JP6237084B2 - 硬化性組成物、硬化膜及びその形成方法、並びに塩基発生剤 - Google Patents

硬化性組成物、硬化膜及びその形成方法、並びに塩基発生剤 Download PDF

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本発明は、硬化性組成物、硬化膜及びその形成方法、並びに塩基発生剤に関する。
硬化性組成物は、簡便な塗布プロセスによって硬化膜を大量かつ容易に形成することができることから、今日では広く用いられている。特に、感放射線性を有する硬化性組成物は、その硬化膜のパターン形成も容易であるため、液晶デバイス、半導体デバイス等の材料の他、光硬化性インキ、感光性印刷版等にも広く利用されている。このような硬化性組成物は、一般に樹脂及び硬化剤を含有する。
この硬化剤の代表的なものとしては、熱又は放射線の作用で塩基を発生する塩基発生剤が挙げられる。この塩基発生剤によれば、熱や放射線の作用によって発生する塩基を触媒として化学変性により上記樹脂を硬化させることで、硬化膜を形成することができる。また、この樹脂の化学変性前後における溶解性の違いを利用してパターンの形成も可能となる。さらに、熱や放射線を受けない限り塩基発生剤は安定に存在するため、この塩基発生剤を含有する硬化性組成物は保存安定性にも優れる。
このような塩基発生剤としては、[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]シクロヘキシルアミン等のニトロベンジルカルバメート系の光塩基発生剤が広く用いられている(特開2006−189591号公報及び特開平7−140663号公報参照)。また、熱塩基発生剤としては、N−アリル−N’,N’−ジアルキルウレア、N−フェニルイミダゾールカルボキサミド等が提案されている(Journal of Polymer Science,Part A,Polymer Chemistry,Vol.48,5298−5305,2010、及びJournal of Applied Polymer Science,Vol.104,3292−3300,2007)。
しかし、これら従来の塩基発生剤は、硬化膜形成用樹脂組成物とした際の室温及びそれに近い温度条件下での保存安定性と、比較的低温下での硬化性とを両立できるものではない。また、従来の塩基発生剤を用いた樹脂組成物から形成される硬化膜は、耐溶剤性等の特性が不十分である。
特開2006−189591号公報 特開平7−140663号公報
Journal of Polymer Science,Part A,Polymer Chemistry,Vol.48,5298−5305,2010 Journal of Applied Polymer Science,Vol.104,3292−3300,2007
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、保存安定性及び低温硬化性を両立でき、耐溶剤性に優れる硬化膜を形成可能な硬化性組成物を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、下記式(1−1)及び式(1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1つで表される塩基発生剤、並びに重合性化合物を含有する硬化性組成物である。
Figure 0006237084
(式(1−1)及び式(1−2)中、R〜Rは、それぞれ独立して、下記式(2−1)で表される1価の基、式(2−2)で表される1価の基、式(2−3)で表される1価の基、式(2−4)で表される1価の基又は水素原子である。但し、R〜Rのうちの少なくとも1つは下記式(2−1)、式(2−2)、式(2−3)又は式(2−4)で表される1価の基である。R〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基、炭素数4〜20の複素環基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロソ基、メルカプト基、トリアルキルシリル基、シラノール基、スルフィノ基、フォスフェート基、アシル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、又はスルホ基である。)
Figure 0006237084
(式(2−1)、式(2−2)、式(2−3)及び式(2−4)中、W〜Wは、それぞれ独立して、水素原子、酸素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜24の脂環式炭化水素基、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基、炭素数4〜20の複素環基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数3〜24のハロゲン化脂環式炭化水素基、炭素数6〜24のハロゲン化芳香族炭化水素基、メトキシフェニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロソ基、メルカプト基、スルフィノ基、フォスフェート基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、クロロフェニル基、アセトフェニル基、ニトロフェニル基、メチルフェニル基又は2−メトキシエチルエーテル基である。l及びmは、0〜18の整数である。nは、1〜100の整数である。l、m又はnが2以上の場合、複数のW〜Wは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
上記課題を解決するためになされた別の発明は、当該硬化性組成物から形成された硬化膜である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、基板上に塗膜を形成する工程、上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、放射線を照射された塗膜を現像する工程、及び現像された塗膜を加熱する工程を備え、上記塗膜を感放射線性を有する当該硬化性組成物により形成する硬化膜の形成方法である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、下記式(1−1)及び式(1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1つで表される塩基発生剤である。
Figure 0006237084
(式(1−1)及び式(1−2)中、R〜Rは、それぞれ独立して、下記式(2−1)で表される1価の基、式(2−2)で表される1価の基、式(2−3)で表される1価の基、式(2−4)で表される1価の基又は水素原子である。但し、R〜Rのうちの少なくとも1つは下記式(2−1)、式(2−2)、式(2−3)又は式(2−4)で表される1価の基である。R〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基、炭素数4〜20の複素環基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロソ基、メルカプト基、トリアルキルシリル基、シラノール基、スルフィノ基、フォスフェート基、アシル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、又はスルホ基である。)
Figure 0006237084
(式(2−1)、式(2−2)、式(2−3)及び式(2−4)中、W〜Wは、それぞれ独立して、水素原子、酸素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜24の脂環式炭化水素基、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基、炭素数4〜20の複素環基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数3〜24のハロゲン化脂環式炭化水素基、炭素数6〜24のハロゲン化芳香族炭化水素基、メトキシフェニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロソ基、メルカプト基、スルフィノ基、フォスフェート基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、クロロフェニル基、アセトフェニル基、ニトロフェニル基、メチルフェニル基又は2−メトキシエチルエーテル基である。l及びmは、0〜18の整数である。nは、1〜100の整数である。l、m又はnが2以上の場合、複数のW〜Wは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
本発明の硬化性組成物は、保存安定性及び低温硬化性に優れ、かつ十分な耐溶剤性を有する硬化膜を提供できる。本発明の硬化膜は、十分な耐溶剤性を有する。本発明の硬化膜の形成方法は、十分な耐溶剤性を有する硬化膜を提供できる。本発明の塩基発生剤は、保存安定性及び低温硬化性に優れる硬化性組成物を提供できる。従って、本発明によれば、液晶デバイス、半導体デバイス等の材料として各種用途に好適に用いることができる硬化膜を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を、硬化性組成物、硬化膜、硬化膜の形成方法、塩基発生剤の順に詳説する。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、[A]塩基発生剤及び[B]重合性化合物を含有し、好適成分として、[C]アルカリ可溶性樹脂、[D]溶剤を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない限り、その他の任意成分を含有していてもよい。以下、各成分について詳述する。
<[A]塩基発生剤>
[A]塩基発生剤は、加熱又は放射線照射により塩基性を示す化合物である。[A]塩基発生剤は、上記式(1−1)及び式(1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1つで表される化合物(以下「化合物(A)」ともいう)からなる。この[A]塩基発生剤は、化合物(A)からなることにより、室温及びそれに近い温度条件下での安定性に優れると共に、熱及び放射線に対する感度が高い。そのため、[A]塩基発生剤を用いた当該硬化性組成物は、140℃〜200℃程度の比較的低い温度でも良好な硬化性、正確なパターン形成性を示す。この硬化性組成物は、十分な耐溶剤性を有する硬化膜を形成することができる。以下、化合物(A)について詳述する。
[化合物(A)]
化合物(A)は、上記式(1−1)及び式(1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1つで表される化合物が有する特定構造により、室温及びそれに近い温度での保存安定性に優れると共に比較的低温での反応性に優れる。
上記式(1−1)及び式(1−2)中、R〜Rは、それぞれ独立して、下記式(2−1)で表される1価の基、式(2−2)で表される1価の基、式(2−3)で表される1価の基、式(2−4)で表される1価の基又は水素原子である。但し、R〜Rのうちの少なくとも1つは下記式(2−1)、式(2−2)、式(2−3)又は式(2−4)で表される1価の基である。R〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基、炭素数4〜20の複素環基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロソ基、メルカプト基、トリアルキルシリル基、シラノール基、スルフィノ基、フォスフェート基、アシル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、又はスルホ基である。
上記R〜R12で表されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
上記R〜R12で表される炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
上記R〜R12で表される炭素数3〜20の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等の単環式飽和炭化水素基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環式不飽和炭化水素基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、アダマンチル基等の多環式飽和炭化水素基などが挙げられる。
上記R〜R12で表される炭素数6〜24の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
上記R〜R12で表される炭素数4〜20の複素環基としては、例えばピリジル基、ピリミジル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ジオキソラニル基、ベンゾオキサゾール−2−イル基、テトラヒドロピラニル基、チオフェニル基、ジベンゾチオフェニル基、ピロリジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルホリニル基等が挙げられる。
上記R〜R12で表される炭素数1〜12のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。
上記R〜R12で表されるモノアルキルアミノ基としては、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基等が挙げられる。
上記R〜R12で表されるジアルキルアミノ基としては、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基等が挙げられる。
上記R〜R12で表されるトリアルキルシリル基としては、例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等が挙げられる。
上記式(2−1)、式(2−2)、式(2−3)及び式(2−4)中、W〜Wは、それぞれ独立して、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜24の脂環式炭化水素基、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基、炭素数4〜20の複素環基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数3〜24のハロゲン化脂環式炭化水素基、炭素数6〜24のハロゲン化芳香族炭化水素基、メトキシフェニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロソ基、メルカプト基、スルフィノ基、フォスフェート基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、クロロフェニル基、アセトフェニル基、ニトロフェニル基、メチルフェニル基又は2−メトキシエチルエーテル基である。l及びmは、0〜18の整数である。nは、1〜100の整数である。l、m又はnが2以上の場合、複数のW〜Wは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記W〜Wで表されるハロゲン原子としては、例えば上記R〜R12で表されるハロゲン原子と同様なものが挙げられる。
上記W〜Wで表される炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜24の脂環式炭化水素基、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基、炭素数4〜20の複素環基及び炭素数1〜12のアルコキシ基としては、例えば上記R〜R12で表されるアルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基及びアルコキシ基と同様なものが挙げられる。
上記W〜Wで表される炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数3〜24のハロゲン化脂環式炭化水素基及び炭素数6〜24のハロゲン化芳香族炭化水素基としては、例えば上記R〜R12で表されるアルキル基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基として例示した基の水素原子の少なくとも一部をハロゲン原子で置換した基が挙げられる。
上記W〜Wで表されるモノアルキルアミノ基及びジアルキルアミノ基としては、例えば上記R〜R12で表されるモノアルキルアミノ基及びジアルキルアミノ基と同様なものが挙げられる。
化合物(A)としては、例えば下記式(A−1)〜(A−13)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006237084
<化合物(A)の合成方法>
化合物(A)は、公知の技術を組み合わせて合成することができる。例えば上記式(A−1)で表される化合物(A)の合成方法としては、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンゾイミダゾールに塩化ベンジルを反応させる方法等が挙げられる。また、上記式(A−2)で表される化合物(A)の合成方法としては、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンゾイミダゾールに4−メトキシベンジルクロリドを反応させる方法等が挙げられる。これら以外の化合物(A)も上記方法に準じて、又は上記方法の一部を変更することにより合成することができる。
[A]塩基発生剤の含有量としては、当該硬化性組成物の全固形分に対して0.001質量%以上20質量%以下が好ましく、0.01質量%以上10質量%以下がより好ましい。[A]塩基発生剤の含有量が上記範囲を超えると、硬化性組成物の保存安定性が低下するおそれがある。一方、[A]塩基発生剤の含有量が上記範囲未満であると、硬化性組成物の保存安定性及び低温硬化性を十分に改善することができないおそれがある。
<[B]重合性化合物>
[B]重合性化合物は、加熱又は放射線照射により[A]塩基発生剤が塩基性を示すことで、重合性化合物の一部に変性が起き、硬化膜の形成に寄与するものである。これにより、当該硬化性組成物は、硬化膜を形成できると共に、得られる硬化膜のアルカリ現像液により溶け難くなるため、ネガ型のパターン形成用組成物として好適に用いることができる。
[B]重合性化合物は、一般的に単官能又は多官能のモノマー、オリゴマー又はポリマーの形であってよい。
[B]重合性化合物としては、1分子中に1個又は2個以上のエポキシ基を有する化合物、エチレン性不飽和基含有化合物が好ましい。なお、本発明においてエポキシ基とは、環状エーテル構造を有する基である。代表的な環状エーテル構造としては、3員環(オキシラニル基)、4員環(オキセタニル基)等が挙げられる。
分子内に1個のエポキシ基を有する[B]重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル、α−エチルアクリル酸3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、3−メチル−3−(メタ)アクリロイロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロイロキシメチルオキセタン、フェニルグリシジルエーテル、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジエトキシシラン;高級脂肪酸のグリシジルエステル類等が挙げられる。
分子内に2個以上のエポキシ基を有する[B]重合性化合物としては、例えば、
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールADジグリシジルエーテル等のビスフェノール型ジグリシジルエーテル類;
ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂;
環状脂肪族エポキシ樹脂;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;
ポリフェノール型エポキシ樹脂;
脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;
脂肪族ポリグリシジルエーテル類;
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などが挙げられる。
分子内に2個以上のエポキシ基を有する[B]重合性化合物の市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、「エピコート1001」、「エピコート1002」、「エピコート1003」、「エピコート1004」、「エピコート1007」、「エピコート1009」、「エピコート1010」、「エピコート828」(以上、ジャパンエポキシレジン社)等;
ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、「エピコート807」(ジャパンエポキシレジン社)等;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、「エピコート152」、「エピコート154」、「エピコート157S65」(以上、ジャパンエポキシレジン社)、「EPPN201」、「EPPN202」(以上、日本化薬社)等;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、「EOCN102」、「EOCN103S」、「EOCN104S」、「EOCN1020」、「EOCN1025」、「EOCN1027」(以上、日本化薬社)、「エピコート180S75」(ジャパンエポキシレジン社)等;
ポリフェノール型エポキシ樹脂として、「エピコート1032H60」、「エピコートXY−4000」(以上、ジャパンエポキシレジン社)等;
環状脂肪族エポキシ樹脂として、「CY−175」、「CY−177」、「CY−179」、「アラルダイトCY−182」、「アラルダイトCY−192」、「アラルダイトCY−184」(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社)、「ERL−4234」、「ERL−4299」、「ERL−4221」、「ERL−4206」(以上、U.C.C社)、「ショーダイン509」(昭和電工社)、「エピクロン200」、「エピクロン400」(以上、大日本インキ社)、「エピコート871」、「エピコート872」(以上、ジャパンエポキシレジン社)、「ED−5661」、「ED−5662」(以上、セラニーズコーティング社)等;
脂肪族ポリグリシジルエーテルとして、「ED−212」、「ED−411」(以上、ナガセケムテックス社)、「エポライト100MF」(共栄社化学社)、「エピオールTMP」(日本油脂社)等が挙げられる。
エチレン性不飽和基を有する[B]重合性化合物としては、例えば、
トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;
テトラエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAのEO変性ジアクリレート、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;
両末端ヒドロキシポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトン等の両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類;
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールアルカン、テトラメチロールアルカン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;
トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、3価以上の多価アルコールのポリアルキレングリコール付加物のポリ(メタ)アクリレート類;
1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベンゼンジオール類等の環式ポリオールのポリ(メタ)アクリレート類;
ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコーン樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹脂(メタ)アクリレート等のオリゴ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
これら重合性化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのうち、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
[B]重合性化合物の含有量としては、[A]塩基発生剤100質量部に対して、100質量部以上1,000,000質量部以下が好ましく、200質量部以上500,000質量部以下がより好ましい。[B]重合性化合物の含有量を上記範囲とすることにより、熱又は放射線に対する感度が高く、硬化膜の耐溶剤性をより向上させることができる。
<[C]アルカリ可溶性樹脂>
[C]アルカリ可溶性樹脂は、当該硬化性組成物において、現像性を向上させ、より正確なパターンを有する硬化膜の形成に寄与するものである。このような[C]アルカリ可溶性樹脂としては、アルカリ現像液に可溶性の樹脂であれば特に限定されないが、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましく、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(以下、「化合物(C1)」ともいう)と、上記(C1)以外の不飽和化合物(以下、「化合物(C2)」ともいう)との共重合体(以下、「共重合体(C)」ともいう)が好ましい。
上記化合物(C1)としては、例えば
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のモノカルボン酸;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等のジカルボン酸;
上記ジカルボン酸の酸無水物などが挙げられる。
これらのうち、化合物(C1)としては、共重合反応性、得られる共重合体のアルカリ現像液に対する溶解性等の観点から、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、無水マレイン酸が好ましい。
共重合体(C)の合成において、化合物(C1)は、1種又は2種以上を混合して使用することができる。共重合体(C)において、化合物(C1)に由来する構造単位の含有率としては、5質量%以上60質量%以下が好ましく、7質量%以上50質量%以下がより好ましく、8質量%以上40質量%以下がさらに好ましい。化合物(C1)に由来する構造単位の含有率を上記範囲とすることにより、熱又は放射線に対する感度及びアルカリ現像性が両立された硬化性組成物が得られる。
上記化合物(C2)としては、例えば
アクリル酸メチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル等のアクリル酸アルキルエステル;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル等のメタクリル酸アルキルエステル;
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、アクリル酸2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル、アクリル酸イソボロニル等のアクリル酸脂環式エステル;
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、メタクリル酸2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル、メタクリル酸イソボロニル等のメタクリル酸脂環式エステル;
アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピルエステル等のアクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類;
メタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピルエステル等のメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類;
アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸のアリールエステル又はアラルキルエステル;
メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸のアリールエステル又はアラルキルエステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル;
アクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、アクリル酸テトラヒドロピラン−2−イル、アクリル酸2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル等の含酸素複素5員環又は含酸素複素6員環を有するアクリル酸エステル;
メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、メタクリル酸テトラヒドロピラン−2−イル、メタクリル酸2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル等の含酸素複素5員環又は含酸素複素6員環を有するメタクリル酸エステル;
スチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等のビニル芳香族化合物;
1,3−ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系化合物;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどが挙げられる。
これらのうち、化合物(C2)としては、共重合反応性の観点からメタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、スチレン、p−メトキシスチレン、メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、1,3−ブタジエン、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステルが好ましい。
共重合体(C)の合成において、化合物(C2)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。共重合体(C)において、化合物(C2)に由来する構造単位の含有率としては、20質量%以上95質量%以下が好ましく、30質量%以上90質量%以下がより好ましく、40質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。化合物(C2)に由来する構造単位の含有率を上記範囲とすることにより、熱又は放射線に対する感度及びアルカリ現像性が両立された硬化性組成物が得られる。
共重合体(C)は、ラジカル重合開始剤の存在下で化合物(C1)及び化合物(C2)をラジカル(共)重合することによって得ることができ、たとえば、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法などによって製造される。
共重合体(C)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、2,000〜100,000が好ましく、5,000〜50,000がより好ましい。共重合体(C)のMwを上記範囲とすることにより、熱又は放射線に対する感度及びアルカリ現像性が両立された硬化性組成物が得られ、耐熱性が高い硬化膜を得ることができる。
[C]アルカリ可溶性樹脂の含有量としては、[A]塩基発生剤100質量部に対して、通常1,000,000質量部以下が好ましく、100質量部以上500,000質量部以下がより好ましい。[C]アルカリ可溶性樹脂の含有量を上記範囲とすることにより、現像性により優れた硬化性組成物を得ることができる。
<[D]溶剤>
溶剤としては、当該硬化性組成物中の他の成分を均一に溶解又は分散し、上記他の成分と反応しないものが好適に用いられる。このような溶剤としては、例えば、アルコール類、エーテル類、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、芳香族炭化水素類、ケトン類、他のエステル類等が挙げられる。
上記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、3−フェニル−1−プロパノール等が挙げられる。
上記エーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
上記グリコールエーテルとして、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
上記エチレングリコールアルキルエーテルアセテートとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
上記ジエチレングリコールアルキルエーテルとしては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等が挙げられる。
上記プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
上記プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
上記プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネートとしては、例えば、プロピレンモノグリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等が挙げられる。
上記他のエステル類としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチル等が挙げられる。
これらの溶剤の中で、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、メトキシ酢酸ブチルが好ましく、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシ酢酸ブチルがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがさらに好ましい。
当該硬化性組成物において、[D]溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。[D]溶剤の含有量としては、当該硬化性組成物の全固形分100質量部に対して、通常50,000質量部以下であり、100質量部以上30,000質量部以下がより好ましい、200質量部以上15,000質量部以下がさらに好ましい。[D]溶剤の含有量を上記範囲とすることにより、各成分の溶解性、各成分との非反応性、被膜形成の容易性、基板上に塗膜を形成する際の塗布ムラを低減することができる。
<その他の任意成分>
その他の任意成分としては、例えば[E]光重合開始剤、[F]界面活性剤、[G]上記[A]成分以外の塩基発生剤(以下、「[G]その他の塩基発生剤」ともいう)、[H]密着助剤等が挙げられる。
([E]光重合開始剤)
[E]光重合開始剤は、当該硬化性組成物に[B]重合性化合物を含有させる場合に使用することが好ましいものである。
[E]光重合開始剤としては、例えば
ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、カンファーキノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−〔4’−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のカルボニル化合物;
アゾイソブチロニトリル、4−アジドベンズアルデヒド等のアゾ化合物又はアジド化合物;
メルカプタンジスルフィド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等の有機硫黄化合物;
ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、パラメタンハイドロパーオキシド等の有機パーオキシド;
1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−(2−フラニル)エチレニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン等のトリハロメタン類;
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル1,2’−ビイミダゾール等のイミダゾール二量体などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[E]光重合開始剤の含有量としては、[B]重合性化合物100質量部に対して、通常1質量部以上200質量部以下であり、5質量部以上150質量部以下が好ましい。
([F]界面活性剤)
[F]界面活性剤は、当該硬化性組成物の被膜形成性を向上させるために使用することができる。このような界面活性剤としては、例えばフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤の例としては、特開2012−226181号公報、特開2013−23414号公報に記載の界面活性剤を挙げることができ、市販の界面活性剤を用いることもできる。使用できる市販の界面活性剤として、例えば「エフトップEF301」、「エフトップEF303」、「エフトップEF」352(以上、新秋田化成社)、「フタージェントFT−100」、「フタージェントFT−110」、「フタージェントFT−140A」、「フタージェントFT−150」、「フタージェントFT−250」、「フタージェントFT−251」、「フタージェントFT−300」、「フタージェントFT−310」、「フタージェントFT−400S」、「フタージェントFTX−218」、「フタージェントFTX−251」(以上、ネオス社)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。また、「SH−190」、「SH−193」、「SZ−6032」、「SF−8428」、「DC−57」、「DC−190」(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
これら界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、フッ素系界面活性剤とシリコン系界面活性剤とを併用してもよい。
当該硬化性組成物において、[F]界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。[F]界面活性剤の含有量としては、[A]塩基発生剤100質量部に対して、通常1,000質量部以下であり、0.5質量部以上500質量部以下がより好ましい。[F]界面活性剤の含有量を上記範囲とすることにより、基板上に塗膜を形成する際の塗布ムラを低減することができる。
([G]その他の塩基発生剤)
[G]その他の塩基発生剤としては、例えば、N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン、トリフェニルメタノール、O−カルバモイルヒドロキシアミド、O−カルバモイルオキシム、4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、ヘキサアンミンコバルト(III)トリス(トリフェニルメチルボレート)等が挙げられる。
[G]その他の塩基発生剤の含有量としては、[A]塩基発生剤100質量部に対して、通常10,000質量部以下、50質量部以上5,000質量部以下がより好ましい。[G]その他の塩基発生剤の含有量を上記範囲とすることによって、当該硬化性組成物は、低加熱量又は低露光量の場合でも、高い感度を示し、十分な耐溶剤性を有する硬化膜を形成することができる。
([H]密着助剤)
[H]密着助剤は硬化膜と基板との密着性を向上させるために使用することができる。このような密着助剤としては、カルボキシル基、メタクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、オキシラニル基等の反応性官能基を有する官能性シランカップリング剤が好ましい。このような官能性シランカップリング剤としては、例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの密着助剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[H]密着助剤の含有量としては、[A]塩基発生剤100質量部に対して、通常0質量部以上20,000質量部以下であり、0.05質量部以上10,000質量部以下がより好ましい。当該硬化性組成物は、[H]密着助剤等の含有量を上記範囲とすることによって、基板等の硬化膜形成対象物に対する硬化膜の密着性を改善しつつ、パターン形成能を高いレベルに保つことができる。
当該硬化性組成物は、感放射線性を有することが好ましい。当該硬化性組成物が感放射線性を有すると、フォトマスクを介した放射線照射により、所望のパターンを有する硬化膜を形成することができる。このようなパターンを有する硬化膜は、液晶デバイスや半導体デバイスの保護膜等として好適に用いられる。
<硬化性組成物の調製>
当該硬化性組成物は、[A]塩基発生剤及び[B]重合性化合物、好適成分である[C]アルカリ可溶性樹脂、[D]溶剤並びにその他の任意成分を均一に混合することによって調製される。この硬化性組成物は、[D]溶剤に溶解されて溶液状態で用いられることが好ましいが、溶剤を省略してもよい。
当該硬化性組成物における固形分濃度(組成物溶液中に占める溶剤以外の成分の割合)は、使用目的や所望の膜厚等に応じて設定することができる。調製された硬化性組成物の溶液は、孔径0.05μm〜0.5μm程度のミリポアフィルタ等を用いてろ過した後、使用に供することもできる。
<硬化膜>
本発明の硬化膜は、当該硬化性組成物から形成されたものである。当該硬化膜は、優れた耐溶剤性を有する。このような硬化膜は、高い表面硬度が要求される用途に好適に適用することができ、例えば液晶デバイスや半導体デバイスの保護膜、絶縁膜、平坦化膜、レジストパターン等に好適に用いることができる。
<硬化膜の形成方法>
本発明の硬化膜の形成方法は、下記工程を含む。この形成方法によると、良好なパターンを有し、耐溶剤性に優れる硬化膜を形成することができる。なお、下記放射線照射工程及び下記現像工程は、パターン形成が必要な場合において行うことができ、パターン形成の必要がない場合には省略してもよい。
当該硬化膜の形成方法は、
基板上に塗膜を形成する工程(以下、「塗膜形成工程」ともいう)、
上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程(以下、「放射線照射工程」ともいう)、
放射線を照射された塗膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)、及び
現像された塗膜を加熱する工程(以下、「加熱工程」ともいう)
を含む。以下、各工程について説明する。
[塗膜形成工程]
この塗膜形成工程は、本発明の硬化性組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程である。上記基板としては特に限定されず、例えば透明基板、金属基板等が挙げられる。この透明基板としては、例えばガラス基板、樹脂基板等が挙げられる。ガラス基板としては、例えばソーダライムガラス、無アルカリガラス等からなる基板が挙げられる。樹脂基板としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド等からなる基板を挙げることができる。
基板上への当該硬化性組成物の塗布方法としては、特に限定されず、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット塗布法等の方法を採用することができる。これらの塗布方法の中でも、特にスピンコート法、スリットダイ塗布法が好ましい。
塗膜形成に使用される当該硬化性組成物の固形分濃度としては、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましく、15質量%以上35質量%以下がさらに好ましい。
基板上への当該硬化性組成物を塗布した後は、塗布面を加熱(プレベーク)することが好ましい。
上記プレベークの条件は、各成分の種類や配合割合等によっても異なるが、好ましくは70℃〜120℃で1分間〜15分間程度である。プレベーク後の被膜の膜厚としては、好ましくは0.3μm〜10μmであり、より好ましくは1.0μm〜7.0μm程度である。
[放射線照射工程]
この放射線照射工程は、上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程である。塗膜の一部への放射線の照射は、例えば所定のパターンを有するフォトマスクを介して行うことができる。
照射に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線等が挙げられる。放射線の波長としては、250nm〜550nmの範囲が好ましい。
放射線照射量(露光量)としては、照射される放射線の波長365nmにおける強度を照度計(Optical Associates Inc.社の「OAI model 356」)により測定した値として、100J/m〜5,000J/mが好ましく、200J/m〜3,000J/mがより好ましく、250J/m〜2,000J/mがさらに好ましい。当該形成方法によると、当該硬化性組成物の放射線感度が高いため、上記放射線照射量をより低減することができる。
[現像工程]
この現像工程は、上記放射線を照射された塗膜を現像する工程である。この現像工程により、不要な部分を除去して所定のパターンを形成することができる。
現像に使用される現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の無機アルカリ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩などのアルカリ(塩基性化合物)の水溶液が挙げられる。これらのアルカリ水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤及び界面活性剤の少なくとも一方を適当量添加してもよい。アルカリ水溶液におけるアルカリの濃度としては、適当な現像性を得る観点から、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、シャワー法等が挙げられる。
[加熱工程]
この加熱工程は、現像された塗膜を加熱(ポストベーク)する工程である。上記現像工程の後、パターニングされた塗膜に対して、好ましくは流水洗浄を30秒間〜90秒間行った後、圧縮空気や圧縮窒素で風乾する。次いで、ホットプレート、オーブン等の適当な加熱装置により、通常120℃以上250℃以下、好ましくは130℃以上230℃以下、より好ましくは140℃以上200℃以下で加熱することで高い表面硬度を有する硬化膜を得ることができる。加熱時間としては、ホットプレートによる加熱の場合、例えば5分間〜60分間とされ、オーブンによる加熱の場合、例えば30分間〜180分間とされる。
<塩基発生剤>
本発明の塩基発生剤は、上記式(1−1)及び式(1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1つで表される化合物からなる。この塩基発生剤については、当該硬化性組成物の[A]塩基発生剤として上述している。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
まず、物性の測定方法及び評価方法について説明する。
H−NMRの測定]
H−NMRは、核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−ECS400」(400MHz))を用いて25℃で測定した。
[重量平均分子量Mwの測定]
重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置(昭和電工社の「GPC−101」)を用いて測定したポリスチレン換算分子量である。GPC装置による測定は、GPCカラムとして「GPC−KF−801」、「GPC−KF−802」、「GPC−KF−803」及び「GPC−KF−804」(以上、昭和電工社)を連結したもの、溶剤としてTHF(テトラヒドロフラン)を用い、測定温度40℃の条件で行った。
<[A]塩基発生剤の合成>
[実施例1]
下記合成スキームに従って下記式(A−1)で表される化合物(以下、「化合物(A−1)」ともいう)を合成した。
Figure 0006237084
加熱乾燥後の二口フラスコに2−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンズイミダゾール(シグマアルドリッチ社)0.400g(1.90mmol)、塩化ベンジル(シグマアルドリッチ社)0.352g(2.25mmol)、炭酸セシウム(シグマアルドリッチ社)0.948g(2.91mmol)、及びアセトニトリル(シグマアルドリッチ社)12.0mLを入れ、室温で18時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により化合物(A−1)の生成を確認した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、塩基発生剤としての化合物(A−1)を得た。
化合物(A−1)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR(DMSO−d);
δ5.51(2H,s),δ7.07(1H,t),δ7.18−7.29(4H,m),δ7.33−7.39(3H,m),δ7.49(2H,d),δ7.59−7.66(2H,m),δ8.26(1H,d).
[実施例2]
下記合成スキームに従って下記式(A−2)で表される化合物(以下、「化合物(A−2)」ともいう)を合成した。
Figure 0006237084
加熱乾燥後の二口フラスコに2−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンズイミダゾール(シグマアルドリッチ社)0.600g(2.85mmol)、4−メトキシベンジルクロライド(シグマアルドリッチ社)0.508g(3.25mmol)、炭酸セシウム(シグマアルドリッチ社)1.42g(4.36mmol)、及びアセトニトリル(シグマアルドリッチ社)12.0mLを入れ、室温で18時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により化合物(A−2)の生成を確認した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、塩基発生剤としての化合物(A−2)を得た。
化合物(A−2)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR(DMSO−d);
δ3.71(3H,s),δ5.44(2H,s),δ6.90(2H,d),δ7.06(1H,t),δ7.18−7.23(3H,m),δ7.37(1H,t),δ7.44(2H,d),δ7.60−7.66(2H,m),δ8.26(1H,d).
[実施例3]
4−メトキシベンジルクロライドに代えて、2−ニトロベンジルブロミド(シグマアルドリッチ社)0.702g(3.25mmoL)を使用した以外は実施例2と同様とし、下記合成スキームに従って、下記式(A−3)で表される化合物(以下、「化合物(A−3)」ともいう)を合成した。
Figure 0006237084
化合物(A−3)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR(DMSO−d);
δ5.61(2H,s),δ7.08−7.13(2H,m),δ7.54−7.60(3H,m),δ7.67−7.80(4H,m),δ7.90(1H,t),δ8.20(1H,d),δ8.31(1H,d).
[実施例4]
下記合成スキームに従って下記式(A−4)で表される化合物(以下、「化合物(A−4)」ともいう)を合成した。
Figure 0006237084
加熱乾燥後の二口フラスコに2−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンズイミダゾール(シグマアルドリッチ社)0.500g(2.38mmol)、4−メチルベンジルクロライド(シグマアルドリッチ社)0.435g(3.09mmol)、炭酸セシウム(シグマアルドリッチ社)1.16g(3.56mmol)、及びアセトニトリル(シグマアルドリッチ社)10.0mLを入れ、室温で18時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により化合物(A−4)の生成を確認した後、エタノールによる再結晶により精製し、塩基発生剤としての(A−4)を得た。
化合物(A−4)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR(DMSO−d);
δ2.26(3H,s),δ5.46(2H,s),δ7.06(1H,t),δ7.14−7.21(5H,m),δ7.33−7.39(3H,m),δ7.60−7.66(2H,m),δ8.26(1H,d).
[実施例5]
4−メトキシベンジルクロライドに代えて、4−クロロベンジルクロライド(シグマアルドリッチ社)0.460g(2.86mmol)を使用した以外は実施例4と同様とし、下記合成スキームに従って、下記式(A−5)で表される化合物(以下、「化合物(A−5)」ともいう)を合成した。
Figure 0006237084
化合物(A−5)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR(DMSO−d);
δ5.50(2H,s),δ7.09(1H,t),δ7.16−7.21(3H,m),δ7.36−7.66(8H,m),δ8.28(1H,d).
[実施例6]
2−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンズイミダゾールに代えて2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール(シグマアルドリッチ社)0.331g(1.90mmol)を使用した以外は実施例1と同様とし、下記合成スキームに従って、下記式(A−6)で表される化合物(以下、「化合物(A−6)」ともいう)を合成した。
Figure 0006237084
化合物(A−6)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR(DMSO−d);
δ3.60(3H,s),δ5.42(2H,s),δ7.01(1H,m),δ7.09(1H,s),δ7.16(1H,d),δ7.25−7.40(5H,m),δ7.50−7.53(2H,m),δ8.19(1H,d).
[実施例7]
下記合成スキームに従って下記式(A−7)で表される化合物(以下、「化合物(A−7)」ともいう)を合成した。
Figure 0006237084
一口フラスコにサリチルアルデヒド(シグマアルドリッチ社)0.611g(5.00mmol)、ジアセチル(シグマアルドリッチ社)0.430g(5.00mmol)、酢酸アンモニウム(シグマアルドリッチ社)2.31g(30.0mmol)、及び酢酸(シグマアルドリッチ社)5.00mLを入れ、オイルバスで120℃、5時間撹拌した。反応後室温へ戻し、3%アンモニア水溶液に反応溶液を加えた。沈殿を濾過により取り除き、濾液を濃縮した。酢酸エチルによる再結晶により精製し、2−(4,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)フェノールを得た。
加熱乾燥後の二口フラスコに、得られた2−(4,5−ジメチル−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール0.358g(1.90mmol)、塩化ベンジル(シグマアルドリッチ社) 0.352g(2.25mmol)、炭酸セシウム(シグマアルドリッチ社)0.948g(2.91mmol)、及びアセトニトリル(シグマアルドリッチ社)12.0mLを入れ、室温で18時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により化合物(A−7)の生成を確認した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、塩基発生剤としての化合物(A−7)を得た。
化合物(A−7)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR(DMSO−d);
δ2.10(3H,s),δ2.24(3H,s),δ5.55(2H,s),δ7.04−7.10(2H,m),δ7.16−7.40(5H,m),δ7.62(1H,m),δ8.21(1H,d).
[実施例8]
下記合成スキームに従って下記式(A−8)で表される化合物(以下、「化合物(A−8)」ともいう)を合成した。
Figure 0006237084
加熱乾燥後の二口フラスコに2−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンズイミダゾール(シグマアルドリッチ社)0.300g(1.43mmol)、塩化ベンジル(シグマアルドリッチ社) 0.242g(1.72mmol)、トリエチルアミン(シグマアルドリッチ社)0.218g(2.16mmol)、及びテトラヒドロフラン(シグマアルドリッチ社)5.00mLを入れ、室温で4時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により化合物(A−8)の生成を確認した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、塩基発生剤としての化合物(A−8)を得た。
化合物(A−8)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR(DMSO−d);
δ7.12(2H,m),δ7.40(2H,m),δ7.47−7.61(5H,m),δ7.72(1H,m),δ8.04(1H,d),δ8.16(2H,d).
[実施例9]
下記合成スキームに従って下記式(A−9)で表される化合物(以下、「化合物(A−9)」ともいう)を合成した。
Figure 0006237084
加熱乾燥後の二口フラスコに2−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンズイミダゾール(シグマアルドリッチ社)0.300g(1.43mmol)、2−メトキシエトキシメチルクロライド(シグマアルドリッチ社)0.214g(1.72mmol)、トリエチルアミン(シグマアルドリッチ社)0.218g(2.16mmol)、及びテトラヒドロフラン(シグマアルドリッチ社)5.00mLを入れ、室温で16時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により化合物(A−9)の生成を確認した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、塩基発生剤としての化合物(A−9)を得た。
化合物(A−9)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR(DMSO−d);
3.46(s,3H),δ3.60(2H,t),δ3.85(2H,t),δ5.62(2H,s),δ6.94(2H,d),δ7.16(1H,m),δ7.39(1H,m),δ7.60−7.68(3H,m),δ8.13(1H,d).
[実施例10]
下記合成スキームに従って下記式(A−10)で表される化合物(以下、「化合物(A−10)」ともいう)を合成した。
Figure 0006237084
一口フラスコに4−ニトロ−o−フェニレンジアミン(シグマアルドリッチ社)0.766g(5.00mmol)、2,4,6−トリヒドロキシベンズアルデヒ(シグマアルドリッチ社)0.771g(5.00mmol)、亜硫酸ナトリウム(シグマアルドリッチ社)0.951g(5.00mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(シグマアルドリッチ社)50mLを入れ、オイルバスで80℃に加熱し、24時間反応させた。反応後室温へ戻し、0℃の水100mLに反応液を加えた。沈殿物を濾過により回収し、2−(6−ニトロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)−1,3,5−ベンゼンを得た。
加熱乾燥後の二口フラスコに、得られた2−(6−ニトロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)−1,3,5−ベンゼン0.546g(1.90mmol)、塩化ベンジル(シグマアルドリッチ社)1.07g(6.83mmol)、炭酸セシウム(シグマアルドリッチ社)2.79g(8.56mmol)、及びアセトニトリル(シグマアルドリッチ社)40.0mLを入れ、60℃で18時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により化合物(A−10)の生成を確認した後、メタノールによる再結晶により精製し、塩基発生剤としての化合物(A−10)を得た。
化合物(A−10)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR(DMSO−d);
δ5.52(6H,s),δ6.12(2H,s),δ7.37−7.50(15H,m),δ7.70(1H,d),δ8.20(1H,d),δ8.35(1H,d).
[実施例11]
下記合成スキームに従って下記式(A−11)で表される化合物(以下、「化合物(A−11)」ともいう)を合成した。
Figure 0006237084
一口フラスコにN−メチル−1,2−フェニレンジアミン(シグマアルドリッチ社)0.611g(5.00mmol)、チオサリチル酸(シグマアルドリッチ社)0.771g(5.00mmol)及びポリリン酸(シグマアルドリッチ社)10gを入れ、オイルバスで200℃に加熱し、4時間反応させた。反応後、反応混合物を100mLの水に加え、水酸化ナトリウム水溶液でpH=6に調製した。沈殿物を濾過により回収し、エタノールにより再結晶することで、1−メチル−2−(2−メルカプトフェニル)−1H−ベンズイミダゾールを得た。
加熱乾燥後の二口フラスコに、得られた1−メチル−2−(2−メルカプトフェニル)−1H−ベンズイミダゾール0.457g(1.90mmol)、塩化ベンジル(シグマアルドリッチ社)0.352g(2.25mmol)、炭酸セシウム(シグマアルドリッチ社)0.948g(2.91mmol)、及びアセトニトリル(シグマアルドリッチ社)12.0mLを入れ、室温で18時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により化合物(A−11)の生成を確認した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、塩基発生剤としての化合物(A−11)を得た。
化合物(A−11)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR (DMSO−d);
δ3.70(3H,s),δ4.56(2H,s),δ7.21−7.44(10H,m),δ7.69−7.71(2H,m),δ7.82(1H,d).
[実施例12]
下記合成スキームに従って、下記式(A−12)で表される化合物(以下、「化合物(A−12)」ともいう)を合成した。
Figure 0006237084
加熱乾燥後の二口フラスコに2−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンズイミダゾール(シグマアルドリッチ社)0.300g(1.43mmol)、イミダゾール(シグマアルドリッチ社)0.277g(4.07mmol)及びテトラヒドロフラン(シグマアルドリッチ社)6.00mLを入れた後、この二口フラスコをアイスバスに浸けて0℃にした。そこへtert−ブチルクロロジメチルシラン(シグマアルドリッチ社)0.431g(2.86mmol)のテトラヒドロフラン溶液(2.00mL)を10分間掛けて滴下した。室温へ戻し、さらに18時間撹拌した。得られた反応液を酢酸エチルで抽出した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー及びヘキサンによる再結晶で精製し、化合物(A−12)を得た。
化合物(A−12)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR (CDCl);
δ0.33(6H,s),δ1.08(9H,s),δ6.99(1H,d),δ7.15(1H,t),δ7.25−7.34(3H,m),δ7.42(1H,d),δ7.82(1H,d),δ8.47(1H,d).
[実施例13]
tert−ブチルクロロジメチルシランに代えて、tert−ブチルクロロジフェニルシラン(シグマアルドリッチ社)0.476g(1.73mmol)を使用した以外は実施例12と同様とし、下記合成スキームに従って、下記式(A−13)で表される化合物(以下、「化合物(A−13)」ともいう)を合成した。
Figure 0006237084
化合物(A−13)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR(DMSO−d);
δ0.84(9H,s),δ6.47(1H,d),δ7.06(2H,m),δ7.22(2H,m),7.38−7.51(7H,m),δ7.67−7.75(6H,m).
[合成例1]
下記合成スキームに従って、下記式(a−1)で表される化合物(以下、「化合物(a−1)」ともいう)を合成した。
Figure 0006237084
加熱乾燥後の二口フラスコに2−クマラノン(シグマアルドリッチ社)2.68g(20.0mmol)、4−アミノメチルピリジン(シグマアルドリッチ社)3.24g(30.0mmol)、及びジオキサン(シグマアルドリッチ社)10mLを入れ、100℃で24時間還流した。次いで、薄層クロマトグラフィー(TLC)により化合物(a−1)の生成を確認した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで化合物(a−1)を得た。
化合物(a−1)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR (DMSO−d);
δ3.63(2H,s),δ4.35(2H,d),δ6.69−7.09(4H,m),δ7.55(2H,d),δ8.42(2H,d),δ9.42(1H,s),δ10.30(1H,s).
<[C]アルカリ可溶性樹脂の合成>
[合成例2]
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(シグマアルドリッチ社)4質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(シグマアルドリッチ社)220質量部を仕込んだ。次いで、スチレン(シグマアルドリッチ社)5質量部、メタクリル酸(シグマアルドリッチ社)10質量部、アクリル酸(シグマアルドリッチ社)4質量部、メタクリル酸ベンジル(シグマアルドリッチ社)31質量部、及びメタクリル酸n−ブチルエステル(シグマアルドリッチ社)45質量部を仕込み、窒素置換した後、さらに1,3−ブタジエン(シグマアルドリッチ社)5質量部を仕込み、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を4時間保持し、さらに100℃で1時間保持して反応させることにより、固形分濃度が31.0質量%の重合体(C−1)を含む溶液を得た。[C]アルカリ可溶性樹脂としての重合体(C−1)について、上記の装置及び条件を用いてMwを測定したところ、13,000であった。
<硬化性組成物の調製>
本実施例の硬化性組成物を構成する成分について以下に示す。
([A]塩基発生剤)
A−1〜A−13:実施例1〜13でそれぞれ合成した化合物
a−1:合成例1で合成した化合物
a−2:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(シグマアルドリッチ社の「PMI」)
a−3:2−フェニル−1H−ベンズイミダゾール(シグマアルドリッチ社の「PBI」)
([B]重合性化合物)
B−1:ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社の「EX−411」)
B−2:1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社の「EX−212」)
B−3:3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(東亞合成社の「OXT−211」
B−4:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社の「KAYARAD
DPHA」)
([C]アルカリ可溶性樹脂)
C−1:合成例2で合成した重合体
([D]溶剤)
D−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
([E]光重合開始剤)
E−1:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(BASF社の「IRG−379」)
([F]界面活性剤)
F−1:フッ素系界面活性剤(ネオス社の「FTX−218」)
[実施例14]
[A]塩基発生剤としての化合物(A−1)5g、[B]重合性化合物としてのペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社の「EX−411」)94g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社の「KAYARAD DPHA」)30g、[C]アルカリ可溶性樹脂としての共重合体(C−1)30g、[E]光重合開始剤としての2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(BASF社の「イルガキュア379」)5g、及び[F]界面活性剤としてのフッ素系界面活性剤(ネオス社の「FTX−218」)1gを混合し、固形分濃度が10質量%となるように[D]溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(D−1)を加えた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタでろ過することにより硬化性組成物の溶液を調製した。
[実施例15〜34及び比較例1〜7]
表1に記載の通りの種類及び量の成分を使用した以外は実施例14と同様の操作を行い、実施例15〜34及び比較例1〜7の硬化性組成物を調製した。

Figure 0006237084

表1中の「−」は、該当する成分を使用しなかったことを示す。
<評価>
本実施例では、下記の方法に従い保存安定性、ゲル化時間及び耐溶剤性を評価した。評価結果については表2に示す。
[保存安定性の評価]
保存安定性は、硬化性組成物の溶液を25℃で保存した際の粘度が、調製時の粘度の10倍の値に達するまでの時間を測定することで評価した。粘度測定には、ELD型粘度計(東京計器社)を用いた。この時間が長いほど保存安定性が良好であるといえる。
[ゲル化時間の評価]
ゲル化時間は、硬化性組成物の溶液を100℃及び140℃で加熱した際のゲル化するまでの時間を評価した。100℃でのゲル化時間が長く、140℃でのゲル化時間が短いほど、硬化温度コントラストが良好であり、低温硬化性に優れているといえる。
[耐溶剤性の評価]
耐溶剤性は、硬化性組成物から形成した硬化膜について、アセトンに浸漬前後の膜厚の変化率として評価した。
(硬化膜の作製)
無アルカリガラス基板上に、硬化性組成物の溶液をスピンナーにより塗布した後、90℃のホットプレート上で3分間プレベークすることで膜厚3μmの塗膜を形成した。
得られた塗膜を30μm×30μmの大きさに調整し、この塗膜に対して、露光ギャップが200μm、波長365nmにおける露光強度が300W/m、露光量300J/mである高圧水銀ランプにより、パターンのマスクを介して露光を行った。
次いで、水酸化カリウム0.05質量%水溶液で25℃、120秒間現像した後、純水で1分間リンスした。さらに、オーブン中、200℃で30分間加熱し、硬化膜を形成した。
(膜厚変化率の測定)
膜厚変化率(%)は、作製後の硬化膜の膜厚(T1)、及びアセトン中に20分間浸漬させた後の膜厚(T2)をそれぞれ測定し、下記式により算出した。なお、膜厚変化率が5%以下の場合、耐溶剤性が良好であるといえる。
膜厚変化率(%)={(T1−T2)/T1}×100
Figure 0006237084
表2の結果から明らかなように、実施例14〜34の硬化性組成物は、保存安定性に優れると共に、比較的低温(100℃〜140℃)でのゲル化時間が短く硬化性に優れていた。実施例14〜34の硬化性組成物により形成された硬化膜は、耐溶剤性に優れるものであった。
これに対し、比較例1〜7の硬化性組成物及び硬化膜は、保存安定性、硬化温度コントラスト(ゲル化時間)及び耐溶剤性のいずれかが劣っていた。
本発明の硬化膜形成用組成物は、保存安定性及び低温硬化性に優れ、かつ十分な耐溶剤性を有する硬化膜を提供できる。本発明の硬化膜は、十分な耐溶剤性を有する硬化膜である。本発明の硬化膜の形成方法は、十分な耐溶剤性を有する硬化膜を提供できる。本発明の塩基発生剤は、保存安定性及び低温硬化性に優れる硬化膜形成用組成物を提供できる。従って、本発明によれば、液晶デバイス、半導体デバイス等の材料として各種用途に好適に用いることができる硬化膜を提供できる。

Claims (7)

  1. 下記式(1−1)及び式(1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1つで表される塩基発生剤、並びに重合性化合物を含有する硬化性組成物。
    Figure 0006237084
    (式(1−1)及び式(1−2)中、R 水素原子であり、R は、下記式(2−1)で表される1価の基、式(2−2)で表される1価の基、式(2−3)で表される1価の基又は式(2−4)で表される1価の基である。R 〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基、炭素数4〜20の複素環基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロソ基、メルカプト基、トリアルキルシリル基、シラノール基、スルフィノ基、フォスフェート基、アシル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、又はスルホ基である。)
    Figure 0006237084
    (式(2−1)、式(2−2)、式(2−3)及び式(2−4)中、W〜Wは、それぞれ独立して、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜24の脂環式炭化水素基、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基、炭素数4〜20の複素環基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数3〜24のハロゲン化脂環式炭化水素基、炭素数6〜24のハロゲン化芳香族炭化水素基、メトキシフェニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロソ基、メルカプト基、スルフィノ基、フォスフェート基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、クロロフェニル基、アセトフェニル基、ニトロフェニル基、メチルフェニル基又は2−メトキシエチルエーテル基である。l及びmは、0〜18の整数である。nは、1〜100の整数である。l、m又はnが2以上の場合、複数のW〜Wは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。ただし、式(2−1)において、lが0であり、かつW が水素原子である場合を除く。
  2. 上記重合性化合物がオキシラニル基、オキセタニル基又はエチレン性不飽和基を有する化合物である請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. アルカリ可溶性樹脂をさらに含有する請求項1又は請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 感放射線性を有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の硬化性組成物。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の硬化性組成物から形成された硬化膜。
  6. 基板上に塗膜を形成する工程、上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、放射線を照射された塗膜を現像する工程、及び現像された塗膜を加熱する工程を備え、
    上記塗膜を請求項に記載の硬化性組成物から形成する硬化膜の形成方法。
  7. 下記式(1−1)及び式(1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1つで表される塩基発生剤。
    Figure 0006237084
    (式(1−1)及び式(1−2)中、R 水素原子であり、R は、下記式(2−1)で表される1価の基、式(2−2)で表される1価の基、式(2−3)で表される1価の基又は式(2−4)で表される1価の基である。R 〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基、炭素数4〜20の複素環基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロソ基、メルカプト基、トリアルキルシリル基、シラノール基、スルフィノ基、フォスフェート基、アシル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、又はスルホ基である。)
    Figure 0006237084
    (式(2−1)、式(2−2)、式(2−3)及び式(2−4)中、W〜Wは、それぞれ独立して、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜24の脂環式炭化水素基、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基、炭素数4〜20の複素環基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数3〜24のハロゲン化脂環式炭化水素基、炭素数6〜24のハロゲン化芳香族炭化水素基、メトキシフェニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロソ基、メルカプト基、スルフィノ基、フォスフェート基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、クロロフェニル基、アセトフェニル基、ニトロフェニル基、メチルフェニル基又は2−メトキシエチルエーテル基である。l及びmは、0〜18の整数である。nは、1〜100の整数である。l、m又はnが2以上の場合、複数のW〜Wは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。ただし、式(2−1)において、lが0であり、かつW が水素原子である場合を除く。
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