以下、本発明に係る機械式駐車装置の制御装置及び機械式駐車装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。本実施形態では、車両を載置するパレットを水平循環させるパズル式の機械式駐車装置を例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態に係る機械式駐車装置10の概略構成図である。機械式駐車装置10は、車両12を入出庫させる入出庫部14と、車両12を格納する格納庫20と、入出庫部14と格納庫20との間で昇降して車両12を搬送するリフト(昇降装置)22とを備えている。また、機械式駐車装置10は、これら入出庫部14、格納庫20及びリフト22の動作を統括的に制御する制御装置24を備えている。
入出庫部14は、扉26及び操作盤28を有している。扉26は、車両12が入出庫部14に入庫又は出庫する際に開かれる。操作盤28は、機械式駐車装置10の利用者が入庫や出庫などの各種操作を行うためのものである。操作盤28は、入出庫部14の外側に配置される。
操作盤28は、例えば、スイッチ、タッチパネル、ICカード、リモコン装置等の入力装置を有している。操作盤28の入力装置は、機械式駐車装置10の利用者による入庫操作や出庫操作等の各種操作を受け付ける。
また、操作盤28は、文字や画像、音声などの情報を出力する出力部28aを有している。このような出力部28aとしては、例えば液晶ディスプレイ装置、表示ランプ等の表示装置や、スピーカ等の音声出力装置などが挙げられる。また、出力部28aとして音声合成装置が設けられてもよい。操作盤28は、出力部28aを介して、利用者に種々の情報を提供する。
また、入出庫部14には、車高検出部25が設けられている。車高検出部25は、パレット16に載置された車両12の車高を検出可能である。車高検出部25は、検出結果を制御装置24に送信可能である。車高検出部25としては、例えば光センサや超音波センサなどの非接触のセンサを用いることができる。
図2は、機械式駐車装置10の階層構造の一例を模式的に示す図である。図2等に示すように、格納庫20は、垂直方向に積層された複数の格納階を有している。本実施形態では、3つの格納階(20a、20b、20c)が設けられる場合を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、2つ以下又は4つ以上の格納階が設けられてもよい。本実施形態の3つの格納階20a、20b、20cは、入庫する車両12の種別に応じて垂直方向の距離(高さ)がそれぞれ異なっている。
格納階20aは、入出庫部14が設けられる入出庫階の1つ下の階(例、地下1階)に設けられる。格納階20aは、ハイルーフ車等の高車高車12aを格納可能な高さに形成されている。この格納階20aは、この高車高車12aの他、ミドルルーフ車等の中車高車12bと、セダン等の低車高車12cとを格納できるようになっている。
格納階20bは、格納階20aの1つ下の階(例、地下2階)に設けられる。格納階20bは、中車高車12bを格納可能な高さに形成されている。格納階20bには、この中車高車12bと、低車高車12cとを格納できるようになっている。
格納階20cは、格納階20bの1つ下の階(例、地下3階)に設けられる。格納階20cは、低車高車12cを格納可能な高さに形成されている。格納階20bには、この低車高車12cのみを格納できるようになっている。
図3は、入出庫部14、格納庫20及びリフト22を模式的に示す図である。図3では、車両12については、黒色の四角形として示している。図3に示すように、各格納階20a、20b、20cは、水平面上に格子状(例えば、4行×4列)に配置された複数の格納棚18を有している。複数の格納棚18は、パレット16が配置される格納棚18と、パレット16が配置されずに空き領域となる格納棚(以下、単に「空き領域」と表記する)18Eとを含んでいる。空き領域18Eは、各格納階20a、20b、20cに1箇所以上設けられる。本実施形態では、各格納階20a、20b、20cにおいて、パレット16が配置される格納棚18が13箇所ずつ、空き領域18Eが2箇所ずつ設けられる。なお、パレット16が配置される格納棚18及び空き領域18Eの個数は、上記個数に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、格納階20a、20b、20c毎に上記個数が異なってもよい。
格納棚18は、例えば1台の車両12を収容可能な寸法に形成される。なお、図3では各格納階20a、20b、20cのレイアウト(格納棚の数及び縦横比、配置形状(方形、L字型、ロ字型など)、パレット16の枚数及び位置等)が同一である場合を示しているが、これに限定するものではなく、互いに異なっていてもよい。また、本実施形態では、格納庫20が入出庫部14の下階に配置される構成を例に挙げて説明するが、これに限らず、格納庫20が入出庫部14の上階に配置される構成であってもよいし、格納庫20が入出庫部14の上階及び下階の両方に配置されてもよい。
パレット16は、板状に形成され、車両12を載置する。パレット16は、1台分の車両12を載置可能であり、かつ1つの格納棚18に収まる寸法に形成される。パレット16は、複数の格納棚18間を行方向及び列方向に移動する。各格納階20a、20b、20cには、車両12が載置されない状態の空きパレット16Pと、車両12を載置した在車パレット16Qとが配置される。これらパレット16が各格納階20a、20b、20c内で水平方向に移動することで、車両12の搬送が行われる。なお、パレット16には、各々異なる識別番号が予め付加されている。パレット16の識別番号は、制御装置24によって識別可能である。
また、パレット16は、車両12の入庫及び出庫を行う際、入出庫部14に配置される。例えば図2に示すように、入出庫部14に配置されるパレット16には、入庫される車両(以下、「入庫対象車両」と表記する)12Rや出庫される車両(以下、「出庫対象車両」と表記する)12Sが載置される。以下の説明では、入庫対象車両12Rが載置された在車パレット16Qを入庫パレット16Rと表記し、出庫対象車両12Sが載置された在車パレット16Qを出庫パレット16Sと表記する。
図3に示すように、リフト(昇降装置)22は、入出庫部14と格納庫20の各格納階20a、20b、20cとの間でパレット16を垂直方向に搬送する。各格納階20a、20b、20cには、格納棚18の1個分のスペースにリフト22が配置される。リフト22は、例えば1基設けられるが、複数設けられてもよい。各格納階20a、20b、20cにおいて、リフト22は、複数の格納棚18に隣り合っている。図3に示す例では、各格納階20a、20b、20cにおいて、リフト22は、格納棚18L(リフト22に対して図中奥側)、格納棚18M(リフト22に対して図中手前側)及び格納棚18N(リフト22に対して図中右側)の3つの格納棚18に隣り合っている。なお、リフト22と格納棚18との位置関係はこれに限定するものではなく、2つ又は4つの格納棚18に隣り合う構成であってもよい。
図4は、機械式駐車装置10の制御装置24の電気的構成を示すブロック図である。制御装置24は、CPU(Central Processing Unit)40、各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)44、CPU40による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)45、各種プログラム及び各種情報を記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)46を備えている。
CPUは、搬送制御部44と、車種判定部45と、出力制御部46とを有している。搬送制御部44は、入出庫の際のパレット16の搬送を制御する。また、搬送制御部44は、入庫の際、入庫対象車両12Rが載置される入庫パレット16Rの搬送先を、入庫対象車両12Rの種別に応じて格納階20a、20b、20cから選択する。車種判定部45は、入出庫部14に入場した車両12の車種を判定する。車種判定部45による判定は、車高検出部25の検出結果や、後述の車種情報記憶部47に記憶された情報等に基づいて行われる。出力制御部46は、出力部28aによる出力動作を制御する。
HDD43は、車種情報記憶部47と、制御プログラム記憶部48とを有している。車種情報記憶部47には、車種情報が記憶される。車種情報は、機械式駐車装置10に入庫対象車両12Rの車種に関する情報である。車種情報は、例えば入庫対象車両12Rが高車高車、中車高車、低車高車のどの車種であるかについての情報を含む。機械式駐車装置10の契約利用者である場合、車種情報記憶部47は、利用者と車両とを対応付けて車種情報を記憶させてもよい。
制御プログラム記憶部48は、パレット16の移動を制御する制御プログラムを記憶する。この制御プログラムは、車両12の入庫及び出庫が行われない期間に、空きパレット16Pを入出庫部14に配置させる処理と、車両12を入庫する際、入出庫部14に配置された空きパレット16Pに入庫対象車両12Rが載置された後、入庫対象車両12Rが載置された入庫パレット16Rを、複数の格納階20a、20b、20cのうち入庫対象車両12Rの種別に対応した格納階に搬送させる処理とをコンピュータに実行させる。
また、制御装置24は、パレット16やリフト22等を駆動させるためのモータ(不図示)を制御するモータ制御部51、及びパレット16やリフト22等の動作状態を検知するセンサ(不図示)からの信号を受信するセンサ信号受信部52を備えている。
CPU40、ROM41、RAM42、HDD43、モータ制御部51、センサ信号受信部52、及び操作盤28は、システムバス53を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU40は、ROM41、RAM42、及びHDD43へのアクセス、操作盤28に対する操作状態の把握及び画像の表示、モータ制御部51を介したモータの駆動、並びにセンサ信号受信部52を介したパレット16やリフト22等の動作状態の把握を行なうことができる。
なお、HDD43の代わりに、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、フラッシュメモリ、バッテリバックアップ付きのSRAM(Static Random Access Memory)等の記憶素子を用いてもよく、プログラム、利用者情報、及び設定値等のデータの種類に応じて記憶素子を使い分けて記憶させてもよい。
続いて、上記のように構成された機械式駐車装置10の動作を説明する。図5は、パレット16の移動を制御する手順を示すフローチャートである。図6から図12は、パレット16の移動を制御する過程を模式的に示す図である。以下、図5から図12を参照して、機械式駐車装置10の動作を説明する。
機械式駐車装置10の起動時、搬送制御部44は、入出庫部14に空きパレット16Pを配置させる(ステップS11)。入出庫部14には、パレット16を配置させるためのスペースやリフト22の昇降部分など、床面に対して開口部分が形成される。このような開口部分に車両12が落下しないようにするため、搬送制御部44は、格納庫20内の空きパレット16Pを入出庫部14に配置し、開口部分が塞がった状態にする。なお、本実施形態では、格納階20a、20b、20cに配置されるパレット16とは異なる空きパレット16Pを入出庫部14に配置させる。この場合、各格納階20a、20b、20cにはパレット16が13個ずつ配置され、入出庫部14には1個の空きパレットが配置された状態となる。これにより、所期の収容台数を確保することができる。
次に、搬送制御部44は、各格納階20a、20b、20cにおいて、空きパレット16P及び空き領域18Eの配置を設定する(ステップS12)。ステップS12において、搬送制御部44は、リフト22に隣り合う3つの格納棚18のうち、1つに空きパレット16Pが配置され、もう1つに空き領域18Eが配置されるように設定する。また、搬送制御部44は、残りの1つの格納棚18については任意に設定する。
例えば搬送制御部44は、各格納階20a、20b、20cの配置を、図3に示す配置とすることができる。この場合、図3に示すように、格納階20aについて、搬送制御部44は、リフト22に対して図中奥側の格納棚18Lに空きパレット16Pを配置させる。また、搬送制御部44は、リフト22に対して図中手前側の格納棚18Mを空き領域18Eとする。なお、搬送制御部44は、リフト22に対して図中右側の格納棚18Nに空きパレット16Pを配置させているが、これに限定するものではない。
格納階20bについて、図3に示すように、搬送制御部44は、リフト22に対して図中奥側の格納棚18に空きパレット16Pを配置させる。また、搬送制御部44は、リフト22に対して図中右側の格納棚18を空き領域18Eとする。なお、搬送制御部44は、リフトに対して図中手前側の格納棚18に在車パレット16Qを配置させているが、これに限定するものではない。
格納階20cについて、図3に示すように、搬送制御部44は、リフト22に対して図中奥側の格納棚18を空き領域18Eとする。また、搬送制御部44は、リフト22に対して図中右側の格納棚18に空きパレット16Pを配置させる。なお、搬送制御部44は、リフトに対して図中手前側の格納棚18に在車パレット16Qを配置させているが、これに限定するものではない。
なお、各格納階20a、20b、20cについて、空きパレット16Pを配置させる格納棚18及び空き領域18Eの配置が異なるように設定しているが、これに限定するものではない。例えば2つ以上の格納階20a、20b、20cについて、空きパレット16Pを配置させる格納棚18及び空き領域18Eの配置が同一となるようにしてもよい。
その後、制御装置24は、入庫指示があるまで待機する。利用者により操作盤28に入庫の指示が入力された場合、操作盤28から制御装置24に入庫指示が送信される。制御装置24は、送信された入庫指示を検出した場合(ステップS13のYES)、扉26を開状態とする。そして、出力制御部46は、操作盤28の出力部28aを介して利用者に車両12を入出庫部14の空きパレット16Pに載せるように指示する。この空きパレット16Pは、格納階20a、20b、20cのいずれにも搬送可能である。その後、図6に示すように、入庫対象車両12Rがパレット16(入庫パレット16R)に載置され、利用者が入出庫部14から外に出た後、制御装置24は、扉26を閉状態とする。
入庫対象車両12Rがパレット16(入庫パレット16R)に載置された後、車種判定部45は、入庫対象車両12Rの種別を判定する(ステップS14)。ステップS14において、車種判定部45は、入庫対象車両12Rが高車高車、中車高車及び低車高車のいずれに該当するかを判定する。このとき、車種判定部45は、車高検出部25による検出結果を用いて判定してもよいし、車種情報記憶部47に記憶された車種情報を用いて判定してもよい。例えば車種判定部45は、車高検出部25で検出された車高の値を、予め設定された閾値等と比較することで車種を判定してもよい。
次に、搬送制御部44は、判定された入庫対象車両12Rの種別に応じて、入庫先の格納階を選択する(ステップS15)。制御装置24は、入庫対象車両12Rの種別が高車高車である場合、入庫先を格納階20aに設定する。制御装置24は、入庫対象車両12Rの種別が中車高車である場合、入庫先を格納階20bに設定する。制御装置24は、入庫対象車両12Rの種別が低車高車である場合、入庫先を格納階20cに設定する。以下、入庫対象車両12Rが高車高車12aである場合を例に挙げて説明する。この場合、搬送制御部44は、入庫パレット16Rを格納階(第1格納階)20aに搬送するように設定する。
次に、搬送制御部44は、選択した格納階20aに入庫パレット16Rを搬送させる(ステップS16)。ステップS16において、搬送制御部44は、まず図7に示すように、リフト22によって入庫パレット16Rを格納階20aまで下降させる。これにより、入庫パレット16Rは、格納階20aにおいて、図中奥側の格納棚18Lと、図中手前側の格納棚18Mと、図中右側の格納棚18Nと、の3つの格納棚18に隣り合う位置に配置される。
その後、搬送制御部44は、空き領域である格納棚18Mに入庫パレット16Rを移動させ、格納棚18Mに入庫対象車両12Rを格納させる。入庫パレット16Rが搬送されたことで、格納階20aにおけるパレット16の総数は、入庫前に比べて1つ多くなっている。そこで、搬送制御部44は、格納階20aに配置される1つの空きパレット16Pを入出庫部14に戻すようにする。このとき、搬送制御部44は、格納棚18Lに配置される空きパレット16Pをリフト22に移動させる。
ここで、図7に示すように、格納階20aにおいては、格納棚18Lとリフト22と格納棚18Mとが直線方向に並んで配置されている。具体的には、格納棚18Lと格納棚18Mとが直線方向にリフト22を挟むように並んだ配置となる。この配置では、入庫パレット16Rと、格納棚18Lの空きパレット16Pとを同一方向にそれぞれ1つ隣に移動させることになる。この場合、当該空きパレット16Pと入庫パレット16Rとでは、移動方向及び移動距離が同一となる。そこで、搬送制御部44は、図8に示すように、双方を同一のタイミングで移動させることができる。この場合、格納棚18Lの空きパレット16Pについては、入庫パレット16Rの移動完了まで待機させておく必要がない。このため、短時間で効率的な移動が可能となる。なお、搬送制御部44は、格納棚18Lの空きパレット16Pに代えて、格納棚18Nの空きパレット16Pをリフト22に移動させるようにしてもよい。この場合、リフト22の入庫パレット16Rを格納棚18Mに移動させた後、格納棚18Nの空きパレット16Pをリフト22に移動させる。
次に、搬送制御部44は、リフト22に移動させた空きパレット16Pを入出庫部14に搬送させる(ステップS17)。搬送制御部44は、リフト22を上昇させ、空きパレット16Pを入出庫部14の所定位置に配置させる。この結果、図9に示すように、格納階20aにおけるパレット16の総数は、入庫対象車両12Rを入庫する前と等しくなる。
その後、搬送制御部44は、格納階20aにおいて空きパレット16P及び空き領域18Eの配置を設定する(ステップS18)。ステップS18において、搬送制御部44は、ステップS12と同様に、リフト22に隣り合う3つの格納棚18L、18M、18Nのうち、1つに空きパレット16Pが配置され、もう1つに空き領域18Eが配置されるように設定する。また、搬送制御部44は、残りの1つの格納棚18については任意に設定する。図9に示す状態では、格納棚18Lが空き領域となっており、格納棚18Nに空きパレット16Pが配置されている。したがって、搬送制御部44は、図9の配置のまま変更しないようにする。なお、搬送制御部44は、上記のように格納棚18L(又は格納棚18M)に空きパレット16Pが配置され、格納棚18M(又は格納棚18L)が空き領域となるように、格納階20aのパレット16を移動させてもよい。また、搬送制御部44は、リフト22に隣り合う2つの格納棚18(空きパレット16Pが配置される格納棚18及び空き領域18E)が固定位置となるように設定してもよい。以上のようにして、入庫対象車両12Rについての入庫処理が完了する。その後、制御装置24は、新たな入庫指示を検出した場合(ステップS19のYES)、ステップS14以降の動作を再度行わせる。
また、その後利用者により操作盤28に出庫の指示が入力された場合、操作盤28から制御装置24に出庫指示が送信される。制御装置24は、送信された出庫指示を検出した場合(ステップS19のNO、ステップS20のYES)、出庫対象車両12Sの出庫処理を行わせる。以下では、上記の処理によって格納階20aに入庫された入庫対象車両12Rが図9の状態から出庫される場合を例に挙げて説明する。格納階20aにおける他の車両12が出庫される場合や、他の格納階20b、20cに格納された中車高車12b又は低車高車12cが出庫される場合であっても、同様の説明が可能である。
出庫処理において、搬送制御部44は、まず出庫対象車両12Sが格納される格納階20aに空きパレット16Pを搬送させる(ステップS21)。ステップS21において、搬送制御部44は、リフト22によって入出庫部14の空きパレット16Pを格納階20aまで下降させる。そして、搬送制御部44は、図10に示すように、リフト22に隣り合う格納棚18Lに空きパレット16Pを水平移動させる。これにより、格納階20aにおけるパレット16の総数が1つ増加する。
次に、搬送制御部44は、出庫対象車両12Sが載置された出庫パレット16Sを入出庫部14に搬送させる(ステップS22)。ステップS22において、搬送制御部44は、図11に示すように、まずリフト22に隣り合う格納棚18Mに配置された出庫パレット16Sをリフト22に水平移動させる。そして、搬送制御部44は、リフト22によって出庫パレット16Sを上昇させ、当該出庫パレット16Sを入出庫部14に配置させる。
出庫パレット16Sが入出庫部14に配置された後、制御装置24は、扉26を開状態とする。そして、出力制御部46は、操作盤28の出力部28aを介して利用者に出庫対象車両12Sを入出庫部14から外に出すように指示する。
出庫対象車両12Sが入出庫部14から外に出された後、図12に示すように、入出庫部14のパレットが空きパレット16Pとなる。制御装置24は、この状態で扉26を閉状態とする。これにより、出庫処理が完了する。なお、搬送制御部44は、空きパレット16Pを入出庫部14に待機させたままにする。また、搬送制御部44は、リフト22に隣り合う3つの格納棚18L、18M、18Nのうち、1つに空きパレット16Pが配置され、もう1つに空き領域18Eが配置されるように設定する。
その後、制御装置24は、処理を終了するか否かの判断を行う(ステップS23)。制御装置24は、処理を続行する場合には(ステップS23のNO)ステップS19に戻って処理を行い、それ以外の場合には、処理を終了する(ステップS23のYES)。
上記のようなパズル式の機械式駐車装置10では、各格納階20a、20b、20cの空き領域18Eの数が規定数を下回る場合、リフト22まで搬送することが困難なパレット16が発生する。このため、格納階毎に空き領域18Eの数が規定数を下回らないように制御される。その一方、空き領域18Eの数を多くすると、駐車台数を確保することが困難となる。したがって、パレット16の搬送を円滑にし、かつ駐車台数を確保するため、格納階毎に空き領域数18Eを可能な限り最小の値、つまり上記規定数としてなるべく変動しないように制御される。
また、パズル式の機械式駐車装置10では、パレット16をリフト22まで搬送する時間が空き領域18Eの数によってほぼ決定される。このため、格納階毎に空き領域18Eの数が異なる場合には、格納階毎にパレット16の搬送時間にバラつきが生じる。よって、格納階毎に搬送時間がばらつくことを抑制するため、空き領域18Eの数が変動しないように制御される。
このように、従来、各格納階20a、20b、20cにおいて、空き領域18Eの数がなるべく変動しないように制御されていた。そのため、格納階毎に使用されるパレット16が予め決められており、パレット16を移動する際、異なる格納階間でパレット16の移動が極力行われないように制御されていた。このため、例えば高車高車12aの利用者によって入庫指示が行われたとき、入出庫部14に準備されている空きパレット16Pが低車高車用の格納階20cのものである場合には、まず入出庫部14に準備される空きパレット16Pを低車高車用の格納階20cに戻す。その後、高車高車用の格納階20aから空きパレット16Pを入出庫部14に搬送する。そして、空きパレット16Pの配置が完了した後に入出庫部14の扉を開く、という処理を行っていた。このため、入庫の待ち時間が長くなってしまっていた。
これに対して、本実施形態によれば、車両12の入庫及び出庫が行われない期間に空きパレット16Pを入出庫部14に配置させ、車両12を入庫する際、入出庫部にされた空きパレット16Pに入庫対象車両12Rが載置された後、入庫パレット16Rを、複数の格納階20a、20b、20cのうち入庫対象車両12Rの種別に対応した格納階に搬送させる。したがって、格納階毎に使用されるパレット16が決められるのではなく、入庫対象車両12Rの種別に応じてどの格納階でも入庫パレット16Rを搬送させることができる。そのため、入出庫部14において空きパレット16Pの入れ替えを行う必要がない。これにより、利用者の入庫時の待ち時間を短縮させることができる。
また、本実施形態によれば、入庫の際、入庫対象車両12Rが格納される格納階において、パレット16の総数を一定に維持することができる。さらに、出庫の際についても、出庫対象車両12Sが格納される格納階において、パレット16の総数を一定に維持することができる。したがって、空き領域18Eの数を各格納階20a、20b、20cでそれぞれ一定に維持することができる。これにより、搬送時間の変動を格納階毎に抑えることができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態の処理を行う場合、1つの格納階のパレット16がすべて在車パレット16Qとなる場合がある。このような場合、当該格納階には空きパレット16Pが配置されなくなる。
図13は、満車時における制御の過程の一例を模式的に示す図である。例えば図13に示すように、格納階20aに空きパレット16Pが配置されなくなった場合、高車高車12aを入庫することができなくなる。そのため、出力制御部46は、操作盤28の出力部28aを介して、格納階20aが満車であることを示す情報を出力させる。なお、図13に示す例では、格納階20b及び格納階20cには空きパレット16Pが配置されている。このため、出力制御部46は、出力部28aを介して、格納階20b及び格納階20cが空車であることを示す情報を出力させる。
また、図14は、満車時における制御の過程の他の例を模式的に示す図である。図14に示すように、すべての格納階20a、20b、20cで空きパレット16Pが配置されなくなった場合、出力制御部46は、出力部28aに対して、格納階20a、20b、20cが満車であることを示す情報を出力させる。この場合、入出庫部14に空きパレット16Pが配置されるが、当該空きパレット16Pは入出庫部14の開口部分を塞ぐために用いられるものである。したがって、出力制御部46は、利用者に対して、当該空きパレット16Pに車両12を載置しないように指示する情報を出力部28aから出力させてもよい。
また、図15に示す例では、格納階20cには空きパレット16Pが配置されていないが、格納階20a、20bには空きパレット16Pが配置されている。この場合、低車高車12cを格納階20cに入庫させることはできないが、当該低車高車12cを格納階20a、20bに入庫させることは可能である。したがって、出力制御部46は、出力部28aを介して、格納階20cが満車であることを示す情報を出力させる。また、出力制御部46は、低車高車12cが入庫可能であることを示す情報を出力させる。これにより、利用者の利便性が向上する。
また、図16に示す例では、格納階20b、20cには空きパレット16Pが配置されていないが、格納階20aには空きパレット16Pが配置されている。この場合、中車高車12bを格納階20bに入庫させることができない。また、低車高車12cを格納階20cに入庫させることができない。一方、中車高車12b及び低車高車12cは、格納階20aには入庫可能である。したがって、出力制御部46は、出力部28aを介して、格納階20b、20cが満車であることを示す情報を出力させる。また、出力制御部46は、中車高車12b及び低車高車12cが入庫可能であることを示す情報を出力させる。これにより、利用者の利便性が向上する。なお、格納階20aに中車高車12b及び低車高車12cが入庫可能ではあるが、格納階20aに高車高車12aを優先させて入庫させたい場合も想定される。このような場合、出力制御部46は、例えば図16に示すように、中車高車12b及び低車高車12cの空きが少ないことを示す情報を出力させるようにしてもよい。また、出力制御部46は、利用者に中車高車12b及び低車高車12cの入庫を控えるように案内する情報を出力させてもよい。また、出力制御部46は、中車高車12b及び低車高車12cのうち少なくとも一方の入庫を規制してもよい。
また、上記実施形態においては、機械式駐車装置10の起動時に、格納階20a、20b、20cに配置されるパレット16とは異なる空きパレット16Pを入出庫部14に配置させた場合を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、機械式駐車装置10の起動時に、格納階20a、20b、20cの少なくとも1つに配置される空きパレット16Pを取り出して入出庫部14に配置させてもよい。この場合、搬送制御部44は、格納階20a、20b、20cのうちどの格納階から空きパレット16Pを取り出すかを選択する。
例えば搬送制御部44は、空きパレット16Pを取り出す格納階を、格納階20a、20b、20cのうち入出庫部14に近い順に選択してもよい。図17は、パレット16が移動する過程を模式的に示す図である。図17に示すように、搬送制御部44は、入出庫部14に最も近い格納階20aから空きパレット16Pを取り出して、入出庫部14へと移動させる。なお、搬送制御部44は、格納階20aに空きパレット16Pが配置されない場合(満車の場合)、次に入出庫部14に近い格納階20bから空きパレット16Pを取り出して入出庫部14へと移動させる。また、例えば入出庫部14が複数設けられる場合、すべての入出庫部14に配置させる空きパレット16Pを格納階20aから取り出してもよいし、入出庫部14に近い順に1つずつあるいは複数個ずつ取り出してもよい。
入出庫部14に近い格納階20a、20bでは、リフト22が入出庫部14から当該格納階20a、20bまで到達する時間が短い。そのため、格納階20a、20bのパレット16の配置によっては、パレット16が搬送されてくるまでリフト22が待機することになる。上記構成によれば、入出庫部14に近い格納階20a、20bについてパレット16の移動がスムーズになるため、リフト22の待機時間を短縮することができる。
また、例えば搬送制御部44は、空きパレット16Pを取り出す格納階を、格納階20a、20b、20cごとに想定されるパレット16の搬送時間に応じて選択してもよい。格納階から空きパレット16Pを取り出して入出庫部14に配置させる場合、格納階での空き領域18Eが増加する。このため、収容台数は減少するが、パレット16の移動の円滑性が高くなり、パレット16の搬送時間が短縮される。したがって、搬送制御部44は、パレット16の搬送時間を短くしたい格納階から空きパレット16Pを取り出すようにする。図18は、パレット16が移動する過程を模式的に示す図である。図18に示す例では、搬送制御部44は、低車高車用の格納階20cから空きパレット16Pを取り出して、入出庫部14へと移動させている。マンションなどに設けられる機械式駐車装置10では、自家用車として利用される車種、例えばセダンタイプやコンパクトタイプ、軽自動車などの低車高車12cが多いと想定される場合がある。このような場合、搬送制御部44が格納階20cの空きパレット16Pを取り出して入出庫部14に配置させることにより、格納階20cでは空き領域18Eが増加し、パレット16の移動がより円滑に行われる。このため、格納階20cでの搬送時間が短くなる。
図19は、格納階20aから空きパレット16Pを取り出した場合を示している。格納階20a、20b、20cの少なくとも1つに配置される空きパレット16Pを取り出して入出庫部14に配置させる場合、取り出された格納階ではパレット16の総数が既定数よりも少なくなっている。このため、例えば図19に示す例では、パレット16が1つ取り出された格納階20aですべてのパレット16が在車パレット16Qになっている。この場合、入出庫部14の入庫パレット16Rを収容可能な格納棚18M(空き領域18E)が存在する。したがって、出力制御部46は、格納階20aが空車であることを示す情報を出力部28aに出力させる。
図19に示す状態から、例えば高車高車12aが入庫対象車両12Rとして入出庫部14に入場し、入庫操作が行われる。図20は、入庫操作が行われた場合の動作を説明する図である。図20に示すように、入庫操作が行われた場合、搬送制御部44は、空き領域であった格納棚18Mに入庫パレット16Rを搬送させる。この場合、格納階20aのパレット16の総数が既定の数になる。また、格納階20aのパレット16がすべて在車パレット16Qとなる。そこで、出力制御部46は、格納階20aが満車であることを示す情報を出力部28aに出力させる。
入庫パレット16Rが格納階20aに搬送された際、格納階20aには空きパレット16Pが配置されない状態となっている。このため、搬送制御部44は、格納階20aとは異なる格納階に空きパレット16Pが配置されているか否かを検出する。空きパレット16Pが配置されていると検出された場合、搬送制御部44は、当該格納階の空きパレット16Pを取り出して入出庫部14に移動させる。これにより、入出庫部14の開口部分を塞いだ状態を維持することができる。
複数の格納階で空きパレット16Pが配置されていると検出された場合、搬送制御部44は、空きパレット16Pを取り出す対象となる格納階を選択する。この場合、搬送制御部44は、入出庫部14に近い順に選択してもよいし、格納階20a、20b、20cごとに想定されるパレット16の搬送時間に応じて選択してもよい。空きパレット16Pを取り出す格納階を選択した後、搬送制御部44は、リフト22を当該格納階に移動させる。ここでは、格納階20cを選択した場合を例に挙げて説明する。この場合、リフト22は、格納階20aで入庫パレット16Rを下した後、そのまま格納階20cに移動する。
図21は、格納階20cに配置される空きパレット16Pが移動した場合を示す図である。図21に示すように、搬送制御部44は、格納階20cで空きパレット16Pを保持させた後、リフト22を入出庫部14まで上昇させる。格納階20cでは、空きパレット16Pが取り出された分、空き領域18Eの数が増加している。なお、搬送制御部44は、空きパレット16Pを取り出す際、リフト22に隣り合う3つの格納棚18L、18M、18Nのうち、1つに空きパレット16Pが配置され、もう1つに空き領域18Eが配置されるようにパレット16を移動させてもよい。
また、上記実施形態では、入出庫部14が1つ設けられた場合を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、複数の入出庫部14が設けられてもよい。図22は、機械式駐車装置の他の例を模式的に示す図である。図22に示すように、機械式駐車装置10Aは、入出庫部14A及び14Bを有している。なお、他の構成については、上記実施形態に記載の機械式駐車装置10と同一である。なお、図22では、入出庫部が2つ設けられた構成を例に挙げているが、これに限定するものではなく、3つ以上の入出庫部が設けられてもよい。
入出庫部14A及び14Bは、一方が入庫専用で用いられ、他方が出庫専用で用いられる。なお、入出庫部14A、14Bの少なくとも一方が入出庫兼用であってもよい。ここでは、入出庫部14Aが入庫専用、入出庫部14Bが出庫専用である場合を例に挙げて説明する。
図22に示すように、入出庫部14A及び14Bには、それぞれリフト22A、22Bが設けられている。リフト22A、22Bは、入出庫部14A、14Bと、各格納階20a、20b、20cとを接続している。
入庫の際、搬送制御部44は、入出庫部14A及び入出庫部14Bに空きパレット16Pをそれぞれ配置させる。これにより、入出庫部14A、14Bの開口部分を塞がった状態にする。また、搬送制御部44は、各格納階20a、20b、20cにおいて、リフト22Aに隣り合う3つの格納棚18L、18M、18Nのうち、1つに空きパレット16Pが配置され、もう1つに空き領域18Eが配置されるように設定する。
入庫対象車両は、入出庫部14Aから入庫される。入出庫部14Aの空きパレット16Pに入庫対象車両が載置された状態で、車両の種別に応じて入庫パレットを各格納階20a、20b、20cに移動させる。入庫パレットが移動した後、搬送制御部44は、移動先の格納階から空きパレット16Pを入出庫部14Aに移動させる。これにより、入庫動作が完了する。
各格納階20a、20b、20cに格納された車両が出庫される場合、搬送制御部44は、まず出庫対象車両が格納される格納階に、入出庫部14Bから空きパレット16Pを搬送させる。その後、搬送制御部44は、出庫対象車両が載置された出庫パレットを入出庫部14Bに搬送させる。その後、制御装置24は、扉26を開状態とする。そして、出力制御部46は、出力部28aを介して利用者に出庫対象車両を入出庫部14Bから外に出すように指示する。これにより、出庫動作が完了する。なお、搬送制御部44は、リフト22Bに隣り合う3つの格納棚18のうち、1つに空きパレット16Pが配置され、もう1つに空き領域18Eが配置されるように設定する。これにより、出庫時のパレット16の移動をスムーズに行うことができる。
このように、入出庫部が複数設けられる構成であっても、入庫の際、入庫対象車両が格納される格納階において、パレット16の総数を一定に維持することができる。さらに、出庫の際についても、出庫対象車両が格納される格納階において、パレット16の総数を一定に維持することができる。したがって、空き領域18Eの数を各格納階20a、20b、20cでそれぞれ一定に維持することができる。これにより、搬送時間の変動を格納階毎に抑えることができる。
また、上記実施形態では、各格納階20a、20b、20cにおいて、リフト22に対して図中奥行方向及び左右方向の2つの方向に格納棚(格納棚18L、18M、18N)が隣り合う構成であったが、これに限定するものではない。図23から図26は、機械式駐車装置の他の例を模式的に示す図である。図23から図26に示す機械式駐車装置10Bは、機械式駐車装置10Bは、リフト22に対して図中左右方向(以下、第1方向D1と表記する)の右側に格納棚18Fが隣り合う構成となっている。また、機械式駐車装置10Bにおいて、リフト22の図中奥行方向(以下、第2方向D2と表記する)の奥側に隣り合うスペースと、手前側に隣り合うスペースには、それぞれ柱19が形成されている。柱19が設けられたスペースには、格納棚が配置されず、パレット16が移動できないようになっている。なお、機械式駐車装置10Bは、柱19を設けた位置に柱を設けずに、地面にしてもよい。
このような構成の機械式駐車装置10Bに車両を格納する場合の動作を説明する。以下、車両を格納階20aに入庫する場合を例に挙げて説明するが、格納階20b、20cに入庫する場合も同様の説明が可能である。まず、図23に示すように、搬送制御部44は、リフト22に隣り合う格納棚18Fを空き領域としておく。また、搬送制御部44は、格納棚18Fに対して第2方向D2の奥側に隣り合う格納棚18Gを空き領域18Eとしておく。さらに、搬送制御部44は、格納棚18Fに対して第2方向D2の手前側に隣り合う格納棚18Hに空きパレット16Pを配置しておく。なお、格納棚18Gに空きパレット16Pを配置し、格納棚18Hを空き領域としてもよい。この状態で、搬送制御部44は、入庫対象車両12Rを載置した入庫パレット16Rをリフト22によって格納階20aまで下降させる。これにより、入庫パレット16Rは、格納階20aにおいて、図中右側の空き領域(18E)である格納棚18Fに隣り合って配置される。
次に、搬送制御部44は、図24に示すように、格納棚18Fに入庫パレット16Rを移動させる。これにより、格納階20aにおけるパレット16の総数は、入庫前に比べて1つ多くなる。そこで、搬送制御部44は、格納階20aに配置される空きパレット16Pのうち、例えば格納棚18Hに配置された空きパレット16Pを入出庫部14に戻すようにする。
ここで、図24に示すように、格納階20aにおいては、格納棚18Fと、格納棚18Gと、格納棚18Hとが、第2方向D2に一直線上に並んで配置されている。この配置では、格納棚18Fに配置される入庫パレット16Rと、格納棚18Hに配置される空きパレット16Pとを同一方向(第2方向D2の奥側)にそれぞれ1つ隣に移動させることになる。この場合、当該空きパレット16Pと入庫パレット16Rとでは、移動方向及び移動距離が同一となる。そこで、搬送制御部44は、図25に示すように、双方を同一のタイミングで移動させることができる。
その後、搬送制御部44は、図26に示すように、格納棚18Fに配置された空きパレット16Pをリフト22に移動させる。そして、搬送制御部44は、リフト22を上昇させ、空きパレット16Pを入出庫部14の所定位置に配置させる。この結果、格納階20aにおけるパレット16の総数は、入庫対象車両12Rを入庫する前と等しくなる。その後、搬送制御部44は、次の入庫に備えるため、格納棚18Hの第2方向D2の右側の格納棚18に配置される空きパレット16Pを格納棚18Hに移動させる。そして、搬送制御部44は、空き領域となる格納棚18に在車パレット16Qを詰めるように第1方向D1の手前側に順に移動させる。これにより、格納棚18Gの第2方向D2の右側が空き領域となる。そこで、搬送制御部44は、格納棚18Gの在車パレット16Qを第2方向D2の右側に移動させる。これにより、格納棚18Gが空き領域18Eとなり、次の入庫パレットを受け入れ可能な状態となる。
このように、図23から図26に示す構成によれば、空きパレット16Pと入庫パレット16Rとを同一のタイミングで移動させることができるため、入庫パレット16Rの移動完了まで空きパレット16Pを待機させておく必要がない。このため、リフト22が第1方向D1についてのみ格納棚に隣り合うように配置される場合についても、短時間で効率的な移動が可能となる。なお、上記説明では、リフト22に対して第1方向D1の右側に格納棚18Fが隣り合う構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、リフト22に対して第1方向D1の左側に格納棚が隣り合う構成、また、リフト22に対して第1方向D1の両側に格納棚が隣り合う構成であっても、同様の説明が可能である。
なお、この機械式駐車装置10Bにおいて説明した入庫パレット16R及び空きパレット16Pの搬送動作は、上記実施形態又は変形例で記載した機械式駐車装置10、10Aにおいて適用してもよい。