以下、本発明に係る機械式駐車装置の制御装置及び機械式駐車装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。本実施形態では、車両を載置するパレットを水平循環させるパズル式の機械式駐車装置を例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態に係る機械式駐車装置10の概略構成図である。機械式駐車装置10は、車両12を入出庫させる入出庫部14と、車両12を格納する格納庫20と、入出庫部14と格納庫20との間で昇降して車両12を搬送するリフト(昇降装置)22とを備えている。また、機械式駐車装置10は、これら入出庫部14、格納庫20及びリフト22の動作を統括的に制御する制御装置24を備えている。
入出庫部14は、扉26及び操作盤28を有している。扉26は、車両12が入出庫部14に入庫又は出庫する際に開かれる。操作盤28は、機械式駐車装置10の利用者が入庫や出庫などの各種操作を行うためのものである。操作盤28は、入出庫部14の外側に配置される。
操作盤28は、例えば、スイッチ、タッチパネル、ICカード、リモコン装置等の入力装置を有している。操作盤28の入力装置は、機械式駐車装置10の利用者による入庫操作や出庫操作等の各種操作を受け付ける。
また、操作盤28は、文字や画像、音声などの情報を出力する出力装置を有している。このような出力装置としては、例えば液晶ディスプレイ装置、表示ランプ等の表示装置や、スピーカ等の音声出力装置などが挙げられる。また、出力装置として音声合成装置が設けられてもよい。操作盤28は、出力装置を介して、利用者に種々の情報を提供する。
格納庫20は、複数の格納階(段)を有している。各格納階には、水平面上に格子状(例えば、N行×M列)に配置された複数の格納棚18が設けられている。複数の格納棚18は、パレット16が配置される格納棚18Pと、パレット16が配置されずに空き領域となる格納棚18Eと、パレット16の移動が行われない稼働禁止棚18Nとを含んでいる。空き領域となる格納棚18Eは、1箇所以上設けられる。格納棚18は、例えば1台の車両12を収容可能な寸法に形成される。
パレット16は、板状に形成され、車両12を載置する。パレット16は、1台分の車両12を載置可能であり、かつ1つの格納棚18に収まる寸法に形成される。パレット16は、複数の格納棚18間を行方向及び列方向に移動する。格納庫20では、車両12を載置した在車パレット16が移動することで、車両12の搬送が行われる。
図1において、格納庫20の格納棚18は、3階(段)として示されているが、これは一例であって段数は特に限定されず、1階、2階、又は4階以上であってもよい。なお、1つ以上の格納棚18によって構成される1平面の格納庫を格納階(段)と呼ぶ。また、格納庫20は、入出庫部14よりも下階に配置されているが、これに限らず、格納庫20は、入出庫部14よりも上階に配置されていてもよいし、入出庫部14よりも上階及び下階の両方に配置されてもよい。さらに、各階の格納棚18は、リフト22によって接続されており、各階のレイアウト(格納棚の数及び縦横比、配置形状(方形、L字型、ロ字型など)、またパレット16の枚数及び位置等)は、各々同じでも異なっていてもよい。
図1において、リフト(昇降装置)22は1基設けることとして示されているが、複数あってもよい。また、リフト22に接続する入出庫部14は1つ示されているが、入出庫階でリフトの左右に接続されるタイプ、複数の入出庫階を持つタイプなどであってもよい。
図2は、機械式駐車装置10の制御装置24の電気的構成を示すブロック図である。制御装置24は、CPU(Central Processing Unit)40、各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)44、CPU40による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)45、各種プログラム及び各種情報を記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)46を備えている。
CPU40は、設定部41と、移動制御部42と、処理部43とを有している。設定部41は、複数の格納棚18のうち少なくとも一部を稼働禁止棚18Nとして設定する。設定部41による稼働禁止棚18Nの具体的な設定手順については後述する。移動制御部42は、格納棚18の各格納階におけるパレット16の移動を制御する。移動制御部42は、設定部41によって設定された稼働禁止棚18Nとは異なる格納棚18を用いてパレット16を移動させることが可能である。
処理部43は、機械式駐車装置10の各種処理及び演算等を行う。例えば処理部43は、格納庫20の格納階毎に車両12の収容台数の設定及び変更を行う。この収容台数は、例えば車両12の入庫台数等に応じて設定及び変更することが可能である。収容台数の最大値は、各格納階の格納棚18の総数からリフト22が配置された格納棚18の数と空き領域となる格納棚18の数とを減算することにより求められる。収容台数の設定値を最大値よりも小さい値にすることにより、使用しない格納棚18やパレット16を減らすことができ、消費電力を低減できる。
HDD46は、パレット情報記憶部47と、禁止棚情報記憶部48と、制御プログラム記憶部49とを有している。パレット情報記憶部47は、格納棚18の各格納階におけるパレット16の配置に関する情報が記憶される。禁止棚情報記憶部48は、格納棚18の各格納階における稼働禁止棚18Nの配置に関する情報が記憶される。また、HDD46には、格納庫20の格納階ごとの収容台数が記憶される。
制御プログラム記憶部49は、稼働禁止棚18Nの配置を設定する制御プログラムを記憶する。この制御プログラムは、複数の格納棚18のうちリフト22が配置された格納棚18とは異なり、かつ車両12を載置したパレット16を入庫時から出庫時までの間に搬送可能な1つ以上の最短経路上の格納棚18とは異なる格納棚18の少なくとも1つを、パレット16の移動を行わない稼働禁止棚18Nとして設定する処理と、設定された稼働禁止棚18Nとは異なる格納棚18を用いてパレット16を移動させる処理とをコンピュータに実行させる。
また、制御装置24は、パレット16やリフト22等を駆動させるためのモータ(不図示)を制御するモータ制御部51、及びパレット16やリフト22等の動作状態を検知するセンサ(不図示)からの信号を受信するセンサ信号受信部52を備えている。
CPU40、ROM44、RAM45、HDD46、モータ制御部51、センサ信号受信部52、及び操作盤28は、システムバス53を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU40は、ROM44、RAM45、及びHDD46へのアクセス、操作盤28に対する操作状態の把握及び画像の表示、モータ制御部51を介したモータの駆動、並びにセンサ信号受信部52を介したパレット16やリフト22等の動作状態の把握を行なうことができる。
なお、HDD46の代わりに、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、フラッシュメモリ、バッテリバックアップ付きのSRAM(Static Random Access Memory)等の記憶素子を用いてもよく、プログラム、利用者情報、及び設定値等のデータの種類に応じて記憶素子を使い分けて記憶させてもよい。
続いて、上記のように構成された機械式駐車装置10の動作を説明する。まず、利用者により操作盤28に入庫の指示が入力された場合、制御装置24は、入庫処理を行わせる。入庫処理では、制御装置24は、まず車両12が載置されていない空きパレット16を1つ選択し、リフト22まで水平方向に移動させる。その後、制御装置24は、リフト22によって当該パレット16を上昇させ、入出庫部14に移動させる。パレット16が入出庫部14に配置された後、制御装置24は、扉26を開状態とし、操作盤28の出力装置を介して利用者に車両12を入出庫部14のパレット16に載せるように指示する。車両12がパレット16に載置され、利用者が入出庫部14から外に出た後、制御装置24は、扉26を閉状態とし、車両12が載せられたパレット16をリフト22によって下降させる。その後、制御装置24は、パレット16を水平方向に移動させて格納棚18に格納させる。これにより、入庫処理が完了する。
また、利用者により操作盤28に出庫の指示が入力された場合、制御装置24は、出庫処理を行わせる。出庫処理では、制御装置24は、出庫の指示を行った利用者の車両12が載せられたパレット16を選択し、リフト22まで水平方向に移動させる。その後、制御装置24は、リフト22によって当該パレット16を上昇させ、入出庫部14に移動させる。パレット16が入出庫部14に配置された後、制御装置24は、扉26を開状態とし、操作盤28の出力装置を介して利用者に車両12を入出庫部14から外に出すように指示する。車両12が入出庫部14から外に出された後、制御装置24は、扉26を閉状態とし、パレット16をリフト22によって下降させる。その後、制御装置24は、パレット16を水平方向に移動させて格納棚18に戻す。これにより、出庫処理が完了する。
このようなパズル式の機械式駐車装置10では、同一階内において空き領域となる格納棚18Eの数が多いほど、パレット16が格納棚18間を移動しやすくなるため、入出庫に要する時間が短縮される。その一方で、空き領域となる格納棚18Eを多くすることは、格納できる車両の台数を低減させ、設備としての収容効率を低下させることになる。
これに対して、本実施形態では、設定部41によって稼働禁止棚18Nを設定し、移動制御部42により稼働禁止棚18Nとは異なる格納棚18を用いてパレット16を移動させる。以下、稼働禁止棚18Nを設定する手順を含め、機械式駐車装置10の制御方法を説明する。
図3は、機械式駐車装置10の制御方法の一例を示すフローチャートである。図3に示すように、処理部43は、例えばHDD46にアクセスし、各格納階における車両12の収容台数を検出する(ステップS01)。処理部43は、例えば収容台数に応じて、移動しないパレット16を設ける設定とするか否かを判断する。つまり、処理部43は、稼働禁止棚18Nを設ける設定とするか否かを判断する。処理部43は、稼働禁止棚18Nを設ける設定とすると判断した場合、その旨の判断結果を出力する。設定部41は、処理部43から出力された判断結果を検出した場合、稼働禁止棚18Nを設定する(ステップS02)。なお、稼働禁止棚18Nの設定は、機械式駐車装置10の管理者や利用者等が操作盤28を介して入力することによって行ってもよい。また、処理部43は、収納台数が閾値よりも多い場合や、機械式駐車装置10の使用予測で収納台数が閾値よりも多くなると判定した場合、稼働禁止棚18Nを設定しないようにしてもよい。
図4は、格納庫20のうち格納階の一例を模式的に示す図である。図4では、格納庫20内におけるリフト22及び格納棚18(18P、18E)の位置関係を模式的に示している。図4では、5行5列の格納棚18が配置される場合を例に挙げているが、これに限定するものではない。図4では、格納棚18の列番号をA、B、C、D、Eと表記し、行番号をa、b、c、d、eと表記している。1つの格納棚18の位置を表記する場合、「位置(行番号)(列番号)」と表記する。ただし、行番号及び列番号を表記する場合、かっこを外して表記する。例えば図4の最も右上の格納棚18の位置を表記する場合には、「位置Ae」と表記する。
この格納階において、リフト22は、位置Aaに配置される。また、位置Ba及び位置Bbには、空き領域である格納棚18Eが配置される。他の格納棚18は、パレット16が配置された格納棚18Pである。この格納階には25台の格納棚18が設けられ、そのうちの1台にリフト22が配置され、2台分が空き領域となっている。このため、この格納階には、最大で22台の車両12が収容可能である。
また、図4では、リフト22が入出庫兼用であるため、リフト22が配置された格納棚18のみにより、車両12を載置したパレット16を入庫時から出庫時までの間に搬送可能である。したがって、当該パレット16を搬送可能な最短経路上の格納棚18は、位置Aaの格納棚18のみとなる。ここで、複数の格納棚18のうちリフト22が配置された格納棚18と、車両12を載置したパレット16を入庫時から出庫時までの間に搬送可能な1つ以上の最短経路上の格納棚18とを含む範囲を搬送保証範囲と表記する。図4に示す場合、搬送保証範囲30には、位置Aaの格納棚18のみが含まれる。
図4では、リフト22を除く格納棚18内に数字が記入されている。この数字は、搬送保証範囲30からの距離を示している。本実施形態では、搬送保証範囲30からの距離を、当該リフト22から正方形状に広がる距離(チェビシェフ距離)として示している。位置Aaにリフト22が配置される場合、位置Ab、位置Ba及び位置Bbの3台の格納棚18については、距離がそれぞれ「1」となる。また、位置Ac、位置Bc、位置Ca、位置Cb及び位置Ccの5台の格納棚18については、距離がそれぞれ「2」となる。また、位置Ad、位置Bd、位置Cd、位置Da、位置Db、位置Dc及び位置Ddの7台の格納棚18については、距離がそれぞれ「3」となる。そして、位置Ae、位置Be、位置Ce、位置De、位置Ea、位置Eb、位置Ec、位置Ed及び位置Eeの9台の格納棚18については、距離がそれぞれ「4」となる。
図5は、稼働禁止棚18Nの設定例を模式的に示す図である。図5では、収容台数が13台以内に設定される場合の設定例を示している。図5に示すように、設定部41は、車両12の収容台数が13台以内に設定される場合、搬送保証範囲30(図4参照)からの距離が4である格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することができる。したがって、位置Ae、位置Be、位置Ce、位置De、位置Ea、位置Eb、位置Ec、位置Ed及び位置Eeの9台の格納棚18が稼働禁止棚18Nとして設定される。このように、搬送保証範囲30から離れた格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することにより、搬送保証範囲30の周囲の格納棚18においてパレットを搬送させることができる。このため、入出庫の際、パレット16の搬送距離が短くなり、パレット16の搬送時間が短縮される。
図6は、稼働禁止棚18Nの設定例を模式的に示す図である。図6では、収容台数が7台以内に設定される場合の設定例を示している。図6に示すように、設定部41は、車両12の収容台数が7台以内に設定される場合、搬送保証範囲30(図4参照)からの距離にかかわらず、列番号がc、d及びeの位置に配置される格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することができる。したがって、位置Ac、位置Ad、位置Ae、位置Bc、位置Bd、位置Be、位置Cc、位置Cd、位置Ce、位置Dc、位置Dd、位置De、位置Ec、位置Ed及び位置Eeの15台の格納棚18が稼働禁止棚18Nとして設定される。これにより、リフト22を含む矩形の領域においてパレット16を移動させることができる。このため、パレット16を円滑に移動させることができる。
稼働禁止棚18Nが設定された後、図3に示すように、処理部43は、入出庫の指示を検出する(ステップS03)。入出庫の指示が無い場合(ステップS03のNo)、入出庫の指示があるまで待機する。入出庫の指示があった場合(ステップS03のYes)、処理部43は、入出庫処理を行わせる。このとき、移動制御部42は、稼働禁止棚18Nとは異なる格納棚18を用いてパレット16を移動させる(ステップS04)。移動制御部42は、このパレット16の移動において、例えばパレット情報記憶部47及び禁止棚情報記憶部48に記憶された情報を用いてもよい。
例えば図5のように稼働禁止棚18Nが設定された場合、移動制御部42は、位置Ab、位置Ac、位置Ad、位置Ba、位置Bb、位置Bc、位置Bd、位置Ca、位置Cb、位置Cc、位置Cd、位置Da、位置Db、位置Dc及び位置Ddの15台の格納棚18を用いてパレット16を移動させる。また、例えば図6のように稼働禁止棚18Nが設定された場合、移動制御部42は、位置Ab、位置Ba、位置Bb、位置Ca、位置Cb、位置Da、位置Db、位置Ea及び位置Ebの9台の格納棚18を用いてパレット16を移動させる。
入出庫処理が終了した後、制御装置24は、稼働禁止棚18Nの設定処理を終了するか否かの判断を行う(ステップS05)。制御装置24は、処理を続行する場合には(ステップS05のNO)ステップS01に戻って処理を行い、それ以外の場合には、処理を終了する(ステップS05のYES)。
以上のように、本実施形態によれば、移動を行わないパレット16を設ける設定であることを検出した場合、設定部41によって稼働禁止棚18Nが設定され、移動制御部42により稼働禁止棚18Nとは異なる格納棚18を用いてパレット16を移動させる。このため、パレットスタッカに比べてパレット16の使用可否を切り替える時間を短縮することができる。また、格納棚18にパレットスタッカなどを配置するものではなく、格納棚18自体が物理的に車両12を格納できない状態になるものではないため、収容可能台数が低減することを回避できる。これにより、収容可能台数を減少させることなく、入出庫に要する時間を効率的に短縮することができる。また、パレット16の移動に用いる格納棚18を制限することにより、搬送に関係しないパレット16が移動することを防止できるため、消費電力を抑制できる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、リフト22が角部である位置Aaに配置された場合を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、角部以外に配置されてもよい。
図7は、格納階の他の例を模式的に示す図である。図7に示す格納庫20Aには、リフト22が格納階の中央の位置Ccに配置されている。この格納階において、位置Bb及び位置Bcには、空き領域である格納棚18Eが配置される。他の格納棚18は、パレット16が配置された格納棚18Pである。この格納階には25台の格納棚18が設けられ、そのうちの1台にリフト22が配置され、2台分が空き領域となっている。このため、この格納階には、最大で22台の車両12が収容可能である。
また、図7では、リフト22が入出庫兼用であるため、リフト22が配置された格納棚18のみにより、車両12を載置したパレット16を入庫時から出庫時までの間に搬送可能である。したがって、当該パレット16を搬送可能な最短経路上の格納棚18は、位置Ccの格納棚18のみとなる。よって、搬送保証範囲30Aには、位置Ccの格納棚18のみが含まれる。
図7では、リフト22を除く格納棚18内に数字が記入されている。この数字は、搬送保証範囲30Aからのチェビシェフ距離を示している。位置Ccにリフト22が配置される場合、位置Bb、位置Bc、位置Bd、位置Cb、位置Cd、位置Db、位置Dc及び位置Ddの8台の格納棚18については、距離がそれぞれ「1」となる。また、残りの16台の格納棚18については、距離がそれぞれ「2」となる。
図8は、稼働禁止棚18Nの設定例を模式的に示す図である。図8では、収容台数が6台以内に設定される場合の設定例を示している。図8に示すように、設定部41は、車両12の収容台数が6台以内に設定される場合、搬送保証範囲30A(図7参照)からの距離が2である格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することができる。したがって、位置Aa、位置Ab、位置Ac、位置Ad、位置Ae、位置Ba、位置Be、位置Ca、位置Ce、位置Da、位置De、位置Ea、位置Eb、位置Ec、位置Ed及び位置Eeの16台の格納棚18が稼働禁止棚18Nとして設定される。このように、リフト22から離れた格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することにより、リフト22の周囲の格納棚18においてパレット16を搬送させることができる。このため、入出庫の際、パレット16の搬送距離が短くなり、パレット16の搬送時間が短縮される。
図9は、稼働禁止棚18Nの設定例を模式的に示す図である。図9では、収容台数が12台以内に設定される場合の設定例を示している。図9に示すように、設定部41は、車両12の収容台数が12台以内に設定される場合、列番号がa及びeの位置に配置される格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することができる。したがって、位置Aa、位置Ae、位置Ba、位置Be、位置Ca、位置Ce、位置Da、位置De、位置Ea及び位置Eeの10台の格納棚18が稼働禁止棚18Nとして設定される。これにより、リフト22を含む矩形の領域においてパレット16を移動させることができる。このため、パレット16を円滑に移動させることができる。
また、上記実施形態では、入出庫兼用のリフト22が1箇所設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、入庫用のリフトと出庫用のリフトとが別個に設けられてもよい。この場合、リフトが複数設けられることになる。
図10は、格納階の他の例を模式的に示す図である。図10に示す格納庫20Bには、入庫用のリフト22Aと、出庫用のリフト22Bとが設けられている。リフト22Aは、格納階の位置Abに配置されている。出庫用のリフト22Bは、格納階の位置Acに配置されている。この格納階において、位置Bb及び位置Bcには、空き領域である格納棚18Eが配置される。他の格納棚18は、パレット16が配置された格納棚18Pである。この格納階には25台の格納棚18が設けられ、そのうちの2台にリフト22A、22Bが配置され、2台分が空き領域となっている。このため、この格納階には、最大で21台の車両12が収容可能である。
また、図10では、リフト22Aとリフト22Bとが隣り合う位置に配置されているため、リフト22Aから入庫した車両12及びパレット16をリフト22Bへ搬送することにより、最短距離で搬送可能である。したがって、当該パレット16を搬送可能な最短経路上の格納棚18は、位置Ab及び位置Acの格納棚18の2台となる。よって、搬送保証範囲30Bには、位置Ab及び位置Acの2台の格納棚18が含まれる。
図10では、搬送保証範囲30Bから外れた格納棚18内に数字が記入されている。この数字は、搬送保証範囲30Bからのチェビシェフ距離を示している。この場合、位置Aa、位置Ad、位置Ba、位置Bb、位置Bc及び位置Bdの6台の格納棚18については、距離がそれぞれ「1」となる。また、位置Ae、位置Be、位置Ca、位置Cb、位置Cc、位置Cd及び位置Ceの7台の格納棚18については、距離がそれぞれ「2」となる。また、位置Da、位置Db、位置Dc、位置Dd及び位置Deの5台の格納棚18については、距離がそれぞれ「3」となる。そして、位置Ea、位置Eb、位置Ec、位置Ed及び位置Eeの5台の格納棚18については、距離がそれぞれ「4」となる。
図11は、稼働禁止棚18Nの設定例を模式的に示す図である。図11では、収容台数が4台以内に設定される場合の設定例を示している。図11に示すように、設定部41は、車両12の収容台数が4台以内に設定される場合、搬送保証範囲30B(図10参照)からの距離が2以上である格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することができる。したがって、位置Ae、位置Be、位置Ca、位置Cb、位置Cc、位置Cd、位置Ce、位置Da、位置Db、位置Dc、位置Dd、位置De、位置Ea、位置Eb、位置Ec、位置Ed及び位置Eeの17台の格納棚18が稼働禁止棚18Nとして設定される。このように、リフト22A、22Bから離れた格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することにより、リフト22A、22Bの周囲の格納棚18においてパレット16を搬送させることができる。このため、入出庫の際、パレット16の搬送距離が短くなり、パレット16の搬送時間が短縮される。
図12は、稼働禁止棚18Nの設定例を模式的に示す図である。図12では、収容台数が8台以内に設定される場合の設定例を示している。図12に示すように、設定部41は、車両12の収容台数が8台以内に設定される場合、搬送保証範囲30B(図10参照)からの距離が3以上であり、かつ列方向の距離が2以上の位置に配置される格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することができる。したがって、位置Ae、位置Be、位置Ce、位置Da、位置Db、位置Dc、位置Dd、位置De、位置Ea、位置Eb、位置Ec、位置Ed及び位置Eeの13台の格納棚18が稼働禁止棚18Nとして設定される。これにより、リフト22A、22Bを含む矩形の領域においてパレット16を移動させることができる。このため、パレット16を円滑に移動させることができる。
また、リフト22A、22Bは、縦横に隣り合う位置に配置される場合に限られず、互いに離れて配置されてもよい。図13は、格納階の他の例を模式的に示す図である。図13に示す格納庫20Cでは、入庫用のリフト22Aは、格納階の位置Bbに配置されている。出庫用のリフト22Bは、格納階の位置Ccに配置されている。この格納階において、位置Bc、位置Bd及び位置Cdには、空き領域である格納棚18Eが配置される。他の格納棚18は、パレット16が配置された格納棚18Pである。この格納階には25台の格納棚18が設けられ、そのうちの2台にリフト22A、22Bが配置され、3台分が空き領域となっている。このため、この格納階には、最大で20台の車両12が収容可能である。
また、図13では、リフト22Aとリフト22Bとが離れて配置されているため、リフト22Aから入庫した車両12及びパレット16は、リフト22B以外の経路を搬送する必要がある。この場合、最短経路は、リフト22Aから位置Bcの格納棚18を経由してリフト22Bに搬送する経路と、リフト22Aから位置Cbの格納棚18を経由してリフト22Bに搬送する経路とがある。したがって、搬送保証範囲30Cには、位置Bb、位置Bc、位置Cb及び位置Ccの4台の格納棚18が含まれる。
図13では、搬送保証範囲30Cから外れた格納棚18内に数字が記入されている。この数字は、搬送保証範囲30Cからのチェビシェフ距離を示している。この場合、位置Aa、位置Ab、位置Ac、位置Ad、位置Ba、位置Bd、位置Ca、位置Cd、位置Da、位置Db、位置Dc及び位置Ddの12台の格納棚18については、距離がそれぞれ「1」となる。また、位置Ae、位置Be、位置Ce、位置De、位置Ea、位置Eb、位置Ec、位置Ed及び位置Eeの9台の格納棚18については、距離がそれぞれ「2」となる。
図14は、稼働禁止棚18Nの設定例を模式的に示す図である。図14では、収容台数が1台以内に設定される場合の設定例を示している。図14に示すように、設定部41は、車両12の収容台数が1台以内に設定される場合、搬送保証範囲30C(図13参照)からの距離が1以上である格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することができる。したがって、位置Aa、位置Ab、位置Ac、位置Ad、位置Ae、位置Ba、位置Bd、位置Be、位置Ca、位置Cd、位置Ce、位置Da、位置Db、位置Dc、位置Dd、位置De、位置Ea、位置Eb、位置Ec、位置Ed及び位置Eeの21台の格納棚18が稼働禁止棚18Nとして設定される。このように、搬送保証範囲30C以外のすべての格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することにより、車両12の収容台数は限定されるが、入出庫に要する時間を短縮することが可能となる。
図15は、稼働禁止棚18Nの設定例を模式的に示す図である。図15では、収容台数が11台以内に設定される場合の設定例を示している。図15に示すように、設定部41は、車両12の収容台数が11台以内に設定される場合、搬送保証範囲30C(図13参照)からの距離が2である格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することができる。したがって、位置Ae、位置Be、位置Ce、位置De、位置Ea、位置Eb、位置Ec、位置Ed及び位置Eeの9台の格納棚18が稼働禁止棚18Nとして設定される。このように、搬送保証範囲30Cから離れた格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することにより、搬送保証範囲30Cの周囲の格納棚18においてパレット16を搬送させることができる。このため、パレット16を円滑に搬送することができる。
また、図16は、格納階の他の例を模式的に示す図である。図16に示す格納庫20Dでは、入庫用のリフト22Aが格納階の位置Aaに配置され、出庫用のリフト22Bが格納階の位置Ecに配置されている。この格納階において、位置Cb及び位置Dbには、空き領域である格納棚18Eが配置される。他の格納棚18は、パレット16が配置された格納棚18Pである。この格納階には25台の格納棚18が設けられ、そのうちの2台にリフト22A、22Bが配置され、2台分が空き領域となっている。このため、この格納階には、最大で21台の車両12が収容可能である。
また、図16では、リフト22Aから入庫した車両12及びパレット16をリフト22Bに搬送する際の最短経路は、リフト22Aから位置Ba、位置Ca、位置Da、位置Ea及び位置Ebの格納棚18を経由してリフト22Bに搬送する経路と、位置Ba、位置Ca又は位置Daから1つ右側の位置Bb、位置Cb、位置Dbに移動して位置Ebからリフト22Bに到達する経路とがある。したがって、搬送保証範囲30Dには、位置Aa、位置Ba、位置Bb、位置Ca、位置Cb、位置Da、位置Db、位置Ea及び位置Ebの10台の格納棚18が含まれる。
図16では、搬送保証範囲30Dから外れた格納棚18内に数字が記入されている。この数字は、搬送保証範囲30Dからのチェビシェフ距離を示している。この場合、位置Ab、位置Ac、位置Bc、位置Cc、位置Dc、位置Dd及び位置Edの7台の格納棚18については、距離がそれぞれ「1」となる。また、位置Ad、位置Bd、位置Cd、位置Ce、位置De及び位置Eeの6台の格納棚18については、距離がそれぞれ「2」となる。そして、位置Ae及び位置Beの2台の格納棚18については、距離がそれぞれ「3」となる。
図17は、稼働禁止棚18Nの設定例を模式的に示す図である。図17では、収容台数が6台以内に設定される場合の設定例を示している。図17に示すように、設定部41は、車両12の収容台数が6台以内に設定される場合、搬送保証範囲30D(図16参照)からの距離が1以上である格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することができる。したがって、位置Ab、位置Ac、位置Ad、位置Ae、位置Bc、位置Bd、位置Be、位置Cc、位置Cd、位置Ce、位置Dc、位置Dd、位置De、位置Ed及び位置Eeの15台の格納棚18が稼働禁止棚18Nとして設定される。このように、搬送保証範囲30D以外のすべての格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することにより、車両12の収容台数は限定されるが、入出庫に要する時間を短縮することが可能となる。なお、搬送保証範囲30Dを上記のように設定した場合、空き領域となる格納棚18Eは2つ必要となる。
また、図18は、格納庫20Dにおける格納階の他の例を模式的に示す図である。図18に示す場合では、リフト22Aから入庫した車両12及びパレット16をリフト22Bに搬送する際の最短経路として、リフト22Aから位置Ab、位置Bb、位置Cb、位置Db及び位置Dcを経由してリフト22Bに搬送する経路と、位置Ab、位置Bb及び位置Cbから1つ右側の位置Ac、位置Bc及び位置Ccに移動して位置Dcからリフト22Bに到達する経路とがある。したがって、搬送保証範囲31Dには、位置Ab、位置Ac、位置Bb、位置Bc、位置Cb、位置Cc、位置Db及び位置Dcの10台の格納棚18が含まれる。
図18では、搬送保証範囲31Dから外れた格納棚18内に数字が記入されている。この数字は、搬送保証範囲31Dからのチェビシェフ距離を示している。この場合、位置Ad、位置Ba、位置Bd、位置Ca、位置Cd、位置Da、位置Dd、位置Ea、位置Eb及び位置Edの10台の格納棚18については、距離がそれぞれ「1」となる。また、位置Ae、位置Be、位置Ce、位置De及び位置Eeの5台の格納棚18については、距離がそれぞれ「2」となる。
図19は、稼働禁止棚18Nの設定例を模式的に示す図である。図19では、収容台数が6台以内に設定される場合の設定例を示している。図19に示すように、設定部41は、車両12の収容台数が6台以内に設定される場合、搬送保証範囲31D(図18参照)からの距離が1以上である格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することができる。したがって、位置Ad、位置Ae、位置Ba、位置Bd、位置Be、位置Ca、位置Cd、位置Ce、位置Da、位置Dd、位置De、位置Ea、位置Eb、位置Ed及び位置Eeの15台の格納棚18が稼働禁止棚18Nとして設定される。このように、搬送保証範囲31D以外のすべての格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することにより、車両12の収容台数は限定されるが、入出庫に要する時間を短縮することが可能となる。なお、搬送保証範囲31Dを上記のように設定した場合、空き領域となる格納棚18Eは2つ必要となる。
また、図20は、格納庫20Dにおける格納階の他の例を模式的に示す図である。図20に示す場合では、図16に示す最短経路と、図18に示す最短経路とを合わせた範囲を搬送保証範囲32Dとしている。したがって、搬送保証範囲32Dには、位置Aa、位置Ab、位置Ac、位置Ba、位置Bb、位置Bc、位置Ca、位置Cb、位置Cc、位置Da、位置Db、位置Dc、位置Ea、位置Eb及び位置Ecの15台の格納棚18が含まれる。
図20では、搬送保証範囲32Dから外れた格納棚18内に数字が記入されている。この数字は、搬送保証範囲32Dからのチェビシェフ距離を示している。この場合、位置Ad、位置Bd、位置Cd、位置Dd及び位置Edの5台の格納棚18については、距離がそれぞれ「1」となる。また、位置Ae、位置Be、位置Ce、位置De及び位置Eeの5台の格納棚18については、距離がそれぞれ「2」となる。
図21は、稼働禁止棚18Nの設定例を模式的に示す図である。図21では、収容台数が11台以内に設定される場合の設定例を示している。図21に示すように、設定部41は、車両12の収容台数が11台以内に設定される場合、搬送保証範囲32D(図20参照)からの距離が1以上である格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することができる。したがって、位置Ad、位置Ae、位置Bd、位置Be、位置Cd、位置Ce、位置Dd、位置De、位置Ed及び位置Eeの10台の格納棚18が稼働禁止棚18Nとして設定される。このように、搬送保証範囲32Dがリフト22Aとリフト22Bとを対角位置とした四角形の範囲に設定されるため、パレット16を円滑に移動させることができる。また、搬送保証範囲32D以外のすべての格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することにより、入出庫に要する時間を短縮することが可能となる。なお、搬送保証範囲32Dを上記のように設定した場合、空き領域となる格納棚18Eは1つでもよい。
図22は、稼働禁止棚18Nの設定例を模式的に示す図である。図22では、収容台数が16台以内に設定される場合の設定例を示している。例えば、格納階に収容される車両12の台数が所定の閾値を超えた場合、収容台数の設定を増加するようにしてもよい。逆に、格納階に収容される車両12の台数が当該閾値を下回った場合、収容台数の設定を減少するようにしてもよい。このように、格納階に収容される車両12の台数に応じて、収容台数を変動的に設定することができる。また、稼働禁止棚18Nの設定が変更された場合、稼働禁止棚18Nとは異なる格納棚18における空き領域(格納棚18E)の数が予め設定された数となるように、移動制御部42は、新たな稼働禁止棚18Nと稼働禁止棚18Nとは異なる格納棚18との間でパレット16を移動させてもよい。
図22に示すように、設定部41は、車両12の収容台数が16台以内に設定される場合、搬送保証範囲32D(図20参照)からの距離が2以上である格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することができる。したがって、位置Ae、位置Be、位置Ce、位置De及び位置Eeの5台の格納棚18が稼働禁止棚18Nとして設定される。このように、搬送保証範囲32Dがリフト22Aとリフト22Bとを対角位置とした四角形の範囲に設定されるため、パレット16を円滑に移動させることができる。また、搬送保証範囲32Dから離れた格納棚18を稼働禁止棚18Nとして設定することにより、搬送保証範囲32Dの周囲の格納棚18においてパレット16を搬送させることができる。このため、パレット16を円滑に搬送することができる。なお、この場合においても、空き領域となる格納棚18Eは1つでもよい。