JP2017068939A - リチウム二次電池 - Google Patents

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繁貴 坪内
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Abstract

【課題】リチウム二次電池の出力特性を向上させる。
【解決手段】正極と負極と電解質からなるリチウム二次電池において、正極活物質とバインダと導電剤を含む合剤層と、集電体からなるリチウムイオン電池用正極であって、レーザー散乱法により求めた正極活物質の粒度分布において、D10/D50が0.1〜0.2、D10/D90が0.05〜0.1、D50が1μm以上4μm以下、合剤層の空隙率が25%以上50%以下にする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、リチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池は高いエネルギー密度を有し、電気自動車用や電力貯蔵用の電池として注目されている。特に、電気自動車では、エンジンを搭載しないゼロエミッション電気自動車、エンジンと二次電池の両方を搭載したハイブリッド電気自動車、さらには系統電源から充電させるプラグイン電気自動車がある。特に、ハイブリッド電気自動車では、大電流での出力特性がリチウム二次電池に要求されている。
このように、リチウム二次電池の出力特性を向上させる従来技術として種々の手段があるが、とりわけ、正極活物質の粒子サイズを最適な範囲にして、正極の抵抗を減少させる手段は見当たらない。電極の薄膜化によって、電池の抵抗を低減し、出力特性を向上させる手段として、以下のような先行技術がある。
特許公知文献1は、LiNi(1−y−z−a)CoMn(MはFe、V、Cr、Ti、Mg、Al、Ca、Nb及びZrからなる群より選ばれた少なくとも1種類の元素を示し、x、y、及びzは各々1.0≦x≦1.10、0.4≦y+z≦0.7、0.2≦z≦0.5、0≦a≦0.02である)で示されるリチウム複合酸化物において、平均粒径D50、最小粒径、最大粒径、D10/D50の比とD10/D90の比を特定し、かつ、複合酸化物の表面にTi等の課棒物をコーティングされた正極活物質を開示している。
特許公知文献2では、本発明の電極材料は、電極活物質または電極活物質の前駆体からなるサブミクロンサイズの結晶子の集合体である球状造粒体と、この球状造粒体のうち一部の球状造粒体を粉砕した粉砕物との混合物とし、正極の導電性を向上した発明を開示している。
特開2008−153017号公報 特開2004−192846号公報
特許文献1のように正極活物質の粒径を調節することで、充填率を上げることができる可能性があるが、小粒径の比率が少ないので、充放電の反応面積を増加させることができない場合があるので、これのみでは、出力を向上させる場合に不十分である場合がある。特許文献2には、粒子の平均粒径を調節する技術が開示されているが、小粒径の粒子の比率を考慮していないでの、高出力のためには充放電の反応面積が不十分になる可能性があるという課題がある。
本発明は、リチウム二次電池の出力特性を向上させることを目的とする。
本発明の課題を解決する手段は例えば以下である。
正極と負極と電解質を有するリチウム二次電池において、前記正極は、正極集電体に正極活物質を含む正極合剤が塗布されており、レーザー散乱法により求めた正極活物質の粒度分布であるD10、D50、D90は、D10/D50が0.1〜0.2、D10/D90が0.05〜0.1、の関係を満たし、D50が1μm以上4μm以下であり、前記正極合剤の空隙率は、25%以上50%以下の範囲であり、前記正極合剤の厚さは、10〜30μmの範囲であり、比表面積の比(正極活物質の粒子全体の表面積の総和÷集電体の表面積)の値は、10〜50の範囲であるリチウムイオン二次電池。
本発明により、リチウム二次電池の出力特性を向上させることができる。
本発明のリチウム二次電池の断面構造 正極材料の粒径ごとの頻度(体積比率)と、その累積値の関係 本発明の電池を搭載した蓄電装置
以下、リチウム二次電池の基本構成を説明しながら、本発明の内容を詳細に説明する。
(実施例1)
図1は、リチウム二次電池101の内部構造を模式的に示している。リチウム二次電池101とは、非水電解質中における電極へのリチウムイオンの吸蔵・放出により、電気エネルギーを貯蔵または利用可能とする電気化学デバイスである。これは、リチウムイオン電池、非水電解質二次電池、非水電解液二次電池の別の名称で呼ばれるが、いずれの電池も本発明の対象である。
リチウム二次電池101は、正極107、負極108およびセパレータ109からなる電極群を電池容器102に密閉状態で収納した構成を有している。電極群は、短冊状の電極を積層させた構成、帯状の電極を捲回して円筒状、扁平状に成形した構成など、種々の構成を採用することができる。電池容器102は、電極群の形状に対応して、円筒型、偏平長円形状、角型など、任意の形状を選択することができる。電池容器102は、上部に設けられた開口から電極群を収容した後、開口部が蓋103によって塞がれて密閉されている。
蓋103は、外縁が全周に亘って、例えば、溶接、かしめ、接着などによって電池容器102の開口に接合され、電池容器102を密閉状態で封止している。蓋103は、電池容器102の開口を封止した後に、電池容器102内に電解液Lを注入する注液口を有している。注液口は、電池容器102内に電解液Lを注入した後に、注液栓106によって密閉されている。注液栓106に安全機構を付与することも可能である。その安全機構として、電池容器102内部の圧力を解放するための圧力弁を設けても良い。
蓋103には、絶縁シール部材112を介して正極外部端子104および負極外部端子105が固定され、両端子104、105の短絡が絶縁シール部材112によって防止されている。正極外部端子104は正極リード線110を介して正極107へ、負極外部端子105は負極リード線111を介して負極108へ、それぞれ連結されている。リード線絶縁性シール部材112の材料は、フッ素樹脂、熱硬化性樹脂、ガラスハーメチックシールなどから選択することができ、電解液Lと反応せず、かつ気密性に優れた任意の絶縁材料を使用することができる。
電極群は、正極107と負極108とをセパレータ109を介して積層させることによって構成されている。セパレータ109は、正極107と負極108との間に配置されてこれらの短絡を防止するだけでなく、電極群と電池容器102の間にも挿入され、正極107と負極108が電池容器102を通じて短絡しないようにしている。セパレータ109と各電極107、108の表面および細孔内部に、電解液Lが保持されている。
(正極の製造)
正極107は、正極活物質、導電剤、バインダ、集電体から構成される。その正極活物質を例示すると、LiCoO、LiNiO、LiMnが代表例である。他に、LiMnO、LiMn、LiMnO、LiMn12、LiMn2−x(ただし、M=Co、 Ni、 Fe、 Cr、 Zn、 Ta、x=0.01〜0.2)、LiMnMO(ただし、M=Fe、 Co、 Ni、 Cu、 Zn)、Li1−xAxMn(ただし、A=Mg、 B、 Al、 Fe、 Co、 Ni、 Cr、 Zn、 Ca、x=0.01〜0.1)、LiNi1−xMxO(ただし、M=Co、 Fe、 Ga、x=0.01〜0.2)、LiFeO、Fe(SO、LiCo1−x(ただし、M=Ni、 Fe、 Mn、x=0.01〜0.2)、LiNi1−x(ただし、M=Mn、 Fe、 Co、 Al、 Ga、 Ca、 Mg、x=0.01〜0.2)、Fe(MoO、FeF、LiFePO、LiMnPOなどを列挙することができる。本実施例では、正極活物質にLiNi1/3Mn1/3Co1/3を選択した。ただし、本発明において、正極材料はLiNi1/3Mn1/3Co1/3限られるものではなく上記いずれの正極活物質を用いても構わない。
正極活物質の粒径は、合剤層の厚さ以下になるように規定される。正極活物質粉末中に合剤層厚さ以上のサイズを有する粗粒がある場合、予めふるい分級、風流分級などにより粗粒を除去し、合剤層厚さ以下の粒子を作製する。
正極107を作製するために、正極集電体に塗布する正極合剤の正極スラリを調製する必要がある。本実施例ではLiNi1/3Co1/3Mn1/3を正極活物質とした。表1に示した導電剤の添加量をxとし、正極活物質を93−x重量部、導電剤をx重量部、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)バインダを7重量部とした。繊維状導電剤は、導電剤の添加量xの内訳として、表1に示した添加量で用いた。残りはアセチレンブラックの添加量である。なお、材料の種類、比表面積、粒径分布は、電池の特性などに応じて変更され、例示した組成に限定されない。
正極スラリを調製するために用いる溶媒には、バインダを溶解させるものであれば良い。本実施例ではバインダとしてPVDFを用い、溶媒として、1−メチル−2−ピロリドンを用いた。バインダの種類に応じて、溶媒は選択される。正極材料の分散処理には、公知の混練機、分散機を用いることができる。
正極活物質、導電剤、バインダ、および有機溶媒を混合した正極スラリを、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法などによって正極集電体へ付着させた後、有機溶媒を乾燥し、ロールプレスによって正極を加圧成形することにより、正極を作製することができる。また、塗布から乾燥までを複数回おこなうことにより、複数の合剤層を集電体に積層化させることも可能ある。
集電体としては、厚さが10〜100μmのアルミニウム箔、あるいは厚さが10〜100μm、孔径0.11〜10mmの孔を有するアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板などを用いることができる。材質としてはアルミニウムの他に、ステンレス鋼、チタンなどを用いることができる。本発明では、電池の使用中に溶解、酸化などの変化をしないものであれば、材質、形状、製造方法などに制限されることなく、任意の材料を集電体に使用することができる。
本実施例では、LiNi1/3Co1/3Mn1/3を正極活物質に用いたが、より高容量なLiMnO−LiMnO系固溶体正極を用いても良いし、高電力量の5V系正極(LiNi0.5Mn1.5など)を用いても良い。これらの高容量材料または高電力量材料を用いた場合、容量が高い分、正極合剤の厚さを薄くすることができ、電池の中に収納可能な電極面積を増大させることができる。その結果、電池の抵抗を低下させて高出力な電池を作製することが可能になる。また、LiNi1/3Co1/3Mn1/3正極を用いた場合よりも電池の容量を高めることができる。
正極合剤層の厚さは、平均粒径以上とすることが望ましい。平均粒径の厚さにすると、隣接する粒子間の電子伝導性が悪化するからである。本発明の正極活物質の平均粒径(D50)は、レーザー散乱法により測定され、その範囲は1〜4μmが好適である。この正極活物質を用い、合剤厚さを10μm以上にすると、本発明の効果を得ることができる。また、正極合剤厚さの上限は、30μm以下にすることが望ましい。それ以上厚くなると、導電剤の量を増加させない限り、合剤の表面と集電体表面近傍の正極活物質の充電レベルにばらつきが生じ、偏った充放電が起こるからである。導電剤の量を増加させると、正極体積が嵩高になり、電池のエネルギー密度が低下する。
また、正極活物質の粒径分布から計算した比表面積が特定の範囲に制御することによって、優れた出力特性が得られる。レーザー散乱法で測定した正極活物質の粒径分布から、正極活物質の粒径とその頻度(体積分率)が与えられる。正極活物質を球形と近似すると、粒径ごとに表面積が計算可能で、粒子全体の表面積の総和が求められる。これを集電体の表面積で割り付けた値を、比表面積の比とし、式(1)で表した。なお、集電体の表面積とは、表面粗さを考慮しないで、見かけの寸法から計算した面積である。

比表面積の比=正極活物質の粒子全体の表面積の総和÷集電体の表面積 …式(1)
この値が10〜50の範囲にあるときに、充放電時の最大電流密度が5〜10A/cmのときに、正極のオーム損失が小さく、正極の抵抗の小さなリチウムイオン電池を提供することができる。その結果、優れた出力特性が得られる。
また、レーザー散乱法で測定した正極活物質の粒径分布は、D10/D50が0.1〜0.2、D10/D90が0.05〜0.1、の範囲であることが好ましい。D10/D50が0.2以上の場合、小粒子(D10)が中位の粒子(D50)に対して少なくなるため、正極の表面積が減少し、充放電の反応抵抗が増大する。D10/D50が0.1以下の場合、小粒子(D10)が中位の粒子(D50)に対して多くなるため正極活物質粒子の充填性が悪化し、単位体積当りの充放電容量が減少する。
D10/D90が0.05以下の場合、粒径の大きな粒子(D90)が粒径の小さな粒子に対して多くなる為、正極の表面積が減少し、充放電の反応抵抗が増大する問題に加え、粒径の大きな粒子はリチウムイオン拡散抵抗が大きく、その比率が増大して、充放電のレート特性が悪化する。D10/D90が0.1以上の場合、粒径の大きな粒子(D90)が粒径の小さな粒子に対して少なくなる為、正極活物質粒子の充填性が悪化し、単位体積当りの充放電容量が減少する問題に加え、粒径の大きな粒子同士の間に形成される細孔を粒径の小さな粒子が閉塞してしまい、電解液の保持量が減少し、充放電のレート特性が悪化する。
上記の通り、粒径を調節し、さらに、粒度分布をこの範囲に調節することで、薄膜かした合剤であっても正極活物質の充填率を向上させることができる。
(負極の製造)
負極108は、負極活物質、バインダ、集電体からなる。負極活物質は、非晶質炭素で被覆した天然黒鉛である。
天然黒鉛表面に非晶質炭素を形成させる方法には、負極活物質粉末に熱分解炭素を析出させる方法がある。エタン、プロパン、ブタン等の低分子炭化水素をアルゴン等の不活性ガスで希釈し、800〜1200℃に加熱することにより、負極活物質粒子の表面で、炭化水素から水素が脱離し、負極活物質粒子の表面に炭素が析出する。炭素は非晶質の形態である。その他に、ポリビニルアルコール、ショ糖などの有機物を添加した後に、不活性ガス雰囲気中で300〜1000℃で熱処理を行うことにより、水素と酸素は水素、一酸化炭素、二酸化炭素の形で脱離し、炭素のみを負極活物質表面に析出させることができる。
本実施例では、1%のプロパンと99%のアルゴンを混合したガスを、1000℃にて負極活物質に接触させ、炭素を析出させた。炭素の析出量は、1〜30重量%の範囲が望ましい。本実施例では2重量%の炭素を負極活物質表面に析出させた。炭素被覆により、1サイクル目放電容量が増加するだけでなく、サイクル寿命特性とレート特性の増加に有効である。
負極112を作製するために、負極スラリを調製する必要がある。表1に示した導電剤の添加量をxとし、負極活物質を96−x重量部、導電剤をx重量部、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)バインダを4重量部とした。本実施例では、負極に繊維状導電剤以外の導電剤を用いていないので、xは繊維状導電剤の添加量となる。なお、正極と同様に、アセチレンブラック等の他の導電剤を混合しても良い。また、水系のスラリを調製するために、PVDFの代わりに、スチレンブタジエンゴムとカルボキシメチルセルロースのバインダに置き換えても良い。他に、フッ素ゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリアクリル酸、ポリイミド、ポリアミドなどを用いることができ、本発明において制約はない。負極表面上でバインダが分解せず、電解液に溶解しないものであれば、本発明に使用することができる。
スラリを調製するために用いる溶媒には、バインダを溶解させるものであれば良く、PVDFには1−メチル−2−ピロリドンを用いた。バインダの種類に応じて、溶媒は選択される。負極材料の分散処理には、公知の混練機、分散機を用いた。
スラリの調製には、公知の技術を適用可能であり、負極活物質、バインダを分散可能な溶媒を用いることが可能である。また、負極活物質層の塗布には、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法などの公知の技術を適用可能である。塗布から乾燥までを複数回おこなうことにより、多層合剤層を集電体に形成させることも可能である。本実施例では、ドクターブレード法により、銅箔上に一回の塗布をした。
負極合剤層の厚さは、平均粒径以上とすることが望ましい。平均粒径の厚さにすると、隣接する粒子間の電子伝導性が悪化するからである。合剤厚さが10μm以上、より好適には15μm以上にすると、本発明の効果を得ることができる。また、負極合剤厚さの上限は、50μm以下にすることが望ましい。それ以上厚くなると、導電剤の量を増加させない限り、合剤の表面と集電体表面近傍の負極活物質の充電レベルにばらつきが生じ、偏った充放電が起こるからである。導電剤の量を増加させると、負極体積が嵩高になり、電池のエネルギー密度が低下する。
本実施例では、黒鉛を活物質に用いたが、シリコンやスズまたはそれらの化合物(酸化物、窒化物、および他の金属との合金)を負極活物質に用いてもよい。これらの活物質は、黒鉛の理論容量(372Ah/kg)よりも大きく、500〜1500Ah/kgの容量が得られる。これらの高容量材料を用いると、上述の合剤厚さを薄くすることができ、電池の中に収納可能な電極面積を増大させることができる。その結果、電池の抵抗を低下させて高出力が可能になると同時に、黒鉛負極を用いたときよりも電池の容量を高めることができる。
本発明に利用可能な集電体には、厚さが10〜100μmの銅箔、厚さが10〜100μm、孔径0.1〜10mmの銅製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板などが用いられ、材質も銅の他に、ステンレス鋼、チタン、ニッケルなども適用可能である。本発明では、材質、形状、製造方法などに制限されることなく、任意の集電体を使用することができる。二次電池の出力を向上させるためには、集電体も薄くすることが好ましく、この場合10〜20μmの範囲が好ましい。本実施例および比較例では、厚さ10μmの圧延銅箔を用いた。
(電解液の製造)
本発明で使用可能な電解液の代表例として、エチレンカーボネートにジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどを混合した溶媒に、電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、あるいはホウフッ化リチウム(LiBF)を溶解させた溶液がある。本発明は、溶媒や電解質の種類、溶媒の混合比に制限されることなく、他の電解液も利用可能である。電解質は、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイドなどのイオン伝導性高分子に含有させた状態で使用することも可能である。この場合は前記セパレータが不要となる。
なお、電解液に使用可能な溶媒は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1、 2−ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1、 3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、テトラヒドロフラン、1、 2−ジエトキシエタン、クロルエチレンカーボネート、クロルプロピレンカーボネートなどの非水溶媒がある。本発明の電池に内蔵される正極あるいは負極上で分解しなければ、これ以外の溶媒を用いても良い。
また、電解質には、化学式でLiPF、LiBF、LiClO、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、あるいはリチウムトリフルオロメタンスルホンイミドで代表されるリチウムのイミド塩などの多種類のリチウム塩がある。これらの塩を、上述の溶媒に溶解してできた非水電解液を電池用電解液として使用することができる。本発明の電池に内蔵される正極あるいは負極上で分解しなければ、これ以外の電解質を用いても良い。
固体高分子電解質(ポリマー電解質)を用いる場合には、エチレンオキシド、アクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、メタクリル酸メチル、ヘキサフルオロプロピレンのポリエチレンオキサイドなどのイオン導電性ポリマを電解質に用いることができる。これらの固体高分子電解質を用いた場合、前記セパレータ109を省略することができる利点がある。
さらに、イオン性液体を用いることができる。例えば、1−ethyl−3−methylimidazolium tetrafluoroborate (EMI−BF)、リチウム塩LiN(SOCF(LiTFSI)とトリグライムとテトラグライム)の混合錯体、環状四級アンモニウム系陽イオン(N−methyl−N−propylpyrrolidiniumが例示される。)とイミド系陰イオン(bis(fluorosulfonyl)imideが例示される。)より正極と負極にて分解しない組み合わせを選択して、本発明のリチウム二次電池に用いることができる。
非水電解液の代わりに、固体高分子電解質(ポリマ電解質)あるいはゲル電解質を用いることもできる。固体高分子電解質は、ポリエチレンオキサイドなどの公知のポリマ電解質あるいはポリフッ化ビニリデンと非水電解液の混合物(ゲル電解質)を用いることも可能である。また、イオン液体を用いても良い。
本実施例では、1モル濃度(1M=1mol/dm)のLiPFをエチレンカーボネート(ECと記す。)とエチルメチルカーボネート(EMCと記す。)の混合溶媒に溶解させた電解液を用いた。ECとEMCの混合割合は体積比率で1:2とした。電解質濃度は1モル濃度を基準値とし、表1に示した。特に必要な場合には、電解質濃度を変更し、表1に表示した。また、電解液には1%のビニレンカーボネートを添加した。
(電池の組み立て)
電極群の構造は、図1に示した角型構造のものであっても良いし、円筒形あるいは扁平状などの任意の形状に捲回したもの、短冊状など、種々の形状にすることができる。電池容器の形状は、電極群の形状に合わせ、円筒型、偏平長円形状、角型などの形状を選択してもよい。
本実施例では、正極107と負極108の間にセパレータ109を挿入し、正極107と負極108の短絡を防止する。ポリエチレン、ポリプロピレンなどからなるポリオレフィン系高分子シート、あるいはポリオレフィン系高分子と4フッ化ポリエチレンを代表とするフッ素系高分子シートを溶着させた多層構造のセパレータ109などを使用することが可能である。電池温度が高くなったときにセパレータ109が収縮しないように、セパレータ109の表面にセラミックスとバインダの混合物を薄層状に形成しても良い。これらのセパレータ109は、電池の充放電時にリチウムイオンを透過させる必要があるため、一般に細孔径が0.01〜10μm、空隙率が20〜90%であれば使用可能である。本実施例では、厚さ25μm、空隙率45%のポリエチレン単層のセパレータ109を用いた。
セパレータ109は、電極群の末端に配置されている電極と電池容器102の間にも挿入し、正極107と負極108が電池容器102を通じて短絡しないようにしている。セパレータ109と各電極の表面および細孔内部に、電解質と非水溶媒からなる電解液Lが保持されている。
積層体の上部には、リード線を介して外部端子に電気的に接続されている。正極107は正極リード線110を介して蓋103の正極外部端子104に接続されている。負極108は負極リード線111を介して蓋103の負極外部端子105に接続されている。なお、リード線110、111は、ワイヤ状、板状などの任意の形状を採ることができる。電流を流したときにオーム損失を小さくすることのできる構造であり、かつ電解液と反応しない材質であれば、リード線110、111の形状、材質は、電池缶113の構造に応じて任意に選択することができる。
電池容器102の材質は、アルミニウム、ステンレス鋼、鋼、ニッケルメッキ鋼製など、非水電解質に対し耐食性のある材料から選択される。
その後、蓋103を電池容器102に密着させ、電池全体を密閉する。本実施例ではかしめによって、蓋103を電池容器102に取り付けた。電池を密閉する方法には、溶接、接着など公知の技術を適用しても良い。
電解液の注入方法は、蓋103を電池容器102から取り外して電極群に直接、添加する方法、あるいは蓋103に設置した注液口106から添加する方法がある。
実施例として製造した電池の定格容量(計算値)は3Ahである。電極塗布量を変更した場合には、電極の面積と枚数を変化させ、定格容量が得られるように、電極サイズを調整した。
表1に、実施例1にて使用した正極仕様を示した。表1の左の列より、正極活物質の重量、体積分率が10%のときの粒径D10、体積分率が50%のときの粒径D50、体積分率が90%のときの粒径D90、D10/D50の比、D10/D90の比、正極合剤層の空隙率、(D90−D10)/D50の計算値、正極厚さ(集電体の厚さを除く正極合剤の厚さ)、および式(1)で計算した比表面積の比が列挙されている。D10、D50、D90は、正極活物質粉末を水に懸濁させ、レーザー散乱法により決定した。
D10の粒径の比率を高めるために、正極活物質を粉砕、分級し、平均粒径がD10付近の粉末を製造する。これと平均粒径がD50となる正極活物質を混合し、表1に示したD10、D50、D90、D10/D50、D10/D90、(D90−D10)/D50に制御した。
図2は、本実施例で用いた正極材料の粒径ごとの頻度(体積比率)を左の縦軸へ、その累積値を右の縦軸に示している。平均粒径0.3μmの正極活物質と3μmの正極活物質を、3:5の体積比で混合し、表1の実施例1の仕様を満足させた。このときのD50が3μmに対して、正極厚さが10μmなので、正極合剤中に平均として3粒子が積層している条件である。後述する他の実施例でも同様である。
また、乾燥後のプレス後の厚さが10μm、合剤の空隙率が40%になるように、正極スラリを集電体に塗布すると、正極プレス後の比表面積の比は22になった。他の実施例の場合も同様に、表1に示した正極厚さになるように、正極スラリの塗布量を制御し、プレス後の空隙率と厚さが表1の値を満たすようにした。なお、実施例での空隙率は、水銀ポロシメータを用いて正極合剤層の細孔容積を測定し、細孔容積を合剤層のみかけの体積(合剤層の面積と厚さの積)で割り付けて計算した。また、より簡便な方法として、合剤層の密度と真密度の比を計算し、以下の式を用いて空隙率を計算しても良い。(空隙率 = (1−合剤層のみかけ密度÷合剤層の真密度)×100)
Figure 2017068939
実施例1の電池について、初期エージングの処理を行った。まず、開回路の状態から充電を開始した。電流は1.5Aとし、4.2Vに到達した時点でその電圧を維持し、電流が0.05Aになるまで充電を継続した。その後30分の休止時間を設けて、3Aにて放電を始めた。電池電圧が2.8Vに達したときに放電を停止させ、30分の休止を行った。同じように、充電と放電を5回繰り返して、電池の初期エージングの処理を終了させた。最後のサイクル(5サイクル目)の放電容量を1サイクル目放電容量とした。その値は、表2の容量1の欄に記載した。
次に、充電条件は初期エージングの方法に従い、放電時の電流値を5倍(15A)に設定して、5C放電容量比を測定した。その容量は、表2の容量5の欄に示した。5C放電容量比は、前述の1C放電容量に対する比率である。その値は、表2の容量5/容量1の欄に記載した。同様に、充電条件は初期エージングの方法に従い、放電時の電流値を10倍(30A)に設定して、10C放電容量比を測定した。その容量は、表2の容量10の欄に示した。10C放電容量比は、前述の1C放電容量に対する比率である。その値は、表2の容量10/容量1の欄に記載した。5C放電のみならず10C放電においても90%以上の高い性能を得た。
Figure 2017068939
(実施例2)
表1の実施例2の仕様にて正極を作製し、図1の電池を製作した。実施例1と同様の条件にて放電容量を測定した結果を、表2の実施例2の欄に示した。
(実施例3)
表1の実施例3の仕様にて正極を作製し、正極を作製し、図1の電池を製作した。実施例1と同様の条件にて放電容量を測定した結果を、表2の実施例3の欄に示した。
(実施例4)
表1の実施例4の仕様にて正極を作製し、正極を作製し、図1の電池を製作した実施例1と同様の条件にて放電容量を測定した結果を、表2の実施例4の欄に示した。
(実施例5)
表1の実施例5の仕様にて正極を作製し、正極を作製し、図1の電池を製作した。実施例1と同様の条件にて放電容量を測定した結果を、表2の実施例4の欄に示した。
(実施例6)
表1の実施例6の仕様にて正極を作製し、正極を作製し、図1の電池を製作した。実施例1と同様の条件にて放電容量を測定した結果を、表2の実施例4の欄に示した。
(実施例7)
表1の実施例7の仕様にて正極を作製し、正極を作製し、図1の電池を製作した。実施例1と同様の条件にて放電容量を測定した結果を、表2の実施例4の欄に示した。
実施例1から実施例5の結果より、D10/D50は0.1〜0.2、D10/D90は0.05〜0.1、D50は1μm以上4μm以下、合剤層の空隙率は25%以上50%以下としたときに、90%以上の5C放電容量と10C放電容量が得られた。
また、実施例6と実施例1の比較より、(D90−D10)/D50が2.2の実施例6よりも、1.9の実施例1の方が大きな放電容量になるので、(D90−D10)/D50は1.4以上、1.9以下が好適であることがわかった。
実施例6は、比較例と比較すると容量の低下は低いが、他の実施例と比較すると、容量低下があることが分かる。これは正極が厚いため、正極表面から集電体へ向かうリチウムイオンの供給が不十分になって、充放電の反応抵抗が増大している可能性が考えられる。したがって、より好ましくは、前記正極合剤の厚さは、10〜30μmの範囲であり、比表面積の比(正極活物質の粒子全体の表面積の総和÷集電体の表面積)の値は、10〜50の範囲であることが好ましい。
本実施例の正極単位面積の電流密度は、容量10測定時の電流(30A)と表1に示した正極面積から計算される。本実施例では、3.8〜18.8mA/cmであった。電流密度3〜20mA/cm2にて、高出力なリチウムイオン電池を提供することができた。
(比較例1〜比較例4)
実施例1の電池について、正極活物質の粒径を表3のようにした以外は実施例1と同様に電池を作製、評価した。
比較例1、2の電池は、D10/D50の値が0.05と小さい、この為小粒子(D10)が中位の粒子(D50)に対して多くなるため、正極活物質粒子の充填性が悪化し、単位体積当りの充放電容量が減少する。比較例2は、D10/D50の値が0.3と大きい為、小粒子(D10)が中位の粒子(D50)に対して少なくなるため、充放電の反応抵抗が増大するとなる。比較例4は、D10/D90の値が大きい為正極活物質粒子の充填性が悪化し、単位体積当りの充放電容量が減少する問題に加え、粒径の大きな粒子同士の間に形成される細孔を粒径の小さな粒子が閉塞してしまい、電解液の保持量が減少し、充放電のレート特性が悪化する。出力が得られないことが分かる。
Figure 2017068939
このように作製した比較例の電池を、実施例1に記載した条件で、放電容量を測定した結果を表4に示した。比較例の正極作製条件によると、容量5と容量10が低下し、特に容量10/容量1の値が実施例の値よりも減少した。
Figure 2017068939
(実施例8)
実施例1の電池の角型リチウムイオン電池、2個を製作した。図3はそのリチウムイオン電池301a、301bを直列に接続した本発明の電池システムを示す。
各リチウムイオン電池301a、301bは、正極307、負極308、セパレータ409からなる同一仕様の電極群を有し、上部に正極外部端子304、負極外部端子305を設けている。各外部端子と電池容器の間には絶縁シール部材312を挿入し、外部端子同士が短絡しないようにしている。なお、図3では図1の正極リード線110と負極リード線111に相当する部品が省略されているが、リチウムイオン電池301a、301bの内部の構造は図1と同様である。
リチウムイオン電池301aの負極外部端子305は、電力ケーブル313により充電制御器316の負極入力ターミナルに接続されている。リチウムイオン電池301aの正極外部端子304は、電力ケーブル314を介して、リチウムイオン電池301bの負極外部端子305に連結されている。リチウムイオン電池301bの正極外部端子304は、電力ケーブル315により充電制御器316の正極入力ターミナルに接続されている。このような配線構成によって、2個のリチウムイオン電池301a、301bを充電または放電させることができる。
充放電制御器316は、電力ケーブル317、318を介して、外部に設置した機器(以下では外部機器と称する。)319との間で電力の授受を行う。外部機器319は、充放電制御器316に給電するための外部電源や回生モータ等の各種電気機器、ならびに本システムが電力を供給するインバータ、コンバータおよび負荷が含まれている。外部機器が対応する交流、直流の種類に応じて、インバータ等を設ければ良い。これらの機器類は、公知のものを任意に適用することができる。
また、再生可能エネルギーを生み出す機器として風力発電機の動作条件を模擬した発電装置322を設置し、電力ケーブル320、321を介して充放電制御器316に接続した。発電装置322が発電するときには、充放電制御器316が充電モードに移行し、外部機器319に給電するとともに、余剰電力をリチウムイオン電池301aと312bに充電する。また、風力発電機を模擬した発電量が外部機器319の要求電力よりも少ないときには、リチウムイオン電池301aと312bを放電させるように充放電制御器316が動作する。なお、発電装置322は他の発電装置、すなわち太陽電池、地熱発電装置、燃料電池、ガスタービン発電機などの任意の装置に置換することができる。充放電制御器316は上述の動作をするように自動運転可能なプログラムを記憶させておく。
リチウムイオン電池301a、301bを定格容量が得られる通常の充電を行う。例えば、1時間率の充電電流にて、2.8Vの定電圧充電を0.5時間、実行することができる。充電条件は、リチウムイオン電池の材料の種類、使用量などの設計で決まるので、電池の仕様ごとに最適な条件とする。
リチウムイオン電池301a、301bを充電した後には、充放電制御器316を放電モードに切り替えて、各電池を放電させる。通常は、一定の下限電圧に到達したときに放電を停止させる。
以上で説明したシステムの構成にて、外部機器319は充電時に電力を供給し、放電時に電力を消費させた。本実施例では、2時間率の充電を行い、1時間率(1C)の放電を行い。初期の放電容量を求めた。その結果、各電池301a、301bの設計容量3Ahの99.5〜100%の容量を得た。
その後、環境温度20〜30℃の条件で、以下で述べる充放電サイクル試験を行った。まず、2時間率(2C)の電流(1.5A)にて充電を行い、充電深度50%(1.5Ah充電した状態)になった時点で、充電方向に5秒のパルスを、放電方向に5秒のパルスを電池301a、301bに与え、発電装置322からの電力の受け入れと外部機器319への電力供給を模擬するパルス試験を行った。なお、電流パルスの大きさは、ともに15Aとした。この電流は0.2時間率の大きな電流である。続けて、残りの容量1.5Ahを2時間率の電流(1.5A)で各電池の電圧が4.2Vに達するまで充電し、その電圧で1時間の定電圧充電を継続した後に、充電を終了させた。その後、1時間率の電流(3A)にて各電池の電圧が3Vまで放電した。このような一連の充放電サイクル試験を500回繰り返したところ、初期の放電容量に対し、97〜98%の容量を得た。電力受け入れと電力供給の電流パルスを電池に与えても、システムの性能はほとんど低下しないことがわかった。
101 リチウムイオン電池、102 電池容器、103 蓋、104 正極外部端子、105 負極外部端子、106 注液口、107 正極、108 負極、109 セパレータ、110 正極リード線、111 負極リード線、112 絶縁性シール材料、301a リチウムイオン電池、301b リチウムイオン電池、302 電池容器、304 正極外部端子、305 負極外部端子、306 注液口、307 正極、308 負極、309 セパレータ、312 絶縁性シール材料、313 電力ケーブル、314 電力ケーブル、315 電力ケーブル、316 充放電制御器、317 電力ケーブル、318 電力ケーブル、319 外部機器、320 電力ケーブル、321 電力ケーブル、322 再生可能なエネルギーの発電装置

Claims (6)

  1. 正極と負極と電解質を有するリチウム二次電池において、
    前記正極は、正極集電体に正極活物質を含む正極合剤が塗布されており、
    レーザー散乱法により求めた正極活物質の粒度分布であるD10、D50、D90は、D10/D50が0.1〜0.2、D10/D90が0.05〜0.1、の関係を満たし、
    D50が1μm以上4μm以下であり、
    前記正極合剤の空隙率は、25%以上50%以下の範囲であるリチウムイオン二次電池。
  2. 請求項1において、
    前記正極合剤の厚さは、10〜30μmの範囲であり、
    比表面積の比(正極活物質の粒子全体の表面積の総和÷集電体の表面積)の値は、10〜50の範囲であるリチウムイオン二次電池。
  3. 請求項2において、
    (D90−D10)/D50の値は1.4以上1.6以下の範囲であるとリチウムイオン二次電池。
  4. 請求項3において、
    リチウム二次電池の最大充放電電流密度 が3〜20A/cm2としたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  5. 請求項4において、
    前記正極合剤の厚さは、前記正極活物質の粒径(D50)の1倍以上、3倍以下であるリチウムイオン二次電池。
  6. 請求項5記載のリチウム二次電池を搭載した蓄電装置。
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