JP2008177260A - 接着フィルムが装着されたデバイスのピックアップ方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ダイシングテープからデバイスをピックアップする際に髭状の塵埃が発生しても、髭状の塵埃がダイシングテープに残存してデバイスの裏面に装着された接着フィルムに付着しないデバイスのピックアップ方法を提供する。
【解決手段】ダイシング後のデバイス2が搭載された環状のフレーム4を保持した状態でダイシングテープにおける環状のフレーム4の内径とウエーハとの間の領域を拡張部材70によって押圧することによりダイシングテープを拡張してデバイスおよび接着フィルム間の間隔を広げるテープ拡張工程と、デバイスおよび接着フィルムをダイシングテープからピックアップするピックアップ工程とを含み、テープ拡張工程においては拡張部材とダイシングテープとが当接するときの拡張部材とフレーム保持手段との相対移動速度が100mm/秒以上に設定され、デバイスおよび接着フィルム間を広げる間隔が100μm以上に設定される。
【選択図】図6
【解決手段】ダイシング後のデバイス2が搭載された環状のフレーム4を保持した状態でダイシングテープにおける環状のフレーム4の内径とウエーハとの間の領域を拡張部材70によって押圧することによりダイシングテープを拡張してデバイスおよび接着フィルム間の間隔を広げるテープ拡張工程と、デバイスおよび接着フィルムをダイシングテープからピックアップするピックアップ工程とを含み、テープ拡張工程においては拡張部材とダイシングテープとが当接するときの拡張部材とフレーム保持手段との相対移動速度が100mm/秒以上に設定され、デバイスおよび接着フィルム間を広げる間隔が100μm以上に設定される。
【選択図】図6
Description
本発明は、表面に複数のストリートが格子状に形成されているとともに該複数のストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されダイシングテープに貼着されたウエーハがストリートに沿って分割されているデバイスをピックアップするデバイスのピックアップ方法に関する。
例えば、半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に形成されたストリート(切断予定ライン)によって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイスを形成し、該デバイスが形成された各領域をストリートに沿って分割することにより個々の半導体チップを製造している。半導体ウエーハを分割する分割装置としては一般にダイシング装置と呼ばれる切削装置が用いられており、この切削装置は厚さが20μm程度の切削ブレードによって半導体ウエーハをストリートに沿って切削する。このようにして分割された半導体チップは、パッケージングされて携帯電話やパソコン等の電気機器に広く利用されている。
個々に分割された半導体チップは、その裏面にエポキシ樹脂等で形成された厚さ20〜40μmのダイアタッチフィルムと称するダイボンディング用の接着フィルムが装着され、この接着フィルムを介して半導体チップを支持するダイボンディングフレームに加熱圧着することによりボンディングされる。半導体チップの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着する方法としては、半導体ウエーハの裏面に接着フィルムを貼着し、この接着フィルムを介して半導体ウエーハをダイシングテープに貼着した後、半導体ウエーハの表面に形成されたストリートに沿って切削ブレードにより接着フィルムと共に切削することにより、裏面に接着フィルムが装着された半導体チップを形成している。(例えば、特許文献1参照。)
特開2000−182995号公報
近年、携帯電話やパソコン等の電気機器はより軽量化、小型化が求められており、より薄い半導体チップが要求されている。より薄く半導体チップを分割する技術として所謂先ダイシング法と称する分割技術が実用化されている。この先ダイシング法は、半導体ウエーハの表面からストリートに沿って所定の深さ(半導体チップの仕上がり厚さに相当する深さ)の分割溝を形成し、その後、表面に分割溝が形成された半導体ウエーハの裏面を研削して該裏面に分割溝を表出させ個々の半導体チップに分離する技術であり、半導体チップの厚さを50μm以下に加工することが可能である。
しかるに、先ダイシング法によって半導体ウエーハを個々の半導体チップに分割する場合には、半導体ウエーハの表面からストリートに沿って所定の深さの分割溝を形成した後に半導体ウエーハの裏面を研削して該裏面に分割溝を表出させるので、ダイボンディング用の接着フィルムを前もって半導体ウエーハの裏面に装着することができない。従って、先ダイシング法によって分割された半導体チップをダイボンディングフレームにボンディングする際には、半導体チップとダイボンディングフレームとの間にボンド剤を挿入しながら行わなければならず、ボンディング作業を円滑に実施することができないという問題がある。
このような問題を解消するために、先ダイシング法によって個々の半導体チップに分割された半導体ウエーハの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを貼着し、この接着フィルムを介して半導体ウエーハをダイシングテープに貼着した後、各半導体チップ間の間隙に露出された接着フィルムの部分に、半導体チップの表面側から上記間隙を通してレーザー光線を照射し、接着フィルムの上記間隙に露出された部分を除去するようにした半導体チップの製造方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
特開2002−118081号公報
而して、接着フィルムがストリートに沿って分割されたデバイスに沿って切削ブレードやレーザー光線によって切断されと、接着フィルムの外周部がダイシングテープの粘着糊と絡まって癒着し、ダイシングテープからデバイスをピックアップする際に髭状の塵埃が発生してデバイスの裏面に装着された接着フィルムに付着し、ダイボンディング不良やワイヤディング不良を発生させる原因となる。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、ダイシングテープからデバイスをピックアップする際に髭状の塵埃が発生しても、髭状の塵埃がダイシングテープに残存してデバイスの裏面に装着された接着フィルムに付着しないデバイスのピックアップ方法を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、表面に複数のストリートが格子状に形成されているとともに該複数のストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハの裏面が接着フィルムを介在して環状のフレームに装着されたダイシングテープに貼着され、該ウエーハおよび該接着フィルムが該複数のストリートに沿って該デバイス毎に分割されており、該ダイシングテープから該デバイスを該接着フィルムが装着された状態でピックアップする接着フィルムが貼着されたデバイスのピックアップ方法であって、
該環状のフレームを保持した状態で該ダイシングテープにおける該環状のフレームの内径とウエーハとの間の領域を拡張部材によって押圧することにより該ダイシングテープを拡張して該デバイスおよび該接着フィルム間の間隔を広げるテープ拡張工程と、
該テープ拡張工程によって該ダイシングテープに貼着された該デバイスおよび該接着フィルム間の間隔が広げられた状態で、該デバイスおよび該接着フィルムを該ダイシングテープからピックアップするピックアップ工程と、を含み、
該テープ拡張工程においては、該拡張部材と該ダイシングテープとが当接するときの該拡張部材と該フレーム保持手段との相対移動速度が100mm/秒以上に設定され、該デバイスおよび該接着フィルム間を広げる間隔が100μm以上に設定されている、
ことを特徴とする接着フィルムが貼着されたデバイスのピックアップ方法が提供される。
該環状のフレームを保持した状態で該ダイシングテープにおける該環状のフレームの内径とウエーハとの間の領域を拡張部材によって押圧することにより該ダイシングテープを拡張して該デバイスおよび該接着フィルム間の間隔を広げるテープ拡張工程と、
該テープ拡張工程によって該ダイシングテープに貼着された該デバイスおよび該接着フィルム間の間隔が広げられた状態で、該デバイスおよび該接着フィルムを該ダイシングテープからピックアップするピックアップ工程と、を含み、
該テープ拡張工程においては、該拡張部材と該ダイシングテープとが当接するときの該拡張部材と該フレーム保持手段との相対移動速度が100mm/秒以上に設定され、該デバイスおよび該接着フィルム間を広げる間隔が100μm以上に設定されている、
ことを特徴とする接着フィルムが貼着されたデバイスのピックアップ方法が提供される。
上記テープ拡張工程においては、接着フィルムが10℃以下に冷却されることが望ましい。
本発明によれば、テープ拡張工程においては、拡張部材とダイシングテープとが当接するときの拡張部材とフレーム保持手段との相対移動速度が100mm/秒以上に設定され、デバイスおよび該接着フィルムの間隔が100μm以上に設定されているので、ダイシングテープからデバイスをピックアップする際に髭状の塵埃が発生するが、髭状の塵埃はダイシングテープに残存し、接着フィルムには付着しない。
以下、本発明による接着フィルムが貼着されたデバイスのピックアップ方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
ここで、裏面に接着フィルムが装着されたウエーハの形態について説明する。
図1には、半導体ウエーハ2の裏面にダイボンディング用の接着フィルム3が装着され、該接着フィルム3側が環状のフレーム4に装着されたダイシングテープ40の表面に貼着された状態が示されている。図1に示す半導体ウエーハ2は、表面2aに複数のストリート21が格子状に形成されているとともに該複数のストリート21によって区画された複数の領域にデバイス22が形成されている。接着フィルム3は厚さ20〜40μmのエポキシ樹脂フィルムからなり、80〜200°Cの温度で加熱しつつ半導体ウエーハ2の裏面2bに押圧して装着される。上記環状のフレーム4は、厚さが1mmのステンレス鋼によって環状に形成されている。上記ダイシングテープ40は、図示の実施形態においては厚さが70μmのポリ塩化ビニル(PVC)からなるシート基材の表面にアクリル樹脂系の糊が厚さが5μm程度塗布されている。
図1には、半導体ウエーハ2の裏面にダイボンディング用の接着フィルム3が装着され、該接着フィルム3側が環状のフレーム4に装着されたダイシングテープ40の表面に貼着された状態が示されている。図1に示す半導体ウエーハ2は、表面2aに複数のストリート21が格子状に形成されているとともに該複数のストリート21によって区画された複数の領域にデバイス22が形成されている。接着フィルム3は厚さ20〜40μmのエポキシ樹脂フィルムからなり、80〜200°Cの温度で加熱しつつ半導体ウエーハ2の裏面2bに押圧して装着される。上記環状のフレーム4は、厚さが1mmのステンレス鋼によって環状に形成されている。上記ダイシングテープ40は、図示の実施形態においては厚さが70μmのポリ塩化ビニル(PVC)からなるシート基材の表面にアクリル樹脂系の糊が厚さが5μm程度塗布されている。
上述したように環状のフレーム4に装着されたダイシングテープ40の表面に貼着された半導体ウエーハ2は、切削ブレードを備えた切削装置によって複数のストリート21に沿って切断され図2に示すように個々のデバイス22に分割される。このとき、半導体ウエーハ2の裏面に装着されたダイボンディング用の接着フィルム3も同時に切断される。
また、半導体ウエーハ2を所謂先ダイシング法によって個々のデバイスに分割するには、切削装置を用いて半導体ウエーハ2の表面2aに形成されたストリート21に沿って所定深さ(各半導体チップの仕上がり厚さに相当する深さ)の分割溝を形成する(分割溝形成工程)。次に、分割溝が形成された半導体ウエーハ2の表面に保護部材を装着し、半導体ウエーハ2の裏面を研削して、分割溝を裏面に表出させることにより個々のデバイス22に分割する(分割溝表出工程)。このようにして個々のデバイス22に分割された半導体ウエーハ2の裏面にダイボンディング用の接着フィルム3を装着する。そして、裏面に接着フィルム3が装着された半導体ウエーハ2の(個々のデバイス22に分割されている)接着フィルム3を上述した環状のフレーム4に装着されたダイシングテープ40の表面に貼着し、接着フィルム3に分割溝に沿ってレーザー光線を照射することにより、接着フィルム3を分割溝に沿って切断する。従って、半導体ウエーハ2が複数のストリート21に沿って分割された個々のデバイス22および分割溝に沿って切断された接着フィルム3は、図2に示すように環状のフレーム4に装着されたダイシングテープ40の表面に貼着された状態となる。
また、半導体ウエーハ2を所謂先ダイシング法によって個々のデバイスに分割するには、切削装置を用いて半導体ウエーハ2の表面2aに形成されたストリート21に沿って所定深さ(各半導体チップの仕上がり厚さに相当する深さ)の分割溝を形成する(分割溝形成工程)。次に、分割溝が形成された半導体ウエーハ2の表面に保護部材を装着し、半導体ウエーハ2の裏面を研削して、分割溝を裏面に表出させることにより個々のデバイス22に分割する(分割溝表出工程)。このようにして個々のデバイス22に分割された半導体ウエーハ2の裏面にダイボンディング用の接着フィルム3を装着する。そして、裏面に接着フィルム3が装着された半導体ウエーハ2の(個々のデバイス22に分割されている)接着フィルム3を上述した環状のフレーム4に装着されたダイシングテープ40の表面に貼着し、接着フィルム3に分割溝に沿ってレーザー光線を照射することにより、接着フィルム3を分割溝に沿って切断する。従って、半導体ウエーハ2が複数のストリート21に沿って分割された個々のデバイス22および分割溝に沿って切断された接着フィルム3は、図2に示すように環状のフレーム4に装着されたダイシングテープ40の表面に貼着された状態となる。
上述したようにダイシングテープ40の表面に接着フィルム3を介して貼着された個々のデバイス22は、ピックアップ装置に搬送されダイシングテープ40からピックアップされる。ここで、ピックアップ装置の一例について図3乃至図5を参照して説明する。
図3にはピックアップ装置の斜視図が示されており、図4には図3に示すピックアップ装置の要部を分解して示す斜視図が示されている。図示の実施形態におけるピックアップ装置5は、基台51と、該基台51上に矢印Yで示す方向に移動可能に配設された第1のテーブル52と、該第1のテーブル52上に矢印Yと直交する矢印Xで示す方向に移動可能に配設された第2のテーブル53を具備している。基台51は矩形状に形成され、その両側部上面には矢印Yで示す方向に2本の案内レール511、512が互いに平行に配設されている。なお、2本の案内レールのうち一方の案内レール511には、その上面に断面がV字状の案内溝511aが形成されている。
図3にはピックアップ装置の斜視図が示されており、図4には図3に示すピックアップ装置の要部を分解して示す斜視図が示されている。図示の実施形態におけるピックアップ装置5は、基台51と、該基台51上に矢印Yで示す方向に移動可能に配設された第1のテーブル52と、該第1のテーブル52上に矢印Yと直交する矢印Xで示す方向に移動可能に配設された第2のテーブル53を具備している。基台51は矩形状に形成され、その両側部上面には矢印Yで示す方向に2本の案内レール511、512が互いに平行に配設されている。なお、2本の案内レールのうち一方の案内レール511には、その上面に断面がV字状の案内溝511aが形成されている。
上記第1のテーブル52は、図4に示すように中央部に矩形状の開口521を備えた窓枠状に形成されている。この第1のテーブル52の一方の側部下面には、上記基台51に設けられた一方の案内レール511に形成されている案内溝511aに摺動可能に嵌合する被案内レール522が設けられている。また第1のテーブル52の両側部上面には上記被案内レール522と直交する方向に2本の案内レール523、524が互いに平行に配設されている。なお、2本の案内レールのうち一方案内レール523には、その上面に断面がV字状の案内溝523aが形成されている。このように構成された第1のテーブル52は、図3に示すように被案内レール522を基台51に設けられた一方の案内レール511に形成された案内溝511aに嵌合するとともに、他方の側部下面を基台51に設けられた他方の案内レール512上に載置される。図示の実施形態におけるピックアップ装置5は、第1のテーブル52を基台51に設けられた案内レール511、512に沿って矢印Yで示す方向に移動する第1の移動手段54を具備している。この第1の移動手段54は、図4に示すように基台51に設けられた他方の案内レール512に平行に配設された雄ネジロッド541と、基台51に配設され雄ネジロッド541の一端部を回転可能に支持する軸受542と、雄ネジロッド541の他端に連結され雄ネジロッド541を回転駆動するためのパルスモータ543と、上記第1のテーブル52の下面に設けられ雄ネジロッド541に螺合する雌ネジブロック544とからなっている。このように構成された第1の移動手段54は、パルスモータ543を駆動して雄ネジロッド541を回動することにより、第1のテーブル52を矢印Yで示す方向に移動せしめる。
上記第2のテーブル53は、図4に示すように矩形状に形成され、中央部に円形の穴531を備えている。この第2のテーブル53の一方の側部下面には、上記第1のテーブル52に設けられた一方の案内レール523に形成されている案内溝523aに摺動可能に嵌合する被案内レール532が設けられている。このように構成された第2のテーブル53は、図3に示すように被案内レール532を第1のテーブル52に設けられた一方の案内レール523に形成されている案内溝523aに嵌合するとともに、他方の側部下面を第1のテーブル52に設けられた他方の案内レール524上に載置される。図示の実施形態におけるピックアップ装置5は、第2のテーブル53を第1のテーブル52に設けられた案内レール523、524に沿って矢印Xで示す方向に移動する第2の移動手段55を具備している。この第2の移動手段55は、図4に示すように第1のテーブル52に設けられた他方の案内レール524に平行に配設された雄ネジロッド551と、第1のテーブル52に配設され雄ネジロッド551の一端部を回転可能に支持する軸受552と、雄ネジロッド551の他端に連結され雄ネジロッド551を回転駆動するためのパルスモータ553と、上記第2のテーブル53の下面に設けられ雄ネジロッド551に螺合する雌ネジブロック554とからなっている。このように構成された第2の移動手段55は、パルスモータ553を駆動して雄ネジロッド551を回動することにより、第2のテーブル53を矢印Xで示す方向に移動せしめる。
図示の実施形態におけるピックアップ装置5は、上記環状のフレーム4を保持するフレーム保持手段6と、該フレーム保持手段6に保持された環状のフレーム4に装着されたダイシングテープ40を拡張するテープ拡張手段7を具備している。フレーム保持手段6は、図3および図5に示すように上記第2のテーブル53に設けられた穴531の径より大きい内径を有する環状のフレーム保持部材61と、該フレーム保持部材61の外周に配設された固定手段としての複数のクランプ62とからなっている。フレーム保持部材61の上面は環状のフレーム4を載置する載置面611を形成しており、この載置面611上に環状のフレーム4が載置される。そして、載置面611上に載置された環状のフレーム4は、クランプ62によってフレーム保持部材61に固定される。このように構成されたフレーム保持手段6は、第2のテーブル53の穴531の上方に配設され、後述するテープ拡張手段7によって上下方向に進退可能に支持されている。
テープ拡張手段7は、図3および図5に示すように上記環状のフレーム保持部材61の内側に配設される拡張ドラム70を具備している。この拡張ドラム70は、環状のフレーム4の内径より小さく該環状のフレーム4に装着されたダイシングテープ40に貼着される半導体ウエーハ2の外径より大きい内径および外径を有している。また、拡張ドラム70は、下端部に上記第2のテーブル53に設けられた穴531の内周面に回動可能に嵌合する装着部71を備えているとともに、該装着部71の上側外周面には径方向に突出して形成された支持フランジ72を備えている。図示の実施形態におけるテープ拡張手段7は、上記環状のフレーム保持部材61を上下方向に進退可能な支持手段73を具備している。この支持手段73は、上記支持フランジ72上に配設された複数のエアシリンダ730からなっており、そのピストンロッド731が上記環状のフレーム保持部材61の下面に連結される。このように複数のエアシリンダ730からなる支持手段73は、図5および図6の(a)に示すように環状のフレーム保持部材61を載置面611が拡張ドラム70の上端と略同一高さとなる基準位置と、図6の(b)に示すように環状のフレーム保持部材61を載置面611が拡張ドラム70の上端から図において上方に所定量離隔した離隔位置と、図6の(c)に示すように環状のフレーム保持部材61を載置面611が拡張ドラム70の上端から図において所定量下方の拡張位置に選択的に移動せしめる。従って、複数のエアシリンダ730からなる支持手段73は、拡張ドラム70とフレーム保持部材61とを上下方向(軸方向)に相対移動する拡張移動手段として機能する。
図示の実施形態におけるピックアップ装置5は、図3に示すように上記拡張ドラム70およびフレーム保持部材61を回動せしめる回動手段75を具備している。この回動手段75は、上記第2のテーブル53に配設されたパルスモータ751と、該パルスモータ751の回転軸に装着されたプーリ752と、該プーリ752と拡張ドラム70の支持フランジ72とに捲回された無端ベルト753とからなっている。このように構成された回動手段75は、パルスモータ751を駆動することにより、プーリ752および無端ベルト753を介して拡張ドラム70を回動せしめる。
図示の実施形態におけるピックアップ装置5は、上記環状のフレーム保持部材61に保持された環状のフレーム4にダイシングテープ40を介して支持されている半導体ウエーハ2の個々に分割されたデバイス22を検出するための検出手段8を具備している。検出手段8は、基台51に配設されたL字状の支持柱81に取り付けられている。この検出手段8は、光学系および撮像素子(CCD)等で構成されており、上記環状のフレーム保持部材61に保持された環状のフレーム4にダイシングテープ40を介して支持されている半導体ウエーハ10の個々に分割されたデバイス22を撮像し、これを電気信号に変換して図示しない制御手段に送る。
また、図示の実施形態におけるピックアップ装置5は、個々に分割されたデバイス22をダイシングテープ40からピックアップするピックアップ手段9を具備している。このピックアップ手段9は、基台51に配設された旋回アーム91と、該先端に装着されたピックアップコレット92とからなっており、旋回アーム91が図示しない駆動手段によって旋回せしめられる。なお、旋回アーム91は上下動可能に構成されており、先端に装着されたピックアップコレット92は、ダイシングテープ40に貼着されている個々に分割されたデバイス22をピックアップすることができる。
図5を参照して説明を続けると、図示の実施形態におけるピックアップ装置5は、テープ拡張手段7を構成する拡張ドラム70内に配設された冷却手段10を具備している。この冷却手段10は、冷却流体噴射ノズル101が上方に向けて配設されており、図示しない冷却流体供給手段に連通されている。
図示の実施形態におけるピックアップ装置5は以上のように構成されており、このピックアップ装置5を用いて、上述したダイシングテープ40の表面に接着フィルム3を介して貼着された個々のデバイス22をダイシングテープ40からピックアップする手順について、主に図6および図7を参照して説明する。
上記図2に示すように裏面に接着フィルム3が装着された個々のデバイス22をダイシングテープ40を介して支持した環状のフレーム4を図6の(a)に示すようにフレーム保持手段6を構成するフレーム保持部材61の載置面611上に載置し、クランプ62によってフレーム保持部材61に固定する(フレーム保持工程)。このとき、フレーム保持部材61は図6の(a)に示す基準位置に位置付けられている。
上記図2に示すように裏面に接着フィルム3が装着された個々のデバイス22をダイシングテープ40を介して支持した環状のフレーム4を図6の(a)に示すようにフレーム保持手段6を構成するフレーム保持部材61の載置面611上に載置し、クランプ62によってフレーム保持部材61に固定する(フレーム保持工程)。このとき、フレーム保持部材61は図6の(a)に示す基準位置に位置付けられている。
図6の(a)に示すように基準位置に位置付けられているフレーム保持部材61に、裏面に接着フィルム3が装着された個々のデバイス22をダイシングテープ40を介して支持した環状のフレーム4を固定したならば、テープ拡張手段7を構成する支持手段73としての複数のエアシリンダ730を作動して、環状のフレーム保持部材61を図6の(b)に示す離隔位置に上昇せしめる(離隔位置位置付け工程)。
次に、テープ拡張手段7を構成する支持手段73としての複数のエアシリンダ730を作動して、環状のフレーム保持部材61を図6の(c)に示す拡張位置まで一気に下降せしめる。従って、フレーム保持部材61の載置面611上に固定されている環状のフレーム4も下降するため、図6の(c)に示すように環状のフレーム4に装着されたダイシングテープ40は拡張ドラム70の上端縁に当接して拡張せしめられる(テープ拡張工程)。このとき、環状のフレーム保持部材61即ち環状のフレーム4に装着されたダイシングテープ40は図6の(b)に示す離隔位置から下降するので、拡張ドラム70の上端縁に当接する際には所定の移動速度に達している。なお、ダイシングテープ40が拡張ドラム70の上端縁に当接する際の所定の移動速度は、100mm/秒以上であることが重要である。この結果、ダイシングテープ40に貼着されている個々のデバイス22の裏面に貼着された接着フィルム3には放射状に引張力が急激に作用し、個々に分割されているデバイス22および接着フィルム3間の間隔が急激に広げられる。このように広げられる個々に分割されているデバイス22および接着フィルム3間を広げる間隔は、100μm以上にすることが重要である。従って、半導体ウエーハ2をストリート21に沿って幅が20μmの切削ブレードによって切断した場合には、テープ拡張工程においてデバイス22および接着フィルム3間の間隔を120μm以上に広げる。なお、上記テープ拡張工程を実施する際には、図6の(a)に示すように基準位置に位置付けられているときに冷却手段10を作動して冷却流体噴射ノズル101から冷却流体を噴射し、接着フィルム3を10℃以下に冷却することが望ましい。
上述したようにテープ拡張工程を実施したならば、第1の移動手段54および第2の移動手段55を作動して第1のテーブル52を矢印Yで示す方向(図3参照)に移動するとともに、第2のテーブル53を矢印Xで示す方向(図3参照)に移動し、フレーム保持部材61に保持された環状のフレーム4に装着されたダイシングテープ40に貼着されている個々のデバイス22を検出手段8の直下に位置付ける。そして、検出手段8を作動し個々のデバイス22間の隙間が矢印Yで示す方向または矢印Xで示す方向と一致するかを確認する。もし、個々のデバイス22間の隙間が矢印Yで示す方向または矢印Xで示す方向とズレているならば、回動手段75を作動しフレーム保持手段6を回動して一致させる。次に、第1のテーブル52を矢印Yで示す方向(図3参照)に移動するとともに、第2のテーブル53を矢印Xで示す方向(図3参照)に移動しつつ、図7に示すようにピックアップ手段9を作動しピックアップコレット92によって所定位置に位置付けられたデバイス22をピックアップ(ピックアップ工程)し、図示しないトレーまたはダイボンディング工程に搬送する。
上記ピックアップ工程においては、デバイス22は裏面に接着フィルム3が装着された状態でダイシングテープ40から剥離してピックアップされる。このとき、接着フィルム3の外周部がダイシングテープ40の粘着糊と絡まって癒着しており、ダイシングテープ40からデバイス22をピックアップする際に髭状の塵埃が発生するが、上記テープ拡張工程において個々に分割されているデバイス22および接着フィルム3間の間隔が広げられる際に、100mm/秒以上の移動速度であるとともにデバイス22および接着フィルム3間を広げる間隔が100μm以上になっているので、上記髭状の塵埃はダイシングテープ40側に残存し、接着フィルム3には付着しない。本発明者の実験によると、上記移動速度が100mm/秒より遅い程上記髭状の塵埃が接着フィルム3に付着する率が高く、また、デバイス22および接着フィルム3間を広げる間隔が100μmより小さい程上記髭状の塵埃が接着フィルム3に付着する率が高いことが判った。なお、上記テープ拡張工程においては、接着フィルム3を10℃以下に冷却することにより、上記ピックアップ時における上記髭状の塵埃が接着フィルム3に付着する率が更に少なくなることが判った。
2:半導体ウエーハ
21:ストリート
22:デバイス
3:接着フィルム
4:環状のフレーム
40:ダイシングテープ
5:ピックアップ装置
6:フレーム保持手段
61:フレーム保持部材
7:テープ拡張手段
70:拡張ドラム
73:支持手段
730:エアシリンダ
731:ピストンロッド
8:検出手段
9:ピックアップ手段
92:ピックアップコレット
10: 冷却手段
101:冷却流体噴射ノズル
21:ストリート
22:デバイス
3:接着フィルム
4:環状のフレーム
40:ダイシングテープ
5:ピックアップ装置
6:フレーム保持手段
61:フレーム保持部材
7:テープ拡張手段
70:拡張ドラム
73:支持手段
730:エアシリンダ
731:ピストンロッド
8:検出手段
9:ピックアップ手段
92:ピックアップコレット
10: 冷却手段
101:冷却流体噴射ノズル
Claims (2)
- 表面に複数のストリートが格子状に形成されているとともに該複数のストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハの裏面が接着フィルムを介在して環状のフレームに装着されたダイシングテープに貼着され、該ウエーハおよび該接着フィルムが該複数のストリートに沿って該デバイス毎に分割されており、該ダイシングテープから該デバイスを該接着フィルムが装着された状態でピックアップする接着フィルムが貼着されたデバイスのピックアップ方法であって、
該環状のフレームを保持した状態で該ダイシングテープにおける該環状のフレームの内径とウエーハとの間の領域を拡張部材によって押圧することにより該ダイシングテープを拡張して該デバイスおよび該接着フィルム間の間隔を広げるテープ拡張工程と、
該テープ拡張工程によって該ダイシングテープに貼着された該デバイスおよび該接着フィルム間の間隔が広げられた状態で、該デバイスおよび該接着フィルムを該ダイシングテープからピックアップするピックアップ工程と、を含み、
該テープ拡張工程においては、該拡張部材と該ダイシングテープとが当接するときの該拡張部材と該フレーム保持手段との相対移動速度が100mm/秒以上に設定され、該デバイスおよび該接着フィルム間を広げる間隔が100μm以上に設定されている、
ことを特徴とする接着フィルムが貼着されたデバイスのピックアップ方法。 - 該テープ拡張工程においては、該接着フィルムが10℃以下に冷却される、請求項1記載の接着フィルムが貼着されたデバイスのピックアップ方法。
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CN108054253A (zh) * | 2017-12-29 | 2018-05-18 | 佛山市南海区联合广东新光源产业创新中心 | 一种高效的led扩晶机 |
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-
2007
- 2007-01-17 JP JP2007007656A patent/JP2008177260A/ja active Pending
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2008
- 2008-06-04 TW TW97120709A patent/TW200952091A/zh unknown
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