JP6386866B2 - 離間装置および離間方法 - Google Patents

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Description

本発明は、離間装置および離間方法に関する。
従来、半導体製造工程において、半導体ウエハ(以下、単にウエハという場合がある)を所定の形状、所定のサイズに切断して複数の半導体チップ(以下、単にチップという場合がある)に個片化し、個片化した各チップの相互間隔を広げてからリードフレームや基板等の被搭載物上に搭載することが行われている。
チップ(片状体)の相互間隔を広げる離間方法としては、フィルム(接着シート)を介してフレームと一体化されたウェハ(板状部材)を支持するフレーム支持手段(支持手段)と、フィルム面支持機構(離間テーブル)とを相対移動させることが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなチップの相互間隔を広げる方法では、例えば+X軸方向、−X軸方向、+Y軸方向、−Y軸方向の4方向の張力を接着シートに付与し、例えば最外周に位置するチップが所定の位置に達したことを検知手段が検知することで間隔を広げる動作が完了する。
特開2012−204747号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来の方法では、接着シートには上記4方向に加え、図2(C)に示すように、それらの合成方向すなわち、+X軸方向と+Y軸方向との合成方向CD1、+X軸方向と−Y軸方向との合成方向CD2、−X軸方向と+Y軸方向との合成方向CD3、−X軸方向と−Y軸方向との合成方向CD4にも張力が付与される。その結果、内側のチップの間隔と外側のチップとの間隔に違いが生じる。しかし、このような間隔の違いは極めて微小なため、各チップは、均等に間隔が広げられたものとされ、計算で導き出される位置(以下、理論上の位置という場合がある)を基準として搬送装置やピックアップ装置等の搬送手段によって搬送され、被搭載物上に搭載されて製造物が形成される。その結果、当該製造物におけるチップと被搭載物との相対位置関係が微妙にずれてしまう場合が生じ、ワイヤボンディングの接続位置がずれたり、チップと被搭載物との端子同士の位置がずれたりして、それらの導通が取れなくなり、当該製造物の歩留りを低下させてしまうという不都合を生じる。
また、接着シートに張力を付与した結果、チップ間相互の間隔だけではなく、各チップが帖設されている接着シート上の貼付領域全体が理論上の位置からずれることもあり、搬送手段による搬送にも支障を来すという不都合を生じる。
なお、これらの課題は、半導体装置の製造に係るだけでなく、例えば緻密な機械部品や微細な装飾品等においても発生し得る。
本発明の目的は、板状部材から形成される複数の片状体の相互間隔を広げたときに、各片状体の位置が理論上の位置からずれてしまうことを極力防止することができる離間装置および離間方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の離間装置は、接着シート上の板状部材に少なくとも3方向の張力を付与して、前記板状部材から形成される複数の片状体の相互間隔を広げる離間装置であって、前記接着シートは、前記板状部材が貼付された被着体貼付領域を囲む少なくとも3つの点からそれぞれ当該接着シートの外縁方向に延びてそれら全ての点を結んで形成される包囲領域に対して、各引張方向の合成方向に張力が付与されることを防止する不干渉切込が形成されており、前記接着シートの第1方向側を第1支持手段で支持し、当該第1支持手段を第1方向に移動させて前記接着シートに第1方向への張力を付与する第1張力付与手段と、前記接着シートの第2方向側を第2支持手段で支持し、当該第2支持手段を第2方向に移動させて前記接着シートに第2方向への張力を付与する第2張力付与手段と、前記接着シートの第3方向側を第3支持手段で支持し、当該第3支持手段を第3方向に移動させて前記接着シートに第3方向への張力を付与する第3張力付与手段とが少なくとも設けられ、各張力付与手段は、各々の支持手段をそれぞれ回動可能に設けられ、前記第1ないし第3張力付与手段によって相互間隔が広げられた複数の片状体を、当該相互間隔を維持しながら所定の位置に配置可能な位置調整手段を備えている、という構成を採用している。
一方、本発明の離間方法は、接着シートとして、板状部材が貼付された被着体貼付領域を囲む少なくとも3つの点からそれぞれ当該接着シートの外縁方向に延びてそれら全ての点を結んで形成される包囲領域に対して、各引張方向の合成方向に張力が付与されることを防止する不干渉切込が形成されており、前記接着シート上の板状部材に少なくとも3方向の張力を付与して、前記板状部材から形成される複数の片状体の相互間隔を広げる離間方法であって、前記接着シートの第1方向側を第1支持手段で支持し、当該第1支持手段を第1方向に移動させて前記接着シートに第1方向への張力を付与する工程と、前記接着シートの第2方向側を第2支持手段で支持し、当該第2支持手段を第2方向に移動させて前記接着シートに第2方向への張力を付与する工程と、前記接着シートの第3方向側を第3支持手段で支持し、当該第3支持手段を第3方向に移動させて前記接着シートに第3方向への張力を付与する工程とを少なくとも有し、各支持手段を回動させる工程と、張力を付与する前記各工程によって相互間隔が広げられた複数の片状体を、当該相互間隔を維持しながら所定の位置に配置する工程を備えている、という構成をx採用している。
以上のような本発明によれば、接着シートに不干渉切込を形成して離間用接着シートを形成するため、包囲領域に対して少なくとも3方向の所定方向に張力を付与したときに、当該包囲領域に対してそれらの合成方向に張力が付与されることを極力抑制することができ、各片状体間相互の間隔を均一にできる。また、複数の片状体を互いの間隔を維持しながら所定の位置に移動させて位置調整するので、片状体全体としての位置ずれも防止できる。従って、板状部材から形成される複数の片状体の相互間隔を広げたときに、各片状体の位置が理論上の位置からずれてしまうことを極力防止することができる。
本発明の一実施形態に係る離間装置の側面図。 (A)、(B)は図1の離間装置で張力を付与する接着シートの態様図、(C)は従来の接着シートに張力を付与した状態を示す態様図。 本発明の変形例の離間装置で張力を付与する接着シートの態様図。 本発明の他の変形例の接着シートに張力を付与した状態を示す態様図。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態において、X軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1中手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸の矢印方向であって図1中紙面に直交する手前方向で「後」がその逆方向とする。
図1、図2において、離間装置10は、接着シートAS上の板状部材としての四角形のウエハWFに+X軸方向、−X軸方向、+Y軸方向、−Y軸方向の4方向の張力を付与して、ウエハWFから形成される複数の片状体としてのチップCPの相互間隔を広げる離間装置であって、接着シートASは、ウエハWFが貼付された被着体貼付領域AWを囲む4つの点である頂部APからそれぞれ当該接着シートASの外縁方向に延びてそれら全ての頂部APを結んで形成される包囲領域ACに対して、各引張方向の合成方向に張力が付与されることを防止する不干渉切込CUが形成されており、接着シートASの第1方向としての+X軸方向側を第1支持手段20で支持し、当該第1支持手段20を+X軸方向に移動させて接着シートASに+X軸方向への張力を付与する第1張力付与手段30と、接着シートASの第2方向としての−X軸方向側を第2支持手段40で支持し、当該第2支持手段40を−X軸方向に移動させて接着シートASに−X軸方向への張力を付与する第2張力付与手段50と、接着シートASの第3方向としての+Y軸方向側を第3支持手段60で支持し、当該第3支持手段60を+Y軸方向に移動させて接着シートASに+Y軸方向への張力を付与する第3張力付与手段70と、接着シートASの第4方向としての−Y軸方向側を第4支持手段80で支持し、当該第4支持手段80を−Y軸方向に移動させて接着シートASに第4方向への張力を付与する第4張力付与手段90と、接着シートASを介してウエハWFを支持する支持テーブル100とが設けられ、被着体貼付領域AWを囲む多角形の包囲領域ACの各頂部APを含む不干渉切込CUを形成して離間用接着シートAUを形成可能な切断手段110と、第1〜第4張力付与手段30、50、70、90によって相互間隔が広げられた複数のチップCPを、当該相互間隔を維持しながら所定の位置に配置可能な位置調整手段120とを備えている。なお、ウエハWFは、切断刃や加圧水等のウエハ切断手段によりチップCPに個片化されるか、レーザ光や薬液等のウエハ脆弱化手段によりチップCPに個片化可能とされ、接着シートASが貼付されて一体物WKとされている。
第1〜第4支持手段20、40、60、80は、駆動機器としての直動回動モータ21、41、61、81の各出力軸22、42、62、82に支持された下把持部材23、43、63、83と、下把持部材23、43、63、83の上面に支持された駆動機器としての回動モータ24、44、64、84の各出力軸25、45、65、85に支持された上把持部材26、46、66、86とを備えている。
第1〜第4張力付与手段30、50、70、90は、駆動機器としてのリニアモータ31、51、71、91を備え、それぞれのスライダ32、52、72、92で直動回動モータ21、41、61、81を支持している。
支持テーブル100は、平面視すなわち上方から見た外形が四角形で、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって接着シートASを吸着保持可能かつ、ウエハWFよりも大きな平面形状とされた支持面101を備えている。
切断手段110は、駆動機器としての多関節ロボット111と、多関節ロボット111の先端部(作業アーム)に設けられ、カッター刃112を有するカッターツール113とを備えている。多関節ロボット111は、その作業範囲内において先端部に装着したものを何れの位置、何れの角度にでも変位可能な所謂6軸ロボットである。
位置調整手段120は、ベースプレート121上における支持テーブル100周辺の所定位置に配置された複数の駆動機器としてのリニアモータ122と、リニアモータ122のスライダ123に支持されたリニアモータ124と、リニアモータ124のスライダ125に支持され、支持テーブル100が貫通する開口部126が設けられ、リニアモータ31、51、71、91を支持する支持プレート127とを備えている。このような位置調整手段120は、リニアモータ122、124および支持プレート127により、XYテーブルとして構成されている。
以上の離間装置10において、ウエハWFから形成される複数のチップCPの相互間隔を広げる手順を説明する。
先ず、図1中実線で示すように、各部材が初期位置で待機する離間装置10に対し、人手または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が一体物WKを搬送し、接着シートASの外縁4箇所を下把持部材23、43、63、83に載置する。次いで、第1〜第4支持手段20、40、60、80が回動モータ24、44、64、84を駆動し、図1中に二点鎖線で示すように、接着シートASの外縁を下把持部材23、43、63、83および上把持部材26、46、66、86で把持する。次に、光学センサや撮像手段等の図示しない検知手段の検知結果を基に、第1〜第4張力付与手段30、50、70、90がリニアモータ31、51、71、91を駆動し、接着シートASの中央部が大幅に垂れ下ることなく、ウエハWFから形成される複数のチップCPの相互間隔が広がらない程度の張力を接着シートASに付与した後、ウエハWFを所定の位置に位置決めする。次いで、第1〜第4支持手段20、40、60、80が直動回動モータ21、41、61、81を駆動し、一体物WKを下降させて接着シートASの下面を支持テーブル100の支持面101に当接させた後、図示しない減圧手段を駆動し、接着シートASを吸着保持する。
次に、切断手段110が多関節ロボット111を駆動し、カッター刃112を接着シートASに差し込んで移動させ、図2(A)に示すように、各頂部APからそれぞれ接着シートASの外縁方向に延びる2つの辺CSと、上把持部材26、46、66、86の内側縁に沿う補助辺CSSとからなる不干渉切込CUを4つ形成する。これにより、包囲領域ACと、不干渉切込CUと、包囲領域ACの各辺からそれぞれ+X軸方向、−X軸方向、+Y軸方向、−Y軸方向に延びる引張領域ALとを備える離間用接着シートAUが形成される。このとき、支持面101で接着シートASを吸着保持しているので、不干渉切込CUを形成する際に、接着シートASが上下や左右等に揺れて不干渉切込CUを適切に形成できなくなることを防止することができる。その後、支持テーブル100が減圧手段の駆動を停止し、離間用接着シートAUの吸着保持を解除する。
次に、第1〜第4張力付与手段30、50、70、90がリニアモータ31、51、71、91を駆動し、図2(B)に示すように、各引張領域ALを引っ張って包囲領域ACに+X軸方向、−X軸方向、+Y軸方向、−Y軸方向の4方向への張力を付与し、チップCPの相互間隔を広げる。そして、最外周に位置するチップCPが所定の位置に達したことを光学センサや撮像手段等の図示しない検知手段が検知すると、第1〜第4張力付与手段30、50、70、90がリニアモータ31、51、71、91の駆動を停止する。このとき、図示しない検知手段の検知結果を基に、第1〜第4支持手段20、40、60、80が直動回動モータ21、41、61、81を駆動し、下把持部材23、43、63、83を所定平面内で回動させて首振り動作を行うことで、引張領域ALの伸び方向を矯正することができ、各方向への伸びが不均一になることを防止することができる。
ここで、接着シートASに不干渉切込CUが形成されていない場合、被着体貼付領域AWには、上記4方向に加え、これらの合成方向にも張力が付与される。このため、各チップCPは、図2(C)に示すように、内側のチップCPの間隔と外側のチップCPとの間隔に違いが生じ、各チップCPを理論上の位置に配置することができない。
これに対し、本実施形態では、図2(B)に示すように、接着シートASに不干渉切込CUを形成して離間用接着シートAUを形成するため、包囲領域ACに対して4方向に張力を付与したときに、当該包囲領域ACに対してそれらの合成方向に張力が付与されることを極力抑制することができ、各チップCP間相互の間隔を均一にできる。
次いで、図示しない検知手段の検知結果を基に、位置調整手段120がリニアモータ122、124を駆動し、張力が付与された状態にある離間用接着シートAU全体を支持プレート127を介して移動することで、全てのチップCPが位置すべき理論上の位置に当該チップCPを位置決めする。こうすることで、離間用接着シートAUの広がり動作中にウエハWFと理論上の位置との間に位置ずれが生じた場合でも、その位置ずれを解消でき、全てのチップCPを理論上の位置に配置することができる。
その後、搬送装置やピックアップ装置等の図示しない搬送手段が理論上の位置を基準として各チップCPを保持して搬送し、リードフレームや基板等の被搭載物上に搭載する。その後、全てのチップCPの搬送が終了すると、第1〜第4支持手段20、40、60、80、第1〜第4張力付与手段30、50、70、90および位置調整手段120が直動回動モータ21、41、61、81、回動モータ24、44、64、84、リニアモータ31、51、71、91およびリニアモータ122、124を駆動し、離間装置10の各部材を初期位置に復帰させた後、チップCPが取り外された一体物WKを搬送手段が回収し、以降上記同様の動作が繰り返される。
以上のような実施形態によれば、ウエハWFから形成される複数のチップCPの相互間隔を広げたときに、各チップCPの位置が理論上の位置からずれてしまうことを極力防止することができる。
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質等を限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質等の限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
第1〜第4支持手段20、40、60、80は、メカチャックやチャックシリンダ等のチャック手段や、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段や、接着剤、磁力等で接着シートASを支持する構成でもよい。
第1〜第4張力付与手段30、50、70、90のうち、任意の一つの張力付与手段を固定しておき、他の三つの張力付与手段を前記一つの張力付与手段に対して離間するように移動させてもよいし、一つの張力付与手段と三つの張力付与手段との両方を互いに反対方向に離間するように移動させてもよい。なお、このような場合、全ての張力付与手段をX軸方向およびY軸方向に移動可能に構成する必要がある。
支持テーブル100の支持面101の形状は、図4に示すような三角形の支持テーブル100Aとしてもよいし、五角形以上の多角形状や、円形、楕円形、あるいは幾何学形状でもよい。
支持テーブル100の支持面101の形状は、被着体貼付領域AWより大きくてもよいし、小さくてもよいし、同じであってもよい。
支持テーブル100は、接着シートASの全域を吸着保持可能としてもよく、この場合、支持面101の面内にカッター刃112の通過を許容する溝を設けるとよい。これにより、不干渉切込CUの形成時に接着シートASが上下に揺れて不干渉切込CUを適切に形成できなくなることをより確実に防止することができる。
支持テーブル100はなくともよい。
切断手段110は、図3(A)に示すように、円形のウエハWF1が貼付された円形の被着体貼付領域AW1を囲む四角形の包囲領域AC1の各頂部AP1からそれぞれ接着シートの外縁方向に延びるスリット状の切込からなる不干渉切込CU1を形成し、包囲領域AC1に張力を付与する4つの引張領域AL1を備える離間用接着シートAU1を形成してもよい。このような場合でも、図3(B)に示すように、各チップCPの位置が理論上の位置からずれてしまうことを極力防止することができる。
切断手段110は、図4(A)に示すように、被着体貼付領域AW1を囲む三角形の包囲領域AC2の各頂部AP2からそれぞれ接着シートの外縁方向に延びる2つ辺CSを有する不干渉切込CU2を形成し、包囲領域AC2に張力を付与する3つの引張領域AL2を備える離間用接着シートAU2を形成してもよい。このような場合でも、図4(B)に示すように、各チップCPの位置が理論上の位置からずれてしまうことを極力防止することができる。また、包囲領域が三角形の場合でも、スリット状の切込からなる不干渉切込を形成してもよい。
切断手段110は、不干渉切込CU、CU2を構成する各辺CSや不干渉切込CU1を、曲線状や折線状等の切込で形成してもよい。
切断手段110は、カッター刃112の代わりにレーザカッター、熱カッター、エアカッター、圧縮水カッター等の他の構成のものを採用してもよい。
切断手段110は、接着シートASの外縁側を切り落とすことなく不干渉切込CU、CU1、CU2を形成してもよい。
切断手段110はなくともよく、不干渉切込CU、CU1、CU2が予め形成された離間用接着シートAU、AU1、AU2を離間装置10に供給してもよい。
位置調整手段120は、支持プレート127を所定平面内で回動可能に支持する駆動機器としての回動手段を備えていてもよいし、先端部で支持プレート127を支持する駆動機器としての多関節ロボットなどで構成されていてもよい。
包囲領域は、少なくとも3個所の頂部を最短距離で繋いだ各直線で形成される多角形の内側の領域であり、被着体貼付領域を囲む多角形形状であればどのような形状でもよい。
板状部材や片状体の形状は、例えば円形、楕円形、三角形や五角形以上の多角形等、その他の形状であってもよい。
片状体は、接着シートが貼付される以前の板状部材を切断することで形成されてもよいし、接着シート上で板状部材を切断ることで形成されてもよい。
支持手段および張力付与手段の数は、被着体貼付領域に対して張力を付与する数によって決定することができ、5つ以上であってもよい。
また、本発明における接着シートAS、離間用接着シートAU、AU1、AU2の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートAS、離間用接着シートAU、AU1、AU2は、円形、楕円形、三角形や五角形以上の多角形、その他の形状であってもよい。また、接着シートAS、離間用接着シートAU、AU1、AU2は、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層との間に中間層を有するもの、基材の上面にカバー層を有する等3層以上のもの、さらには、基材を接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層または複層の中間層を有するものや、中間層のない単層または複層のものであってよい。さらに、板状部材としては、例えば、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等、任意の形態の部材や物品等も対象とすることができ、片状体は、それらが個片化されたものであればよい。なお、接着シートAS、離間用接着シートAU、AU1、AU2は、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、第1〜第3支持手段は、接着シートの所定方向側を支持可能なものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(他の手段および工程についての説明は省略する)。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
10…離間装置
20…第1支持手段
30…第1張力付与手段
40…第2支持手段
50…第2張力付与手段
60…第3支持手段
70…第3張力付与手段
80…第4支持手段
90…第4張力付与手段
120…位置調整手段
AC、AC1、AC2…包囲領域
AP、AP1、AP2…頂部(点)
AS…接着シート
AW、AW1、AW2…被着体貼付領域
CP…チップ(片状体)
CU、CU1、CU2…不干渉切込
WF…ウエハ(板状部材)

Claims (2)

  1. 接着シート上の板状部材に少なくとも3方向の張力を付与して、前記板状部材から形成される複数の片状体の相互間隔を広げる離間装置であって、
    前記接着シートは、前記板状部材が貼付された被着体貼付領域を囲む少なくとも3つの点からそれぞれ当該接着シートの外縁方向に延びてそれら全ての点を結んで形成される包囲領域に対して、各引張方向の合成方向に張力が付与されることを防止する不干渉切込が形成されており、
    前記接着シートの第1方向側を第1支持手段で支持し、当該第1支持手段を第1方向に移動させて前記接着シートに第1方向への張力を付与する第1張力付与手段と、
    前記接着シートの第2方向側を第2支持手段で支持し、当該第2支持手段を第2方向に移動させて前記接着シートに第2方向への張力を付与する第2張力付与手段と、
    前記接着シートの第3方向側を第3支持手段で支持し、当該第3支持手段を第3方向に移動させて前記接着シートに第3方向への張力を付与する第3張力付与手段とが少なくとも設けられ、
    各張力付与手段は、各々の支持手段をそれぞれ回動可能に設けられ、
    前記第1ないし第3張力付与手段によって相互間隔が広げられた複数の片状体を、当該相互間隔を維持しながら所定の位置に配置可能な位置調整手段を備えていることを特徴とする離間装置。
  2. 接着シートとして、板状部材が貼付された被着体貼付領域を囲む少なくとも3つの点からそれぞれ当該接着シートの外縁方向に延びてそれら全ての点を結んで形成される包囲領域に対して、各引張方向の合成方向に張力が付与されることを防止する不干渉切込が形成されており、前記接着シート上の板状部材に少なくとも3方向の張力を付与して、前記板状部材から形成される複数の片状体の相互間隔を広げる離間方法であって、
    前記接着シートの第1方向側を第1支持手段で支持し、当該第1支持手段を第1方向に移動させて前記接着シートに第1方向への張力を付与する工程と、
    前記接着シートの第2方向側を第2支持手段で支持し、当該第2支持手段を第2方向に移動させて前記接着シートに第2方向への張力を付与する工程と、
    前記接着シートの第3方向側を第3支持手段で支持し、当該第3支持手段を第3方向に移動させて前記接着シートに第3方向への張力を付与する工程とを少なくとも有し、
    各支持手段を回動させる工程と、
    張力を付与する前記各工程によって相互間隔が広げられた複数の片状体を、当該相互間隔を維持しながら所定の位置に配置する工程を備えていることを特徴とする離間方法。
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