JP6398225B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体に所望の印刷を行う印刷装置に関する。
印刷装置での印刷中において、例えば、サーマルヘッドの温度上昇によるいわゆるクーリングの実行により、発熱素子への通電を停止して印刷を中止する技術が既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−202950号公報
上記従来技術においては、クーリングの実行による通電停止中に、高温となっているサーマルヘッドの余熱により(通電停止中であるにもかかわらず)記録媒体に擬印刷部分が形成され、汚れとなって美観を損ねる可能性があった。
本発明の目的は、通電停止中に形成される汚れを目立たなくし、美観を向上できる印刷装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、記録媒体を所定搬送経路に搬送する搬送手段と、前記所定搬送経路に対向する発熱素子を有するサーマルヘッドと、前記発熱素子への通電を行う通電手段と、前記搬送手段と前記通電手段を制御して前記記録媒体に印刷をする第1制御手段と、を有し、前記第1制御手段は、第1印刷データに基づき、前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体に印刷する、第1処理と;前記第1処理の最中に、印刷停止指令を受信したことを契機として、前記第1印刷データとは異なる、フルドット印字、網掛け印字、ゼブラ模様、市松模様、ハッチング、複数のテキスト文字やロゴや図像の羅列、のうち少なくとも1つのデータである第2印刷データに基づき、引き続き前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体の第1所定部分に印刷する、第2処理と;前記第2処理の後、前記記録媒体を前記搬送経路の前記順方向と反対の逆方向に搬送し、前記発熱素子への通電を停止した状態で、前記発熱素子を前記記録媒体の前記第1所定部分に第1所定期間対向させる、第3処理と;を実行するとともに、前記第1処理の最中に前記印刷停止指令を受信したとき、前記第1印刷データに基づく前記記録媒体への印刷の完了後に、前記第2処理を行うよう、前記搬送手段及び前記通電手段を制御することを特徴とする
また、上記目的を達成するために、本願発明は、記録媒体を所定搬送経路に搬送する搬送手段と、前記所定搬送経路に対向する発熱素子を有するサーマルヘッドと、前記発熱素子への通電を行う通電手段と、前記搬送手段と前記通電手段を制御して前記記録媒体に印刷をする第2制御手段と、を有し、前記第2制御手段は、第3印刷データに基づき、前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体に印刷する、第5処理と;前記第5処理の最中に、印刷停止指令を受信したことを契機として、前記発熱素子への通電を停止した状態で、前記発熱素子を前記記録媒体の第2所定部分に第2所定期間対向させる、第6処理と;前記第6処理の後、前記記録媒体を前記搬送経路の前記順方向と反対の逆方向に搬送する、第7処理と;前記第7処理の後、前記記録媒体を前記搬送経路の前記順方向に搬送しながら、前記第3印刷データとは異なる、フルドット印字、網掛け印字、ゼブラ模様、市松模様、ハッチング、複数のテキスト文字やロゴや図像の羅列、のうち少なくとも1つのデータである第4印刷データに基づき、前記記録媒体の前記第2所定部分を印刷する、第8処理と;を実行することを特徴とする。
印刷中において、何らかの理由(例えば、サーマルヘッドの温度上昇によるいわゆるクーリングの実行や操作者による緊急停止操作等)により、印刷停止指令を受けた場合は、通電を停止する。この場合、通電停止中に、高温となっているサーマルヘッドの余熱により(通電停止中であるにもかかわらず)記録媒体に擬印刷部分が形成され、汚れとなって美観を損ねる可能性がある。そこで本願発明においては、印刷停止指令を受信したときは、第1所定部分に印刷した後に、通電が停止された発熱素子を第1所定部分と第1所定期間対向させておく(若しくは通電が停止された発熱素子を第2所定部分と第2所定期間対向させておいた後に、第2所定部分に印刷する)ことにより、汚れが目立たなくなる。これにより、美観を向上することができる。
また、上記目的を達成するために、本願発明は、記録媒体を所定搬送経路に搬送する搬送手段と、前記所定搬送経路に対向する発熱素子を有するサーマルヘッドと、前記発熱素子への通電を行う通電手段と、前記搬送手段と前記通電手段を制御して前記記録媒体に印刷をする第3制御手段と、を有し、前記第3制御手段は、第5印刷データに基づき、前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体に印刷する、第9処理と;前記第9処理の最中に、印刷停止指令を受信したことを契機として、前記第5印刷データとは異なる第6印刷データに基づき、引き続き前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体の第3所定部分に印刷する、第10処理と;前記第10処理の後、前記発熱素子への通電を停止した状態で、前記発熱素子を前記記録媒体の前記第3所定部分に隣接する第4所定部分に第3所定期間対向させる、第11処理と;前記第11処理の後、前記第5印刷データとは異なる、フルドット印字、網掛け印字、ゼブラ模様、市松模様、ハッチング、複数のテキスト文字やロゴや図像の羅列、のうち少なくとも1つのデータである第7印刷データに基づき、前記記録媒体を前記搬送経路の前記順方向に搬送しながら、前記記録媒体の前記第4所定部分に隣接する第5所定部分に印刷する、第12処理と;前記第12処理の後、前記第5印刷データに基づき、前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体に印刷する、第13処理と;を実行することを特徴とする。
印刷中において、何らかの理由(例えば、サーマルヘッドの温度上昇によるいわゆるクーリングの実行や操作者による緊急停止操作等)により、印刷停止指令を受けた場合は、通電を停止する。この場合、通電停止中に、高温となっているサーマルヘッドの余熱により(通電停止中であるにもかかわらず)記録媒体に擬印刷部分が形成され、汚れとなって美観を損ねる可能性がある。そこで本願発明においては、印刷停止指令を受信したときは、第3所定部分に印刷した後に、通電が停止された発熱素子を、第3所定部分に隣接する第4所定部分と第3所定期間対向させておき、その後第4所定部分に隣接する第5所定部分に印刷することにより、汚れが目立たなくなる。これにより、美観を向上することができる。
本発明によれば、通電停止中に形成される汚れを目立たなくし、美観を向上することができる。
本発明の第1実施形態に係わるテープ印刷装置の外観を表す斜視図である。 テープ印刷装置の内部構造を表す側断面図である。 テープ印刷装置の第1開閉カバー、第2開閉カバー、及び前方側開閉カバーが開いた状態の外観を表す斜視図である。 テープ印刷装置の第1開閉カバー、第2開閉カバー、及び前方側開閉カバーを開けてテープカートリッジ及びインクリボンカートリッジを取り外した状態を表す斜視図である。 テープカートリッジの全体構成を表す斜視図である。 インクリボンカートリッジの全体構成を表す斜視図である。 テープ印刷装置の制御系の構成を表す機能ブロック図である。 CPUの印字制御部が実行する制御手順を表すフローチャートである。 本発明の比較例による、印字済みテープ作成の一時停止・再開挙動を説明する説明図である。 第1実施形態による、印字済みテープ作成の一時停止・再開挙動を説明する説明図である。 印字ヘッドと印字済みテープとの相対位置関係を表す概念図である。 CPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。 本発明の第2実施形態による、印字済みテープ作成の一時停止・再開挙動を説明する説明図である。 印字ヘッドと印字済みテープとの相対位置関係を表す概念図である。 CPUの印字制御部が実行する制御手順を表すフローチャートである。 黒塗り領域となる部分で搬送停止後、戻って順方向に黒塗り領域を形成し塗りつぶす変形例における、印字済みテープ作成の一時停止・再開挙動を説明する説明図である。 印字ヘッドと印字済みテープとの相対位置関係を表す概念図である。 CPUの印字制御部が実行する制御手順を表すフローチャートである。 スルーダウン及びスルーアップ時の両方で黒塗り領域を形成する変形例における、印字済みテープ作成の一時停止・再開挙動を説明する説明図である。 印字ヘッドと印字済みテープとの相対位置関係を表す概念図である。 CPUの印字制御部が実行する制御手順を表すフローチャートである。 逆搬送する直前に巻き取り張力を開放する変形例における、印字済みテープ作成の一時停止・再開挙動を説明する説明図である。 CPUの印字制御部が実行する制御手順を表すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図面中に「前方」「後方」「左方」「右方」「上方」「下方」の注記がある場合は、明細書中の説明における「前方(前)」「後方(後)」「左方(左)」「右方(右)」「上方(上)」「下方(下)」とは、その注記された方向を指す。
<テープ印刷装置の概略構成>
まず、図1〜図4を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係わるテープ印刷装置の概略構成について説明する。
<筐体>
図1〜図4において、本実施形態のテープ印刷装置1(印刷装置に相当)は、装置外郭を構成する筐体2を有している。筐体2は、筐体本体2aと、後方側開閉部8と、前方側開閉カバー9と、を備えている。
筐体本体2a内には、後方側に設けられた第1収納部3と、前方側に設けられた第2収納部5及び第3収納部4と、が備えられている。
後方側開閉部8は、筐体本体2aの後方側の上部に対し開閉可能に接続されている。この後方側開閉部8は、回動することで、第1収納部3の上方を開閉可能である。この後方側開閉部8は、第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8bにより構成されている。
第1開閉カバー8aは、筐体本体2aの後方側の上部に設けられた所定の回動軸心K1まわりに回動することで、第1収納部3のうち前方側の上方を開閉可能である。詳細には、第1開閉カバー8aは、第1収納部3のうち前方側の上方を覆う閉じ位置(図1、図2の状態)から、第1収納部3のうち前方側の上方を露出させる開き位置(図3、図4の状態)までの間で回動可能である。
第1開閉カバー8aの内部には、ヘッド保持体10が設けられている(図3も参照)。そして、第1開閉カバー8aは、上記の回動軸心K1まわりに回動することで、ヘッド保持体10に備えられた印字ヘッド11(具体的にはサーマルヘッド)を、筐体本体2aに設けられた搬送ローラ12(搬送手段に相当)に対して相対的に離反・近接可能である。詳細には、第1開閉カバー8aは、印字ヘッド11が搬送ローラ12に対して近接した閉じ位置(図1、図2の状態)から、印字ヘッド11が搬送ローラ12から離反した開き位置(図3、図4の状態)までの間で回動可能である。
第2開閉カバー8bは、上記第1開閉カバー8aよりも後方側に設けられており、筐体本体2aの後方側の上端部に設けられた所定の回動軸心K2まわりに回動することで、第1収納部3のうち後方側の上方を、上記第1開閉カバー8aの開閉とは別個に開閉可能である。詳細には、第2開閉カバー8bは、第1収納部3のうち後方側の上方を覆う閉じ位置(図1及び図2の状態)から、第1収納部3のうち後方側の上方を露出させる開き位置(図3及び図4の状態)までの間で回動可能である。
そして、これら第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8bは、それぞれが閉じ状態であるときに、当該第1開閉カバー8aの外周部18と当該第2開閉カバー8bの縁部19とが互いに略接触して、第1収納部3の上方の略全部を覆うように構成されている。
前方側開閉カバー9は、筐体本体2aの前方側の上部に対し開閉可能に接続されている。この前方側開閉カバー9は、筐体本体2aの前方側の上端部に設けられた所定の回動軸心K3まわりに回動することで、第3収納部4の上方を開閉可能である。詳細には、前方側開閉カバー9は、第3収納部4の上方を覆う閉じ位置(図1、図2の状態)から、第3収納部4の上方を露出させる開き位置(図3、図4の状態)までの間で回動可能である。
<被印字テープロール及びその周辺>
このとき、図2に示すように、筐体本体2aにおける、閉じ状態での前方側開閉カバー9の下方にある第1所定位置13には、テープカートリッジTKが着脱可能に装着される。このテープカートリッジTKは、軸心O1まわりに巻回形成された被印字テープロールR1を備えている。
すなわち、テープカートリッジTKは、図5に示すように、被印字テープロールR1と、連結アーム16とを備えている。連結アーム16は、後方側に設けられた左・右一対の第1ブラケット部20,20と、前方側に設けられた左・右一対の第2ブラケット部21,21とを備えている。
第1ブラケット部20,20は、上記被印字テープロールR1を、軸心O1に沿った左・右両側から挟みこむようにし、テープカートリッジTKが筐体本体2aに装着された状態では被印字テープロールR1を当該軸心O1まわりに回転可能に保持する。これら第1ブラケット部20,20は、上端部において左右方向に略沿って延設された第1接続部22により被印字テープロールR1の外径との干渉を回避しつつ接続されている。
被印字テープロールR1は、テープカートリッジTKが筐体本体2aの内部に装着された際には回転自在となる。被印字テープロールR1は、繰り出しにより消費される被印字テープ150(後述する被印字層154、基材層153、粘着剤層152、剥離材層151を備える。図2中拡大図参照)を、あらかじめ左右方向の軸心O1まわりに巻回している。
第1収納部3には、上記テープカートリッジTKの装着によって、被印字テープロールR1が上方から受け入れられ、被印字テープ150の巻回の軸心O1が左右方向となる状態で収納される。そして、被印字テープロールR1は、第1収納部3に収納された状態(テープカートリッジTKが装着された状態)において当該第1収納部3内で所定の回転方向(図2中のA方向)に回転することで、被印字テープ150(記録媒体に相当)を繰り出す。
本実施形態では、粘着性を備えた被印字テープ150が用いられる場合を例示している。すなわち、被印字テープ150は、被印字層154、基材層153、粘着剤層152、剥離材層151が、厚さ方向一方側(図2中の上方側)から他方側(図2中の下方側)へ向かって、この順序で積層されている。被印字層154は、上記印字ヘッド11によるインクの熱転写によって所望の印字部155(図2中の部分拡大図参照)が形成される層である。粘着剤層152は、基材層153を適宜の被着体(図示省略)に貼り付けるための層である。剥離材層151は、粘着剤層152を覆う層である。
<搬送ローラ及び印字ヘッド>
図2、図4に戻り、筐体本体2aにおける第1収納部3及び第2収納部5の中間上方側には、上記搬送ローラ12が設けられている。搬送ローラ12は、筐体本体2aの内部に設けられた搬送用モータM1によりギア機構(図示省略)を介して駆動されることで、第1収納部3に収納された被印字テープロールR1から繰り出される被印字テープ150を、テープ幅方向が左右方向となるテープ姿勢で搬送する(後述の第1搬送処理参照)。
また、第1開閉カバー8aに設けられた上記ヘッド保持部10には、上記印字ヘッド11が備えられている。印字ヘッド11は、上述したように、第1開閉カバー8aが回動軸心K1まわりに回動することで、搬送ローラ12に対して相対的に離間・近接可能である。すなわち、第1開閉カバー8aが閉じ状態となると、印字ヘッド11が搬送ローラ12に近接し、第1開閉カバー8aが開き状態となると、印字ヘッド11が搬送ローラ12から離間する。この印字ヘッド11は、搬送ローラ12により搬送される被印字テープ150を当該搬送ローラ12と協働して挟持するように、ヘッド保持部10のうち閉じ状態での第1開閉カバー8aにおいて搬送ローラ12の上方に対向する位置に配置されている。したがって、第1開閉カバー8aが閉じ状態である場合には、印字ヘッド11と搬送ローラ12とは、互いに上下方向に対向して配置される。そして、印字ヘッド11は、搬送ローラ12との間に挟まれた状態の被印字テープ150の被印字層154に対し、後述するインクリボンカートリッジRKのインクリボンIBを用いて上記印字部155を形成して、印字済みテープ150′とする。
<インクリボンカートリッジ>
図2及び図3に示すように、筐体本体2aにおける閉じ状態での第1開閉カバー8aの下方でかつテープカートリッジTKの上方となる第2所定位置14には、インクリボンカートリッジRKが着脱可能に装着される。インクリボンカートリッジRKの詳細構造を図6に示す。
図6に示すように、インクリボンカートリッジRKは、カートリッジ筐体80と、未使用のインクリボンIBを繰り出し可能に巻回したリボン繰り出しロールR4と、リボン巻き取りロールR5とを備えている。カートリッジ筐体80は、後方側の繰り出しロール収納部81と、前方側の巻き取りロール収納部82と、それら両収納部81,82を連結する連結部83と、を有している。連結部83は、リボン繰り出しロールR4から繰り出された上記インクリボンIBをカートリッジ筐体80外に露出させるようにしつつ、上記巻き取りロール収納部82と上記繰り出しロール収納部81とを連結する。
繰り出しロール収納部81は、略半円筒の上部81aと、下部81bと、が組み合わされることにより構成されている。リボン繰り出しロールR4は、繰り出しロール収納部81内において回転自在に支持されており、インクリボンカートリッジRKが装着された状態において所定の回転方向(図2中のD方向)に回転することで、印字ヘッド11による印字形成を行うためのインクリボンIBを繰り出す。
巻き取りロール収納部82は、略半円筒の上部82aと、下部82bと、が組み合わされることにより構成されている。リボン巻き取りロールR5は、巻き取りロール収納部82内において回転自在に支持されており、インクリボンカートリッジRKが装着された状態において所定の回転方向(図2中のE方向)に回転することで、印字形成後の使用済みのインクリボンIBを巻き取る。
すなわち、図2において、リボン繰り出しロールR4から繰り出されるインクリボンIBは、印字ヘッド11と搬送ローラ12との間に挟まれた状態の被印字テープ150のさらに印字ヘッド11側に配置されて印字ヘッド11の下方に接触する。そして、インクリボンIBの幅方向全域に対応する発熱素子へ通電を行って被印字テープ150に印刷する。こうして印字ヘッド11からの加熱によりインクリボンIBのインクが、被印字テープ150の被印字層154に転写されて印字形成が実行された後、使用済みのインクリボンIBが、リボン巻き取りロールR5に巻き取られる。
<剥離材ロール及びその周辺>
図5に示すように、テープカートリッジTKの連結アーム16は、例えば略水平なスリット形状を含む引き剥がし部17を備えている。この引き剥がし部17は、被印字テープロールR1から繰り出されて前方側へと搬送される印字済みテープ150′から、剥離材層151を引き剥がす部位である。上記のようにして印字が形成された印字済みテープ150′は、図2に示すように、上記引き剥がし部17によって上記剥離材層151が引き剥がされることで、剥離材層151と、それ以外の被印字層154、基材層153及び粘着剤層152からなる印字済みテープ150″とに分離される。
テープカートリッジTKは、図2及び図5に示すように、上記引き剥がされた剥離材層151が軸心O3まわりに巻回されることで形成される、上記剥離材ロールR3を有している。すなわち、上述したテープカートリッジTKの装着によって、剥離材ロールR3が上方から上記第2収納部5に受け入れられ、剥離材層巻回用の軸心O3が左右方向となる状態で収納される。そして、剥離材ロールR3は、第2収納部5に収納された状態(テープカートリッジTKが装着された状態)において、筐体本体2a内に設けられた剥離紙巻取用モータM3によりギア機構(図示省略)を介して駆動され、第2収納部5内で所定の回転方向(図2中のC方向)に回転することで、剥離材層151を巻き取る。
このとき、図5に示すように、テープカートリッジTKの上記第2ブラケット部21,21は、上記剥離材ロールR3を、軸心O3に沿った左・右両側から挟みこむようにし、テープカートリッジTKが筐体本体2aに装着された状態では剥離材ロールR3を当該軸心O3まわりに回転可能に保持する。これら第2ブラケット部21,21は、上端部において左右方向に略沿って延設された第2接続部23により接続されている。そして、後方側の第1ブラケット部20,20及び第1接続部22と、前方側の第2ブラケット部21,21及び第2接続部23とは、左・右一対のロール連結ビーム部24,24により連結されている。
また、図5中では、軸心O3まわりに剥離材層151が巻回され剥離材ロールR3が形成される前の状態(未使用のテープカートリッジTKである場合)を示している。すなわち、当該剥離材層151の幅方向両側を挟み込むように設けられている略円形の上記ロールフランジ部f3,f4を図示するとともに、便宜的に剥離材ロールR3が形成される箇所に符号「R3」を付している。
<印字済みテープロール及びその周辺>
一方、図2及び図4に示すように、上記第3収納部4には、上記印字済みテープ150″を順次巻回するための巻芯41を備えた巻き取り機構40が上方から受け入れられる。巻き取り機構40は、印字済みテープ150″の巻回の軸心O2が左右方向となる状態で、上記巻芯41が軸心O2まわりに回転可能に支持されるように収納される。そして、巻き取り機構40が、第3収納部4に収納された状態において、筐体本体2aの内部に設けられた粘着巻き取り用モータM2により不図示のギア機構を介して巻芯41が駆動され、第3収納部4内で所定の回転方向(図2中のB方向)に回転することで、印字済みテープ150″を巻芯41の外周部に順次巻き取って積層する。これにより、巻芯41の外周側に印字済みテープ150″が順次巻回されることで、印字済みテープロールR2が形成される。
<カッター機構30>
また、図2に示すように、テープ搬送方向に沿って印字ヘッド11の下流側でかつ印字済みテープロールR2の上流側に、カッター機構30が設けられている。
カッター機構30は、詳細な図示を省略するが、可動刃と、可動刃を支持しテープ幅方向(言い替えれば左右方向)に走行可能な走行体とを有している。そして、カッターモータMC(後述の図7参照)の駆動により走行体が走行し可動刃がテープ幅方向に移動することで、上記印字済みテープ150″を幅方向に切断する。
<テープ印刷装置の動作の概略>
次に、上記構成のテープ印刷装置1の動作の概略について説明する。
すなわち、上記第1所定位置13にテープカートリッジTKが装着されると、筐体本体2aの後方側に位置する第1収納部3に被印字テープロールR1が収納され、筐体本体2aの前方側に位置する第2収納部5に剥離材ロールR3を形成する軸心O3側が収納される。また、筐体本体2aの前方側に位置する第3収納部4には、印字済みテープロールR2を形成するための巻き取り機構40が収納される。
この状態で、ユーザが、被印字テープ150(この時点ではまだ印刷が始まっていない)から剥離材層151を手動で引き剥がし、基材層153及び粘着剤層152からなるテープの先端を、上記巻き取り機構40の巻芯41に取り付ける。そして、搬送ローラ12が駆動されると、第1収納部3に収納された被印字テープロールR1の回転により繰り出される被印字テープ150が、前方側へ搬送される。そして、搬送される被印字テープ150の被印字層154に対し、印字ヘッド11により上記印字部155(詳細には後述のイメージIMや黒塗り領域Q等により構成される)が形成されて、印字済みテープ150′となる。印字形成された印字済みテープ150′は、さらに前方側へ搬送されて引き剥がし部17まで搬送されると、当該引き剥がし部17において剥離材層151が引き剥がされて印字済みテープ150″となる。引き剥がされた剥離材層151は、下方側へ搬送されて第2収納部5へ導入され、当該第2収納部5内において巻回されて剥離材ロールR3が形成される。
一方、剥離材層151が引き剥がされた印字済みテープ150″は、さらに前方側へ搬送されて第3収納部4へ導入され、当該第3収納部4内の巻き取り機構40の巻芯41の外周側に巻回されて印字済みテープロールR2が形成される。その際、搬送方向下流側(すなわち前方側)に設けられたカッター機構30が印字済みテープ150″を切断する。これにより、ユーザの所望のタイミングで、印字済みテープロールR2に巻回されていく印字済みテープ150″を切断し、切断後は印字済みテープロールR2を第3収納部4から取り出すことができる。
なおこのとき、図示による説明を省略するが、被印字テープロールR1に、非粘着テープ(上記粘着剤層152及び剥離材層151のないもの)が巻回されていても良い。この場合においても、第1収納部3には、テープカートリッジTKの装着によって、非粘着テープが巻回された被印字テープロールR1が上方から受け入れられ、非粘着テープの巻回の軸心O1が左右方向となる状態で収納される。そして、被印字テープロールR1は、第1収納部3に収納された状態(テープカートリッジTKが装着された状態)において当該第1収納部3内で所定の回転方向(図2中のA方向)に回転することで、非粘着テープを繰り出す。
またこのとき、上記非粘着テープ(又は上記被印字テープ150でもよい)の搬送経路を、印字済みテープロールR2へ向かう側と排出口(図示省略)へ向かう側との相互間で切り替える、シュート15(図2参照)が配されていても良い。すなわち、切替レバー(図示省略)によるシュート15の切替操作でテープ経路を切り替えることで、印字形成後の非粘着テープ(又は印字済みテープ150″)を後述のように第3収納部4内において巻回することなく、筐体2の例えば第2開閉カバー8b側に設けた排出口(図示省略)から、そのまま筐体2外部へ排出するようにしても良い。
<制御系>
次に、図7を用いて、テープ印刷装置1の制御系について説明する。図7において、テープ印刷装置1には、所定の演算を行う演算部を構成するCPU212が備えられている。CPU212は、RAM213及びROM214に接続されている。CPU212は、RAM213の一時記憶機能を利用しつつROM214に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによってテープ印刷装置1全体の制御を行う。
また、CPU212は、上記搬送ローラ12を駆動する上記搬送用モータM1の駆動制御を行うモータ駆動回路218と、上記巻き取り機構40の巻芯41を駆動する上記粘着巻取用モータM2の駆動制御を行うモータ駆動回路219と、上記剥離材ロールR3を駆動する上記剥離紙巻取用モータM3の駆動制御を行うモータ駆動回路220と、上記印字ヘッド11に備えられた発熱素子(図示省略)の通電制御を行う印字ヘッド制御回路221(通電手段に相当)と、上記可動刃を備えた走行体を走行させるカッターモータMCの駆動制御を行うモータ駆動回路222と、適宜の表示を行う表示部215と、ユーザが適宜に操作入力可能な操作部216と、に接続されている。また、CPU212は、この例では、外部端末としてのPC217に接続されるが、テープ印刷装置1が(いわゆるオールインワンタイプで)単独で動作する場合には、接続されなくてもよい。
ROM214には、所定の制御処理を実行するための制御プログラム(後述する図8、図12、図15、図18、図21、図23のフローの処理を実行するプログラムを含む)が記憶されている。RAM213には、例えば上記操作部216(又はPC217)での操作者の操作に対応して生成された印字データ(後述のステップS204参照)を、上記被印字層154の所定の印字領域に印字するためのドットパターンデータに展開して記憶する、イメージバッファ213aが備えられている。CPU212は、上記制御プログラムに基づき、搬送ローラ12により被印字テープ150を繰り出しつつ、イメージバッファ213aに記憶された上記ドットパターンデータに対応した1つのイメージ(以下適宜、単位印字イメージという)を、印字ヘッド11によって被印字テープ150に対し繰り返して印刷する。
<クーリング>
ここで、本実施形態においては、連続動作による印字ヘッド11の過熱を抑制するための、いわゆるクーリングが実行されて印字形成が一時停止される。すなわち、図7に示すように、本実施形態のテープ印刷装置1では、印字ヘッド11の温度を検出する温度センサSR(温度検出手段に相当)が設けられ、CPU212に接続される。このとき、CPU212は、印字制御部212Aと、クーリング制御部212Bと、を機能的に備えている。印字制御部212Aは、後述する図8のフローの各手順を実行することで、印字ヘッド11、搬送ローラ12、及びカッター機構30等を互いに連携制御する。クーリング制御部212Bは、上記温度センサSRの検出結果に基づき、印字制御部212Aに対して一時停止指示信号(詳細は後述)を出力する。
<クーリング制御の処理内容>
上記クーリング制御部212Bが実行する処理内容を表すフローチャートを、図8に示す。図8において、CPU212のクーリング制御部212Bは、まずステップS110及びステップS120で、印字ヘッド11による印字形成を停止する印字停止温度T1、及び、停止後に再び印字形成を再開するための再開温度T2、をそれぞれ設定する。この設定は、予め適宜の記憶手段に記憶されていた値を読み出してRAM213に格納してもよいし、操作部216での(又は上記PC217での)ユーザの操作に対応した値を取得してRAM213に格納してもよい。その後、ステップS130に移る。
ステップS130では、クーリング制御部212Bは、上記温度センサSRの検出結果に基づき、印字ヘッド11の温度Tが上記印字停止温度T1以上となったか(T≧T1となったか)否か、を判定する。T<T1である間はステップS130の判定が満たされず(S130:NO)、ループ待機する。T≧T1となったらステップS130の判定が満たされ(S130:YES)、ステップS140に移る。
ステップS140では、クーリング制御部212Bは、上述の一時停止指示信号を印字制御部212Aに出力する。これにより、印字制御部212Aによるテープ搬送・印字形成の一時停止制御が行われる。このステップS140を実行するCPU212のクーリング制御部212Bが、各請求項記載の送信手段として機能する。
その後、ステップS150で、クーリング制御部212Bは、上記温度センサSRの検出結果に基づき、印字ヘッド11の温度Tが上記再開温度T2以下となったか(T≦T2となったか)否か、を判定する。T>T2である間はステップS150の判定が満たされず(S150:NO)ループ待機する。T≦T2となったらステップS150の判定が満たされ(S150:YES)、ステップS160に移る。
ステップS160では、クーリング制御部212Bは、作成再開指示信号(詳細は後述)を印字制御部212Aに出力する。これにより、後述のように、印字制御部212Aによるテープ搬送・印字形成を再開する制御が行われる。その後、このフローを終了する。
<第1実施形態の特徴>
以上のように構成された本実施形態の特徴は、印刷動作中において、上記クーリングの実行で印字形成動作が停止したとき、印字ヘッド11の余熱により被印字テープ150に生じうる汚れ(後述の擬印字部分G)を目立たなくする手法にある。以下、その詳細を、比較例を用いつつ詳細に説明する。
<比較例>
上記汚れが生じる挙動について、図9(a)〜(f)に示される比較例を用いて詳細に説明する。上述したように、テープ印刷装置1においては、上記単位印字イメージ(特定の文字列を画像化したものや特定の図像を含む1つの画像)が、搬送方向に沿って複数回繰り返し形成されて、上記印字済みテープ150″が作成される。まず、図9(a)は、被印字テープロールR1からの被印字テープ150の繰り出しが開示された直後の状態を表している。図示の状態では被印字テープ150の先端がまだ印字ヘッド11の位置まで到達しておらず、印字ヘッド11による被印字テープ150へのイメージIM(この例では「Thank you」のテキストと幅方向両側の枠線を含む)の形成が開始されていない。
この状態からさらに被印字テープ150の搬送(言い換えれば印字済みテープ150′,150″の搬送。以下適宜、単に「被印字テープ150の搬送」と称する)が所定の一定速度で進むと、被印字テープ150が印字ヘッド11の位置に到達し、上記イメージIM(詳細には1番目のイメージIM1)の印字形成が開始される(図9(b)及び図9(c)参照)。1つのイメージIM1の形成が終了すると、同一のドットパターンデータを用いて次に後続するイメージIM2の形成が開始される(図9(d)参照)。このようにして、同一内容である、イメージIM1、イメージIM2、イメージIM3、・・が被印字テープ150に順次形成されて印字済みテープ150″が作成される。なお、上記イメージIM1、イメージIM2、イメージIM3、・・等を特に区別せず記述する場合は、以下適宜、単に「イメージIM」と表記する。
<クーリングによる搬送・印字の一時停止>
ここで、上述したような印字ヘッド11の高温によりクーリングが実行された場合には、上記搬送ローラ12による被印字テープ150の搬送と印字ヘッド11による被印字テープ150への印字形成が(その後の再開を前提として)一時的に停止される。図示の例では、図9(d)に示す状態で上記クーリングの実行が開始され、(例えば上記所定の一定速度に対して固定的に定められた)所定の減速パターンに沿って上記被印字テープ150の搬送速度が減速された後、この例では、上記イメージIM2の「Thank you」のテキスト文字が印字形成された直後に最終的に停止する(図9(e)参照)。なお、この減速に合わせて上記印字ヘッド11の印字形成(言い替えれば発熱素子への通電)も同期制御される(いわゆるスルーダウン制御)が、これについては公知の手法で行えば足りるので、詳細な説明を省略する。
その後、所定時間経過後の印字ヘッド11の温度低下によりクーリングが解除されると、上記被印字テープ150の搬送及び上記印字形成が再開される(図9(f)参照)。すなわち、(例えば上記所定の一定速度に対して固定的に定められた)所定の加速パターンに沿って上記被印字テープ150の搬送速度が加速された後、上記所定の一定速度とされる。なお、この加速に合わせて上記印字ヘッド11の印字形成(言い替えれば発熱素子への通電)も同期制御される(いわゆるスルーアップ制御)が、これについては公知の手法で行えば足りるので、詳細な説明を省略する。
この比較例では、上記のようにしてクーリングが行われて搬送及び印字形成が停止しているとき、上記図9(e)に示す通電停止中の状態において、高温となっている印字ヘッド11の余熱により、(通電停止中であるにもかかわらず)被印字テープ150に擬印刷部分Gが形成される可能性があった。この結果、上記図9(f)のように搬送再開後、上記擬印刷部分Gが汚れとなり美観を損ねる可能性がある。
<第1実施形態の手法の詳細>
上記を解消するための、本実施形態の手法を、図10により説明する。すなわち、本実施形態では、図9(a)〜(c)と同様の図10(a)〜(c)に示す状態を経て、図10(d)において、上記同様、イメージIM2のテキストの「T」の文字が印字形成された直後に上記一時停止指示がなされた場合には、上記比較例のように単に減速を開始して停止するのではなく、イメージIM2とその次に後続して形成されるイメージIM3との境界部に黒塗り領域Qを印字形成しつつ搬送が停止する。すなわち、黒塗り領域Qに印字ヘッド11が位置する状態で搬送が停止される(図10(e)参照)。そして、その後の搬送再開時においても、図10(f)に示すように、黒塗り領域Qの印字形成が続行される。なお、図11は、このときの印字ヘッド11と印字済みテープ150″との相対位置関係を概念的に表す図である。
上記の挙動により、クーリングが解除されて搬送及び印字形成が再開されたとき、図10(g)に示すように、クーリングによる停止時に印字済みテープ150″に生じた擬印刷部分Gが、上記黒塗り領域Qに埋没する。この結果、印字済みテープ150″の外観への影響を最小限に抑制することができ、美観を向上することができる。
なお、この例では、上記減速の後で、イメージIM2の印字形成を完了した後、その次に後続して形成されるイメージIM3との境界部に、黒塗り領域Qを印字形成しつつ搬送を停止したが、これに限られない。すなわち、上記減速により、イメージIM2の印字形成の途中で黒塗り領域Qを印字形成しつつ搬送を停止してもよい。
また、上記の例では、黒塗り領域Qは、いわゆるフルドット印字による印字領域であるが、色は黒色に限られず、擬印刷部分Gを埋没可能であれば黒以外でもよい。また、フルドット印字にも限られず、ある程度のドット数を間引いた網掛け印字やゼブラ模様や市松模様やハッチング等でもよく、さらには、多数のテキスト文字やロゴや図像の羅列によって擬印刷部分Gを覆い隠して目立たなくする手法等でもよい(以下、同様)。
<制御処理の内容>
上記手法を実現するために、CPU212の印字制御部212Aにより実行される処理内容を、図12のフローにより説明する。図12において、例えばユーザによりテープ印刷装置1の電源がオンにされることによって、このフローが開始される(「START」位置)。
まず、ステップS202において、印字制御部212Aは、操作部216での(又は上記PC217での)ユーザの作成開始操作に対応した、上記印字済みテープ150″の作成開始指示信号が入力されたか否かを判定する。ユーザの作成開始の意図に対応した上記作成開始指示信号が入力されない場合はステップS202の判定が満たされず(S202:NO)、ループ待機する。上記作成開始指示信号が入力されたらステップS202の判定が満たされ(S202:YES)、ステップS203に移る。
ステップS203では、印字制御部212Aは、操作部216での(又は上記PC217での)ユーザの操作に対応した、作成する上記印字済みテープ150″の搬送方向に沿った全長を表す全長データが入力されたか否かを判定する。ユーザの意図するテープ全長に対応した上記全長データが入力されない場合はステップS203の判定が満たされず(S203:NO)、上記ステップS202に戻って同様の手順を繰り返す。上記全長データが入力されたらステップS203の判定が満たされ(S203:YES)、ステップS204に移る。
ステップS204では、印字制御部212Aは、操作部216での(又は上記PC217での)ユーザの操作に基づく、上記被印字テープ150に繰り返し印字形成する1つのイメージIM(図9、図10等参照)に対応した印字データ(第5印刷データに相当)が入力されたか否かを判定する。印字データが入力されない場合はステップS204の判定が満たされず(S204:NO)、上記ステップS202に戻って同様の手順を繰り返す。上記印字データが入力されたらステップS204の判定が満たされ(S204:YES)、ステップS205に移る。
その後、ステップS205において、印字制御部212Aは、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を開始して、上記被印字テープ150、印字済みテープ150′、及び印字済みテープ150″の搬送(以下適宜、単に「テープ搬送」と称する)、及び上記印字済みテープ150″の巻き取りを開始する。
そして、ステップS215で、印字制御部212Aは、上記ステップS204で取得された印字データに基づき、公知の手法により、対応する印字開始位置に印字ヘッド11が対向する状態まで上記テープ搬送が到達したか否かを判定する。印字開始位置に到達していない場合、判定は満たされず(S215:NO)、この判定が満たされるまでループ待機する。印字開始位置に到達した場合、判定は満たされ(S215:YES)、ステップS220に移る。
ステップS220では、印字制御部212Aは、印字ヘッド制御回路221に制御信号を出力し、印字ヘッド11の発熱素子に通電を行って上記被印字テープ150への上記イメージIM(図9、図10等参照)の繰り返し印字形成を開始する。その後、ステップS224に移る。
ステップS224では、印字制御部212Aは、上記クーリング制御部212Bからの上記一時停止指示信号(印刷停止指令に相当。上記図8のステップS140参照)が入力されたか否かを判定する。上記一時停止指示信号が入力されない場合はステップS224の判定が満たされず(S224:NO)、後述のステップS300に移る。上記一時停止指示信号が入力されたらステップS224の判定が満たされ(S224:YES)、ステップS225に移る。
ステップS225では、印字制御部212Aは、上記ステップS224で入力された一時停止指示信号に基づき、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、上記減速パターンに従い、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を制御し、上記テープ搬送の減速を開始する。
ステップS230では、印字制御部212Aは、上記ステップS204で取得された印字データに基づき、隣接する2つのイメージIM,IMの間の境界部における上記黒塗り領域Qの開始位置(搬送方向下流側端部)に印字ヘッド11が対向する状態まで、上記テープ搬送が到達したか否かを公知の手法により判定する。上記黒塗り領域Qの開始位置に到達していない間はステップS230の判定が満たされず(S230:NO)、ステップS230の判定が満たされるまでループ待機する。上記黒塗り領域Qの開始位置に到達していた場合はステップS230の判定が満たされ(S230:YES)、ステップS235に移行する。
ステップS235では、印字制御部212Aは、印字ヘッド制御回路221に制御信号を出力し、印字ヘッド11の発熱素子に通電を行って上記被印字テープ150への黒塗り領域Qの印字形成を開始する。なおこのときの黒塗り領域Qを形成するための印字データ(第6印刷データに相当)は、例えば予めRAM213に記憶されている。
その後、ステップS240では、印字制御部212Aは、上記ステップS204で取得された印字データに基づき、上記黒塗り領域Qの中心位置に印字ヘッド11が対向する状態まで、上記テープ搬送が到達したか否かを公知の手法により判定する。上記黒塗り領域Qの中心位置に到達していない間はステップS240の判定が満たされず(S240:NO)、ステップS240の判定が満たされるまでループ待機する。上記黒塗り領域Qの中心位置(第4所定部分に相当)に到達していたらステップS240の判定が満たされ(S240:YES)、ステップS245に移行する。
ステップS245では、印字制御部212Aは、モータ駆動回路218,219,220、及び印字ヘッド制御回路221に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、剥離紙巻取用モータM3の駆動を停止してテープ搬送を停止すると共に上記印字ヘッド11の発熱素子への通電を停止し、上記黒塗り領域Qの印字形成を停止する。なお、印字済みテープ150″のうちステップS235〜ステップS245までの間に上記黒塗り領域Qが印字形成された部位が、各請求項記載の第3所定部分に相当している。
その後、ステップS250では、印字制御部212Aは、上記クーリング制御部212Bからの作成再開指示信号(上記図8のステップS160参照)が入力されたか否かを判定する。上記作成再開指示信号が入力されない間はステップS250の判定が満たされず(S250:NO)、ステップS250の判定が満たされるまでループ待機する。上記作成再開指示信号が入力されたらステップS250の判定が満たされ(S250:YES)、ステップS255に移る。
ステップS255では、印字制御部212Aは、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、上記加速パターンに従い、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を制御し、上記テープ搬送及び上記印字済みテープ150″の巻き取りを再び開始してその速度を加速する。これとともに、印字制御部212Aは、上記ステップS235と同様、印字ヘッド制御回路221に制御信号を出力し、印字ヘッド11の発熱素子に通電を行って上記黒塗り領域Qの印字形成を再開する。なお、このときの黒塗り領域Qを形成するための印字データ(第7印刷データに相当)は、例えば予めRAM213に記憶されている。また、上記ステップS245でのテープ搬送・印字形成の中止から、上記ステップS255でのテープ搬送・印字形成の再開までの期間が各請求項記載の第3所定期間に相当している。その後、ステップS260に移る。
ステップS260では、印字制御部212Aは、上記ステップS204で取得された印字データに基づき、上記黒塗り領域Qの終了位置(搬送方向上流側端部)に印字ヘッド11が対向する状態まで、上記テープ搬送が到達したか否かを公知の手法により判定する。上記黒塗り領域Qの終了位置に到達していない間はステップS260の判定が満たされず(S260:NO)、ステップS260の判定が満たされるまでループ待機する。上記黒塗り領域Qの終了位置に到達していた場合はステップS260の判定が満たされ(S260:YES)、ステップS265に移行する。
ステップS265では、印字制御部212Aは、上記ステップS245と同様に、印字ヘッド制御回路221に制御信号を出力し、印字ヘッド11の発熱素子への通電を停止し、上記黒塗り領域Qの印字形成を停止する。なお、印字済みテープ150″のうちステップS255〜ステップS265までの間に上記黒塗り領域Qが印字形成された部位が、各請求項記載の第5所定部分に相当している。
ステップS300では、印字制御部212Aは、上記ステップS203で取得された全長データ及びステップS204で取得された印字データに基づき、公知の手法により、全ての上記イメージIMの印字形成が終了する全印字終了位置に印字ヘッド11が対向する状態まで、上記テープ搬送が到達したか否かを判定する。全印字終了位置に到達していない場合、判定は満たされず(S300:NO)、ステップS220に戻り同様の手順を繰り返す。これにより、上述のイメージIMの形成が続行される。一方、印字終了位置に到達した場合、判定は満たされ(S300:YES)、ステップS305に移る。
ステップS305では、印字制御部212Aは、印字ヘッド制御回路221に制御信号を出力し、印字ヘッド11の発熱素子への通電を停止して、上記被印字テープ150に対する印字形成を停止する。このとき、テープ搬送は継続して行われている。これにより、それ以降の印字済みテープ150′には、印字部155が存在しない空白状態となる。その後、ステップS310に移る。
ステップS310では、印字制御部212Aは、上記ステップS203で取得された全長データに対応した上記カッター機構30による切断位置(巻芯41に印字済みテープロールRとして巻回される印字済みテープ150″の、搬送方向に沿った全長が操作者の意図する長さとなるような切断位置)まで、上記テープ搬送が達したか否かを判定する。切断位置に到達していない場合、判定は満たされず(S310:NO)、ループ待機する。切断位置に到達した場合、判定は満たされ(S310:YES)、ステップS315に移る。
ステップS315では、印字制御部212Aは、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を停止する。これにより、上記被印字テープ150、印字済みテープ150′、及び印字済みテープ150″の搬送が停止する。
その後、ステップS320で、印字制御部212Aは、モータ駆動回路222に制御信号を出力して上記カッターモータMCを駆動し、上記カッター機構30の作動により印字済みテープ150″の切断を行う。
そして、ステップS325に移り、印字制御部212Aは、モータ駆動回路219に制御信号を出力し、粘着巻取用モータM2の駆動を開始して、印字済みテープ150″を巻き取り機構40の巻芯41の外周部に巻き取る。
その後、ステップS330で、印字制御部212Aは、上記ステップS320でのカッター機構30の切断動作から所定時間だけ経過したか否かを判定する。所定時間だけ経過していない場合、判定は満たされず(S330:NO)、ループ待機する。この所定時間は、印字済みテープ150″を巻芯41へと十分に巻き取れるだけの時間でよい。所定時間が経過したらこの判定は満たされ(S330:YES)、ステップS335へ移る。
ステップS335では、印字制御部212Aは、モータ駆動回路219に制御信号を出力し、粘着巻取用モータM2の駆動を停止する。これにより上記切断により生じた印字済みテープ150″を確実に印字済みテープロールR2へと巻き取ることができる。そして、このフローを終了する。
なお、上記ステップS220において印字制御部212Aが実行する処理が、各請求項記載の第9処理に相当し、上記ステップS230、ステップS235、ステップS240において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の第10処理に相当し、上記ステップS245、ステップS250において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の第11処理に相当し、ステップS255、ステップS260、ステップS265において印字制御部212Aが実行する処理が、各請求項記載の第12処理に相当する。また、ステップS225〜ステップS265を実行後、ステップS300の判定が満たされずに戻ってステップS220において印字制御部212Aが実行する処理が、各請求項記載の第13処理に相当する。そして、これらを含む、ステップS205〜ステップS305の各手順を実行する印字制御部212Aが、各請求項記載の第3制御手段として機能する。
以上のように構成した本実施形態によれば、クーリングの実行時に、黒塗り領域Qを形成しつつテープ搬送が停止され、当該黒塗り領域Qの内側に、通電が停止された状態の印字ヘッド11が対向した状態で停止する。これにより、印字ヘッド11の予熱により印字済みテープ150″において擬印刷部分Gが生じたとしても上記黒塗り領域Q内に埋没させ、その汚れが目立たなくなるようにすることができる。この結果、美観を向上することができる。
また、本実施形態では特に、フルドット印字による黒塗り領域Qの形成が行われる。特にインクリボンIKの幅方向全域に対応する上記発熱素子に通電を行って、テープ幅方向略全域にわたる黒塗り領域Qが形成される。これにより、擬印字部分Gを当該黒塗り領域Qによって確実に埋没させ、見かけ上消滅させることができる。この結果、確実に美観を向上することができる。
また、本実施形態では特に、印字ヘッド11の温度が所定の印字停止温度T1(印刷停止温度に相当)まで上昇したら、クーリングが実行されるので、印字ヘッド11の耐久性低下を抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を、図13〜図15に基づき説明する。上記第1実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。本実施形態では、前述と同様の黒塗り領域Qを先に終端部(搬送方向上流側端部)まで完成させた後、逆方向へテープ搬送し、黒塗り領域Qの略中央部に印字ヘッド11を対向させて停止させる。
すなわち、本実施形態では、上記図10(a)〜(d)と同様の図13(a)〜(c)にそれぞれ示す状態を経て、図13(d)に示すように、上記イメージ境界部において先に黒塗り領域Qを印字形成してからテープ搬送が停止され、その後、搬送方向が折り返されて、図13(e)に示すように、印字ヘッド11が黒塗り領域Qの中心位置に対向するまで逆方向にテープ搬送が行われ、当該対向した状態でテープ搬送が停止される。そして、その後の搬送再開時において、図13(f)に示すように、再び順方向へテープ搬送を行う。なお、図14は、このときの印字ヘッド11と印字済みテープ150″との相対位置関係を概念的に表す図である。
上記のように、クーリング実行による搬送及び印字形成の停止時に印字ヘッド11は、黒塗り領域Qの内側に位置していたことから、クーリングが解除されて搬送及び印字形成が再開されたとき、図13(g)に示すように、上記停止時に印字済みテープ150″に生じた擬印刷部分Gが先に形成してあった黒塗り領域Qに埋没し、確実に見えなくなる。この結果、印字済みテープ150″の外観への影響を最小限に抑制することができ、美観を向上することができる。
<制御処理の内容>
上記の本実施形態の手法を実現するためにCPU212の印字制御部212Aにより実行される処理内容を、図15のフローにより説明する。
図15に示すフローは、図12のステップS235とステップS240の間に新たにステップS236、ステップS237、ステップS238を設けた点と、ステップS245の代わりにステップS249を設けた点と、ステップS255、ステップS260、ステップS265に代えて、ステップS270を設けた点が異なる。
すなわち、上記同様のステップS202〜ステップS235を経て、新たに設けたステップS236において、ステップS236では、印字制御部212Aは、上記ステップS204で取得された印字データに基づき、上記黒塗り領域Qの終了位置(搬送方向上流側端部)に印字ヘッド11が対向する状態まで、上記テープ搬送が到達したか否かを公知の手法により判定する。上記黒塗り領域Qの終了位置に到達していない間はステップS236の判定が満たされず(S236:NO)、ステップS236の判定が満たされるまでループ待機する。上記黒塗り領域Qの終了位置に到達した間はステップS236の判定が満たされ(S236:YES)、ステップS237に移行する。なおこのときの黒塗り領域Qを形成するための印字データ(第2印刷データに相当)は、例えば予めRAM213に記憶されている。また、この実施形態における上記ステップS204で入力された、イメージIMに対応した印字データが、各請求項記載の第1印刷データに相当する。
ステップS237では、印字制御部212Aは、上記ステップS265と同様に、印字ヘッド制御回路221に制御信号を出力し、印字ヘッド11の発熱素子への通電を制御し、上記黒塗り領域Qの印字形成を停止する。なお、本実施形態における、印字済みテープ150″のうち上記黒塗り領域Qが印字形成された部位が、各請求項記載の第1所定部分に相当している。
その後、ステップS238で、印字制御部212Aは、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、剥離紙巻取用モータM3の駆動を制御し、逆方向へのテープ搬送を開始する。その後、上記同様のステップS240で、テープ搬送が上記黒塗り領域Qの中心位置に到達したか否かが判定された後、新たに設けたステップS249に移る。
ステップS249では、印字制御部212Aは、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、剥離紙巻取用モータM3の駆動を制御し、上記テープ搬送を停止する。その後、上記同様のステップS250でクーリング制御部252Bからの作成再開指示信号が入力されたか否かが判定された後、新たに設けたステップS270に移る。
ステップS270では、印字制御部212Aは、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、前述の加速パターンに従い、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、剥離紙巻取用モータM3の駆動を制御し、順方向への上記テープ搬送及び上記印字済みテープ150″の巻き取りを再び開始してその速度を加速する。なお、上記ステップS249でのテープ搬送の停止から、上記ステップS270でのテープ搬送の再開までの期間が各請求項記載の第1所定期間に相当している。その後、ステップS300に移行する。以降のステップS300〜ステップS335は上記図12と同様であり、説明を省略する。
なお、上記ステップS220において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の第1処理に相当し、ステップS225、ステップS230、ステップS235、ステップS236、ステップS237において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の第2処理に相当し、ステップS238、ステップS240、ステップS249、ステップS250において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の第3処理に相当する。そして、これらを含む、ステップS205〜ステップS305の各手順を実行する印字制御部212Aが、各請求項記載の第1制御手段として機能する。
本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得る。すなわち、クーリングの実行時に、まず黒塗り領域Qを先に形成した後に、逆方向にテープ搬送が行われ、印字ヘッド11が黒塗り領域Qの略中央部となったところで搬送が停止され、通電が停止した状態の印字ヘッド11が対向した状態で停止する。これにより、印字ヘッド11の予熱により印字済みテープ150″において擬印刷部分Gが生じたとしても、それに先だって形成された上記黒塗り領域Q内に埋没させ、その汚れが目立たなくなるようにすることができる。この結果、美観を向上することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
(1)黒塗り領域となる部分で搬送停止後、戻って順方向に黒塗り領域を形成し塗りつぶす場合
本変形例においては、上記黒塗り領域Qとなる領域の略中央部に印字ヘッド11を対向させて停止させた後、逆方向へ折り返した後、順方向に沿って黒塗り領域Qを形成する。
すなわち、本変形例では、図10(a)〜(d)と同様の図16(a)〜(c)にそれぞれ示す状態を経て、図16(d)に示すように、(印字ヘッド11が上記イメージ境界部の中心の到達する直前に印字停止した後に)当該イメージ境界部の中心に印字ヘッド11が対向するまで順方向に被印字テープ150が搬送された後、当該対向した状態でテープ搬送が停止される。そして、その後の搬送再開時において、まず、図16(e)に示すように、上記黒塗り領域Qの先端(搬送方向下流側端部)位置に印字ヘッド11が対向する状態となるまで逆方向にテープ搬送が行われる。このとき、上記テープ搬送の停止により、上記イメージ境界部の中心には、印字ヘッド11の余熱によって擬印刷部分Gが形成されている。その後、図16(f)に示すように、折り返して順方向へ再びテープ搬送を行いつつ、印字ヘッド11により、黒塗り領域Qが印字形成される。なお、図17は、このときの印字ヘッド11と印字済みテープ150″との相対位置関係を概念的に表す図である。
上記により、クーリング実行による搬送及び印字形成の停止時に、印字済みテープ150″に擬印刷部分Gが生じても、クーリングが解除された後に逆方向さらに順方向に搬送が行われるとき、図16(g)に示すように、上記停止時に印字済みテープ150″に生じた擬印刷部分Gを、上記スルーアップ時に形成する黒塗り領域Qによって塗りつぶすように上書きし、当該擬印刷部分Gを確実に見えなくすることができる。この結果、印字済みテープ150″の外観への影響を最小限に抑制することができ、美観を向上することができる。
<制御処理の内容>
上記の本変形例の手法を実現するためにCPU212の印字制御部212Aにより実行される処理内容を、図18のフローにより説明する。
図18に示すフローは、図15のステップS230〜ステップS238を省略すると共に、図15のステップS270に代えて、ステップS252、ステップS253、ステップS254、ステップS260、ステップS265を設けた点が異なる。
すなわち、上記同様のステップS202〜ステップS225を経た後、さらに上記同様のステップS240〜ステップS250を経て、新たに設けたステップS252に移る。ステップS252では、印字制御部212Aは、上記図15のステップS238と同様に、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、剥離紙巻取用モータM3の駆動を制御し、逆方向のテープ搬送を開始する。なお、上記ステップS249でのテープ搬送の停止から、上記ステップS252でのテープ搬送の再開までの期間が各請求項記載の第2所定期間に相当している。
その後、ステップS253で、印字制御部212Aは、上記図12及び図15のステップS230と同様に、上記ステップS204で取得された印字データに基づき、隣接する2つのイメージIM,IMの間の境界部における上記黒塗り領域Qの開始位置(搬送方向下流側端部)に印字ヘッド11が対向する状態まで、上記テープ搬送が到達したか否かを公知の手法により判定する。上記黒塗り領域Qの開始位置に到達していない間はステップS253の判定が満たされず(S253:NO)、ステップS253の判定が満たされるまでループ待機する。上記黒塗り領域Qの開始位置に到達した場合はステップS253の判定が満たされ(S253:YES)、ステップS254に移行する。
ステップS254では、印字制御部212Aは、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、上記加速パターンに従い、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、剥離紙巻取用モータM3の駆動を制御し、上記テープ搬送及び上記印字済みテープ150″の巻き取りを再び開始してその速度を加速する。これとともに、印字制御部212Aは、印字ヘッド制御回路221に制御信号を出力し、印字ヘッド11の発熱素子に通電を行って上記黒塗り領域Qの印字形成を開始する。なおこのときの黒塗り領域Qを形成するための印字データ(第4印刷データに相当)は、例えば予めRAM213に記憶されている。また、この変形例における上記ステップS204で入力された、イメージIMに対応した印字データが、各請求項記載の第3印刷データに相当する。
その後、ステップS260に移る。
その後、上記図12と同様のステップS260において、上記黒塗り領域Qの終了位置に印字ヘッド11が対向する状態まで上記テープ搬送が到達したか否かが判定された後、上記図12と同様のステップS265において、印字ヘッド11の発熱素子への通電が停止されて上記黒塗り領域Qの印字形成が停止される。なお、印字済みテープ150″のうち上記黒塗り領域Qが印字形成された部位が、第2所定部分に相当している。その後のステップS300〜ステップS335は上記図15と同様であり、説明を省略する。
なお、上記ステップS220において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の第5処理に相当し、ステップS225、ステップS240、ステップS249において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の第6処理に相当し、ステップS250、ステップS252、ステップS253において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の第7処理に相当し、ステップS254、ステップS260、ステップS265において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の第8処理に相当する。そして、これらを含む、ステップS205〜ステップS305の各手順を実行する印字制御部212Aが、各請求項記載の第2制御手段として機能する。
本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得る。すなわち、クーリング実行時に擬印刷部分Gが生じても、クーリングが解除された後に逆方向さらに順方向に搬送が行われるとき、当該擬印刷部分Gを上記黒塗り領域Q(スルーアップ全印字)によって塗りつぶすように上書きし、美観を確実に向上することができる。
(2)スルーダウン及びスルーアップ時の両方で黒塗り領域を形成する場合
本変形例においては、上記黒塗り領域Qを略中央部まで半分形成し、さらに印字形成を中止しつつ黒塗り領域Qの搬送方向長さの3/4となる部位まで搬送した後、逆方向へ折り返す。そして、黒塗り領域Qの搬送方向長さの1/4となる部位に印字ヘッド11を対向させて停止させた後、再び、順方向に沿って黒塗り領域Qを形成する。
すなわち、本変形例では、図10(a)〜(d)と同様の図19(a)〜(b)にそれぞれ示す状態を経て、図19(c)に示すように、上記黒塗り領域Qの中央部に印字ヘッド11が対向する状態となったときに印字形成を停止する。その後、さらに順方向へ進み、図19(d)に示すように、黒塗り領域Qの搬送方向長さの3/4となる位置に印字ヘッド11が対向する状態まで搬送する。その後、図19(e)に示すように、折り返して逆方向にテープ搬送が行われ、上記黒塗り領域Qの搬送方向長さの1/4となる位置に印字ヘッド11が対向する状態となったら、テープ搬送が停止する。その後、図19(f)に示すように、折り返して順方向へ再びテープ搬送を行いつつ、印字ヘッド11により、黒塗り領域Qが形成される。このとき、上記黒塗り領域Qの搬送方向長さの1/4となる位置から黒塗り領域Qの末端(搬送方向上流側端部)まで印字形成が行われることで、上記黒塗り領域Qの搬送方向長さの1/4となる位置から中央部までは、二重に印字形成が行われる。なお、図20は、このときの印字ヘッド11と印字済みテープ150″との相対位置関係を概念的に表す図である。
上記により、クーリング実行による搬送及び印字形成の停止時に、印字済みテープ150″に擬印刷部分Gが生じても、それに先だつ順方向へのスルーダウン時に形成された上記黒塗り領域Q内に当該擬印刷部分Gが位置しており、さらに、クーリングが解除された後に逆方向さらに順方向に搬送が行われるとき、図19(g)に示すように、上記擬印刷部分Gをスルーアップ時の黒塗り領域Qの形成時にさらに塗りつぶすように上書きする。この結果、当該擬印刷部分Gを確実に見えなくすることができ、印字済みテープ150″の外観への影響を最小限に抑制することができ、美観を向上することができる。
<制御処理の内容>
上記の本変形例の手法を実現するためにCPU212の印字制御部212Aにより実行される処理内容を、図21のフローにより説明する。
図21に示すフローは、図18のステップS240に代えて、ステップS230、ステップS235、ステップS242、ステップS243、ステップS244、ステップS247、ステップS248を設けると共に、図18のステップS252〜ステップS254に代えて、ステップS256を設けた点が異なる。
すなわち、上記同様のステップS202〜ステップS225を経た後、ステップS230に移る。ステップS230では、上記図12と同様、テープ搬送が上記黒塗り領域Qの開始位置に到達したか否かが判定された後、ステップS235では、上記同様、黒塗り領域Qの印字形成が開始される。なおこのときの黒塗り領域Qを形成するための印字データ(第2印刷データに相当)は、例えば予めRAM213に記憶されている。また、この変形例における上記ステップS204で入力された、イメージIMに対応した印字データが、各請求項記載の第1印刷データに相当する。
その後、新たに設けたステップS242に移る。ステップS242では、印字制御部212Aは、上記ステップS204で取得された印字データに基づき、上記黒塗り領域Qの半分となる位置(搬送方向中央部)に印字ヘッド11が対向する状態まで、上記テープ搬送が到達したか否かを公知の手法により判定する。上記黒塗り領域Qの半分の位置に到達していない間はステップS242の判定が満たされず(S242:NO)、ステップS242の判定が満たされるまでループ待機する。上記黒塗り領域Qの半分の位置に到達していた場合はステップS242の判定が満たされ(S242:YES)、ステップS243に移行する。
ステップS243では、印字制御部212Aは、上記図18のステップS265と同様に、印字ヘッド制御回路221に制御信号を出力し、印字ヘッド11の発熱素子への通電を停止し、上記黒塗り領域Qの印字形成を停止する。
その後、ステップS244で、印字制御部212Aは、上記ステップS204で取得された印字データに基づき、上記黒塗り領域Qの搬送方向長さの3/4となる位置に印字ヘッド11が対向する状態まで、上記テープ搬送が到達したか否かを公知の手法により判定する。上記黒塗り領域Qの3/4となる位置に到達していない間はステップS244の判定が満たされず(S244:NO)、ステップS244の判定が満たされるまでループ待機する。上記黒塗り領域Qの3/4となる位置に到達していればステップS244の判定が満たされ(S244:YES)、ステップS247に移行する。
ステップS247では、印字制御部212Aは、上記図18のステップS252と同様に、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、剥離紙巻取用モータM3の駆動を制御し、逆方向のテープ搬送を開始する。
その後、ステップS248では、印字制御部212Aは、上記ステップS204で取得された印字データに基づき、上記黒塗り領域Qの搬送方向長さの1/4となる位置に印字ヘッド11が対向する状態まで、上記逆方向へのテープ搬送が到達したか否かを公知の手法により判定する。上記黒塗り領域Qの1/4となる位置に到達していない間はステップS248の判定が満たされず(S248:NO)、ステップS248の判定が満たされるまでループ待機する。上記黒塗り領域Qの1/4となる位置に到達していればステップS248の判定が満たされ(S248:YES)、ステップS249に移行する。
ステップS249では、上記図18と同様にして、逆方向へのテープ搬送が停止する。その後、上記同様のステップS250でクーリング制御部252Bからの作成再開指示信号が入力されたか否かが判定された後、新たに設けたステップS256に移る。
ステップS256では、印字制御部212Aは、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、上記加速パターンに従い、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、剥離紙巻取用モータM3の駆動を制御し、上記テープ搬送及び上記印字済みテープ150″の巻き取りを再び開始してその速度を加速する。これとともに、印字制御部212Aは、印字ヘッド制御回路221に制御信号を出力し、印字ヘッド11の発熱素子に通電を行って上記黒塗り領域Qの印字形成を開始する。なお、上記ステップS249でのテープ搬送の停止から、上記ステップS256でのテープ搬送の再開までの期間が各請求項記載の第1所定期間に相当している。また、印字済みテープ150″のうち上記黒塗り領域Qが印字形成された部位が、第1所定部分に相当している。その後、ステップS260に移る。以降のステップS260〜ステップS335は上記図18と同様であり、説明を省略する。
なお、上記ステップS220において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の第1処理に相当し、ステップS225、ステップS230、ステップS235、ステップS242、ステップS243、ステップS244において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の第2処理に相当し、ステップS247、ステップS248、ステップS249、ステップS250において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の第3処理に相当し、ステップS256、ステップS260、ステップS265において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の第4処理に相当する。
本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得る。すなわち、クーリング実行時に擬印刷部分Gが生じても、それに先だつスルーダウン時に形成された上記黒塗り領域Q内に当該擬印刷部分Gが位置しており、さらにクーリング解除後のスルーアップ時の黒塗り領域Qの形成時に当該擬印刷部分を塗りつぶすように上書きする。この結果、美観を確実に向上することができる。
(3)逆搬送する直前に巻き取り張力を開放する場合
本変形例においては、上記(2)の変形例のようにスルーダウン及びスルーアップ時の両方で黒塗り領域を形成する場合において、前述の逆方向搬送を実行しやすくするために、巻芯41からの巻き取り張力の開放を行う。上記(2)の変形例と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
すなわち、本変形例では、図19(a)と同様の図22(a)に示す状態を経て、図22(b)に示される、黒塗り領域Qの搬送方向長さの1/4となる位置に印字ヘッドが対向する状態となったとき、上記巻き取り機構40による印字済みテープ150″の巻き取りが停止する。この結果、図19(c)に対応する図22(c)に示すように、巻き取り機構40の巻き取り側を弛ませながらその後のテープ搬送が進み黒塗り領域Qの中央部に印字ヘッド11が対向する状態となったときに印字停止される。そして、図19(d)に対応する図22(d)に示すように、(引き続き上記巻き取り側を弛ませながら)黒塗り領域Qの搬送方向長さの3/4となる位置に印字ヘッド11が対向する状態まで搬送される。その後、図19(e)に対応する図22(e)に示すように、折り返して上記弛んだ部分を延ばしながら逆方向にテープ搬送が行われ、上記黒塗り領域Qの搬送方向長さの1/4となる位置まで逆方向に搬送させて停止する(これにより、上述の弛み部分はすべて解消する)。その後、図19(f)〜(g)に対応する図22(f)〜(g)にそれぞれ示すように、上記同様、折り返して順方向へ再びテープ搬送を行いつつ、印字ヘッド11により黒塗り領域Qの残り3/4を一気に印字形成する。
<制御処理の内容>
本変形例の手法を実現するためにCPU212の印字制御部212Aにより実行される処理内容を、図23のフローにより説明する。
図23に示すフローは、上記図21のステップS235とステップS242の間に、ステップS239、ステップS241を新たに設けた点が異なる。
すなわち、上記同様のステップS202〜ステップS235を経た後、ステップS239に移る。ステップS239では、印字制御部212Aは、図21のステップS248と同様に、上記ステップS204で取得された印字データに基づき、上記黒塗り領域Qの搬送方向長さの1/4となる位置に印字ヘッド11が対向する状態まで、上記逆方向へのテープ搬送が到達したか否かを公知の手法により判定する。上記黒塗り領域Qの1/4となる位置に到達していない間はステップS248の判定が満たされず(S239:NO)、ステップS239の判定が満たされるまでループ待機する。上記黒塗り領域Qの1/4となる位置に到達していればステップS239の判定が満たされ(S239:YES)、ステップS241に移行する。
ステップS241では、印字制御部212Aは、モータ駆動回路219,220に制御信号を出力し、粘着巻取用モータM2、剥離紙巻取用モータM3の駆動を制御し、印字済みテープ150″の巻芯41の外周側への巻き取りと剥離材層151の剥離材ロールR3への巻き取りを停止する。その後、上記ステップS242に移行する。ステップS242以降は図21と同様であり、説明を省略する。
なお、上記ステップS220において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の第1処理に相当し、ステップS225、ステップS230、ステップS235、ステップS242、ステップS243、ステップS244において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の手順を実行する上記CPU212が各請求項記載の第2処理に相当し、上記ステップS247、ステップS248、ステップS249、ステップS250において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の手順を実行する上記CPU212が各請求項記載の第3処理に相当し、上記ステップS256、ステップS260、ステップS265において印字制御部212Aが実行する処理が各請求項記載の第4処理に相当する。
本変形例においては、上記(2)の変形例の手法において、逆方向への搬送を行うとき、それに先だち、当該逆方向分の長さに相当する、黒塗り領域Qの搬送方向長さの1/4となる領域〜1/2となる領域(すなわち黒塗り領域Qの全長の1/4相当)を、弛ませる。これにより、その後の上記逆方向への搬送が行われるとき、上記弛み分を順次延ばしながら、無理なく円滑に逆方向搬送を行うことができる。
(4)その他
なお、以上においては、クーリングの実行時にクーリング制御部212Bから出力される一時停止指示信号に応じて印字制御部212Aがテープ搬送及び印字形成の停止・再開を制御する場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち例えば、操作部216での(又は上記PC217での)ユーザの緊急停止操作に基づき、当該操作部216(又は上記PC217)から出力された一時停止指示信号が印字制御部212Aに入力され、これに応じて上記テープ搬送及び印字形成の停止・再開が制御される場合に上記手法を適用してもよい。この場合も同様の効果を得る。
なお、以上において、図7に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図8、図12、図15、図18、図21、図23等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 テープ印刷装置(印刷装置)
11 印字ヘッド(サーマルヘッド)
12 搬送ローラ(搬送手段)
41 巻芯(巻取手段)
212 CPU)
212A 印字制御部
212B クーリング制御部
221 印字ヘッド制御回路(通電手段)
SR 温度センサ(温度検出手段)

Claims (14)

  1. 記録媒体を所定搬送経路に搬送する搬送手段と、
    前記所定搬送経路に対向する発熱素子を有するサーマルヘッドと、
    前記発熱素子への通電を行う通電手段と、
    前記搬送手段と前記通電手段を制御して前記記録媒体に印刷をする第1制御手段と、を有し、
    前記第1制御手段は、
    第1印刷データに基づき、前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体に印刷する、第1処理と;
    前記第1処理の最中に、印刷停止指令を受信したことを契機として、前記第1印刷データとは異なる、フルドット印字、網掛け印字、ゼブラ模様、市松模様、ハッチング、複数のテキスト文字やロゴや図像の羅列、のうち少なくとも1つのデータである第2印刷データに基づき、引き続き前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体の第1所定部分に印刷する、第2処理と;
    前記第2処理の後、前記記録媒体を前記搬送経路の前記順方向と反対の逆方向に搬送し、前記発熱素子への通電を停止した状態で、前記発熱素子を前記記録媒体の前記第1所定部分に第1所定期間対向させる、第3処理と;
    を実行するとともに、
    前記第1処理の最中に前記印刷停止指令を受信したとき、前記第1印刷データに基づく前記記録媒体への印刷の完了後に、前記第2処理を行うよう、前記搬送手段及び前記通電手段を制御することを特徴する印刷装置。
  2. 記録媒体を所定搬送経路に搬送する搬送手段と、
    前記所定搬送経路に対向する発熱素子を有するサーマルヘッドと、
    前記発熱素子への通電を行う通電手段と、
    前記搬送手段と前記通電手段を制御して前記記録媒体に印刷をする第1制御手段と、を有し、
    前記第1制御手段は、
    第1印刷データに基づき、前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体に印刷する、第1処理と;
    前記第1処理の最中に、印刷停止指令を受信したことを契機として、前記第1印刷データとは異なる、フルドット印字データである第2印刷データに基づき、引き続き前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体の略全幅にわたる第1所定部分に印刷する、第2処理と;
    前記第2処理の後、前記記録媒体を前記搬送経路の前記順方向と反対の逆方向に搬送し、前記発熱素子への通電を停止した状態で、前記発熱素子を前記記録媒体の前記第1所定部分に第1所定期間対向させる、第3処理と;
    を実行するとともに、
    前記第2処理の実行時に、前記第1所定部分の全部分に印刷するよう、前記搬送手段及び前記通電手段を制御することを特徴とする印刷装置。
  3. 記録媒体を所定搬送経路に搬送する搬送手段と、
    前記所定搬送経路に対向する発熱素子を有するサーマルヘッドと、
    前記発熱素子への通電を行う通電手段と、
    前記搬送手段と前記通電手段を制御して前記記録媒体に印刷をする第1制御手段と、
    前記サーマルヘッドよりも下流側の前記所定搬送経路に配置され、前記搬送手段によって搬送されてきた前記記録媒体を巻き取る巻取手段と、を有し、
    前記第1制御手段は、
    第1印刷データに基づき、前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体に印刷する、第1処理と;
    前記第1処理の最中に、印刷停止指令を受信したことを契機として、前記第1印刷データとは異なる、フルドット印字、網掛け印字、ゼブラ模様、市松模様、ハッチング、複数のテキスト文字やロゴや図像の羅列、のうち少なくとも1つのデータである第2印刷データに基づき、引き続き前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体の第1所定部分に印刷する、第2処理と;
    前記第2処理の後、前記記録媒体を前記搬送経路の前記順方向と反対の逆方向に搬送し、前記発熱素子への通電を停止した状態で、前記発熱素子を前記記録媒体の前記第1所定部分に第1所定期間対向させる、第3処理と;
    を実行するとともに、
    前記第2処理の実行時に前記記録媒体の第1所定部分が前記発熱素子に対向するまでは前記記録媒体を巻き取るように前記巻取手段を制御し、その後前記第3処理の実行が完了するまでは前記記録媒体の巻き取りを停止するように前記巻取手段を制御することを特徴とする印刷装置。
  4. 記録媒体を所定搬送経路に搬送する搬送手段と、
    前記所定搬送経路に対向する発熱素子を有するサーマルヘッドと、
    前記発熱素子への通電を行う通電手段と、
    前記搬送手段と前記通電手段を制御して前記記録媒体に印刷をする第1制御手段と、
    前記発熱素子と前記記録媒体とによって挟まれた状態で搬送されるインクリボンと、を有し、
    前記第1制御手段は、
    第1印刷データに基づき、前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体に印刷する、第1処理と;
    前記第1処理の最中に、印刷停止指令を受信したことを契機として、前記第1印刷データとは異なる、フルドット印字データである第2印刷データに基づき、引き続き前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体の第1所定部分に印刷する、第2処理と;
    前記第2処理の後、前記記録媒体を前記搬送経路の前記順方向と反対の逆方向に搬送し、前記発熱素子への通電を停止した状態で、前記発熱素子を前記記録媒体の前記第1所定部分に第1所定期間対向させる、第3処理と;
    を実行するとともに、
    前記第2処理の実行時に、前記インクリボンの幅方向全域に対応する発熱素子へ通電を行って前記第1所定部分に印刷するよう、前記搬送手段及び前記通電手段を制御することを特徴とする印刷装置。
  5. 記録媒体を所定搬送経路に搬送する搬送手段と、
    前記所定搬送経路に対向する発熱素子を有するサーマルヘッドと、
    前記発熱素子への通電を行う通電手段と、
    前記搬送手段と前記通電手段を制御して前記記録媒体に印刷をする第1制御手段と、
    前記サーマルヘッドの温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段による検出温度が所定の印刷停止温度に達したときに前記印刷停止指令を前記第1制御手段に送信する送信手段と、を有し、
    前記第1制御手段は、
    第1印刷データに基づき、前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体に印刷する、第1処理と;
    前記第1処理の最中に、印刷停止指令を受信したことを契機として、前記第1印刷データとは異なる、フルドット印字、網掛け印字、ゼブラ模様、市松模様、ハッチング、複数のテキスト文字やロゴや図像の羅列、のうち少なくとも1つのデータである第2印刷データに基づき、引き続き前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体の第1所定部分に印刷する、第2処理と;
    前記第2処理の後、前記記録媒体を前記搬送経路の前記順方向と反対の逆方向に搬送し、前記発熱素子への通電を停止した状態で、前記発熱素子を前記記録媒体の前記第1所定部分に第1所定期間対向させる、第3処理と;
    を実行することを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の印刷装置において、
    前記第1制御手段は、
    前記第2処理の実行時に、前記記録媒体を搬送する速度を徐々に低下させるよう、前記搬送手段及び前記通電手段を制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の印刷装置において、
    前記第1制御手段は、
    前記第3処理の後、前記記録媒体を前記搬送経路の前記順方向に搬送しながら、前記記録媒体の搬送方向が前記順方向から前記逆方向に切り替わった時に前記発熱素子が対向していた前記記録媒体の部分に印刷する第4処理をさらに実行することを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項7記載の印刷装置において、
    前記第1制御手段は、前記第4処理の実行時に、前記記録媒体を搬送する速度を徐々に増加させるよう、前記搬送手段及び前記通電手段を制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項8記載の印刷装置において、
    前記第1制御手段は、前記第4処理の開始時から印刷するよう、前記搬送手段及び前記通電手段を制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  10. 請求項2記載の印刷装置において、
    前記第1制御手段は、
    前記第3処理の実行時に、前記発熱素子を、前記記録媒体の前記第1所定部分のうち前記搬送方向の略中央部分に対向させるよう、前記搬送手段及び前記通電手段を制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  11. 記録媒体を所定搬送経路に搬送する搬送手段と、
    前記所定搬送経路に対向する発熱素子を有するサーマルヘッドと、
    前記発熱素子への通電を行う通電手段と、
    前記搬送手段と前記通電手段を制御して前記記録媒体に印刷をする第2制御手段と、を有し、
    前記第2制御手段は、
    第3印刷データに基づき、前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体に印刷する、第5処理と;
    前記第5処理の最中に、印刷停止指令を受信したことを契機として、前記発熱素子への通電を停止した状態で、前記発熱素子を前記記録媒体の第2所定部分に第2所定期間対向させる、第6処理と;
    前記第6処理の後、前記記録媒体を前記搬送経路の前記順方向と反対の逆方向に搬送する、第7処理と;
    前記第7処理の後、前記記録媒体を前記搬送経路の前記順方向に搬送しながら、前記第3印刷データとは異なる、フルドット印字、網掛け印字、ゼブラ模様、市松模様、ハッチング、複数のテキスト文字やロゴや図像の羅列、のうち少なくとも1つのデータである第4印刷データに基づき、前記記録媒体の前記第2所定部分を印刷する、第8処理と;
    を実行することを特徴とする印刷装置。
  12. 請求項11記載の印刷装置において、
    前記第2制御手段は、
    前記第8処理の実行時に、前記記録媒体を搬送する速度を徐々に増加させるよう、前記搬送手段及び前記通電手段を制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  13. 請求項12記載の印刷装置において、
    前記第2制御手段は、
    前記第8処理の開始時から印刷するよう、前記搬送手段及び前記通電手段を制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  14. 記録媒体を所定搬送経路に搬送する搬送手段と、
    前記所定搬送経路に対向する発熱素子を有するサーマルヘッドと、
    前記発熱素子への通電を行う通電手段と、
    前記搬送手段と前記通電手段を制御して前記記録媒体に印刷をする第3制御手段と、
    を有し、
    前記第3制御手段は、
    第5印刷データに基づき、前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体に印刷する、第9処理と;
    前記第9処理の最中に、印刷停止指令を受信したことを契機として、前記第5印刷データとは異なる第6印刷データに基づき、引き続き前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体の第3所定部分に印刷する、第10処理と;
    前記第10処理の後、前記発熱素子への通電を停止した状態で、前記発熱素子を前記記録媒体の前記第3所定部分に隣接する第4所定部分に第3所定期間対向させる、第11処理と;
    前記第11処理の後、前記第5印刷データとは異なる、フルドット印字、網掛け印字、ゼブラ模様、市松模様、ハッチング、複数のテキスト文字やロゴや図像の羅列、のうち少なくとも1つのデータである第7印刷データに基づき、前記記録媒体を前記搬送経路の前記順方向に搬送しながら、前記記録媒体の前記第4所定部分に隣接する第5所定部分に印刷する、第12処理と;
    前記第12処理の後、前記第5印刷データに基づき、前記記録媒体を前記所定搬送経路の順方向に搬送しながら前記記録媒体に印刷する、第13処理と;
    を実行することを特徴とする印刷装置。
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