JP6383169B2 - 車両側部構造 - Google Patents
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Description
同文献に記載された構造においては、車両のサイドドアのドアトリムとドアパネルとの間に、衝撃吸収体が配されている。この衝撃吸収体は、全体が樹脂製のボックス状であり、天板部と、この天板部に一体的に繋がって前記天板部の外周縁から車幅方向に起立する周壁部とを有している。この衝撃吸収体は、車幅方向外方からの所定以上の負荷入力があると、周壁部が屈曲変形し、このことにより衝撃エネルギ吸収作用が得られる。したがって、乗員保護に役立つ。
第1に、衝撃吸収体の周壁部は、その後部側が前部側よりもコーナ部の数が多くされて
いるが、衝撃吸収体の特性として、コーナ部の数が多いほど周壁部が屈曲変形し難くなる。したがって、衝撃吸収体は、前部側が変形し易く、後部側は変形し難くなる。衝撃吸収体の後部側は、ドアロックユニットに近い部分とされているために、ドアロックユニットの近傍部分においては、サイドドアのアウタパネルなどが車幅方向内方へ大きく変形することが衝撃吸収体によって抑制される。したがって、ドアロックユニットへの負荷入力を好適に防止し、または抑制することができる。
第2に、衝撃吸収体の前部側は、既述したように、変形を生じ易い部分であり、衝撃エネルギを効率よく吸収し得る部分である。この衝撃吸収体の前部側は、ドアロックユニットよりも車両前方側へ適当な距離だけ離れた箇所に配置することができ、たとえば乗員の腰に対応する位置へ好適に配置することが可能である。したがって、乗員に向けての負荷入力に対しては、衝撃吸収体の前部によって衝撃エネルギを適切に吸収させ、乗員保護を好適に図ることができる。
第3に、本発明は、衝撃吸収体の形状および配置に工夫を施すことにより、前記した効果が得られるものであり、別部材などを用いる必要はない。また、衝撃吸収体の製造工程や組み付け工程が、従来と比較して煩雑化するといったこともない。したがって、生産性がよく、製造コストを廉価にすることもできる。
図面において、矢印Frは車両前方を示し、矢印Ouは車幅方向外方を示し、矢印Upは上方を示している。
以下の説明における「前後方向」は、車両前後方向と一致した方向である。
ル(以下、インナパネル11)とを接合して構成され、インナパネル11には、ドアトリム12が取り付けられている。ドアロックユニット2は、サイドドア1の施錠および解錠動作を行なうためのユニットであり、たとえばアウタパネル10とインナパネル11との間に配されて、サイドドア1の後部寄りの位置に設けられている。
ドドア1に入力した際には、衝撃吸収体EAの前部側(第1の壁部4aが位置する側)の屈曲変形量を大きくすることにより、衝撃エネルギ吸収が好適に行なわれ、乗員保護が図られる。一方、衝撃吸収体EAの後部側については、屈曲変形が抑制されることにより、アウタパネル10の進入を抑制し、ドアロックユニット2への負荷入力を回避することが可能である。このため、負荷入力に起因してドアロックユニット2が不当に起動したり、あるいは損傷するといったことを防止することができる。
すなわち、車両側面衝突時によってアウタパネル10が車幅方向内方に進入する際には、殆どの場合において、サイドドア1の後部側よりも中央部側の方が、進入量が大きい状態となる。このため、衝撃吸収体EAの周壁部4のうち、最も前側に位置する第1の壁部4aが最初に屈曲変形を開始する。ここで、図2(d)の矢印N1で示すように、第1の壁部4aが内側に屈曲変形すると、これに伴って、第2および第5の壁部4b,4eには、これらを矢印N2で示す外側方向に屈曲変形させようとする力が発生する。第2および第5の壁部4b,4eが実際に前記の方向に屈曲変形すると、第3および第4の壁部4c,4dには、これらを矢印N3で示す内側方向に屈曲変形させようとする力が発生するが、これらはコーナ部C4を挟んで隣接しているため、互いに干渉し合い、前記方向への変形は抑制される。
なお、第1ないし第5の壁部4a〜4eの屈曲方向は、前記とは反対方向とすることも可能であり、第1、第3および第4の壁部4a,4c,4dが外側方向に屈曲し、第2および第5の壁部4b,4eが内側方向に屈曲するように構成した場合においても、前記したのと同様な作用が得られる。
たとえば、衝撃吸収体の適当な箇所に、孔部や切り欠きを設けるといった手段を採用することもできる。
C(C1〜C5) コーナ部
EA 衝撃吸収体
1 サイドドア
2 ドアロックユニット
3 天板部(衝撃吸収体の)
4 周壁部(衝撃吸収体の)
Claims (1)
- 車両のサイドドアに取り付けられた衝撃吸収体と、
前記サイドドアの後部寄りの位置に設けられたドアロックユニットと、
を備えており、
前記衝撃吸収体は、天板部と、この天板部に一体的に繋がって前記天板部の外周縁から車幅方向に起立する周壁部とを有するボックス状とされ、かつ車幅方向外方からの所定以上の負荷入力によって前記周壁部が屈曲変形可能とされている、車両側部構造であって、
前記衝撃吸収体は、前記ドアロックユニットに接近するようにして前記ドアロックユニットよりも車両前方寄りに配され、かつ前記周壁部は、五角形筒状とされており、
車両側面視において、前記周壁部の前部側には、前記周壁部の2つのコーナ部が上下高さ方向に互いに離間して位置し、かつ後部側には、前記周壁部の他の3つのコーナ部が上下高さ方向に互いに離間して位置する構成とされており、
前記周壁部は、前記2つのコーナ部の相互間に位置し、かつ前記周壁部の前壁部としての第1の壁部、前記周壁部の下壁部としての第2の壁部、前記3つのコーナ部の相互間に位置し、かつ前記周壁部の2つの後壁部としての第3および第4の壁部、ならびに前記周壁部の上壁部としての第5の壁部を備えており、
これら第1ないし第5の壁部のうち、前記第1の壁部は、最も大きな幅とされており、かつ前記第1の壁部の起立方向の中間部分は、前記衝撃吸収体の内側に窪み、または前記衝撃吸収体の外方に膨出した屈曲状または湾曲状とされていることを特徴とする、車両側部構造。
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