JP6430436B2 - 機械式駐車装置、機械式駐車装置の制御装置、及び機械式駐車装置の制御方法 - Google Patents
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Description
1件の搬送要求を実行するのであれば、図7(A)に示すように、フロアへの搬送要求の受け付け→パズル演算処理→パレットの移動という順の入出庫処理となる。なお、図7において、パズル演算処理で求めたパレットの移動手順の数(実行順)に対応する「1」、「2」・・・、「E」(Eは最後を示す。)はパレットの移動手順の回数を示す。
これにより、1件目の搬送要求の利用者の待ち時間が2件目のパズル演算処理に要する時間ΔTだけ延び、利便性が悪くなる。
要求に応じたフロアにおけるパレットの移動手順は、パズル演算手段によって演算される。この演算では、所定タイミングでのフロアにおけるパレットの配置状態を初期値として用いる。所定タイミングとは、例えば、入庫又は出庫の要求を受け付けたタイミングである。
先の要求に応じた第1目的パレットの移動途中に新たな要求が受け付けられた場合、新たな要求が受け付けられたタイミングからパレットの移動手順を所定回数実行後のフロアにおけるパレットの配置状態が、初期値導出手段によって初期値として導出される。
そして、先の要求に応じた第1目的パレットの移動途中に新たな要求が受け付けられた場合、初期値導出手段によって導出された初期値を用いて、新たな要求に応じたパレットの移動手順が演算される。
機械式駐車装置10は、パレット12に車両14を載置して格納する格納階15を構成するフロア16と、車両14を入庫又は出庫させる乗入階18と、乗入階18とフロア16との間を昇降してパレット12を搬送する昇降装置である複数のリフト20と、を有する。
一方、車両14が出庫する場合には、車両14が載置されたパレット12がリフト20によってフロア16から昇降室28へ搬送され、昇降室28からバース26へ移動する。運転者はバース26内で車両14に搭乗し、車両14と共に退出する。
さらに、各フロア16が備える格納棚22の数及び縦横比等は、各々同じでも異なっていてもよい。また、一部の格納棚22が建物の柱との干渉を避けるために設けられない場合や、他の設備のためにL(エル)字型や凸又は凹の配置となる場合等、全ての格納棚22が格子状に配置されなくてもよい。
例えば、図2に示されるように、3マスの空マスがある場合、図2(A)の例では「A」のパレット12を3マス移動させている。図2(B)の例では「A」及び「B」の2枚のパレット12を3マス移動させている。また、図2(C)の例では、「A」のパレット12を2マス、「B」のパレット12を1マス移動させている。図2(C)の例のように、設備上可能であれば複数のパレット12の移動方向は上、下、左、右で同一方向でなくてもよい。複数のパレット12の移動について、何れも同時に移動処理を行う場合は1回として扱う。
機械式駐車装置10は、操作盤31、主制御装置33、乗入階機器制御部34、リフト機器制御部36、及び格納庫機器制御部38を備える。
利用者のIDが記憶されているカードを読み取る場合には、カードリーダ44がオプションで設置される。このカードは、磁気記憶式又はICカード方式等である。また利用者の携帯端末(携帯電話、スマートフォン、タブレットPC等)が、カードと同様の機能を有してもよいし、これらに限らず、生体認証等の利用者を識別する装置が設置され、利用者のIDとして使用されてもよい。
搬送要求受付部46で受け付けられた搬送要求は、管理データとして記憶部48に順次記憶されると共に、搬送スケジュール管理部50に出力される。
乗入階機器制御部34は、受信した指示信号に基づいて乗入階18に設けられている昇降口扉30やバース26と昇降室28との間でパレット12を移動させるコンベア装置24等の機械設備を駆動させる。
リフト機器制御部36は、受信した指示信号に基づいてリフト20を駆動させる。
格納庫機器制御部38は、受信した指示信号に基づいてフロア16を構成する格納棚22毎のコンベア装置24等の機械設備を駆動させ、パレット12を格納棚22間で移動させる。格納庫機器制御部38は、記憶部39を備え、記憶部39にはパレット12を移動させる毎に、フロア16における現在のパレット12の配置状態(以下「棚状態」という。)等を示した棚データが記憶される。
パズル演算部60で行われた演算によって生成されたパレット12の移動手順は指示信号として、格納庫機器制御部38に出力される。
なお、以下の説明では、パレット12の移動手順における1回の移動をステップといい、ステップの順番を特定しない場合をnステップという。
格納庫制御指示部56は、パレット12の移動手順における1回目のステップ(移動#1)を実行させるための指示信号を格納庫機器制御部38へ送信する(S306)。格納庫機器制御部38は、1回目のステップが完了すると記憶部39に記憶されているパレット12の配置状態等を示した棚データを更新して、完了信号を格納庫制御指示部56へ送信する(S402)。
なお、機械式駐車装置10にパレットスタッカが設置されている場合には空マスの数が変動するため、初期値導出ステップは、機械式駐車装置10全体又はパレット移動が実行されるフロア16の空マス数に応じて設定されてもよい。空マス数が多いとパズル演算処理に要する時間が長くなるため、初期値導出ステップは、空マス数が多い程大きく設定される。また、初期値導出ステップは、フロア16の広さ、形状、移動対象のパレット12の初期位置と搬送先までの移動距離等のパラメータを引数とする関数によって算出されてもよい。
格納庫制御指示部56は、先の搬送要求に対応するパズル演算部60で算出したパレット12の移動手順と共に、初期値として用いた棚状態を記憶部64に記憶させる。
新たな搬送要求を受け付けたタイミングをnステップとすると、初期値導出ステップ後はn+mステップ後となる。そこで、初期値導出部62は、初期値として用いた棚状態からn+mステップ後までを移動手順に沿ったパレット移動によってシミュレートすることで、n+mステップ後の棚状態を算出して初期値とする。
なお、第1の導出方法では、記憶されている移動手順のうち、実行済みのステップのデータは制御指示には不要であるが、新たな搬送要求を受け付けた場合における初期値の導出に必要であるため、記憶部64から削除しない。また、第1の導出方法では、新たな搬送要求が増える毎に全ての移動手順を記憶し、連続している範囲をシミュレートしなければならず、初期値の導出に要する処理が複雑になる。
格納庫制御指示部56は、先の搬送要求に対応するパズル演算部60で算出された移動手順を記憶部64に記憶させる。
初期値導出部62は、新たな搬送要求を受け付けたタイミングにおけるnステップ完了後の棚状態を格納庫機器制御部38から取得する。そして、初期値導出部62は、nステップ完了後の現在の棚状態からmステップ後までを移動手順に沿ったパレット移動によってシミュレートすることで、n+mステップ後の棚状態を算出して初期値とする。
第2の導出手段は、第1の導出手段とは異なり、先の搬送要求に対応するパズル演算処理を行った初期値の棚状態や、実行済みのステップのデータを記憶する必要がない。このため、記憶部64の記憶容量を小さくできる。また、第2の導出手段は、nステップ完了後からn+mステップまでのパレット移動のみをシミュレートするだけでよいので、第1の導出手段に比べて初期値の導出に要する時間が短くなる。
しかしながら、第2の導出方法では、nステップ完了後の棚状態を取得するために、現在実行中のnステップ目のパレット移動の完了を待ってからでなければ、新たな搬送要求に対応するパズル演算処理を行えない。
格納庫制御指示部56は、先の搬送要求に対応するパズル演算部60で算出された移動手順と全ての移動手順の完了後の棚状態を記憶部64に記憶させる。
そして、初期値導出部62は、記憶部64に記憶されている移動手順及び移動完了後の棚状態に基づいて、未実行のステップを移動完了後の棚状態から逆順に戻す移動をシミュレーション(逆算)し、mステップ後の棚状態を初期値として導出する。
第3の導出方法は、第2の導出方法とは異なり、現在実行中のパレット移動の完了を待たずに、新たな搬送要求に対応するパズル演算処理を開始できる。なお、第3の導出方法では、全ての移動手順の完了後の棚状態を記憶部64に記憶させるため、第2の導出方法に比べて記憶部64の記憶容量を大きくする必要があるものの、装置構成に影響を与えるほどではない。また、mステップ後の棚状態を取得するために、移動手順の逆算と移動手順の順算に要する処理負荷は同等である。
格納庫制御指示部56は、受信した棚データから現在の棚状態を取得すると(S322)、S320で取得した移動手順で示される導出された初期値の棚状態とS322で取得した現在の棚状態を比較し、同一であるか否かを確認する(S324)。棚状態が同一である場合、格納庫制御指示部56及び格納庫機器制御部38は、S320で取得した移動手順に基づいて、搬送要求(1)及び搬送要求(2)に応じたパレット移動を実行する(S326、S414)。
受電容量≧同時駆動棚数×1棚の駆動に必要な電力 ・・・(1)
パズル演算処理ではこの制約条件を満たすように、複数の搬送要求に対応した移動手順を算出しなければならない。
この場合、パズル演算処理は、先の搬送要求に対応したパレット移動が遅くならないように、先の搬送要求に対応したパレット移動に必要な電力に対して最大限の割り当てを行い、先の搬送要求で使用する電力と受電容量との差(受電容量の余り)の範囲で、新たな搬送要求に対応した移動手順を算出する。
または、パズル演算処理は、例えば、先の搬送要求に対して2/3、新たな搬送要求に対して1/3とのように、受電容量を割り当てし、割り当てた受電容量を満たすように、パズル演算部60がパズル演算処理を行う。
これにより、車両14の入出庫のためにパレット12を移動途中のフロア16に対して、新たな入出庫要求によりパズル演算処理を行う場合であっても、先の入出庫の要求をした利用者の待ち時間が延びることが抑制される。
12 パレット
14 車両
16 フロア
20 リフト(昇降装置)
22 格納棚
33 主制御装置(制御装置)
60 パズル演算部(パズル演算手段)
62 初期値導出部(初期値導出手段)
64 記憶部(記憶手段)
Claims (5)
- 車両を載置して搬送するためのパレットが配置される複数の格納棚が格子状に配置され、複数の前記パレットが前記格納棚間を縦方向及び横方向に水平に移動するフロアを有し、利用者による入庫又は出庫の要求に応じて前記パレットを搬送する機械式駐車装置の制御装置であって、
所定タイミングでの前記フロアにおける前記パレットの配置状態を初期値として用いて、前記要求に応じた前記フロアにおける前記パレットの移動手順を演算するパズル演算手段と、
先の前記要求に応じた前記パレットの移動途中に新たな前記要求が受け付けられた場合、新たな前記要求が受け付けられたタイミングから前記パレットの移動手順を所定回数実行後の前記フロアにおける前記パレットの配置状態を前記初期値として導出する初期値導出手段と、
を備え、
前記パズル演算手段は、先の前記要求に応じた前記パレットの移動途中に新たな前記要求が受け付けられた場合、前記初期値導出手段によって導出された前記初期値を用いて、新たな前記要求に応じた前記パレットの移動手順を演算する機械式駐車装置の制御装置。 - 前記パズル演算手段によって演算された前記移動手順、及び該移動手順の完了後の前記フロアにおける前記パレットの配置状態を記憶する記憶手段を備え、
前記初期値導出手段は、前記記憶手段に記憶されている前記移動手順及び前記パレットの配置状態に基づいて未実行の前記移動手順を逆算し、前記所定回数実行後の前記フロアにおける前記パレットの配置状態を前記初期値として導出する請求項1記載の機械式駐車装置の制御装置。 - 先の前記要求に応じた前記パレットの移動が前記所定回数に達しても、新たな前記要求に応じた前記パレットの移動手順の演算が終了していない場合、該演算が終了するまで前記パレットの移動を中断する請求項1又は請求項2記載の機械式駐車装置の制御装置。
- 車両を載置して搬送するためのパレットが配置される複数の格納棚が格子状に配置され、複数の前記パレットが前記格納棚間を縦方向及び横方向に水平に移動するフロアと、
利用者による入庫又は出庫の要求を受け付ける操作盤と、
請求項1から請求項3の何れか1項記載の制御装置と、
を備える機械式駐車装置。 - 車両を載置して搬送するためのパレットが配置される複数の格納棚が格子状に配置され、複数の前記パレットが前記格納棚間を縦方向及び横方向に水平に移動するフロアを有し、利用者による入庫又は出庫の要求に応じて前記パレットを搬送する機械式駐車装置の制御方法であって、
所定要求を受け付けたタイミングでの前記フロアにおける前記パレットの配置状態を初期値として用いて、前記要求に応じた前記フロアにおける前記パレットの移動手順をパズル演算する第1工程と、
前記第1工程で演算された前記移動手順で前記要求に応じた前記パレットを移動させる第2工程と、
前記要求に応じた前記パレットの移動途中に新たな前記要求が受け付けられた場合、新たな前記要求が受け付けられたタイミングから前記パレットの前記移動手順を所定回数実行後の前記フロアにおける前記パレットの配置状態を前記初期値として導出する第3工程と、
前記第3工程によって導出された前記初期値を用いて、新たな前記要求に応じた前記パレットの前記移動手順をパズル演算する第4工程と、
を有する機械式駐車装置の制御方法。
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JP2016101279A JP6430436B2 (ja) | 2016-05-20 | 2016-05-20 | 機械式駐車装置、機械式駐車装置の制御装置、及び機械式駐車装置の制御方法 |
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