JP6310773B2 - 樹脂成形装置及び樹脂成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トランジスタ、集積回路(Integrated Circuit :IC)、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)などのチップ状の電子部品(以下適宜「チップ」という。)を樹脂封止する場合などに使用される、樹脂成形装置及び樹脂成形方法に関するものである。
従来から、トランスファモールド法、圧縮成形法(コンプレッションモールド法)、射出成形法(インジェクションモールド法)などの樹脂成形技術を使用して、リードフレームやプリント基板などからなる基板に装着したICなどの電子部品を硬化樹脂によって樹脂封止することが行われている。近年は基板の大型化や薄膜化の進展に伴い、圧縮成形法による樹脂封止の必要性が高まっている。
圧縮成形法による樹脂封止は次のようにして行われる。樹脂成形装置において、下型に形成され離型フィルムによって被覆されたキャビティに顆粒樹脂を供給し加熱して溶融させることによって溶融樹脂を生成する。次に、上型と下型とを型締めして溶融樹脂に基板に装着されたチップを浸漬させる。キャビティ底面部材によって溶融樹脂に所定の樹脂圧を加えて、溶融樹脂を硬化させて硬化樹脂を形成する。このようにして、基板に装着されたチップを硬化樹脂によって樹脂封止する。
ところで、キャビティに顆粒樹脂を供給する場合、樹脂材料供給機構とキャビティとの間にはある程度の距離があり、かつキャビティも大きくなる傾向にあるので、顆粒樹脂を供給している間に顆粒樹脂に付着した粉末が飛散しやすくなる。そのため、下型の型面などに顆粒樹脂や顆粒樹脂に付着した粉末が飛散して付着する。型締めした場合には、飛散した粉末が樹脂カス等の異物(硬化物)として型面に残る。型面に残った異物を除去しなければならないが、硬化物として残った異物を単なるクリーニングなどでは簡単に除去できない。したがって、樹脂材料供給機構から顆粒樹脂に付着した粉末を飛散させることなく、キャビティに所定量の顆粒樹脂を供給することが重要となる。
電子部品の樹脂封止成形装置として、「電子部品10の樹脂封止成形用金型を用いて、金型における上型1の所定位置に電子部品10を装着した基板9を装着固定した状態で、金型における少なくとも下型2に形成されたキャビティ6に樹脂材料供給機構7で供給された樹脂材料14を加熱溶融化して、金型を型締めすることで加熱溶融化された樹脂材料14(15)に電子部品10を浸漬内包する電子部品10の樹脂封止成形装置であって、金型の型開き時において、樹脂材料供給機構7には、キャビティ6外に樹脂材料14を飛散させることなく、樹脂材料14をキャビティ6内に供給するカーテン22と、樹脂材料14をキャビティ6内に拡散させて供給するネスト23とを含むことにより、キャビティ6内に樹脂材料14を均一に満遍なく供給するようにしたことを特徴とする」樹脂封止成形装置が提案されている(例えば、特許文献1の段落〔0008〕、図3参照)。
特開2006−120880号公報
しかしながら、特許文献1に開示された樹脂封止成形装置では、次のような課題が発生する。特許文献1の図3に示されるように、樹脂材料供給機構7は、顆粒樹脂14を収納する樹脂収納空間部19と、鉛直方向に貫通した枠体部20と、該空間部19の底面を形成し且つ水平方向に往復動可能な該枠体部20底面に敷設された開閉部21とを設けている。更に、樹脂材料供給機構7には、キャビティ6外に顆粒樹脂14を飛散させることなく、顆粒樹脂14をキャビティ6内に供給するカーテン22と、顆粒樹脂14をキャビティ6内に拡散させて供給するネスト23とを設けている。
このような樹脂材料供給機構7では、顆粒樹脂14をキャビティ6に供給するために開閉部21を開かなければならない。そのために、開閉部21をスライドさせる開閉機構を設けて制御する必要がある。さらに、顆粒樹脂14の飛散を防止するためにカーテン22と顆粒樹脂14を均一に供給するためにネスト23とを設けている。したがって、顆粒樹脂14を供給するための樹脂材料供給機構7の構造が複雑になり、かつ費用も高くなる。
本発明は上記の課題を解決するもので、樹脂成形装置において、簡単な樹脂材料供給機構を用いて、顆粒樹脂を飛散させることなく安定してキャビティに供給することができる樹脂成形装置及び樹脂成形方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る樹脂成形装置は、上型と、該上型に相対向して設けられた下型と、下型に設けられたキャビティと、キャビティに樹脂材料を供給する供給機構と、上型と下型とを少なくとも有する成形型を型締めする型締め機構とを備えた樹脂成形装置であって、供給機構に設けられ平面視して貫通孔を有する樹脂収容枠と、貫通孔を含む樹脂収容枠の下面を少なくとも覆うように樹脂収容枠の下面に離型フィルムを吸着する吸着機構と、樹脂収容枠の内側面において昇降可能に設けられた昇降部材と、昇降部材の下面が離型フィルムに接触した状態において、樹脂収容枠の内側における昇降部材と離型フィルムとによって囲まれた空間に樹脂材料を投入する投入機構と、昇降部材を樹脂収容枠に保持する保持機構とを備え、樹脂収容枠の下面に吸着された離型フィルムが昇降部材によって樹脂収容枠の下面から押し下げられ、少なくとも樹脂収容枠と離型フィルムと樹脂材料とを有する供給機構が下型の上方に搬送され、樹脂収容枠の下面に離型フィルムを吸着することが停止されることによって、供給機構から樹脂材料と離型フィルムとが一括してキャビティに供給されることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形装置は、上述の樹脂成形装置において、保持機構は樹脂収容枠の内側面に設けられた張り出し部を有し、昇降部材は張り出し部よりも上方において昇降し、張り出し部によって昇降部材の下降が止められることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形装置は、上述の樹脂成形装置において、保持機構は樹脂収容枠の内側面において上方から吊り下げられた係止部材を有し、昇降部材は係止部材の下部に取り付けられる係止部を有し、昇降部材は係止部材によって下降が止められることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形装置は、上述の樹脂成形装置において、樹脂材料は粒状、顆粒状、粉状、ペースト状、又は、常温で液状の樹脂のいずれかであることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形装置は、上述の樹脂成形装置において、昇降部材が耐摩耗性を有する材料によって形成されることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形装置は、上述の樹脂成形装置において、供給機構に樹脂材料を供給する供給モジュールと、成形型と型締め機構とを有する少なくとも1個の成形モジュールとを備え、供給モジュールと1個の成形モジュールとが着脱可能であり、1個の成形モジュールが他の成形モジュールに対して着脱可能であることを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る樹脂成形方法は、上型と該上型に相対向して設けられた下型とを少なくとも有する成形型を使用し、下型に設けられたキャビティに樹脂材料を供給する工程と、成形型を型締めする工程とを備えた樹脂成形方法であって、離型フィルムの上に平面視して貫通孔を有する樹脂収容枠を配置する工程と、樹脂収容枠の下面に離型フィルムを吸着する工程と、樹脂収容枠の内側面において昇降可能に設けられた昇降部材の下面が離型フィルムに接触した状態において、樹脂収容枠の内側における昇降部材と離型フィルムとによって囲まれた空間に樹脂材料を投入する工程と、樹脂収容枠を上昇させて昇降部材を相対的に下降させることによって少なくとも昇降部材の内側において樹脂収容枠の下面から離型フィルムを押し下げる工程と、樹脂収容枠の内側面において昇降部材を保持する工程と、下型の上方に少なくとも樹脂収容枠と離型フィルムと樹脂材料とを一括して搬送する工程とを備え、供給する工程では、樹脂収容枠の下面に離型フィルムを吸着することを停止することによって、樹脂材料と離型フィルムとを一括してキャビティに供給することを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形方法は、上述の樹脂成形方法において、保持する工程では、樹脂収容枠の内側面に設けられた張り出し部によって昇降部材の下降を止めることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形方法は、上述の樹脂成形方法において、保持する工程では、樹脂収容枠の内側面において吊り下げられ昇降部材に取り付けられた係止部材によって昇降部材の下降を止めることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形方法は、上述の樹脂成形方法において、樹脂材料は粒状、顆粒状、粉状、ペースト状、又は、常温で液状の樹脂のいずれかであることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形方法は、上述の樹脂成形方法において、昇降部材が耐摩耗性を有する材料によって形成されることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形方法は、上述の樹脂成形方法において、樹脂材料を供給する供給モジュールを準備する工程と、成形型と型締め機構とを有する少なくとも1個の成形モジュールを準備する工程とを備え、供給モジュールと1個の成形モジュールとが着脱可能であり、1個の成形モジュールが他の成形モジュールに対して着脱可能であることを特徴とする。
本発明によれば、樹脂成形装置において使用される貫通孔を有する樹脂収容枠において、樹脂収容枠の下面に離型フィルムを吸着する吸着機構と樹脂収容枠の内側面に沿って昇降する昇降部材と昇降部材を樹脂収容枠に保持する保持機構とを設ける。樹脂収容枠と樹脂収容枠の下面に吸着された離型フィルムとを一体化して樹脂材料を供給する供給機構を構成する。昇降部材によって離型フィルムが樹脂収容枠の下面から押し下げられた状態で、昇降部材と離型フィルムとによって囲まれた空間に収容された樹脂材料を供給機構がキャビティに搬送する。このようにして、樹脂材料を飛散させることなく、樹脂材料と離型フィルムとを一括してキャビティに供給することができる。
(a)〜(d)は、本発明に係る樹脂成形装置の実施例1において、樹脂材料収容枠に樹脂材料を収容する過程を示す概略断面図である。 (a)〜(c)は、図1に示された樹脂材料収容枠を用いて樹脂材料をキャビティに供給する過程を示す概略断面図である。 (a)〜(b)は、基板に装着されたチップを樹脂封止する過程を示す概略断面図である。 (a)〜(d)は、本発明に係る樹脂成形装置の実施例2において、樹脂材料収容枠に樹脂材料を収容する過程を示す概略断面図である。 本発明に係る樹脂成形装置の実施例3において、装置の概要を示す平面図である。
図1に示されるように、樹脂材料収容枠1において、上下に開口を有する貫通孔2と、貫通孔2の周囲に形成された周縁部3と、周縁部3の下面に設けられた吸着溝4と、周縁部3の下面側に形成され内側に向かって突出する張り出し部5と、周縁部3の内側面に沿って昇降する昇降部材6とを設ける。周縁部3の下面に離型フィルム9が吸着される。樹脂材料収容枠1と周縁部3の下面に吸着された離型フィルム9とを一体化して樹脂材料供給機構1Aを構成する。離型フィルム9の上面と昇降部材6の内側面によって囲まれた空間が、樹脂材料収容部2Aを構成する。樹脂材料供給機構1Aにおいて、昇降部材6が自重によって落下して、張り出し部5に接触して停止する。これにより、離型フィルム9と樹脂材料10とを樹脂材料収容枠1の下面から所定の距離dだけ押し下げる。昇降部材6の下面と離型フィルム9とが密着することによって、樹脂材料10が樹脂材料収容部2Aから外側に向かって動くことを遮断する。したがって、樹脂材料収容枠1の下面と離型フィルム9の上面との間に、樹脂材料10が入り込むことを防止できる。
本発明に係る樹脂成形装置の実施例1において使用される樹脂材料収容枠ついて、図1〜図3を参照して説明する。本出願書類におけるいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
図1に示される、樹脂成形装置が有する樹脂材料収容枠1は、上下に開口を有する貫通孔2と、貫通孔2の周囲に形成された周縁部3と、周縁部3の下面に設けられた吸着溝4と、周縁部3の下面側に形成され内側に向かって突出する張り出し部5と、周縁部3の内側面に沿って昇降する昇降部材6とを備える。
昇降部材6は逆L字状の形状に形成され、水平方向に沿って伸びる凸部6aと鉛直方向に沿って伸びる凸部6bとを有する。昇降部材6は自重によって落下し、昇降部材6の凸部6aの下面が周縁部3に形成された張り出し部5の上面に接触することによって、停止する。周縁部3の下面側に形成された張り出し部5は、昇降部材6が自重によって落下することを止めるストッパの役割を果たす。すなわち、張り出し部5は、昇降部材6の落下を停止させる保持手段としての機能を有する。昇降部材6が停止した状態で、昇降部材6の凸部6bの下面は、周縁部3の下面から所定の距離dだけ下方に位置する。供給する樹脂量や離型フィルムの硬さなどに応じて、所定の距離dは0.5mm〜2mm程度に設定される。
周縁部3は、例えば、アルミニウムなどの加工しやすい金属で形成される。昇降部材6は、凸部6bの底面の磨耗が進まないように耐磨耗性を有する材料、例えば、ステンレス鋼やクロム鋼などの金属材料やセラミックス材料によって形成されることが好ましい。また、周縁部3の下面側に合成ゴムを埋め込み、合成ゴムに吸着溝4を形成するようにしてもよい。合成ゴムを埋め込むことによって、周縁部3の下面の密着性を向上させることができる。合成ゴムとしては、耐熱性を有するシリコーンゴムやフッ素ゴムなどを使用することが好ましい。
材料搬送機構7は、樹脂材料収容枠1を移動させる搬送機構である。図1(a)に示されるように、材料搬送機構7は、樹脂材料収容枠1を横方向から挟んで保持する保持部7aと、保持部7aに接続され昇降することができる保持部7bとを有する。後述するように、材料搬送機構7に設けられた保持部7aと保持部7bとによって、周縁部3の下面に吸着された離型フィルムの周縁部を上下から挟んで保持することができる。樹脂材料搬送機構7によって樹脂材料収容枠1を移動させる時には、昇降部材6の凸部6aの下面が張り出し部5の上面に接触して、昇降部材6は停止している。昇降部材6の凸部6bの下面は周縁部3の下面から所定の距離dだけ下がっている。
図1(a)〜(d)を参照して、樹脂材料収容枠1を使用して樹脂材料を収容する動作について説明する。図1(a)に示されるように、まず、X−Yテーブル8上に離型フィルム供給機構(図示なし)から供給される長尺状の離型フィルム9を、しわやたるみが発生しないようにして被覆する。離型フィルム9を被覆した後、吸着機構(図示なし)によってX−Yテーブル8の上に離型フィルム9を吸着する。吸着した離型フィルム9の必要な部分のみを残して離型フィルム9をカットする。図1(a)においては、X−Yテーブル8よりやや大きめに離型フィルム9をカットしている。
次に、樹脂材料搬送機構7を使用して、樹脂材料収容枠1をX−Yテーブル8の上方に移動させて停止させる。樹脂材料収容枠1を移動させている間と停止させた状態とにおいては、昇降部材6の凸部6aの下面が張り出し部5の上面に接触して停止した状態になっている。昇降部材6の凸部6bの下面は周縁部3の下面から所定の距離dだけ下がっている。
次に、図1(b)に示されるように、樹脂材料収容枠1を下降させて、X−Yテーブル8上に吸着されている離型フィルム9の上に樹脂材料収容枠1を載置する。この過程においては、周縁部3の下面から所定の距離dだけ下がっている昇降部材6の凸部6bの下面が、まず離型フィルム9に接触する。更に、樹脂材料収容枠1を下降させることによって、X−Yテーブル8からの反作用を受けて、昇降部材6が周縁部3の内側面に沿って持ち上げられる。更に、樹脂材料収容枠1を下降させて、周縁部3の下面を離型フィルム9に接触させる。この状態で、昇降部材6は、離型フィルム9の表面から所定の距離dだけ持ち上げられる。昇降部材6の下面と周縁部3の下面とが離型フィルム9に接触して、樹脂材料収容枠1が離型フィルム9の上に載置される。
樹脂材料収容枠1が離型フィルム9の上に載置された状態で、離型フィルム9によって貫通孔2の下方の開口が閉鎖される。このことにより、樹脂材料収容枠1と離型フィルム9とが一体化して、貫通孔2が樹脂材料を収容する樹脂材料収容部2Aとして機能する。具体的には、離型フィルム9の上において、昇降部材6によって囲まれた貫通孔2のことを樹脂材料収容部2Aと呼ぶ。
次に、図1(c)に示されるように、樹脂材料投入機構(図示なし)から樹脂材料収容部2Aに所定量の樹脂材料10を投入する。樹脂材料10としては、顆粒状、粉状、粒状、ペースト状の樹脂、又は、常温で液状の樹脂(液状樹脂)などを使用することができる。液状樹脂を使用する場合には、ディスペンサによって樹脂材料収容部2Aに液状樹脂を吐出する。本実施例においては、樹脂材料10として顆粒状の樹脂(顆粒樹脂)を使用する場合について説明する。
次に、図1(d)に示されるように、X−Yテーブル8による離型フィルム9に対する吸着を解除する。その後に、樹脂材料収容枠1に設けられた吸着溝4を使用して離型フィルム9を吸引することによって、離型フィルム9を周縁部3の下面に吸着する。樹脂材料搬送機構7に設けられた保持部7bを上昇させ、保持部7aと保持部7bとによって離型フィルム9の周縁部を挟んで保持する。この状態で、樹脂材料収容枠1と離型フィルム9とが一体化する。このように、樹脂材料収容枠1と離型フィルム9とが一体化された構成要素が、樹脂材料供給機構1Aとして機能する。
次に、樹脂材料搬送機構7を使用して、樹脂材料10が供給された樹脂材料供給機構1Aを、すなわち、樹脂材料収容枠1と離型フィルム9と樹脂材料10とを、一括して保持する。樹脂材料搬送機構7は、保持部7aによって樹脂材料収容枠1を横方向から挟んで保持する機能と、保持部7aと保持部7bとによって離型フィルム9の周縁部を上下から挟んで保持する機能とを有する。
次に、樹脂材料搬送機構7によって、樹脂材料供給機構1AをX−Yテーブル8から持ち上げる。樹脂材料供給機構1Aを持ち上げることによって、昇降部材6が自重によって周縁部3の内側面に沿って落下する。昇降部材6は、凸部6aの下面が張り出し部5の上面に接触するところまで落下して、停止する。この状態で、昇降部材6の重みによって、離型フィルム9と離型フィルム9の上に収容された樹脂材料10とが、所定の距離dだけ下方に押し下げられる。樹脂材料10は、離型フィルム9の上において、昇降部材6によって囲まれた領域、すなわち樹脂材料収容部2Aに収容された状態のままで搬送される。このようにすることによって、樹脂材料10が樹脂材料収容部2Aから外側(周縁部3)に向かって動くことを、昇降部材6によって遮断できる。言い換えれば、昇降部材6の下面と離型フィルム9とが密着した状態で、周縁部3の下面と離型フィルム9の上面との間に樹脂材料10が入り込むことを、防止できる。したがって、周縁部3の下面に樹脂材料10が付着することなく、樹脂材料搬送機構7によって樹脂材料収容部2Aに収容された樹脂材料10を安定した状態で搬送することができる。
図2を参照して、キャビティに樹脂材料10を供給する動作について説明する。まず、図2(a)に示されるように、樹脂材料搬送機構7を使用して樹脂材料供給機構1Aを下型11の所定位置の上まで移動させて停止させる。この状態では、昇降部材6の重みによって、離型フィルム9と樹脂材料10とが所定の距離dだけ下方に押し下げられている。下型11には樹脂材料10と離型フィルム9とが供給されるキャビティ12が設けられる。キャビティ12は、平面視して樹脂材料収容部2Aよりやや大きく形成される。具体的には、昇降部材6の凸部6bがキャビティ12内に挿入されるような大きさにキャビティ12が形成されていることが好ましい。言い換えれば、キャビティ12内に昇降部材6の凸部6bが挿入されるように樹脂材料収容枠1を形成する。
次に、図2(b)に示されるように、樹脂材料搬送機構7によって樹脂材料供給機構1Aを下降させる。樹脂材料供給機構1Aを下降させることによって、離型フィルム9と樹脂材料10とを一括してキャビティ12内に供給する。樹脂材料供給機構1Aの下面、すなわち離型フィルム9の下面を下型11の型面に接触させた状態で、離型フィルム9と樹脂材料10と昇降部材6とがキャビティ12内に挿入される。この状態では、樹脂材料10は下型11の型面から所定の距離dだけ下方に位置するところまで挿入される。樹脂材料搬送機構7によって樹脂材料10と離型フィルム9とを一括してキャビティ12内に挿入するので、樹脂材料10が樹脂材料収容部2Aから外部に飛散することを防止できる。したがって、所定量の樹脂材料10を安定してキャビティ12に供給することができる。
次に、周縁部3の吸着溝4に吸引していた離型フィルム9に対する吸着を解除する。キャビティ12内に挿入された離型フィルム9は、下型11に内蔵されているヒーター(図示なし)から熱を受ける。離型フィルム9は、熱を受けることによって軟化して伸びる。離型フィルム9が軟化した状態で、キャビティ12と下型11とに設けられた吸着孔(図示なし)に離型フィルム9を吸着する。このことによって、離型フィルム9が、しわやたるみが発生することなくキャビティ12の形状に対応するように吸着される。加えて、樹脂材料10と離型フィルム9とが一括してキャビティ12に供給される。
次に、図2(c)に示されるように、キャビティ12に樹脂材料10と離型フィルム9とを一括して供給した後、樹脂材料搬送機構7によって樹脂材料収容枠1を下型11から持ち上げる。樹脂材料10と離型フィルム9とがキャビティ12に供給されているので、樹脂材料収容枠1のみが樹脂材料搬送機構7によって保持される。この状態では、昇降部材6の凸部6bの下面は周縁部3の下面から所定の距離dだけ下がっている。このようにして、樹脂材料供給機構1Aから樹脂材料10と離型フィルム9とを安定してキャビティ12に供給することができる。
なお、図1、図2においては、周縁部3の下面側に張り出し部5を設けた。これに限らず、周縁部3の上面側と下面側との中間に張り出し部5を設けてもよい。張り出し部5が、昇降部材6の落下を止める機能を有していればよい。
図3を参照して、樹脂成形装置における成形型の構成及び樹脂封止する動作について説明する。図3(a)に示されるように、樹脂成形装置においては、下型11に相対向して上型13が設けられる。上型13と下型11とは成形型を構成する。下型11には、キャビティ12内で加熱されて溶融した溶融樹脂10Aを押圧するためのキャビティ底面部材14が設けられる。上型13には、チップ15が装着された封止前基板16が吸着又はクランプによって固定される。上型13の型面と下型11の型面との間には型締めする時にキャビティ12を外気から遮断するためのシール部材17が設けられる。
まず、図3(a)に示されるように、型開きした状態において、基板供給機構(図示なし)によって封止前基板16を上型13の所定位置に搬送し、上型13に固定する。樹脂材料搬送機構7(図2参照)によって樹脂材料供給機構1Aを下型11の所定位置に搬送し、下型11に設けられたキャビティ12に、樹脂材料10と離型フィルム9とを一括して供給する。下型11に供給された樹脂材料10を加熱して溶融樹脂10Aを生成する。
次に、図3(b)に示されるように、型締め機構(図示なし)によって上型13と下型11とを型締めする。型締めすることによって、封止前基板16に装着されたチップ15をキャビティ12内で溶融樹脂10Aに浸漬させる。駆動機構(図示なし)によって、キャビティ底面部材14を上動させて溶融樹脂10Aを加圧する。引き続き、溶融樹脂10Aを加熱することによって硬化樹脂18を形成する。この状態で、封止前基板16に装着されたチップ15は硬化樹脂18によって樹脂封止される。樹脂封止が終了した後に、上型13と下型11とを型開きする。型開きした後に、封止済基板を取り出す。このようにして、樹脂封止が完了する。
なお、上型13と下型11と型締めする過程において、真空引き機構(図示なし)を使用してキャビティ12内を吸引して減圧することが好ましい。このことによって、キャビティ12内に残留する空気や溶融樹脂10A中に含まれる気泡などが成形型の外部に排出される。
本実施例によれば、樹脂材料収容枠1において、周縁部3の内側面に沿って昇降する昇降部材6を設ける。昇降部材6は自重によって落下して、張り出し部5に接触して停止する。張り出し部5は、昇降部材6の落下を停止させる保持手段としての機能を有する。樹脂材料収容枠1と離型フィルム9とを一体化して樹脂材料供給機構1Aを構成する。樹脂材料供給機構1Aにおいては、昇降部材6が落下することによって、離型フィルム9と樹脂材料10とを樹脂材料収容枠1の下面から所定の距離dだけ押し下げる。昇降部材6の下面と離型フィルム9とが密着することによって、樹脂材料10が樹脂材料収容部2Aから外側に向かって動くことを遮断できる。すなわち、樹脂材料収容枠1の下面と離型フィルム9の上面との間に、樹脂材料10が入り込むことを防止できる。したがって、樹脂材料搬送機構7によって樹脂材料収容部2Aに収容された樹脂材料10を安定した状態で搬送することができる。
また、樹脂材料収容枠1の下面と離型フィルム9の上面との間に、樹脂材料10が入り込むことを防止できるので、樹脂材料10が樹脂材料収容枠1の下面に付着することがなくなる。したがって、樹脂材料収容枠1の下面に付着した樹脂材料10が、硬化物として固着することもなくなる。硬化物が固着されないので、例えば、ブラシなどを使用して樹脂材料収容枠1のクリーニングを自動的に行うことが容易になる。したがって、メンテナンスに要する時間を削減することができるので、樹脂成形装置における作業性や生産性を向上させることができる。
また、本実施例によれば、樹脂材料搬送機構7によって、樹脂材料収容部2A(昇降部材6によって囲まれた貫通孔2)に投入された樹脂材料10と離型フィルム9とを、昇降部材6の下面と離型フィルム9とが密着した状態で一括してキャビティ12内に供給する。したがって、樹脂材料10を樹脂材料収容部2Aから外部に飛散させることなくキャビティ12に供給することができる。所定量の樹脂材料10を安定してキャビティ12に供給することができるので、製品の品質を向上させることができる。
また、本実施例によれば、樹脂材料収容枠1に設けられた張り出し部5によって、昇降部材6の落下を停止させる。したがって、昇降部材6の動作を制御する制御機構などを設ける必要がなく、非常に簡単な構成で樹脂材料収容部2Aを形成することができる。昇降部材6が落下して昇降部材6の下面と離型フィルム9とが密着することによって、樹脂材料収容枠1の下面と離型フィルム9の上面との間に樹脂材料10が入り込むことを防止できる。したがって、樹脂材料供給機構1Aを簡単な構成にすることができ、樹脂成形装置の構成も簡単にして費用を安くすることができる。
図4を参照して、本発明に係る樹脂成形装置の実施例2において使用される樹脂材料収容枠1ついて説明する。実施例1との違いは、昇降部材6の落下を停止させる保持手段として、係止部材を用いることである。
図4に示されるように、樹脂材料収容枠1において、周縁部3の上面側に形成され内側に向かって突出する張り出し部19を設ける。張り出し部19の下面と昇降部材6の上面とが、例えば、弾性を有する係止部材であるスプリング20などによってつながれる。昇降部材6は自重によって落下して、ある程度落下したところでスプリング20によって落下が止められる。したがって、スプリング20が昇降部材6の落下を停止させる保持手段としての機能を有する。
実施例1と同様に、昇降部材6が停止した状態では、昇降部材6の凸部6bの下面は、周縁部3の下面から所定の距離dだけ下方に位置する。また、張り出し部19を、周縁部3の上面側でなく、上面側と下面側との中間に設けてもよい。周縁部3及び昇降部材6の材質などは実施例1と同様である。
図4(a)〜(d)を参照して、樹脂材料収容枠1を使用して樹脂材料10を収容する動作について説明する。まず、図4(a)に示されるように、離型フィルム9をX−Yテーブル8上に吸着する。離型フィルム9の必要な部分のみを残して離型フィルム9をカットする。樹脂材料搬送機構7を使用して、樹脂材料収容枠1をX−Yテーブル8の上方に移動させる。この状態で、昇降部材6の凸部6bの下面は、周縁部3の下面から所定の距離dだけ下方に位置し、スプリング20によって昇降部材6は保持されている。
次に、図4(b)に示されるように、樹脂材料収容枠1を下降させて、X−Yテーブル8の上に載置する。実施例1と同様に、周縁部3の下面から所定の距離dだけ落下して停止している昇降部材6の下面が、離型フィルム9に接触する。更に、樹脂材料収容枠1を下降させることによって、X−Yテーブル8からの反作用を受けて、昇降部材6が周縁部3の内側面に沿って持ち上げられる。更に、樹脂材料収容枠1を下降させて、周縁部3の下面を離型フィルム9に接触させる。この状態で、昇降部材6は、離型フィルム9の表面から所定の距離dだけ持ち上げられる。昇降部材6の下面と周縁部3の下面とが離型フィルム9に接触して、樹脂材料収容枠1が離型フィルム9の上に載置される。
次に、図4(c)に示されるように、樹脂投入機構(図示なし)から樹脂材料収容部2Aに所定量の樹脂材料10を投入する。
次に、図4(d)に示されるように、X−Yテーブル8による離型フィルム9に対する吸着を解除した後に、樹脂材料収容枠1に設けられた吸着溝4に離型フィルム9を吸引することによって、離型フィルム9を周縁部3の下面に吸着する。樹脂材料搬送機構7を使用して、樹脂材料供給機構1Aを保持する。樹脂材料搬送機構7によって、樹脂材料供給機構1AをX−Yテーブル8から持ち上げる。樹脂材料供給機構1Aを持ち上げることによって、昇降部材6が自重によって周縁部3の内側面に沿って落下する。所定の距離dだけ落下した時点で、スプリング20によって昇降部材6が保持される。この状態で、昇降部材6の重みによって、離型フィルム9と樹脂材料10とが所定の距離dだけ下方に押し下げられる。昇降部材6によって、樹脂材料10が、樹脂材料収容部2Aから外側に向かって動くことを遮断できる。したがって、樹脂材料10が、周縁部3の下面と離型フィルム9の上面との間に入り込むことを防止できる。
樹脂材料搬送機構7によって、離型フィルム9と樹脂材料10とを一括してキャビティ12に供給する動作、及び、型締めから樹脂封止するまでの動作は実施例1と同様なので説明を省略する。
本実施例によれば、樹脂材料収容枠1において、樹脂材料収容枠1の内側面に沿って昇降する昇降部材6を設ける。この昇降部材6が所定の距離dだけ落下した時点で、スプリング20などの保持手段によって昇降部材6が落下することを停止させる。昇降部材6が落下することによって、離型フィルム9と樹脂材料10とを樹脂材料収容枠1の下面から所定の距離dだけ押し下げる。昇降部材6の下面と離型フィルム9とが密着することによって、樹脂材料10が樹脂材料収容部2Aから外側に向かって動くことを遮断できる。したがって、樹脂材料搬送機構7によって樹脂材料収容部2Aに収容された樹脂材料10を安定した状態で搬送することができる。
本実施例によれば、昇降部材6の落下を停止させる保持手段として、弾性を有する係止部材であるスプリング20を用いた。これに限らず、例えば、係止部材であるフックなどを用いることができる。保持手段としては、昇降部材6の落下を停止させるものであればよい。作用効果については実施例1と同様なので、説明を省略する。
図5を参照して、本発明に係る樹脂成形装置の実施例3を説明する。図5に示された樹脂成形装置21は、基板供給・収納モジュール22と、3つの成形モジュール23A、23B、23Cと、樹脂材料供給モジュール24とを、それぞれ構成要素として備える。構成要素である基板供給・収納モジュール22と、成形モジュール23A、23B、23Cと、樹脂材料供給モジュール24とは、それぞれ他の構成要素に対して、互いに着脱されることができ、かつ、交換されることができる。例えば、基板供給・収納モジュール22と成形モジュール23Aとが装着された状態において、成形モジュール23Aに成形モジュール23Bが装着され、成形モジュール23Bに樹脂材料供給モジュール24が装着されることができる。
基板供給・収納モジュール22には、封止前基板16を供給する封止前基板供給部25と、封止済基板26を収納する封止済基板収納部27と、封止前基板16及び封止済基板26を受け渡しする基板載置部28と、封止前基板16及び封止済基板26を搬送する基板搬送機構29とが設けられる。基板載置部28は、基板供給・収納モジュール22内において、Y方向に移動する。基板搬送機構29は、基板供給・収納モジュール22及びそれぞれの成形モジュール23A、23B、23C内において、X方向及びY方向に移動する。所定位置S1は、基板搬送機構29が動作しない状態において待機する位置である。
各成形モジュール23A、23B、23Cには、昇降可能な下型11と、下型11に相対向して配置された上型13(図3参照)とが設けられる。上型13と下型11とは成形型を構成する。各成形モジュール23A、23B、23Cは、上型13と下型11とを型締め及び型開きする型締め機構30(二点鎖線で示す円形の部分)を有する。離型フィルム9と樹脂材料10とが供給されるキャビティ12が下型11に設けられる。下型11と上型13とは、相対的に移動して型締め及び型開きできればよい。
樹脂材料供給モジュール24には、X−Yテーブル8と、X−Yテーブル上に離型フィルム9(図1参照)を供給する離型フィルム供給機構31と、樹脂材料収容枠1の下面や内側面をクリーニングするクリーニング機構32と、樹脂材料収容枠1及び樹脂材料供給機構1Aを搬送する樹脂材料搬送機構7と、樹脂材料収容部2A(図1参照)に樹脂材料10を投入する樹脂材料投入機構33とが設けられる。X−Yテーブル8は、樹脂材料供給モジュール24内においてX方向及びY方向に移動する。樹脂材料搬送機構7は、樹脂材料供給モジュール24及びそれぞれの成形モジュール23A、23B、23C内において、X方向及びY方向に移動する。所定位置M1は、樹脂材料搬送機構7が動作しない状態において待機する位置である。
図5を参照して、樹脂成形装置21を用いて樹脂封止する動作について説明する。まず、基板供給・収納モジュール22において、封止前基板供給部25から基板載置部28に封止前基板16を送り出す。次に、基板搬送機構29を所定位置S1から−Y方向に移動させて基板載置部28から封止前基板16を受け取る。基板搬送機構29を所定位置S1に戻す。次に、例えば、成形モジュール23Bの所定位置P1まで+X方向に基板搬送機構29を移動させる。次に、成形モジュール23Bにおいて、基板搬送機構29を−Y方向に移動させて下型11上の所定位置C1に停止させる。次に、基板搬送機構29を上動させて封止前基板16を上型13(図3参照)に固定する。基板搬送機構29を基板供給・収納モジュール22の所定位置S1まで戻す。
次に、樹脂材料供給モジュール24において、離型フィルム供給機構31からX−Yテーブル8に供給された離型フィルム9(図1参照)を所定の大きさにカットする。次に、樹脂材料搬送機構7を所定位置M1から−Y方向に移動させて、クリーニング機構32によってクリーニングされた樹脂材料収容枠1を受け取る。次に、樹脂材料搬送機構7を−Y方向に移動させて、X−Yテーブル8に吸着された離型フィルム9上に樹脂材料収容枠1を載置する。樹脂材料搬送機構7を元の位置M1に戻す。次に、X−Yテーブル8を+X方向に移動させて、樹脂材料収容部2A(図1参照)を樹脂材料投入機構33の下方の所定位置に停止させる。次に、X−Yテーブル8をX方向及びY方向に移動させることによって、樹脂材料投入機構33から樹脂材料収容部2Aに所定量の樹脂材料10(図1参照)を供給する。X−Yテーブル8を元の位置に戻す。
次に、樹脂材料搬送機構7を所定位置M1から−Y方向に移動させて、X−Yテーブル8上に載置されている樹脂材料供給機構1A(図1参照)を受け取る。樹脂材料搬送機構7を元の位置M1に戻す。次に、樹脂材料搬送機構7を成形モジュール23Bの所定位置P1まで−X方向に移動させる。次に、成形モジュール23Bにおいて、樹脂材料搬送機構7を−Y方向に移動させて下型11上の所定位置C1に停止させる。次に、樹脂材料搬送機構7を下降させて、樹脂材料10と離型フィルム9とをキャビティ12に供給する。樹脂材料搬送機構7を所定位置M1まで戻す。
次に、成形モジュール23Bにおいて、型締め機構30によって下型11を上動させ、上型13と下型11とを型締めする。所定時間が経過した後、上型13と下型11とを型開きする。次に、基板供給・収納モジュール22の所定位置S1から下型11上の所定位置C1に基板搬送機構29を移動させて、封止済基板26を受け取る。次に、基板搬送機構29を、所定位置S1を経由して基板載置部28の上方まで移動させ、基板載置部28に封止済基板26を受け渡す。基板載置部28から封止済基板収納部27に封止済基板26を収納する。このようにして、樹脂封止が完了する。
本実施例においては、基板供給・収納モジュール22と樹脂材料供給モジュール24との間に、3個の成形モジュール23A、23B、23CをX方向に並べて装着した。基板供給・収納モジュール22と樹脂材料供給モジュール24とを1つのモジュールにして、そのモジュールに1個の成形モジュール23AをX方向に並べて装着してもよい。さらに、その成形モジュール23Aに他の成形モジュール23Bを装着してもよい。これにより、成形モジュール23A、23B、・・・を増減することができる。したがって、生産形態や生産量に対応して、樹脂成形装置21の構成を最適にすることができるので、生産性の向上を図ることができる。
なお、本実施例においては、半導体のチップを樹脂封止する際に使用される樹脂成形装置及び樹脂成形方法を説明した。樹脂封止する対象はIC、トランジスタなどの半導体のチップでもよく、受動素子のチップでもよい。リードフレーム、プリント基板、セラミックス基板などの基板に装着された1個又は複数個のチップを硬化樹脂によって樹脂封止する際に本発明を適用することができる。
加えて、電子部品を樹脂封止する場合に限らず、レンズ、リフレクタ(反射板)、導光板、光学モジュールなどの光学部品、その他の樹脂製品を樹脂成形によって製造する場合に、本発明を適用することができる。
本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に組み合わせ、変更し、又は選択して採用できるものである。
1 樹脂材料収容枠(樹脂収容枠)
1A 樹脂材料供給機構(供給機構)
2 貫通孔
2A 樹脂材料収容部(空間)
3 周縁部
4 吸着構(吸着機構)
5 張り出し部(保持機構)
6 昇降部材
6a、6b 凸部
7 樹脂材料搬送機構
7a、7b 保持部
8 X−Yテーブル
9 離型フィルム
10 樹脂材料
10A 溶融樹脂(樹脂材料)
11 下型(成形型)
12 キャビティ
13 上型(成形型)
14 キャビティ底面部材
15 チップ
16 封止前基板
17 シール部材
18 硬化樹脂
19 張り出し部
20 スプリング(弾性部材、保持機構)
21 樹脂成形装置
22 基板供給・収納モジュール
23A、23B、23C 成形モジュール
24 樹脂材料供給モジュール(供給モジュール)
25 封止前基板供給部
26 封止済基板
27 封止済基板収納部
28 基板載置部
29 基板搬送機構
30 型締め機構
31 離型フィルム供給機構
32 クリーニング機構
33 樹脂投入機構(投入機構)
d 所定の距離
S1、P1、C1、M1 所定位置

Claims (12)

  1. 上型と、該上型に相対向して設けられた下型と、前記下型に設けられたキャビティと、前記キャビティに樹脂材料を供給する供給機構と、前記上型と前記下型とを少なくとも有する成形型を型締めする型締め機構とを備えた樹脂成形装置であって、
    前記供給機構に設けられ平面視して貫通孔を有する樹脂収容枠と、
    前記貫通孔を含む前記樹脂収容枠の下面を少なくとも覆うように前記樹脂収容枠の下面に離型フィルムを吸着する吸着機構と、
    前記樹脂収容枠の内側面において昇降可能に設けられた昇降部材と、
    前記昇降部材の下面が前記離型フィルムに接触した状態において、前記樹脂収容枠の内側における前記昇降部材と前記離型フィルムとによって囲まれた空間に前記樹脂材料を投入する投入機構と、
    前記昇降部材を前記樹脂収容枠に保持する保持機構とを備え、
    前記樹脂収容枠の下面に吸着された前記離型フィルムが前記昇降部材によって前記樹脂収容枠の下面から押し下げられ、
    少なくとも前記樹脂収容枠と前記離型フィルムと前記樹脂材料とを有する前記供給機構が前記下型の上方に搬送され、
    前記樹脂収容枠の下面に前記離型フィルムを吸着することが停止されることによって、前記供給機構から前記樹脂材料と前記離型フィルムとが一括して前記キャビティに供給されることを特徴とする樹脂成形装置。
  2. 請求項1に記載された樹脂成形装置において、
    前記保持機構は前記樹脂収容枠の内側面に設けられた張り出し部を有し、
    前記昇降部材は前記張り出し部よりも上方において昇降し、前記張り出し部によって前記昇降部材の下降が止められることを特徴とする樹脂成形装置。
  3. 請求項1に記載された樹脂成形装置において、
    前記保持機構は前記樹脂収容枠の内側面において上方から吊り下げられた係止部材を有し、
    前記昇降部材は前記係止部材の下部に取り付けられる係止部を有し、
    前記昇降部材は前記係止部材によって下降が止められることを特徴とする樹脂成形装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載された樹脂成形装置において、
    前記樹脂材料は粒状、顆粒状、粉状、ペースト状、又は、常温で液状の樹脂のいずれかであることを特徴とする樹脂成形装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載された樹脂成形装置において、
    前記昇降部材が耐摩耗性を有する材料によって形成されることを特徴とする樹脂成形装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載された樹脂成形装置において、
    前記供給機構に前記樹脂材料を供給する供給モジュールと、
    前記成形型と前記型締め機構とを有する少なくとも1個の成形モジュールとを備え、
    前記供給モジュールと前記1個の成形モジュールとが着脱可能であり、
    前記1個の成形モジュールが他の成形モジュールに対して着脱可能であることを特徴とする樹脂成形装置。
  7. 上型と該上型に相対向して設けられた下型とを少なくとも有する成形型を使用し、前記下型に設けられたキャビティに樹脂材料を供給する工程と、前記成形型を型締めする工程とを備えた樹脂成形方法であって
    離型フィルムの上に平面視して貫通孔を有する樹脂収容枠を配置する工程と、
    前記樹脂収容枠の下面に前記離型フィルムを吸着する工程と、
    前記樹脂収容枠の内側面において昇降可能に設けられた昇降部材の下面が前記離型フィルムに接触した状態において、前記樹脂収容枠の内側における前記昇降部材と前記離型フィルムとによって囲まれた空間に前記樹脂材料を投入する工程と、
    前記樹脂収容枠を上昇させて前記昇降部材を相対的に下降させることによって少なくとも前記昇降部材の内側において前記樹脂収容枠の下面から前記離型フィルムを押し下げる工程と、
    前記樹脂収容枠の内側面において前記昇降部材を保持する工程と、
    前記下型の上方に少なくとも前記樹脂収容枠と前記離型フィルムと前記樹脂材料とを一括して搬送する工程とを備え、
    前記供給する工程では、前記樹脂収容枠の下面に前記離型フィルムを吸着することを停止することによって、前記樹脂材料と前記離型フィルムとを一括して前記キャビティに供給することを特徴とする樹脂成形方法。
  8. 請求項7に記載された樹脂成形方法において、
    前記保持する工程では、前記樹脂収容枠の内側面に設けられた張り出し部によって前記昇降部材の下降を止めることを特徴とする樹脂成形方法。
  9. 請求項7に記載された樹脂成形方法において、
    前記保持する工程では、前記樹脂収容枠の内側面において吊り下げられ前記昇降部材に取り付けられた係止部材によって前記昇降部材の下降を止めることを特徴とする樹脂成形方法。
  10. 請求項7〜9のいずれか1つに記載された樹脂成形方法において、
    前記樹脂材料は粒状、顆粒状、粉状、ペースト状、又は、常温で液状の樹脂のいずれかであることを特徴とする樹脂成形方法。
  11. 請求項7〜10のいずれか1つに記載された樹脂成形方法において、
    前記昇降部材が耐摩耗性を有する材料によって形成されることを特徴とする樹脂成形方法。
  12. 請求項7〜11のいずれか1つに記載された樹脂成形方法において、
    前記樹脂材料を供給する供給モジュールを準備する工程と、
    前記成形型と前記成形型を型締めする型締め機構とを有する少なくとも1個の成形モジュールを準備する工程とを備え、
    前記供給モジュールと前記1個の成形モジュールとが着脱可能であり、
    前記1個の成形モジュールが他の成形モジュールに対して着脱可能であることを特徴とする樹脂成形方法。
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