが確認できた。
10…セパレータ、20…正極、22…正極集電体、24…正極活物質層、24A…第1正極活物質層、24B…第2正極活物質層、30…負極、32…負極集電体、34…負極活物質層、40…積層体、40A…第1積層体、40B…第2積層体、50…ケース、60,62…リード、100…リチウムイオン二次電池

Claims (5)

  1. 正極活物質層と、負極活物質層と、これらの間に配設されたセパレータと、をそれぞれ備える複数の積層体と、
    前記複数の積層体の間に挟まれ、前記正極活物質層又は前記負極活物質層に接続された集電体と、を備え、
    前記複数の積層体は、正極活物質層の密度の異なる第1積層体と第2積層体とを有し、
    前記第1積層体が有する第1正極活物質層の密度は、2.0g/cm以上3.5g/cm未満であり、
    前記第2積層体が有する第2正極活物質層の密度は、3.5g/cm以上4.2g/cm以下である、リチウムイオン二次電池。
  2. 集電体の両面に配設された前記正極活物質層が、いずれも第1正極活物質層又は第2正極活物質層である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記第1正極活物質層は、層が延在する面と交差する面で切断した断面において、含有する正極活物質の面積率(S1a)と導電助剤の面積率(S1b)との比(S1b/S1a)が、0.45以上0.76以下である、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記第2正極活物質層は、層が延在する面と交差する面で切断した断面において、含有する正極活物質の面積率(S2a)と導電助剤の面積率(S2b)との比(S2b/S2a)が、0.15以上0.45以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記第1積層体が前記第2積層体より内側に配設されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
JP2017066014A 2017-03-29 2017-03-29 リチウムイオン二次電池 Pending JP2018170142A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017066014A JP2018170142A (ja) 2017-03-29 2017-03-29 リチウムイオン二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017066014A JP2018170142A (ja) 2017-03-29 2017-03-29 リチウムイオン二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018170142A true JP2018170142A (ja) 2018-11-01

Family

ID=64019011

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017066014A Pending JP2018170142A (ja) 2017-03-29 2017-03-29 リチウムイオン二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018170142A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3648225A3 (en) * 2018-11-05 2020-05-20 Ningde Amperex Technology Limited Electrochemical device and electronic device comprising same
JP2020166999A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 Tdk株式会社 電極及び非水電解液二次電池
WO2021235794A1 (ko) * 2020-05-20 2021-11-25 주식회사 엘지에너지솔루션 이차전지

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014026944A (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 Nissan Motor Co Ltd 積層構造電池
US20150340730A1 (en) * 2014-05-20 2015-11-26 Samsung Sdi Co., Ltd. Electrode structure and lithium battery including the same
JP2018147677A (ja) * 2017-03-03 2018-09-20 日産自動車株式会社 リチウムイオン二次電池

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014026944A (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 Nissan Motor Co Ltd 積層構造電池
US20150340730A1 (en) * 2014-05-20 2015-11-26 Samsung Sdi Co., Ltd. Electrode structure and lithium battery including the same
JP2018147677A (ja) * 2017-03-03 2018-09-20 日産自動車株式会社 リチウムイオン二次電池

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3648225A3 (en) * 2018-11-05 2020-05-20 Ningde Amperex Technology Limited Electrochemical device and electronic device comprising same
US11616223B2 (en) 2018-11-05 2023-03-28 Ningde Amperex Technology Limited Electrochemical device and electronic device comprising same
US11923530B2 (en) 2018-11-05 2024-03-05 Ningde Amperex Technology Limited Electrochemical device and electronic device including same
JP2020166999A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 Tdk株式会社 電極及び非水電解液二次電池
JP7243380B2 (ja) 2019-03-29 2023-03-22 Tdk株式会社 電極及び非水電解液二次電池
WO2021235794A1 (ko) * 2020-05-20 2021-11-25 주식회사 엘지에너지솔루션 이차전지

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6206611B1 (ja) 負極およびリチウムイオン二次電池
JP2007188869A (ja) リチウムイオン二次電池
JP4988169B2 (ja) リチウム二次電池
CN110265629B (zh) 负极及锂离子二次电池
JP6946694B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP2019169376A (ja) 正極及びリチウムイオン二次電池
JP2019164967A (ja) 負極活物質、負極およびリチウムイオン二次電池
JP6610692B2 (ja) 電極及び蓄電素子
JP2018170142A (ja) リチウムイオン二次電池
JP2018170113A (ja) 正極及びリチウムイオン二次電池
JP6897228B2 (ja) 活物質、電極及びリチウムイオン二次電池
JP6981027B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極活物質、負極及びリチウムイオン二次電池
JP2019164965A (ja) リチウムイオン二次電池
JP7003775B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP7064709B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
JP6962231B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP6237777B2 (ja) 負極活物質、それを用いた負極、及びリチウムイオン二次電池
JP7020167B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP2019175631A (ja) リチウムイオン二次電池用正極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2018174110A (ja) 集電体、及びリチウムイオン二次電池
JP7017108B2 (ja) 活物質、電極及びリチウムイオン二次電池
CN110265628B (zh) 正极及锂离子二次电池
JP2018174107A (ja) 正極、及びリチウムイオン二次電池
JP2020167000A (ja) 電極及び非水電解液二次電池
JP2021022421A (ja) 非水電解液二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210629

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220104